特許第6802987号(P6802987)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6802987
(24)【登録日】2020年12月2日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】ノイズフィルタ装置
(51)【国際特許分類】
   H03H 7/01 20060101AFI20201214BHJP
【FI】
   H03H7/01 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-94474(P2018-94474)
(22)【出願日】2018年5月16日
(65)【公開番号】特開2019-201316(P2019-201316A)
(43)【公開日】2019年11月21日
【審査請求日】2020年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相澤 武史
(72)【発明者】
【氏名】日比野 朝人
【審査官】 ▲高▼橋 徳浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−336455(JP,A)
【文献】 特開2010−113925(JP,A)
【文献】 特開2015−216605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H1/00−H03H3/00
H03H5/00−H03H7/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する入力側導電路の一端に接続された入力側端子と、可撓性を有する出力側導電路の一端に接続された出力側端子とを収容し、ワイヤーハーネスを構成するハーネス側導電路に接続されるコネクタと、
前記入力側導電路の他端と、前記出力側導電路の他端とに接続されたノイズフィルタと、
前記入力側導電路および前記出力側導電路を保持する保持部材と、
を備え、
前記保持部材は、
前記ワイヤーハーネスに対しその外周を包囲するように取り付けられる本体部と、
前記本体部の周方向の両端に形成され、前記入力側導電路と前記出力側導電路に引っ掛けられることで前記入力側導電路と前記出力側導電路が接近するのを規制する一対の引掛部と、
を有することを特徴とするノイズフィルタ装置。
【請求項2】
前記保持部材は、前記入力側導電路と前記出力側導電路を互いに離れる方向に付勢する弾性を有していることを特徴とする請求項1に記載のノイズフィルタ装置。
【請求項3】
前記本体部は、一本の長尺状の部材によって構成され、
一対の前記引掛部は、それぞれ前記入力側導電路および前記出力側導電路に巻き回されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のノイズフィルタ装置。
【請求項4】
前記本体部は、
前記ワイヤーハーネスの周方向に延びて並列するように配された一対の本体片と、
前記一対の本体片の一端同士および他端同士を連結する一対の連結部と、
を有し、
前記引掛部は、前記連結部から延出し、一対の前記本体片とともに前記入力側導電路又は前記出力側導電路を挟み込むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のノイズフィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノイズフィルタ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のノイズフィルタは、2本の導電路間に介在される構成である。このノイズフィルタは、筐体、接地導体、第1導体、及び第2導体を備えている。筐体は、接地導体、第1導体、及び第2導体を収容している。接地導体は、車体等のような導電性部材との電気的な接触部を有している。第1導体は、筐体の一方面における一方の挿通孔を介して導入される導電路(例えば、入力側の導電路)に接続されている。第2導体は、筐体の一方面における他方の挿通孔を介して導入される導電路(例えば、出力側の導電路)に接続されている。接地導体は、コンデンサを介して第1導体および第2導体に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−208487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のノイズフィルタは、筐体の一方面から導出された入力側の導電路と出力側の導電路が、いずれも、可撓性を有する電線からなるため、接近して配索される虞がある。入力側の導電路と出力側の導電路が接近し過ぎると、両導電路間で信号の漏れが生じて、クロストークなどの電気的な干渉が生じる虞がある。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、入力側導電路と出力側導電路との間における電気的な干渉を抑制し得るノイズフィルタ装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のノイズフィルタ装置は、
可撓性を有する入力側導電路の一端に接続された入力側端子と、可撓性を有する出力側導電路の一端に接続された出力側端子とを収容し、ワイヤーハーネスを構成するハーネス側導電路に接続されるコネクタと、
前記入力側導電路の他端と、前記出力側導電路の他端とに接続されたノイズフィルタと、
前記入力側導電路および前記出力側導電路を保持する保持部材と、
を備え、
前記保持部材は、
前記ワイヤーハーネスに対しその外周を包囲するように取り付けられる本体部と、
前記本体部の周方向の両端に形成され、前記入力側導電路と前記出力側導電路に引っ掛けられることで前記入力側導電路と前記出力側導電路が接近するのを規制する一対の引掛部と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
ノイズフィルタ装置は、入力側導電路および出力側導電路を保持する保持部材が、ワイヤーハーネスを包囲する本体部を有している。そのため、保持部材は、ワイヤーハーネスに安定して組み付けることができる。そして、保持部材は、本体部の両端に形成され、入力側導電路と出力側導電路とが接近しないようにそれぞれの導電路に引っ掛かる一対の引掛部を有している。これにより、ノイズフィルタ装置は、保持部材を設けない構成に比べて、入力側導電路と出力側導電路との間の距離を大きくすることができ、両導電路間におけるクロストークなどの電気的な干渉を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1のノイズフィルタ装置がワイヤーハーネスに組み付けられた状態を示す斜視図
図2図1の保持部材の平面図
図3】実施例2の保持部材がワイヤーハーネス、入力側導電路、および出力側導電路に組み付けられた状態を示す斜視図
図4図3の保持部材の平面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、前記保持部材が、前記入力側導電路と前記出力側導電路を互いに離れる方向に付勢する弾性を有していてもよい。
この構成によれば、入力側導電路および出力側導電路は、保持部材によって、それぞれ他方の導電路から離れる方向に弾性的に引っ張られる。そのため、両導電路は、他方の導電路から離れる方向に付勢された状態を維持することができ、他方の導電路からより離れ易くすることができる。
【0010】
本発明は、前記本体部が、一本の長尺状の部材によって構成され、一対の前記引掛部は、それぞれ前記入力側導電路および前記出力側導電路に巻き回されていてもよい。
この構成によれば、保持部材は、本体部が一本の長尺状の部材によって構成されることで、簡易な形態とすることができる。その上で、一対の引掛部は、それぞれ入力側導電路および出力側導電路に巻き回されることで、それぞれの導電路に安定して引っ掛けることができる。
【0011】
本発明は、前記本体部が、前記ワイヤーハーネスの周方向に延びて並列するように配された一対の本体片と、前記一対の本体片の一端同士および他端同士を連結する一対の連結部と、を有し、前記引掛部は、前記連結部から延出し、一対の前記本体片とともに前記入力側導電路又は前記出力側導電路を挟み込でいてもよい。
この構成によれば、保持部材は、引掛部が一対の本体片とともに入力側導電路又は出力側導電路を挟み込むことで、入力側導電路又は出力側導電路により一層強固に引っ掛けることができ、衝撃などによって入力側導電路又は出力側導電路から外れることを防ぐことができる。
【0012】
<実施例1>
以下、本発明のノイズフィルタ装置を具体化した実施例1を、図1図2を参照して説明する。
【0013】
実施例1のノイズフィルタ装置10は、図1に示すように、ワイヤーハーネスWHに組み付けられている。ノイズフィルタ装置10は、ワイヤーハーネスWHに生じる電気的なノイズを除去するように機能する。ワイヤーハーネスWHは、絶縁部材によって被覆された複数の被覆電線(導電路)によって構成されている。ワイヤーハーネスWHは、複数の被覆電線が一体的に絶縁部材によって被覆されている。ワイヤーハーネスWHは、幹線21、およびハーネス側導電路22,23を備えている。幹線21は、複数本の導電路が束ねられて構成されている。ハーネス側導電路22,23は、幹線21から分岐する一対の導電路である。ワイヤーハーネスWHは、ハーネス側コネクタ20が設けられている。ハーネス側コネクタ20は、ハーネス側導電路22,23のそれぞれが接続された一対の端子金具(図示略)を有している。ハーネス側コネクタ20は、ハーネス側導電路22,23を導出させた状態で一対の端子金具を収容している。ハーネス側コネクタ20は、ハーネス側導電路22,23を屈曲させた状態で、幹線21に隣接して配置されている。
【0014】
ノイズフィルタ装置10は、図1に示すように、フィルタ側コネクタ30(本発明の「コネクタ」に相当)、入力側導電路41、出力側導電路42、ノイズフィルタ50、及び一対の保持部材60を備えている。なお、図1では、ノイズフィルタ装置10が一対の保持部材60を備える構成を例示しているが、1つや3つ以上のその他の数の保持部材60を備えていてもよい。
【0015】
フィルタ側コネクタ30は、図1に示すように、入力側端子31、出力側端子32、およびケース33を備えている。入力側端子31は、入力側導電路41の一端に接続されている。出力側端子32は、出力側導電路42の一端に接続されている。入力側導電路41、および出力側導電路42は、被覆電線であり、可撓性を有している。ケース33は、例えば合成樹脂製であり、箱状をなしている。ケース33には、入力側導電路41、および出力側導電路42が挿通する挿通孔(図示略)が形成されている。ケース33は、入力側導電路41の他端側を導出させた状態で、入力側端子31を内部に収容している。ケース33は、出力側導電路42の他端側を導出させた状態で、出力側端子32を内部に収容している。
【0016】
フィルタ側コネクタ30は、図1に示すように、ハーネス側コネクタ20に接続されている。入力側端子31、および出力側端子32は、ハーネス側コネクタ20の一対の端子金具(図示略)にそれぞれ接続されている。これにより、入力側導電路41、および出力側導電路42は、ハーネス側導電路22,23にそれぞれ電気的に接続されている。入力側導電路41、および出力側導電路42は、幹線21に対して平行となるように、所定間隔空けて隣接されている。
【0017】
ノイズフィルタ50は、図1に示すように、入力側導電路41の他端、および出力側導電路42の他端に接続されている。ノイズフィルタ50は、ケース51、およびコンデンサ52を備えている。ケース51は、コンデンサ52を収容している。ケース51は、例えば合成樹脂製である。コンデンサ52は、例えばフィルムコンデンサである。コンデンサ52の一方の電極は、入力側導電路41の他端に電気的に接続されている。コンデンサ52の他方の電極は、出力側導電路42の他端に電気的に接続されている。
【0018】
保持部材60は、図1に示すように、入力側導電路41、および出力側導電路42を保持している。保持部材60は、図1図2に示すように、弾性変形可能な材料(例えばゴム、樹脂など)によって略円弧状に形成されている。保持部材60は、本体部61、および一対の引掛部62を備えている。本体部61は、一本の長尺状の部材によって円弧状(略C状字形)に構成されている。そのため、保持部材60は、簡易な形態となる。本体部61は、ワイヤーハーネスWHに対し、その外周を包囲するように取り付けられている。すなわち、本体部61は、ワイヤーハーネスWHに対し、その外周に沿って巻き付けられている。そのため、保持部材60は、ワイヤーハーネスWHに安定して組み付けられている。
【0019】
一対の引掛部62は、図1図2に示すように、本体部61の周方向の両端にそれぞれ形成されている。引掛部62は、本体部61の円弧の径よりも小さな径の円弧状(略C状字形)である。引掛部62は、本体部61の周方向の内側に巻かれるように形成されている。本体部61の外周と引掛部62の外周は、滑らかに連結している。一対の引掛部62は、それぞれ入力側導電路41、および出力側導電路42に対してワイヤーハーネスWHの径方向外側から巻き回されている。そのため、一対の引掛部62は、それぞれ入力側導電路41および出力側導電路42に安定して引っ掛けることができる。
【0020】
保持部材60の自由状態(弾性変形していない状態)における曲率は、ワイヤーハーネスWHの外周の曲率より小さい。したがって、保持部材60は、ワイヤーハーネスWHの外周に取り付けた状態では、入力側導電路41と出力側導電路42を互いに離れる方向(図1の矢印の方向)に付勢する弾性を発揮する。そのため、保持部材60は、入力側導電路41と出力側導電路42が互いに離れる方向(図1の矢印の方向)に付勢された状態を安定して維持することができる。一対の引掛部62は、図1に示すように、入力側導電路41と出力側導電路42にそれぞれ引っ掛けられることで、入力側導電路41と出力側導電路42が接近するのを規制している。
【0021】
フィルタ側コネクタ30の一方面から導出された入力側導電路41、および出力側導電路42は、いずれも可撓性を有するため、接近して配索される虞がある。入力側導電路41、および出力側導電路42が接近し過ぎると、両導電路41,42間で信号の漏れが生じて、クロストークなどの電気的な干渉が生じる虞がある。しかしながら、実施例1のノイズフィルタ装置10は、上述したように、保持部材60を入力側導電路41と出力側導電路42にそれぞれ引っ掛けられることで、入力側導電路41と出力側導電路42が接近するのを規制している。そのため、ノイズフィルタ装置10は、保持部材60を設けない構成に比べて、入力側導電路41と出力側導電路42との間の距離を大きくすることができ、両導電路41,42間におけるクロストークなどの電気的な干渉を抑制することができる。
【0022】
ノイズフィルタ装置10は、ワイヤーハーネスWHに組み付けられた状態で、例えば、粘着テープが巻き回される。具体的には、入力側導電路41、出力側導電路42、およびワイヤーハーネスWHが、粘着テープで巻き回される。このとき、入力側導電路41、および出力側導電路42は、保持部材60によってワイヤーハーネスWHに対して安定して保持されている。そのため、入力側導電路41、および出力側導電路42は、粘着テープで巻き回される際に、位置ずれし難くなる。
【0023】
上述したように、ワイヤーハーネスWHは、絶縁部材によって被覆された被覆電線(導電路)が複数束ねられて形成されている。そのため、ノイズフィルタ装置10は、各被覆電線の表皮効果によって交流抵抗を低減させて、ノイズ除去機能を向上させることができる。したがって、ノイズフィルタ装置10は、ノイズ除去機能を向上させるためにコンデンサ52を大型化する必要がなくなる。
【0024】
以上のように、本実施例1のノイズフィルタ装置10は、入力側導電路41および出力側導電路42を保持する保持部材60が、ワイヤーハーネスWHを包囲する本体部61を有している。そのため、保持部材60は、ワイヤーハーネスWHに安定して組み付けることができる。そして、保持部材60は、本体部61の両端に形成され、入力側導電路41と出力側導電路42とが接近しないようにそれぞれの導電路に引っ掛かる一対の引掛部62を有している。これにより、ノイズフィルタ装置10は、保持部材60を設けない構成に比べて、入力側導電路41と出力側導電路42との間の距離を大きくすることができ、両導電路41,42間におけるクロストークなどの電気的な干渉を抑制することができる。
【0025】
また、保持部材60は、入力側導電路41と出力側導電路42を互いに離れる方向に付勢する弾性を有している。
この構成によれば、入力側導電路41および出力側導電路42は、保持部材60によって、それぞれ他方の導電路から離れる方向に弾性的に引っ張られる。そのため、両導電路41,42は、他方の導電路から離れる方向に付勢された状態を維持することができ、他方の導電路からより離れ易くすることができる。
【0026】
また、本体部61は、一本の長尺状の部材によって構成され、一対の引掛部62は、それぞれ入力側導電路41および出力側導電路42に巻き回されている。
この構成によれば、保持部材60は、本体部61が一本の長尺状の部材によって構成されることで、簡易な形態とすることができる。その上で、一対の引掛部62は、それぞれ入力側導電路41および出力側導電路42に巻き回されることで、それぞれの導電路に安定して引っ掛けることができる。
【0027】
<実施例2>
次に、本発明を具体化した実施例2を、図3図4を参照して説明する。本実施例2のノイズフィルタ装置10は、保持部材260の構成を上記実施例1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。なお、図3では、ノイズフィルタ装置10が1つの保持部材260を備える構成を例示しているが、その他の数の保持部材260を備えていてもよい。
【0028】
保持部材260は、図3に示すように、入力側導電路41、および出力側導電路42を保持している。保持部材260は、図3図4に示すように、弾性変形可能な材料(例えばゴム、樹脂など)によって長尺のリング状に形成されている。保持部材260は、本体部261、および一対の引掛部262を備えている。本体部261は、一対の本体片261A、および一対の連結部261Bを備えている。本体片261Aは、長尺の帯板状である。本体片261Aは、ワイヤーハーネスWHに対し、その外周を包囲するように取り付けられている。すなわち、一対の本体片261Aは、ワイヤーハーネスWHの周方向に延びて並列するように配されている。そのため、保持部材260は、ワイヤーハーネスWHに安定して組み付けられている。
【0029】
一対の連結部261Bは、図3図4に示すように、一対の本体片261Aの一端同士および他端同士をそれぞれ連結している。図4に示すように、連結部261Bの中央部分は、本体片261Aが真直ぐに伸びた状態で他方の連結部261B側に凸となるように湾曲している。連結部261Bの両端部分は、本体片261Aが真直ぐに伸びた状態で他方の連結部261B側とは反対側に凸となるように湾曲している。
【0030】
引掛部262は、図4に示すように、連結部261Bの中央部分から、他方の連結部261Bに向かって延出し、一対の本体片261Aの間に挟まれるように配されている。引掛部262は、先端部の幅が基端部の幅よりも大きくなっている。一方の引掛部262は、一対の本体片261Aとともに入力側導電路41をワイヤーハーネスWHの径方向に挟み込んでいる。具体的には、一方の引掛部262は、ワイヤーハーネスWHの周方向において出力側導電路42側から入力側導電路41に取り付けられ、径方向外側から入力側導電路41に接触している。一対の本体片261Aは、内側(出力側導電路42側)から入力側導電路41に接触している。他方の引掛部262は、一対の本体片261Aとともに出力側導電路42をワイヤーハーネスWHの径方向に挟み込んでいる。具体的には、他方の引掛部262は、ワイヤーハーネスWHの周方向において入力側導電路41側から出力側導電路42に取り付けられ、径方向外側から出力側導電路42に接触している。一対の本体片261Aは、内側(入力側導電路41側)から出力側導電路42に接触している。
【0031】
保持部材260は、入力側導電路41と出力側導電路42を互いに離れる方向(図3の矢印の方向)に付勢する弾性を発揮する。そのため、保持部材260は、入力側導電路41と出力側導電路42が互いに離れる方向(図3の矢印の方向)に付勢された状態を安定して維持することができる。一対の引掛部262は、図3に示すように、入力側導電路41と出力側導電路42にそれぞれ引っ掛けられることで、入力側導電路41と出力側導電路42が接近するのを規制している。特に、保持部材260は、引掛部262が一対の本体片261Aとともに入力側導電路41、および出力側導電路42を挟み込む構成である。そのため、保持部材260は、1つの本体片261Aがこれら導電路に接触する構成に比べて、これら導電路により一層強固に引っ掛けることができ、衝撃などによってこれら導電路から外れることを防ぐことができる。
【0032】
実施例2のノイズフィルタ装置10は、上述したように、保持部材260を入力側導電路41と出力側導電路42にそれぞれ引っ掛けられることで、入力側導電路41と出力側導電路42が接近するのを規制している。そのため、ノイズフィルタ装置10は、保持部材260を設けない構成に比べて、入力側導電路41と出力側導電路42との間の距離を大きくすることができ、両導電路41,42間におけるクロストークなどの電気的な干渉を抑制することができる。
【0033】
以上のように、本実施例2のノイズフィルタ装置10は、本体部261が、本体片261A、および一対の連結部261Bを有している。本体片261Aは、ワイヤーハーネスWHの周方向に延びて並列するように配されている。一対の連結部261Bは、一対の本体片261Aの一端同士および他端同士を連結している。引掛部262は、連結部261Bから延出し、一対の本体片261Aとともに入力側導電路41又は出力側導電路42を挟み込む。
この構成によれば、保持部材260は、引掛部262が一対の本体片261Aとともに入力側導電路41又は出力側導電路42を挟み込むことで、入力側導電路41又は出力側導電路42により一層強固に引っ掛けることができ、衝撃などによって入力側導電路41又は出力側導電路42から外れることを防ぐことができる。

【0034】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例1では、保持部材60の引掛部62の外周は、本体部61の外周と滑らかに連結していた。しかしながら、引掛部62の外周は、本体部61の内周と滑らかに連結していてもよい。すなわち、引掛部62は、両導電路41,42に対してワイヤーハーネスWHの径方向内側から巻かれる構成であってもよい。
(2)上記実施例2では、保持部材260の引掛部262は、先端部の幅が基端部の幅よりも大きくなっていたが、その他の形態であってもよい。例えば、引掛部262は、長尺の帯板状であり、先端部の厚みが基端部の厚みよりも大きくなっていてもよい。これにより、引掛部262は、先端部が入力側導電路41、および出力側導電路42に引っ掛かり易くなる。
(3)上記実施例1,2では、ノイズフィルタ50は、コンデンサ52を備える構成であったが、その他の構成であってもよい。例えば、ノイズフィルタ50は、2つのコンデンサ、および1つのコイルによって構成されるπ型フィルタであってもよい。また、ノイズフィルタ50は、1つのコンデンサ、および1つのコイルによって構成されるL型フィルタであってもよい。また、ノイズフィルタ50は、1つのコンデンサ、および2つのコイルによって構成されるT型フィルタであってもよい。
(4)上記実施例1,2では、コンデンサ52にフィルムコンデンサを用いたが、電解コンデンサやセラミックコンデンサであっても良い。
【符号の説明】
【0035】
10…ノイズフィルタ装置
22,23…ハーネス側導電路
30…フィルタ側コネクタ(コネクタ)
31…入力側端子
32…出力側端子
41…入力側導電路
42…出力側導電路
50…ノイズフィルタ
60,260…保持部材
61,261…本体部
62,262…引掛部
261A…本体片
261B…連結部
WH…ワイヤーハーネス
図1
図2
図3
図4