特許第6802914号(P6802914)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6802914OvXDMシステムに適用される一種類のソフトバリュー取得方法、装置及びOvXDMシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802914
(24)【登録日】2020年12月1日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】OvXDMシステムに適用される一種類のソフトバリュー取得方法、装置及びOvXDMシステム
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/00 20060101AFI20201214BHJP
   H04J 99/00 20090101ALI20201214BHJP
【FI】
   H04L27/00 C
   H04J99/00
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-516979(P2019-516979)
(86)(22)【出願日】2017年7月6日
(65)【公表番号】特表2019-531022(P2019-531022A)
(43)【公表日】2019年10月24日
(86)【国際出願番号】CN2017091963
(87)【国際公開番号】WO2018059057
(87)【国際公開日】20180405
【審査請求日】2019年4月2日
(31)【優先権主張番号】201610865764.6
(32)【優先日】2016年9月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519182626
【氏名又は名称】シェンチェン クアンチー フージョン テクノロジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHEN ZHEN KUANG−CHI HEZHONG TECHNOLOGY LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ルオペン
(72)【発明者】
【氏名】ジー,チュンリン
(72)【発明者】
【氏名】ジェン,ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,シャーシャー
【審査官】 北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】 保志場 修平 他,OFDM/OQAMを用いるFaster−than−Nyquistのマルチパスフェージングチャネルにおけるブロック誤り率の基本検討,電子情報通信学会技術研究報告,2014年 1月16日,vol.113,no386,pp.187-192
【文献】 Peijian Zhang et al.,A new Scheme of Space Division Multiplexing and Its Analysis,2009 2nd International Conference on Power Electronics and Intelligent Transportation System (PEITS),2009年12月,pp.407-410,URL:https://ieeexplore.iee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=5406754
【文献】 Yanhua Sun et al.,Fast Detection Algorithm based on Sphere Decoding for Overlapped Hybrid Division Multiplexing System,2010 2nd International Conference on Future Computer and Communication,2010年 5月,pp.V1-277 - V1-280,URL:URL:https://ieeexplore.iee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=5497789
【文献】 YANG Chun-ping et al.,A Novel Product Concatenated Scheme for OvCDM,2009 Global Mobile Congress,2009年10月,URL:URL:https://ieeexplore.iee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=5295854
【文献】 LI Daoben,A Novel High Spectral Efficiency Waveform Coding-OVFDM,China Communications,2015年 4月10日,vol.12,No.2,pp.61-73,URL:URL:https://ieeexplore.iee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=7084402
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/00
H04J 99/00
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードにより得たハードバリューシーケンスの中の全符号に対し波形エンコードを行い、重複コーディング後の予測値を得ることと、
前記ハードバリューシーケンスに対し符号ごとの反転を行い、それから反転される符号及びその前後の関連符号に対し重複コーディングを行うことで、反転後の符号の予測値を得ることと、
ハードバリューシーケンスの各符号に対し、
[ただし、Aはチャンネルタイプに関する係数であり、
及び
において、y+1は符号反転前の重複コーディングの予測値とすると、y-1は符号反転後の重複コーディングの予測値であり、或いは、y-1は符号反転前の重複コーディングの予測値とすると、y+1は符号反転後の重複コーディングの予測値であり、yrxは受信信号シーケンスである。]により現在符号のソフトバリューを計算することと、を含む、OvXDMシステムに適用されるソフトバリュー取得方法である。
【請求項2】
請求項1記載のOvXDMシステムに適用されるソフトバリュー取得方法において、
前記チャンネルが加算性ガウスホワイトノイズチャンネルの場合、波形デコードの後に得られる符号は+1とすると、Aは

ただし、

はチャンネルの平均二乗誤差である。]あり、波形デコードの後に得られる符号は-1とすると、Aは

[ただし、
はチャンネルの平均二乗誤差である]である。
【請求項3】
請求項2記載のOvXDMシステムに適用されるソフトバリュー取得方法において、

により現在符号のソフトバリューを計算する時に、さらに調整因子φを掛け、前記調整因子φのバリューは0〜1であり、OvXDMシステムの重複回数が増えるに伴い、φのバリューは小さくなる。
【請求項4】
請求項1記載のOvXDMシステムに適用されるソフトバリュー提取方法において、

により現在符号のソフトバリューを計算する時に、チャンネル減衰を行い、前記チャンネル減衰係数は
,
,
である。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のOvXDMシステムに適用されるソフトバリュー取得方法において、
前記OvXDMシステムはOvTDMシステム、OvFDMシステム、OvCDMシステム、OvSDMシステム又はOvHDMシステムである。
【請求項6】
コードにより得るハードバリューシーケンスの中の全符号に対し波形エンコードを行い、重複コーディング後の予測値を得るための予測値計算ユニットと、
前記ハードバリューシーケンスに対し符号ごとの反転を行い、それから反転される符号及びその前後の関連符号に対し重複コーディングを行うことで、反転後の符号の予測値を得るための反転符号予測値計算ユニットと、
ードバリューシーケンスの各符号に対し、
ただし、Aはチャンネルタイプに関する係数であり、
及び
において、y+1は符号反転前の重複コーディングの予測値であり、y-1は符号反転後の重複コーディングの予測値であり、或いは、y-1は符号反転前の重複コーディングの予測値であり、y+1は符号反転後の重複コーディングの予測値であり、yrxは受信信号シーケンスである。]により現在符号のソフトバリューを計算するための符号ソフトバリュー計算ユニットと、を含むOvXDMシステムに適用されるソフトバリュー取得装置。
【請求項7】
請求項6記載のOvXDMシステムに適用されるソフトバリュー取得装置において、
さらに符号ソフトバリュー計算ユニットの係数Aに対し値を割り当てるための係数ユニットを含み、チャンネルが加算性ガウスホワイトノイズチャンネルの場合は、波形デコードの後に得られる符号は+1とすると、Aは

[ただし、
はチャンネル平均二乗誤差である。]とし、波形デコードの後に得られる符号は-1とすると、Aは

[ただし、
はチャンネル平均二乗誤差である。]とする。
【請求項8】
請求項7記載のOvXDMシステムに適用されるソフトバリュー取得装置において、
さらに符号ソフトバリュー計算ユニットが現在符号のソフトバリューを計算する時に、さらに調整因子φを導入することで、現在符号のソフトバリューは
となる調整因子ユニットを含み、前記調整因子φのバリューは0〜1であり、OvXDMシステムの重複回数が増えると、φのバリューが小さくなる。
【請求項9】
請求項6記載のOvXDMシステムに適用されるソフトバリュー取得装置において、
さらに符号ソフトバリュー計算ユニットが現在符号のソフトバリューを計算する時に、チャンネル減衰を行うためチャンネル減衰ユニットを含み、前記チャンネル減衰の係数は
あり
,
である
【請求項10】
求項6〜9のいずれか一項に記載のOvXDMシステムに適用されるソフトバリュー取得装置を含み、
前記OvXDMシステムはOvTDMシステム、OvFDMシステム、OvCDMシステム、OvSDMシステム又はOvHDMシステムである、OvXDMシステムである
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエンコード・デコード分野に関し、具体的にはOvXDMシステムに適用される一種類のソフトバリュー取得方法、装置及びOvXDMシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般の状況では、OvXDMシステムは受信側で波形デコードを完成する後に、プロセス全体が終了する。より複雑な状況では、技術者はOvXDMシステムと普通の伝統通信技術と結び合わせることで、システム全体の性能を向上する。例えばカスケードOvXDMシステム、プリコーディングOvXDMシステムなど。而誤り訂正コードは優れる誤り訂正能力があり、システム全体の性能を上げ、エラーレートを下げるので、大部分の技術者は誤り訂正コードをOvXDMシステムに応用する。
【0003】
よく使われる誤り訂正コードのデコード方法では、入力情報はハード情報とソフト情報を含み、ハード情報は真実な情報又はデータを示す。例えば、二元データのOvXDMシステムでは、ハード情報は{+1、-1}と示される;ソフト情報は各情報の数値アサイン可能な確率を示す。実践により、ハード情報はソフト情報と比べては、誤り訂正コード性が悪く、且つ一定のエンコード増益損失があることを証明されているので、システム全体のエンコード増益を上げるには、ソフト情報誤り訂正コードを採用することが多い。
【0004】
しかし、OvXDMシステムで、波形デコード後に得る情報はハード情報とすると、例えばよく使われるビタビデコード方法は、ソフト情報誤り訂正コードをOvXDMシステムに応用するために、まず解決する必要のある問題は、ハード情報の対応するソフト情報を取得することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述問題を解決するために、本発明はOvXDMシステムに適用される一種類のソフトバリュー取得方法、装置及びOvXDMシステムを提供している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の特徴によれば、本発明はOvXDMシステムに適用される一種類のソフトバリュー取得方法を提供している。下記を含む:
デコードにより得るハードバリューシーケンスの中の全符号に対し波形エンコードを行い、重複コーディング後の予測値を得る;
上述ハードバリューシーケンスに対し符号ごとの反転を行い、それから毎回反転される符号及びその前後の関連符号に対し重複コーディングを行うことで、反転後の符号の予測値を得る;
ハードバリューシーケンスの各符号に対し、
により現在符号のソフトバリューを計算し、その中Aはチャンネルタイプに関する係数で、
,
、その中y+1は符号反転前の重複コーディングの予測値とすると、y-1は符号反転後の重複コーディングの予測値である;その逆、y-1は符号反転前の重複コーディングの予測値とすると、y+1は符号反転後の重複コーディングの予測値で、yrxは受信信号シーケンスである。
【0007】
本発明の第二の特徴によれば、本発明はOvXDMシステムに適用される一種類のソフトバリュー取得装置を提供している。下記を含む:
予測値計算ユニットは、デコードにより得るハードバリューシーケンスの中の全符号に対し波形エンコードを行い、重複コーディング後の予測値を得ることに使われる;
反転符号予測値計算ユニットは、上述ハードバリューシーケンスに対し符号ごとの反転を行い、それから毎回反転される符号及びその前後の関連符号に対し重複コーディングを行うことで、反転後の符号の予測値を得ることに使われる;
符号ソフトバリュー計算ユニットは、ハードバリューシーケンスの各符号に対し、A*(z+1-z-1)により現在符号のソフトバリューを計算することに使われる。その中Aはチャンネルタイプに関する係数で、
,
、その中y+1は符号反転前の重複コーディングの予測値とすると、y-1は符号反転後の重複コーディングの予測値である;逆にy-1は符号反転前の重複コーディングの予測値とすると、y+1は符号反転後の重複コーディングの予測値で、yrxは受信信号シーケンスである。
【0008】
本発明の第三の特徴によれば、本発明は一種類OvXDMシステムを提出し、上述のOvXDMシステムに適用されるソフトバリュー取得装置を含む。その中OvXDMシステムはOvTDMシステム、OvFDMシステム、OvCDMシステム、OvSDMシステム又はOvHDMシステムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の有益効果は:
上述により実施されるOvXDMシステムに適用されるソフトバリュー取得方法、装置及びOvXDMシステムは、OvXDM波形デコードにより得るハードバリューをさらに処理し、対数尤度関数で各符号のソフト情報を取得することで、ソフトバリューデコードを実現し、システムのエンコード増益を上げている;同時にOvXDMシステム設計の柔軟性を上げることで、OvXDMシステムがよく使われるソフト情報誤り訂正コードと結び合わせ、システム全体のエンコード増益を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、伝統OvTDMシステムの発射側の構成を示す図である;
図2図2は、OvTDMシステムが入力符号に対し重複多重エンコードする平行四辺形規則を示す図である。
図3図3(a)、(b)は、それぞれ伝統OvTDM受信側の前処理ユニット、シーケンステストユニットである。
図4図4は、システム重複多重回数K=3の時に、システム入力-出力コードトリーグラフである。
図5図5は、図4の対応するシステムのノード状態遷移図である。
図6図6は、図4又は図5の対応するシステムのトレリス(Trellis)グラフである。
図7図7は、本発明の一つの実施例でOvXDMシステムに適用されるソフトバリュー取得方法で、ルートでのあるt-1時刻からt時刻までのルート選択を示す図である。
図8図8は、本発明の一つの実施例でOvXDMシステムに適用されるソフトバリュー取得方法のフローを示す図である。
図9図9は、本発明の一つの実施例でOvXDMシステムに適用されるソフトバリュー取得方法の波形エンコード平等四辺形を示す図である。
図10図10は、本発明の一つの実施例でOvXDMシステムに適用されるソフトバリュー取得装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
下記から具体的な実施方法と図面と結び合わせ、本発明に対しさらに詳しい説明を行う。
【0012】
現代のチャンネルエンコード方法では、よく使われるデコード方法はソフトイン・ソフトアウト(Soft In Soft Out、SISO)で、さらに反復の方法と組み合わせ、即ち反復デコードであり、Turboデコードと呼ばれることもある。ソフトイン・ソフトアウトのデコード方法は伝統のチャンネルエンコード代数デコードの方法に比べては一定のエンコード増益を余計に向上できる。しかし、ソフトイン・ソフトアウトのデコード方法の前提条件はデコード器ソフト情報の入力である。ところが、OvXDMシステムで、波形デコード後に得る情報はハード情報とすると、例えばよく使われるビタビデコード方法、ソフトイン・ソフトアウトのデコード方法を使うには、まずOvXDMシステムからソフトバリューを取得する必要がある。
【0013】
本発明では、OvXDMシステムは重複時分割多重(OvTDM、Overlapped Time Division Multiplexing)システム、重複周波数分割多重(OvFDM、Overlapped Frequency Division Multiplexing)システム、重複コード分割多重(OvCDM、Overlapped Code Division Multiplexing)システム、重複スペース分割多重(OvSDM、Overlapped Space Division Multiplexing)システム又は重複混合多重(OvHDM、Overlapped Hybrid Division Multiplexing)システムである。 OvTDMシステムを例とし、簡単にシステムの受発信側を説明する。
【0014】
図1は、OvTDM発信側の発信プロセスである。具体的なステップは下記通りである:
(1) まず発信信号を生成する包絡波形
設計する。
(2) (1)で設計される包絡波形
を特定時間で変位する後、ほかの各時刻の発信信号包絡波形
を形成する。
(3) 発信しようとする符号
と(2)で生成される相応時刻の包絡波形
を相乗し、各時刻の発信待ち信号波形
を得る。
(4) (3)で形成される各発信待ち波形の
重複を行い、発射信号波形を形成する。発送される信号は
示す。
その中、重複多重方法は図2の平行四辺形規則に従う。
【0015】
発信側はエンコード変調後の信号をアンテナにより発射する。信号は無線チャンネルで伝送され、受信側は受信信号に対しマッチング・フィルタリングを行ってから、信号に対しそれぞれサンプリング、デコードを行い、最終的にビットストリームを判決出力する。
【0016】
図3は、OvTDM受信側の受信プロセスである。その中、図3(a)はOvTDM受信側の前処理ユニットで、図3(b)はOvTDM受信側のシーケンステストユニットである。具体的なステップは下記通りである:
(5)まず受信信号を同期する。搬送波同期、フレーム同期、符号時間同期等を含む。
(6)サンプリング定理により、各フレーム内の受信信号のデジタル化処理を行う。
(7)受信された波形に対し波形発信時間間隔で切断する。
(8)一定のデコードアルゴリズムにより切断された波形をデコードする。例えば、ビタビデコードでデコードする。
【0017】
その中、デコードプロセスは図4〜6を参照されたい。図4は重複多重回数K=3の時に、システム入力-出力コードトリーグラフで、図5はシステムの対応するノード状態遷移図で、図6はシステムのトレリス(Trellis)グラフである。
【0018】
波形デコードと復調による出力結果はハード情報なので、ソフトイン・ソフトアウトのデコード方法を採用するには、まず上述システムで各ハード情報の対応するソフト情報、つまりソフトバリューを得る必要がある。
【0019】
本発明は、伝統OvXDM波形デコード後に得るハードバリューに対しさらに処理を行い、対数尤度関数で各符号のソフト情報を取得する。具体的な原理は下記通りである:
【0020】
波形をデコードする後、すべてのハードバリューが得られ、即ちトレリスグラフで全時刻の最大尤度結果を見つけた。ルートでのあるt-1時刻からt時刻までは、最適ルート出力の上に、それぞれ入力値は+1又は入力値は-1である二つの選択がある。図7に示すようである。
【0021】
z+1とz-1はそれぞれt時刻で反対する符号バリューの二ルートのトータルテストを示す。rはt時刻のトータル受信信号シーケンスを示し、y+1とy-1はそれぞれ波形デコードの結果を重複多重する後に対応する予測値を示す。その中y+1とy-1はそれぞれt時刻+1と-1の対応する状況を示す。その時の対応するテストは下記のように示される:
z+1=||r-y+1||2
z+1=||r-y-1||2
【0022】
yrxはシステム発信側からの重複多重後のシーケンスを示す。チャンネルは加算性ガウスホワイトノイズ(AWGN、Additive White Gaussian Noise)とすると、t時刻の対応する二種類のバリューの対応するチャンネル遷移確率はそれぞれ下記のようである:

【0023】
ビタビデコードt-1時刻までに判断された結果に基づき、t-1時刻からt時刻までは二種類のルート遷移可能性しかないことが分かる。stはt時刻の出力符号とし、t-1時刻からt時刻へ遷移する符号確率は下記のように示される:

【0024】
上記二つの計算式に対し対数尤度比を取り、下記を得る:

その中
はノイズ差異である。得られるLLRは現在時刻ハードバリューの対応するソフトバリューである。
【0025】
上述プロセスでは、チャンネル減衰係数を考えれば、測度z+1とz-1の計算はそれぞれ下記のように調整される:

その中
はチャンネル減衰係数である。
【0026】
上記内容は、本発明のハード情報の対応するソフト情報を取得する構想及び原理である。下記から本発明をさらに詳しく説明をする。
【0027】
OvXDMの重複回数をKとし、データフレーム長さをNとする。発信側はOvXDM波形エンコードにより送られる信号がytxで、信号は真実チャンネルにより伝送され受信側の受信信号はyrxである。図8を参照されたい。本発明はOvXDMシステムに適用される一種類のソフトバリュー取得方法を提示している。ステップS05〜S09を含む。一つの実施例では、さらにステップS01とS03を含む。一つの実施例では、OvXDMシステムはOvTDMシステム、OvFDMシステム、OvCDMシステム、OvSDMシステム又はOvHDMシステムである。
【0028】
ステップS01は、受信信号シーケンスyrxに対し同期処理とチャンネル均一化を行う。
ステップS03は、同期処理とチャンネル均一化された受信信号シーケンスに対し、予定デコード方法で波形デコードを行い、デコード後のハードバリューシーケンスを得る。ハードバリューシーケンスで各ハードバリューは
と示される。iは符号インデックス、バリュー範囲は1〜N、Nはデータフレーム長さである。一つの実施例では、ステップS03の予定デコード方法は現有のエンコード方法であってもよい。例えばビタビデコード方法。将来に現れるデコード方法であってもよい。
【0029】
ステップS05は、デコードにより得るハードバリューシーケンスの中の全符号に対し波形エンコードを行い、重複コーディング後の予測値を得る。説明する必要のあるのは、OvXDMシステム符号間の相関性のため、現在符号
は畳み込みエンコードによりそのi-K+1ビットからi+K+1ビットまでしか影響しない。そのため、ステップS05で符号ごとに反転する後再度波形畳み込みを計算する時に、関連する符号に対し重複コーディングすればよく、全部のN個符号に対し重複コーディングを行う必要がない。OvTDMシステムを例とする。波形畳み込みエンコードプロセスは平行四辺形状となり、N個符号の前後K-1ビットの符号波形畳み込みはその後又は前の一部の符号しか影響しない。符号反転に対し重複コーディング予測値を求めるプロセスは三部分の単独処理に分けられてもよい。つまり1〜K-1ビット、K〜N-K+1ビット、後のN-K+2〜Nビット。図9のようである。
【0030】
ステップS07は、上述ハードバリューシーケンスに対し符号ごとに反転し、それから毎回反転される符号及びその前後の関連符号に対し重複コーディングを行うことで、反転後の符号の予測値を得る。OvXDMシステム重複回数Kが大きい又はフレーム長さNが長い場合、各ビット反転に対し全シーケンスの重複多重エンコードを行う複雑度が大きくて、プログラム実現の時に大きなディレーが起こる。最後のLLR計算プロセスで、ビット反転後の測度差し引き操作が存在するため、反転ビットエンコードと重複する関連ビットの測度を計算し、シーケンス間の差異を比べればよい。言い換えれば、測度の差異はこの部分の測度の間にしか起こらない。
【0031】
ステップS09は、ハードバリューシーケンスの各符号に対し、根据
現在符号のソフトバリューを計算する。その中AはステップS01のチャンネルタイプに関する係数である。
,
。その中y+1は符号反転前の重複コーディングの予測値とすると、y-1は符号反転後の重複コーディングの予測値である;その逆、y-1は符号反転前の重複コーディングの予測値とすると、y+1は符号反転後の重複コーディングの予測値で、yrxは受信信号シーケンスである。一つの実施例では、ステップS01のチャンネルタイプが加算性ガウスホワイトノイズチャンネルの場合は、波形デコードの後に得られる符号は+1とすると、Aは

、波形デコードの後に得られる符号は-1とすると、Aは

、その中
はチャンネル平均二乗誤差である。
【0032】
チャンネル平均二乗誤差
はチャンネル推定により得られる;一つの実施例では、チャンネル減衰係数を考えれば、z+1とz-1の計算は

に調整される。その中
はチャンネル減衰係数で、チャンネル推定により得られる。一つの実施例では、具体的な状況により算出されたソフト情報を調整してもよい。即ち一つの調整因子φを掛ける。言い換えれば、現在符号のソフトバリューの調整後は
となり、調整因子φのバリューは0〜1である。OvXDMシステムの重複回数Kが大きいほど、φのバリューが小くて、つまりもっと0に近づける;ステップS09でデータフレームの各符号の対応するソフトバリューを得る。これらのソフトバリューは下位のソフトイン・ソフトアウト誤り訂正コードの入力情報とすることができる。
【0033】
本発明のOvXDMシステムに適用されるソフトバリュー取得方法では、ステップS01とS03はハードバリューデコードで、ステップS05、S07とS09はハードバリューからそれと対応するソフト情報(ソフトバリュー)を取得する。取得されるソフトバリューは下位のソフトイン・ソフトアウトの誤り訂正コードに使われる。
【0034】
本発明のソフトバリュー取得方法は、伝統OvXDM波形デコードで得られる符号ハードバリューは、OvXDMシステムが誤り訂正コードと結び合わせる場合、ハードバリュー誤り訂正デコードがソフトバリュー誤り訂正デコードと比べ一定のエンコード増益損失があり、受信側でハードバリューを誤り訂正コードとし情報を入力する時に、システムの性能を下げる問題を解決している。本発明のソフトバリュー取得方法は、伝統のOvXDM波形デコードの後に得られるハードバリューに対しさらに処理を行い、対数尤度関数で各符号のソフト情報を取得することで、さらにソフトバリューデコードを実現し、システムのエンコード増益を上げる同時に、OvXDMシステム設計の柔軟性を上げ、OvXDMシステムがよく使われるソフト情報誤り訂正コードと結び合わせ、システム全体のエンコード増益を上げる。
【0035】
それと相応に、本発明はさらに一種類のOvXDMシステムを提示している。それはOvXDMシステムに適用される一種類のソフトバリュー取得装置を吹くk無。その中、OvXDMシステムはOvTDMシステム、OvFDMシステム、OvCDMシステム、OvSDMシステム又はOvHDMシステムである。図10を参照されたい。OvXDMシステムに適用されるソフトバリュー取得装置は予測値計算ユニット05、反転符号予測値計算ユニット07と符号ソフトバリュー計算ユニット09を含む。よりより実施例では、さらに係数ユニット11、チャンネル減衰ユニット13と調整因子ユニット15の少なくとも一者を含む;一つの実施例では、さらに前処理ユニット01とデコードユニット03を含んでもよい。
【0036】
前処理ユニット01は、受信信号シーケンスyrxに対し同期処理とチャンネル均一化を行うことに使われる。
【0037】
デコードユニット03は、同期処理とチャンネル均一化をされた受信信号シーケンスに対し予定デコード方法で波形デコードを行い、デコード後のハードバリューシーケンスを得ることに使われる。ハードバリューシーケンスの中の各ハードバリューは
と示される。iは符号インデックスで、バリュー範囲は1〜N、Nはデータフレーム長さである。一つの実施例では、デコードユニット03中の予定デコード方法は現有のデコード方法であってもよい。例えばビタビデコード方法。将来に現れるデコード方法であってもよい。
【0038】
予測値計算ユニット05は、上述ハードバリューシーケンスの中の全符号に対し波形エンコードを行い、重複コーディング後の予測値を得る。説明する必要のあるのは、OvXDMシステム符号間の相関性のため、現在符号
は畳み込みエンコードによりそのi-K+1ビット〜i+K+1ビットしか影響しない。そのため、ステップS05で符号ごとに反転する後再度波形畳み込みを計算する時に、関連する符号に対し重複コーディングすればよく、全部のN個符号に対し重複コーディングを行う必要がない。OvTDMシステムを例とする。波形畳み込みエンコードプロセスは平行四辺形状となり、N個符号の前後K-1ビットの符号波形畳み込みはその後又は前の一部の符号しか影響しない。符号反転に対し重複コーディング予測値を求めるプロセスは三部分の単独処理に分けられてもよい。つまり1〜K-1ビット、K〜N-K+1ビット、後のN-K+2〜Nビット。図9のようである。
【0039】
反転符号予測値計算ユニット07は、上述ハードバリューシーケンスに対し符号ごとに反転し、それから毎回反転される符号及びその前後の関連符号に対し重複コーディングを行うことで、反転後の符号の予測値を得ることに使われる。OvXDMシステム重複回数Kが大きい又はフレーム長さNが長い場合、各ビット反転に対し全シーケンスの重複多重エンコードを行う複雑度が大きくて、プログラム実現の時に大きなディレーが起こる。最後のLLR計算プロセスで、ビット反転後の測度差し引き操作が存在するため、反転ビットエンコードと重複する関連ビットの測度を計算し、シーケンス間の差異を比べればよい。言い換えれば、測度の差異はこの部分の測度の間にしか起こらない。
【0040】
符号ソフトバリュー計算ユニット09は、ハードバリューシーケンスの各符号に対し、
により現在符号のソフトバリューを計算することに使われる。その中Aはチャンネルタイプに関する係数で、
,
。その中、y+1は符号反転前の重複コーディングの予測値とすると、y-1は符号反転後の重複コーディングの予測値である;その逆、y-1は符号反転前の重複コーディングの予測値とすると、y+1は符号反転後の重複コーディングの予測値であり、yrxは現在時刻の受信信号シーケンスである。符号ソフトバリュー計算ユニット09でデータフレームの各符号の対応するソフトバリューを得る。これらのソフトバリューは下位のソフトイン・ソフトアウト誤り訂正コードの入力情報とすることができる。
【0041】
係数ユニット11は、符号ソフトバリュー計算ユニット09の係数Aに対し数値を割り当てることに使われる。チャンネルタイプが加算性ガウスホワイトノイズチャンネルの場合は、波形デコードの後に得られる符号は+1とすると、Aは

とし、波形デコードの後に得られる符号は-1とすると、Aは

とする。その中
はチャンネル平均二乗誤差で、チャンネル平均二乗誤差
はチャンネル推定により得られる。
【0042】
チャンネル減衰ユニット13は、符号ソフトバリュー計算ユニットが現在符号のソフトバリューを計算する時に、さらにチャンネル減衰係数
を導入することに使われる。


とする。その中、チャンネル減衰係数
はチャンネル推定により得られる。
【0043】
調整因子ユニット15は、符号ソフトバリュー計算ユニットが現在符号のソフトバリューを計算する時に、さらに調整因子φを導入し、現在符号のソフトバリューを
とすることに使われる。その中、上述調整因子φのバリューは0〜1であり、OvXDMシステムの重複回数が大きいほど、φのバリューが小さくなる。
【0044】
上記説明内容は具体的な実施方法と結び合わせ、本発明をさらに詳しく説明したものであり、本発明の具体的な実施はこれらの説明に限られると見なしてはならない。本発明の所属技術分野の一般技術者にとっては、本発明の構想を逸脱しない前提で、また若干演繹や差し替えを行うことができる。
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