特許第6802859号(P6802859)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802859
(24)【登録日】2020年12月1日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】光装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/02 20060101AFI20201214BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20201214BHJP
   H05B 33/24 20060101ALI20201214BHJP
   H05B 33/26 20060101ALI20201214BHJP
   F21S 43/145 20180101ALI20201214BHJP
   F21S 45/00 20180101ALI20201214BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20201214BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20201214BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20201214BHJP
【FI】
   H05B33/02
   H05B33/14 A
   H05B33/24
   H05B33/26 Z
   F21S43/145
   F21S45/00
   F21V23/00 113
   F21W103:00
   F21Y115:15
【請求項の数】15
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-563362(P2018-563362)
(86)(22)【出願日】2018年1月17日
(86)【国際出願番号】JP2018001190
(87)【国際公開番号】WO2018135525
(87)【国際公開日】20180726
【審査請求日】2019年7月17日
(31)【優先権主張番号】特願2017-6774(P2017-6774)
(32)【優先日】2017年1月18日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】荒井 和明
(72)【発明者】
【氏名】石塚 真一
【審査官】 辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−005545(JP,A)
【文献】 特開平05−191563(JP,A)
【文献】 特開2000−357815(JP,A)
【文献】 特開平09−180883(JP,A)
【文献】 特開平07−142171(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0220509(US,A1)
【文献】 TSUTSUI, Tetsuo et al.,Sharply directed emission in organic electroluminescent diodes with an optical-microcavity structure,Appl. Phys. Lett.,1994年10月10日,Vol.65,p.1868-1870
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/02
F21S 43/145
F21S 45/00
F21V 23/00
H01L 51/50
H05B 33/24
H05B 33/26
F21W 103/00
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光装置と、
受光素子と、
を備え、
前記発光装置は、
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する基板と、
前記基板の前記第1面側に位置し、第1電極、有機層と、遮光性、光反射性及び光吸収性の少なくともいずれかを有する第2電極と、をそれぞれ含む複数の発光素子と、
隣り合う前記第2電極の間にそれぞれ位置する複数の透光部と、
備え、
前記受光素子は、
前記基板の前記第1面の斜め前と、
前記基板の前記第1面の正面と、
前記基板の前記第1面と前記第2面との間の側方と、
のいずれかに位置しており、
前記基板の前記第2面側には、前記基板よりも低い屈折率を有する媒質が位置し、
各発光素子の配光分布は、前記基板と前記媒質の臨界角方向において、前記基板に垂直な方向における光度の0.36倍以下の光度を有する光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光装置において、
各発光素子は、共振器構造を有する光装置。
【請求項3】
請求項2に記載の光装置において、
前記共振器構造は、互いに積層された複数の誘電体膜を含む光装置。
【請求項4】
請求項1に記載の光装置において、
前記発光素子と前記基板の前記第2面の間に位置しており、前記発光素子から発せられた光を反射する反射部を有し、
前記反射部は、前記第2面側に近づくにつれて前記発光素子の外側に向けて傾く反射面を有する光装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一項に記載の光装置において、
前記第2面側における配光分布は、前記第2面に垂直な方向において、前記第2面に垂直な方向から傾いた方向における光度よりも小さい光度を有する光装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項に記載の光装置において、
前記第2電極は遮光性を有している光装置。
【請求項7】
発光装置と、
受光素子と、
を備え、
前記発光装置は、
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する基板と、
前記基板の前記第1面側に位置し、第1電極、有機層と、遮光性、光反射性及び光吸収性の少なくともいずれかを有する第2電極と、をそれぞれ含む複数の発光素子と、
隣り合う前記第2電極の間にそれぞれ位置する複数の透光部と、
備え、
前記受光素子は、
前記基板の前記第1面の斜め前と、
前記基板の前記第1面の正面と、
前記基板の前記第1面と前記第2面との間の側方と、
のいずれかに位置しており、
前記基板の前記第2面は、前記基板よりも低い屈折率を有する媒質側に位置しており、
前記第2面側における配光分布は、前記第2面に垂直な方向において、前記第2面に垂直な方向から傾いた方向における光度よりも小さい光度を有する光装置。
【請求項8】
発光装置と、
受光素子と、
を備え、
前記発光装置は、
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する基板と、
前記基板の前記第1面側に位置し、第1電極、有機層と、遮光性、光反射性及び光吸収性の少なくともいずれかを有する第2電極と、をそれぞれ含む複数の発光素子と、
隣り合う前記第2電極の間にそれぞれ位置する複数の透光部と、
備え、
前記受光素子は、
前記基板の前記第1面の斜め前と、
前記基板の前記第1面の正面と、
前記基板の前記第1面と前記第2面との間の側方と、
のいずれかに位置しており、
各発光素子の発光の指向性半値角は66度以下である光装置。
【請求項9】
請求項8に記載の光装置において、
前記第1面側での発光光度の最大値は、前記第2面側での発光光度の最大値の2%以下である光装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の光装置において、
各発光素子は、共振器構造を有する光装置。
【請求項11】
請求項10に記載の光装置において、
前記共振器構造は、互いに積層された複数の誘電体膜を含む光装置。
【請求項12】
請求項8又は9に記載の光装置において、
前記発光素子と前記基板の前記第2面の間に位置しており、前記発光素子から発せられた光を反射する反射部を有し、
前記反射部は、前記第2面側に近づくにつれて前記発光素子の外側に向けて傾く反射面を有する光装置。
【請求項13】
請求項7から12までのいずれか一項に記載の光装置において、
前記第2電極は遮光性を有する光装置。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか一項に記載の光装置において、
前記受光素子を含む測距センサを備える光装置。
【請求項15】
請求項1から13までのいずれか一項に記載の光装置において、
前記受光素子を含む撮像センサを備える光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、透光性を有する有機発光ダイオード(OLED)が、照明用途や表示、ディスプレイ用途など発光装置として開発されている。特許文献1には、透光性OLEDの一例について記載されている。このOLEDは、基板、第1電極、有機層及び複数の第2電極を備えている。第1電極及び有機層は、基板上で順に積層されている。複数の第2電極は、有機層上でストライプ状に配置されている。OLEDの外部からの光は、基板上の領域、例えば隣り合う第1電極の間を透過することができる。これにより、OLEDは、透光性を有している。
【0003】
さらに、特許文献2には、透光性OLEDを自動車のリアウインドウに取り付けることが記載されている。このような透光性OLEDは、自動車の標識灯、例えば、ハイマウントストップランプとして機能することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−149376号公報
【特許文献2】特開2015−195173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、近年、透光性を有するOLEDが発光装置として開発されている。一定の用途(例えば、自動車のテールランプ)においては、このような発光装置が、受光素子(例えば、フォトダイオード(PD))を有する装置(例えば、光センサ又は撮像装置)と一緒に用いられる場合がある。この場合、発光装置から発せられる光による受光素子の誤検出を可能な限り抑える必要がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題としては、発光装置から発せられる光による受光素子の誤検出を抑えることが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する基板と、
前記基板の前記第1面側に位置し、第1電極、有機層及び第2電極をそれぞれ含む複数の発光素子と、
隣り合う発光素子の間にそれぞれ位置する複数の透光部と、
受光素子と、
を備え、
前記基板の前記第2面側には、前記基板よりも低い屈折率を有する媒質が位置し、
各発光素子の配光分布は、前記基板と前記媒質の臨界角方向において、前記基板に垂直な方向における光度の0.36倍以下の光度を有する光装置である。
【0008】
請求項7に記載の発明は、
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する基板と、
前記基板の前記第1面側に位置し、第1電極、有機層及び遮光性の第2電極をそれぞれ含む複数の発光素子と、
隣り合う発光素子の間にそれぞれ位置する複数の透光部と、
受光素子と、
を備え、
前記基板の前記第2面は、前記基板よりも低い屈折率を有する媒質側に位置しており、
前記第2面側における配光分布は、前記第2面に垂直な方向において、前記第2面に垂直な方向から傾いた方向における光度よりも小さい光度を有する光装置である。
【0009】
請求項8に記載の発明は、
第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する基板と、
前記基板の前記第1面側に位置し、第1電極、有機層及び遮光性の第2電極をそれぞれ含む複数の発光素子と、
隣り合う発光素子の間にそれぞれ位置する複数の透光部と、
受光素子と、
を備え、
各発光素子の発光の指向性半値角は66度以下である光装置である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0011】
図1】実施形態1に係る光装置を説明するための図である。
図2】実施形態2に係る光装置を説明するための図である。
図3】実施形態3に係る発光装置を示す平面図である。
図4図3のA−A断面図である。
図5】ガラスから空気に入射する光の反射率を示すグラフである。
図6図3及び図4に示した発光装置の発光面の反対側へ漏れる光の方向を説明するための図である。
図7】シミュレーションで用いた各発光素子の配光分布を説明するための図である。
図8】発光装置の発光面の反対側へ漏れる光の量のシミュレーション結果の第1例を示す図である。
図9】正面光度に対する臨界角光度の光度比と図8に示した光度比の最大値との関係を示すグラフである。
図10】発光装置の発光面の反対側へ漏れる光の量のシミュレーション結果の第2例を示す図である。
図11】正面光度に対する臨界角光度の光度比と図10に示した光度比の最大値との関係を示すグラフである。
図12】発光装置の発光面の反対側へ漏れる光の量のシミュレーション結果の第3例を示す図である。
図13】発光装置の発光面の反対側へ漏れる光の量のシミュレーション結果の第4例を示す図である。
図14】発光装置の発光面の反対側へ漏れる光の量が基板の厚みに依存して変化する理由を説明するための図である。
図15】発光素子の配光分布を測定する方法の第1例を説明するための図である。
図16】発光素子の配光分布を測定する方法の第2例を説明するための図である。
図17】実施例に係る発光装置を示す平面図である。
図18図17から有機層及び第2電極を取り除いた図である。
図19図18から絶縁層を取り除いた図である。
図20図17のP−P断面図である。
図21】正面光度に対する臨界角光度の光度比を小さくするための構造の第1例を示す図である。
図22】正面光度に対する臨界角光度の光度比を小さくするための構造の第2例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0013】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る光装置30を説明するための図である。
【0014】
光装置30は、発光装置10及びセンサ装置20(受光素子220)を備えている。
【0015】
発光装置10は、基板100、複数の発光素子140及び複数の透光部154を備えている。基板100は、第1面102及び第2面104を有している。第2面104は、第1面102の反対側にある。複数の発光素子140は、基板100の第1面102側に位置している。複数の透光部154のそれぞれは、隣り合う発光素子140の間に位置している。発光装置10は、複数の透光部154によって透光性を有している。
【0016】
図1に示す発光装置10は、図3以降の図を用いて詳細を後述する発光装置10と同様の構成を有している。図3以降の図を用いて詳細を後述するように、複数の発光素子140からの光は、基板100の第2面104から主に出力される。特に本実施形態では、各発光素子140から発せられて基板100の第1面102側から漏れる光の量が抑えられている。
【0017】
センサ装置20は、発光装置10の周囲に設けられている。図1に示す例では、センサ装置20は、基板100の第1面102の斜め前にあり、具体的には、基板100に平行な方向から見たときの第1面102側かつ、基板100に垂直な方向から見たときの第1面102又は第2面104と重ならない位置に位置している。他の例において、センサ装置20は、基板100の第1面102の正面にあってもよいし、又は基板100の第1面102と第2面104の間の側方にあってもよい。さらに他の例において、センサ装置20は、基板100の第2面104の斜め前にあってもよく、具体的には、基板100に平行な方向から見たときの基板100の第2面104側かつ、基板100に垂直な方向から見たときの第1面102又は第2面104と重ならない位置に位置していてもよい。
【0018】
センサ装置20は、光装置30の周囲の情報を取得するための光センシングを行う。図1に示す例において、センサ装置20は、発光素子210及び受光素子220を含んでいる。一例において、センサ装置20は、測距センサ、特にLiDAR(Light Detection And Ranging)にすることができる。この例において、発光素子210は、センサ装置20の外部に向けて光を発し、受光素子220は、発光素子210から発せられて対象物によって反射された光を受ける。一例において、発光素子210は、電気的エネルギーを光エネルギーに変換可能な素子、例えばレーザダイオード(LD)にすることができ、受光素子220は、光エネルギーを電気的エネルギーに変換可能な素子、例えばフォトダイオード(PD)にすることができる。センサ装置20は、光が発光素子210から発せられてから受光素子220によって受けられるまでの時間に基づいて、センサ装置20から対象物までの距離を検出することができる。
【0019】
センサ装置20の受光素子220は、センサ装置20の外部からの光を検出する。したがって、受光素子220の誤検出を防ぐため、発光装置10から発せられた光が受光素子220に入射されることを可能な限り抑えることが望ましい。
【0020】
光装置30は、発光及び光センシングを行うための用途、例えば、自動車の、測距センサ付きテールランプに用いることができる。この例においては、発光装置10が発光の機能を実現し、センサ装置20が光センシングの機能を実現する。
【0021】
上述した構成によれば、発光装置10から発せられる光による受光素子220の誤検出を抑えることができる。具体的には、上述したように、本実施形態では、各発光素子140から発せられて基板100の第1面102側から漏れる光の量が抑えられている。したがって、発光装置10から発せられる光が装置20(受光素子220)へ入射されることを抑えることができる。したがって、発光装置10から発せられる光による受光素子220の誤検出を抑えることができる。
【0022】
特に本実施形態においては、装置20(受光素子220)が基板100の第1面102の正面又は斜め前にあっても、発光装置10から発せられる光による受光素子220の誤検出を抑えることができる。上述したように、本実施形態では、各発光素子140から発せられて基板100の第1面102側から漏れる光の量が抑えられている。したがって、発光装置10から発せられた光の基板100の第1面102の正面又は斜め前への漏れを抑えることができる。したがって、装置20(受光素子220)が基板100の第1面102の正面又は斜め前にあっても、発光装置10から発せられる光による受光素子220の誤検出を抑えることができる。
【0023】
(実施形態2)
図2は、実施形態2に係る光装置30を説明するための図であり、実施形態1の図1に対応する。本実施形態に係る光装置30は、以下の点を除いて、実施形態1に係る光装置30と同様である。
【0024】
センサ装置20は、光装置30の周囲の情報を取得するための光センシングを行う。図2に示す例において、センサ装置20は、複数の受光素子220を含んでいる。一例において、センサ装置20は、撮像センサにすることができる。この例において、複数の受光素子220は、画像を電気信号に変換可能な素子、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal−Oxide−Semiconductor)イメージセンサにすることができる。一例において、各受光素子220は、光エネルギーを電気的エネルギーに変換可能な素子、例えばフォトダイオード(PD)にすることができる。センサ装置20は、複数の受光素子220によって、センサ装置20の外部の対象物の像を検出することができる。
【0025】
センサ装置20の受光素子220は、センサ装置20の外部からの光を検出する。したがって、受光素子220の誤検出を防ぐため、発光装置10から発せられて受光素子220に入射される光の量を可能な限り抑えることが望ましい。
【0026】
光装置30は、発光及び光センシングを行うための用途、例えば、自動車の、撮像センサ付きテールランプに用いることができる。この例においては、発光装置10が発光の機能を実現し、センサ装置20が光センシングの機能を実現する。
【0027】
本実施形態においても、実施形態1と同様にして、発光装置10から発せられる光による受光素子220の誤検出を抑えることができる。
【0028】
(実施形態3)
図3は、実施形態3に係る発光装置10を示す平面図である。図4は、図3のA−A断面図である。
【0029】
図4を用いて発光装置10の概要について説明する。発光装置10は、基板100、複数の発光素子140及び複数の透光部154を備えている。基板100は、第1面102及び第2面104を有している。第2面104は、第1面102の反対側にある。複数の発光素子140は、基板100の第1面102側に位置している。複数の発光素子140のそれぞれは、第1電極110、有機層120及び第2電極130を含んでいる。第2電極130は、遮光性を有している。複数の透光部154のそれぞれは、隣り合う発光素子140の間に位置している。基板100の第2面104側には、基板100よりも低い屈折率を有する媒質(例えば、空気)が位置している。特に図4に示す例では、基板100の第2面104は、当該媒質に接している。ただし、基板100の第2面104は、当該媒質に接していなくてもよく、基板100の第2面104と上述した媒質の間には、基板100及び当該媒質とは異なる領域(例えば、光取り出しフィルム)が位置していてもよい。
【0030】
本発明者は、各発光素子140の配光分布を調整することによって、発光装置10の発光面(基板100の第2面104)の反対側へ漏れる光の量を抑えることができることを見出した。具体的には、図5を用いて後述するように、高屈折率媒質(図5に示す例では、ガラス)から低屈折率媒質(図5に示す例では、空気)に入射する光の反射率は、フレネル反射によって、高屈折率媒質と低屈折率媒質の臨界角(図5に示す例では、おおよそ41°)の近傍において急激に上昇する。本発明者は、発光装置10の発光面(基板100の第2面104)の反対側へ漏れる光は、基板100(上述した高屈折率媒質に相当)と上記媒質(上述した低屈折率媒質に相当)の界面でフレネル反射によって反射した光に主に起因することを見出した。さらに、図8から図13を用いて後述するように、本発明者は、各発光素子140の配光分布につき発光素子140の正面における光度(正面光度lf)及び基板100と上記媒質の臨界角方向における光度(臨界角光度lc)を調整することで正面光度lfに対する臨界角光度lcの光度比Rcが小さくなるほど発光面(第2面104)の反対側へ漏れる光の量をより抑えることができることを見出した。これらの知見に基づいて、発光面(第2面104)の反対側へ漏れる光の量を一定の値以下に抑えることができる。
【0031】
なお、基板100と上記媒質の臨界角は、基板100と当該媒質が接している場合だけでなく、基板100と当該媒質の間に他の領域がある場合であっても、決定することができる。特に、基板100と当該媒質の間に他の領域がある場合、上述した臨界角は、スネルの法則に基づいて、当該他の領域の屈折率を考慮することなく、基板100の屈折率及び上記媒質の屈折率のみによって決定することができる。つまり、基板100の第2面104は、上記媒質に接していてもよいし、又は接していなくてもよい。以下では、基板100の第2面104が上記媒質に接するとして説明を行う。
【0032】
さらに、各発光素子140の配光分布とは、基板100の内部における配光分布である。図15及び図16を用いて後述するように、基板100の内部における配光分布は、基材Bを用いて測定することができる。
【0033】
次に、図3を用いて、発光装置10の平面レイアウトの詳細について説明する。図3では、発光装置10の発光面(基板100の第2面104)側から発光装置10を見ている。発光装置10は、基板100、複数の発光部152及び複数の透光部154を備えている。
【0034】
図3に示す例において、基板100の形状は、矩形である。ただし、基板100の形状は矩形に限定されるものではなく、例えば、矩形以外の多角形であってもよい。
【0035】
複数の発光素子140(発光部152)及び複数の透光部154は、交互に並んでおり、ストライプ状に配置されている。各発光素子140(発光部152)及び各透光部154は、基板100の一対の辺に沿って延伸しており、複数の発光素子140(発光部152)及び複数の透光部154は、基板100の他のもう一対の辺に沿って並んでいる。
【0036】
次に、図4を用いて、発光装置10の断面構造の詳細について説明する。発光装置10は、基板100、複数の発光素子140及び複数の透光部154を備えている。
【0037】
基板100は、透光性を有している。このため、各発光素子140からの光は、基板100を透過することができる。さらに、発光装置10の外部からの光も基板100を透過することができる。特に、基板100は、遮光性部材(例えば、第2電極130)によって覆われていない領域においては、透光部154として機能することができる。発光装置10の外部からの光は、透光部154を透過することができる。
【0038】
基板100は、第1面102及び第2面104を有している。第2面104は、第1面102の反対側にある。第2面104は、発光装置10の発光面として機能しており、具体的には、複数の発光素子140からの光は、主に第2面104から出力される。
【0039】
複数の発光素子140は、基板100の第1面102上に位置している。各発光素子140は、第1電極110、有機層120及び第2電極130を有している。第1電極110、有機層120及び第2電極130は、基板100の第1面102から順に積層されている。
【0040】
第1電極110は、透光性を有している。このため、有機層120から発せられた光は、第1電極110を透過することができ、これにより、基板100に入射することができる。
【0041】
有機層120は、有機エレクトロルミネッセンスによって光を発する発光層を含んでいる。有機層120の発光層は、第1電極110と第2電極130の間の電圧によって光を発することができる。
【0042】
第2電極130は、第1電極110と向かい合って位置している。例えば、遮光性、光反射性、光吸収性の少なくともいずれかを有している場合は、有機層120から発せられた光は、第2電極130を透過することなく、第2電極130によって反射する。一方で、第2電極130が透光性を有していた場合は発光装置10としての全体の透過率が向上する。発光装置10において、第2電極130の透光性が異なっていてもよい。
【0043】
各発光素子140は、発光部152を有している。発光素子140は、発光部152から光を発することができる。
【0044】
各第2電極130は、2つのギャップ部131を有している。一方のギャップ部131は、発光部152の一方の端部の外側にあり、もう一方のギャップ部131は、発光部152のもう一方の端部の外側にある。
【0045】
透光部154は、遮光性部材、具体的には第2電極130と重なっておらず、このため、発光装置10の外部からの光は、透光部154を透過することができる。光線透過率を高く維持する観点からすると、透光部154の幅は、第2電極130の幅よりも広いことが好ましい。ただし、透光部154の幅は、第2電極130の幅と等しくてもよいし、又は第2電極130の幅よりも狭くてもよい。
【0046】
図5は、ガラスから空気に入射する光の反射率を示すグラフである。図5には、p波の反射率、s波の反射率及びこれらの平均の反射率が示されている。図5に示すように、p波の反射率、s波の反射率及びこれらの平均の反射率は、いずれも、ガラスと空気の臨界角(おおよそ41°)の近傍において急激に上昇する。これは、ガラスと空気の界面におけるフレネル反射に起因するものである。
【0047】
図5に示す結果から、基板100から上記媒質に入射する光の反射率も、基板100と上記媒質の臨界角の近傍において急激に上昇するといえる。
【0048】
図6は、図3及び図4に示した発光装置10の発光面(基板100の第2面104)の反対側へ漏れる光の方向を説明するための図である。図6に示す例では、複数の発光部152から光が発せられており、基板100の第1面102側及び基板100の第2面104側のそれぞれに配光分布が生成されている。
【0049】
基板100の第2面104(発光装置10の発光面)側における配光分布は、第2面104に垂直な方向において第1光度L1を有しており、さらに、基板100の第1面102(発光装置10の発光面とは反対側の面)側における配光分布は、第1面102に垂直な方向から複数の発光素子140(複数の発光部152)の配列方向に沿って角度φ傾いた方向において第2光度L2を有している。特に図6に示す例では、第2光度L2は、2つの直線l1及びl2を含む円Cの周上における光度である。直線l1は、複数の発光部152の配列方向に沿って基板100の中心を通過する直線であり、直線l2は、基板100の法線方向に沿って基板100の中心を通過する直線である。
【0050】
次に、図3及び図4に示した発光装置10の測定結果について説明する。
【0051】
基板100は、ガラス基板(屈折率:1.52)とした。基板100の厚みTは、0.1mmとした。基板100の形状は、9mm×10mmの矩形とした。基板100の第2面104は、空気(屈折率:1)に接するようにした。14個の発光素子140を基板100の長辺(10mmの長さを有する辺)に沿って等間隔に並べた。
【0052】
各発光部152の幅は、0.2mmとした。隣り合う発光部152の中心間距離(言い換えると、発光部152のピッチ)は、0.714mmとした。第2電極130の幅は、0.27mmとした。言い換えると、ギャップ部131の幅Gは、0.035mmとした。
【0053】
有機層120の厚みは、0.0001mmとした。第2電極130の厚みは、0.0001mmとした。なお、この測定では、第1電極110は考慮しなかった。言い換えると、第1電極110の厚みはゼロとみなした。
【0054】
図7は、シミュレーションで用いた各発光素子140の配光分布を説明するための図である。このシミュレーションでは、10種類の発光素子140、すなわち、配光分布がcosθに従う発光素子140、配光分布がcosθに従う発光素子140、配光分布がcosθに従う発光素子140、配光分布がcosθに従う発光素子140、配光分布がcosθに従う発光素子140、配光分布がcosθに従う発光素子140、配光分布がcosθに従う発光素子140、配光分布がcosθに従う発光素子140、配光分布がcosθに従う発光素子140及び配光分布がcos10θに従う発光素子140のそれぞれを用いた。
【0055】
図7に示すように、cosθからcos10θに向かうにつれて、発光素子140の正面方向(角度θ=0°)における配光分布のピークが急峻になる。言い換えると、cosθからcos10θに向かうにつれて正面光度lfに対する臨界角光度lcの光度比Rcが小さくなる。このcosθのような配光分布を有する発光素子140あるいは発光装置10をランバーシアン光源とよぶ。cosθの場合、指向性半値角(あるいは単に半値角)は120度となる。一方でcos10θのような配光分布は指向性の高い光源(高指向性光源)である。この場合、配光分布は、特定の方向(図6における第2面104に垂直な方向)に発光強度のピークを有し、その配光分布の指向性半値角は50度以下である。また、例えばcosθに従う発光素子140の半値角は66度であり、cosθの乗数が増えるにつれて指向性半値角は減少する。
【0056】
図8は、発光装置10の発光面(基板100の第2面104)の反対側へ漏れる光の量のシミュレーション結果の第1例を示す図である。このシミュレーションでは、図7に示した10種類の発光素子140のそれぞれについて光度比Rを算出した。ただし、説明のため、図8には、6種類の発光素子140、すなわち、配光分布がcosθに従う発光素子140、配光分布がcosθに従う発光素子140、配光分布がcosθに従う発光素子140、配光分布がcosθに従う発光素子140、配光分布がcosθに従う発光素子140及び配光分布がcos10θに従う発光素子140についてのみ光度比Rを示している。光度比Rは、第1光度L1に対する第2光度L2の光度比L2/L1である。図6を用いて説明したように、第1光度L1は、第2面104に垂直な方向における光度であり、第2光度L2は、第1面102に垂直な方向から複数の発光素子140(複数の発光部152)の配列方向に沿って角度φ傾いた方向における光度である。
【0057】
図8に示すように、cosθからcos10θに向かうにつれて、角度φにつき0°から90°のほぼ全域に亘って光度比Rが減少している。言い換えると、正面光度lfに対する臨界角光度lcの光度比Rcが小さくなるにつれて、角度φにつき0°から90°のほぼ全域に亘って、発光装置10の発光面(基板100の第2面104)の反対側へ漏れる光の量が減少している。なお、図8に示す例において、基板100と上記媒質の臨界角は、41.14°である。
【0058】
図9は、正面光度lfに対する臨界角光度lcの光度比Rcと図8に示した光度比Rの最大値Rmaxとの関係を示すグラフである。図9に示すように、最大光度比Rmaxは、光度比Rcが減少するにつれて減少している。このことは、光度比Rcが小さくなるほど発光面(第2面104)の反対側へ漏れる光の量をより抑えることができることを示唆する。
【0059】
本発明者は、図8及び図9の結果に基づいて、光度比Rmaxが2%以下となる条件を検討した。本発明者が検討したところ、光度比Rmaxが2%以下である場合、発光面(第2面104)の反対側へ漏れる光の量が十分に抑えられていることが明らかとなった。すなわち、光度比Rmaxの許容値は2%とみなすことができる。
【0060】
図9に示す例において、光度比Rcと最大光度比Rmaxの関係は、Rmax=5Rc+0.2と近似することができる。この結果より、光度比Rcが0.36以下であるとき、最大光度比Rmaxは2%以下となる。言い換えると、各発光素子140の配光分布が、基板100と上記媒質の臨界角方向において、発光素子140の正面方向における光度の0.36倍以下の光度を有するとき、発光面(第2面104)の反対側へ漏れる光の量を十分に抑えることができる。ここで、光度比Rcが0.36以下となる発光素子140は、cosθに従う発光素子140よりもcosθの乗数が大きい発光素子であり、言い換えると、半値角が66度以下の発光素子140である。
【0061】
図10は、発光装置10の発光面(基板100の第2面104)の反対側へ漏れる光の量のシミュレーション結果の第2例を示す図である。図10に示す第2例は、基板100がPET(ポリエチレンテレフタレート)(屈折率:1.6)からなる点を除いて、図8に示した第1例と同様である。
【0062】
図10に示すように、cosθからcos10θに向かうにつれて、角度φにつき0°から90°のほぼ全域に亘って光度比Rが減少している。言い換えると、正面光度lfに対する臨界角光度lcの光度比Rcが小さくなるにつれて、角度φにつき0°から90°のほぼ全域に亘って、発光装置10の発光面(基板100の第2面104)の反対側へ漏れる光の量が減少している。なお、図10に示す例において、基板100と上記媒質の臨界角は、38.68°である。
【0063】
図11は、正面光度lfに対する臨界角光度lcの光度比Rcと図10に示した光度比Rの最大値Rmaxとの関係を示すグラフである。図11に示すように、最大光度比Rmaxは、光度比Rcが減少するにつれて減少している。このことは、光度比Rcが小さくなるほど発光面(第2面104)の反対側へ漏れる光の量をより抑えることができることを示唆する。
【0064】
図11に示す例において、光度比Rcと最大光度比Rmaxの関係は、Rmax=5Rc+0.2と近似することができる。この結果より、光度比Rcが0.36以下であるとき、最大光度比Rmaxは2%以下となる。言い換えると、各発光素子140の配光分布が、基板100と上記媒質の臨界角方向において、発光素子140の正面方向における光度の0.36倍以下の光度を有するとき、発光面(第2面104)の反対側へ漏れる光の量を十分に抑えることができる。
【0065】
図8及び図9に示す第1例及び図10及び図11に示す第2例のいずれにおいても、各発光素子140の配光分布が、基板100と上記媒質の臨界角方向において、発光素子140の正面方向における光度の0.36倍以下の光度を有するとき、発光面(第2面104)の反対側へ漏れる光の量を十分に抑えることができる。このことは、各発光素子140の配光分布を調整することによって、発光装置10の発光面(基板100の第2面104)の反対側へ漏れる光の量を基板100の材料に依存せず抑えることができることを示唆する。
【0066】
図12は、発光装置10の発光面(基板100の第2面104)の反対側へ漏れる光の量のシミュレーション結果の第3例を示す図である。図12に示す第3例は、基板100の厚みTが0.05mmである点を除いて、図8に示した第1例と同様である。言い換えると、図12に示す例における基板100の厚みT(0.05mm)は、図8に示した例における基板100の厚みT(0.1mm)よりも薄くなっている。
【0067】
図12に示すように、cosθからcos10θに向かうにつれて、角度φにつき0°から90°のほぼ全域に亘って光度比Rが減少している。言い換えると、正面光度lfに対する臨界角光度lcの光度比Rcが小さくなるにつれて、角度φにつき0°から90°のほぼ全域に亘って、発光装置10の発光面(基板100の第2面104)の反対側へ漏れる光の量が減少している。
【0068】
さらに、cosθからcos10θまでのいずれについても、図12における光度比Rは、図8における光度比Rよりも小さくなっている(基板100の厚みTが薄いほど光度比Rが小さくなる理由は、図14を用いて後述する。)。このため、図12において最大光度比Rmaxを2%以下にするために必要な光度比Rcは、図8において最大光度比Rmaxを2%以下にするために必要な光度比Rc(0.36)よりも大きくすることができる。このため、図12においては、各発光素子140の配光分布が、基板100と上記媒質の臨界角方向において、発光素子140の正面方向における光度の0.36倍以下の光度を有するとき、発光面(第2面104)の反対側へ漏れる光の量を十分に抑えることができる。
【0069】
図13は、発光装置10の発光面(基板100の第2面104)の反対側へ漏れる光の量のシミュレーション結果の第4例を示す図である。図13に示す第4例は、基板100の厚みTが0.2mmである点を除いて、図8に示した第1例と同様である。言い換えると、図13に示す例における基板100の厚みT(0.2mm)は、図8に示した例における基板100の厚みT(0.1mm)よりも厚くなっている。
【0070】
図13に示すように、cosθからcos10θに向かうにつれて、角度φにつき0°から90°のほぼ全域に亘って光度比Rが減少している。言い換えると、正面光度lfに対する臨界角光度lcの光度比Rcが小さくなるにつれて、角度φにつき0°から90°のほぼ全域に亘って、発光装置10の発光面(基板100の第2面104)の反対側へ漏れる光の量が減少している。
【0071】
さらに、cosθからcos10θまでのいずれについても、図13における光度比Rは、図8における光度比Rよりも大きくなっている(基板100の厚みTが厚いほど光度比Rが大きくなる理由は、図14を用いて後述する。)。このため、図13において最大光度比Rmaxを2%以下にするために必要な光度比Rcは、図8において最大光度比Rmaxを2%以下にするために必要な光度比Rc(0.36)よりも小さくする必要がある。具体的には、本発明者は、最大光度比Rmaxが2%以下となる条件を、図9及び図11を用いて説明した方法と同様にして検討した。その結果、各発光素子140の配光分布は、基板100と上記媒質の臨界角方向において、発光素子140の正面方向における光度の0.20倍以下の光度を有する必要があることが明らかとなった。
【0072】
図14は、発光装置10の発光面(基板100の第2面104)の反対側へ漏れる光の量が基板100の厚みTに依存して変化する理由を説明するための図である。図14(a)に示す例及び図14(b)に示す例では、いずれも、発光部152の同一位置から同一の方向に光が発せられている。図14(a)に示す例と図14(b)に示す例は、図14(b)における基板100の厚みTが図14(a)における基板100の厚みTよりも薄い点を除いて、互いに共通している。
【0073】
図14(a)及び図14(b)の双方に示すように、発光部152から発せられた光は、フレネル反射によって、基板100の第2面104で反射することがある。図14(a)に示す例では、基板100の厚みTが厚く、このため、基板100の第2面104で反射した光が基板100の第2面104の反対側へ漏れている。これに対して、図14(b)に示す例では、基板100の厚みTが薄く、このため、基板100の第2面104で反射した光がギャップ部131によって遮られ、基板100の第2面104の反対側へ漏れていない。このようにして、基板100の厚みTが薄いほど光度比Rが小さくなり、基板100の厚みTが厚いほど光度比Rが大きくなる。
【0074】
図15は、発光素子140の配光分布を測定する方法の第1例を説明するための図である。
【0075】
図15に示す例では、基材Bを用いて配光分布を測定している。基材Bの屈折率は、基板100の屈折率と等しくなっている。基材Bの形状は、半球又は半円柱となっている。発光装置10の中心は、基材Bの中心上に位置している。特に図15に示す例では、基材Bの大きさは、発光装置10の大きさよりも十分に大きく、複数の発光素子140は、いずれも、基材Bの中心上に位置するとみなすことができる。
【0076】
図15に示す例では、複数の発光部152がいずれも光を発している。上述したように、複数の発光部152(複数の発光素子140)は、いずれも、基材Bの中心上に位置するとみなすことができるため、複数の発光部152から発せられた光は、基材Bの球面又は円柱面で屈折することなく、基材Bの球面又は円柱面から出射される。したがって、基材Bの球面又は円柱面から出射された光を測定することで、発光素子140の配光分布を測定することができる。
【0077】
図16は、発光素子140の配光分布を測定する方法の第2例を説明するための図である。
【0078】
図16に示す例では、基材Bを用いて配光分布を測定している。基材Bの屈折率は、基板100の屈折率と等しくなっている。基材Bの形状は、半球又は半円柱となっている。発光装置10の中心は、基材Bの中心上に位置している。特に図16に示す例では、発光装置10は、複数の発光部152のうちの発光部152aが基材Bの中心上に位置している。
【0079】
図16に示す例では、発光部152aが光を発しており、発光部152a以外の発光部、すなわち、発光部152b及び発光部152cは、光を発していない。発光部152b及び発光部152cは、発光部152b及び発光部152cに電流を流さないことにより、又は発光部152b及び発光部152cを遮光することにより、光を発しないようにすることができる。上述したように、発光部152aは、基材Bの中心上に位置しているため、発光部152aから発せられた光は、基材Bの球面又は円柱面で屈折することなく、基材Bの球面又は円柱面から出射される。したがって、基材Bの球面又は円柱面から出射された光を測定することで、発光素子140(発光部152a)の配光分布を測定することができる。なお、図16に示す例では、測定器Mを用いて、基材Bの球面又は円柱面から出射された光を測定している。
【0080】
以上、本実施形態によれば、発光装置10の発光面(基板100の第2面104)の反対側へ漏れる光の量を抑えることができる。
【0081】
なお、図8図10図12及び図13のいずれにおいても、発光装置10につき第2面104側における配光分布は、第2面104に垂直な方向(角度φ=0°)において、第2面104に垂直な方向から傾いた方向(角度φ>0°)における光度よりも小さい光度を有していてもよい。発光装置10の通常の使用においては、第2面104の正面から発光装置10を見る機会が多くある。一方で、発光装置10自体が水平方向から傾いて使用される場合もある。その場合は発光装置10の第2面104での発光光度のピークを第2面104に垂直な方向から傾いた方向(角度φ>0°)とすることで対応することができる。
【実施例】
【0082】
図17は、実施例に係る発光装置10を示す平面図である。図18は、図17から有機層120及び第2電極130を取り除いた図である。図19は、図18から絶縁層160を取り除いた図である。図20は、図17のP−P断面図である。
【0083】
図20を用いて発光装置10の概要について説明する。実施形態3と同様にして、発光装置10は、基板100、複数の発光素子140及び複数の透光部154を備えている。基板100は、第1面102及び第2面104を有している。第2面104は、第1面102の反対側にある。複数の発光素子140は、基板100の第1面102側に位置している。複数の発光素子140のそれぞれは、第1電極110、有機層120及び第2電極130を含んでいる。第2電極130は、遮光性を有している。複数の透光部154のそれぞれは、隣り合う発光素子140の間に位置している。実施形態3と同様にして、各発光素子140の配光分布を調整することによって、発光面(基板100の第2面104)の反対側へ漏れる光の量を抑えることができる。
【0084】
次に、図17から図19を用いて、発光装置10の平面レイアウトの詳細について説明する。発光装置10は、基板100、複数の第1接続部112、第1配線114、複数の第2接続部132、第2配線134、複数の発光素子140及び複数の絶縁層160を備えている。複数の発光素子140のそれぞれは、第1電極110、有機層120及び第2電極130を含んでいる。
【0085】
基板100の形状は、第1面102に垂直な方向から見た場合、一対の長辺及び一対の短辺を有する矩形である。ただし、基板100の形状は、矩形に限定されるものではない。基板100の形状は、第1面102に垂直な方向から見た場合、例えば円でもよいし、又は矩形以外の多角形であってもよい。
【0086】
複数の第1電極110は、互いに離間して位置しており、具体的には、基板100の長辺に沿って一列に並んでいる。複数の第1電極110のそれぞれは、基板100の短辺に沿って延伸している。
【0087】
複数の第1電極110のそれぞれは、複数の第1接続部112のそれぞれを介して、第1配線114に接続している。第1配線114は、基板100の一対の長辺の一方に沿って延伸している。外部からの電圧は、第1配線114及び第1接続部112を介して第1電極110に供給される。なお、図19に示す例において、第1電極110及び第1接続部112は、互いに一体となっている。言い換えると、発光装置10は、第1電極110として機能する領域及び第1接続部112として機能する領域を有する導電層を備えている。
【0088】
複数の第2電極130のそれぞれは、複数の第1電極110のそれぞれに重なっている。複数の第2電極130は、互いに離間して位置しており、具体的には、基板100の長辺に沿って一列に並んでいる。複数の第2電極130のそれぞれは、基板100の短辺に沿って延伸しており、具体的には、基板100の短辺に沿って延伸する一対の長辺及び基板100の長辺に沿って延伸する一対の短辺を有している。
【0089】
複数の第2電極130のそれぞれは、複数の第2接続部132のそれぞれを介して、第2配線134に接続している。第2配線134は、基板100の一対の長辺の他方に沿って延伸している。外部からの電圧は、第2配線134及び第2接続部132を介して第2電極130に供給される。
【0090】
複数の絶縁層160のそれぞれは、複数の第1電極110のそれぞれに重なっている。複数の絶縁層160は、互いに離間して位置しており、具体的には、基板100の長辺に沿って一列に並んでいる。複数の絶縁層160のそれぞれは、基板100の短辺に沿って延伸しており、具体的には、基板100の短辺に沿って延伸する一対の長辺及び基板100の長辺に沿って延伸する一対の短辺を有している。
【0091】
複数の絶縁層160のそれぞれは、開口162を有している。図20を用いて後述するように、開口162内において、発光素子140は、発光部152として機能する領域を有している。言い換えると、絶縁層160は、発光部152を画定している。発光部152(開口162)は、基板100の短辺に沿って延伸しており、具体的には、基板100の短辺に沿って延伸する一対の長辺及び基板100の長辺に沿って延伸する一対の短辺を有している。
【0092】
次に、図20を用いて、発光装置10の断面の詳細を説明する。発光装置10は、基板100、発光素子140及び絶縁層160を備えている。基板100は、第1面102及び第2面104を有している。第2面104は、第1面102の反対側にある。発光素子140は、第1電極110、有機層120及び第2電極130を含んでいる。発光素子140及び絶縁層160は、基板100の第1面102上にある。絶縁層160の開口162内において、発光素子140は、発光部152として機能する領域を有している。
【0093】
基板100は、透光性を有している。一例において、基板100は、ガラスを含んでいる。他の例において、基板100は、樹脂を含んでいてもよい。
【0094】
第1電極110は、透光性及び導電性を有している。具体的には、第1電極110は、透光性及び導電性を有する材料を含んでおり、例えば金属酸化物、具体的には例えば、ITO(Indium Tin Oxide)及びIZO(Indium Zinc Oxide)の少なくとも1つを含んでいる。これにより、有機層120からの光は、第1電極110を透過することができる。
【0095】
有機層120は、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層を含んでいる。正孔注入層及び正孔輸送層は、第1電極110に接続している。電子輸送層及び電子注入層は、第2電極130に接続している。発光層は、第1電極110と第2電極130の間の電圧によって光を発する。
【0096】
本実施例では第2電極130は、遮光性、または光反射性を有し、さらに、導電性を有している。具体的には、第2電極130は、光反射性及び導電性を有する材料を含んでおり、例えば金属、具体的には例えば、Al、Ag及びMgAgの少なくとも1つを含んでいる。これにより、有機層120からの光は、第2電極130をほとんど透過することなく、第2電極130で反射される。
【0097】
第2電極130は、2つのギャップ部131を有している。一方のギャップ部131は、発光部152の一方の端部の外側にあり、もう一方のギャップ部131は、発光部152のもう一方の端部の外側にある。
【0098】
絶縁層160は、透光性を有している。一例において、絶縁層160は、有機絶縁材料、具体的には例えばポリイミドを含んでいる。他の例において、絶縁層160は、無機絶縁材料、具体的には例えば、シリコン酸化物(SiO)、シリコン酸窒化物(SiON)又はシリコン窒化物(SiN)を含んでいてもよい。
【0099】
第2電極130は端部130a及び端部130bを有し、絶縁層160は端部160a及び端部160bを有している。端部130a及び端部160aは、互いに同じ方向を向いている。端部130b及び端部160bは、互いに同じ方向を向いており、それぞれ、端部130a及び端部160aの反対側にある。
【0100】
第1面102に垂直な方向から見た場合、基板100の第1面102は、複数の領域102a、複数の領域102b複数の領域102cを有している。複数の領域102aのそれぞれは、第2電極130の端部130aと重なる位置から端部130bと重なる位置まで広がっている。複数の領域102bのそれぞれは、第2電極130の端部130aと重なる位置から絶縁層160の端部160aと重なる位置まで(又は第2電極130の端部130bと重なる位置から絶縁層160の端部160bと重なる位置まで)広がっている。複数の領域102cのそれぞれは、互いに隣接する2つの絶縁層160のうちの一方の絶縁層160の端部160aと重なる位置から他方の絶縁層160の端部160bと重なる位置まで広がっている。
【0101】
領域102aは、第2電極130と重なっており、このため、発光装置10は、領域102a、領域102b及び領域102cと重なる領域のうち、領域102aと重なる領域で最も低い光線透過率を有している。領域102cは、第2電極130及び絶縁層160のいずれとも重なっておらず、このため、発光装置10は、領域102a、領域102b及び領域102cと重なる領域のうち、領域102cと重なる領域で最も高い光線透過率を有している。領域102bは、第2電極130と重ならず絶縁層160と重なっており、このため、発光装置10は、領域102bと重なる領域においては、領域102aと重なる領域における光線透過率よりも高く、かつ領域102cと重なる領域における光線透過率よりも低い光線透過率を有している。
【0102】
上述した構成においては、発光装置10の全体としての光線透過率が高いものとなっている。詳細には、光線透過率の高い領域の幅、すなわち、領域102cの幅d3が広くなっており、具体的には、領域102cの幅d3は、領域102bの幅d2よりも広くなっている(d3>d2)。このようにして、発光装置10の全体としての光線透過率は、高いものとなっている。
【0103】
上述した構成においては、発光装置10が特定の波長の光を多く吸収することが防止されている。詳細には、光が絶縁層160を透過する領域の幅、すなわち、領域102bの幅d2が狭くなっており、具体的には、領域102bの幅d2は、領域102cの幅d3よりも狭くなっている(d2<d3)。絶縁層160は、特定の波長の光を吸収することがある。このような場合においても、上述した構成においては、絶縁層160を透過する光の量を少なくすることができる。このようにして、発光装置10が特定の波長の光を多く吸収することが防止されている。
【0104】
なお、領域102cの幅d3は、領域102aの幅d1よりも広くてもよいし(d3>d1)、領域102aの幅d1よりも狭くてもよいし(d3<d1)、又は領域102aの幅d1と等しくてもよい(d3=d1)。
【0105】
一例において、領域102aの幅d1に対する領域102bの幅d2の比d2/d1は、0以上0.2以下であり(0≦d2/d1≦0.2)、領域102aの幅d1に対する領域102cの幅d3の比d3/d1は、0.3以上2以下である(0.3≦d3/d1≦2)。より具体的には、一例において、領域102aの幅d1は、50μm以上500μm以下であり、領域102bの幅d2は、0μm以上100μm以下であり、領域102cの幅d3は、15μm以上1000μm以下である。
【0106】
発光装置10は、半透過OLEDとして機能している。具体的には、第2電極130と重ならない領域は、透光部154として機能している。このようにして、発光装置10では、複数の発光部152及び複数の透光部154が交互に並んでいる。複数の発光部152から光が発せられていない場合、人間の視覚では、第1面102側の物体が第2面104側から透けて見え、第2面104側の物体が第1面102側から透けて見える。さらに、複数の発光部152からの光は、第2面104側から主に出力され、第1面102側からはほとんど出力されない。複数の発光部152から光が発せられている場合、人間の視覚では、第2面104側の物体が第1面102側から透けて見える。
【0107】
一例において、発光装置10は、自動車のハイマウントストップランプとして用いることができる。この場合、発光装置10は、自動車のリアウインドウに貼り付けることができる。さらに、この場合、発光装置10は、例えば、赤色の光を発する。
【0108】
次に、図17から図20に示した発光装置10の製造方法について説明する。
【0109】
まず、基板100の第1面102上に、第1電極110、第1接続部112及び第2接続部132を形成する。一例において、第1電極110、第1接続部112及び第2接続部132は、スパッタリングにより形成された導電層をパターニングすることにより形成される。
【0110】
次いで、絶縁層160を形成する。一例において、絶縁層160は、基板100の第1面102上に塗布された感光性樹脂をパターニングすることにより形成される。
【0111】
次いで、有機層120を形成する。一例において、有機層120は、蒸着により形成される。他の例において、有機層120は、塗布により形成されてもよい。この場合、絶縁層160の開口162内に有機層120の材料を塗布する。
【0112】
次いで、第2電極130を形成する。一例において、第2電極130は、マスクを用いた真空蒸着により形成される。
【0113】
このようにして、図17から図20に示した発光装置10が製造される。
【0114】
図21は、正面光度lfに対する臨界角光度lcの光度比Rcを小さくするための構造の第1例を示す図である。
【0115】
発光素子140は、第1電極110、有機層120、第2電極130及び半透過反射層170を有している。第2電極130は、反射層として機能している。このようにして、発光素子140は、共振器構造(マイクロキャビティ)を有している。具体的には、有機層120から発せられた光は、第2電極130(反射層)と半透過反射層170の間で反射し、半透過反射層170から出力される。このようなマイクロキャビティにおいては、発光素子140の配光分布は、発光素子140の正面方向において急峻なピークを有するようになり、これにより、正面光度lfに対する臨界角光度lcの光度比Rcを小さくすることができる。
【0116】
一例において、半透過反射層170は、互いに積層された複数の誘電体膜を含んでいる。このような複数の誘電体膜は、ハーフミラー、すなわち、半透過反射層170として機能することができる。他の例において、半透過反射層170は、金属薄膜(例えば、Ag薄膜)であってもよい。この例においては、金属薄膜の厚みは薄く、光の一部が金属薄膜を透過することができる。このため、金属薄膜は、ハーフミラー、すなわち、半透過反射層170として機能することができる。
【0117】
図22は、正面光度lfに対する臨界角光度lcの光度比Rcを小さくするための構造の第2例を示す図である。
【0118】
発光装置10は、反射部180を有している。反射部180は、発光素子140と基板100の第2面104の間に位置しており、特に図22に示す例では、基板100の内部に埋め込まれている。反射部180は、反射面182を有している。反射面182は、第2面104側に近づくにつれて発光素子140の外側に向けて傾いている。
【0119】
図22に示す例では、発光素子140から発せられた光が反射部180の反射面182によって反射している。反射面182は、第2面104側に近づくにつれて発光素子140の外側に向けて傾いているため、第2面104に垂直な方向に対する光軸の傾きは、反射面182で反射した後において反射面182で反射する前よりも緩やかにすることができる。このため、第2面104に大きな入射角で入射する光の量を抑えることができ、これにより、正面光度lfに対する臨界角光度lcの光度比Rcを小さくすることができる。
【0120】
本実施例によれば、実施形態と同様にして、発光装置10の発光面(基板100の第2面104)の反対側へ漏れる光の量を抑えることができる。
【0121】
(他の実施例)
以下に他の実施例について記載する。他の実施例では第2電極130は透光性を有していてもよい。この場合、第2電極130は前述した第1電極110の材料や前述した第2電極の材料を100nm以下の膜厚とすることで達成できる。このような構成にすることで発光装置10は全体として高い透光性を有することができる。また、このような構成にすることで主発光の面を基板100の第1面102側としてもよい。
【0122】
ただしその場合には発光が基板100を通過しないため、第2電極130と基板100の第1面102側の最終的に出射される低屈折率媒質との臨界角度において、光源の第2電極130内配光が実施例と同様の特徴(正面に対して臨界角度の光度が0.36倍以下)を満たす必要がある。これにより電極130の出射面側表面でのフレネル反射が低減し、基板100の第2面104側へ主発光が漏れるのを防ぐことができる。
【0123】
この場合、発光素子140の第2電極130を介して取り出された光が封止等で反射散乱した光が基板100を介して第2面104側へ取り出されるのを防ぐことができる。
【0124】
他の実施例によれば、実施例と同様にして、発光装置10として高い透光率を持たせたまま、発光装置10で主発光と副発光と発光し分けることができる。つまり、副発光の大きさ、換言すれば、発光面(基板100の第2面104または第1面102)の反対側へ漏れる光の量を抑えることができる。特に、発光装置10をディスプレイなどの表示装置として用いた場合、発光装置10の表示内容が認識できる主発光側と、左右が反転することにより、表示内容が認識できなくなる側の副発光側という課題が発生するが、副発光側への発光強度を下げることができるため、違和感を減らすことができる。
【0125】
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0126】
以下、参考形態の例を付記する。
1. 第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する基板と、
前記基板の前記第1面側に位置し、第1電極、有機層及び第2電極をそれぞれ含む複数の発光素子と、
隣り合う発光素子の間にそれぞれ位置する複数の透光部と、
を備え、
前記基板の前記第2面側には、前記基板よりも低い屈折率を有する媒質が位置し、
各発光素子の配光分布は、前記基板と前記媒質の臨界角方向において、前記基板に垂直な方向における光度の0.36倍以下の光度を有する発光装置。
2. 1.に記載の発光装置において、
各発光素子は、共振器構造を有する発光装置。
3. 2.に記載の発光装置において、
前記共振器構造は、互いに積層された複数の誘電体膜を含む発光装置。
4. 1.に記載の発光装置において、
前記発光素子と前記基板の前記第2面の間に位置しており、前記発光素子から発せられた光を反射する反射部を有し、
前記反射部は、前記第2面側に近づくにつれて前記発光素子の外側に向けて傾く反射面を有する発光装置。
5. 1.から4までのいずれか一つに記載の発光装置において、
前記第2面側における配光分布は、前記第2面に垂直な方向において、前記第2面に垂直な方向から傾いた方向における光度よりも小さい光度を有する発光装置。
6. 1.から5までのいずれか一つに記載の発光装置において、
前記第2電極は遮光性を有している発光装置。
7. 第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する基板と、
前記基板の前記第1面側に位置し、第1電極、有機層及び遮光性の第2電極をそれぞれ含む複数の発光素子と、
隣り合う発光素子の間にそれぞれ位置する複数の透光部と、
を備え、
前記基板の前記第2面は、前記基板よりも低い屈折率を有する媒質側に位置しており、
前記第2面側における配光分布は、前記第2面に垂直な方向において、前記第2面に垂直な方向から傾いた方向における光度よりも小さい光度を有する発光装置。
8. 第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する基板と、
前記基板の前記第1面側に位置し、第1電極、有機層及び第2電極をそれぞれ含む複数の発光素子と、
隣り合う発光素子の間にそれぞれ位置する複数の透光部と、
を備え、
各発光素子の発光の指向性半値角は66度以下である発光装置。
9. 8.に記載の発光装置において、
前記第1面側での発光光度の最大値は、前記第2面側での発光光度の最大値の2%以下である発光装置。
10. 8.又は9.に記載の発光装置において、
各発光素子は、共振器構造を有する発光装置。
11. 10.に記載の発光装置において、
前記共振器構造は、互いに積層された複数の誘電体膜を含む発光装置。
12. 8.又は9.に記載の発光装置において、
前記発光素子と前記基板の前記第2面の間に位置しており、前記発光素子から発せられた光を反射する反射部を有し、
前記反射部は、前記第2面側に近づくにつれて前記発光素子の外側に向けて傾く反射面を有する発光装置。
13. 7.から12までのいずれか一つに記載の発光装置において、
前記第2電極は遮光性を有する発光装置。
【0127】
この出願は、2017年1月18日に出願された日本出願特願2017−006774号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
図1
図2
図3
図4
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図6
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図8
図9
図10
図11
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図20
図21
図22