(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基部の主面の上に第1の段差構造を有し、前記第1の段差構造の上に第2の段差構造を有し、前記第2の段差構造の上面の上にハードマスク層を有し、前記ハードマスク層の上に凹凸構造の第1の樹脂パターンを有する第1の樹脂パターン付き多段テンプレートブランクを準備する、第1の樹脂パターン付き多段テンプレートブランク準備工程と、
前記第1の樹脂パターン付き多段テンプレートブランクの前記第1の樹脂パターンの凹部を埋めるように、第2の樹脂層を形成する、第2の樹脂層形成工程と、
を順に備え、
前記第2の樹脂層形成工程が、
前記第2の樹脂層を構成する第2の樹脂をスピンコートする工程であって、
前記スピンコートにおいて形成される前記第2の樹脂層の厚膜部を、前記第1の樹脂パターン付き多段テンプレートブランクの前記第1の段差構造の上面の上に形成することを特徴とする、テンプレートの製造方法。
基部の主面の上に第1の段差構造を有し、前記第1の段差構造の上に第2の段差構造を有し、前記第2の段差構造の上面の上にハードマスク層を有する多段テンプレートブランクを準備する、多段テンプレートブランク準備工程と、
前記ハードマスク層の上に凹凸構造の第1の樹脂パターンを形成する、第1の樹脂パターン形成工程と、
を順に備えることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のテンプレートの製造方法。
前記第1の樹脂パターンを構成する樹脂が、インプリントに用いられる硬化性樹脂から構成されることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のテンプレートの製造方法。
前記第2の樹脂層を構成する樹脂が、シリコン(Si)を含有する材料から構成されることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のテンプレートの製造方法。
【背景技術】
【0002】
半導体用デバイス製造等において、微細なパターンを転写形成する技術として、ナノインプリントリソグラフィが知られている。
上記のナノインプリントリソグラフィは、表面に微細な凹凸形状の転写パターンを形成したインプリント用のテンプレート(モールド、スタンパ、金型とも呼ばれる)を、半導体ウェハなどの被転写基板の上に形成された樹脂に接触させた後に該樹脂を硬化させて、樹脂にテンプレートの転写パターンの凹凸形状(より詳しくは、凹凸反転形状)を転写させる技術である。
このナノインプリントリソグラフィの手法として、加熱により樹脂を硬化させる熱インプリント法と、露光により樹脂を硬化させる光インプリント法がある。高い位置合わせ精度が要求される用途には、加熱による膨張や収縮の影響を受けない光インプリント法が、主に用いられる(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
上述のようなナノインプリントリソグラフィに用いられるテンプレートにおいては、凹凸形状の転写パターンを形成した所定の領域(転写パターン領域と呼ぶ)のみが、被転写基板の上に形成された樹脂に接触するように、基部の主面の上にメサ状の段差構造を設け、このメサ状の段差構造の上面に転写パターンを形成することが行われている(例えば、特許文献3)。なお、このような構成のテンプレートにおいては、メサ状の段差構造の上面が転写パターン領域になる。
上記のようなメサ状の段差構造の段差(基部の主面から段差構造の上面までの高さ)は、使用するインプリント装置の機械的精度等により定まるものであるが、典型的には30μm程度を要する。
【0004】
また、ナノインプリントリソグラフィにおいては、転写パターンの数が増すにつれ、テンプレートと樹脂との密着面積が増加するため、離型に際しては、両者間の摩擦力に対抗する力が必要になる。特に、半導体用途の転写パターンは、個々のサイズが小さく、パターン密度が高いことから、離型には大きな力が必要になる。
そこで、テンプレートの裏面側(転写パターンが形成されている面とは反対側)に窪み部を形成することによって、転写パターンが形成されている所定の領域(転写パターン領域を含む領域)のテンプレートの厚みを薄くして湾曲容易とし、離型に際しては、テンプレートの転写パターン領域を被転写基板側に向かって凸状に湾曲させて、転写領域の外縁部から、順次、部分的に離型していく手法が提案されている(例えば、特許文献4)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようなテンプレートの製造においては、ナノインプリントリソグラフィの技術を利用して、マスターテンプレート(親型)からレプリカテンプレート(子型)を製造することが行われている。
【0007】
上記のように、インプリント用のテンプレートは、インプリント工程において被転写基板の樹脂に接触することから、この樹脂がテンプレートに付着してしまう不具合を完全に無くすことは困難である。
それゆえ、半導体デバイス製造等の量産工程においては、同一の転写パターンを有するテンプレートが複数枚あった方が、都合が良い。樹脂付着により不良となったテンプレートを交換して、量産を継続できるからである。
このような理由から、一のマスターテンプレート(親型)から、複数のレプリカテンプレート(子型)を製造できる上記の方法は、量産製造にとって好ましい。
【0008】
また、上記のように、インプリント用テンプレートには、メサ状の段差構造や窪み部が形成されることになり、例えば、このような複雑な形態の構造体の転写パターン領域に、従来の電子線描画装置を用いたパターン形成技術で微細レジストパターンを形成することには、困難性がある。
一方、上記のように、マスターテンプレート(親型)からレプリカテンプレート(子型)を製造する方法であれば、レプリカテンプレートには、メサ状の段差構造や窪み部が形成されることになっても、マスターテンプレートは従来のフォトマスクと同様に、平板状の形態の構造体を用いることができる。
それゆえ、このマスターテンプレートにおいては、構造体の形態に起因する困難性を排除して、従来のフォトマスクと同様に、電子線描画装置を用いたパターン形成技術で微細レジストパターンを形成することが容易になる。
【0009】
上記のように、マスターテンプレートの転写パターンは、実績あるフォトマスク製造技術を利用して、電子線描画装置を用いて形成される電子線レジストパターンを介して製造される。
ここで、ポジ型の電子線レジストであれば、ナノインプリントリソグラフィに用いられるような微細なパターンの形成が可能である。しかしながら、現状、ネガ型の電子線レジストにおいては、ポジ型と同等の性能を有するものは、無い。
【0010】
ここで、上記のレプリカテンプレートの転写パターンは、マスターテンプレートの転写パターンとは、凹凸関係(雌雄関係)が反転したパターンになる。
それゆえ、例えば、ホール(孔状)アレイパターンの転写パターンを有するマスターテンプレートから、ピラー(柱状)アレイパターンの転写パターンを有するレプリカテンプレートを製造することは可能であったが、その逆は困難であった。
【0011】
その理由を説明すると、例えば、マスターテンプレートの製造において、ホール(孔状)アレイパターンであれば、ポジ型電子線レジストを用いてホール部分を描画することでパターン形成でき、ホール部分の総面積は限定的であることから、描画時間も限定的であった。
しかしながら、ピラー(柱状)アレイパターンでは、ポジ型電子線レジストを用いる場合、ピラー部以外の領域を全て描画することになるため、描画面積が膨大になり、それに伴って描画時間も膨大になってしまうことになる。
それゆえ、製造コストも増大化してしまい、現実の製造方法としては、採用困難であった。
【0012】
ここで、凹凸関係が反転した樹脂パターンの形成方法として、第1の樹脂から構成される凹凸パターン(第1の樹脂パターン)の上に、第1の樹脂とはエッチング特性が異なる第2の樹脂を塗布し、第1の樹脂パターンの凹部に形成した第2の樹脂の部分を残しつつ、第1の樹脂パターンの凸部の上に形成した第2の樹脂を除去し(エッチバックと呼ぶ)、露出した第1の樹脂パターンを除去して、第2の樹脂から構成される凹凸パターン(第2の樹脂パターン)を形成する方法がある(例えば、特許文献5)。
【0013】
しかしながら、上記のような樹脂反転の方法を、従来の段差構造を有するテンプレートで実施しようとすると、不具合が生じることが判明した。
【0014】
図5は、従来の段差構造を有するテンプレートにおける課題を説明する図である。
例えば、
図5(a)に示すような、基部510の上に1段の段差構造520を有し、この段差構造520の上面にハードマスク層530を有し、ハードマスク層530の上に凹凸構造の第1の樹脂パターン540を有する、従来の構成の第1の樹脂パターン付きテンプレートブランク500において、スピンコートにより形成した第2の樹脂層550は、
図5(b)に示すように、段差構造520の上面の外縁近傍で厚膜部551を形成してしまう。
そして、転写パターン領域(
図5(a)に示す第1の樹脂パターン付きテンプレートブランク500において、段差構造520の上面に相当)における第2の樹脂層550に、
図5(b)に示すような厚膜部551が存在すると、以降のエッチバック等の工程で、均一なパターンを形成することは困難になる。
【0015】
ここで、仮に、段差構造520の上面を拡大、若しくは、第1の樹脂パターン形成領域(転写パターン領域に相当)を縮小して、段差構造520の上面における転写パターン領域の外側に、厚膜部551が形成されるようにしたとしても、第2の樹脂層550を構成する第2の樹脂は、一般的にSOG(Spin−on Glass)材であって、すなわち、シリコン(Si)を含有する樹脂であり、第1の樹脂パターン付きテンプレートブランク500の段差構造520を構成する材料(典型的には、合成石英)と物性、特にエッチング特性が同様なものであるため、最終的に得られるテンプレートの状態において、転写パターン、若しくは、転写パターン領域に影響を及ぼさずに、この厚膜部551を構成する第2の樹脂を除去することは困難である。
【0016】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、転写パターン領域に第2の樹脂層の厚膜部が形成されてしまうことを防止しつつ、転写パターン領域に形成した第1の樹脂パターンとは凹凸が反転した転写パターンを有するテンプレートを得ることが可能な、テンプレートの製造方法、及び、この製造方法により得られる形態のテンプレートを提供することを、主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、基部の主面の上に第1の段差構造を有し、前記第1の段差構造の上に第2の段差構造を有し、前記第2の段差構造の上面の上にハードマスク層を有し、前記ハードマスク層の上に凹凸構造の第1の樹脂パターンを有する第1の樹脂パターン付き多段テンプレートブランクを準備する、第1の樹脂パターン付き多段テンプレートブランク準備工程と、前記第1の樹脂パターン付き多段テンプレートブランクの前記第1の樹脂パターンの凹部を埋めるように、第2の樹脂層を形成する、第2の樹脂層形成工程と、を順に備え、前記第2の樹脂層形成工程が、前記第2の樹脂層を構成する第2の樹脂をスピンコートする工程であって、前記スピンコートにおいて形成される前記第2の樹脂層の厚膜部を、前記第1の樹脂パターン付き多段テンプレートブランクの前記第1の段差構造の上面の上に形成することを特徴とする、テンプレートの製造方法である。
【0018】
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記第2の樹脂層形成工程の後に、前記第1の樹脂パターンの凹部に形成した第2の樹脂層の部分を残しつつ、前記第1の樹脂パターンの凸部の上に形成した第2の樹脂層の部分を除去する、エッチバック工程と、前記エッチバック工程により露出した前記第1の樹脂パターンを除去する第1の樹脂パターン除去工程と、を順に備えることを特徴とする、請求項1に記載のテンプレートの製造方法である。
【0019】
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記第1の樹脂パターン除去工程の後に、前記第1の樹脂パターンの凹部に形成された第2の樹脂層の部分をマスクに用いて前記ハードマスク層をエッチングしてハードマスクパターンを形成する、ハードマスクパターン形成工程と、前記ハードマスクパターンから露出する前記第2の段差構造の上面をエッチングして、前記第1の樹脂パターンとは凹凸関係が反転した転写パターンを形成する、転写パターン形成工程と、を順に備えることを特徴とする、請求項2に記載のテンプレートの製造方法である。
【0020】
また、本発明の請求項4に係る発明は、基部の主面の上に第1の段差構造を有し、前記第1の段差構造の上に第2の段差構造を有し、前記第2の段差構造の上面の上にハードマスク層を有する多段テンプレートブランクを準備する、多段テンプレートブランク準備工程と、前記ハードマスク層の上に凹凸構造の第1の樹脂パターンを形成する、第1の樹脂パターン形成工程と、を順に備えることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のテンプレートの製造方法である。
【0021】
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記第1の樹脂パターンを構成する樹脂が、インプリントに用いられる硬化性樹脂から構成されることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のテンプレートの製造方法である。
【0022】
また、本発明の請求項6に係る発明は、前記第2の樹脂層を構成する樹脂が、シリコン(Si)を含有する材料から構成されることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のテンプレートの製造方法である。
【0023】
また、本発明の請求項7に係る発明は、基部の主面の上に第1の段差構造を有し、前記第1の段差構造の上に第2の段差構造を有し、前記第2の段差構造の上面に凹凸構造の転写パターンを有し、前記第1の段差構造の上面の上に樹脂層を有することを特徴とする、テンプレートである。
【0024】
また、本発明の請求項8に係る発明は、前記第1の段差構造の上面の上の樹脂層の厚みが、前記第1の段差構造の上面から前記転写パターンの凹部の底面までの高さよりも小さいことを特徴とする、請求項7に記載のテンプレートである。
【0025】
また、本発明の請求項9に係る発明は、前記樹脂層を構成する樹脂が、シリコン(Si)を含有する材料から構成されることを特徴とする、請求項8に記載のテンプレートである。
【0026】
また、本発明の請求項10に係る発明は、基部の主面の上に第1の段差構造を有し、前記第1の段差構造の上に第2の段差構造を有し、前記第2の段差構造の上面に凹凸構造の転写パターンを有し、前記基部の主面の上に樹脂層を有することを特徴とする、テンプレートである。
【0027】
また、本発明の請求項11に係る発明は、前記転写パターンが、ホールアレイパターンを有することを特徴とする、請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載のテンプレートである。
【発明の効果】
【0028】
本発明のテンプレートの製造方法によれば、転写パターン領域に第2の樹脂層の厚膜部が形成されてしまうことを防止しつつ、転写パターン領域に形成した第1の樹脂パターンとは凹凸が反転した転写パターンを有するテンプレートを得ることができる。
【0029】
それゆえ、例えば、ホール(孔状)アレイパターンの転写パターンを有するマスターテンプレートから、第1の樹脂パターンとしてピラー(柱状)アレイパターンを形成し、この第1の樹脂パターンとは凹凸が反転したホール(孔状)アレイパターンの転写パターンを有するレプリカテンプレートを製造することができる。
すなわち、従来、製造困難であった、ホール(孔状)アレイパターンの転写パターンを有するテンプレートを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係るテンプレートの製造方法、及び、テンプレートについて、図面を用いて詳しく説明する。
【0032】
<テンプレート>
まず、本発明に係るテンプレートについて説明する。
この本発明に係るテンプレートは、後述する本発明に係るテンプレートの製造方法により製造されるものである。
【0033】
図1は、本発明に係るテンプレートの一例を説明する図である。
例えば、
図1に示すように、テンプレート1は、基部10の主面11の上に第1の段差構造21を有し、第1の段差構造21の上に第2の段差構造22を有し、第2の段差構造22の上面に凹凸構造の転写パターン23を有している。
また、テンプレート1は、基部10の主面11の上に、樹脂層(第2の樹脂層40)を有し、さらに、第1の段差構造21の上面(露台、テラス)の上にも、樹脂層(第2の樹脂層40)を有している。
なお、
図1に示すテンプレート1においては、裏面12側に窪み部30も有している。
【0034】
テンプレート1において、第1の段差構造21と第2の段差構造22を合わせた高さは、従来の1段の段差構造を有するテンプレートの段差と同じ、または同程度の高さであり、典型的には30μm程度である。
そして、第1の段差構造21の上面から転写パターン23の凸部の上面までの高さ、すなわち、第2の段差構造22の段差は、0.5μm以上5μm以下の範囲である。
【0035】
ここで、第1の段差構造21の上面(露台、テラス)の上の樹脂層(第2の樹脂層40)の厚みは、第1の段差構造21の上面から転写パターン23の凹部の底面までの高さよりも小さい。
すなわち、
図1に示す状態において、第1の段差構造21の上面(露台、テラス)の上の樹脂層(第2の樹脂層40)の最も高い位置は、転写パターン23の凹部の底面よりも低い位置にある。
【0036】
それゆえ、このテンプレート1を用いたインプリント工程に際して、ウェハ等の被転写基板の上に形成される被転写領域の樹脂に転写パターン23を接触させても、第1の段差構造21の上面(露台、テラス)の上の樹脂層(第2の樹脂層40)が、ウェハ等の被転写基板の上に形成される被転写領域の樹脂に接触して、悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0037】
テンプレート1において、転写パターン23は、例えば、ホールアレイパターンを含むものである。そのホールの直径は例えば24nmである。
なお、転写パターン23は、これに限定されず、ラインアンドスペースパターン等、様々なパターンであって良い。その深さ(凹凸構造の凹部の深さ)は、例えば、20nm以上100nm以下の範囲である。
【0038】
(テンプレート1を構成する材料)
テンプレート1を構成する材料は、光インプリント法に用いることが可能なものであって、インプリント時における露光光を透過できるものである。
この露光光には、一般に、波長200nm〜400nmの範囲(特に300nm〜380nmの範囲)の紫外光が用いられる。
【0039】
上記材料としては、例えば、石英ガラス、耐熱ガラス、フッ化カルシウム(CaF
2)、フッ化マグネシウム(MgF
2)、及びアクリルガラス等の透明材料や、これら透明材料の積層構造物を挙げることができる。特に、合成石英は、剛性が高く、熱膨張係数が低く、かつ一般に使用される波長である300nm〜380nmの範囲での透過率が良いため、適している。
【0040】
(第2の樹脂層)
第2の樹脂層40を構成する樹脂(第2の樹脂)は、後述する本発明に係るテンプレートの製造方法において、第1の樹脂パターンの凹凸を反転させる反転材として作用するものである。
この第2の樹脂層40を構成する樹脂の材料としては、上記のような作用効果を奏するものであれば用いることができるが、一般的には、SOG(Spin−on Glass)材であって、シリコン(Si)を含有する樹脂である。
【0041】
<テンプレートの製造方法>
次に、本発明に係るテンプレートの製造方法について説明する。
図2は、本発明に係るテンプレートの製造方法の一例を示すフローチャートである。また、
図3、4は、本発明に係るテンプレートの製造方法の一例を示す概略工程図である。
【0042】
(多段テンプレートブランク準備)
例えば、本製造方法により、
図1に示すテンプレート1を製造するには、まず、
図3(a)に示すように、基部10の主面の上に第1の段差構造21を有し、第1の段差構造21の上に第2の段差構造22を有し、第2の段差構造22の上面の上にハードマスク層110を有する多段テンプレートブランク100を準備する(
図2のS1)。
【0043】
ハードマスク層110を構成する材料としては、転写パターン23をドライエッチングで形成するに際し、エッチングマスクとして作用するものであれば用いることができる。
例えば、金属材料及びその酸化物、窒化物、酸窒化物等を1種以上含むものを挙げることができる。上記の金属材料の具体例としては、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)等を挙げることができる。
例えば、ハードマスク層110がクロム(Cr)層の場合、その膜厚は、製造する転写パターンのサイズにもよるが、例えば、5nmとすることができる。
【0044】
(第1の樹脂パターン形成)
次に、多段テンプレートブランク100のハードマスク層110の上に、
図3(b)に示すように、凹凸構造の第1の樹脂パターン121を形成する(
図2のS2)。
この第1の樹脂パターン121の形成には、ナノインプリントリソグラフィの技術を利用することができる。
【0045】
より詳しくは、
図3(a)に示すように、多段テンプレートブランク100のハードマスク層110の上に、第1の樹脂120を滴下し、マスターテンプレート300の転写パターンを接触させ、その状態で第1の樹脂120を硬化させ、その後マスターテンプレート300を離型して、マスターテンプレート300の転写パターンとは凹凸関係(雌雄関係)が反転した第1の樹脂から構成されるパターンを得る。
次いで、上記パターンをエッチバックして、その凹部においてハードマスク層110を露出させ、
図3(b)に示すような、第1の樹脂パターン121付き多段テンプレートブランク200を得る。
【0046】
この第1の樹脂パターン121を構成する樹脂(第1の樹脂)は、インプリントに用いられる硬化性樹脂から構成される。特に、光インプリント法に用いられる紫外線硬化性樹脂であることが好ましい。
【0047】
(第2の樹脂層形成)
次に、
図3(c)に示すように、第1の樹脂パターン付き多段テンプレートブランク200の第1の樹脂パターン121の凹部を埋めるように、第2の樹脂層40を形成する(
図2のS3)。
【0048】
この第2の樹脂層40を形成する工程は、第2の樹脂層40を構成する第2の樹脂をスピンコートする工程である。
そして、本製造方法においては、第2の樹脂の粘度、スピンコートの回転数、段差等を調整して、このスピンコートにおいて形成される第2の樹脂層40の厚膜部41を、第1の樹脂パターン付き多段テンプレートブランク200の第1の段差構造21の上面(露台、テラス)の上に形成する。
それゆえ、本製造方法によれば、
図1に示すテンプレート1の転写パターン領域(第2の段差構造22の上面に相当)に第2の樹脂層40の厚膜部41が形成されてしまうことを防止できる。
【0049】
上記のように、第2の樹脂層40を構成する樹脂(第2の樹脂)は、第1の樹脂パターンの凹凸を反転させる反転材として作用するものである。
この第2の樹脂層40を構成する樹脂の材料としては、上記のような作用効果を奏するものであれば用いることができるが、一般的には、SOG(Spin−on Glass)材であって、シリコン(Si)を含有する樹脂である。
【0050】
(エッチバック、及び、第1の樹脂パターン除去)
次に、第2の樹脂層40をエッチバックし(
図2のS4)、露出した第1の樹脂パターン121を除去して(
図2のS5)、
図4(d)に示すように、第2の樹脂パターン42を形成する。
【0051】
より詳しくは、エッチバック工程により、第1の樹脂パターン121の凹部に形成した第2の樹脂層40の部分を残しつつ、第1の樹脂パターンの凸部の上に形成した第2の樹脂層40の部分を除去し、次に、このエッチバック工程により露出した第1の樹脂パターン121を除去する。
【0052】
上記エッチバックには、フッ素系のガスを用いたドライエッチングを利用できる。
また、第1の樹脂パターン121の除去には、酸素ガスを用いたドライエッチングを利用できる。
【0053】
(ハードマスクパターン形成)
次に、上記の第2の樹脂パターン42(すなわち、第1の樹脂パターン121の凹部に形成された第2の樹脂層の部分から構成されるパターン)をマスクに用いてハードマスク層110をエッチングして(
図2のS6)、
図4(e)に示すように、ハードマスクパターン111を形成する。
【0054】
例えば、ハードマスク層110を構成する材料としてクロム(Cr)を用いた場合、上記エッチングには、酸素と塩素の混合ガスを用いたドライエッチングを利用できる。
【0055】
(転写パターン形成)
次に、ハードマスクパターン111から露出する第2の段差構造22の上面をエッチングして、第1の樹脂パターンとは凹凸関係が反転した転写パターン23を形成し(
図2のS7)、次いで、ハードマスクパターン111を除去し、
図4(f)に示すように、テンプレート1を得る。
【0056】
上記第2の段差構造22の上面のエッチング(すなわち、転写パターン23の形成)には、フッ素系のガスを用いたドライエッチングを利用できる。
なお、この第2の段差構造22の上面のエッチング工程(すなわち、転写パターン23の形成工程)において、ハードマスクパターン111の上の第2の樹脂パターン42も消失し、ハードマスクパターン111が露出することになる。
【0057】
上記ハードマスクパターン111の除去には、例えば、ハードマスク層110にクロム(Cr)を含む材料を用いた場合、酸素と塩素の混合ガスを用いたドライエッチングが利用可能である。また、硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸を含む水溶液を用いたウェットエッチングも利用可能である。
【0058】
本製造方法においては、この第2の段差構造22の上面のエッチング工程(すなわち、転写パターン23の形成工程)において、第1の段差構造21の上面(露台、テラス)の上の樹脂層(第2の樹脂層40)の厚みを、第1の段差構造21の上面から転写パターン23の凹部の底面までの高さよりも小さくすることができる。
すなわち、
図1に示す状態において、第1の段差構造21の上面(露台、テラス)の上の樹脂層(第2の樹脂層40)の最も高い位置を、転写パターン23の凹部の底面よりも低い位置にすることができる。
【0059】
それゆえ、本製造方法により製造されるテンプレート1(
図1)を用いたインプリント工程に際しては、ウェハ等の被転写基板の上に形成される被転写領域の樹脂に転写パターン23を接触させても、第1の段差構造21の上面(露台、テラス)の上の樹脂層(第2の樹脂層40)が、ウェハ等の被転写基板の上に形成される被転写領域の樹脂に接触して、悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0060】
上記のように、本発明のテンプレートの製造方法によれば、転写パターン領域に第2の樹脂層の厚膜部が形成されてしまうことを防止しつつ、転写パターン領域に形成した第1の樹脂パターンとは凹凸が反転した転写パターンを有するテンプレートを得ることができる。
【0061】
それゆえ、例えば、ホール(孔状)アレイパターンの転写パターンを有するマスターテンプレートから、ホール(孔状)アレイパターンの転写パターンを有するレプリカテンプレートを製造することができる。
【0062】
より詳しくは、
図3(a)に示すマスターテンプレート300に、ホール(孔状)アレイパターンの転写パターンを有するマスターテンプレートを用い、まず、
図3(b)に示す第1の樹脂パターン121として、ピラー(柱状)アレイパターンを形成し、
図4(f)に示す、最終的に得られる転写パターン23として、第1の樹脂パターン121とは凹凸関係が反転したパターン、すなわち、ホール(孔状)アレイパターンを形成することができる。
【0063】
以上、本発明に係るテンプレートの製造方法、及び、テンプレートについて説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。