特許第6802977号(P6802977)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802977
(24)【登録日】2020年12月2日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】蓄電ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01G 2/02 20060101AFI20201214BHJP
   B60R 16/04 20060101ALI20201214BHJP
   H01R 13/648 20060101ALI20201214BHJP
   H01G 2/10 20060101ALI20201214BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20201214BHJP
   H02G 3/16 20060101ALI20201214BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20201214BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   H01G2/02 101E
   B60R16/04 E
   H01R13/648
   H01G2/02 101C
   H01G2/10 M
   H01G11/10
   H02G3/16
   H01M2/02 L
   H01M2/10 S
   H01M2/10 K
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-34627(P2017-34627)
(22)【出願日】2017年2月27日
(65)【公開番号】特開2018-142571(P2018-142571A)
(43)【公開日】2018年9月13日
【審査請求日】2019年5月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角田 達哉
【審査官】 多田 幸司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−082844(JP,A)
【文献】 特開2014−236037(JP,A)
【文献】 特開2014−143042(JP,A)
【文献】 特開2014−239095(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/147900(WO,A1)
【文献】 特開2016−039096(JP,A)
【文献】 特開2016−100210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 2/02
B60R 16/04
H01G 2/10
H01G 11/10
H01M 2/02
H01M 2/10
H01R 13/648
H02G 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ケース内に蓄電素子を収容してなり、金属製のブラケットを介して車両に取り付けられる蓄電ユニットであって、
前記金属ケース内で前記蓄電素子を保持するホルダと、前記ホルダに設けられ前記ブラケットと係合して前記ホルダ及び前記蓄電素子の荷重を前記ブラケットに与えるブラケット受部と、前記金属ケースに設けられ前記ブラケットに接触して前記金属ケースを前記ブラケットに電気的に接続する接続部とを備え
前記ブラケット受部は、前記ブラケットの先端に設けられた差込み片部を挿入可能な保持溝部を備えると共に前記接続部は前記金属ケースに一体に設けられた接触片から構成され、前記接触片は前記保持溝部内において露出して、前記保持溝部内に挿入され保持された前記ブラケットの差込み片部と接触可能とされている、蓄電ユニット。
【請求項2】
前記ブラケット受部は前記ホルダの側部に陥没して設けられ、前記金属ケースには、前記ホルダの側壁を外方から覆う壁部が設けられ、前記壁部には前記接触片としてばね片が設けられ、前記ばね片は側壁の外方から前記保持溝部内に突入して前記ブラケットの差込み片部と接触可能とされている、請求項1に記載の蓄電ユニット。
【請求項3】
前記金属ケースは、前記ホルダの外側を互いに反対側から嵌合して覆う上ケース及び下ケースとから構成されると共に、前記ホルダには前記上下両ケースの嵌合方向に沿って延びる金属製の連結部材が設けられ、前記上ケース及び下ケースは前記連結部材に螺合させた締結部材により前記ホルダに固定されている請求項1または請求項2に記載の蓄電ユニット。
【請求項4】
前記金属ケース内には前記蓄電素子の充放電を制御する制御回路が実装された回路基板が収容され、その回路基板には前記連結部材を貫通させる貫通孔とその貫通孔の周縁に前記連結部材に接することで前記制御回路の所定のラインを前記金属ケースと同電位とするランドとが形成されている請求項3記載の蓄電ユニット。
【請求項5】
前記ホルダは合成樹脂製であって矩形の箱形をなしており、
前記ブラケット受部は前記ホルダの長辺の両側壁部の略中央に設けられている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の蓄電ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、蓄電ユニットに関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
複数の蓄電素子を保持するホルダを金属ケース内に収容してなる蓄電ユニットとして、例えば特許文献1のものが知られている。この技術においては、金属ケースにブラケットを金属製のねじで留めつけ、これを介して蓄電ユニットを車両に固定すると同時に車両のグランドへの電気的な接続を得るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−088144号公報(第8図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしこの構成では、蓄電素子の大きな荷重をねじで受けるので、車両からの振動を受けたときに応力がねじに集中して、ねじの締め付けが緩んだり、ねじ自体が破損する原因となる。これを回避しつつ車両側との電気的接続を担保するため、ねじ留めに代えて金属ケースとブラケットとを直接溶接する構成が考えられる。しかしこれでは、比較的薄肉の金属ケースに対して比較的肉厚のブラケットを溶接することになるため、特に蓄電素子の重量に合わせてブラケットがいっそう肉厚となる場合に、技術的制約が大きい。また、金属ケースに部分的に補強したブラケット取付部を設け、このブラケット取付部にブラケットを取り付ける方法も考えられるが、この場合は金属ケースの成形コストが嵩んでしまう。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、蓄電ユニットを車両等の振動が予想される取付先に確実に取り付けるとともに、その金属ケースの電気的接続も確保できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示された技術に係る蓄電ユニットは、金属ケース内に蓄電素子を収容してなり、金属製のブラケットを介して車両に取り付けられる蓄電ユニットであって、前記金属ケース内で前記蓄電素子を保持するホルダと、前記ホルダに設けられ前記ブラケットと係合して前記ホルダ及び前記蓄電素子の荷重を前記ブラケットに与えるブラケット受部と、前記金属ケースに設けられ前記ブラケットに接触して前記金属ケースを前記ブラケットに電気的に接続する接続部とを備える。
【0007】
この構成によれば、蓄電素子の荷重はホルダから、ホルダのブラケット受部と係合するブラケットに伝えられる。従来のように荷重が金属ケースを介してブラケットに伝えられるのではないから、金属ケースとブラケットとの結合部に過剰な応力が発生することを防止できる。また、金属ケースにはブラケットに電気的に接続される接続部が設けられているから、金属ケースはブラケットを介して車両の車体等に電気的に接続することができる。ホルダはブラケットと電気的に接続される必要がないから、導電性の材料によって製造する必要がなく、強度や製造コストを優先した任意の材料で形成することが可能である。
【0008】
本明細書に開示された蓄電ユニットに係る実施態様として、次の構成が好ましい。
【0009】
(1)前記ブラケット受部は、前記ブラケットの先端に設けられた差込み片部を挿入可能な保持溝部 を備えると共に前記接続部は前記金属ケースに一体に設けられた接触片から構成され、前記接触片は前記保持溝部内において露出して、前記保持溝部内に挿入され保持された前記ブラケットの差込み片部と接触可能とされている。
【0010】
この構成によれば、ブラケットを保持する保持溝部の内部に電気的な接続手段(接触片)が露出しているから、ブラケットを保持溝部に差し込むだけで、ホルダをブラケットで保持すると同時にブラケットに対して電気的に接続することができる。
【0011】
(2)前記ブラケット受部は前記ホルダの側部に陥没して設けられ、前記金属ケースには、前記ホルダの側壁を外方から覆う壁部が設けられ、前記壁部には前記接触片としてばね片が設けられ、前記ばね片は側壁の外方から前記保持溝部内に突入して前記ブラケットの差込み片部部と接触可能とされている。
【0012】
この構成によれば、ブラケット受部は前記金属ケースの内側に収容されるから、外方から他の部材に押圧されて変形するおそれがない。
【0013】
(3)前記金属ケースは、前記ホルダの外側を互いに反対側から嵌合して覆う上ケース及び下ケースとから構成されると共に、前記ホルダには前記上下両ケースの嵌合方向に沿って延びる金属製の連結部材が設けられ、前記上ケース及び下ケースは前記連結部材に螺合させた締結部材により前記ホルダに固定されている。
【0014】
この構成によれば、金属製のカラーを介して上ケースと下ケースとが電気的に接続されるから、上下両ケースをホルダに固定すると同時にこれらをシールドのために電気的に同電位とすることができる。
(4)前記金属ケース内には前記蓄電素子の充放電を制御する制御回路が実装された回路基板が収容され、その回路基板には前記連結部材を貫通させる貫通孔とその貫通孔の周縁に前記連結部材に接することで前記制御回路の所定のラインを前記金属ケースと同電位とするランドとが形成されている。
【0015】
この構成によれば、ネジ部材をカラーに挿入して螺合させるだけで回路基板の所定のラインを金属ケースと同電位とすることができる。
【0016】
(5)前記ホルダは合成樹脂製であって矩形の箱形をなしており、
前記ブラケット受部は前記ホルダの長辺の両側壁部の略中央に設けられている。
【0017】
この構成によれば、ブラケットがホルダの重心に近い位置で蓄電素子およびホルダの荷重を受けるので、ホルダの重心とブラケット受部との間で過剰な応力が発生することを防止できる。
【発明の効果】
【0018】
本明細書に開示された技術に係る蓄電モジュールによれば、蓄電ユニットを車両等の振動が予想される取付先に確実に取り付けるとともに、その金属ケースの電気的接続も確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態1の蓄電ユニットの上面図
図2図1のA−A断面図
図3図1のB−B断面図
図4】蓄電ユニットの分解正面図
図5】ブラケット受部にブラケットが保持された状態を示す正面図
図6図5のC−C断面図
図7】実施形態2のホルダの上面図
図8】ブラケット受部にブラケットが保持された状態を示す断面図
図9】蓄電ユニットの分解正面図
図10】下ケースの上面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態1>
本明細書に開示された技術に係る実施形態1を、図1から図6によって説明する。
【0021】
本実施形態の蓄電ユニット1は、車両に搭載され、例えば、エンジンのアイドルストップ時やエンジンの再始動時の補助電源として用いられる。以下では、図示におけるX方向を右方、Y方向を前方、Z方向を上方として説明する。また、以下の説明においては、複数の同一部材については一の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略することがある。
【0022】
蓄電ユニット1は、図1から図3に示すように、金属ケース10の内部に、蓄電素子としての複数のキャパシタBTを保持するホルダ30と、キャパシタBTの充放電を制御するための電子部品P(制御回路の一例)が実装された回路基板50と、を収容してなるユニット本体部に、車両に取り付けるための一対のブラケット60を前後に備える。
【0023】
金属ケース10は、図2に示すように、下面開口の凹部が設けられた略直方体形状の上ケース11と、上面開口の凹部が設けられた扁平な略直方体形状の下ケース17と、を備えて構成されている。上ケース11の四隅には上部貫通孔12が上下に貫通して設けられるとともに、下ケース17の四隅には下部貫通孔18が上下に貫通して設けられている。
【0024】
ホルダ30は絶縁性の合成樹脂材から形成され、全体として左右に長い扁平な矩形の箱形をなしている。ホルダ30の寸法は、上ケース11内に緊密に嵌る程度となっている。ホルダ30の四隅にはホルダ貫通孔32が上下に貫通して設けられるとともに、各ホルダ貫通孔32には内周面に図示しないねじ溝が形成された金属製のカラー35(連結部材の一例)が設けられ、その上下端面が露出されている。
【0025】
ホルダ30の上面側には、キャパシタBTを収容するための複数の凹部33が、図1に示すように、ホルダ30の長さ方向における中心線を挟んで左右一列ずつ前後に並んで設けられている。
【0026】
ホルダ30の各凹部33には、キャパシタBTがそれぞれリード端子Wを左右外側に向けて収容されている。ホルダ30に収容されたキャパシタBTには、図3に示すように、ホルダカバー36が被せられている。ホルダカバー36は、ホルダ30に設けられた図示しない係合部に係合されることで、ホルダ30に対して固定されている。ホルダカバー36は合成樹脂材から形成されて前後方向端部から中央にかけて傾斜した形状をなしており、これによりキャパシタBTの上方への飛び出しが抑制されている。
【0027】
なお、キャパシタBTの各リード端子Wは、図2に破線で示すように、ホルダ30を上下に貫通して裏面に延出されている。
【0028】
回路基板50はホルダ30の下面よりもやや小寸の略長方形状に形成されている。回路基板50は、図2に示すように、上面51がホルダ30の裏面と接して配される一方、下面52にはキャパシタBTの充放電を制御するための電子部品Pが実装されている。また、回路基板50には基板貫通孔53が貫通して設けられているとともに、その上面51には各基板貫通孔53の周縁に図示しないランドが設けられて、グランドパターン(所定のラインの一例)と接続されている。ランドおよび基板貫通孔53の内径は、ホルダ30に設けられたカラー35の内径とほぼ同寸となっており、各ランドの上面は各カラー35の下面と接触している。回路基板50の下面52は、金属ケース10の下ケース17で覆われている。
【0029】
蓄電ユニット1は、図3に示すように、ホルダ30にブラケット60を取り付けることで、ユニット本体部の荷重をブラケット60に伝えるとともに、金属ケース10、ホルダ30、および回路基板50とブラケット60との電気的な接続が得られる構成を、前端側と後端側に備えている。前端側の構成と後端側の構成は前後逆である他は同一であるため、以下においては前端側のみについて説明し、後端側の説明は省略する。
【0030】
上ケース11の前側壁15には、ブラケット60に電気的に接続するための接触片16(接続部の一例)が設けられている。接触片16は、図4に示すように、前側壁15にその長さ方向における中心線を挟んで左右対称に切り込み13を入れ、その間を舌片状に切残すことで形成されている。接触片16の左右方向における中央部には、後述するブラケット受部40内に挿入された際に係止突部44を逃がすための逃がしスリット14が設けられている。逃がしスリット14の上端部は、係止突部44の外周面の形状に合わせた円弧形状をなしている。
【0031】
ブラケット60は、図3に示すように、比較的肉厚の金属材から帯状に形成されている。ブラケット60の先端部分は、長さ方向において直角に曲げられて、後述するブラケット受部40に係合するための差込み片部61とされている。差込み片部61の端部近傍には、図4に示すように、係止孔62が貫通して形成されている。また、差込み片部61の後面には、半球状の接触突部63が突設されている。接触突部63は、係止孔62よりも下部に設けられ、差込み片部61の幅方向における中心線を挟んで左右対称の位置に一つずつ配されている。
【0032】
ホルダ30の前側面31の左右方向における中央には、ブラケット60と係合するためのブラケット受部40が突設されている。
【0033】
ブラケット受部40は、図1および図4に示すように、全体として前後に扁平な略直方体形状をなしている。ブラケット受部40には、下面に開口する一対の保持溝部41が形成されているとともに、上面にはホルダ30の前側面31寄りの位置に挿通スリット42が保持溝部41に連通して設けられている。挿通スリット42の寸法は、接触片16が挿通可能な程度となっている。
【0034】
ブラケット受部40の前壁部45には、保持溝部41と連通する前面開口部46が左右方向における中心線に沿って開口される一方、保持溝部41の後内壁43(ホルダ30の前側面31)の中央部からは、細い円柱形状の係止突部44が前方に突出して設けられている。係止突部44は前面開口部46内またはその近傍まで延出し、その先端は保持溝部41の内壁面や前面開口部46の内壁面に連結されない自由端となっている。
【0035】
次に、本実施形態の蓄電ユニット1の組み立て手順を説明する。
【0036】
まず、金属ケース10の内部に回路基板50およびホルダ30を収容して、上ケース11と下ケース17とを互いに嵌合させる。すると、上ケース11の接触片16は、挿通スリット42から保持溝部41に挿入され、逃がしスリット14において係止突部44を逃がしつつ、背面を保持溝部41の後内壁43(ホルダ30の前側面31)に沿わせ、かつ前面を保持溝部41内において露出させた状態で配される。
【0037】
また、金属ケース10の内部に回路基板50およびホルダ30を収容する際には、ホルダ30の四隅に設けられた金属カラー35と、回路基板50の四隅に設けられたランドおよび基板貫通孔53とが、金属ケース10の四隅に設けられた上部貫通孔12および下部貫通孔18と同軸状になるように、位置合わせしておく。そして、これらに金属ケース10の上下から締結部材としてのビスSWを挿入し、金属カラー35のネジ孔に螺合させる。これにより、回路基板50および金属ケース10は、ホルダ30に固定されるるとともに、回路基板50のグランドパターンがランドを介して金属カラー35に導通状態となり、かつ、上ケース11及び下ケース17がビスSWを介してぞれぞれ金属カラー35に電気的に接続された状態となる。
【0038】
そして、ブラケット60の差込み片部61を保持溝部41に下方から挿入し、係止突部44を上方に弾性変形させるとともに接触突部63を接触片16の前面(露出面)に擦接させながら保持溝部41内を上方に進入させる。すると、差込み片部61の係止孔62に係止突部44が嵌り、元の姿勢に弾性復帰する。これにより、図3および図5に示すように、ブラケット60(差し込み片部61)は保持溝部41の内壁に包囲され、その先端が保持溝部41の内壁の頂面47と当接可能となるとともに係止突部44に係止してブラケット受部40内に係合して保持され、それと同時に、図6に示すように、接触突部63が金属ケース10の接触片16に接触して金属ケース10と電気的に接続された状態となる。
【0039】
このように、金属ケース10内にホルダ30および回路基板50を収容して固定し、ホルダ30のブラケット受部40とブラケット60とを係合させることで、金属ケース10、ホルダ30、および回路基板50のすべてがブラケット60に電気的に接続されて同電位とされた蓄電モジュールが完成される。
【0040】
上記の構成によれば、キャパシタBTの荷重はホルダ30から、ホルダ30のブラケット受部40と係合するブラケット60に伝えられる。従来のように荷重が金属ケース10を介してブラケット60に伝えられるのではないから、金属ケース10とブラケット60との結合部に過剰な応力が発生することを防止できる。また、金属ケース10にはブラケット60に電気的に接続される接触片16が設けられているから、金属ケース10はブラケット60を介して車両の車体等に電気的に接続することができる。ホルダ30はブラケット60と電気的に接続される必要がないから、導電性の材料によって製造する必要がなく、強度や製造コストを優先した任意の材料で形成することが可能である。
【0041】
また、ブラケット60を保持する保持溝部41の内部に金属ケース10の接触片16が露出しているから、ブラケット60を保持溝部41に差し込むだけで、ホルダ30をブラケット60で保持すると同時にブラケット60に対して電気的に接続することができる。
【0042】
<実施形態2>
次に、本明細書に開示された技術に係る実施形態2を図7から図10によって説明する。なお本実施形態においては実施形態と異なる構成のみ説明し、実施形態1と同様の構成については説明を省略する。
【0043】
実施形態1の蓄電ユニット1においてはブラケット受部40はホルダ30の前側部34に突設される構成であるのに対し、本実施形態の蓄電ユニット100においては、図7に示すように、ブラケット受部140はホルダ130の前側部134に上面視で陥没し、その前壁部145の前面145Fをホルダ130の前側部134の前面134Fと面一にして設けられている。これにより、図8に示すように、ブラケット受部140はホルダ130を覆う金属ケース110の内側に収容されている。なお、回路基板150は下面152だけでなく上面151にも電子部品が実装され、ホルダ130の下面から離間して配されている。
【0044】
また、本実施形態においては、図に示すように、上ケース111の前側壁115の中央に後方へ突出するばね片116が一体的に設けられて、ブラケット160と接触するための接触片116(接続部の一例)とされている。ばね片116は、ブラケット受部140の前面側から前面開口部146を通って保持溝部141内に露出し、保持部内に挿入されたブラケット160に接触している。
【0045】
金属ケース110のうち下ケース117の前端部近傍の中央には、図10に示すように、左右に長い下スリット119が設けられている。ブラケット160の差込み片部161は、図8および図9に示すように、下方から下スリット119に挿通され、金属ケース110内においてブラケット受部140の保持溝部141に圧入され、保持溝部141内に前面側から露出するばね片116と接触している。
【0046】
この構成によれば、ブラケット受部140は前記金属ケース110の内側に収容されるから、外方から他の部材に押圧されて変形するおそれがない。したがって、蓄電モジュールの設置スペースが狭く、車両の振動により他の部材と当接する懸念がある場合等に好適である。
【0047】
<他の実施形態>
本明細書に開示された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような形態で実施することが可能である。
【0048】
(1)上記実施形態においては、ブラケット60の保持溝部41は下方に開口し、ブラケット60を下方から挿入する構成としているが、保持溝部の開口方向はこれに限らず、例えば保持溝部が左方に開口し、ブラケットを左方から挿入する構成としてもよい。
【0049】
(2)また上記実施形態においては、ブラケット受部40の内部に設けられた保持溝部41は、接触片16が配される領域と差込み片部61が配される領域との間が仕切られていない構成としているが、保持溝部はこれに限らず、例えば接触片が配される領域と差込み片部が配される領域との間に隔壁を設けて、この隔壁に接触突部が一方の領域から他方の領域へ挿通されるための開口部を設けてもよい。
【0050】
(3)接触片部の形状は、上記実施形態のような形状に限らず、また金属ケースとブラケットのどちらに設けてもよい。例えば、実施形態1においては接触突部はブラケットに設けられているが、接触突部は接触片に設けてもよい。また、実施形態2においては金属ケースの前側壁115に設けたばね片116が前面開口部146から保持溝部141に突入する構成としているが、これに代えて、差し込み片部の前面側に前方に向かって突出する突状部が設けられ、これが前面開口から外部へ突出して、金属ケースの前側壁部に接触する構成としてもよい。さらに、接触突部は必ずしも必要ではなく、要はブラケットと金属ケースとが接触して電気的に接続されればよい。
【0051】
(4)上記実施形態においては、金属ケース10内に蓄電素子を保持するホルダ30と回路基板50とを収容しているが、本願発明はこれに限らず、蓄電素子を保持するホルダのみを金属ケース内に収めた蓄電ユニットにも適用することができる。
【0052】
(5)上ケースと下ケースとを電気的に接続しつつホルダに固定する構造としては、前記第1実施形態のような金属カラーにビスを螺合させる構造に限らず、例えば金属カラーに代わる連結部材として、両端にネジ部を有する金属スティを利用し、ここに締結部材としてのナットを螺合する構造としてもよい。または、下ケースの下部貫通孔にバーリング加工によりネジ部を形成し、ここに上ケースの上部貫通孔から差し込んだビスを螺合させる構造や、またはボルトをかしめナットで締結する構造等を採用することもできる。
【符号の説明】
【0053】
1、100:蓄電ユニット
10、110:金属ケース
11、111:上ケース
15、115:前側壁
16:接触片(接続部)
17、117:下ケース
30、130:ホルダ
35、135:カラー
40、140:ブラケット受部
41、141:保持溝部
42:挿通スリット
44、144:係止突部
46:前面開口部
50:回路基板
60、160:ブラケット
61、161:差込み片部
62、162:係止孔
63:接触突部
BT:キャパシタ
P:電子部品
116:ばね片(接続部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10