(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802971
(24)【登録日】2020年12月2日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】風呂装置
(51)【国際特許分類】
F24H 1/00 20060101AFI20201214BHJP
A47K 3/00 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
F24H1/00 602L
A47K3/00 K
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-187188(P2016-187188)
(22)【出願日】2016年9月26日
(65)【公開番号】特開2018-54152(P2018-54152A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100120514
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 雅人
(72)【発明者】
【氏名】浜岡 益生
(72)【発明者】
【氏名】高野 秀弘
(72)【発明者】
【氏名】茶谷 幸寛
(72)【発明者】
【氏名】清水 史朗
【審査官】
吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−066562(JP,A)
【文献】
特開2002−001354(JP,A)
【文献】
特開平09−131505(JP,A)
【文献】
特開平09−051856(JP,A)
【文献】
特開平08−089977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
A47K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の湯水を前記浴槽に接続された湯水循環路を介して除菌及び/又は濾過処理用の湯水処理部に導き、かつこの湯水処理部を利用して処理された湯水を前記浴槽に戻す湯水処理動作を可能とする循環ポンプと、
この循環ポンプの運転を制御する制御部と、
浴室内における人の存否を検出するための人感センサと、
を備えている、風呂装置であって、
前記制御部は、前記循環ポンプが駆動オンとされて前記湯水処理動作が実行されているとき、又は前記湯水処理動作を開始すべく予め定められた時期が到来したときにおいて、前記浴室内に人が存在する旨が前記人感センサを利用して検出されている場合には、前記循環ポンプを駆動オフとし、前記湯水処理動作を禁止する制御を実行するように構成されており、
前記湯水処理部は、除菌灯を備え、かつこの除菌灯及び前記循環ポンプがともに駆動オンとされることにより、前記湯水処理動作として、前記浴槽の湯水の除菌処理動作が可能とされており、
前記除菌処理動作が実行されているときに、前記浴室内に人が存在する旨が前記人感センサを利用して検出された場合には、前記循環ポンプは駆動オフとされる一方、前記除菌灯は駆動オンの状態が維持されるように構成されていることを特徴とする、風呂装置。
【請求項2】
請求項1に記載の風呂装置であって、
風呂運転モードとして、前記除菌灯及び前記循環ポンプの双方が駆動オンとされる除菌処理動作が、所定のインターバル期間を介して間欠的に繰り返される除菌処理制御モードを設定可能とされており、
前記除菌処理動作を実行する予定時期が到来したときに、前記浴室内に人が存在する旨が前記人感センサを利用して検出されている場合には、前記循環ポンプは駆動オフの状態が維持される一方、前記除菌灯は駆動オンとされるように構成されている、風呂装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の風呂装置であって、
前記浴室内に人が存在する旨が前記人感センサを利用して検出されることによって前記循環ポンプが駆動オフとされた場合において、所定の期間内に前記浴室から人が退出する旨が検出されたときには、前記循環ポンプが駆動オンとされ、前記除菌処理動作が実行されるように構成されている、風呂装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の風呂装置であって、
前記除菌灯は、駆動オンとされた時点から所定時間が経過したときには、前記人感センサを利用して人の存在が検出されているか否か、及び前記循環ポンプが駆動オン・オフのいずれにあるかには関係なく、駆動オフとされるように構成されている、風呂装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽の湯水の除菌処理あるいは濾過処理を図ることが可能とされた風呂装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の風呂装置の具体例として、特許文献1に記載のものがある。
同文献に記載された風呂装置は、浴槽に接続された湯水循環路、この湯水循環路に設けられた循環ポンプ、除菌処理部、及び浴室内における人の存否を検出するための人感センサを備えている。前記循環ポンプが駆動されると、浴槽の湯水が除菌処理部に送られ、かつこの除菌処理部によって除菌処理が施された湯水が浴槽に戻される。循環ポンプ及び除菌処理部は、浴室から入浴者が退出したことが人感センサを利用して検出されたときに、駆動オンとされる。
このような構成によれば、入浴者が入浴を終えて浴室を退出した直後に、浴槽の湯水の除菌処理をタイミングよく行なわせることが可能である。
【0003】
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、改善すべき余地がある。
【0004】
すなわち、浴槽の湯水の除菌処理は、入浴者が浴室を退出した後に開始されているが、その除菌処理中に、たとえば先の入浴者とは別の人が引き続いて入浴を行なう場合があり得る。これに対し、前記従来技術においては、浴槽の湯水の除菌処理は、たとえばタイマ設定により、所定時間継続して実行されるように構成されており、前記した別の人が浴室に入室した場合であっても、前記除菌処理は停止されず、循環ポンプは駆動オン状態のままである。ここで、循環ポンプが駆動オン状態のままとされ、湯水循環路に浴槽の湯水が循環流通していると、たとえば湯水循環路に設けられた水位センサ(圧力センサ)を用いて浴槽の水位を測定することは困難である。その結果、浴槽の水位ならびに温度に基づいて浴槽への注水・注湯を行なう風呂保温動作を適切に実行することができなくなるなどの不具合が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−51856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、浴槽の水位測定が困難になるなどの不具合を生じさせることなく、浴槽の湯水の除菌などの処理を適切に行なうことが可能な風呂装置を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本発明により提供される風呂装置は、浴槽の湯水を前記浴槽に接続された湯水循環路を介して除菌及び/又は濾過処理用の湯水処理部に導き、かつこの湯水処理部を利用して処理された湯水を前記浴槽に戻す湯水処理動作を可能とする循環ポンプと、この循環ポンプの運転を制御する制御部と、浴室内における人の存否を検出するための人感センサと、を備えている、風呂装置であって、前記制御部は、前記循環ポンプが駆動オンとされて前記湯水処理動作が実行されているとき、又は前記湯水処理動作を開始すべく予め定められた時期が到来したときにおいて、前記浴室内に人が存在する旨が前記人感センサを利用して検出されている場合には、前記循環ポンプを駆動オフとし、前記湯水処理動作を禁止する制御を実行するように構成されて
おり、前記湯水処理部は、除菌灯を備え、かつこの除菌灯及び前記循環ポンプがともに駆動オンとされることにより、前記湯水処理動作として、前記浴槽の湯水の除菌処理動作が可能とされており、前記除菌処理動作が実行されているときに、前記浴室内に人が存在する旨が前記人感センサを利用して検出された場合には、前記循環ポンプは駆動オフとされる一方、前記除菌灯は駆動オンの状態が維持されるように構成されていることを特徴としている。
ここで、本発明においては、除菌灯が駆動オンの状態であってとしても、循環ポンプが駆動オフとされている状態は、浴槽の湯水の除菌処理動作が実行されている状態には該当しない。
【0009】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、浴室内に人が存在し、入浴などを行なっているときには、浴槽の湯水の除菌及び/又は濾過処理を目的とする循環ポンプの駆動はオフとされる。このため、従来技術とは異なり、入浴中に循環ポンプが駆動していることに起因し、たとえば湯水循環路に設けられている水位センサを利用した浴槽の水位測定が困難になるなどの従来技術における不具合をなくすことが可能となる。その結果、たとえば浴槽への適当量の注水又は注湯による風呂保温動作を適切に行なわせることができるなどの利点が得られる。
【0012】
さらにこのような構成によれば、浴槽の湯水の除菌処理動作が実行されている際に、浴室への人の入室があると、循環ポンプが駆動オフとされ、本発明が意図する効果が得られる。一方、除菌灯については、循環ポンプの駆動オフに伴って駆動オフとはされないため、除菌灯の駆動オン・オフの繰り返し回数を少なくすることが可能となる。除菌灯の代表例としては紫外線ランプが挙げられるが、このような除菌灯は、その駆動オン・オフが頻繁に行なわれるほど使用寿命が短くなる。これに対し、前記構成によれば、駆動オン・オフの回数を少なくすることにより、除菌灯の使用寿命を長くすることが可能となる。
【0013】
本発明において、好ましくは、風呂運転モードとして、前記除菌灯及び前記循環ポンプの双方が駆動オンとされる除菌処理動作が、所定のインターバル期間を介して間欠的に繰り返される除菌処理制御モードを設定可能とされており、前記除菌処理動作を実行する予定時期が到来したときに、前記浴室内に人が存在する旨が前記人感センサを利用して検出されている場合には、前記循環ポンプは駆動オフの状態が維持される一方、前記除菌灯は駆動オンとされるように構成されている。
【0014】
このような構成によれば、除菌処理動作を実行する予定時期が到来したときに、入浴者がいれば、循環ポンプは駆動オンとはされず、本発明が意図する効果が得られる。一方、除菌灯については、循環ポンプとは異なり、駆動オン状態とされるが、この駆動オン状態は、元々予定されている動作であるため、除菌灯の駆動オン・オフ回数が当初の予定回数よりも多くなることはない。除菌灯を所定期間だけ駆動オン状態としておけば、その後に入浴者が浴室から退出した場合に、循環ポンプを駆動オンとするだけで除菌処理動作を行なうことができるため、循環ポンプに伴わせて除菌灯をオン・オフさせる場合と比較すると、そのオン・オフ回数を少なくする効果も期待できる。
【0015】
本発明において、好ましくは、前記浴室内に人が存在する旨が前記人感センサを利用して検出されることによって前記循環ポンプが駆動オフとされた場合において、所定の期間内に前記浴室から人が退出する旨が検出されたときには、前記循環ポンプが駆動オンとさ
れ、前記除菌処理動作が実行されるように構成されている。
【0016】
このような構成によれば、浴室から人が退出しているにも拘わらず、その後も除菌処理動作が中断されたままになることを回避することができる。したがって、除菌処理動作時間が過少になることを防止する上で好ましいものとなる。
【0017】
本発明において、好ましくは、前記除菌灯は、駆動オンとされた時点から所定時間が経過したときには、前記人感センサを利用して人の存在が検出されているか否か、及び前記循環ポンプが駆動オン・オフのいずれにあるかには関係なく、駆動オフとされるように構成されている。
【0018】
このような構成によれば、除菌灯が無駄に長い時間にわたって駆動オン状態とされることを回避することが可能である。このことにより、省エネを図ることができる他、除菌灯の使用寿命が短くなることも抑制することができる。
【0019】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る風呂装置の一例を示す説明図である。
【
図2】
図1に示す風呂装置において実行される動作制御の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図1に示す風呂装置において除菌処理制御モードが設定された場合の基本的な動作の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
図1に示す風呂装置Aは、浴室BR内に設置された浴槽1、この浴槽1に湯水循環路5を構成する外部配管5a,5bを介して接続された給湯装置WH、湯水循環路5の途中に設けられた循環ポンプP1、除菌灯40を利用して構成された除菌処理部4、給湯装置WHの浴室リモコン70に組み込まれた人感センサSa、給湯装置WHの動作制御を実行する制御部7を備えている。なお、同図において、符号90は、給湯装置WHの外装ケースである。
【0023】
給湯装置WHは、たとえば瞬間式ガス給湯装置であり、浴槽1への自動湯張り機能、風呂追い焚き機能、給湯栓60などへの一般給湯機能を備えていることに加え、浴槽1の湯水の除菌処理動作も可能である。
【0024】
具体的には、この給湯装置WHにおいては、入水口20から入水路2に流入した湯水が熱交換器30に送られてバーナ31により加熱される。この加熱された湯水は、流路22を経て混合弁23に到達し、バイパス流路21を流れてくる非加熱の湯水と所定の混合比で混合されることにより温度調整される。給湯栓60への一般給湯は、混合弁23を通過した湯水が一般給湯用出湯路6を流れることにより行なわれる。
【0025】
浴槽1への自動湯張り動作は、風呂給湯用出湯路50に設けられた開閉弁V1が開状態とされることにより、混合弁23を通過した湯水が風呂給湯用出湯路50から湯水循環路5に流れ込むことにより行なわれる。湯水循環路5は、浴槽1のアダプタ10に接続された外部配管5a,5bに、給湯装置WHの内部配管5c,5d、及び風呂追い焚き用の熱交換器33が接続された構成である。風呂追い焚き動作においては、循環ポンプP1が駆
動オンとされ、浴槽1の湯水が湯水循環路5を介して熱交換器33に送り込まれてバーナ34により加熱されてから浴槽1に戻される。
【0026】
湯水循環路5には、浴槽1の水位を判断するための水位センサSb(圧力センサ)が設けられている。この水位センサSbは、湯水循環路5内の静水圧(浴槽1の湯水の水頭圧に対応)を検出するセンサであり、この検出された圧力値に基づいて、制御部7において浴槽1の水位が判断される。風呂装置Aにおいては、浴室リモコン70において、たとえば自動運転スイッチがオンとされると、前記した自動湯張り動作を完了した後に、風呂保温モードに移行する。この風呂保温モードにおいては、浴槽1の湯水温度を所望の設定温度に維持するとともに、その湯量を所定範囲の水位に維持する制御がなされる。したがって、この風呂保温モードでは、必要に応じて浴槽1への注水又は注湯が行なわれるが、その注水量又は注湯量を予め決定する必要があるため、事前に浴槽1の水位が判断される。ここで、循環ポンプP1が駆動している状態では、水位センサSbを利用して浴槽1の水位を正確に判断することは困難であり、浴槽1の水位を判断するには、循環ポンプP1を駆動オフの状態に設定する必要がある。
【0027】
除菌灯40は、たとえば紫外線ランプである。除菌処理部4は、湯水循環路5のうち、除菌灯40によって湯水への紫外線照射が可能な部分である。浴槽1の湯水の除菌処理動作は、除菌灯40及び循環ポンプP1の双方を駆動オンとし、浴槽1の湯水を湯水循環路5に流出させて除菌処理部4に送り込むことにより湯水の除菌を図り、かつこの除菌を終えた湯水を浴槽1に戻す動作である。除菌灯40が駆動オン状態であったとしても、循環ポンプP1が駆動オフの状態は、除菌処理動作には該当しない。
【0028】
制御部7は、マイクロコンピュータを用いて構成されており、この制御部7に通信接続された浴室及び台所のリモコン70,71のスイッチ操作などに対応し、給湯装置WHの各部の動作制御やデータ処理を実行する。人感センサSaは、浴室BR内における人の存否を検出するためのセンサであって、たとえば人体から発せられる熱(赤外線)を検知可能であり、既述したように、浴室リモコン70に組み込まれ、かつその検出信号を制御部7に送信可能とされている。浴室及び台所のリモコン70,71のうち、少なくとも一方には、風呂運転モードとして、除菌処理制御モードを設定するためのスイッチが設けられており、この除菌処理制御モードが設定された場合には、後述するように、所定の手順に従って浴槽1の湯水の除菌処理動作を実行するように構成されている。
【0029】
次に、前記した風呂装置Aの作用について説明する。併せて、制御部7による動作制御の例について、
図2のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0030】
まず、浴室及び台所のリモコン70,71のいずれかのスイッチ操作がなされることにより、除菌処理制御モードが設定された場合には、基本的には、除菌灯40及び循環ポンプP1の双方が所定時間(たとえば、30分)だけ駆動オンとされる除菌処理動作が、所定のインターバル時間(たとえば、90分)を介して間欠的に繰り返されるようになっている。ここで、そのような除菌処理制御モードの開始時刻及び終了時刻については、浴室及び台所のリモコン70,71のいずれかのスイッチ操作により、ユーザなどが予め設定できるようにされている。
【0031】
一例を挙げると、
図3に示すように、19時〜23時の時間帯は、入浴予定時間帯とされ、かつそれ以降は除菌処理動作が間欠的に実行される時間帯とされている。同図の例では、翌朝の9時が除菌処理の完了予定時刻として設定されている。既述したように、除菌処理動作は30分オン、インターバル期間としての90分オフを1サイクルとして繰り返されるため、1回目の除去処理動作の開始時刻は、除菌処理の完了予定時刻である翌朝9時から逆算し、0時30分とされる。この1回目の除菌処理動作は30分後の1時に終了
し、その後90分が経過した2時30分に2回目の30分間の除菌処理動作が開始される。以降は、除菌処理動作が30分、インターバルが90分を1サイクルとする動作が複数回にわたって繰り返され、予定時刻の9時に最終の除菌処理動作が終了する。したがって、9時以降においては、浴槽1の湯水(残り湯)を除菌処理が完了した状態で洗濯に用いるといったことも可能となる。
【0032】
除菌処理制御モードが設定された際には、既述したように、基本的には、たとえば
図3に示すような予定にしたがって除菌処理動作が実行される。このため、除菌処理動作の開始予定時刻が到来した際に、浴室BRに入浴者が存在しない場合には、循環ポンプP1及び除菌灯40の双方が駆動オンとされ、浴槽1の湯水は除菌処理部4に送られてから浴槽1に戻される除菌処理動作が開始される(S1:YES,S2:YES,S3:NO,S10)。この除菌処理動作中において、浴室BRへの人の入室が検出されることなく、本来の除菌処理動作開始予定時刻から所定時間(例:30分)が経過すると、その時点で循環ポンプP1及び除菌灯40を駆動オフとし、除菌処理動作は停止される(S11:YES,S6)。
【0033】
前記とは異なり、除菌処理動作の開始予定時刻において、浴室BR内に人が存在する状態が人感センサSaを利用して検出された場合には、除菌灯40は駆動オンとされるものの、循環ポンプP1は駆動オフのままとされ、除菌処理動作は開始されない(S2:YES,S3:YES,S4)。また、ステップS10において、除菌処理動作が実行されている期間中において、浴室BR内への人の入室が検出された場合においても、除菌灯40は駆動オン状態のまま、循環ポンプP1は駆動オフとされ、除菌処理動作が停止される(S10,S11:NO,S3:YES,S4)。
【0034】
このような動作制御によれば、浴室BRに入浴者がいる状況下では、循環ポンプP1が非駆動状態とされるため、たとえば風呂装置Aの風呂運転モードが、風呂保温モードに設定されている場合において、浴槽1への注水又は注湯に先立ち、水位センサSbを利用した浴槽1の水位検出が困難になるといった不具合を生じないようにすることが可能である。一方、除菌灯40については、循環ポンプP1とは異なり、除菌処理動作が予定されている期間中は、常に駆動オン状態とされる。これは、循環ポンプP1は、浴室BRに人が存在するか否かによって頻繁にオン・オフされるものの、除菌灯40については規則正しく一定周期でオン・オフさせることによって、そのオン・オフ回数を少なくし、除菌灯40の使用寿命を長くする効果をもたらせる。
【0035】
次いで、前記したステップS4の除菌処理動作停止状態が設定された場合において、除菌処理の開始予定時刻から所定時間(例:30分)が経過する前に、浴室BRからの人の退出(人感センサSaによる人の存在検出信号なし)が検出された場合には、循環ポンプP1が駆動オンとされ、除菌処理動作が実行される(S4,S5:NO,S8:YES,S9)。このことにより、除菌処理動作時間を確保し、除菌処理動作時間が過少になることを適切に回避することが可能である。このようにして実行される除去処理動作も、除菌処理動作の開始予定時刻から所定時間が経過すると停止され、その後は除菌処理制御モードが特定のスイッチ操作などによって解除されるようなことなく継続される限りは、
図3に示したような動作予定にしたがって上述した動作制御が繰り返される(S6,S7:YES,S2)。
【0036】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る風呂装置の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
【0037】
上述の実施形態においては、除菌処理動作を30分、インターバル時間を90分とするサイクル動作が繰り返されるように構成されているが、除菌処理動作及びインターバルの
具体的な時間は、これに限定されない。また、浴室リモコンなどのスイッチ操作によって、それらの時間の長さを適宜変更可能とすることもできる。除菌処理動作は、必ずしも複数回にわたって繰り返される必要はなく、所定の所要時間で1回のみ実行されるように構成することも可能である。除菌処理動作が開始される時期は、上述の実施形態では除菌処理動作の終了時刻から逆算して決定されているが、これに代えて、たとえば浴室リモコンなどにおける特定のスイッチ操作(除菌処理動作開始スイッチの操作)がなされた時点、あるいはタイマ設定で指定された時期などとすることも可能である。
【0038】
本発明でいう湯水処理部は
、除菌処理用の湯水処理部
に加えて、湯水の清浄化などを図るための濾過処理用の機器又は部材を用いた構成とすることも可能である。
人感センサは、熱感知方式のものに限らず、浴室に人が存在するか否かを判断し得るものであればよく、その具体的な方式や種類などは限定されない。また、人感センサは、複数用いることも可能である他、浴室リモコンに組み込まれていない状態で設置されていてもよい。
【符号の説明】
【0039】
A 風呂装置
BR 浴室
WH 給湯装置
P1 循環ポンプ
Sa 人感センサ
1 浴槽
4 除菌処理部(湯水処理部)
40 除菌灯
5 湯水循環路
7 制御部