特許第6802804号(P6802804)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴの特許一覧

特許6802804着色インジケータを固体基材上にグラフトする方法および実施用キット
<>
  • 特許6802804-着色インジケータを固体基材上にグラフトする方法および実施用キット 図000002
  • 特許6802804-着色インジケータを固体基材上にグラフトする方法および実施用キット 図000003
  • 特許6802804-着色インジケータを固体基材上にグラフトする方法および実施用キット 図000004
  • 特許6802804-着色インジケータを固体基材上にグラフトする方法および実施用キット 図000005
  • 特許6802804-着色インジケータを固体基材上にグラフトする方法および実施用キット 図000006
  • 特許6802804-着色インジケータを固体基材上にグラフトする方法および実施用キット 図000007
  • 特許6802804-着色インジケータを固体基材上にグラフトする方法および実施用キット 図000008
  • 特許6802804-着色インジケータを固体基材上にグラフトする方法および実施用キット 図000009
  • 特許6802804-着色インジケータを固体基材上にグラフトする方法および実施用キット 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802804
(24)【登録日】2020年12月1日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】着色インジケータを固体基材上にグラフトする方法および実施用キット
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/18 20060101AFI20201214BHJP
   B05D 3/10 20060101ALI20201214BHJP
   B05D 5/06 20060101ALI20201214BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20201214BHJP
   G01N 31/00 20060101ALI20201214BHJP
   G01N 21/80 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   B05D1/18
   B05D3/10 F
   B05D5/06 Z
   B05D7/24 303E
   G01N31/00 L
   G01N31/00 T
   G01N31/00 Q
   G01N21/80
【請求項の数】7
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-553378(P2017-553378)
(86)(22)【出願日】2016年4月12日
(65)【公表番号】特表2018-513005(P2018-513005A)
(43)【公表日】2018年5月24日
(86)【国際出願番号】EP2016058030
(87)【国際公開番号】WO2016166108
(87)【国際公開日】20161020
【審査請求日】2019年2月14日
(31)【優先権主張番号】1553201
(32)【優先日】2015年4月13日
(33)【優先権主張国】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502124444
【氏名又は名称】コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドイジ,デニス
(72)【発明者】
【氏名】デニオ,ギュイ
(72)【発明者】
【氏名】ファガス,マシアス
【審査官】 河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−513647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00− 7/26
G01N21/75−21/83
G01N31/00−31/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体基材の表面上に、共有結合的に少なくとも1つの芳香族第一級アミン官能基を有する着色インジケータをグラフトする方法であって、下記工程:
a)少なくとも1つの芳香族第一級アミン官能基を有する前記着色インジケータから、対応するジアゾニウム塩を調製する工程;
b)工程(a)で調製したジアゾニウム塩を含有する溶液と固体基材とを接触させ、前記溶液を最適なグラフト時間の間、非電気化学的条件におくことにより、前記ジアゾニウム塩の誘導体を単位とする有機鎖を前記固体基材の表面上に共有結合的にグラフトする工程:
c)グラフトされた固体基材を洗浄する工程;
d)工程(b)および(c)または工程(a)〜(c)を少なくとも1回繰り返す工程、を含み、
所望の着色インジケータの前記最適なグラフト時間が下記手段:
α)複数の実験を行う手段であって、各実験がn個のサブ期間に規則的に細分され、時間Tの間行われる手段(nは1以上の整数であり、実験ごとに異なる。各サブ期間は、着色インジケータの固体基材の表面へのラジカル化学的グラフト工程に対応し、各グラフト工程の後に少なくとも1回の洗浄工程が続く);
β)時間Tの後、各実験についてグラフトされた着色インジケータの量を決定する手段であって、nが1に等しい実験について決定した量に関して各実験について決定した量を正規化し、最適な時間間隔がT/n(nは実験E中のnの値に対応する)である正規化された量が最大である実験Eを決定する手段、
を含む方法により決定され
前記着色インジケータが、水素イオン、塩化物イオンなどのハロゲンイオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンおよび酸素からなる群から選択される成分を感知することを特徴とする方法
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記着色インジケータが、その本来の化学構造において、前記芳香族第一級アミン官能基を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、前記着色インジケータが、ニュートラルレッド、ローダミン560、ローダミン123、メチルバイオレット6B、コンゴレッドおよび2−アミノフェノールから成る群から選択されるpHを感知する着色インジケータであることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記芳香族第一級アミン官能基が、従来の有機化学技術を介して着色インジケータの本来の化学構造に導入されたことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか一項に記載の方法であって、前記工程(a)が、前記着色インジケータを酸性水性媒体中のNaNOまたは有機媒体中のNOBFのいずれかの存在下に置くことを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか一項に記載の方法であって、前記非電気化学的条件が、熱条件、動態条件、化学的条件、光化学的条件およびそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか一項に記載の方法であって、各グラフト工程の後に、水中で洗浄する第1の工程、次いでエタノール中で洗浄する第2の工程、最後にアセトン中で洗浄する第3の最終工程が続き、これらの3回の洗浄工程が超音波の存在下で実施されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色インジケータの分野に関し、より詳細には、固体基材上に結合した着色インジケータの分野に関する。
【0002】
本発明は、特に化学的パラメータの測定のために、着色インジケータを共有結合的にグラフトする方法を提案し、またその方法を実施するためのキットを提案する。
【背景技術】
【0003】
近年、工業化は、資源の最適化、最小化、汚染制御および持続可能な開発の点で要求を満たすための最適化を目標としている。
【0004】
その目標に到達する1つの方法は、プロセスの中核でインライン測定を実施する新しい分析技術を開発することを含む。この技術によってもたらされる改良は、プロセスのリアルタイム制御などの多くの利点を有する。
【0005】
pHオプトードは、その分析技術の具体例である。通常、pHオプトードは、着色pHインジケータが結合した光ファイバーとして定義される。着色インジケータの吸収スペクトルまたは蛍光特性は、各々の着色インジケータの指定範囲内のpHに応じて変化するので、このスペクトルまたはこれらの特性の変化を用いて、pHオプトードが置かれている媒体のpHが測定またはモニターされる。様々なpH範囲で使用できる複数の着色pHインジケータの存在により、pH範囲全体を完全にカバーすることができる。
【0006】
すなわち、例えばpHオプトードは、コンクリート劣化のモニタリング(塩基性媒体)、環境分析(中性媒体)、生理学的分析および医学的診断(中性、酸性もしくは塩基性媒体)または核廃棄物の再処理法の制御(酸性媒体)において、pHを測定するために使用できる。
【0007】
pHオプトードには複数の利点がある:それらは、小型で、低コストで、電気的に絶縁された、電磁干渉に影響を受けにくい、生体適合性があるシステムであり、参照電極を必要としない。またpHのリアルタイムモニタリングを可能にする応答時間の短い部位から遠隔で行われるpH測定を可能にする。
【0008】
現在、複数のpHオプトードが存在し、それらの作製に実施される方法に関して、最近のものは3つのカテゴリーに分類できる。
【0009】
第1のカテゴリーは、光ファイバーの端部に結合したゾル/ゲルマトリックスに着色インジケータが閉じ込められたpHオプトードに関する[1][非特許文献1]。すなわちこれはインジケータの物理的な閉じ込めである。この技術は一般的に、クラックの存在のために、沈着層が非均質性であり、色素の浸出の危険性がある。非特許文献1において、pHオプトードが1Mの硝酸溶液に入れられたとき、40日後に信号の40%が失われることに留意すべきである。このカテゴリーにおける別の方法では、ファイバーの端部に色素ディスクを接着することができるが、ディスク/ファイバー端部の界面を緩める液体のためにディスクの耐久性が制限される。
【0010】
第2のカテゴリーには、連続層または「毎層」を経た操作によって、ポリマー薄膜で静電法を用いる色素の沈着が含まれる[2][非特許文献2]。この自己構築技術は、ゾル−ゲル法で遭遇する問題に対するより良い解決策を提供することができる。しかしながら、静電相互作用の特性のために、pHが測定される媒体のイオン力の影響が重要となり得る。したがって、極端なpHに対するこれらの層の耐性は十分ではない。
【0011】
第3のカテゴリーは、共有結合を介して繊維上に色素を直接グラフトすることに関する。その共有結合の存在は、堅固な、耐久性のある、効果的な方法でその色素が結合しているオプトードの利点を提供する。現在、共有結合を作る多数の様々なアプローチが報告されている。基材上で直接的な共有結合を介するこれらのオプトードの作製は、技術的には比較的複雑で時間がかかる。したがって、クリックケミストリーと呼ばれる技術が、共有結合を作ることを可能にするが、弱い信号をもたらす活性成分の単一層を用いて形成される[3][非特許文献3]。同様に、特に[4][非特許文献4]によって説明される「制御された細孔ガラス」のCPG技術は、実施することが極めて困難であり、非常に長い作製時間を必要とする。この第3のグループは、主に、ポリメチルメタクリレート(PMMA)製の繊維などのプラスチック繊維に関する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Noire et al,2000,“A New Sol−Gel Derived Optical Sensor for High Acidity Measurements:Applications in Nuclear Fuel Reprocessing”,Journal of Sol−Gel Science and Technology,vol.17,pages 131−136.
【非特許文献2】Raoufi et al,2013,“Fibre optic pH sensor using optimized layer−by−layer coating approach”,IEEE Sensors Journal,vol.14,pages 47−54.
【非特許文献3】Nguyen et al,2009,“Development of intrinsic optical fiber pH sensors for industrial applications”,IEEE Sensors Conference.
【非特許文献4】Baldini et al,1994,“Controlled−pore glasses embedded in plastic optical fibers for gastric pH sensing purposes”,Appl.Spectr.,vol.48,pages 549−552.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明者らは、着色pHインジケータが厚い層の形態でしっかりとグラフトされ、且つ、様々な媒体におけるpH値測定のための使用に適切な固体基材の作製を実施する、単純で簡単な方法を提供するという目標を設定した。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、本発明者が設定した目標を達成することを可能とし、したがって、化学的パラメータ測定用のこれらのインジケータの特性に影響を及ぼす該グラフトを有することなく、着色インジケータがグラフトされた固体基材を作製する簡単な方法に関する。
【0015】
実際に、本発明者らは、着色インジケータを固体基材の表面上にグラフトするために、これらの着色インジケータが少なくとも1つの芳香族第一級アミン官能基を有するという唯一の条件を用いて、国際特許出願 WO2008/078052[5]に記載されているラジカル化学的グラフト法を効果的に実施できることを実証した。
【0016】
第一に、国際特許出願 WO2008/078052[5]に定義されたアリールジアゾニウム塩の前駆体として、芳香族第一級アミン官能基を有する着色インジケータを使用することは、当業者に自明ではなかったことに留意すべきである。また、特に着色インジケータの分子内に自然に存在し得る−NH基の喪失のために、グラフトした着色インジケータがそれらの着色インジケータの特性に影響を及ぼさないことも自明ではなかった。実際に、本発明者らは、溶液中の該着色インジケータ中に存在する第一級アミンの喪失を伴う本発明の方法によるニュートラルレッドのグラフトが、吸収極大のオフセットを伴う変更と、対象とするpH範囲の変更をもたらすことを観察した(以下の実験部分の段落III.Aを参照)。
【0017】
さらに本発明者らは、固体基材を化学的パラメータの測定に使用できるように着色インジケータの十分なグラフトを得るために、国際特許出願 WO2008/078052[5]に記載されたラジカル化学的グラフト法が、グラフト工程、すなわち少なくとも1つの第一級アミン官能基を含む着色インジケータに由来するアリールジアゾニウム塩が非電気化学的条件に供される工程の最適な持続時間を決定することによって、および、グラフトされずに単純に物理的に吸着している分子を基材の表面から除去するための洗浄工程により互いに分離されるグラフト工程を繰り返すことによって、変更されなければならないことを実証した。
【0018】
興味深いことに、本発明は、着色インジケータをグラフトすることが望まれるあらゆるタイプの固体基材に適用される。同様に着色インジケータは、pHを感知する着色インジケータだけでなく、任意の化学的パラメータによって変化する吸収スペクトルまたは蛍光特性を有するあらゆる着色インジケータであってもよい。
【0019】
したがって本発明は、固体基材の表面上に共有結合的に、少なくとも1つの芳香族第一級アミン官能基を有する着色インジケータをグラフトする方法であって、以下の工程を含む:
a)少なくとも1つの芳香族第一級アミン官能基を有する前記着色インジケータから、対応するジアゾニウム塩を調製する工程;
b)工程(a)で調製したジアゾニウム塩を含有する溶液と固体基材とを接触させ、前記溶液を最適なグラフト時間の間、非電気化学的条件におくことにより、前記ジアゾニウム塩の誘導体を単位とする有機鎖を前記固体基材の表面上に共有結合的にグラフトする工程:
c)グラフトされた固体基材を洗浄する工程;
d)工程(b)および(c)または工程(a)〜(c)を少なくとも1回繰り返す工程。
【0020】
本発明の方法は、ラジカル化学的グラフト法である。
【0021】
本発明において、用語「ラジカル化学的グラフト」は、国際特許出願 WO2008/078052[5]と同じ定義を有する。すなわち、それは基材と共有結合を形成するために不対電子を有する分子単位を使用することを示し、前記分子単位は、それらをグラフトする基材とは独立して生成される。このようにラジカル反応は、基材とグラフトされる有機鎖(すなわちグラフトされる有機オリゴマー)との間の共有結合を形成する。
【0022】
基材の表面上にグラフトされた有機鎖または有機オリゴマーは、基材の表面にグラフトされた有機フィルムとして定義することができる有機層を形成する。
【0023】
基材の表面上にグラフトされた有機オリゴマーは、少なくとも1つの芳香族第一級アミン官能基を有する着色インジケータから得られるジアゾニウム塩由来の複数の同一のモノマー単位から主に作られたオリゴマーである。本発明において、「表面」とは固体基材の外側部分を意味し、あらゆる方向においてその境界となる。本発明は、その形状には関係なく、あらゆるタイプの表面に適用される。後者は、表面を形成する材料およびそれが付属する固体基材の残りの部分には関係なく、完全に平坦な表面などの単純なもの、または粗い表面もしくは非閉塞孔を有する表面などの複雑なものとすることができる。
【0024】
この方法は、ラジカルである構築メカニズム、または、カービンもしくはナイトレンなどの不対電子を有する原子を含む構築メカニズムを使用するので、本発明は、多種多様の対象表面に用いることができる。その組成物は、多種多様の材料から選択できる。本発明の方法において、使用される表面の性質は、本発明の方法にほとんど影響を与えない。したがって、本発明において使用される表面は、有機もしくは無機および/または不均一な組成を有し得る複合性であってもよい。それは、絶縁性、半導電性または導電性であってもよい。
【0025】
本発明は、これには限定されないが、特にCH、カルボニル(ケトン、エステル、酸、アルデヒド)、OH、SH、エーテル、アミン、F、Cl、Brなどのハロゲンなどのラジカル付加または置換の反応に関与することができる1つ以上の原子または原子団を有するあらゆる表面に関する。
【0026】
無機表面は、特に貴金属または非貴金属などの導電性材料および金属合金から選択できる。例えば、Ni、Zn、Au、Pt、Tiまたはスチールである。これらはまた、Si、SiC、AsGa、Gaなどの半導体材料であってもよい。この方法は、SiO、AlおよびMgOなどの非導電性の酸化物などの非導電性表面に適用することも可能である。より一般的には、無機表面は、例えば、一般的にケイ酸塩もしくはセラミックを含むガラスなどの非晶質材料、または、多少組織化され得るダイヤモンドもしくはグラファイトなどの結晶性材料からなることができる。
【0027】
有機表面の例としては、特にラテックスもしくはゴムなどの天然ポリマーまたは人工ポリマーが挙げられる。また木材もしくは紙のセルロースなどの多糖、綿もしくはフェルトなどの人工もしくは天然繊維を含む表面などのより複雑な有機表面に本方法を適用することも可能である。
【0028】
有利には、本発明において使用される人工ポリマーは、以下から成る群から選択される熱可塑性(コ)ポリマーである:
−ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、それらのコポリマーの1つ、それらの混合物およびそれらの組み合わせなどのポリオレフィン;
−グリコール、ポリブチレンテレフタレート、ポリラクチド、ポリカーボネート、それらのコポリマーの1つ、それらの混合物およびそれらの組み合わせによって任意に変性されたポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル;
−ポリ(オキシメチレン)、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(オキシプロピレン)、ポリ(フェニレンエーテル)、それらのコポリマーの1つ、それらの混合物およびそれらの組み合わせなどのポリエーテル;
−任意に塩素化されたポリ塩化ビニル、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアセタール)、ポリ(ビニルホルマール)、ポリ(ビニルフルオライド)、ポリ(塩化ビニル/酢酸ビニル)、それらのコポリマーの1つ、それらの混合物およびそれらの組み合わせなどのビニルポリマー;
−ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(フッ化ビニリデン)、それらのコポリマーの1つ、それらの混合物およびそれらの組み合わせなどのビニリデンポリマー;
−ポリスチレン、ポリ(スチレン/ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン)、ポリ(アクリロニトリル/スチレン)、ポリ(アクリロニトリル/エチレン/プロピレン/スチレン)、ポリ(アクリロニトリル/スチレン/アクリレート)それらのコポリマーの1つ、それらの混合物およびそれらの組み合わせなどのスチレンポリマー;
−ポリアクリロニトリル、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、それらのコポリマーの1つ、それらの混合物およびそれらの組み合わせなどの(メタ)アクリルポリマー;
−ポリ(カプロラクタム)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、ポリ(ラウロアミド)、ポリエーテルブロックアミド、ポリ(メタキシリレンアジパミド)、ポリ(メタフェニレンイソフタルアミド)それらのコポリマーの1つ、それらの混合物およびそれらの組み合わせなどのポリアミド;
−ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、過フッ素化ポリ(エチレン/プロピレン)、ポリ(フッ化ビニリデン)、それらのコポリマーの1つ、それらの混合物およびそれらの組み合わせなどのフッ素化ポリマー(またはポリフルオロエチレン);
−セルロースアセテート、硝酸セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、それらのコポリマーの1つ、それらの混合物およびそれらの組み合わせなどのセルロースポリマー;
−ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、それらのコポリマーの1つ、それらの混合物およびそれらの組み合わせなどのポリ(アリーレンスルホン);
−ポリ(フェニレンスルフィド)などのポリスルフィド;
−ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテルエーテルケトン)、ポリ(エーテルケトンケトン)、それらのコポリマーの1つ、それらの混合物およびそれらの組み合わせなどのポリ(アリールエーテル)ケトン;
−ポリアミドイミド;
−ポリ(エーテル)イミド;
−ポリベンズイミダゾール;
−ポリ(インデン/クマロン);
−ポリ(パラキシリレン);
−それらのコポリマーの1つ、それらの混合物の1つ並びにそれらの組み合わせの1つ。
【0029】
あるいは、本発明において使用される人工的な(コ)ポリマーは、尿素−ホルムアルデヒド、メラミン−ホルムアルデヒド、メラミン−ホルムアルデヒド/ポリエステルなどのアミノプラスト、それらのコポリマーの1つ、それらの混合物およびそれらの組み合わせ;ポリウレタン;不飽和ポリエステル;ポリシロキサン;フェニル−ホルムアルデヒド、エポキシド、アリルまたはビニルエステル樹脂;アルキド;ポリウレア;ポリイソシアヌレート;ポリ(ビスマレイミド);ポリベンズイミダゾール;ポリジシクロペンタジエン;それらのコポリマーの1つ、それらの混合物の1つおよびそれらの組み合わせの1つから成る群から選択される熱硬化性(コ)ポリマーである。
【0030】
本明細書中において、「着色インジケータ」とは、紫外線から赤外線の範囲、すなわち一般に280nmから5000nmに及ぶ波長の範囲の吸収、放出または再放出の特性を有する合成または天然有機化合物を意味する。
【0031】
さらに本発明において使用される着色インジケータは、少なくとも1つの成分を感知し、この成分と接触させた後にそのスペクトル特性の少なくとも1つが変化する。有利には、この成分は、水素イオン、塩化物イオンなどのハロゲンイオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンまたは酸素からなる群から選択される。水素イオンを感知する着色インジケータは、またpHを感知するインジケータとして示されることに留意すべきである。
【0032】
最後に、本発明において使用される着色インジケータは、少なくとも1つの芳香族第一級アミン官能基を有する。
【0033】
「芳香族第一級アミン官能基」とは、Rが任意に置換された(ヘテロ)アリーレン基を表すR−NH基を意味する。
【0034】
「アリーレン基」とは、3〜10個の炭素原子、より具体的には4〜8個の炭素原子、特に6個の炭素原子を含む少なくとも1つの芳香族環からなる芳香族炭素構造を意味する。
【0035】
「ヘテロアリーレン基」とは、3〜10個の炭素原子、より具体的には4〜8個の炭素原子、特に6個の炭素原子を含む少なくとも1つの複素環式芳香族環からなるヘテロ芳香族炭素構造を意味し、ここでヘテロ原子はN、O、P、SiまたはS、より具体的にはN、O、SiまたはSであり得る。ヘテロ原子は、特に、芳香族環を遮断および/またはアリーレン基の2つの芳香環を分離することができる。後者の場合、ヘテロ原子は、カルボキシル基またはチオカルボニル基の形態であり得る。
【0036】
本明細書中において、「置換(ヘテロ)アリーレン基」とは、ハロゲン、アミン;ジアミン;カルボキシル;カルボキシレート;アルデヒド;エステル;エーテル;ヒドロキシル;ハロゲン;特に、メチル、エチル、プロピルまたはヒドロキシプロピルなどの置換(ヘテロ)アルキル;アミン;アミド;スルホニル;スルホキシド;スルホネート;アシル;ビニル;エポキシ;ホスホネート;スルホン酸;イソシアネート;チオール;グリシドキシ、アクリルオキシおよびそれらの塩から選択される基によって一置換または多置換された、先に定義した(ヘテロ)アリーレン基を意味する。
【0037】
通常は、本発明において使用される着色インジケータは、その本来の化学構造において、その芳香族第一級アミン官能基を含むことができる。あるいは、この官能基は、置換技術などの従来の有機化学技術を介して、または芳香族第二アミンもしくは第三アミンを芳香族第一級アミンに変換することによって、この本来の化学構造に導入することができる。改変されたこの着色インジケータは、先に定義した着色インジケータの特性を保持するに違いないが、改変されていない着色インジケータの特性に関しては異なる可能性があることは明らかである。
【0038】
本発明において使用できるpHを感知する着色インジケータの具体例には、ニュートラルレッド(CAS 553−24−2)、ローダミン560(CAS 13558−31−1)、ローダミン123(CAS 62669−70−9)、メチルバイオレット6B(式C2326Cl)、コンゴレッド(CAS 573−58−0)および2−アミノフェノール(CAS 95−55−6)が含まれる。
【0039】
一度改変されて少なくとも1つの芳香族第一級アミン官能基を有する、本発明において使用できるpHを感知する着色インジケータの具体例には、ブロモチモールブルー(CAS 76−59−5)、メチルイエロー(CAS 60−11−7)、メチルオレンジ(CAS 547−58−6)、メチルレッド(CAS 845−10−3)、フェノールレッド(CAS 143−74−8)、クレゾールレッド(CAS 1733−12−6)、フェノールフタレイン(CAS 5768−87−6)、アリザリン(CAS 72−48−0)、インディゴカルミン(CAS 860−22−0)、マラカイトグリーン(CAS 10309−95−2)、6−カルボキシフルオレセイン(CAS 3301−79−9)および8−ヒドロキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸(CAS 6358−69−6)が含まれる。
【0040】
一度改変されて少なくとも1つの芳香族第一級アミン官能基を有する、本発明において使用できる、ハロゲン化物イオン、特に塩化物イオンを感知する着色インジケータの具体例には、N、N’−ジメチル−9,9’−ビス−アクリジニウム硝酸塩(ルシゲニン、CAS 235−97−1)、6−メトキシ−N−(3−スルホプロピル)キノリニウム(SPQ、CAS 83907−40−8)およびN−(エトキシカルボニルメチル)−6−メトキシ−キノリニウムブロミド(MQAE、CAS 162558−52−3)が含まれる。
【0041】
一度改変されて少なくとも1つの芳香族第一級アミン官能基を有する、本発明において使用することができるカルシウムイオンを感知する着色インジケータの具体例には、N−[2−[(アセチルオキシ)メトキシ]−2−オキソエチル]−N−[4−[[[3’,6’−ビス(アセチルオキシ)−2’,7’−ジフルオロ−3−オキソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H)、9’−[9H]キサンテン]−5−イル]カルボニル]アミノ]−2−[2−[2−[ビス[2−[(アセチルオキシ)メトキシ]−2−オキソエチル]アミノ]フェノキシ]エトキシ]フェニル]−グリシン−(アセチルオキシ)メチルエステル(Oregon Green(商標)488 BAPTA−1)、N−[2−[2−[2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]−5−[[(2’,7’−ジフルオロ−3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−5−イル)カルボニル]アミノ]フェノキシ]エトキシ]−6−フルオロフェニル]−N−(カルボキシメチル)−グリシン−ヘキサカリウム(Oregon Green(商標)488 BAPTA−6F)の塩およびN−[2−[2−[2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]−5−[[(2’,7’−ジフルオロ−3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−5−イル)カルボニル]アミノ]フェノキシ]エトキシ]−5−ニトロフェニル]−N−(カルボキシメチル)−グリシン−ヘキサカリウム(Oregon Green(商標)488BAPTA−5N)の塩が含まれる。
【0042】
一度改変されて少なくとも1つの芳香族第一級アミン官能基を有する、本発明において使用することができるナトリウムイオンを感知する着色インジケータの具体例には、N、N’−[1,4,10−トリオキサ−7,13−ジアザシクロペンタデカン−7,13−ジイルビス(2,5−ジメトキシ−4,1−フェニレン)]ビス[3’,6’−ビス(アセチルオキシ)−2’,7’−ジクロロ−3−オキソ−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−5−カルボキサミド(Sodium Green(登録商標)、Molecular Probes、CAS 159952−49−5)およびN−(4−[1−(7−ジエチルアミノクマリン)−3−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル]フェニルアザ−18−クラウン−6−エーテルが含まれる。
【0043】
一度改変されて少なくとも1つの芳香族第一級アミン官能基を有する、本発明において使用することができるカリウムを感知する着色インジケータの具体例には、N−(2−メトキシエトキシ)フェニルアザ−18−クラウン−6)−4−(クマリニル)−1H−1,2,3−トリアゾールが含まれる。
【0044】
一度改変されて少なくとも1つの芳香族第一級アミン官能基を有する、本発明において使用することができる酸素を感知する着色インジケータの具体例には、ルテニウム(II)−トリス(4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)過塩化物(CAS 75213−31−9)の錯体およびルテニウム(II)−トリス(4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)二塩化物(CAS 36309−88−3)の錯体が含まれる。
【0045】
本発明の方法において、工程(a)は、有機化学における従来型の工程であり、特に国際特許出願 WO2008/078052[5]に記載されているラジカル化学的グラフト法である。これには、着色インジケータが有する芳香族第一級アミンの−NH官能基を−Nジアゾニウム官能基に変換することが含まれる。
【0046】
その変換について当業者に公知のあらゆるプロトコルを、本発明において使用できる。通常は、この工程には、着色インジケータを酸性水性媒体中のNaNOまたは有機媒体中のNOBFのいずれかの存在下に置くことが含まれる。そのプロトコルに使用できる実験モードの詳細な説明については、当業者は公開文献[6]を参照することができる。
【0047】
本発明の方法において、工程(b)には、工程(a)で調製されたジアゾニウム塩を含有する溶液と固体基材を接触させる第1の所定のサブステップ(i)および最適なグラフト時間の間、前記溶液を非電気化学的条件下に置くことを含む第2の所定のサブステップ(ii)の2つのサブステップが含まれる。
【0048】
これらの2つのサブステップは、サブステップ(i)とそれに続くサブステップ(ii)またはサブステップ(ii)とそれに続くサブステップ(i)を同時にまたは交互に行うことができる。
【0049】
工程(b)並びにサブステップ(i)および(ii)は、国際特許出願 WO2008/078052[5]に記載されているラジカル化学的グラフト法の従来型ステップである。しかしながら、工程(b)は、所定の最適時間で実施される点でこの方法に関して特殊性を示すことに留意すべきである。
【0050】
したがって、工程(b)の間に使用される溶液は、工程(a)で調製されたジアゾニウム塩を溶媒中に含む液状の反応溶液である。後者は:
−プロトン性溶媒、すなわちプロトンの形態で放出できる少なくとも1つの水素原子を含む溶媒であり、有利には水、脱イオン水、蒸留水、酸性もしくは塩基性、酢酸、メタノールおよびエタノールなどのヒドロキシル化溶媒、エチレングリコールなどの低分子量の液体グリコール、並びにそれらの混合物からなる群から選択される溶媒;または、
−非プロトン性溶媒、すなわちプロトンを放出できないかまたは非極限条件下でプロトンを受容できない溶媒であり、有利には、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、アセトニトリルおよびジメチルスルホキシド(DMSO)から選択される溶媒;または、
−少なくとも1種のプロトン性溶媒と少なくとも1種の非プロトン性溶媒との混合物とすることができる。
【0051】
この反応溶液において、工程(a)で調製されたジアゾニウム塩は、10−6〜5M、より具体的には10−4〜1M、特に10−2〜10−1Mの濃度で存在する。
【0052】
さらに、その反応溶液のpHは7未満であり、通常は3以下である。0〜3のpHでの作業が推奨される。必要に応じて、当業者に周知の1種以上の酸性化剤を用いて、溶液のpHを所望の値に調整することができる。例えば塩酸、硫酸などの無機酸または有機酸を使用することができる。
【0053】
ジアゾニウム塩は、先に定義した液状の反応溶液中にそのまま導入することも、この溶液中でin situで調製することもできる。したがって、後者の方法では、工程(a)および工程(b)が反応溶液中で連続的に行われる。これは「ワンポット」法である。
【0054】
本発明の方法では、国際特許出願 WO2008/078052[5]で想定される全ての非電気化学的条件を、工程(b)の間のサブステップ(ii)において使用することができる。注意すべきことであるが、この非電気化学的条件は、それを含む溶液またはグラフトが行われる固体基材に電圧を適用しないで、工程(a)で調製したジアゾニウム塩からラジカル単位を形成することができる条件である。
【0055】
これらの条件は、例えば、温度、反応溶液中に存在する溶媒の性質、特定の添加剤の存在、撹拌、電流がラジカル単位の形成中に関係しない圧力などのパラメータを意味する。ラジカル単位の形成を可能にする条件は数多くあり、このタイプの反応は公知であり、先行技術において詳細に研究されている。
【0056】
したがって、例えばそれを不安定化してラジカル単位を形成するために、工程(a)で調製したジアゾニウム塩の熱的、動態的、化学的または光化学的環境に作用することが可能である。当然に、複数のこれらのパラメータに対して同時に作用することも可能である。
【0057】
本発明において、ラジカル単位の形成を可能にする条件は、通常は、ジアゾニウム塩の調製工程(a)が行われる熱条件、動態条件、化学的条件、光化学的条件およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。有利には、本発明において実施される条件は、熱条件、化学的条件、光化学的条件およびこれらの条件の組み合わせからなる群から選択される条件および/または動態条件である。本発明において実施される条件は、化学的または光化学的条件である。
【0058】
熱環境は温度に依存する。その制御は、当業者によって日常的に使用される加熱手段を用いることによって容易である。温度調節された環境の使用は、反応条件の正確な制御を可能にするので特に重要である。
【0059】
動態環境は、システムの動きおよび摩擦力に実質的に対応する。これは、分子そのものの動き(結合の伸長など)ではなく、分子の全体的な動きである。したがって、工程(a)で調製されたジアゾニウム塩を含有する溶液は、機械的攪拌および/または超音波による処理に供される。第1の選択肢では、工程(a)で調製されたジアゾニウム塩を含有する溶液を超音波で処理する。
【0060】
最後に、可視光、紫外線、より具体的にはUVランプ、エキシマランプまたはレーザーを介する様々な放射の作用について、どのような創作性も発揮されることなく、使用される波長は、使用される工程(a)で調製されたジアゾニウム塩に応じて選択される。
【0061】
化学的条件については、1つ以上の化学的プライマーが使用される。化学的プライマーの存在は、上記のように、非化学的環境条件としばしば結びついている。通常は、選択された環境条件で使用される化学的プライマーは、工程(a)で調製されたジアゾニウム塩に作用し、後者からのラジカル単位の形成をもたらす。化学的プライマーを使用することも可能であり、その作用は環境条件に実質的に関連することなく、広範囲の熱条件または動態条件に作用することができる。プライマーは、好ましくは、例えば使用される溶媒などの反応環境に適している。
【0062】
多数の化学的プライマーが存在する。通常、使用される環境条件に応じて3つのタイプに分類される:
−熱プライマー、最も一般的なものは過酸化物またはアゾ化合物である。熱作用の下で、これらの化合物はフリーラジカルに解離する。この場合、プライマーからのラジカルの形成に必要な温度に対応する最低温度で反応が起こる。これらのタイプの化学的プライマーは、その分解速度に応じて、特定の温度間隔で特異的に使用されるのが一般的である;
−光化学的プライマーは、多少の複雑なメカニズムを介してラジカルの生成を可能にする。BuSnHおよびIは、光化学的プライマーである;
−実質的には化学的プライマー、このタイプのプライマーは、工程(a)で調製されたジアゾニウム塩に迅速に、かつ常温および高圧の条件下で作用し、それがラジカルを形成することを可能にする。通常、このプライマーは反応条件下で使用される工程(a)で調製されたジアゾニウム塩の還元電位よりも低い酸化還元電位を有する。工程(a)で調製されたジアゾニウム塩の性質によれば、例えばこれらは、鉄、亜鉛、銅もしくはニッケルなどの還元性金属;メタロセン;次亜リン酸(HPO)もしくはアスコルビン酸などの有機還元剤;開裂可能なアリール塩の不安定化を可能にするのに十分な割合の有機もしくは無機塩基である。
【0063】
有利には、化学的プライマーとして使用される還元金属は、金属ウール(より一般的には「ストロー」と呼ばれる)または金属くずなどの細かく分割された形態であり、通常は鉄粉末が使用される。
【0064】
前述のように、工程(b)は、反応溶液が非電気化学的条件に供される時間、すなわちグラフト時間が、その最適な性質に鑑みて予め選択されているという点で、既に記載したラジカル化学的グラフト法とは異なる。
【0065】
有利には、最適なグラフト時間は、本発明の方法の工程(b)の前に決定される。所望の着色インジケータの最適なグラフト時間の決定に用いられる方法は以下の手段を含む:
α)複数の実験を行う手段。各実験はn個のサブ期間に規則的に細分され、時間Tの間行われる。nは1以上の整数であり、実験ごとに異なる。各サブ期間は、着色インジケータの固体基材の表面へのラジカル化学的グラフト工程に対応し、各グラフト工程の後に少なくとも1回の洗浄工程が続く;
β)時間Tの後、各実験についてグラフトされた着色インジケータの量を決定する手段。nが1に等しい実験について決定した量に関して各実験について決定した量を正規化する。そして、最適な時間間隔がT/n(nは実験E中のnの値に対応する)である正規化された量が最大である実験Eを決定する。
【0066】
工程(a)および(b)に関して、特に固体基材、反応溶液、着色インジケータの量および非電気化学的条件に関して上で説明した全ては、ラジカル化学的グラフト工程の手段(α)にも適用される。
【0067】
各グラフト工程の後に、少なくとも1回の洗浄工程が続く。後者は、固体基材の表面上に単に物理的に吸着し、1つ以上の共有結合を介して直接的または間接的に該表面とグラフトするものではない着色インジケータを取り除くことを目的とする。
【0068】
有利には、各グラフト工程の後に、同一または異なる洗浄溶液の手段を介して、固体基材の表面を1回以上洗浄する。特に、各グラフト工程後に、少なくとも2回または少なくとも3回の固体基材の前記表面の洗浄が行われる。当該洗浄は同一または異なる洗浄溶液を用いて行うことができる。実際には、各洗浄のために同一の洗浄溶液を使用すること、ひとつの洗浄からの別の洗浄には異なる洗浄溶液を使用すること、または、ひとつの洗浄からの別の洗浄には同一もしくは異なる洗浄溶液を使用することが想定され得る。洗浄は、通常は数秒(例えば5秒、10秒、15秒または30秒)から数分(1分、2分、3分、5分、10分または15分)の同一または異なる持続とすることができる。洗浄は、超音波の存在下および周囲温度(すなわち、23℃±5℃)で実施される。
【0069】
当業者に公知のあらゆる洗浄溶液は、本発明の方法の工程(b)において使用することができる。この溶液は、通常は、着色インジケータが可溶の溶媒を含む。この溶媒は、先に定義したプロトン性溶媒、先に定義した非プロトン性溶媒またはそれらの混合物の1つからなる群から有利に選択される。
【0070】
例として、また非網羅的には、いずれかの洗浄の間に使用される洗浄溶液は、水、蒸留水、脱塩水、脱イオン水、エタノールなどのアルコール、アセトンまたはこれらの混合物の1つからなる群から選択される。
【0071】
有利には、グラフト工程の後の第1の洗浄の前に、固体基材の表面と接触している反応溶液の除去が行われる。この除去は、特に、タッピング、吸収、吸引または反応溶液から固体基材を除去することによって行うことができる。
【0072】
具体的な実施形態では、各グラフト工程の後に、水中で洗浄する第1の工程、次いでエタノール中で洗浄する第2の工程、最後にアセトン中で洗浄する第3の最終工程を行い、これらの3回の洗浄工程は、超音波の存在下で実施される。
【0073】
当業者は創作性を発揮することなく、各実験に使用される時間Tおよび数nを決定することができるであろう。通常は、時間Tは10分間から2時間、より具体的には20分間から1時間、特に30分間続くことができる。以下の実験部分では、ニュートラルレッドとローダミン560についてのこのプロトコルの具体例が示されていることに留意すべきである。この例では、時間Tは30分間であり、使用されるnの様々な値は1,2,3,6,10,15および30である。
【0074】
一度グラフト時間Tが経過すると、各実験について着色インジケータの固体基材の表面へのグラフトが定量化される。あらゆる分析手段を使用して着色インジケータの層の存在を確認し、その厚さを測定することが可能である。特にこの手段は、使用される着色インジケータに存在する原子および化学基に従って、赤外線(IR)分光分析またはX線(XPS)および紫外光電子(UV)分光法とすることができる。
【0075】
結果を比較するために、各実験について定量化したグラフト値を、時間Tの間に単一のグラフト工程のみを使用する実験で定量化したグラフト値に関して正規化する。グラフトの最適持続時間を決定するために、一組の正規化されたグラフト値に関して正規化されたグラフト値が最も高い実験Eを用いる。後者は実験Eの間に使用されるサブ期間の持続時間に対応するからである。
【0076】
本発明の方法において、また工程(c)は固体基材の表面上に単に物理的に吸着し、1つ以上の共有結合を介して直接的または間接的にグラフトするものではない着色インジケータを取り除くことを目的とする。その後のグラフト工程の間、着色インジケータから誘導された有機ポリマーが塞ぐ可能性のある固体基材の表面上の部分がこの除去によって解放される。
【0077】
グラフトの最適持続時間の決定の間、洗浄工程について上に記載された全ての事柄が、変更すべきところは変更して工程(c)に適用される。
【0078】
先に説明したように、本発明におけるグラフト法の工程(d)は、国際特許出願 WO2008/078052[5]に記載されている方法からそれを際立たせる別の特徴である。工程(d)は、グラフト工程(工程(b)と場合により工程(a))を繰り返すことを含む。該グラフト工程は、洗浄工程(工程(c))によって互いに分断され、グラフトしないで単に物理的に吸着している着色インジケータは、毎回、固体基材の表面から取り除かれる。
【0079】
工程(d)の間、工程(a)を繰り返す必要は必ずしもないことに留意すべきである。実際、着色インジケータから調製された多量のジアゾニウム塩が最初に調製された場合、最初に調製された当該塩は、工程(b)の間に使用される。一方、実施されるプロトコルが以前に定義された「ワンポット」プロトコルである場合、工程(b)の反復毎に、工程(a)を繰り返されなければならない。
【0080】
したがって、特に、グラフトされた着色インジケータに関連する化学的パラメータを測定するための固体基材の使用の想定に十分な量の着色インジケータのグラフトを得るために、工程(b)と工程(c)または場合により工程(a)〜(c)の連続は、通常は1〜40回、より具体的には5〜30回、特に10〜20回繰り返すことができる。
【0081】
また本発明は、先に定義した方法の実施の間の使用に適した構成要素のキットに関する。このキットは、特に以下を含む:
−第1のコンパートメント内の、先に定義した少なくとも1つの芳香族第一級アミン官能基を有する着色インジケータ;
−第2のコンパートメント内の、着色インジケータが有する芳香族第一級アミンの−NH官能基を−Nジアゾニウム官能基(例えば、酸性水性媒体中のNaNOの溶液または有機媒体中のNOBFの溶液)に変換するために必要な少なくとも1つの構成要素;
−必要に応じて、第3のコンパートメント内の、化学的プライマーなどの−Nジアゾニウム官能基からラジカル種を生成するために必要な少なくとも1つの構成要素;および、
−必要に応じて、第4のコンパートメント内の、先に定義した固体基材、すなわち着色インジケータがグラフトされるべき表面上の固体基材。
【0082】
本発明の構成要素のキットは、また第5のコンパートメント内の、グラフトされた基材の洗浄に必要な構成要素を含むことができる。
【0083】
本発明はまた、本発明の方法の実施を介して直接得られる固体基材に関する。その基材はその表面に有機鎖を有し、その単位は少なくとも1つの芳香族第一級アミン官能基を有する着色インジケータから得られるジアゾニウム塩の誘導体である。
【0084】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、情報の目的で与えられた非限定的な以下の実施例を読むことにより当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
図1図1は、薄い金のスライド上にグラフトしたニュートラルレッドのIRスペクトルを示す。
図2図2は、薄い金のスライド上にグラフトしたローダミン560のIRスペクトルを示す。
図3図3は、ニュートラルレッド(図3A)およびローダミン560(図3B)についての様々なシーケンシングの関数としての正規化されたIR透過率を示す。
図4図4は、ニュートラルレッド(図4A)およびローダミン560(図4B)についてのサイクル数の関数としてのIRバンドの高さを示す。
図5図5は、沈着した感知層の厚さに応じた感度(吸光度)の増加を示す。
図6図6は、様々なpH値における薄い金のスライドにグラフトしたニュートラルレッドの可視スペクトルの吸収スペクトル(図6A)と、pHに応じた550nmでの吸光度ピークの変化を示す(図6B)。
図7図7は、ガラススライド上とローダミン560で測定したpHに応じた560nmでの吸光度を示す。
図8図8は、PMMAで被覆した金のスライドのスペクトル(PMMA)と、金のスライドのスペクトル(Au)との比較を示す。
図9図9は、PMMAで被覆した金のスライドのスペクトル(PMMA)と、ニュートラルレッドがグラフトした通常の金のスライドのスペクトル(Au+RN)と、ニュートラルレッドがグラフトしたPMMAで被覆した金のスライドのスペクトル(PMMA+RN)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0086】
I.概説
本発明者らは、国際特許出願 WO2008/078052[5]に記載されているラジカル化学的グラフト法を使用した。
【0087】
この方法における基準の基材は、通常、約15nmのクロム層がその上に沈着したガラススライドの形態の金スライドであり、それ自体が約200nmの金の層で被覆される。
【0088】
しかしながら、以下に提示される作業は、約3nmのクロム層がその上に沈着したガラススライドの形態の金スライドであり、それ自体が約27nmの金の層で被覆されたスライド上で行われた。
【0089】
II.シーケンシング
シーケンシングの間に使用する全ての溶液は機械的に攪拌され、使用する着色インジケータの濃度は、ニュートラルレッドおよびローダミン560について、それぞれ、2g.l−1または7.4mmol.l−1および0.2g.l−1または0.5mmol.l−1であることに留意すべきである。
【0090】
II.1.液槽処理の最適持続時間の決定
A.ニュートラルレッド
ビーカー中:25mlのニュートラルレッド溶液(25mlの0.1mol.l−1のHCl中にニュートラルレッド0.1g)+25mlのNaNO溶液(ニュートラルレッドに対して1モル当量または25mlの0.1mol.l−1のHCl中に0.024g)(M(ニュートラルレッド)=269g.mol−1,M(NaNO)=69g.mol−1)。この溶液では、ニュートラルレッドは対応するジアゾニウム塩に変換される。
【0091】
ジアゾニウム塩を還元するために、本発明の方法で定義した非電気化学的条件に対応する過剰の鉄粉を添加する(約1g)。
【0092】
7枚の金のスライドを合計反応時間の30分間、反応液に接触させて各スライドについて正確なシーケンシングを行う。具体的には:
1)30分間の液槽処理を1回
2)15分間の液槽処理を2回
3)10分間の液槽処理を3回
4)5分間の液槽処理を6回
5)3分間の液槽処理を10回
6)2分間の液槽処理を15回
7)1分間の液槽処理を30回
【0093】
2つの液槽処理の間で、(2)〜(8)の各々のスライドを超音波の存在下で、水、エタノールおよびアセトンで洗い流す。
【0094】
次に、各スライドを赤外分光器に通し、1600−1650cm−1での芳香族バンドの透過率を測定する(図1)。
【0095】
B.ローダミン560
ローダミン560について、ニュートラルレッドで実施されたプロトコル(7枚のスライド+同じシークエンシング)に相当するプロトコルを、以下の条件下で用いた:25mlのローダミン560溶液(25mlの(0.5mol.l−1のHCl+エタノール1:1体積)中0.01gのローダミン560)+25mlのNaNO溶液(ローダミン560に対して2モル当量または25mlの(0.5mol.l−1のHCl+エタノール1:1体積)中に0.0038g)(M(ローダミン560)=367g.mol−1,M(NaNO)=69g.mol−1)。
【0096】
次いで、過剰の鉄粉も加えられる(約0.2g)。
【0097】
各スライドを赤外分光計に通し、1770cm−1でカルボン酸官能基のC=Oカルボニルによって引き起こされるバンドの透過率を測定する(図2)。
【0098】
C.結果
これらの実験を各着色インジケータについて4回繰り返した。結果を比較するために、全ての透過率を、スライド(1)(すなわち、30分間の液槽処理を1回)で得られた透過率について正規化した。
【0099】
図3に示された結果は、液槽処理の最適時間がニュートラルレッドでは5分(図3A)、ローダミン560では1分(図3B)であることを明確に示す。
【0100】
II.2.液槽処理数の倍増
A.ニュートラルレッド
ニュートラルレッドに対応するアリールジアゾニウム塩を含む溶液をII.1.Aに記載のように調製し、以下「ジアゾニウム溶液」という。
【0101】
10mlのジアゾニウム溶液に、過剰の鉄粉と金のスライドを5分間加える。次いで、超音波の存在下でスライドを水、エタノールおよびアセトンで洗浄する。その後、1600〜1650cm−1で芳香族IRバンドを測定する。
【0102】
同じサイクルを17回繰り返す。すなわち、17回の5分間の液槽処理の間、金のスライドを非電気化学的条件(鉄粉)の存在下でニュートラルレッドから誘導されたアリールジアゾニウム塩と接触させる。各々の液槽処理の間、スライドの洗い流しおよびIR測定を行う。
【0103】
B.ローダミン560
ローダミン560に対応するアリールジアゾニウム塩を含有する溶液をII.1.Bに記載の方法の代替法にしたがって調製する。具体的には、100mlの(0.5MのHCl+EtOH1:1体積)中の0.02gのローダミンと、0.0076gのNaNOに置き換える。
【0104】
この溶液を超過量の鉄粉の存在下で金のスライドと1分間接触させた後、超音波の存在下で、水、エタノールおよびアセトンで洗浄する。IR測定は1分間の液槽処理の3回毎に実施され、17回のIR測定が行われる。
【0105】
C.結果
ニュートラルレッドおよびローダミン560で得られたIR測定値をそれぞれ図4Aおよび図4Bに示す。
【0106】
両方の場合において、透過率はサイクル数と共に増加し、サイクル数が倍増することによってスライド上の色素の量が増加することを証明する。
【0107】
したがって、シーケンシング方法は、着色インジケータの層の厚さを増やすこと、すなわち化学パラメータ測定用のグラフトされた固体基材の感度および精度を高めるために有効である。この目的のために、5分間の液槽処理の6回後から12回に、ニュートラルレッドがグラフトした金のスライドのpH1でのUV−可視スペクトルを考慮する必要がある(図5)。
【0108】
III.グラフトされた色素の光学的変化
一度グラフトされると、色素は色素中に本来存在する芳香族第一級アミンを失うので、ニュートラルレッドおよびローダミン560が、媒体のpHに応じた光吸収の変動の特性を保存していることを確認すべきである。
【0109】
すなわちニュートラルレッドまたはローダミン560でグラフトされた金のスライドを、UV−Vis分光計の光学セルに入れる。光はグラフトされた色素によって引き起こされる光信号を測定することを可能にするセルおよびスライドを通過する。さらに、セル内のpHを変化させることによって、吸収スペクトルの変動を検証することが可能である。
【0110】
A.ニュートラルレッド
図6に示された吸収スペクトルは、pHに応じて一度グラフトされたニュートラルレッドの光学特性に変化があることを示している。実際、この結果を溶液中に溶解したニュートラルレッドについて得られた結果と比較することにより、2つの変化を観察することができる:
−最大吸収は、グラフトされたニュートラルレッドについては550nmであり、一方、溶液中のニュートラルレッドについては520nmである;そして、
−グラフトされたニュートラルレッドが用いられるpH範囲は1〜4であり、一方、この範囲は溶液中のニュートラルレッドでは5〜8である。
【0111】
これらの変化は、確実にグラフト中に失われた芳香族第一級アミンの喪失の結果であり、これは可視領域のニュートラルレッドの吸収に関与する芳香族環の共役系に変化をもたらしている。
【0112】
B.ローダミン560
図7は、ガラススライド上にグラフトされたローダミン560の560nmにおけるpHに応じた吸収ピークの変化を示す。
【0113】
IV.ニュートラルレッドのPMMAへのグラフト
IV.1.PMMAのスライドの作製
PMMAのスライドを得るために、約1.5gのPMMAを100mlのN、N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、次いで金のスライドをPMMA溶液に浸漬する。
【0114】
次に、そのスライドを槽から取り出し、完全に乾燥する前に少量のアセトンを用いながら空気乾燥させて、PMMAの層に閉じ込められて残存するDMFを除去する。
【0115】
そのスライドを赤外分光計に通す(図8)。1730cm−1でPMMAのC=Oカルボニルの特性バンドおよび約1200〜1300cm−1でC−O結合によって生じるバンドが観察されると、そのスライドは実際にPMMAでコーティングされている。
【0116】
IV.2.PMMAのスライドへのニュートラルレッドのグラフト
50mlの0.1mol.l−1のHCl中に0.2gのニュートラルレッドおよび1当量のNaNO(0.048g)を含む溶液を調製する。過剰量の鉄粉(約1g)を溶液に加えた後、PMMAのスライドをその中に30分間置く。
【0117】
スライドを赤外分光計に通し、1730cm−1でバンドC=Oを有するPMMAのスライドおよび約1600−1650cm−1の芳香族バンドを有するニュートラルレッドがグラフトした通常の金のスライドと比較する。先に作製した金スライドは、C=Oバンドと芳香族バンドの両方が観察されるので、ニュートラルレッドは実際に金のスライドを覆うPMMAの層にグラフトされている。
【0118】
またこれは、PMMAで被覆されたニュートラルレッドがグラフトした金のスライドのスペクトルと、グラフトなしにPMMAで被覆された金のスライドのスペクトルとの間の差を介して得られたXPSスペクトルによっても確認される。このスペクトルでは、ニュートラルレッドに起因する信号のみが残っており、通常の金のスライド上へのニュートラルレッドのグラフト中に既に観察されたニュートラルレッドの「従来の」寄与が観察される。
【0119】
参考文献
[1] Noire et al,2000,“A New Sol−Gel Derived Optical Sensor for High Acidity Measurements:Applications in Nuclear Fuel Reprocessing”,Journal of Sol−Gel Science and Technology,vol.17,131−136頁.
[2]Raoufi et al,2013,“Fibre optic pH sensor using optimized layer−by−layer coating approach”,IEEE Sensors Journal,vol.14,47−54頁.
[3]Nguyen et al,2009,“Development of intrinsic optical fiber pH sensors for industrial applications”,IEEE Sensors Conference.
[4]Baldini et al,1994,“Controlled−pore glasses embedded in plastic optical fibers for gastric pH sensing purposes”,Appl.Spectr.,vol.48,549−552頁.
[5]国際特許出願 WO2008/078052(CEAの出願),2008年7月3日発行.
[6]Lyskawa and Belanger,2006,“Direct Modification of a Gold Electrode with Aminophenyl Groups by Electrochemical Reduction of in Situ Generated Aminophenyl Monodiazonium Cations”, Chemistry of Materials,vol.18,4755−4763頁.
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9