特許第6802898号(P6802898)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802898
(24)【登録日】2020年12月1日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/04 20060101AFI20201214BHJP
   F16C 33/20 20060101ALI20201214BHJP
   F16C 17/02 20060101ALI20201214BHJP
   F16C 17/10 20060101ALI20201214BHJP
   F16C 35/02 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   F16C33/04
   F16C33/20 Z
   F16C17/02 Z
   F16C17/10 Z
   F16C35/02 Z
   F16C35/02 B
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-502761(P2019-502761)
(86)(22)【出願日】2017年8月1日
(65)【公表番号】特表2019-522159(P2019-522159A)
(43)【公表日】2019年8月8日
(86)【国際出願番号】US2017044800
(87)【国際公開番号】WO2018026756
(87)【国際公開日】20180208
【審査請求日】2019年1月18日
(31)【優先権主張番号】62/370,021
(32)【優先日】2016年8月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン・ミューリング
(72)【発明者】
【氏名】アーメット・オーツェルク
(72)【発明者】
【氏名】シエモ・クエスターズ
【審査官】 日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−159836(JP,A)
【文献】 特開平6−270294(JP,A)
【文献】 特開平9−262632(JP,A)
【文献】 特表2014−509721(JP,A)
【文献】 特開2002−340001(JP,A)
【文献】 特開平11−303857(JP,A)
【文献】 実開平6−40457(JP,U)
【文献】 米国特許第3874752(US,A)
【文献】 米国特許第3001007(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 33/04,17/02,17/10,33/20,35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受であって、
第1および第2の軸方向端部と、前記第1および第2の軸方向端部の間に延びる開孔と、前記第1及び前記第2の軸方向端部との間に延びるギャップとを画定する略円筒形の側壁と、
前記第1の軸方向端部に近接する位置で、前記略円筒形の側壁から半径方向に延びるフランジと、
前記フランジと前記第2の軸方向端部との間に配置された位置で、前記略円筒形の側壁から半径方向に延びる特徴部と、を備え、
前記略円筒形の側壁が低摩擦材料を含み、前記フランジは構造体と係合するように、前記ギャップから円周方向にずれる係合特徴部を含む、軸受。
【請求項2】
アセンブリであって、
逃げ部を備える開口を有する構造体と、
前記開口内に配置された軸受と、を備え、前記軸受は、
第1および第2の軸方向端部と、前記第1および第2の軸方向端部の間に延びる開孔と、前記第1および前記第2の軸方向端部との間に延びるギャップとを画定する略円筒形の側壁と、
前記略円筒形の側壁から延びるフランジ、ならびに
前記略円筒形の側壁から半径方向に延びる特徴部を備え、
前記フランジは前記構造体の第1の側に配置され、前記特徴部は前記構造体の第2の側に配置され、前記第2の側は前記第1の側の反対であり、前記開口の逃げ部は前記特徴部を受け入れるように適合されており、前記フランジは構造体と係合するように、前記ギャップから円周方向にずれる係合特徴部を含む、アセンブリ。
【請求項3】
軸受を取り付ける方法であって、
第1および第2の軸方向端部と、前記第1および前記第2の軸方向端部との間に延びるギャップと、前記第1および第2の軸方向端部の間に延びる開孔とを画定する略円筒形の側壁と、前記第1の軸方向端部に近接する位置に配置されたフランジと、前記フランジと前記第2の軸方向端部との間の位置で、前記略円筒形の側壁から半径方向に突出する特徴部と、を有する軸受を提供することと、
前記特徴部に対応する円周方向位置で、逃げ部を備える開口を有する面と軸受を整列することと、
前記特徴部が前記逃げ部を通過するように前記軸受を前記開口に挿入することと、
前記フランジが前記面に接触するまで前記軸受を前記開口に押し込むことと、
前記特徴部が前記逃げ部から角度的にずれるまで前記軸受を回転させることを含み、前記フランジは構造体と係合するように、前記ギャップから円周方向にずれる係合特徴部を含む、方法。
【請求項4】
前記略円筒形の側壁が、基材と低摩擦材料とを備え、前記低摩擦材料が前記基材に結合されている、請求項1に記載の軸受
【請求項5】
前記特徴部が、前記略円筒形の側壁から半径方向外向きに延び、前記低摩擦材料が前記略円筒形の側壁の内面に沿って配置されている、請求項4に記載の軸受
【請求項6】
前記フランジが、前記軸受の前記第1の軸方向端部に配置されている、請求項1に記載の軸受
【請求項7】
前記フランジが前記特徴部から距離Dだけ離間し、前記略円筒形の側壁が軸方向の高さHを有し、DがH未満である、請求項1に記載の軸受
【請求項8】
前記フランジおよび特徴部は互いに同じ半径方向に延びる、請求項1に記載の軸受
【請求項9】
前記フランジは、第1の面と前記第1の面の反対側の第2の面とを有し、前記第1の面は前記第2の面よりも前記第1の軸方向端部に近く、前記第1の面は低摩擦材料を含む、請求項1に記載の軸受
【請求項10】
前記フランジは、前記略円筒形の側壁の最外面から測定された最大半径寸法Rだけ延び、前記特徴部は、前記略円筒形の側壁の最外面から測定された距離Dだけ延び、RおよびDは互いに異なる、請求項1に記載の軸受
【請求項11】
がDより大きい、請求項10に記載の軸受
【請求項12】
がD未満である、請求項10に記載の軸受
【請求項13】
が前記フランジの円周方向で均一である、請求項10から12のいずれか一項に記載の軸受
【請求項14】
前記係合特徴部が、前記フランジの最外面から前記略円筒形の側壁の中心軸に向かって延びる切り欠きを備える、請求項1に記載の軸受
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、軸受は嵌合構成要素間に低摩擦滑り界面を提供する。標準的なレベルでは、軸受は、互いに対して移動可能な2つ以上の構成要素間を接合する低摩擦材料を含み得る。低摩擦材料は、比較的低い摩擦係数を有することができ、したがって、2つ以上の移動可能な構成要素間において、より容易な移動を促進する。滑り軸受は、通常、転動体を必要としない低摩擦面材料を含む。この点において、それらは製造が容易で費用対効果が高い。
【0003】
軸受の使用を必要とする産業では、改良した方法で実施できる改良軸受が引き続き求められている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
実施形態は、例として示されるものであって、添付の図面に限定されるものではない。
【0005】
図1】一実施形態による工具、軸受、および構造体の斜視図を含む。
図2】一実施形態による軸受の斜視図を含む。
図3】一実施形態による軸受の上面図を含む。
図4】一実施形態による軸受を受け入れるように適合された弓形の逃げ部を含む開口を有する構造体の平面図を含む。
図5】一実施形態による軸受を受け入れるように適合された多角形の逃げ部を含む開口を有する構造体の平面図を含む。
図6】一実施形態による軸受を回転させるように適合された位置合わせ冶具の斜視図を含む。
図7A】一実施形態による、軸受の斜視図を含む。
図7B】一実施形態による軸受の側面断面図を含む。
図7C】一実施形態による、軸受の上面図を含む。
図7D】一実施形態による軸受の側面断面図を含む。
図8】一実施形態による軸受を受け入れるように適合された、弓形の逃げ部を含む開口を有する構造体の斜視図を含む。
【0006】
当業者は、図中の要素が、単純性および明瞭性のために例示され、必ずしも縮尺通りに描画されているわけではないことを認識する。例えば、図中のいくつかの要素の寸法は、本発明の実施形態の理解の向上に役立つように他の要素に対して誇張される場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の説明は、図と組み合わせて、本明細書に開示される教示の理解を助けるために提供される。以下の考察は、教示の特定の実装形態および実施形態に焦点を合わせる。この焦点は、教示の説明を助けるために提供され、教示の範囲または適用性を限定するものとして解釈されるべきではない。しかしながら、本出願において開示される教示に基づいて他の実施形態が使用されてもよい。
【0008】
用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、またはこれらの任意の他の変形は、非排他的包含を網羅することを意図される。例えば、特徴の列挙を含む方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されるわけではなく、明確には列挙されていないか、またはそのような方法、物品、もしくは装置に固有である他の特徴を含んでもよい。さらに、そうではないと明確に記載されない限り、「または(or)」は、包含的または(inclusive−or)を指し、排他的または(exclusive−or)を指すものではない。例えば、条件AまたはBは、以下のうちのいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(または存在する)かつBが偽である(または存在せず)、Aが偽であり(または存在せず)かつBが真である(または存在する)、およびAとBの両方が真である(または存在する)。
【0009】
また、「a」または「an」の使用は、本明細書に説明される要素および構成要素を説明するために用いられる。これは、単に便宜性のために、また本発明の範囲の一般的な意味を付与するために行われる。この説明は、それがそうではないように意味されることが明白でない限り、1つ、少なくとも1つ、または複数形もまた含むような単数形を含むように読まれるべきであり、逆も同様である。例えば、単一の項目が本明細書に説明されるとき、複数の項目が単数の項目の代わりに使用されてもよい。同様に、複数の項目が本明細書に説明されるとき、単数の項目がその複数の項目に置き換えられてもよい。
【0010】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。材料、方法、および例は、単に例示的なものであり、限定的であることを意図されない。本明細書に記載されていない限り、特定の材料および処理行為に関する多くの詳細は、従来のものであり、軸受技術における教科書および他の情報源に見出され得る。
【0011】
一実施形態では、軸受は、第1および第2の軸方向端部と、第1および第2の軸方向端部の間に延びる開孔とを画定する略円筒形の側壁を含むことができる。フランジは、第1の軸方向端部に近接して、略円筒形の側壁から半径方向に延びることができる。特徴部は、フランジと第2の軸方向端部との間に配置された位置で、略円筒形の側壁から半径方向に延びることができる。略円筒形の側壁は、低摩擦材料を含んでもよい。より特定の実施形態では、略円筒形の側壁は、低摩擦材料に結合された基材を含んでもよい。
【0012】
まず、図1図3を参照すると、本明細書に記載の1つ以上の実施形態による軸受100は、第1の軸方向端部104および第2の軸方向端部106を画定する略円筒形の側壁102を含むことができる。開孔108は、第1の軸方向端部104と第2の軸方向端部106との間に少なくとも部分的に、例えば全体的にも延びる。軸受100は、第1の軸方向端部104と第2の軸方向端部106との間に延びるギャップ110を含むことができる。一実施形態では、軸受100の周方向端部が互いに離間するように、ギャップ110は開いていてもよい。別の実施形態では、ギャップ110は、例えば、接着剤、溶接、機械的締結具または変形、または当業者によって認識されている任意の他の適切な方法によって閉じられることができる。
【0013】
フランジ112は、略円筒形の側壁102から半径方向に延びることができる。一実施形態では、フランジ112は半径方向内向きに延びる。別の実施形態では、フランジ112は半径方向外向きに延びる。さらに他の実施形態では、フランジ112は、半径方向内向きと半径方向外向きの両方に延びることができる。一実施形態では、フランジ112は、軸受100の第1の軸方向端部104に近接して配置することができる。より特定の実施形態では、フランジ112は、軸受100のどの部分もフランジ112を超えて延びないように、第1の軸方向端部104に配置される。一実施形態では、フランジ112は面116と面116の反対側の面118とを有する。面116は、面118よりも軸受100の第1の軸方向端部104の近くに配置することができる。
【0014】
特徴部114は、フランジ112と軸受100の第2の軸方向端部106との間の位置で、略円筒形の側壁102から半径方向に延びることができる。特徴部114は、突出部、歯、細長い波状構造、ディンプル、隆起部、波形、または略円筒形の側壁102から延びる別の適切な要素であってもよい。非限定的な例として、特徴部114は、打ち抜き加工、プレス加工、フライス加工、機械加工、研削、アブレーション、蒸着、ラミネート、接着、別の作業工程、またはそれらの任意の組み合わせによって形成することができる。一実施形態では、特徴部114は、略円筒形の側壁102と一体である。別の実施形態では、特徴部114は、略円筒形の側壁102と一体ではない。例えば、特徴部114は、略円筒形の側壁102に固定的に結合することができる。特定の実施形態では、特徴部114が略円筒形の側壁102に沿って配置されている場合にアーチファクト(図示せず)が発生する可能性がある。例えば、略円筒形の側壁102内に半径方向外向きにプレスされる特徴部114は、略円筒形の側壁102の半径方向内側に沿って対応する凹部を形成することができる。一実施形態では、図1に示すように、特徴部114は、断面において弓形の形状を有することができる。別の実施形態では、図2に示すように、特徴部114は、断面において多角形の形状を有することができる。特定の実施形態では、特徴部114は、断面において正方形の形状を有することができる。さらに他の実施形態では、特徴部114は、断面において弓形セグメントおよび多角形セグメントを含むことができる。
【0015】
一実施形態では、特徴部114は、略円筒形の側壁102から略垂直方向に延びる。例えば、特徴部114は、特徴部114が延びる位置で、略円筒形の側壁102に対して垂直、または略垂直である側面を有してもよい。別の実施形態では、特徴部114は、略円筒形の側壁102に対して傾けられた側面を有することができる。例えば、特徴部側壁は、略円筒形の側壁102に対して測定すると、90°以上、100°以上、110°以上、120°以上、130°以上、140°以上、または150°以上の角度で配置することができる。
【0016】
一実施形態では、特徴部114は複数の特徴部を含む。例えば、複数の特徴部114は、少なくとも2つの特徴部114、少なくとも5つの特徴部114、少なくとも10の特徴部114、少なくとも25の特徴部114、または少なくとも50の特徴部114を含むことができる。別の実施形態では、複数の特徴部114は100個以下の特徴部を含む。複数の特徴部114は、互いに離間していてもよい。一実施形態では、複数の特徴部114は、略円筒形の側壁102の円周方向で測定すると、互いに等間隔に離間されている。
【0017】
一実施形態では、1つまたは複数の特徴部114は、フランジ112と同じ半径方向に延びる。例えば、フランジ112および特徴部114は、両方とも半径方向内側に延びることができ、または両方とも半径方向外向きに延びることができる。別の実施形態では、特徴部114は、フランジ112と比べて異なる半径方向に延びる。例えば、フランジ112は、半径方向内向きに、特徴部は、半径方向外向きに延びることができる。図1に示すように、フランジ112および特徴部114は両方とも半径方向外向きに延びる。以下により詳細に説明されるように、特徴部114は、軸受100を構造体に固定するのに特に適していることがある。
【0018】
特定の例では、フランジ112は、略円筒形の側壁102の軸方向の高さH未満の距離Dだけ、特徴部114から離間している。距離Dは、フランジ112の面118から特徴部114の最も近い点までの距離である。一実施形態では、DはH以下であって、例えば、0.99H以下、0.95H以下、0.9H以下、0.85H以下、0.8H以下、0.75H以下、または0.5H以下である。別の実施形態では、Dは、0.01H以下、0.05H以下、または0.1H以下である。
【0019】
フランジ112は、略円筒形の側壁102の最外面からフランジ112の最外位置まで測定した最大半径方向寸法Rだけ延びることができる。特徴部114は、略円筒形の側壁102の最外面から測定した距離Dだけ延びることができる。一実施形態では、RはDとは異なる。例えば、一実施形態において、RはDより大きく、例えば、Rは、少なくとも1.01D、少なくとも1.05D、少なくとも1.1D、少なくとも1.2D、少なくとも1.3D、少なくとも1.4D、少なくとも1.5D、または少なくとも1.75Dである。別の実施形態において、RはD未満であり、例えば、Rは、0.99D以下、0.95D以下、0.9D以下、0.75D以下、0.5D以下、または0.25D以下である。特定の実施形態では、フランジ112の円周方向で測定すると、Rは均一である。別の実施形態では、フランジ112は、不均一な半径方向寸法を有することがある。
【0020】
係合特徴部120をフランジ112に形成することができる。一実施形態では、係合特徴部120は、フランジ112の最外面から略円筒形の側壁102の中心軸に向かって延びる切り欠き122を含むことができる。より特定の実施形態では、RFと平行な方向で測定すると、切り欠き122は、少なくとも0.01R、少なくとも0.1R、少なくとも0.5R、または少なくとも0.9R延びることができる。
【0021】
一実施形態では、切り欠き122は、略円筒形の側壁102の中心軸と平行にしたときに、多角形の形状を有する。別の実施形態では、切り欠き122は、略円筒形の側壁102の中心軸と平行にしたときに、弓形の形状を有する。さらに他の実施形態では、切り欠き122は多角形部分と弓形部分との組み合わせを有する。
【0022】
一実施形態では、フランジ112は、厚さTを有し、厚さが変化するフランジの場合には平均厚さが、切り欠き122の厚さ以下である。別の実施形態では、切り欠きは、少なくとも0.01T、少なくとも0.1T、少なくとも0.25T、少なくとも0.5T、少なくとも0.75T、または少なくとも0.9T延びる。さらなる実施形態では、切り欠き122はフランジ112の全厚さTを通って延びる。
【0023】
切り欠き122は、切り欠き122の半径方向最内部の上面視から測定した第1の周方向寸法と、切り欠き122の半径方向最外部の上面視から測定した第2の周方向寸法とを有することができる。一実施形態では、第1の周方向寸法は第2の周方向寸法とは異なる。より特定の実施形態では、第2の周方向寸法は第1の周方向寸法より大きい。例えば、第2の周方向寸法は、第1の周方向寸法の少なくとも1.01倍超、第1の周方向寸法の少なくとも1.1倍超、第1の周方向寸法の少なくとも1.2倍超、第1の周方向寸法の少なくとも1.3倍超、第1の周方向寸法の少なくとも1.4倍超、第1の周方向寸法の少なくとも1.5倍超、または第1の周方向寸法の少なくとも2倍超大きくてもよい。一実施形態において、第2の周方向寸法は、第1の周方向寸法の1000倍以下、第1の周方向寸法の100倍以下、または第1の周方向寸法の10倍以下である。
【0024】
別の実施形態では、係合特徴部120は、突出要素、波形、隆起部、ディンプル、歯、フランジ112から突出する別の要素、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。
【0025】
特定の実施形態では、係合特徴部120は、複数の特徴部を含み、例えば、少なくとも2つの係合特徴部、少なくとも3つの係合特徴部、少なくとも4つの係合特徴部、少なくとも5つの係合特徴部、少なくとも10の係合特徴部、または少なくとも50の係合特徴部を含む。別の実施形態では、複数の係合特徴部120は、1000個以下の係合特徴部、500個以下の係合特徴部、または100個以下の係合特徴部を含む。特定の実施形態では、複数の係合特徴部120のうちの少なくとも2つは、双方比較して、略同一サイズ、略同一形状、または略同一サイズであって略同一形状を有する。その複数の係合特徴部は、フランジ112の円周方向で離間させることができる。一実施形態では、係合特徴部120は、フランジ120の円周方向で互いに等間隔に離間されている。特定の実施形態では、少なくとも1つの係合特徴部120をギャップ110と円周方向に一致させることができる。
【0026】
一実施形態では、略円筒形の側壁102は、基材124と、基材124に結合された低摩擦材料126とを含むことができる。基材124は、接着剤、プライマー層、機械的変形、積層、または他の任意の適切な方法によって低摩擦材料126に結合することができる。一実施形態では、基材124は弾性材料を含むことができる。特定の実施形態では、低摩擦材料126は、略円筒形の側壁102の内面に沿って配置されている。低摩擦材料126は、フランジ112の面116の少なくとも一部分上、例えば全体的にも延びることができる。別の特定の実施形態では、低摩擦材料126は、略円筒形の側壁102の外面に沿って配置されてもよい。低摩擦材料126は、フランジ118の面118の少なくとも一部分上、例えば全体的にも延びることができる。
【0027】
非限定的な例として、基材124は鋼鉄などの金属または合金を含むことができる。
【0028】
低摩擦材料126は、比較的低い摩擦係数を有する材料を含んでもよい。例示的な材料としては、ポリマーを含み、例えば、ポリケトン、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、フルオロポリマー、ポリベンズイミダゾール、それらの誘導体、またはさらにそれらの組み合わせなどが挙げられる。特定の実施形態では、低摩擦材料126は、ポリマーを少なくとも部分的に含み得るか、または本質的にポリマーからなり得、例えば、ポリケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、それらの誘導体、またはさらにそれらの組み合わせなどが挙げられる。さらなる実施形態では、低摩擦材料126はポリケトンを含み得、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトン、それらの誘導体、またはさらにそれらの組み合わせも挙げられる。
【0029】
特定の実施形態によれば、フルオロポリマーが使用される。例示的なフルオロポリマーとしては、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびフッ化ビニリデン(THV)のターポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0030】
特定の実施形態では、低摩擦材料126は1つ以上の充填材料を含むことができる。例示的な充填材料としては、ガラス繊維、炭素繊維、シリコン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル、カーボン粒子、青銅、フルオロポリマー、熱可塑性充填剤、酸化アルミニウム、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSO2)、液晶ポリマー(LCP)、芳香族ポリエステル、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛、グラセム、膨張黒鉛、窒化ホウ素、タルク、フッ化カルシウム、またはそれらの任意の組み合わせ等が挙げられる。さらに、充填剤は、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、フッ化カルシウム、窒化ホウ素、雲母、ウォラストナイト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア、カーボンブラック、顔料、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0031】
図4および図5は、逃げ部304を画定する開口302を含む構造体300を示す。非限定的な例として、構造体300は、基材、管状体、壁、またはシートを含み得る。構造体300は、特徴部114とフランジ112との間の距離Dよりわずかに短い厚さTSを有することができる。一実施形態において、TSは、0.85D以上、0.9D以上、0.95D以上、0.96D以上、0.97D以上、0.98D以上、または0.99D以上である。別の実施形態では、TSは1.5D以下、1.3D以下、1.1D以下、1.05D以下、または1.01D以下である。
【0032】
一実施形態では、構造体300は様々な厚さを有することができる。例えば、開口302の周囲に沿った第1の位置における厚さは、開口302の円周方向に沿った第2の位置における厚さよりも大きくてもよい。変化する厚さを補償するために、軸受100は、フランジ112に対してそれぞれ異なる空間配置を有する複数の特徴部114を有することができる。
【0033】
別の実施形態では、軸受100は、フランジから異なる距離Dにある複数の特徴部114を含み、軸受100を異なる厚さの構造体と係合させることができる。例えば、軸受100は、フランジから第1の距離だけ離間した第1の特徴部114と、フランジから第2の距離だけ離間した第2の特徴部114とを含めてよい。第1の特徴部114は軸受100を第1の厚さを有する構造体300に固定可能であり、第2の特徴部114は軸受100を第2の厚さを有する構造体300に固定可能である。このようにして、1つのサイズの軸受100は、異なる寸法要件を有する一連の用途に使用することができる。いくつかの実施形態では、図7A図8に示すように、少なくとも1つの特徴部114は、構造体300の逃げ部304との整合界面を提供することにより、軸受100を構造体300に固定することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの特徴部114は、円筒形の突出部または開口の形状で、逃げ部304と合致する正方形の切り欠きでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの係合特徴部120は、構造体300の逃げ部304との整合界面を提供することによって軸受100を構造体300に固定することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの係合特徴部120は、フランジ112の面116、118に配置され、円筒形の突出部または開口の形状で、逃げ部304と合致するディンプルであってもよい。いくつかの実施形態では、逃げ部304に着座した状態で、軸受100を回転させると、係合特徴部120と特徴部114との間に軸方向の圧力が生じ得、軸受100上に必要な第2のフランジ112がなくとも軸受100はロックされ得る。
【0034】
逃げ部304は、開口302と開放連通することができ、そこから半径方向外向きに延びることができる。逃げ部304は、特徴部114を受け入れるよう適合されることができる。図4に示すように、少なくとも1つの逃げ部304は、平面視で、弓形の形状を有することができる。図5に示すように、少なくとも1つの逃げ部304は、平面視で、多角形の形状を有することができる。一実施形態では、逃げ部304は、開口302の円周方向で離間した複数の逃げ部を含む。一実施形態では、逃げ部304は、フランジ112の円周方向で均等に離間させることができる。特定の実施形態では、複数の逃げ部304は、少なくとも2つの逃げ部、少なくとも3つの逃げ部、少なくとも4つの逃げ部、少なくとも5つの逃げ部、または少なくとも10の逃げ部を含むことができる。別の実施形態では、複数の逃げ部304は、100個以下の逃げ部、50個以下の逃げ部、または25個以下の逃げ部を含む。
【0035】
図4および図5に示すように、逃げ部304は、第1の逃げ部306および第2の逃げ部308を含むことができる。第1および第2の逃げ部306および308は、互いに直径方向に対向している。開口302は、開口302の両端間で測定された第1の直径D1と、第1および第2の逃げ部306および308の2つの半径方向最外面の距離によって測定された第2の直径D2とを有する。一実施形態では、D2はD1より大きい。例えば、一実施形態では、Dは少なくとも1.01D、少なくとも1.05D、少なくとも1.1D、または少なくとも1.2Dである。別の実施形態において、D2は、3.0D1以下、2.5D1以下、または2.0D1以下、または1.5D1以下である。
【0036】
開口302は円周Cを画定することができ、逃げ部は、開口の円周方向に沿って測定したときに、C未満の周方向幅CRPを画定することができる。一実施形態では、CRPは、0.1C〜0.99Cの範囲で、0.2C〜0.9Cの範囲で、または0.3C〜0.8Cの範囲である。
【0037】
図6は、本体402と本体402上に配置された相補的係合特徴部404とを含む位置合わせ治具400を示す。位置合わせ治具400は、使用者が位置合わせ治具400を通じて軸受100を回転させることができるように、軸受100上の係合特徴部120と係合可能である。一実施形態では、相補的係合特徴部404は係合特徴部120と同様の形状を有する。例えば、図示されているように、相補的係合特徴部404は、軸受100の三角形の切り欠き内に受け入れるよう適合されている略三角形の突出部を含むことができる。本体402は、相補的な係合特徴部404から離れるように延びることができ、それにより使用者が位置合わせ治具400を握って軸受100を回転させることが可能となる。
【0038】
一実施形態では、本体402は、略円筒形の側壁406と、対向する軸方向端部408および410とを有する。相補的係合特徴部404は、対向する軸方向端部408または410の一方に近接して配置することができる。突出部412が本体402から延びて軸受100の開孔108内に嵌合する。一実施形態では、突出部412は相補的係合特徴部404の間に配置される。突出部412は、開孔108の直径以下の直径を有することができる。突出部412は、使用者が開孔108および係合特徴部120に対して、位置合わせ治具400をより位置決めおよび位置合わせし易くすることを可能にして、位置合わせ治具400と軸受100との間のより円滑な係合を可能にする。
【0039】
一実施形態では、位置合わせ治具400に電力を供給してもよい。すなわち、位置合わせ治具400は、相補的係合特徴部404を回転させるように適合された付勢要素を含み得る。別の実施形態では、位置合わせ治具400は電動工具に接続されるよう適合されることが可能である。さらなる実施形態では、位置合わせ治具400は手動で操作されるよう適合されている。
【0040】
特定の実施形態では、位置合わせ治具400は、位置合わせ治具400の相対回転位置(例えば、相補的係合特徴部404)を決定づけるよう適合された符号化要素(図示せず)を含むことができる。特定の実施形態では、符号化要素または他のセンサは、軸受100にトルクを加える前および軸受100にトルクを加えた後の位置合わせ治具の回転位置を感知することができる。
【0041】
再度図1を参照すると、軸受100は、開口302に隣接する位置で構造体300上に配置することができる。次いで、軸受100は、第2の軸方向端部106が少なくとも部分的に開口302内に延びるように、開口302内に少なくとも部分的に挿入可能とする。特徴部114を逃げ部304と位置合わせした後、軸受100の面118が構造体300の面と接触するまで、軸受100を開口302に挿入することができる。次いで、位置合わせ治具400は、位置合わせ治具400の相補的係合特徴部404が軸受の係合特徴部120と整列するように、軸受100と整列することができる。次いで、位置合わせ治具400を使用して、特徴部114が逃げ部304と軸方向に整列されて配置されなくなるまで、開口302内で軸受100を回転させることができる。
【0042】
一実施形態では、軸受100は、第1の回転方向で開口302内に設置されるように適合されている。第1の回転方向では、軸受100の特徴部114は逃げ部304と整列する。開口302内への最初の設置の後、軸受は、第1の回転方向とは異なる第2の回転方向に回転され得る。軸受100の第2の回転方向は、軸受100を少なくとも部分的に回転させずに、軸受100を開口302から軸方向に引き抜くことができないように、逃げ部304から離間した位置に特徴部114を置く。一実施形態では、第1の回転方向は第2の回転方向と少なくとも1°、少なくとも5°、少なくとも10°、少なくとも20°、少なくとも30°、少なくとも40°、少なくとも50°、少なくとも60°、少なくとも70°、少なくとも80°、または少なくとも90°異なる。別の実施形態では、第1の回転方向は第2の回転方向と360°未満、270°未満、180°未満、または91°未満だけ異なる。第1の回転方向と第2の回転方向との間の回転差は、逃げ部304の配置によって大きく決まる。逃げ部304がより多ければ、第1の回転方向と第2の回転方向との間の回転方向の差がより小さくなり得る。
【0043】
多くの異なる態様および実施形態が可能である。それらの態様および実施形態のいくつかを以下に記載する。本明細書を読んだ後、当業者は、それらの態様および実施形態が単に例示的なものであり、本発明の範囲を限定しないことを認識するであろう。実施形態は、下記に列挙される実施形態のうちのいずれか1つ以上に従い得る。
【0044】
実施形態1.軸受であって、
第1および第2の軸方向端部と、第1および第2の軸方向端部の間に延びる開孔とを画定する略円筒形の側壁と、
第1の軸方向端部に近接した位置で略円筒形の側壁から半径方向に延びるフランジと、
フランジと第2の軸方向端部との間に配置された位置で、略円筒形の側壁から半径方向に延びる特徴部と、を備え、
略円筒形の側壁は低摩擦材料を含む、軸受。
【0045】
実施形態2.アセンブリであって、
逃げ部を備えた開口を有する構造体と、
開口内に配置された軸受と、を備え、軸受は、
第1および第2の軸方向端部と、第1および第2の軸方向端部の間に延びる開孔とを画定する略円筒形の側壁と、
略円筒形の側壁から延びるフランジと、
略円筒形の側壁から半径方向に延びる特徴部と、を備え、
フランジは、構造体の第1の側に配置されており、
特徴部は、構造体の第2の側に配置され、第2の側は第1の側の反対側であり、開口の逃げ部は、特徴部を受け入れるよう適合されている、アセンブリ。
【0046】
実施形態3.軸受を取り付ける方法であって、
第1および第2の軸方向端部と、第1および第2の軸方向端部の間に延びる開孔とを画定する略円筒形の側壁と、第1の軸方向端部に近接する位置で配置されるフランジと、フランジと第2の軸方向端部との間に配置された位置で、略円筒形の側壁から半径方向に突出する特徴部とを提供することと、
特徴部に対する周辺位置に逃げ部を備えた開口を有する面と軸受とを整列させることと、
特徴部が逃げ部を通過するように軸受を開口に挿入することと、
フランジが面に接触するまで軸受を開口に押し込むことと、
特徴部が逃げ部から角度的にずれるまで軸受を回転させることと、を含む方法。
【0047】
実施形態4.略円筒形の側壁が基材と低摩擦材料とを含み、低摩擦材料が基材に結合されている、前述の実施形態のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0048】
実施形態5.特徴部が略円筒形の側壁から半径方向外向きに延び、低摩擦材料が略円筒形の側壁の内面に沿って配置されている、実施形態4に記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0049】
実施形態6.フランジが軸受の第1の軸方向端部に配置される、前述の実施形態のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0050】
実施形態7.フランジが特徴部から距離Dだけ離間し、略円筒形の側壁が軸方向の高さHBを有し、DがHB未満であり、例えば、Dは0.99HB以下、0.95HB以下、0.9HB以下、0.85HB以下、0.8HB以下、0.75HB以下、または0.5HB以下である、前述の実施形態のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0051】
実施形態8.Dが、0.01HB以上、0.05HB以上、または0.1HB以上である、実施形態7に記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0052】
実施形態9.フランジおよび特徴部が、互いに同じ半径方向に延び、例えば、フランジおよび特徴部が互いに、略円筒形の側壁から半径方向外向きに延びる、前述の実施形態のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0053】
実施形態10.フランジは、第1の面と第1の面の反対側に第2の面とを有し、第1の面は第2の面面よりも第1の軸方向端部に近く、第1の面は低摩擦材料を含む、前述の実施形態のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0054】
実施形態11.フランジは、略円筒形の側壁の最外面から測定した最大半径方向寸法RFだけ延び、特徴部は、略円筒形の側壁の最外面から測定した距離DFだけ延び、RFおよびDFは互いに異なる、前述の実施形態のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0055】
実施形態12.RFがDFよりも大きく、例えば、RFは、少なくとも1.01DF、少なくとも1.05DF、少なくとも1.1DF、少なくとも1.2DF、少なくとも1.3DF、少なくとも1.4DF、少なくとも1.5DF、または少なくとも1.75DFである、実施形態11に記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0056】
実施形態13.RFがDF未満であり、例えば、RFが0.99DF以下、0.95DF以下、0.9DF以下、0.75DF以下、0.5DF以下、または0.25DF以下である、実施形態11に記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0057】
実施形態14.RFが、フランジの円周方向で均一である、実施形態11〜13のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0058】
実施形態15.フランジが係合特徴部を含む、前述の実施形態のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0059】
実施形態16.係合特徴部は、フランジの最外面から略円筒形の側壁の中心軸に向かって延びる切り欠きを備える、実施形態15に記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0060】
実施形態17.フランジは、略円筒形の側壁の最外面から測定した最大半径方向寸法RFを有し、切り欠き部は、少なくとも0.01RF、少なくとも0.1RF、少なくとも0.5RF、または少なくとも0.9RFである、実施形態16に記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0061】
実施形態18.切り欠き部は、略円筒形の側壁の中心軸と平行となる形状を含み、形状は多角形、弓形、または多角形および弓形部のそれらの組み合わせを含む、実施形態16および17のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0062】
実施形態19.フランジは、フランジの第1の面と、第1の面と反対側のフランジの第2の面との間で測定した厚さTFを有し、切り欠きは少なくとも0.01TF、少なくとも0.1TF、少なくとも0.25TF、少なくとも0.5TF、少なくとも0.75TF、または少なくとも0.9TF延びる、実施形態16〜18のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0063】
実施形態20.切り欠きは、フランジの厚さ全体を貫通して延びる、実施形態19に記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0064】
実施形態21.切り欠きは、切り欠きの半径方向最内部で測定したときの第1の周方向寸法と、切り欠きの半径方向最外部で測定したときの第2の周方向寸法とを有し、第1の周方向寸法は第2の周方向寸法とは異なり、例えば、第2の周方向寸法が第1の周方向寸法よりも大きい、実施形態16〜20のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0065】
実施形態22.係合特徴部が、突出要素、切り欠き、波形、隆起、またはそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態15〜21のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0066】
実施形態23.係合特徴部が、少なくとも2つの特徴部、少なくとも3つの特徴部、少なくとも4つの特徴部、または少なくとも5つの特徴部のように、複数の特徴部を含む、実施形態15〜22のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0067】
実施形態24.複数の係合特徴部の複数の係合特徴部は、フランジの円周方向で互いに等間隔に離間されている、実施形態23に記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0068】
実施形態25.複数の係合特徴部のうちの少なくとも2つが、略同じサイズ、略同じ形状、またはそれらの組み合わせを有する、実施形態23および24のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0069】
実施形態26.係合特徴部が、位置合わせ治具の相補的係合特徴部を受け入れるよう適合されている、実施形態15〜25のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0070】
実施形態27.位置合わせ治具の相補的係合特徴部が回転すると、軸受が回転するように適合されている、実施形態26に記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0071】
実施形態28.略円筒形の側壁は、第1および第2の軸方向端部の間に延びるギャップを備え、係合特徴部の少なくとも一部は、ギャップと同じ円周方向位置に配置される、実施形態15〜27のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0072】
実施形態29.略円筒形の側壁は、第1の軸方向端部と第2の軸方向端部との間に延びるギャップをさらに備える、実施形態1〜27のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0073】
実施形態30.ギャップが軸受の軸方向全長に沿って延びる、実施形態28および29のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0074】
実施形態31.ギャップを画定する本体の周方向端部が、例えば溶接、接着、機械的変形、別の適切な方法、またはそれらの任意の組み合わせによって互いに固定されるように、ギャップが閉じられる、実施形態28〜30のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0075】
実施形態32.特徴部は、略円筒形の側壁から延びる突出部を備える、前述の実施形態のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0076】
実施形態33.特徴部は、略円筒形の側壁に打ち抜き加工、プレス加工、フライス加工、または別の方法によって形成される、前述の実施形態のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0077】
実施形態34.特徴部は、ディンプル、歯、細長い波状構造、略円筒形の側壁に結合された構成物、またはそれらの組み合わせを備える、前述の実施形態のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0078】
実施形態35.特徴部は、複数の特徴部を備え、複数の特徴部が略円筒形の側壁周りの円周方向に互いに等間隔に離間されている、前述の実施形態のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0079】
実施形態36.特徴部は、略円筒形の側壁と一体である、前述の実施形態のうちのいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0080】
実施形態37.特徴部は、略円筒形の側壁に固定的に連結されている、前述の実施形態のうちのいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0081】
実施形態38.特徴部は、略円筒形の側壁から延びる第1の特徴部および第2の特徴部を備え、第1および第2の特徴部は、軸方向に整列し、互いに離間しており、第1の特徴部は、第1の厚さを有する第1の構造体に軸受を固定するように適合され、第2の特徴部は、第1の厚さと異なる第2の厚さを有する第2の構造体に軸受を固定するように適合される、前述の実施形態のうちのいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0082】
実施形態39.特徴部は、断面視で、弓形輪郭、多角形輪郭、または弓形および多角形セグメントの組み合わせを備える、前述の実施形態のうちのいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0083】
実施形態40.特徴部は、特徴部が延びる領域において、略円筒形の側壁に対して垂直に延びる側面を有する、前述の実施形態のうちのいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0084】
実施形態41.特徴部は、特徴部が延びる領域において、略円筒形の側壁に対して垂直に延びる側面を有する、実施形態1〜39のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0085】
実施形態42.逃げ部は、開口と連通しており、かつ開口から半径方向外向きに延びている、実施形態2〜41のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0086】
実施形態43.逃げ部が複数の逃げ部を備え、複数の逃げ部が周方向に等間隔に離間している、実施形態2〜42のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0087】
実施形態44.逃げ部が、第1の逃げ部と、第1の逃げ部と直径方向に対向する第2の逃げ部とを備え、開口が、開口の対向する両端部間を測定される第1の直径D1と、第1および第2の逃げ部の2つの半径方向最外面間の距離によって測定される第2の直径D2とを有し、D2はD1より大きい、実施形態2〜3のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0088】
実施形態45.D2が少なくとも1.01D1、少なくとも1.05D1、少なくとも1.1D1、または少なくとも1.2D1である、実施形態44に記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0089】
実施形態46.開口は、円周COを有し、逃げ部は開口の円周方向に沿って測定したときの周方向幅CRPを有し、CRPは、0.1CO〜0.99COの範囲、0.2CO〜0.9COの範囲、または0.3CO〜0.8COの範囲である、前述の実施形態のうちのいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0090】
実施形態47.軸受は、開口に設置するよう適合され、軸受は、第1の回転方向で開口に挿入され、軸受は第2の回転方向で開口内に固定され、第1の回転方向は第2の回転方向とは異なる、前述の実施形態のうちのいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0091】
実施形態48.第1の回転方向が第2の回転方向と、少なくとも1°、少なくとも5°、少なくとも10°、少なくとも20°、少なくとも30°、少なくとも40°、少なくとも50°、少なくとも60°、少なくとも70°、少なくとも80°、または少なくとも90°異なる、実施形態47に記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0092】
実施形態49.第1の回転方向が第2の回転方向と360°未満、270°未満、180°未満、または91°未満だけ異なる、実施形態47および48のいずれか1つに記載の軸受、アセンブリ、または方法。
【0093】
実施形態50.開口内で軸受を方向付けるように適合された位置合わせ治具であって、
本体と、
本体から延びる相補的係合特徴部と、を備え、
相補的係合特徴部は、軸受上の係合特徴部と係合するよう適合されており、
位置合わせ治具は、開口内で軸受を回転させ、その中で軸受を固定させるよう適合されている、位置合わせ治具。
【0094】
実施形態51.相補的係合特徴部が、軸受上の係合特徴部と同様の形状を有する、実施形態50に記載の位置合わせ治具。
【0095】
実施形態52.本体が略円筒形の側壁および軸方向の両端を含み、相補的係合特徴部が軸方向の両端の一方に近接して配置されている、実施形態50および51のいずれか1つに記載の位置合わせ治具。
【0096】
実施形態53.位置合わせ治具は、動力を供給されるか、手動で操作されるか、またはそれらの組み合わせである、実施形態50〜52のいずれか1つに記載の位置合わせ治具。
【0097】
実施形態54.位置合わせ治具が、位置合わせ治具の相対回転位置を決定づけるように適合された符号化要素をさらに備える、実施形態50〜53のいずれか1つに記載の位置合わせ治具。
【0098】
一般的説明または実施例において上述された行為の全てが必要とされるわけではないこと、特定の行為のうちの一部分は必要とされない場合があること、および説明されたものに加えて1つ以上のさらなる行為が実施され得ることに留意されたい。またさらに、行為が列挙される順序は、必ずしもそれらが実施される順序ではない。
【0099】
明瞭性のために、別個の実施形態の文脈において本明細書に記載のある種の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよい。逆に、簡潔性のために、単一の実施形態の文脈に記載の様々な特徴はまた、別個にまたは任意の下位組み合わせで提供されてもよい。さらに、範囲内に記載の値への言及は、その範囲内の各値および全ての値を含む。
【0100】
利益、他の利点、および問題の解決策が、特定の実施形態に関して上記に説明されてきた。しかしながら、利益、利点、課題の解決策、および任意の利益、利点、もしくは解決策を生じさせるか、またはより明白にさせることができる任意の特徴(複数可)は、実施形態のうちのいずれかまたは全ての、決定的な、必須の、または本質的な特徴と解釈されるべきではない。
【0101】
本明細書に記載の実施形態の明細書および例示は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図される。明細書および例示は、本明細書に記載の構造または方法を使用する装置およびシステムの要素および特徴の全ての徹底的および包括的説明として機能することを意図しない。別個の実施形態はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよく、反対に、簡潔さのために単一の実施形態の文脈に記載の様々な特徴もまた、別個にまたは任意の下位組み合わせで提供されてもよい。さらに、範囲内に記載の値への言及は、その範囲内の各値および全ての値を含む。多数の他の実施形態は、本明細書を単に読んだ後にのみ当業者に明らかとなり得る。構造的置換、論理的置換、または別の変更が本開示の範囲から逸脱することなくなされることができるように、他の実施形態が使用されかつそれから派生してもよい。したがって、本開示は、制限的であるよりもむしろ例示的であるとみなされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8