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特許6802806ドープされた担体に金属有機硫化物を含有する水素化処理触媒
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802806
(24)【登録日】2020年12月1日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】ドープされた担体に金属有機硫化物を含有する水素化処理触媒
(51)【国際特許分類】
   B01J 31/34 20060101AFI20201214BHJP
   B01J 37/02 20060101ALI20201214BHJP
   C10G 45/08 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   B01J31/34 M
   B01J37/02 101E
   C10G45/08 Z
【請求項の数】20
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-555252(P2017-555252)
(86)(22)【出願日】2016年4月25日
(65)【公表番号】特表2018-516165(P2018-516165A)
(43)【公表日】2018年6月21日
(86)【国際出願番号】EP2016059197
(87)【国際公開番号】WO2016170188
(87)【国際公開日】20161027
【審査請求日】2019年3月6日
(31)【優先権主張番号】62/152,382
(32)【優先日】2015年4月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508375653
【氏名又は名称】アルベマール・ユーロプ・エスピーアールエル
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【弁理士】
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】エブリン バス
(72)【発明者】
【氏名】ウパクル ディカ
(72)【発明者】
【氏名】ハンス ファン デル グリーント
(72)【発明者】
【氏名】バスティアン マールテン ホゲラー
(72)【発明者】
【氏名】サンダー ヘンドリカス ランベルトゥス トーネン
(72)【発明者】
【氏名】ソンヤ アイズバウツ−スピコバ
【審査官】 壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−056249(JP,A)
【文献】 特開平01−228552(JP,A)
【文献】 特開平01−224048(JP,A)
【文献】 特開昭63−264148(JP,A)
【文献】 米国特許第04845068(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0008792(US,A1)
【文献】 特表2009−519815(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0298677(US,A1)
【文献】 特表2012−524649(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/121807(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第102438745(CN,A)
【文献】 特表2004−508453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J21/00−38/74
C10G1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素供給材料の水素化処理に用いられる触媒であり、
触媒担体と、
少なくとも1つの第VIB族金属成分と、
少なくとも1つの第VIII族金属成分と、
少なくとも1つのメルカプトカルボン酸とを含み、
前記触媒担体は、1つのドーパントとして、
酸化物(Bで示される、触媒の合計重量に基づいて、〜13wt%の範囲のホウ素を含み、
酸化物で示される、触媒の合計重量に基づいて、1〜13wt%の範囲のケイ素、および/またはリン、を任意的に含み、
前記ドーパントの全量は、2〜26wt%であり
少なくとも1つのメルカプトカルボン酸の量は、前記第VIB族成分および前記第VIII族成分の硫化物を形成するために必要な硫黄量に対し、0.4〜3当量である、触媒。
【請求項2】
前記第VIB族金属成分が、モリブデンおよび/またはタングステンを含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
前記第VIII族金属成分が、ニッケルおよび/またはコバルトを含む、請求項1または2に記載の触媒。
【請求項4】
前記メルカプトカルボン酸が、チオグリコール酸、チオ乳酸、メルカプトコハク酸、システイン、または、チオプロピオン酸である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項5】
さらに追加のカルボン酸を含む、請求項4に記載の触媒。
【請求項6】
前記ドーパントが、酸化物(B)で示され、触媒の合計重量に基づき2wt%〜8wt%の範囲のホウ素を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項7】
前記ドーパントが、酸化物(P)で示され、触媒の合計重量に基づき、2wt%〜10wt%の範囲のリンを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項8】
前記ドーパントが、酸化物(SiO)で示され、触媒の合計重量に基づき、1wt%〜9wt%の範囲のケイ素を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の触媒。
【請求項9】
前記触媒担体に、前記第VIB族金属成分、前記第VIII族金属成分、および前記メルカプトカルボン酸を含浸させた、請求項6、7、または8に記載の触媒。
【請求項10】
前記触媒担体にさらにリン成分を含浸させた、請求項9に記載の触媒。
【請求項11】
前記触媒担体が、アルミナを含む、請求項1〜10のいずれかに記載の触媒。
【請求項12】
炭化水素供給材料の水素化処理に用いられる触媒の製造方法であって、
ドープされた触媒担体を、押出により球体または押出物に、形成する工程(a)であって、前記ドープされた触媒担体は、1つのドーパントとして、
酸化物で示される、触媒の合計重量に基づいて、〜13wt%の範囲のホウ素を含み、
酸化物で示される、触媒の合計重量に基づいて、1〜13wt%の範囲のケイ素、および/またはリン、を任意的に含み、
前記ドーパントの全量は、2〜26wt%である工程(a)、
前記触媒担体を乾燥および焼成する工程(b)、
前記焼成された触媒担体を溶液に含浸する工程(c)であって、前記溶液は、メルカプトカルボン酸、少なくとも1つの第VIB族金属源および/または少なくとも1つの第VIII族金属源を含み、前記メルカプトカルボン酸の量は、前記第VIB族成分および前記VIII族成分の硫化物を形成するために必要な硫黄量に対し、少なくとも0.4〜3当量である工程(c)、
前記含浸させた触媒担体を、一定時間60〜160℃で熟成させる工程(d)、を含む方法。
【請求項13】
前記工程(c)は、前記焼成された触媒担体を溶液に含浸する工程であって、前記溶液は、少なくとも1つの第VIB族金属源および/または少なくとも1つの第VIII族金属源を含む工程(c1)、
前記含浸させた触媒担体を80〜150Cで乾燥する工程(c2)、
前記乾燥した、含浸させた触媒担体をさらにメルカプトカルボン酸に含浸する工程(c3)であって、前記メルカプトカルボン酸の量は、前記第VIB族成分および前記第VIII族成分の硫化物を形成するために必要な硫黄量に対し少なくとも0.4〜3当量である工程(c3)、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
作製された前記触媒において、ホウ素含有量が、酸化物(B)で示され、触媒の合計重量に基づき、2wt%〜8wt%の範囲であるように、前記ホウ素成分源の量を十分にする、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
作製された前記触媒において、リン含有量が、酸化物(P)で示され、触媒の合計重量に基づき、2wt%〜10wt%の範囲であるように、前記リン成分源の量を十分にする、請求項12または13に記載の方法。
【請求項16】
作製された前記触媒において、ケイ素含有量が、酸化物(SiO)で示され、触媒の合計重量に基づき、2wt%〜9wt%の範囲であるように、ケイ素成分源の量を十分にする、請求項12または13に記載の方法。
【請求項17】
前記メルカプトカルボン酸が、チオグリコール酸、チオ乳酸、メルカプトコハク酸、システイン、または、チオプロピオン酸である、請求項12〜16に記載のいずれか1項の方法。
【請求項18】
前記押出物をカルボン酸に含浸する工程をさらに含む、請求項12〜16に記載のいずれか1項の方法。
【請求項19】
炭化水素供給材料を、前記炭化水素供給材料を水素化処理するような、水素化処理条件下で請求項1〜11のいずれか1項に記載の触媒に接触させることを含む方法。
【請求項20】
炭化水素供給材料を、前記炭化水素供給材料を水素化処理するような、水素化処理条件下で請求項1〜11のいずれか1項に記載の触媒に接触させ、前記触媒は、追加の硫黄化合物を加えることなしに活性化される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精製プロセスにおいて炭化水素供給材料を水素化処理するのに有益な触媒の分野に関する。
【0002】
発明
一般的に、水素化処理触媒は、(周期表の)第VIB族金属成分および(周期表の)第VIII族金属成分を堆積させた担体から構成される。最も一般的に使用される第VIB族金属は、モリブデンとタングステンであり、通常の第VIII族金属としては、コバルトとニッケルが挙げられる。先行技術によるこれら触媒を準備するプロセスでは、たとえば含浸により担体材料を水素化金属成分と複合させる。水素化処理に使用される前に、触媒は一般的に水素化金属をそれらの硫化物に転換するために予備硫化される。このような触媒を活性化および再生するプロセスも、知られている。
【0003】
しかし、予想外に、効果の高い、金属有機硫化物とドープされた担体のユニークな組み合わせを含有する触媒が発見された。特に、ドープされた担体をメルカプトカルボン酸(および金属)と共に使用すると、ドーパントの効果とメルカプトカルボン酸の効果の合計よりも大きい追加の活性利益が与えられるということが発見された。
【0004】
よって、本発明の一実施形態においては、少なくとも1つの(周期表の)第VIB族金属成分と、少なくとも1つの(周期表の)第VIII族金属成分と、メルカプトカルボン酸から選択される少なくとも1つの有機化合物と、ホウ素含有担体および/またはリン含有および/またはケイ素含有担体とを有する触媒を提供する。
【0005】
本発明のその他の実施形態では、触媒の製造方法を提供する。方法は、リン、および/またはホウ素、および/またはケイ素源を担体と共押出、含浸、および/または共沈殿して、ドープされた担体押出物を形成する工程、
押出物を乾燥および焼成する工程、および、
焼成された押出物を、式HS−R−COOHのメルカプトカルボン酸から選択される少なくとも1つの有機化合物から構成される溶液に含浸する工程を含み、Rは直鎖または分枝の、飽和または不飽和炭素主鎖(窒素等のヘテロ原子含有/非含有のC1−C11)であり、任意にアミンまたはアミド等の窒素含有官能基、少なくとも1つの第VIB族金属源、少なくとも1つの第VIII族金属源、任意にまたリン、任意に追加のカルボン酸および/または他の有機化合物を含み、
焼成された押出物の含浸は、1あるいはそれ以上の工程で行うことができる。プロセスにおいて、触媒の合計重量に基づき、ホウ素含有量は、0〜13wt%の範囲であり、酸化物(B2O3)で示され、および/または、リン含有量の範囲は、0〜13wt%であり、酸化物(P2O5)で示され、および/または、ケイ素含有量は、0〜13wt%の範囲であり、酸化物(SiO2)で示される。
【0006】
本発明のその他の実施形態では、上述プロセスにより形成された触媒化合物を提供する。本発明のその他の実施形態では、触媒化合物を使用して行う水素化処理プロセスを提供する。
【0007】
これらの、そしてさらなる本発明の実施形態、特徴および利点は、添付された特許請求の範囲を含め、以下の詳細な説明により、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の触媒を、比較例と区別する、紫外線―可視―赤外線領域吸収スペクトルを示す。
【0009】
発明の詳細な説明
別段示していなければ、本明細書にて使用される重量パーセント(wt%)は、特定物質または物質の形態を構成成分または成分とする生成物のドライベース重量の合計に基づいた、物質の特定形態の重量パーセントである。さらに、明細書中の説明において工程または成分または元素が何らかの形で好ましいとされる場合、本開示の当初の日付で好ましいとされ、その好ましさは、与えられた状況、あるいは今後の技術の発展によりもちろん変動することがある。
【0010】
本発明の触媒における第VIB族金属成分は、モリブデン、タングステン、およびそれらの混合物からなる群から選択され、典型的には、モリブデンがより好ましい。第VIII族金属成分は、鉄、コバルト、ニッケル、およびそれらの混合物からなる群から選択され、典型的には、ニッケルおよび/またはコバルトが好ましい。好ましい金属の混合物には、(a)ニッケルおよび/またはコバルトと、(b)モリブデンおよび/またはタングステンとの組み合わせが含まれる。触媒の水素化脱硫(以降、“HDS”とする場合がある)活性が重要な場合は、コバルトとモリブデンの組み合わせが有利であり、典型的には好ましい。触媒の水素化脱硝(以降、“HDN”とする場合がある)活性が重要な場合は、ニッケルとモリブデン、および/またはタングステンの組み合わせが有利であり、典型的には好ましい。
【0011】
作製において使用される第VIB族金属化合物は、酸化物、オキソ酸、またはオキソまたはポリオキソアニオンのアンモニウム塩とすることができる。酸化物およびオキソ酸が、好ましい第VIB族金属化合物である。本発明の実施において好適な第VIB族金属化合物には、三酸化モリブデン、モリブデン酸、モリブデン酸アンモニウム、パラモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸、三酸化タングステン、タングステン酸、メタタングステン酸アンモニウム水和物、パラタングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸等が含まれるが、これらに限られない。好ましい第VIB族金属化合物には、三酸化モリブデン、モリブデン酸、タングステン酸、および三酸化タングステンが含まれる。触媒に使用される第VIB族金属の合計量は、触媒の合計重量に基づいて、典型的には約10wt%より多く、より好ましくは約18〜約32wt%の範囲であり、最も好ましくは約24〜約29wt%の範囲である(三酸化物として)。
【0012】
作製において使用される第VIII族金属化合物は、通常は酸化物、水酸化物または塩であり、好ましくは、塩が使用される。好適な第VIII族金属化合物には、コバルト酸化物、コバルト水酸化物、硝酸コバルト、炭酸コバルト、ヒドロキシ炭酸コバルト、酢酸コバルト、クエン酸コバルト、ニッケル酸化物、ニッケル水酸化物、硝酸ニッケル、炭酸ニッケル、ヒドロキシ炭酸ニッケル、酢酸ニッケル、およびクエン酸ニッケルが含まれるが、これらに限られない。好ましい第VIII族金属化合物には、炭酸コバルト、ヒドロキシ炭酸コバルト、ヒドロキシ炭酸ニッケル、および炭酸ニッケルが含まれる。触媒に使用される第VIII族金属の合計量は、触媒の合計重量に基づき、典型的には約2〜約8wt%の範囲であり、より好ましくは3〜6wt%(酸化物として)の範囲である。
【0013】
本発明の実施において、硫黄含有有機化合物は、式HS−R−COOHのメルカプトカルボン酸であり、Rは直鎖または分枝の、飽和または不飽和炭素主鎖(窒素等のヘテロ原子含有/非含有C−C11)、任意にアミン、アミド等の窒素含有官能基を有する。これらメルカプトカルボン酸の適切な例としては、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオプロピオン酸、メルカプトコハク酸、およびシステインが含まれるが、これらに限られない。本発明において使用されるメルカプトカルボン酸の量は、MoS、WS、CoS、および/またはNiS形成に必要な硫黄量に対し好ましくは0.4〜3当量であり、周期表の第VIB族および第VIII族の金属から選択される。この量が0.4当量未満であり、第2の有機添加物が加えられていない場合、十分な活性を達成することができない。メルカプトカルボン酸添加物と組み合わせてその他のカルボン酸(以下に定義する通り、硫黄を含まない)が使用される場合、メルカプトカルボン酸量が低いほうが十分な活性を達成することができる。一方、3当量を超える場合は、活性が高められていない触媒が生成される可能性がある。メルカプトカルボン酸を加えることの目標は、理論量の硫黄を与えることではなく、すなわちそのようにして予備硫化を回避することである。優良な活性の触媒は、周期表の第VIB族および第VIII族の金属から、MoS、WS、CoSおよび/またはNiSを形成するのに必要な理論量に比較して、さらに低い量、そしてまた高い量の硫黄でも得ることができる。
【0014】
本発明の実施において、担体の作製および/または含浸溶液に使用されるリン成分は、典型的には水溶性の化合物であり、酸性リン化合物、特に含酸素無機リン含有酸である。好適なリン化合物には、メタリン酸、ピロリン酸、リン酸、オルトリン酸、トリリン酸、テトラリン酸、およびリン酸水素アンモニウム等の、リンの酸の前駆体(リン酸二水素アンモニウム、リン酸一水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム)が含まれる。2またはそれ以上のリン化合物の混合物を使用することができる。リン化合物は、液体または固体で使用することができる。好ましいリン化合物は、オルトリン酸(HPO)またはリン酸二水素アンモニウム、リン酸一水素二アンモニウムであり、好ましくは、水溶液を使用する。使用される場合は、触媒で使用されるリンの量は、触媒の合計重量に基づき、典型的には、約1wt%より高く、好ましくは約2wt%より高く、より好ましくは約2〜約10wt%の範囲である。
【0015】
担体の作製において使用されるホウ素成分は、典型的には、メタホウ酸(HBO)、オルトホウ酸(HBO)、ホウ酸アンモニウム四水和物[(NH.4HO]、四ホウ酸ナトリウム、ホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム(NH、酸化ホウ素(B)、トリエタノールアミンホウ酸塩、テトラフェニルホウ酸アンモニウムが含まれる。ホウ素成分の好適な例としては、これらに限定されないが、オルトホウ酸(HBO)および四ホウ酸アンモニウム四水和物[(NH.4HO]、そして2またはそれ以上のこれらの混合物が挙げられる。ホウ素化合物の量は、最終的な担体が、望ましい量のホウ素酸化物を含有しているように、選択する必要がある。触媒にて使用されるホウ素の量は、酸化物(B)で示され、触媒の合計重量に基づき、典型的には約0〜約13wt%の範囲であり、好ましくは約2〜約8wt%の範囲、より好ましくは約2〜約6wt%の範囲である。
【0016】
担体の作製において使用されるケイ素成分は、典型的には、ケイ酸ナトリウムまたは二酸化ケイ素が挙げられる。その他の好適なケイ素成分は、アルキルシラン、ケイ素アルコラート、ストレートシリコーンオイル、変性シリコーンオイル等の有機ケイ素化合物、およびそれらの混合物や組み合わせが含まれる。ケイ素源とアルミナ源との組み合わせは、たとえば共沈殿、混練、浸漬、含浸等により行うことができる。このために、必要であれば、ケイ素化合物を溶剤に分散することもできる。ケイ素化合物の量は、最終的な担体が所望量のシリカを含有しているように選択する必要がある。触媒に使用されるケイ素の量は、酸化物(SiO)で示され、触媒の合計重量に基づき典型的には約0〜約13wt%の範囲であり、好ましくは約1〜約9wt%の範囲である。
【0017】
触媒担体には、たとえば、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、シリカ−アルミナを分散したアルミナ、シリカ被覆アルミナ、アルミナ被覆シリカ、マグネシア、ジルコニア、およびこれら酸化物の混合物といった、従来の酸化物を含めることができる。通常は、担体としては、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−アルミナを分散したアルミナ、アルミナ被覆シリカまたはシリカ被覆アルミナが好ましい。このグループの中では、たとえば、デルタ、エータ、シータ、またはガンマアルミナ等の遷移アルミナ、またはこれらの組み合わせを含有する担体が好ましい。
【0018】
触媒は、たとえば、球体または押出物という形式で、従来の通りに使用される。好適なタイプの押出物の例は、文献(とりわけ、米国特許No4028227参照)に開示されている。使用するのにより好適なものは、(中空あるいは非中空の)円柱形粒子、ならびに対称および非対称の葉状粒子(2、3または4葉)である。
【0019】
触媒の形成は通常、以下の工程を伴う。ホウ素および/またはケイ素および/またはリン源を担体と少なくとも共沈殿、共混練、共押出、および/または含浸し、ドープされた担体押出物を形成する工程、押出物を乾燥および焼成する工程、そして焼成された押出物を少なくとも1つの第VIB族金属源、少なくとも1つの第VIII族金属源、および任意にリン成分および/またはメルカプトカルボン酸から構成される溶液に含浸する工程。メルカプトカルボン酸添加物は、第2あるいは後の含浸工程で加えることもできる。
【0020】
第1のおよび/または引き続いての含浸溶液への追加の添加物には、以下のような有機添加物が含まれる:
(i)少なくとも2つの酸素原子および2〜10の炭素原子を含む化合物、およびこれらの化合物から構成される化合物、からなる群から選択される有機化合物、および/または
(ii)少なくとも1つの共有結合的に結合された窒素原子および少なくとも1つのカルボニル部分を含む有機化合物。
【0021】
追加の有機添加物の量は、乾燥した触媒の重量合計に基づき、0〜約30wt%の範囲、より好ましくは0〜20wt%の範囲とすることができる。(i)の有機化合物は、好ましくは、カルボキシル、カルボニルまたはヒドロキシル部分等の少なくとも2つの酸素含有部分、および2〜10の炭素原子を含む化合物、およびこれらの化合物から構成される化合物から選択される。1分子につき少なくとも2つのヒドロキシル基および2〜10の炭素原子を含む化合物、およびこれらの化合物から構成される化合物から選択される有機化合物がより好ましい。好適な有機化合物の例としては、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、アジピン酸、およびリンゴ酸等のカルボン酸が挙げられる。その他の好適な例としては、ピルビンアルデヒド、グリコールアルデヒド、アセトアルドール、およびブタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の脂肪族アルコールが挙げられる。これらの有機化合物から構成される化合物としては、たとえば、これらの有機化合物のエーテル、エステル、アセタール、酸塩化物、酸アミド、オリゴマーまたはポリマーが含まれる。オリゴマーおよびポリマーの例としては、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、トリブチレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラペンチレングリコールが挙げられる。この範囲には、たとえば、好ましくは分子量200〜8000の、ポリエチレングリコールのようなポリエーテルも含めることができる。好ましい有機化合物としては、とりわけ、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、またはこれらの混合物が挙げられる。これらの有機化合物から構成されるその他の化合物としては、たとえば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、およびジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。1分子につき少なくとも2つのヒドロキシル基および2〜10の炭素原子を含む有機化合物のその他の例としては、たとえば、グルコースおよびフルクトース等の単糖類により形成することができる。これらの有機化合物から構成される化合物としては、たとえば、ラクトース、マルトース、およびサッカロース等の二糖類、多糖類などの、オリゴマーおよびポリマーが挙げられる。(ii)の有機化合物は、好ましくは少なくとも2つのカルボニル部分を含む。少なくとも1つのカルボニル部分が、カルボキシル基に含まれるのが好ましい。少なくとも1つの窒素原子が、少なくとも2つの炭素原子に共有結合的に結合されているのがより好ましい。好ましい有機化合物は、式(I)または(II)を満たす:
(R1R2)N−R3−N(R1'R2') (I)
N(R1R2R1') (II)
R1、R2、R1'およびR2'は、独立してアルキル、アルケニル、およびアリルから選択され、10以下の炭素原子が、任意に1つまたはそれ以上のカルボニル、カルボキシル、エステル、エーテル、アミノ、またはアミドから選択される基と置換されている。R3は、アルキレン基であり、10以下の炭素原子が−O−または−NR4−により挿入されていてもよい。R4は、上記に示したR1と同じ基から選択される。R3のアルキレン基は、カルボニル、カルボキシル、エステル、エーテル、アミノ、またはアミドから選択される1つまたはそれ以上の基で置換されていてもよい。式(I)の化合物の典型的な例としては、エチレンジアミン(テトラ)四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、およびジエチレントリアミンペンタ酢酸が挙げられる。式(II)の化合物の典型的な例としては、ニトリロ三酢酸(NTA)が挙げられる。
【0022】
担体は、アルミナまたはシリカ−アルミナ源とホウ素および/またはリンおよび/またはケイ素成分を共沈殿、共混練、および/または混合することにより押出可能なペーストを形成して得られる。所望により、プロセスにおいて追加の熱を与え追加の水分を除去する。混合物は、球体または押出物の形態で押し出され、乾燥、そしてさらに475〜900℃の温度範囲で焼成される(蒸気無しあるいは有り)。任意に、焼成された押出物を(追加)量のホウ素および/またはリンおよび/またはケイ素に含浸させ、任意に、引き続いて475〜900℃の温度範囲で追加の焼成工程(蒸気無しあるいは有り)に供す。担体作製プロセスにおけるホウ素、ケイ素および/またはリンを加える正確なタイミングは特定されておらず、ホウ素、ケイ素および/またはリンは、固体または溶液で追加することができる。得られる担体材料は、触媒の合計重量に基づき、酸化物(B2O3)で示される0〜13wt%の範囲のホウ素含有量、および/または酸化物(P2O5)で示される0〜13wt%の範囲のリン含有量および/または酸化物(SiO2)で示される0〜13wt%の範囲のケイ素含有量を有する。担体材料に加えられるドーパントの合計量の範囲は、1〜26wt%、好ましくは1〜20%、より好ましくは1〜15%である。このようにして得られた担体の(水銀圧入により測定された)孔隙容積(pV)は、所望量の有機化合物を含めるには最低限のpVが必要となり、上述の金属量によりこれが決定されるから、重要な考察事項である。よって、担体の孔隙容積は、概して0.5〜2ml/gの範囲である必要があり、好ましくは0.75〜1ml/gである。比表面積は、重要な考察事項であるが、本発明にとって決定的なものではなく、概して30〜400m/g(BET法により測定)の範囲である。得られる押出物は、0〜20%の範囲の強熱減量を有することができる。
【0023】
金属、追加のリン、および有機添加物は、1あるいはそれ以上の工程で押出物に加えることができる。使用する溶液は、加熱してもしなくてもよい。
【0024】
1つの工程でする方法としては、典型的には水を溶剤として使用し、少なくとも1つの第VIB族金属源、少なくとも1つの第VIII族金属源をリン源と共に多様な比率で含有する溶液を得る。クエン酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、アジピン酸、およびリンゴ酸等のその他のカルボン酸を加えることができる。得られる溶液は、酸性とすることができ、0−7の範囲のpHを有することができる。MoS、WS、CoSおよび/またはNiS形成に必要な硫黄量に対し約0.5当量より少ない添加物/金属比率が使用された場合、溶液(加熱されたものまたはそのままで)をゆっくり(または滴下して)、そのままで担体押出物に加える。引き続いての工程で、追加量のメルカプトカルボン酸を加えてもよい。この溶液を、加熱してまたはそのままで、担体押出物に2〜60分(触媒の合計量および金属含有量に依存する)の時間をかけて加え、孔隙容積に到達するまでとはいかなくても、その近くまで含ませる。含浸の後、フリーフロー押出物が得られるまで、触媒を熟成させ、さらに60〜160℃、好ましくは80〜120℃で熟成させる。MoS、WS、CoSおよび/またはNiS形成に必要な硫黄量に対し約0.5当量を超える添加物/金属比率に対応する多い量の添加物を使用する場合、結果として得られる溶液の粘度が含浸向けには高すぎる場合がある。また、金属/添加物の析出は回避すべきである。析出が起こった場合、析出物をフィルターして含浸可能な溶液を得ること、そしてさらにこのフィルターされた溶液を含浸させることはお勧めしない。粘性のある溶液や析出物の含まれる溶液は、当業界において周知の多様な方法で回避すべきである。1つの方法としては、水(または他の適切な溶剤で)でさらに希釈する方法があり、これにより担体において利用できる孔隙容積よりもさらに多い容積に到達することが可能となる。このような場合、乾燥工程を間にはさみ、2またはそれ以上の工程で溶液を加えることができる。
溶液を加熱することはもう1つの一般的方法であるが、大気で過剰な加熱をすると、さらに粘性の高い溶液が得られる可能性がある。このような場合、冷却をするか、あるいは溶液を不活性雰囲気で取り扱うのが有益な方法かと思われる。最終的に得られた触媒はそして、60〜160℃、好ましくは80〜120℃での最終的な熟成工程に供される。熟成は、通常大気で行われる。任意に、触媒を不活性雰囲気で熟成すると物理的性質(押出物中の固まりを回避する等)を改善するのに有益であるが、本発明にとって決定的なものではない。触媒活性を妨害する可能性があるため、活性化(予備硫化)および触媒テストの前に、活性化およびテスト温度より高い温度での焼成処理を行うことは、特に硫黄成分の酸化を起こすようなものは、好ましくない。さらに、硫黄成分の酸化を起こすようなその他の処理も、回避すべきである。
【0025】
複数の工程を行う方法では、金属がまず担体に加えられ、引き続いてメルカプトカルボン酸添加物が加えられる。金属溶液は、加熱してもしなくてもよい。担体押出物は、少なくとも1つの第VIB族金属源、少なくとも1つの第VIII族金属源をリン源と共に多様な比率で含有する溶液に含浸される。金属溶液の一部としてまたは引き続いての工程にてクエン酸等のその他のカルボン酸、および上述のものを加えることができる。含浸溶液の作製における溶剤として、典型的には水を使用するが、当業界において周知のその他の溶剤を使用することができる。得られる溶液は、酸性とすることができ、0〜7の範囲のpHを有することができる。溶液は、その孔の90〜120%に達するように、押出物に加えられる。混合/含浸プロセスにおいて、全ての成分が均一に混合されるように、触媒を回転させながら熟成させる。含浸された材料は、過剰な水分が排除され、「フリーフロー」の触媒押出物が得られるまで、80〜150℃、好ましくは100〜120℃でさらに乾燥される。得られる触媒は、0〜20%の範囲の水分含有量を有することができる。任意に、含浸処理された押出物は、(たとえば)600℃までの温度で焼成することができる。メルカプトカルボン酸はそして、触媒の合計量およびその金属含有量により、液滴または連続ストリームとして、結果として得られた触媒に(ニート液体または水またはその他の適切な溶剤との混合物として)典型的には2〜60分の時間で注意深く加えられる。含浸処理された触媒は、フリーフロー押出物が得られるまで、熟成される。触媒はそして、60〜160℃、好ましくは80〜120℃で最終熟成/熱処理工程(大気または不活性雰囲気下で)に供される。熟成は通常大気で行われる。任意に、触媒を不活性雰囲気で熟成すると物理的性質(押出物中の固まりを回避する等)を改善するのに有益であるが、本発明にとって決定的なものではない。
触媒活性を妨害する可能性があるため、活性化(予備硫化)および触媒テストの前に、活性化およびテスト温度より高い温度での焼成処理、特に硫黄成分の酸化を起こすようなものは、好ましくない。さらに、硫黄成分の酸化を起こすようなその他の処理も、回避すべきである。
【0026】
触媒担体上で添加物を金属と組み合わせると、添加物と金属との間で電荷移動現象を起こす可能性があり、電荷移動現象がこれらの近接および/または相互作用を示すと考えられている。本発明のほとんどの例において、多様なスペクトル技術を使用してこれをさらに示すことができる。これらの電荷移動現象を概説し、本発明を、本明細書に提示した比較例と区別するために、たとえば、約355nmを中心とする約345〜365nm、そして追加で400〜500nm(約450nmを中心とする)の紫外線可視吸収帯を使用することができる。図1は、本発明の触媒を、本明細書中で使用されている(そして最新の)メルカプトカルボン酸を一切含有しない比較例と区別する、紫外線―可視―赤外線領域吸収スペクトルを示す。メルカプトカルボン酸を添加物として含有する比較例は、上述のスペクトル性質を示す。
【0027】
これらメルカプトカルボン酸の活性利益とは別に、メルカプトカルボン酸の使用は、最終的な触媒の硫化性質により有益である。化合物に存在する硫黄により、触媒硫化は(部分的に)触媒そのものの硫黄により達成される。これは、低DMDS(または供給材料のみ)または水素のみでのスタートアップさえも可能とする場合がある。本明細書中の文脈において、"硫化(sulfiding)工程"および/または"硫化(sulfidation)工程"および/または“活性化工程”というフレーズは、通常は水素での活性化処理後に、そして任意に追加の供給材料および/または(高濃度硫黄)スパイキング剤の存在と共に触媒に存在する水素化金属成分の少なくとも一部(または全て)が(活性な)硫化物が含まれる状態に転換される、いかなるプロセス工程をも含む。好適な硫化または活性化プロセスは、当業界において周知のものとする。硫化工程は、触媒を炭化水素供給材料の水素化処理において使用するする反応器の外(ex situ)、反応器の中(in situ)、またはex situとin situを組み合わせて行うことができる。
【0028】
どのような方法にせよ(ex situ vs in situ)、本発明において説明された触媒は、当業界において周知の従来のスタートアップ技術を使用して活性化することができる。典型的には、反応器で触媒を、水素硫化物等の硫化剤、または、優勢な条件で水素硫化物に分解可能な化合物と混合した水素ガス流に、高温で接触させる。また、供給材料に存在する硫黄成分は、触媒の存在下で水素硫化物に転換されるため、追加の硫化剤無しに、硫黄含有炭化水素供給材料を使用することも可能である。
【0029】
また、ほとんどの従来の触媒とは異なり、本発明において説明された触媒は、‘水素のみ’のスタートアップモードにより活性化することができ、このモードでは、反応器システムに追加成分を加える必要がない。多様な硫化技術の組み合わせを適用することもできる。本発明の触媒化合物は、任意の硫化工程を含むもの、含まないものに関わらず上述プロセスにより製造されたものである。
【0030】
本発明において製造された触媒生成物は、水素化処理条件下で触媒に接触された時に、炭化水素供給材料の水素化処理、水素化脱硝および/または水素化脱硫(本明細書中ではまとめて“水素化処理”としても言及する)において好適に使用できる。このような水素化処理条件は、250°C〜450°Cの温度範囲、5〜250バールの圧力範囲、0.1〜10リットル/時間の範囲の液空間速度、そして50〜2000Nl/lの範囲の水素/オイル比率である。好適炭化水素供給材料の例としては、幅広く、中間留分、ケロシン、ナフサ、減圧軽油、ヘビーガスオイル、直留ガスオイル等が挙げられる。
【0031】
以下の例では、実験的な担体および触媒の作製、ならびに形成された触媒の活性を示すために、炭化水素供給材料の水素化処理における触媒を説明している。この情報は、説明を目的としたもののみであり、どのようなかたちでも、発明を限定するものではない。

担体の作製
混練機でアルミナ水和物(含水率約80%)を混合し、押出可能なペーストにすることにより、担体を得た。所望により、ホウ酸および/またはリン酸を混合物に加えた。また、混合工程、先行する析出工程では、硝酸等のその他の酸を、あるいは解凝固剤として使用することができる。そのような析出および解凝固剤が必要であるということを、当業者は周知している。混合および混練工程の前に、析出プロセスにて、ケイ素含有担体の作製には、ケイ酸ナトリウムを加えた。(場合によっては、蒸発により、または追加の水を加えることにより押出に好適なペーストを得て、押出混合物の含水率を調整する必要がある。当業者は、押出可能なペーストを得るのに、どのようにして含水率を調整するかを周知している)。得られる混合物を、(所望の形状および直径の)ダイプレートから押し出し、乾燥、そして(任意で蒸気と共に)475〜900℃の温度範囲で焼成する。担体性質の詳細については、表1を参照のこと。PVは孔隙容積である。MPDは、水銀圧入により定量したメディアン径である。
【0032】
【表1】
【0033】
活性テスト
2種の押出物を使用してマイクロフロー反応器で活性テストを行った。第1の方法では、触媒押出物をクラッシュし、125〜310μmのふるい(篩)分率を使用した。第2の方法では、押出物を1.4〜1.8mmの長さにした。ジメチルジスルフィド(DMDS)添加ライトガスオイル(LGO)(S含有量合計2.5wt%)を得られた触媒の予備硫化に使用した。FCC−PTおよびHC−PTテスト条件には、密度0.93g/ml(15℃)、硫黄含有量2.0wt%、そして窒素含有量1600mg/kgの減圧軽油(VGO)を使用した。高圧ULSD条件下でのテストに、密度0.90(15℃)、S含有量1.5wt%、そしてN含有量542mg/kgのヘビーガスオイル(HGO)を使用した。中圧ULSDテストには、密度0.85g/ml(15℃)、硫黄含有量1.31wt%、窒素含有量121mg/kgの直留ガスオイル(SRGO)を使用した。詳しいテスト条件を表2、4、6、および8に示す。
【0034】

例FCC−PT適用
表2は、異なるユニットでの触媒予備硫化およびテスト条件を示す。表3は、水素化脱硝(HDN)と水素化脱硫(HDS)における、重量ベース(RVA)の、そしてベンチマーク(100%に設定)に比較した比較HDSおよびHDN活性を示す。多様な触媒の重量比活性(RVA)を、以下の通り定量した。各触媒につき、以下の式に基づき反応定数kvolを計算した。kvol = LHSV × (1/(n−1))×(1/Sn−1 − 1/Sn−1)Sは生成物中の硫黄パーセント、Sは供給中の硫黄パーセント、そしてnは水素化脱硫反応(nHDS)の反応次数を示す。窒素の場合のkvolを以下の式により計算した:
vol = ln(N/N) × LHSV;Nは生成物の窒素含有量、N は供給材料の窒素含有量を示す。RVAは触媒のkvolとベンチマークのkvol比率であり、パーセントで示される。表において、Pは圧力、LHSVは時間毎の液空間速度を示す。LHSVの定量には、実際の押出物ロード密度が使用された。計算は、適用に関わらず、同じ方法で行われた。
表2に記載の条件でFCC−PTモードで触媒をテストし、ベンチマーク触媒として低レベルのS(500mg/kg)および低レベルのN(600mg/kg)のものを得た。比較のために、FCC−PTにおいてCoMoグレードを使用した。また、メルカプトカルボン酸無しにホウ素またはケイ素またはリンを担体に加える効果、そしてホウ素またはケイ素またはリン無しでメルカプトカルボン酸を加える効果をさらに比較して、これら特定ケースの場合に両方の成分を加える相乗効果を強調した。ホウ素ドープ担体で得られたサンプル(発明)とホウ素ドープ担体で得られたベンチマークとを比較し、リンドープ担体で得られたサンプルとリン含有担体で得られたベンチマークとを比較した。
【0035】
【表2】
【0036】
例1:比較例A1
適量の炭酸コバルト(CoCO、純度46%)、モリブデン三酸化物(MoO)、およびリン酸(HPO)を脱イオン水と混合することにより含浸溶液を得た。混合物を一定レートで撹拌し、適切な温度に保ち、最低限の水分ロスで透明溶液を得た。当初の水の量は、最終的な生成物で所望のものに比較して、結果として得られる金属溶液が十分な金属を含有するように、さらなる水分の蒸発が必要ないように選択された。引き続いての工程で蒸発させることができるため、追加量の水を加えることは問題ないと思われる。
【0037】
孔隙容積の115%に達するように担体S2を上述の含浸溶液に含浸させた。このようにして含浸させた触媒押出物を回転パンで30分間室温で「熟成」させた。この後、フリーフロー押出物が得られるまでさらに30〜60分間熱風により押出物を乾燥した(120℃、インレット)。このようにして、金属含浸乾燥触媒を得て、これをA1と称す。触媒の最終的な金属含有量は(乾燥ベースで)23.8wt%MoO、4.9wt%CoO、2.5wt%P、そして2.9%Bであった。
【0038】
例2:比較例A2
担体S1を使用した以外は例1と同様にして触媒を得た。金属含浸乾燥触媒は、23.0wt%のMoO、4.5wt%のCoO、そして2.1wt%のPを有した。結果として得られたサンプルに、孔の容積の80%までを充填するように、十分な2、2−ジチオエタノールを加えた。含浸触媒をさらに1時間、回転させながら熟成した。押出物をペトリ皿に入れ、80℃で16時間オーブンに入れた。このようにして得られた触媒をA2と称す。
【0039】
例3:比較例A3
作製において担体S1(ドーパント無し)を使用した以外は例1と同様にして触媒を得た。金属含浸乾燥触媒(乾燥ベースで)は、24.7wt%のMoO、4.4wt%のCoO、そして2.2wt%のPを有した。乾燥させた中間体にチオ乳酸(触媒中に存在する3.5mol/molモリブデン)を加えることにより回転パンでさらに変性させた。引き続いて、添加物含有中間体をさらに熱風下で1時間、回転させながら熟成した。押出物をペトリ皿に入れ、80℃で16時間オーブンに入れた。得られたサンプルをA3と称す。
【0040】
例4:比較例A4
作製において担体S1(ドーパント無し)を使用した以外は例1と同様にして触媒を得た。金属含浸乾燥触媒(乾燥ベースで)は、24.1wt%のMoO、4.3wt%のCoO、そして2.1wt%のPを有した。チオグリコール酸(触媒中に存在する3.5mol/molモリブデン)を加えることにより回転パンでさらに中間体を変性させた。添加物含有中間体をさらに熱風下で1時間、回転させながら熟成した。押出物をペトリ皿に入れ、80℃で16時間オーブンに入れた。得られたサンプルをA4と称す。
【0041】
例5:比較例A5
同じ担体(S2)を使用し、含浸前に金属溶液にジエチレングリコール(0.44mol/molの水素化金属(Co+Mo)金属含有)を加えた以外は例1と同様にして触媒を得た。得られたサンプルは、(有機添加物を除く)23.8wt%のMoO、4.9wt%のCoO、2.5wt%のP、そして2.9%のBを有した。得られたサンプルをA5と称す。
【0042】
例6:発明A6
作製において担体S3を使用した以外は例1と同様にして触媒を得た。金属含浸乾燥触媒(乾燥ベースで)は、24.8wt%のMoO、4.3wt%のCoO、2.2wt%のP5、そして2.9%のBを有し、チオグリコール酸(触媒中に存在する3.5mol/molモリブデン)を加えることにより回転パンでさらに変性させた。中間体をさらに熱風下で1時間、回転させながら熟成した。押出物をペトリ皿に入れ、80℃で16時間オーブンに入れた。得られたサンプルをA6と称す。
【0043】
例7:発明A7
作製において担体S3を使用した以外は例1と同様にして触媒を得た。金属含浸乾燥触媒(乾燥ベースで)は、24.8wt%のMoO、4.3wt%のCoO、2.2wt%のP、そして2.9%のBを有し、チオ乳酸(触媒中に存在する3.5mol/molモリブデン)を加えることにより回転パンでさらに変性させた。中間体をさらに1時間熱風下で、回転させながら熟成した。押出物をペトリ皿に入れ、80℃で16時間オーブンに入れた。得られたサンプルをA7と称す。
【0044】
例8:発明A8
担体S5を使用し、含浸前に金属溶液にジエチレングリコール(0.44mol/molの水素化(Co+Mo)金属含有)を加えた以外は、例1と同様にして、触媒を得た。得られたサンプル(有機添加物を除く)は、18.7wt%のMoO、3.4wt%のCoO、そして4.2wt%のPを有した。これをA8と称す。
【0045】
例9:発明A9
作製において担体S5を使用した以外は例1と同様にして触媒を得た。金属含浸乾燥触媒(乾燥ベースで)は、22.4wt%のMoO、4wt%のCoO、そして4.3wt%のPを有し、チオグリコール酸(触媒中に存在する3.5mol/molモリブデン)を加えることにより回転パンでさらに変性させた。中間体をさらに1時間、回転させながら熟成した。押出物をペトリ皿に入れ、80℃で16時間オーブンに入れた。得られたサンプルをA9と称す。
【0046】
例10:発明A10
作製において担体S5を使用した以外は例1と同様にして触媒を得た。金属含浸乾燥触媒(乾燥ベースで)は、22.4wt%のMoO、4wt%のCoO、そして4.3wt%のPを有し、チオ乳酸(触媒中に存在する3.5mol/molモリブデン)を加えることにより回転パンでさらに変性させた。中間体をさらに1時間、回転させながら熟成した。押出物をペトリ皿に入れ、80℃で16時間オーブンに入れた。得られたサンプルをA10と称す。
【0047】
【表3】
【0048】
例 HC−PT 適用
表4は、予備硫化およびテスト条件を示す。HC−PTにおける比較のために、NiMoグレードを使用した。ベンチマークは、ホウ素含有担体を含有する。類似する金属ロードのサンプルを比較した。触媒の比較例は、窒素レベル60mg/kgNおよび硫黄レベル190mg/kgS(参照触媒)で行った。表5は、重量ベース(RVA)での比較HDS活性および比較HDN活性、そしてベンチマーク(100%に設定)に比較した水素化脱硝(HDN)と水素化脱硫(HDS)を示す。
【0049】
【表4】
【0050】
例11:比較例B1
適量の炭酸ニッケル(NiCO、純度49%)、モリブデン三酸化物(MoO)、およびリン酸(HPO)と脱イオン水を混合することにより含浸溶液を得た。混合物を一定レートで撹拌し、適切な温度で保持し、最低限の水分ロスで透明溶液を得た。当初の水の量は、最終的な生成物に所望されるものに比較して、結果として得られる金属溶液が十分な金属を有するように、さらなる水分蒸発が必要ないように選択された。この金属溶液にジエチレングリコール(0.44mol/molの水素化金属含有)を加えた。
【0051】
孔隙容積の115%まで担体S4を上述の含浸溶液に含浸させた。このようにして含浸させた触媒押出物を回転パンで30分間、室温で「熟成」させた。この後、熱風により(120℃、インレット)さらに30〜60分、フリーフロー押出物が得られるまで押出物を乾燥した。よって、金属を含浸させた乾燥触媒が得られ、これをB1と称す。触媒の最終的な金属含有量は(乾燥ベースで、有機物を排除し)24wt%のMoO、3.8wt%のNiO、6.8wt%のP、そして4.5wt.%のBであった。
【0052】
例12:発明B2
金属溶液にジエチレングリコールを加えず、担体S6を使用したこと以外、例11と同様にして触媒B2を作製した。金属を含浸させた触媒(乾燥ベースで)は、24wt%のMoO、3.8wt%のNiO、7.1wt%のP、そして5.6wt.%のBを有し、チオグリコール酸(触媒中に存在する3.5mol/molモリブデン)を加えることによりさらに回転パンで変性させた。中間体をさらに1時間、回転させながら熟成した。押出物をペトリ皿に入れ、80℃で16時間静的オーブンに入れた。得られたサンプルをB2と称す。
【0053】
例13:比較例B3
金属含有量を高くした以外は例11と同様にして触媒を得た。金属含浸乾燥触媒(有機物を排除する)は、25.9wt%のMoO、4.1wt%のNiO、7.2wt%のP、そして4.4%のBを有した。得られたサンプルをB3と称す。
【0054】
例14:発明B4
少ない量のTGA(触媒中に存在する1.75mol/molモリブデン)で金属含有量を高くした以外は例12と同様にして触媒B4を作製した。金属を含浸させた触媒(乾燥ベースで)は、26wt%のMoO、4.1wt%のNiO、7.6wt%のP、そして4.9wt.%のBを有した。得られたサンプルをB4と称す。
【0055】
例15:発明B5
(ジエチレングリコールの代わりに)クエン酸を金属溶液(0.14mol/molの水素化金属)に加え、担体S7を使用してこの溶液を含浸させたこと以外は例11と同様にして触媒を得た。金属を含浸させた触媒(乾燥ベースで)は、25.9wt%のMoO、4.3wt%のNiO、7.1wt%のP、そして3.5wt.%のBを有し、チオグリコール酸(触媒中に存在する1mol/molモリブデン)を加えることにより回転パンでさらに変性させた。中間体をさらに1時間、回転させながら熟成した。押出物をペトリ皿に入れ、80℃で16時間静的オーブンに入れた。得られたサンプルをB5と称す。
【0056】
例16:発明B6
クエン酸も金属溶液(0.14mol/molの水素化金属)に加え、担体S9を使用しこの溶液を含浸させた以外は例11と同様にして触媒を得た。金属を含浸させた触媒(乾燥ベースで)は、26.2wt%のMoO、4.1wt%のNiO、7.2wt%のP、そして2.6wt.%のBを有し、チオグリコール酸(触媒中に存在する1mol/molモリブデン)を加えることにより回転パンでさらに変性させた。中間体をさらに1時間、回転させながら熟成した。押出物をペトリ皿に入れ、80℃で16時間静的オーブンに入れた。得られたサンプルをB6と称す。
【0057】
【表5】
【0058】
例 高圧ULSD適用
マルチテストユニットで超低硫黄ディーゼル条件で触媒をテストした。表6は、比較に使用した予備硫化およびテスト条件を示す。示されている4つの触媒は、比較可能金属ロードのNiMoグレードであり、2つの異なる担体に基づいている。表7は、活性結果を示す。
【0059】
【表6】
【0060】
例17:比較例C1
ジエチレングリコール(1mol/molの水素化金属)、および金属の量を多くした以外は、例11と同様にして、担体S4に比較例C1を得た。最終的な触媒(乾燥ベースで、有機物を排除する)の金属組成は28.9wt%のMoO、4.7wt%のNiO、3.2wt%のP5、そして4.7%のBであった。
【0061】
例18:発明C2
金属溶液にジエチレングリコールを加えなかった以外は例17と同様にして担体S4に発明C2を作製した。金属を含浸させた乾燥触媒(乾燥ベースで)の構成は、28.9wt%のMoO、4.6wt%のNiO、3.2wt%のP5、そして4.7%のBであり、チオグリコール酸(触媒中の1mol/mol合計水素化金属)を加えることにより回転パンでさらに変性させた。中間体をさらに1時間、回転させながら熟成した。押出物をペトリ皿に入れ、80Cで16時間静的オーブンに入れた。得られたサンプルをC2と称す。
【0062】
例19: 比較例 C3
代わりに担体S8を使用した以外は、例17と同様にして比較例C3を得た。最終的な触媒の金属組成(乾燥ベースで、有機物を排除する)は、28.5wt%のMoO、4.5wt%のNiO、3wt%のP、そして8wt%のSiOであった。
【0063】
例20:発明C4
代わりに担体S8を使用した以外は、例18と同様にして触媒を作製した。触媒の最終的な金属組成(乾燥ベースで、有機物を排除する)は、28.8wt%のMoO、4.5wt%のNiO、2.8wt%のP、そして7.7wt%のSiOであった。
【0064】
【表7】
【0065】
例 中圧ULSD適用
マルチテストユニットにおいて中圧超低硫黄ディーゼル条件で触媒をテストした。使用した4つの触媒は、比較可能金属ロードのCoMoグレードであり、2つの異なる担体に基づいている。表8は予備硫化および活性結果を示し、表9は活性結果を示す。
【0066】
【表8】
【0067】
例 21:比較例D1
作製において担体S1を使用し、追加量のクエン酸を金属溶液(0.07mol/molの水素化金属)に含めたこと以外例5と同様にして比較例D1を得た。触媒の最終的な金属組成(乾燥ベースで、有機物を排除する)は、24.1wt%のMoO、4.2wt%のCoO、そして2.1wt%のPであった。
【0068】
例22:比較例D2
ジエチレングリコールを金属溶液に加えなかったこと以外は、例21と同じ担体を使用して比較例D2を得た。金属を含浸させた乾燥触媒(乾燥ベースで)の構成は、24.1wt%のMoO、4.2wt%のCoO、そして2.1wt%のPを有し、チオグリコール酸(触媒中1mol/mol合計水素化金属)を加えることにより回転パンでさらに変性させた。中間体をさらに1時間、回転させながら熟成した。押出物をペトリ皿に入れ、80Cで16時間静的オーブンに入れた。得られたサンプルをD2と称す。
【0069】
例23:比較例D3
作製において担体S2を使用し、金属溶液にクエン酸を含めなかったこと以外例21と同様にして比較例D3を得た。最終的な触媒の金属組成(乾燥ベースで、有機物を排除する)は、24.1wt%のMoO、4.1wt%のCoO、2wt%のP、そして3wt%のBであった。結果として得た触媒をD3と称す。
【0070】
例24:発明D4
ジエチレングリコールを金属溶液に加えなかったこと以外は、例23と同じ担体を使用し、同様に発明D4を得た。金属を含浸させた乾燥触媒(乾燥ベースで)の構成は、24.1wt%のMoO、4.1wt%のCoO、2wt%のP5、そして3wt%のBであり、チオグリコール酸(触媒中の1mol/mol合計水素化金属)を加えることにより回転パンでさらに変性させた。中間体をさらに1時間、回転させながら熟成した。押出物をペトリ皿に入れ、80Cで16時間静的オーブンに入れた。得られたサンプルをD4と称す。
【0071】
【表9】
【0072】
明細書中あるいは請求項で化学名または式で言及されている成分は、単数であっても複数であっても、化学名または化学タイプ(たとえば、その他の成分、溶剤等)により言及されるその他の物質と接触する前に存在すると認識されている。結果として得られる混合物または溶液でどのような化学的変化、変換および/または(起こる場合は)反応が起こるかではなく、そのような変化、変換、および/または反応は、本開示にて示された条件のもとで特定された成分と一緒にされた自然な結果である。よって、成分は、所望の運転の実行または所望の化合物の作製と関連して一緒にされる材料として認識される。
【0073】
発明は、ここに記載された材料および/または手順を含み、これらからなり、または実質的にこれらからなる。
【0074】
ここで使用される、発明の化合物のまたは発明の方法において使用された材料の量を修飾する「約」という用語は、例えば、以下のような状況において起こり得る数値量の幅を言及している(たとえば、典型的な測定および現実において溶液を使用する時に、あるいは濃縮物を作製するのに使用される液体取り扱い手順;これらの手順における不注意なエラー;製造、源、または、化合物製造や方法実施において使用する材料の純度の違い等)。約という表現はまた、特定の当初混合物から結果として得られる化合物に対する異なる平衡条件に基づいて起こる量も含めている。「約」により修飾されていてもいなくても、請求項は、その量と同等のものを含む。
【0075】
本明細書にて使用される冠詞"a"または"an"は、特に明確に示されていない限り、明細書またはクレームでその冠詞が示すものの単数の要素を指しているとして限定をするものではなく、限定的に解釈すべきではない。そうではなく、特に明確に示されていない限り、冠詞"a"または"an"は、本明細書にて使用される場合は、1つまたはそれ以上のその要素を含めるように示している。
【0076】
本明細書中で言及された各、そして全ての特許またはその他の公報または発行された文書は、本明細書中に完全に記載されているように、参照することにより本開示に組み込まれる。
【0077】
本発明は、実施において多様なバリエーションを含む。よって、上記説明は限定を意図したものではなく、発明を、上記説明において示した例に特定するように限定的に解釈されるべきではない。
図1