(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記点数更新部は、理美容院で対処した場合の統計データにおいて抜毛症が高確率で改善される診断スコアの境界点に応じて、前記改善要素マスタ記憶部に記憶される点数を配点する請求項1に記載の抜毛症改善診断装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施の形態は、あくまでも例示である。すなわち、以下に説明する実施の形態は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお、図面において、同一符号を付した部分は、特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を表す。
【0012】
[概要]
抜毛症に悩む全国の未就学児童から大人の抜毛症まで広くその改善の為の技術や情報サービスの提供が望まれている。現在、医療では、効果の低い薬物療法を採用し、理美容室等では、ウィッグや育毛・増毛等の対処療法的な手段しかなかった。本発明者は、延べ2000名以上の統計データから、抜毛症の改善の可能性を数値化・視覚化できるようにした。
【0013】
[システム構成]
図1は、本実施の形態における抜毛症改善診断システムの構成図である。この図に示すように、利用端末10と、抜毛症改善診断装置20と、管理端末30とがインターネット網などのネットワークNに接続されている。
【0014】
利用端末10は、本システムの会員などが操作するコンピュータである。本実施の形態では、会員である美容師が、美容室を訪れた抜毛症のお客様からヒアリングを行う際にタブレット型の利用端末10を用いる場面を想定して説明する。
【0015】
抜毛症改善診断装置20は、ヒアリング結果に基づいて抜毛症の改善の見込みを診断するコンピュータである。抜毛症改善診断装置20は、汎用的なコンピュータにより実現できる。抜毛症改善診断装置20の機能の詳細については後述する。
【0016】
管理端末30は、本システムの管理者が操作するコンピュータである。管理端末30も、汎用的なコンピュータにより実現できる。管理者は、管理端末30を用いて本システムの全体的な設定を行う。
【0017】
[抜毛症改善診断装置]
図2は、抜毛症改善診断装置20の機能ブロック図である。この図に示すように、抜毛症改善診断装置20は、通信部21と、診断スコア算出部22と、診断結果発行部23と、点数更新部24と、記憶部25とを備える。このような各機能部は、コンピュータにおいて、CPUがメモリ上にロードされたプログラムを実行することにより実現される(後述する)。
【0018】
通信部21は、他の端末との間の通信の制御等を行う。具体的には、ネットワークNを介して利用端末10や管理端末30と通信するものである。
【0019】
記憶部25は、各種の情報(データベース)を記憶する。記憶部25には、お客様情報記憶部25Aと、診断情報記憶部25Bと、改善要素マスタ記憶部25Cとが含まれる。
【0020】
お客様情報記憶部25Aは、お客様情報を記憶する。お客様情報は、診断対象者であるお客様に関する情報である。ここでは、美容室を訪れたお客様を診断対象者とする場合を想定して説明するが、病院を訪れた患者を診断対象者とすることも可能である。
【0021】
診断情報記憶部25Bは、抜毛衝動要素を診断情報として記憶するとともに、改善要素を診断情報として記憶する。抜毛衝動要素とは、「学校関係・受験問題」「友人関係の問題」「家庭内の問題」など、抜毛衝動につながる要素を示す情報をいう。改善要素とは、「好きなお菓子」「好きな音楽」「ペット」など、抜毛衝動を抑止する要素を示す情報をいう。
【0022】
改善要素マスタ記憶部25Cは、予め改善要素と点数とを対応付けて記憶する。このように点数を記憶する処理は、プログラムを実行することにより自動で行うようにしてもよいし、管理端末30を用いて管理者が手動で行うようにしてもよい。
【0023】
診断スコア算出部22は、診断スコアを算出する。診断スコアは、抜毛症の改善の見込みを数値化したものであり、改善見込ポイントと言い換えることもできる。
【0024】
診断結果発行部23は、診断スコアが含まれる診断結果を発行する。診断結果は、抜毛症の改善の見込みを数値化・視覚化したものである。本システムの会員は、美容師や理容師だけでなく、医療関係者であってもよい。以下の説明では、診断結果を「処方箋」と呼ぶことにするが、この呼び名については何ら限定されるものではない。
【0025】
点数更新部24は、改善要素マスタ記憶部25Cに記憶される点数を更新する。このように点数を更新する処理は、プログラムを実行することにより自動で行うようにしてもよいし、管理端末30を用いて管理者が手動で行うようにしてもよい。
【0026】
[データベース構成]
図3は、記憶部25に記憶されるデータベース構成図である。以下、
図3を用いて、各データベースの内部構成を例示する。
【0027】
図3(a)に示すように、お客様情報記憶部25Aは、お客様ID、氏名、カナ、誕生日、性別、担当会員などのお客様情報を記憶している。お客様IDは、お客様の識別情報である。氏名、カナ、誕生日、性別は、お客様の氏名、カナ、誕生日、性別である。担当会員は、お客様を担当した会員(美容師)の氏名である。
【0028】
図3(b)に示すように、診断情報記憶部25Bは、お客様ID、診断種別、内容などの診断情報を記憶している。診断種別は、診断情報の種別であり、ここでは、抜毛衝動要素か改善要素のいずれかである。内容は、診断情報の具体的な内容である。お客様ID「1」のお客様については、ご両親の養育方針と友人関係が抜毛衝動要素であり、チョコレートが改善要素である場合を例示している。
【0029】
図3(c)に示すように、改善要素マスタ記憶部25Cは、改善要素、ジャンル、点数などを対応付けて記憶している。ジャンルは、改善要素が属するジャンルである。点数は、改善要素に付与された点数である。ここでは、改善要素「チョコレート」は、お菓子のジャンルに属し、20点が付与されている。改善要素「クッキー」は、お菓子のジャンルに属し、15点が付与されている。改善要素「犬」は、ペットのジャンルに属し、30点が付与されている。
【0030】
[診断スコア]
次に、診断スコアの算出方法について具体的に説明する。診断スコア算出部22は、記憶部25を参照し、改善要素に付与された点数の合計値を診断スコアとして算出する。例えば、
図3に示されるお客様ID「1」の診断スコアを算出する場合、改善要素はチョコレートだけであるため、チョコレートに付与された20点を診断スコアとして算出する。もちろん、改善要素が2つ以上ある場合、「お菓子10点+10点+・・・+音楽20点+・・・」のように、改善要素に付与された点数全てを加算した合計値を診断スコアとして算出することになる。
【0031】
[更新処理]
次に、改善要素マスタ記憶部25Cに記憶される点数を更新する処理について説明する。点数更新部24は、改善要素のジャンル毎に異なるアルゴリズムを用いて、改善要素マスタ記憶部25Cに記憶される点数を更新する。これにより、膨大なデータ(アンケート結果を含む。)をジャンル毎に異なるアルゴリズムで処理し、配点を最適化できる。
【0032】
例えば、ジャンルが「お菓子」である場合、改善要素に含まれる糖質の量に基づいて、改善要素マスタ記憶部25Cに記憶される点数を更新してもよい。糖質は、脳内物質であるセロトニンに影響を及ぼす。高糖質なものほど、抜毛症の改善の見込みが高くなる傾向があるため、配点を高くするのが好ましい。
【0033】
また、点数更新部24は、理美容院で対処した場合の統計データにおいて抜毛症が高確率で改善される診断スコアの境界点に応じて、改善要素マスタ記憶部25Cに記憶される点数を配点してもよい。本実施の形態では、抜毛症が90%以上改善される診断スコアの境界点を150点とし(後述する)、チョコレートに20点を付与している。そのため、抜毛症が90%以上改善される診断スコアの境界点を300点に変更した場合、チョコレートに40点を付与してもよい。もちろん、管理者は、これらの点数を手動により微調整することもできる。
【0034】
[動作]
図4は、本システムの動作を示すフローチャートである。ここでも、美容師が利用端末10を操作しながら抜毛症のお客様からヒアリングを行う場面を想定している。
【0035】
まず、利用端末10において本システムの利用開始が指示されると(ステップS1)、この利用開始指示が抜毛症改善診断装置20に通知される。これにより、抜毛症改善診断装置20から利用端末10にログイン画面が返される(ステップS2)。
【0036】
次いで、利用端末10に表示されたログイン画面においてIDとパスワードが入力されると(ステップS3)、この認証情報が抜毛症改善診断装置20に通知される。これにより、抜毛症改善診断装置20において認証情報が確認される(ステップS4)。その結果、認証に成功した場合は、抜毛症改善診断装置20から利用端末10にお客様診断画面が返される(ステップS5→S6)。一方、認証に失敗した場合は、その旨が抜毛症改善診断装置20から利用端末10に通知され、ログイン画面に戻る(ステップS5→S3)。
【0037】
次いで、利用端末10に表示されたお客様診断画面において氏名・生年月日・性別などのお客様情報が入力されると(ステップS7)、このお客様情報が抜毛症改善診断装置20に通知される。これにより、このお客様情報が抜毛症改善診断装置20のお客様情報記憶部25Aに記憶される(ステップS8)。
【0038】
次いで、利用端末10に表示されたお客様診断画面において抜毛衝動要素が入力されると(ステップS9)、この抜毛衝動要素が抜毛症改善診断装置20に通知される。これにより、この抜毛衝動要素が抜毛症改善診断装置20の診断情報記憶部25Bに記憶される(ステップS10)。
【0039】
次いで、利用端末10に表示されたお客様診断画面において改善要素が入力されると(ステップS11)、この改善要素が抜毛症改善診断装置20に通知される。これにより、この改善要素が抜毛症改善診断装置20の診断情報記憶部25Bに記憶される(ステップS12)。
【0040】
なお、抜毛症改善診断装置20は、診断情報記憶部25Bに抜毛衝動要素が記憶されていない状態で、そのお客様の改善要素が通知された場合、利用端末10にエラーを返すようにしてもよい。このようにすれば、利用端末10において、抜毛衝動要素が入力された後に限り、改善要素の入力を受け付けることが可能である(後述する)。
【0041】
次いで、利用端末10に表示されたお客様診断画面において診断スコアが要求されると(ステップS13)、この診断スコア要求が抜毛症改善診断装置20に通知される。これにより、抜毛症改善診断装置20において診断スコアが算出され、利用端末10に返される(ステップS14→S15)。
【0042】
次いで、利用端末10に表示されたお客様診断画面において処方箋の発行が要求されると(ステップS16)、この処方箋発行要求が抜毛症改善診断装置20に通知される。これにより、抜毛症改善診断装置20において例えばPDF(Portable Document Format)などのファイル形式で処方箋が発行され、利用端末10に返される(ステップS17)。
【0043】
最後に、利用端末10において処方箋を印字し、紙の処方箋をお客様に提示する(ステップS18)。処方箋をお客様に提示する方法は様々ある。例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に処方箋を格納してお客様に提供してもよい。あるいは、処方箋を電子メールに添付してお客様指定のアドレスに送付してもよい。
【0044】
[画面遷移]
図5〜
図8は、利用端末10に表示される画面の遷移図である。以下、
図5〜
図8に従って、本システムの構成をより具体的に説明する。
【0045】
図5は、利用端末10に表示されたログイン画面である。ログイン画面は、IDを入力するためのID入力欄51と、パスワードを入力するためのパスワード入力欄52と、ログインを指示するためのログインボタン53を備えている。このようなログイン画面はよく知られているため、詳しい説明を省略する。
【0046】
図6〜
図8は、利用端末10に表示されたお客様診断画面である。お客様診断画面は、お客様ごとに専用の診断画面であって、各種のボタンと表示領域を備えている。これらの画面は単なる例示であり、細部については種々の変形が可能であることはいうまでもない。
【0047】
まず、
図6のお客様診断画面においてお客様情報入力部61上をクリックすると、お客様情報を入力するための画面が表示される。これにより、氏名・生年月日・性別などのお客様情報を入力すると、そのお客様情報を反映した画面になる(
図7参照)。
【0048】
次いで、お客様からヒアリングを行う。その結果、友人関係の問題が抜毛衝動要素であると考えられる場合は、そのことを抜毛衝動要素入力部62に入力する(
図7参照)。また、チョコレート、犬が改善要素であると考えられる場合は、そのことを改善要素入力部64に入力する(
図7参照)。更に、ストレッチ・ヨガ、ファッション誌が改善要素であると考えられる場合は、そのことを改善要素入力部64に入力する(
図8参照)。このように抜毛衝動要素や改善要素を入力する方法は、画面上の所定領域(図中に丸印で示される領域)をクリックする方法など様々あり、特に限定されるものではない。
【0049】
ヒアリングの際、第1の表示領域63上をクリックすると、抜毛衝動に関する説明図が表示され、第2の表示領域65上をクリックすると、改善要素に関する説明図が表示されるようになっている(
図8参照)。これらの説明図は、全てのお客様で共通の内容でかまわない。
【0050】
ヒアリングの流れとしては、(1)抜毛衝動要素の入力、(2)抜毛衝動に関する説明図の表示、(3)改善要素の入力、(4)改善要素に関する説明図の表示という順番とするのが好ましい。このようにすれば、会員間でヒアリングの仕方にバラツキが生じにくくなる。
【0051】
ヒアリングの流れは適宜変更することが可能であるが、利用端末10において、抜毛衝動要素が入力された後に限り、改善要素の入力を受け付けるのが好ましい。このような順番によれば、お客様の悩みを引き出したうえで改善要素について説明する流れとなるため、抜毛症の改善に対するお客様の取り組み度合いを向上させる効果がある。
【0052】
次いで、
図7のお客様診断画面において診断スコア要求部66上をクリックすると、
図8に示すように、診断スコア(この例では106)が表示される。その後、処方箋発行ボタン67をクリックすると、例えばPDF(Portable Document Format)などのファイル形式で処方箋が発行され、利用端末10において処方箋を印字できる状態になる。処方箋の内容は、基本的には、
図8のお客様診断画面の内容と同様である。
【0053】
なお、お客様診断画面において、美容師が手動で診断スコアを入力する診断スコア調整部68を設けてもよい(
図6、
図7参照)。これにより、
図8に示すように、美容師の経験値(この例では40)を診断スコアに反映することも可能である。
【0054】
[統計データ]
本発明者は、延べ2000名以上のお客様について、理美容院で独自メソッドにより抜毛症の改善を試み、統計をとった。独自メソッドについては詳しい説明を省略するが、ウィッグや育毛・増毛等が含まれてもよいことはもちろんである。
【0055】
図9は、本実施の形態における統計データの説明図である。ここでは、説明を簡略化するため、統計データの中身を概念的に示している。
【0056】
図9(a)は、診断スコアと改善の見込みとの関係を示す模式図である。
図9(a)に示すように、診断スコアが70点以下のお客様については、抜毛症が悪化する傾向があることがわかった。また、診断スコアが100点付近のお客様については、抜毛症が現状維持される傾向があることがわかった。更に、診断スコアが150点以上のお客様については、急激に抜毛症が改善する傾向があることがわかった。具体的には、診断スコアが150点以上のお客様については、1年間での改善率が90%を超えた(10人中9人が改善した)。
【0057】
図9(b)は、改善要素と改善速度との関係を示すグラフである。
図9(b)に示すように、改善要素が多いほど改善速度が上がることがわかった。仮に、分母(抜毛衝動)を100点とすると、分子(改善要素)は150点を目指すことが好ましい。好ましい例としては、「お菓子10点+10点+10点+10点+音楽20点+ゲーム20点+ペット30点+漫画20点+面白動画20点=150点」などが挙げられる。この場合、抜毛衝動100点に対して改善要素150点の方が多いため、改善速度が大きい。
【0058】
以上のように、本システムによれば、抜毛症の改善の可能性を数値化・視覚化できる。そのため、抜毛症の改善について病院に相談するか理美容院に相談するかを明確に提示することが可能である。この例では、診断スコアが150点未満であれば病院に相談し、150点以上であれば理美容院に相談することが好ましい。
【0059】
全国には抜毛症で悩んでいる人が300万人以上存在すると言われている。このような状況の中、本システムを理美容院に普及することは非常に価値の高いものである。ここでは、本システムを理美容院に適用した場面を例示したが、病院などの医療機関に適用してもよい。医療機関に適用した場合は、薬物療法が不要または低減できる効果が期待される。
【0060】
[ハードウェア構成]
図10は、抜毛症改善診断装置20のハードウェア構成図である。この図に示すように、抜毛症改善診断装置20は、汎用的なコンピュータであって、例えば、プロセッサ20A、メモリ20B、記憶部20C、IF(Interface)部20D、入出力部20E、読取部20Fがバス20Iを介して相互に通信可能に接続されている。
【0061】
プロセッサ20Aは、種々の制御や演算を行なう演算処理装置である。プロセッサ20Aは、メモリ20B、記憶部20C、記録媒体20H、図示しないROM(Read Only Memory)等に格納されたプログラムを実行することにより、種々の機能を実現する。
【0062】
メモリ20Bは、種々のデータやプログラムを記憶する記憶装置である。メモリ20Bとしては、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリが挙げられる。
【0063】
記憶部20Cは、種々のデータやプログラム等を記憶する記憶装置である。記憶部20Cとしては、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)等の半導体ドライブ装置、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリが挙げられる。
【0064】
IF(Interface)部20Dは、他の端末との間の通信の制御等を行うものである。IF部20Dとしては、LAN(Local Area Network)、ファイバチャネル(FC)、インフィニバンド(InfiniBand)等に準拠したアダプタが挙げられる。
【0065】
入出力部20Eは、データを入力する入力装置、及びデータを出力する出力装置である。入出力部20Eとしては、マウスやキーボード等が挙げられる。出力装置としては、ディスプレイやプリンタ等が挙げられる。
【0066】
読取部20Fは、コンピュータ読取可能な記録媒体20Hに記録されたデータやプログラムを読み出す装置である。読取部20Fとしては、磁気/光ディスクやフラッシュメモリ等の非一時的な記録媒体が挙げられる。
【0067】
以上のように、抜毛症改善診断装置20としては、汎用的なコンピュータを用いることができる。利用端末10や管理端末30のハードウェア構成についても同様である。
【0068】
なお、
図12では、抜毛症改善診断装置20を一つのハードウェア上に構成した場合を例示しているが、これに限定されるものではない。例えば、記憶部20C(
図2に示される記憶部25に相当)は、別のハードウェア上に構成してもよい。
【0069】
[特徴的構成とその効果]
以上説明したように、本実施の形態における抜毛症改善診断装置20は、抜毛症の改善の見込みを診断する装置であって、お客様情報記憶部25Aと、診断情報記憶部25Bと、改善要素マスタ記憶部25Cと、診断スコア算出部22と、診断結果発行部23とを備える。お客様情報記憶部25Aは、ネットワークNを介して通信可能に接続された利用端末10からお客様IDを含むお客様情報が入力されると、お客様情報を記憶する。診断情報記憶部25Bは、利用端末10からお客様IDを含む抜毛衝動要素が入力されると、抜毛衝動要素を診断情報として記憶するとともに、利用端末10からお客様IDを含む改善要素が入力されると、改善要素を診断情報として記憶する。改善要素マスタ記憶部25Cは、予め改善要素と点数とを対応付けて記憶する。診断スコア算出部22は、利用端末10からお客様IDを指定して診断スコアが要求されると、そのお客様IDの改善要素全てを診断情報記憶部25Bから抽出し、その改善要素全てに対応する点数を改善要素マスタ記憶部25Cから抽出し、その点数全てを加算することにより、抜毛症の改善の見込みを数値化した診断スコアを算出する。診断結果発行部23は、利用端末10からお客様IDを指定して処方箋(診断結果)の発行が要求されると、診断スコアが含まれる処方箋を発行する。これにより、抜毛症の改善の可能性を数値化・視覚化できる。
【0070】
更に、改善要素のジャンル毎に異なるアルゴリズムを用いて、改善要素マスタ記憶部25Cに記憶される点数を更新する点数更新部24を備えてもよい。これにより、随時、改善要素のジャンル毎に点数を最適化できるため、より高い精度で抜毛症の改善の可能性を診断できる。
【0071】
また、点数更新部24は、理美容院で対処した場合の統計データにおいて抜毛症が高確率で改善される診断スコアの境界点に応じて、改善要素マスタ記憶部25Cに記憶される点数を配点してもよい。これにより、診断スコアの境界点が変更された場合は、それに応じて改善要素マスタ記憶部25Cの配点を連動させることができる。
【0072】
また、利用端末10において、抜毛衝動要素が入力された後に限り、改善要素の入力を受け付けるように制御してもよい。このような順番によれば、お客様の悩みを引き出したうえで改善要素について説明する流れとなるため、抜毛症の改善に対するお客様の取り組み度合いを向上させる効果がある。
【0073】
なお、本発明は、このような抜毛症改善診断装置20が備える特徴的な各機能部を各ステップとする抜毛症改善診断方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるための抜毛症改善診断プログラムとして実現したりすることもできる。
【0074】
また、このような抜毛症改善診断装置20が備える特徴的な各機能部を利用端末10側に備えれば、利用端末10単体で本システムを構築することも可能である。利用端末10にインストールされるプログラムは、インターネット網などのネットワークNを通じて提供できることはいうまでもない。
【0075】
[その他の実施の形態]
以上のように、本発明の実施の形態について記載したが、開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【解決手段】抜毛症改善診断装置20は、お客様情報を記憶するお客様情報記憶部25Aと、抜毛衝動要素と改善要素を診断情報として記憶する診断情報記憶部25Bと、予め改善要素と点数とを対応付けて記憶する改善要素マスタ記憶部25Cと、抜毛症の改善の見込みを数値化した診断スコアを算出する診断スコア算出部22と、診断スコアが含まれる診断結果を発行する診断結果発行部23とを備える。