(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(車両用照明装置)
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、自動車や鉄道車両などに設けることができる。自動車に設けられる車両用照明装置1としては、例えば、フロントコンビネーションライト(例えば、デイタイムランニングランプ(DRL:Daytime Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
【0010】
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図2は、車両用照明装置1の模式分解図である。
図3(a)は、
図1における車両用照明装置1のA−A線断面図である。
図3(b)は、
図3(a)におけるB部の模式拡大図である。
図1、
図2、および
図3に示すように、車両用照明装置1には、ソケット10、発光部20、および給電部30が設けられている。
【0011】
ソケット10は、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14を有する。
装着部11は、フランジ13の、放熱フィン14が設けられる側とは反対側の面に設けられている。装着部11の外形形状は、柱状とすることができる。装着部11の外形形状は、例えば、円柱状である。装着部11は、フランジ13側とは反対側の端面に開口する凹部11aを有する。凹部11aの底面11a1には発光部20が設けられる。
【0012】
バヨネット12は、装着部11の外側面に設けられている。バヨネット12は、車両用照明装置1の外側に向けて突出している。バヨネット12は、フランジ13と対峙している。バヨネット12は、複数設けられている。バヨネット12は、車両用照明装置1を車両用灯具100の筐体101に取り付ける際に用いられる。バヨネット12は、ツイストロックに用いられるものである。
【0013】
フランジ13は、板状を呈している。フランジ13は、例えば、円板状を呈したものとすることができる。フランジ13の外側面は、バヨネット12の外側面よりも車両用照明装置1の外方に位置している。
【0014】
放熱フィン14は、フランジ13の、装着部11が設けられる側とは反対側の面に設けられている。放熱フィン14は、複数設けることができる。複数の放熱フィン14は、互いに平行となるように設けることができる。放熱フィン14は、平板状を呈したものとすることができる。
【0015】
また、ソケット10には、絶縁部32を設ける孔10aと、コネクタ105を挿入する孔10bが設けられている。孔10bには、シール部材105aを有するコネクタ105が挿入される。そのため、孔10bの断面形状は、シール部材105aを有するコネクタ105の断面形状に適合したものとなっている。
【0016】
発光部20において発生した熱は、主に、装着部11およびフランジ13を介して放熱フィン14に伝わる。放熱フィン14に伝わった熱は、主に、放熱フィン14から外部に放出される。
【0017】
そのため、発光部20において発生した熱を外部に伝えることを考慮して、ソケット10は高い熱伝導率を有する材料から形成することが好ましい。高い熱伝導率を有する材料は、例えば、金属や、高熱伝導性樹脂などとすることができる。この場合、ソケット10は、金属、および、高熱伝導性樹脂の少なくともいずれかを含むものとすることができる。
高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い酸化アルミニウムや炭素などからなるフィラーを混合させたものである。また、高熱伝導性樹脂を用いてソケット10を形成すれば、発光部20において発生した熱を効率よく放熱することができ、且つ、軽量化を図ることができる。
【0018】
発光部20は、基板21、発光素子22、抵抗23、および制御素子24を有する。
基板21は、凹部11aの底面11a1に設けられている。基板21は、平板状を呈している。基板21の平面形状は、例えば、四角形とすることができる。
基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁性材料で被覆する場合には、絶縁性材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。
【0019】
発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものなどを例示することができる。
また、基板21は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
【0020】
また、基板21の表面には、配線パターン21aが設けられている。配線パターン21aは、例えば、銀を主成分とする材料から形成することができる。配線パターン21aは、例えば、銀や銀合金から形成することができる。ただし、配線パターン21aの材料は、銀を主成分とする材料に限定されるわけではない。配線パターン21aは、例えば、銅を主成分とする材料などから形成することもできる。
【0021】
発光素子22は、基板21の、凹部11aの底面11a1側(ソケット10側)とは反対側に設けられている。発光素子22は、基板21の上に設けられている。発光素子22は、基板21の表面に設けられた配線パターン21aと電気的に接続されている。発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。発光素子22は、複数設けることができる。複数の発光素子22は、互いに直列接続することができる。また、発光素子22は、抵抗23と直列接続されている。
【0022】
発光素子22の形式には特に限定はない。発光素子22は、例えば、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型などの表面実装型の発光素子とすることができる。発光素子22は、例えば、砲弾型などのリード線を有する発光素子とすることもできる。
この場合、COB(Chip On Board)により実装される発光素子22とすれば、実装密度を高くすることができ、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。
【0023】
COB(Chip On Board)により実装される発光素子22とする場合には、
図1および
図2に示すように、チップ状の発光素子22と、発光素子22と配線パターン21aを電気的に接続する配線21bと、発光素子22と配線21bを囲む枠状の部材22aと、枠状の部材22aの内部に設けられた封止部22bなどを基板21の上に設けることができる。
【0024】
この場合、封止部22bには、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。ただし、蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0025】
光の出射面である発光素子22の上面は、車両用照明装置1の正面側に向けられており、主に、車両用照明装置1の正面側に向けて光を出射する。発光素子22の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
【0026】
抵抗23は、基板21の、凹部11aの底面11a1側とは反対側に設けられている。抵抗23は、基板21の上に設けられている。抵抗23は、基板21の表面に設けられた配線パターン21aと電気的に接続されている。
抵抗23は、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。
なお、
図1および
図2に例示をした抵抗23は、膜状の抵抗器である。
膜状の抵抗器の材料は、例えば、酸化ルテニウム(RuO
2)とすることができる。膜状の抵抗器は、例えば、スクリーン印刷法および焼成法を用いて形成することができる。抵抗23が膜状の抵抗器であれば、抵抗23と基板21との接触面積を大きくすることができるので、放熱性を向上させることができる。また、複数の抵抗23を一度に形成することができる。そのため、生産性を向上させることができ、また、複数の抵抗23における抵抗値のばらつきを抑制することができる。
【0027】
ここで、発光素子22の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子と、グランド端子と、の間の印加電圧を一定にすると、発光素子22から照射される光の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子22から照射される光の明るさが所定の範囲内に収まるように、抵抗23により、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。この場合、抵抗23の抵抗値を変化させることで、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。
【0028】
抵抗23が表面実装型の抵抗器やリード線を有する抵抗器などの場合には、発光素子22の順方向電圧特性に応じて適切な抵抗値を有する抵抗23を選択する。
抵抗23が膜状の抵抗器の場合には、抵抗23の一部を除去すれば、抵抗値を増加させることができる。例えば、抵抗23にレーザ光を照射すれば抵抗23の一部を容易に除去することができる。抵抗23の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0029】
制御素子24は、基板21の、凹部11aの底面11a1側とは反対側に設けられている。制御素子24は、基板21の上に設けられている。制御素子24は、基板21の表面に設けられた配線パターン21aと電気的に接続されている。制御素子24は、逆方向電圧が発光素子22に印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22に印加されないようにするために設けられている。
制御素子24は、例えば、ダイオードとすることができる。制御素子24は、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどとすることができる。
図1および
図2に例示をした制御素子24は、表面実装型のダイオードである。
【0030】
その他、発光素子22の断線の検出や、誤点灯防止などのために、プルダウン抵抗を設けることもできる。また、配線パターン21aや膜状の抵抗器などを覆う図示しない被覆部を設けることもできる。被覆部は、例えば、ガラス材料を含むものとすることができる。
また、基板21と凹部11aの底面11dとの間に、放熱板や、熱伝導グリスからなる層を設けることもできる。放熱板は、板状を呈し、熱伝導率の高い材料から形成することができる。放熱板は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属から形成することができる。放熱板や、熱伝導グリスからなる層を設ければ、発光部20において発生した熱が、ソケット10に伝わりやすくなる。
【0031】
給電部30は、給電端子31、絶縁部32、および緩衝部33を有する。
給電端子31は、棒状体とすることができる。給電端子31は、複数設けられている。複数の給電端子31は、所定の方向に並べて設けることができる。複数の給電端子31は、絶縁部32の内部に設けられている。複数の給電端子31は、絶縁部32の内部を延び、絶縁部32の発光部20側の端面および絶縁部32の放熱フィン14側の端面から突出している。
【0032】
図3(a)に示すように、複数の給電端子31の発光部20側の端部は、基板21に設けられた配線パターン21aと電気的および機械的に接続されている。すなわち、給電端子31の一方の端部は、配線パターン21aと半田付けされている。複数の給電端子31の放熱フィン14側の端部は、孔10bの内部に露出している。孔10bの内部に露出する複数の給電端子31には、コネクタ105が嵌め合わされる。
【0033】
給電端子31は、導電性を有する。給電端子31は、例えば、銅合金などの金属から形成することができる。なお、給電端子31の数、形状、材料などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
【0034】
前述したように、ソケット10は熱伝導率の高い材料から形成されるが、熱伝導率の高い材料は導電性を有している場合がある。例えば、金属や、炭素からなるフィラーを含む高熱伝導性樹脂などは、導電性を有している。そのため、絶縁部32は、給電端子31と、導電性を有するソケット10との間を絶縁するために設けられている。また、絶縁部32は、複数の給電端子31を保持する機能をも有する。この場合、例えば、複数の給電端子31を絶縁部32に圧入するか、複数の給電端子31と絶縁部32を一体成形(インサート成形)することで、複数の給電端子31を絶縁部32に保持させることができる。
絶縁部32は、絶縁性を有している。絶縁部32は、樹脂などの絶縁性材料から形成することができる。例えば、絶縁部32は、樹脂を含み、ソケット10に設けられた孔10aの内部に設けられている。絶縁部32は、例えば、PETなどの樹脂から形成することができる。
【0035】
図3(a)、(b)に示すように、絶縁部32は、支持部32a、支持部32b、および保持部32cを有する。
支持部32aは、絶縁部32の基板21側の端部に設けられている。支持部32bは、絶縁部32の放熱フィン14側の端部に設けられている。保持部32cは、支持部32aと支持部32bとの間に設けられている。車両用照明装置1の中心軸に直交する方向において、孔10aの放熱フィン14側の断面積は、孔10aの基板21側の断面積よりも小さくなっている。すなわち、孔10aは、段付き孔となっている。支持部32aは、孔10aの基板21側の内壁に接触している。支持部32bは、孔10aの放熱フィン14側の内壁に接触している。支持部32aおよび支持部32bは、孔10aに圧入することができる。車両用照明装置1の中心軸に直交する方向において、支持部32aの断面積は、支持部32bの断面積よりも大きい。この様にすれば、絶縁部32の圧入方向を間違えるのを防止することができる。車両用照明装置1の中心軸に直交する方向において、保持部32cの断面積は、孔10aの断面積よりも小さい。そのため、保持部32cと孔10aの内壁との間には隙間が形成される。保持部32cの断面積は、孔10aの放熱フィン14側の断面積よりも大きい。そのため、保持部32cの放熱フィン14側の端面が、孔10aの段差面により支持される。
また、保持部32cは、絶縁部32の周方向の全域に設けることもできるし、絶縁部32の周方向に部分的に設けることもできる。
【0036】
緩衝部33は、保持部32cと孔10aの内壁との間に設けられている。保持部32cは、緩衝部33を保持する。緩衝部33は、弾性を有する。例えば、緩衝部33の硬度は、JIS K 6253に準拠したデュロメータタイプAにおいて、20以上90以下とすることができる。例えば、緩衝部33の硬度は、JIS K 6253に準拠したデュロメータタイプDにおいて、10以上60以下とすることができる。例えば、緩衝部33のヤング率は、60MPa以下とすることができる。
緩衝部33は、例えば、シリコーン樹脂やウレタン樹脂などから形成することができる。
緩衝部33は、例えば、以下のようにようにして形成することができる。
まず、樹脂などの弾性材料と溶剤を混合して、例えば、ペースト状、コロイド状、スラリー状、または、ゼリー状等の液状にする。次に、液状の弾性材料を保持部32cに塗布する。次に、液状の弾性材料が塗布された絶縁部32を孔10aに圧入する。液状の弾性材料から溶剤が揮発すると、緩衝部33が、保持部32cと孔10aの内壁との間に形成される。
【0037】
ここで、絶縁部32の材料である樹脂の線膨張係数は、100〜140×10
−6/℃程度である。ソケット10の材料である金属や高熱伝導性樹脂などの線膨張係数は、10〜20×10
−6/℃程度である。そのため、絶縁部32の線膨張係数は、ソケット10の線膨張係数に比べて5倍〜10倍程度高くなる場合がある。そのため、絶縁部32の熱膨張量(または、熱収縮量)と、ソケット10の熱膨張量(または、熱収縮量)とが異なるものとなる。また、自動車に設けられる車両用照明装置1の場合には、使用環境の温度が、−40℃〜85℃の範囲で変化する。そのため、使用環境の温度変化により、絶縁部32とソケット10との間に繰り返し熱膨張と熱収縮とが発生する。繰り返し熱膨張と熱収縮とが発生すると、時間の経過とともにソケット10と絶縁部32との間に僅かな隙間が生じ、圧入により生じたソケット10と絶縁部32との間の接合強度が低下するおそれがある。
【0038】
本実施の形態に係る車両用照明装置1においては、弾性を有する緩衝部33が、絶縁部32(保持部32c)とソケット10との間に設けられている。そのため、使用環境の温度変化により、絶縁部32とソケット10との間に繰り返し熱膨張と熱収縮とが発生したとしても、緩衝部33により熱膨張と熱収縮とが吸収される。
また、緩衝部33は、絶縁部32とソケット10とにより画された空間に設けられる。ここで、本発明者の得た知見によれば、閉鎖された空間に設けられた緩衝部33の剛性は、緩衝部33単体の剛性の数倍となる。そのため、緩衝部33単体の剛性が低いものであっても、絶縁部32(保持部32c)とソケット10との間に設けらた緩衝部33の剛性は高くなる。
以上のことにより、使用環境の温度が変化したとしても、ソケット10と絶縁部32との間の接合強度が低下するのを抑制することができる。
【0039】
図4は、他の実施形態に係る絶縁部42を例示するための模式斜視図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、
図4においては、複数の給電端子31が設けられる孔を省いて描いている。
前述したものと同様に、絶縁部42は、支持部32a、支持部32b、および保持部32cを有する。またさらに、
図4に示すように、絶縁部42は、溝32a1を有する。溝32a1は、支持部32aの基板21側の端面と、支持部32aの放熱フィン14側の端面との間を貫通している。すなわち、溝32a1は、保持部32cと孔10aの内壁との間に形成された空間に繋がっている。溝32a1を設ければ、溝32a1を介して、液状の弾性材料を保持部32cと孔10aの内壁との間に形成された空間に充填することができる。そのため、絶縁部42の形成が容易となる。溝32a1の数、配置、断面形状、寸法などは例示をしたものに限定されるわけではなく、液状の弾性材料の粘度などに応じて適宜変更することができる。なお、複数の溝32a1を設ければ、保持部32cと孔10aの内壁との間に形成された空間に液状の弾性材料を充填する際に、空間にある空気を逃がすことができる。そのため、液状の弾性材料の充填が容易となる。なお、溝32a1に代えて、支持部32aの基板21側の端面と、支持部32aの放熱フィン14側の端面との間を貫通する孔を設けてもよい。
【0040】
図5は、他の実施形態に係る絶縁部52を例示するための模式斜視図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、
図5においては、複数の給電端子31が設けられる孔を省いて描いている。
図5に示すように、絶縁部52は、支持部32a、支持部32b、および保持部32c1を有する。保持部32c1は、給電端子31が延びる方向に延びる溝とすることができる。この場合、保持部32c1の端部が、支持部32aの基板21側の端面に開口していれば、液状の弾性材料を充填するのが容易となる。なお、溝状の保持部32c1の数、配置、断面形状、寸法などは例示をしたものに限定されるわけではなく、絶縁部52とソケット10との間に発生する熱膨張と熱収縮の大きさなどに応じて適宜変更することができる。
【0041】
図6は、他の実施形態に係る絶縁部62を例示するための模式斜視図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、
図6においては、複数の給電端子31が設けられる孔を省いて描いている。
図6に示すように、絶縁部62は、支持部32a、支持部32b、および保持部32c2を有する。保持部32c2は、支持部32aの周方向に巡る溝とすることができる。なお、保持部32c2の数、配置、断面形状、寸法などは例示をしたものに限定されるわけではなく、絶縁部62とソケット10との間に発生する熱膨張と熱収縮の大きさなどに応じて適宜変更することができる。緩衝部33は、前述した保持部32cの場合と同様にして形成することができる。すなわち、溝状の保持部32c2に液状の弾性材料を塗布し、液状の弾性材料が塗布された絶縁部62を孔10aに圧入すればよい。
【0042】
また、
図6に示すように、支持部32aの基板21側の端面に開口し、給電端子31が延びる方向に延びる溝32a2を設けることもできる。
溝部32a2を設ければ、溝部32a2を介して、液状の弾性材料を保持部32c2と孔10aの内壁との間に形成された空間に充填することができる。そのため、絶縁部62の形成が容易となる。溝部32a2の数、配置、断面形状、寸法などは例示をしたものに限定されるわけではなく、液状の弾性材料の粘度などに応じて適宜変更することができる。なお、複数の溝部32a2を設ければ、保持部32c2と孔10aの内壁との間に形成された空間に液状の弾性材料を充填する際に、空間にある空気を逃がすことができる。そのため、液状の弾性材料の充填が容易となる。なお、溝部32a2に代えて、支持部32aの基板21側の端面に開口し、給電端子31が延びる方向に延びる孔を設けてもよい。
【0043】
図7は、他の実施形態に係る絶縁部72を例示するための模式斜視図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、
図7においては、複数の給電端子31が設けられる孔を省いて描いている。
図7に示すように、絶縁部72は、支持部32a、支持部32b、および保持部32c3を有する。保持部32c3は、支持部32aの側面に開口する凹部とすることができる。なお、保持部32c3の数、配置、断面形状、寸法などは例示をしたものに限定されるわけではなく、絶縁部72とソケット10との間に発生する熱膨張と熱収縮の大きさなどに応じて適宜変更することができる。緩衝部33は、前述した保持部32cの場合と同様にして形成することができる。すなわち、凹状の保持部32c2に液状の弾性材料を塗布し、液状の弾性材料が塗布された絶縁部72を孔10aに圧入すればよい。
【0044】
図8は、他の実施形態に係る絶縁部82を例示するための模式斜視図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、
図8においては、複数の給電端子31が設けられる孔を省いて描いている。
図8に示すように、絶縁部82は、支持部32a、支持部32b、および複数の凸部32a3を有する。複数の凸部32a3は、支持部32aから突出している。複数の凸部32a3の頂部は、孔10aの内壁に接触する。複数の凸部32a3同士の間が、保持部となる。なお、複数の凸部32a3の数、配置、断面形状、寸法などは例示をしたものに限定されるわけではなく、絶縁部82とソケット10との間に発生する熱膨張と熱収縮の大きさなどに応じて適宜変更することができる。緩衝部33は、前述した保持部32cの場合と同様にして形成することができる。すなわち、支持部32aの側面に液状の弾性材料を塗布し、液状の弾性材料が塗布された絶縁部82を孔10aに圧入すればよい。また、絶縁部82を孔10aに圧入し、液状の弾性材料を複数の凸部32a3同士の間に充填してもよい。
【0045】
また、以上に例示をしたものは、絶縁部に保持部を設けているが、孔10aの内壁に保持部を設けることもできる。この場合、保持部は、絶縁部の側面、および孔10aの内壁の少なくともいずれかに設けられていればよい。
また、絶縁部の寸法精度や形状精度には製造誤差がある。孔10aの寸法精度や形状精度にも製造誤差がある。そのため、絶縁部を孔10aに圧入した際に、一部の領域において絶縁部と孔10aの内壁との間に隙間が生じ得る。そのため、保持部が設けられていない絶縁部の側面に液状の弾性材料を塗布し、液状の弾性材料が塗布された絶縁部を孔10aに圧入すれば、絶縁部と孔10aの内壁との間に緩衝部33を形成することができる。
すなわち、緩衝部33は、絶縁部と孔10aの内壁との間の少なくとも一部の領域に設けられていればよい。ただし、絶縁部に保持部を設ければ、緩衝部33が設けられる領域を確保することができるので、絶縁部の固定に対する信頼性をさらに向上させることができる。また、複数の車両用照明装置1の間における接合強度のばらつきを小さくすることができる。
【0046】
(車両用灯具)
次に、車両用灯具100について例示する。
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるフロントコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるフロントコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられる車両用灯具であればよい。
【0047】
図9は、車両用灯具100を例示するための模式部分断面図である。
図9に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素部103、シール部材104、およびコネクタ105が設けられている。
【0048】
筐体101は、装着部11を保持する。筐体101は、一方の端部側が開口した箱状を呈している。筐体101は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成することができる。筐体101の底面には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分が挿入される取付孔101aが設けられている。取付孔101aの周縁には、装着部11に設けられたバヨネット12が挿入される凹部が設けられている。なお、筐体101に取付孔101aが直接設けられる場合を例示したが、取付孔101aを有する取付部材が筐体101に設けられていてもよい。
【0049】
車両用照明装置1を車両用灯具100に取り付ける際には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分を取付孔101aに挿入し、車両用照明装置1を回転させる。すると、取付孔101aの周縁に設けられた嵌合部にバヨネット12が保持される。この様な取り付け方法は、ツイストロックと呼ばれている。
【0050】
カバー102は、筐体101の開口を塞ぐようにして設けられている。カバー102は、透光性を有する樹脂などから形成することができる。カバー102は、レンズなどの機能を有するものとすることもできる。
【0051】
光学要素部103には、車両用照明装置1から出射した光が入射する。光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光の反射、拡散、導光、集光、所定の配光パターンの形成などを行う。例えば、
図9に例示をした光学要素部103はリフレクタである。この場合、光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンが形成されるようにする。
【0052】
シール部材104は、フランジ13と筐体101の間に設けられている。シール部材104は、環状を呈するものとすることができる。シール部材104は、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成することができる。
【0053】
車両用照明装置1が車両用灯具100に取り付けられた際には、シール部材104は、フランジ13と筐体101との間に挟まれる。そのため、シール部材104により、筐体101の内部空間が密閉される。また、シール部材104の弾性力により、バヨネット12が筐体101に押し付けられる。そのため、車両用照明装置1が、筐体101から脱離するのを抑制することができる。
【0054】
コネクタ105は、孔10bの内部に露出している複数の給電端子31の端部に嵌め合わされる。コネクタ105には、図示しない電源などが電気的に接続されている。そのため、コネクタ105を給電端子31の端部に嵌め合わせることで、図示しない電源などと、発光素子22とが電気的に接続される。また、コネクタ105は、段差部分を有している。そして、シール部材105aが、段差部分に取り付けられている。シール部材105aは、孔10bの内部に水が侵入するのを防ぐために設けられている。シール部材105aを有するコネクタ105が孔10bに挿入された際には、孔10bが水密となるように密閉される。シール部材105aは、環状を呈するものとすることができる。シール部材105aは、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成することができる。コネクタ105は、例えば、接着剤などを用いてソケット10側の要素に接合することもできる。
【0055】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。