特許第6802910号(P6802910)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6802910密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802910
(24)【登録日】2020年12月1日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/00 20060101AFI20201214BHJP
   A45D 40/04 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   A45D40/00 U
   A45D40/04 A
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-515659(P2019-515659)
(86)(22)【出願日】2017年9月19日
(65)【公表番号】特表2019-532705(P2019-532705A)
(43)【公表日】2019年11月14日
(86)【国際出願番号】KR2017010270
(87)【国際公開番号】WO2018056678
(87)【国際公開日】20180329
【審査請求日】2019年3月20日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0121223
(32)【優先日】2016年9月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517230666
【氏名又は名称】パムテク コリア カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PUM−TECH KOREA CO., LTD
(73)【特許権者】
【識別番号】515076943
【氏名又は名称】シーティーケー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CTK CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】イ,ド フン
【審査官】 柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2015−0034708(KR,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0233589(US,A1)
【文献】 特開2000−004932(JP,A)
【文献】 実開昭57−202809(JP,U)
【文献】 国際公開第2005/082202(WO,A1)
【文献】 特開2010−178829(JP,A)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2012−0008059(KR,U)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0125582(KR,A)
【文献】 特開平03−014483(JP,A)
【文献】 特開平08−294413(JP,A)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2015−0004424(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 40/00−40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部容器を回転するにつれて上部容器内の口紅化粧品が上昇しながら引き出される口紅化粧品容器であって、
前記下部容器上部に回転可能に結合される上部容器と、
前記上部容器内で上昇可能に結合されて、上側に口紅化粧品が付着された上昇ピストンと、
前記上部容器を開閉するオーバーキャップとを含み、
前記オーバーキャップは内オーバーキャップと外オーバーキャップから構成され、
上部容器(20)は、口紅化粧品(35)を収納する本体円筒部、この下端部の外周面から一定の間隔で離隔されて下側へと延長形成された密閉用円筒部、及び、この密閉用円筒部の上端部と前記本体円筒部とを連結する連結部を含み、
前記内オーバーキャップの下部外周縁に弾性切り取り部が形成され、この弾性切り取り部(522)は、内オーバーキャップ(52)の下端部を、外周面の側から削り取ることで円筒形の壁の厚みを小さくしてリング状の弾性リップをなすものであり、このリング状の弾性リップの中に、前記密閉用円筒部が弾力的に挿入され
外オーバーキャップ(54)の下端部が、下部容器(10)の上端部に結合され、この内側に前記密閉用円筒部が挿入されることを特徴とする密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器。
【請求項2】
前記連結部は、外側に傾斜面をなす密閉ショルダーとして形成されることを特徴とする請求項1に記載の密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器。
【請求項3】
前記密閉ショルダーの外側面が曲面をなして形成されることを特徴とする請求項2に記載の密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器。
【請求項4】
前記上部容器の上端部に内キャップがさらに形成され、前記内キャップは上部容器の上部を包み込みながら結合されることを特徴とする請求項1に記載の密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器。
【請求項5】
前記上昇ピストン外側に密閉リングが形成されて前記密閉リングが上部容器の内周に密着した状態で上昇作動することを特徴とする請求項1に記載の密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器。
【請求項6】
前記オーバーキャップの内オーバーキャップ内周には密閉突輪が突出形成されて上部容器外周に密着することを特徴とする請求項1に記載の密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器。
【請求項7】
前記内オーバーキャップの密閉突輪内径は上部容器の密閉ショルダーの外径よりも小さく形成されることを特徴とする請求項6に記載の密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器に関し、より詳細には下部容器と、前記下部容器内側でネジ回転によって上昇するリード軸と、前記リード軸上部に結合されてともに上昇して上側に口紅化粧品が付着された上昇ピストンと、前記下部容器上部に結合されて上昇ピストンの垂直移動を案内する上部容器及び前記下部容器に結合されて上部容器を開閉するオーバーキャップからなり、前記オーバーキャップを内オーバーキャップと外オーバーキャップに分離構成し、前記内オーバーキャップの下部外周縁に弾性溝を形成して内オーバーキャップの下部内周縁が上部容器の外周縁に弾力的に挿入されるようにすることで、前記オーバーキャップが下部容器に結合された時、口紅化粧品容器内部に外部空気が流入しないようにして口紅化粧品が外部空気によって変質または硬化することを防ぐ密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器に関する。
【背景技術】
【0002】
色調化粧品は容貌を美しく変化させて皮膚を美しく演出させようとする目的で用いられる。
【0003】
前記色調化粧品は皮膚の色を均一にして欠点をカバーするために用いられるベースメイクアップと唇、目、爪など部分的に立体感を高めるポイントメイクアップに区分されるが、前記ベースメイクアップにはメイクアップベース、ファンデーション、パウダーなどがあり、ポイントメイクアップには口紅、アイライナー、マスカラなどがある。
【0004】
女性たちの色調化粧に必要な多様な化粧品のうち、前記口紅は唇を保護してより際立つように化粧するためのものであって、従来の口紅は多様な色感を有する化粧料組成物が棒状に製造されて口紅化粧品容器内側で昇降作動しながら引出または挿入される。
【0005】
つまり、前記のような従来の一般的な口紅化粧品容器の構成は、化粧品容器の外形を維持するケースと、該ケースの内部にネジ式で設けられてケースの回転作動によってネジ山に沿って昇降作動し、スティック型化粧品が装着される口紅ホルダーと、前記ケースと口紅ホルダーとの間に設けられながらその一部が外側に露出するように設けられ、前記口紅ホルダーの上下移動を案内しながら化粧品を保護する保護管と、前記ケースの上部に締結されて保護管を安全に固定する締結キャップ及び前記ケースを開閉するオーバーキャップなどから構成されている。
【0006】
しかし、前記従来の口紅化粧品容器はオーバーキャップとケース、ケースと口紅ホルダー及びケースと保護管の結合が堅固でないため密閉力が劣るので、使用中に外部空気がケースの内部に流入し、これにより、口紅化粧品が外部空気と持続的に接触しながら変質または硬化する問題点があった。
【0007】
上記のような問題点を解決するために、図1に示すように、韓国登録特許第10−1287094号に口紅容器の内容物保護構造が開示されたが、前記従来技術は下部容器と、前記下部容器内に結合される固定体と、前記固定体に結合されて口紅内容物が内蔵される口紅筒及び外蓋からなり、前記固定体外周縁にリングが形成され、前記外蓋内周縁に内蓋が結合されており、前記内蓋の先端部がリングと接触しながら口紅内部を密閉させる構造である。
【0008】
しかし、前記従来技術は内蓋の端部がリングの嵌合溝に垂直に密着して口紅の内容物が密閉される構造なので、下部容器と外蓋がきちんと締結されない場合や、携帯中に外蓋が少し持ち上がる場合、前記内蓋の端部とリングとの間に隙間ができて口紅内部が密閉されない問題が発生する。
【0009】
また、前記従来技術のリングがシリコンまたは軟性のゴム材質からなっており、長期間使用すると、前記リングの形態が変形又は硬化して内蓋の端部とリングが完全に密着することができずに口紅内容物の密閉力が劣る問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記のような問題点を解決するために案出されたものであり、下部容器と、前記下部容器内側でネジ回転によって上昇するリード軸と、前記リード軸上部に結合されてともに上昇して上側に口紅化粧品が付着された上昇ピストンと、前記下部容器上部に結合されて上昇ピストンの垂直移動を案内する上部容器及び前記下部容器に結合されて上部容器を開閉するオーバーキャップからなり、前記オーバーキャップを内オーバーキャップと外オーバーキャップに分離構成し、前記内オーバーキャップの下部外周縁に弾性溝を形成して内オーバーキャップの下部内周縁が上部容器の外周縁に弾力的に挿入されるようにすることで、前記オーバーキャップが下部容器に結合された時、口紅化粧品容器内部に外部空気が流入しないようにして口紅化粧品が外部空気によって変質または硬化することを防ぐ密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器を提供することに目的がある。
【0011】
また、上端が開放されている上部容器上側に内キャップを形成するが、前記内キャップが上部容器の上部を覆いながら結合されると同時に内オーバーキャップによって圧迫するようにすることで、外部空気が上部容器の上端を通じて流入することを防ぎ、外部空気または異物によって口紅化粧品が変質または汚染されることを防ぐ、密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器を提供することに目的がある。
【0012】
また、上部容器の下部外周縁に密閉ショルダーを形成するが、前記密閉ショルダーが上部容器の外周縁から一定の間隔で離隔されて下側に延長形成され、密閉ショルダーの上部外側形状が曲面をなすように形成することで、オーバーキャップの内オーバーキャップが前記密閉ショルダーの外周縁に容易に密着して外部空気によって口紅化粧品が変質または硬化することを防ぐ、密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器を提供することに目的がある。
【0013】
また、上昇ピストン外側に密閉リングを形成して前記密閉リングが上部容器内周縁に密着した状態で上昇作動するようにすることで、前記上昇ピストン下側から流入する外部空気が口紅化粧品に接触して口紅化粧品が変質または硬化することを防ぐ、密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、下部容器を回転するにつれて、上部容器内の口紅化粧品が上昇しながら引き出される口紅化粧品容器であって、
前記下部容器上部に回転可能に結合される上部容器と、
前記上部容器内で上昇可能に結合されて、上側に口紅化粧品が付着された上昇ピストンと、
前記上部容器を開閉するオーバーキャップとを含み、
前記オーバーキャップは内オーバーキャップと外オーバーキャップから構成され、前記内オーバーキャップの下部外周縁に弾性溝が形成されて、内オーバーキャップの下部内周縁が上部容器の外周縁に弾力的に挿入されることを特徴とする、密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器を提供する。
【0015】
また、前記上部容器の下部外周縁に密閉ショルダーが形成され、前記密閉ショルダーは上部容器の外周縁から一定の間隔で離隔されて下側に延長形成されることを特徴とする。
【0016】
また、前記密閉ショルダーの上部外側形状が曲面をなして形成されることを特徴とする。
【0017】
また、前記上部容器の上側に内キャップがさらに形成され、前記内キャップは上部容器の上部を覆いながら結合されることを特徴とする。
【0018】
また、前記上昇ピストン外側に密閉リングが形成されて前記密閉リングが上部容器内周縁に密着した状態で上昇作動することを特徴とする。
【0019】
また、前記オーバーキャップの内オーバーキャップ内周縁には密閉突輪が突出形成されて上部容器外周縁に密着することを特徴とする。
【0020】
また、前記内オーバーキャップの密閉突輪内径は上部容器の密閉ショルダー外径よりも小さく形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明にかかる密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器は、下部容器と、前記下部容器内側でネジ回転によって上昇するリード軸と、前記リード軸上部に結合されてともに上昇して上側に口紅化粧品が付着された上昇ピストンと、前記下部容器の上部に結合されて上昇ピストンの垂直移動を案内する上部容器及び前記下部容器に結合されて上部容器を開閉するオーバーキャップからなり、前記オーバーキャップを内オーバーキャップと外オーバーキャップに分離構成し、前記内オーバーキャップの下部外周縁に弾性溝を形成して内オーバーキャップの下部内周縁が上部容器の外周縁に弾力的に挿入されるようにすることで、前記オーバーキャップが下部容器に結合された時、口紅化粧品の容器内部に外部空気が流入しないようにして口紅化粧品が外部空気によって変質または硬化することを防ぐ効果がある。
【0022】
また、本発明にかかる密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器は、上端が開放されている上部容器の上側に内キャップを形成するが、前記内キャップが上部容器の上部を覆いながら結合されると同時に内オーバーキャップによって圧迫するようにすることで、外部空気が上部容器の上端を通じて流入することを防ぎ、外部空気または異物によって口紅化粧品が変質または汚染されることを防ぐ効果がある。
【0023】
また、本発明にかかる密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器は、上部容器の下部外周縁に密閉ショルダーを形成するが、前記密閉ショルダーが上部容器の外周縁から一定の間隔で離隔されて下側に延長形成され、密閉ショルダーの上部外側形状が曲面をなすように形成することで、オーバーキャップの内オーバーキャップが前記密閉ショルダーの外周縁に容易に密着して外部空気によって口紅化粧品が変質または硬化することを防ぐ効果がある。
【0024】
また、本発明にかかる密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器は、上昇ピストン外側に密閉リングを形成して前記密閉リングが上部容器内周縁に密着した状態で上昇作動するようにすることで、前記上昇ピストン下側から流入する外部空気が口紅化粧品に接触して口紅化粧品が変質または硬化することを防ぐ効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は従来の口紅容器の内容物保護構造である。
図2図2は本発明の一実施例にかかる口紅化粧品容器の斜視図である。
図3図3は本発明の一実施例にかかる口紅化粧品容器の分解斜視図である。
図4図4は本発明の一実施例にかかる口紅化粧品容器の部分断面図である。
図5図5は本発明の一実施例にかかる口紅化粧品容器の断面図である。
図6図6は本発明の一実施例にかかる口紅化粧品容器のオーバーキャップと内キャップが分離する様子を示す断面図である。
図7図7は本発明の一実施例にかかる口紅化粧品容器の下部容器を回転させて口紅化粧品が引き出される様子を示す断面図である。
図8図8は本発明の一実施例にかかる口紅化粧品容器から引き出された口紅化粧品で化粧をする様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明と本発明の実施によって達成される技術的課題は、次で説明する好ましい実施例によって明確にされる。以下、添付の図面を参照して本発明にかかる密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器の一実施例を詳細に考察すれば次の通りである。
【0027】
図2は本発明の一実施例にかかる口紅化粧品容器の斜視図であり、図3は本発明の一実施例にかかる口紅化粧品容器の分解斜視図であり、図4は本発明の一実施例にかかる口紅化粧品容器の部分断面図であり、図5は本発明の一実施例にかかる口紅化粧品容器の断面図である。
【0028】
本発明にかかる密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器は、下部容器10が回転することに伴い上部容器20内の口紅化粧品35が上昇しながら引き出される口紅化粧品容器であって、前記下部容器10上部に回転可能に結合される上部容器20と、前記上部容器20内で上昇可能に結合されて、上側に口紅化粧品35が付着された上昇ピストン30及び前記上部容器20を開閉するオーバーキャップ50を含むが、前記オーバーキャップ50は内オーバーキャップ52と外オーバーキャップ54から構成され、前記内オーバーキャップ52の下部外周縁に弾性切り取り部522が形成されて内オーバーキャップ52の下部内周縁が上部容器20の外周縁に弾力的に挿入されることを特徴とする。
【0029】
前記下部容器10は上部が開放された円筒形態であり、下部容器10中央にはリード軸挿入11が形成され、前記リード軸挿入11の外側上部にリード軸挿入突輪12が延長形成される。
【0030】
前記下部容器10の内周縁とリード軸挿入突輪12との間には、本発明にかかる口紅化粧品容器の部品が設けられる作動部材設置溝13が形成される。
【0031】
前記リード軸挿入突輪12外側には図4に示すように、多数の回転リブ14が形成され、前記回転リブ14外側には弾性部材設置溝15が形成される。
【0032】
前記下部容器10の上部内周縁には上部容器20が結合される結合環溝16が形成される。
【0033】
前記上部容器20は下部容器10上部に回転可能に結合される。
【0034】
前記上部容器20は上部容器20内側に形成された上昇ピストン30の垂直移動を案内するようになる。
【0035】
前記上部容器20の下部外周縁には密閉ショルダー24が形成されるが、前記密閉ショルダー24は上部容器20の外周縁から一定の間隔で離隔されて下側に延長形成される。
【0036】
前記密閉ショルダー24の上部外側は曲面をなして形成されることが好ましい。
これはオーバーキャップ50が上部容器20を覆いながら下部容器10に結合される時、前記オーバーキャップ50の内オーバーキャップ52下部が密閉ショルダー24の上部外側にスムーズに挿入されるようにするためである。
【0037】
前記密閉ショルダー24の外周縁には下部容器10の上端に安着される安着突輪242が突出形成される。
【0038】
前記密閉ショルダー24の安着突輪242下側には結合突輪244が形成されて下部容器10内周縁に形成された結合環溝16に結合される。
【0039】
前記密閉ショルダー24下部には図3に示すように、多数の第2嵌合部246が形成される。
【0040】
前記下部容器10の作動部材設置溝13には第1作動部材60が設けられるが、前記第1作動部材60は下部容器10に上下移動可能に結合されて前記下部容器10とともに回転する。
【0041】
前記第1作動部材60上端には第1鋸歯62が形成され、前記第1鋸歯62は片方向のみに傾斜するように形成される。
【0042】
前記第1作動部材60下部には多数の第1嵌合部64が形成されるが、前記第1嵌合部64は下部容器10内側に形成された各々の回転リブ14の間に挿入されて下部容器10が回転する時、前記第1作動部材60が下部容器10内側で空回りせずに下部容器10とともに回転するようにする。
【0043】
前記第1作動部材60下側には第1作動部材60を弾力支持する弾性部材70が形成され、前記弾性部材70は下部容器10の弾性部材設置溝15に挿入される。
【0044】
前記第1作動部材60上側には第2作動部材80が設けられるが、前記第2作動部材80は上部容器20と結合される。
【0045】
前記第2作動部材80下端には第2鋸歯82が形成され、前記第2鋸歯82は第1作動部材60の第1鋸歯62と対応するように片側方向のみに傾斜面が形成されて前記第1鋸歯62と係合するようになる。即ち、使用者が片手で上部容器20をつかんで固定させ、もう片方の手で下部容器10を回転させると、第2作動部材80は上部容器20とともに固定される反面、第1作動部材60は下部容器10とともに回転するが、この時、前記第2作動部材80下端に形成された第2鋸歯82と第1作動部材60上端に形成された第1鋸歯62の傾斜面が互いに相接しており、第1作動部材60が弾性部材70により弾力支持されるから、第1作動部材60の第1鋸歯62が第2作動部材80の第2鋸歯82を弾力的に乗り越えながら前記第1作動部材60が第2作動部材80から片方向のみに回転するようになる。
【0046】
前記第2作動部材80外周縁には多数の嵌合溝84が形成されて上部容器20の第2嵌合部246が挿入される。これにより、前記下部容器10が回転する時、第2作動部材80が第1作動部材60に伴って回らずに上部容器20とともに固定される。
【0047】
前記第2作動部材80中央にはリード軸貫通穴86が形成され、前記リード軸貫通穴86外側には作動ネジ山862が形成される。
【0048】
前記下部容器10のリード軸挿入突輪12内側には第1作動部材60と第2作動部材80とを貫通して上昇するリード軸90が結合される。
【0049】
前記リード軸90上端には上昇ピストン40が結合されて、外周縁にはリード軸ネジ山92が形成されて第2作動部材80の作動ネジ山862とネジ結合される。
【0050】
前記上昇ピストン30は上部容器20内で前記リード軸90により上昇して、上側に口紅化粧品35が付着される。
【0051】
前記上昇ピストン30外側には密閉リング32が形成されるが、前記密閉リング32は上部容器20内周縁に密着した状態で上昇作動する。従って、下部容器10を通じて上昇ピストン30下側に流入された外部空気が口紅化粧品35に接触して前記口紅化粧品35が変質または硬化することを防ぐようになる。
【0052】
前記上昇ピストン30外側には固定ピストン40が形成されるが、前記固定ピストン40の一側は上部容器20の下端に密着し、他側は第2作動部材80上部に結合されて固定される。
【0053】
前記オーバーキャップ50は上部容器20を覆いながら下部容器20に結合されて前記上部容器20を開閉するようになる。
【0054】
前記オーバーキャップ50は内オーバーキャップ52と外オーバーキャップ54から構成されるが、図5に示すように、前記内オーバーキャップ52の下部外周縁に弾性切り取り部522が形成されて内オーバーキャップ52の下部内周縁が上部容器20の外周縁に弾力的に挿入される。
【0055】
言い換えれば、下部容器10にオーバーキャップ50を結合するようになると、前記オーバーキャップ50の内オーバーキャップ52の下端が上部容器20の密閉ショルダー24に接するようになるが、この時、前記内オーバーキャップ52の下部外周縁に空間、即ち、弾性切り取り部522が形成されており、前記密閉ショルダー24の上部外側が曲面をなしており、前記内オーバーキャップ52が容易に外側に押されながら上部容器20の密閉ショルダー24をスムーズに覆うようになる。
【0056】
これにより、前記オーバーキャップ50が下部容器10に結合された時、前記下部容器10とオーバーキャップ50との間に流入した外部空気が口紅化粧品35に接触して前記口紅化粧品35が変質または硬化することを防ぐことができるようになる。
【0057】
また、前記オーバーキャップ50の内オーバーキャップ52の内周縁には密閉突輪524が突出形成されて上部容器20の密閉ショルダー24外周縁に密着される。
【0058】
前記内オーバーキャップ52の密閉突輪524の内径は密閉ショルダー24の外径よりも小さく形成されることが好ましいが、前記内オーバーキャップ52の密閉突輪524内径は密閉ショルダー24の外径よりも0.02ないし0.5mm小さく形成されることが好ましい。即ち、内オーバーキャップ52の密閉突輪524内径が密閉ショルダー24の外径よりも大きいか同じ場合、前記内オーバーキャップ52の密閉突輪524と密閉ショルダー24との間に隙間ができたり、内オーバーキャップ52の密閉突輪524が上部容器20の密閉ショルダー24を弾力的に抑えることができなかったりして、密閉力が劣るようになる。
【0059】
前記上部容器20上側には口紅化粧品容器の密閉力向上のために内キャップ56がさらに形成される。
【0060】
前記内キャップ56は上部容器20上部を覆いながら結合されて、オーバーキャップ50が下部容器10に結合される時、内キャップ56の上端がオーバーキャップ50の内オーバーキャップ52により圧迫される。
【0061】
前記内キャップ56の上部内側には遮断板562が形成され、前記遮断板562は片側に傾いた形態で形成されて上部容器20上端に密着する。
【0062】
前記のように構成された密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器の組立方法について図面を参照して説明すれば次の通りである。
【0063】
本発明にかかる密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器を組み立てるために、図3ないし図5に示すように、下部容器10内側に弾性部材70と第1作動部材60を設けるが、前記弾性部材70が下部容器10の弾性部材設置溝15に挿入されるようにし、第1作動部材60の第1嵌合部64が下部容器10の回転リブ14の間に挿入されるようにする。
【0064】
次に、リード軸90に第2作動部材80をネジ結合した後、前記リード軸90と第2作動部材80を下部容器10の作動部材設置溝13に結合するが、前記リード軸90が下部容器10のリード軸挿入突輪12内側に挿入されながら第2作動部材80の第2鋸歯82が第1作動部材60の第1鋸歯62と係合するようにする。
【0065】
次に、上部容器20上側に内キャップ56を結合した後、前記上部容器20をひっくり返して上部容器20下側から口紅化粧品35内容物を注入して上昇ピストン30を結合した後、口紅化粧品35内容物を凝固させる。
【0066】
次に、固定ピストン40を下部容器10内側に挿入して第2作動部材80上部に結合し、前記のように組み立てられた上部容器20を下部容器10上部に結合するが、前記上部容器20の結合突輪244が下部容器10の結合環溝16に結合されると同時に、上昇ピストン30がリード軸90上部に結合されるようにする。
【0067】
最後に、外オーバーキャップ54内側に内オーバーキャップ52を結合してオーバーキャップ50を組み立てた後、前記オーバーキャップ50を下部容器10上部に結合することで、本発明にかかる密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器の組立を完了する。
【0068】
前記のように組み立てられた密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器の使用方法をについて図面を参照して説明すると次の通りである。
【0069】
図6は本発明の一実施例にかかる口紅化粧品容器のオーバーキャップと内キャップが分離される様子を示す断面図であり、図7は本発明の一実施例にかかる口紅化粧品容器の下部容器を回転させて口紅化粧品が引き出される様子を示す断面図であり、図8は本発明の一実施例にかかる口紅化粧品容器から引き出された口紅化粧品で化粧をする様子を示す斜視図である。
【0070】
本発明にかかる密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器を使用するために、まず図6に示すように、下部容器10からオーバーキャップ50と内キャップ56を順次分離する。
【0071】
以後、図7に示すように、片手で上部容器20をつかんで固定させ、もう片方の手で下部容器10を回転させると、第2作動部材80は上部容器20とともに固定される反面、第1作動部材60は下部容器10とともに回転する。
【0072】
この時、前記第2作動部材80下端に形成された第2鋸歯82と第1作動部材60上端に形成された第1鋸歯62の傾斜面が互いに相接しており、第1作動部材60が弾性部材70により弾力支持されるから、第1作動部材60の第1鋸歯62が第2作動部材80の第2鋸歯82を弾力的に乗り越えながら 前記第1作動部材60が第2作動部材80から回転するようになる。
【0073】
前記下部容器10と第1作動部材60が回転すると、下部容器10内側に設けられたリード軸90もともに回転するが、前記リード軸90は上部容器20に固定されている第2作動部材80とネジ結合されているので、回転しながら徐々に上昇するようになる。
【0074】
これにより、前記リード軸90上部に結合された上昇ピストン30が上部容器20内周縁に密着した状態で上昇するようになり、前記上昇ピストン30上部に付着された口紅化粧品35も上昇しながら前記口紅化粧品35の上部が上部容器20上側に露出する。
【0075】
以後、図8に示すように、外部に露出した口紅化粧品35を利用して唇の化粧をする。
【0076】
化粧が終わった後は、口紅化粧品容器の保管または携帯のために下部容器10に内キャップ56とオーバーキャップ50を再び結合する。
【0077】
前記オーバーキャップ50が上部容器20を覆いながら下部容器10に結合されると、前記オーバーキャップ50の内オーバーキャップ52下端が上部容器20の密閉ショルダー24に接するようになるが、この時、前記内オーバーキャップ52の下部外周縁に空間、即ち、弾性溝522が形成されており、前記密閉ショルダー24の上部外側が曲面をなしており、前記内オーバーキャップ52が容易に外側に押されながら上部容器20の密閉ショルダー24をスムーズに覆うようになる。
【0078】
従って、前記下部容器10とオーバーキャップ50との間に流入した外部空気が口紅化粧品35に接触して前記口紅化粧品35が変質または硬化することを防ぐことができるようになる。
【0079】
以上、本発明で説明したことは密閉力が向上したエアータイト口紅化粧品容器を実施するための一つの実施例に過ぎず、本発明は前記実施例に限定されるものではない。添付の請求の範囲で請求するように本発明の要旨を逸脱せずに当該発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば何人も多様な変更実施が可能な範囲まで本発明の範囲に属するものとみなされなければならない。
【符号の説明】
【0080】
10:下部容器
20:上部容器
24:密閉ショルダー
30:上昇ピストン
32:密閉リング
35:口紅化粧品
40:固定ピストン
50:オーバーキャップ
52:内オーバーキャップ
54:外オーバーキャップ
60:第1作動部材
70:弾性部材
80:第2作動部材
90:リード軸
522:弾性溝
524:密閉突輪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8