(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記上流側経路部が、前記入水口に接続された筒状のジョイント部材を介して前記入水口に接続されており、前記ジョイント部材の下流端と前記上流側経路部とが、両者へ弾性的に係合する第3クリップ部材によって分離可能に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の給湯器。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、給湯器の一例である風呂給湯器を示す斜視図、
図2はフロントカバーを外した状態の正面図、
図3は
図2のA−A線断面図である。この風呂給湯器1は、前面を除く五面が、天板3と底板4、左右の側板5,5、背板6とによって囲まれる筐体2と、その筐体2の前面の開口7を閉塞する着脱可能なフロントカバー8とを備える。フロントカバー8の上部には、左右方向に延びる排気筒9が突出し、下部には吸気口10,10・・が形成されている。底板4には、外部の給湯栓へ繋がる出湯口11、外部から水道管が接続される入水口12、外部からガス管が接続されるガス入口13、浴槽へ繋がる往き口14及び戻り口15がそれぞれ設けられている。16,16は、背板6の上下に設けられる壁取付用の金具である。
【0011】
筐体2内では、上部に内胴17が設けられている。この内胴17は、下方から、バーナユニット18、熱交換器19、排気フード20の順に設置してなる。
まず、バーナユニット18では、熱交換器19と連通する下ケーシング21を有し、下ケーシング21の下部に、図示しない給湯用の第1バーナ群と風呂の追い焚き用の第2バーナ群とが左右方向(ここでは第1バーナ群が
図2での右側、第2バーナ群が左側)に並設されている。下ケーシング21の手前側には、各バーナに設けた混合管の後端に向けて設置され、ガス入口13にガス管を介して接続される図示しないノズルを支持するノズル台22が設けられている。23はノズル台22の手前側を覆う上カバー、24はその下方で配管側を覆うと共に配線を仕切るための下カバーで、バーナユニット18の下方には、各バーナ群に燃焼用空気を供給する給気ファン25(
図4)が設けられている。
【0012】
次に、熱交換器19では、下ケーシング21と連通する四角筒状の中ケーシング26を有し、中ケーシング26内に、第1バーナ群の上方に位置する給湯側熱交換器と、第2バーナ群の上方に位置する風呂側熱交換器とが左右方向に並設されている。そして、下ケーシング21と中ケーシング26との内部では、第1バーナ群と第2バーナ群との間及び給湯側熱交換器と風呂側熱交換器との間を仕切る図示しない仕切部材により、第1バーナ群と給湯側熱交換器とが配置される右側の第1燃焼室と、第2バーナ群と風呂側熱交換器とが配置される左側の第2燃焼室とに仕切られている。
【0013】
給湯側熱交換器及び風呂側熱交換器は、
図11に示すように、前後方向に所定間隔をおいて複数枚積層したフィン28,28・・を前後方向に貫通して中ケーシング26内部で平行に配設される複数の伝熱管27,27・・を有する。隣接する伝熱管27,27同士は、中ケーシング26の外部でU字状の接続管29,29・・によって前後で交互に接続されることで、各熱交換器ごとに蛇行状に繋がる一連の管体となっている。各熱交換器の接続管29には、空焚き検出用のバイメタルスイッチ30がそれぞれ設けられている。31は、中ケーシング26の損傷を検出する面センサである。
【0014】
また、給湯側熱交換器の管体の上流端には、後述する水側部品40を介して入水口12と接続される入水管32の下流端が接続され、当該管体の下流端には、出湯口11に接続される出湯管33が接続されている。さらに、水側部品40と出湯管33との間には、給湯側熱交換器をバイパスするバイパス管34が接続されている。
一方、風呂側熱交換器の管体の下流端には、往き口14に接続される往き管35が接続され、当該管体の上流端には、戻り口15に接続される戻り管36が接続されている。37は、風呂循環用のポンプで、出湯管33には、往き管35に接続されて出湯管33の湯で浴槽へ湯張りするための落とし込み管38が分岐接続されている。
【0015】
(水側部品の説明)
そして、入水口12と、入水管32の上流端と、バイパス管34の上流端とは、水側部品40を介して分岐接続されている。
この水側部品40は、
図5に示すように、入水口12と接続される上流側経路部41と、上流側経路部41の下流側に接続され、入水管32と接続される第1経路部42と、上流側経路部41に分岐接続されてバイパス管34と接続される第2経路部43とを有する三つ叉構造となっている。
まず、上流側経路部41は、内部の流路に水量制御弁を設けた全量絞り部44に、水量センサ46を備えた下向き筒45と、第1経路部42と連結される前向き筒47とをそれぞれ連結したL字状の経路を有し、全量絞り部44には、第1ステッピングモータ48が設けられて、水量制御弁の開度(全量絞り部44の流路面積)が連続的に変更可能となっている。
【0016】
第1経路部42は、上流側経路部41の前向き筒47に連結される前向きの管体で、ここに入水管32が接続されるが、ここでの入水管32は、第1経路部42に接続される上流側の第1入水管32Aと、
図6に示すように給湯側熱交換器に接続される下流側の第2入水管32Bとに分割されている。
第1入水管32Aは、下端が第1経路部42に差し込み接続されて前方へ延びた後、上向きに折曲されるL字状を呈し、下端は、第1経路部42にネジ止めされる固定金具49によって第1経路部42に抜け止め状態で固定されている。上端外周には、第1係止フランジ50,50が周設されている。
一方、第2入水管32Bの下端には、第1係止フランジ50,50と第1入水管32Aの上端が嵌入可能な大径部51が形成され、大径部51の下端に、第2係止フランジ52が周設されている。
【0017】
この第1入水管32Aの上端を、図示しないシール部材を介して第1係止フランジ50,50ごと第2入水管32Bの大径部51に差し込み、この状態で両管に跨がって係止するクリップ部材53(以下、他のクリップ部材と区別する際は「第1クリップ部材53A」と表記する。)を用いることで、第1、第2入水管32A,32Bが接続されている。このクリップ部材53は、バイパス管34や上流側経路部41側に用いられるものと同じ構造で、
図5の下側に示すように、金属製の帯状体を折曲して、長手方向の中央でコ字状に折り曲げられたツマミ部54と、ツマミ部54の両側で入水管32の外形に合わせて湾曲形成された一対のクランプ部55,55と、クランプ部55,55の先端で互いの相反方向へ折曲形成された折り返し部56,56とを形成して、クランプ部55,55を拡開方向へ弾性変形可能としたものである。そして、各クランプ部55と折り返し部56とに亘って、長手方向に延びる係止スリット57が形成されている。
【0018】
この係止スリット57は、第1入水管32Aの上端を第2入水管32Bの大径部51に差し込んでクリップ部材53のクランプ部55,55で弾性的に挟持させた状態で、幅方向の一方の内縁が第1係止フランジ50に、他方の内縁が第2係止フランジ52にそれぞれ係止することで、係止スリット57内に両係止フランジ50,52を係止して管同士の抜け止めを図るものである。なお、ここでは第1入水管32Aの外径と第2入水管32Bの大径部51の外径とで径が異なるため、クランプ部55では、係止スリット57の両側で湾曲半径を変えて両管にそれぞれ対応させている。
【0019】
次に、第2経路部43は、内部のL字状の流路にバイパス量制御弁を設けたバイパス絞り部58と、バイパス量制御弁の開度を連続的に変更可能な第2ステッピングモータ59とを備え、流路の上流端が第1経路部42に上方から接続され、流路の下流端にバイパス管34が前方から接続される。但し、ここでのバイパス管34も、入水管32と同様に、第2経路部43に接続される上流側の第1バイパス管34Aと、
図6に示すように出湯管33に接続される下流側の第2バイパス管34Bとに分割されている。
第1バイパス管34Aは、下端が第2経路部43の下流端に、第2経路部43にネジ止めされる固定金具60によって抜け止め状態で固定され、そこから前方へ延びた後、上向きに折曲してさらに上端が後向きにカーブする屈曲形状で、上端外周には、第1係止フランジ61,61が周設されている。
【0020】
一方、第2バイパス管34Bの下端には、第1係止フランジ61ごと第1バイパス管34Aの上端が嵌入可能な大径部62が形成され、大径部62の下端に、第2係止フランジ63が周設されている。
この第1バイパス管34Aの上端を、図示しないシール部材を介して第1係止フランジ61ごと第2バイパス管34Bの大径部62に差し込み、この状態で両管に跨がって係止するクリップ部材53(以下、他のクリップ部材と区別する際は「第2クリップ部材53B」と表記する。)を用いることで、第1、第2入水管32A,32Bと同様に第1、第2バイパス管34A,34Bが接続される。すなわち、互いの管に跨がってクリップ部材53を弾性的に挟持させて、係止スリット57に互いの端部に形成した係止フランジ61,63を係止させることで抜け止め固定するものである。
【0021】
そして、上流側経路部41と入水口12との接続には、上下方向のジョイント筒64(
図4,5)が介在されて、上流側経路部41の下向き筒45の下端とジョイント筒64の上端との接続にもクリップ部材53(以下、他のクリップ部材と区別する際は「第3クリップ部材53C」と表記する。)が用いられ、入水口12とジョイント筒64との下端との接続にもクリップ部材53が用いられている。すなわち、互いの筒体に跨がってクリップ部材53を弾性的に挟持させて、係止スリット57に互いの筒体の端部に形成した係止フランジを係止させることで抜け止め固定するものである。
【0022】
こうして組み付けられた水側部品40は、第1ステッピングモータ48が筐体2内の最後方(最奥)に位置してその前方に上流側経路部41の前向き筒47と第1経路部42とが前方へ直線状に延び、第1経路部42の上側に第2経路部43と第2ステッピングモータ59とが位置する。そして、第1、第2経路部42,43の前方を第1入水管32Aが上向きに横切り、その後方で第1バイパス管34Aが上向きに横切る格好となる。すなわち、水側部品40は、筐体2内の内胴17の下方中央寄りで前後方向の空間内に納まり、ジョイント筒64の上側では、前方に他の構成部品が殆ど存在しない状態となっている。
よって、水側部品40をメンテナンス等のために取り出す場合は、第1入水管32Aと第2入水管32Bとを繋ぐ第1クリップ部材53Aと、第1バイパス管34Aと第2バイパス管34Bとを繋ぐ第2クリップ部材53Bと、上流側経路部41の下向き筒45とジョイント筒64とを繋ぐ第3クリップ部材53Cとの3つをそれぞれ取り外せば、
図7のように水側部品40をそのまま前方へ容易に引き出すことができる。
【0023】
水側部品40を組み付ける際はこれと逆に、第1ステッピングモータ48を先にして筐体2に前方から押し込めば、そのまま組付け位置に位置させることができる。この組付け位置で第1入水管32Aの上端は第2入水管32Bの下端近傍で接続方向を向き、第1バイパス管34Aの上端も第2バイパス管34Bの下端近傍で接続方向に向き、下向き筒45はジョイント筒64に載置するので、それぞれクリップ部材53でスムーズに挟持固定することができる。
なお、ここでは上流側経路部41の前向き筒47と第1経路部42との間も、両者間の管同士が差し込まれた状態でクリップ部材53で係止されているので、上流側経路部41と第1経路部42とを容易に分離及び接続することができる。
【0024】
(電装ボックスの説明)
そして、水側部品40の右側で側板5の内側には、電装ボックス65が収容されている。この電装ボックス65は、左右幅が小さく、前後幅が側板5よりやや小さい四角箱状で、内部右側には、電装基板からなるコントローラ66が縦向きに収容されている。コントローラ66には、水側部品40に設けられる水量センサ46や第1、第2ステッピングモータ48,50、バイメタルスイッチ30、バーナ点火用のイグナイタ、上流側経路部41や出湯管等に設けられた温度検出用のサーミスタ67、給気ファン25やポンプ37等の電材部品と配線を介して電気的に接続されている。
【0025】
この電装ボックス65は、底板4に設けられた受け台68によって下面が支持され、バーナユニット18のノズル台22の前面との間に架設された連結板69によって上部が支持されている。また、電装ボックス65の下面には、下向きに突出部70が形成されて、突出部70には、突出部70の左右幅よりも大きい長さを有する抜け止めピン71が直交状に貫通固定されている。
受け台68は、
図8に示すように、金属製の帯板を折曲して、前後方向の上板部72と、上板部72の前端を支持して下端が前向きに折曲されるL字状の前板部73と、上板部72の後端を支持して下端が後向きに折曲されるL字状の後板部74とを有する側面視コ字状の部材で、前板部73の下端と後板部74の下端とが底板4にネジ止めされることで、上板部72は底板4と平行に固定される。
【0026】
また、上板部72には、前端から後方へ向けてスリット75が形成されている。このスリット75は、電装ボックス65の突出部70の左右幅よりも大きく、抜け止めピン71の長さよりも小さい幅で形成されている。但し、スリット75の前端は、前方へ行くに従って幅広となるテーパ状に形成されて、前板部73の上部には、スリット75の前端と連通し、抜け止めピン71を含む突出部70が通過可能な幅を有する出入口76が形成されている。
よって、突出部70は、出入口76を通過させることで、上板部72の下側へ前後方向に出入り可能となり、突出部70がスリット75にガイドされて上板部72の下方に位置した状態では、左右へ突出する抜け止めピン71によって突出部70が抜け止めされる。この抜け止め状態で電装ボックス65は受け台68上に載置される。
【0027】
一方、バーナユニット18の下ケーシング21と電装ボックス65との間には、内胴17と右側の側板5との間に配設される入水管32、出湯管33、バイパス管34が通過する配管スペース77となっている。
連結板69は、正面視がへの字状を呈し、入水管32と出湯管33との間で配管スペース77を横切る格好で、ノズル台22と電装ボックス65との間に架設される。具体的には、左側端部がネジ78Aによってノズル台22の前面に固定され、右側端部がネジ78Bによって、電装ボックス65の前板から上向きに突設された固定片79の背面に固定される。この状態で電装ボックス65とフロントカバー8との間には他の構成部品が横切っておらず、電装ボックス65の前方は開放されている。
【0028】
従って、電装ボックス65を組み付ける場合は、後面から受け台68の上板部72上に載るように差し込んで奥側へスライドさせれば、
図9に示すように、突出部70が上板部72のスリット75に進入し、抜け止めピン71によって抜け止めされた状態で受け台68に載置される。このとき上側では、固定片79が連結板69の右側端部に当接する。よって、固定片79を右側端部にネジ78Bで固定すれば組み付け作業は終了する。
逆に、電装ボックス65を取り出す場合は、連結板69の右側端部のネジ78Bを取り外して固定片79との固定を解除すれば、そのまま電装ボックス65を受け台68の上板部72上で、突出部70をスリット75にガイドさせながら前方へスライドさせて引き出すことができる。このとき抜け止めピン71は出入口76を通過できるので、前板部73と干渉することはない。なお、ノズル台22をメンテナンス等する場合は、連結板69の左側端部のネジ78Aのみを取り外して連結板69をネジ78Bを中心に電装ボックス65側へ回転させてノズル台22の前方から退避させておけば、連結板69を取り外さなくてもノズル台22を取り出すことができる。
【0029】
(排気フードの説明)
そして、排気フード20は、
図10,11に示すように、熱交換器19の中ケーシング26の上側に固定され、前面が開口して左右及び後部を覆うカバー状の排気ケーシング80と、排気ケーシング80の内部に設けられる整流板81と、整流板81の下面に固定されるかしめ板82と、中ケーシング26と共に排気ケーシング80の下面にかしめ固定される補強フランジ板83と、整流板81と補強フランジ板83との間に配置されるパッキン84とを含んでなる。
排気ケーシング80は、開口の外周に、排気筒9を取り付けるための取付板85が立ち上げ形成され、開口から後方へ行くに従って高くなり、後方が最も高い膨出部86となっている。左右及び後部の三辺には、
図12にも示すように、外周に沿って上側フランジ部87が形成されると共に、上側フランジ部87の全周に沿って下向きの外折り返し部88が形成されている。この外折り返し部88には、複数のかしめ片89,89・・が所定間隔をおいて下向きに突設されている。
【0030】
整流板81は、排気ケーシング80の下面に嵌合する幅を有する平面視四角板状で、前側には水平部90が、その後方には、後方へ行くに従って上昇する傾斜部91が形成されて、傾斜部91の後端は、膨出部86内で上側へU字状に折り返し形成されている。水平部90の前端には、排気ケーシング80の取付板85と同じ鉛直面上で下向きに突出する取付片92,92・・が形成されている。整流板81の左右の側縁と、傾斜部91の折り返し端部とには、排気ケーシング80の左右の内面に当接する立ち上げ片93,93が形成されて、立ち上げ片93,93が排気ケーシング80の左右の内面にネジ止めされる。
【0031】
よって、排気ケーシング80内には、整流板81の下方で傾斜部91に沿って後方へ移動した後、整流板81の折り返し端部に沿って上方へ回り込んで前方へUターンし、整流板81の上方で前方へ移動して開口に達する排気通路が形成される。
かしめ板82は、整流板81の水平部90に凹設した左右方向の凹部94に溶接される帯板で、かしめ板82の前縁には、逆凸字状の前かしめ片95,95・・が、所定間隔をおいて下向きに切り起こし形成されている。
【0032】
補強フランジ板83は、左右端及び後端が排気ケーシング80の外折り返し部88の内側に沿って形成され、前端が整流板81の取付片92の内側に沿って形成される外形が四角形状の金属板で、外周には、外折り返し部88及び取付片92の内側に重なる内折り返し部96が下向きに周設されている。補強フランジ板83の後寄りには、中ケーシング26の上端が嵌合する四角形状の開口部97が形成され、開口部97の内周に沿って、下向きの垂下部98が周設されている。この開口部97の前側には、かしめ板82の各前かしめ片95が後縁に沿って貫通する左右に長い複数の貫通孔99,99が形成されている。各貫通孔99の内周には、下向きの絞り部100が周設されている。
【0033】
パッキン84は、補強フランジ板83と同様に、左右端及び後端が排気ケーシング80の外折り返し部88の内側に沿って形成され、前端がかしめ板82の前かしめ片95の後方に位置して開口部97の外周に沿って周回する四角形状の枠状部101を有し、弾性材料で形成されている。枠状部101の前側で左右両端には、取付片92に当接するまで延設され、枠状部101よりも幅広となる延設部102となっている。この延設部102は、
図13に示すように、排気ケーシング80の上側フランジ部87と整流板81の水平部90とに跨がって当接するようになっている。
【0034】
この排気フード20は、排気ケーシング80の内側に、かしめ板82を固定した整流板81を組み付けてネジ止めする。一方、補強フランジ板83には、中ケーシング26の上端を開口部97に嵌合させ、中ケーシング26の上端周縁に設けた下側フランジ部103(
図11)を開口部97の周縁に上方から係止させる。
次に、
図14に示すように、パッキン84を排気ケーシング80の外折り返し部88の内側と前かしめ片95の内側とに位置決めした状態で、排気ケーシング80を補強フランジ板83の上面に組み付けて、前かしめ片95,95・・を貫通孔99,99・・に貫通させる。そして、排気ケーシング80の各かしめ片89を内側へ折り返して、
図11に示すように、補強フランジ板83の内折り返し部96と共にその上側の下側フランジ部103をかしめ固定する。一方、各前かしめ片95を後方へ折り返して絞り部100と共に補強フランジ板83ごと下側フランジ部103をかしめ固定すれば、排気フード20の固定が完了する。最後に排気ケーシング80の取付板85と整流板81の取付片92とに排気筒9をネジ止めすればよい。
【0035】
(給湯器の動作説明)
以上の如く構成された風呂給湯器1において、出湯口11に接続された配管の給湯栓を開栓して器具内に通水させると、入水口12からの水が、水側部品40を介して入水管32を通り、給湯側熱交換器の伝熱管27を通過する。一方、水側部品40の水量センサ46で通水を検知したコントローラ66が第1バーナ群に点火すると共に、給気ファン25を回転させて第1バーナ群に燃焼用空気を供給する。第1バーナ群の燃焼排気は、第1燃焼室内で給湯側熱交換器を通過することで伝熱管27と熱交換され、出湯管33から所定温度の湯が出湯され、出湯口11から配管を介して給湯栓から供給される。
【0036】
一方、図示しないリモコンに設けられた湯張りスイッチをON操作すると、コントローラ66が第1バーナ群に点火して出湯管33から所定温度の湯を出湯させると共に、出湯管33と往き管35との間に設けた落とし込み管38の図示しない制御弁を開弁させて出湯管33からの湯を落とし込み管38、往き管35を介して浴槽に供給する。所定量の湯が供給されると湯張りを停止する。
また、リモコンの追い炊きスイッチをON操作すると、コントローラ66がポンプ37を駆動させて第2バーナ群に点火すると共に、給気ファン25を回転させて第2バーナ群に燃焼用空気を供給する。浴槽からの湯は、風呂側熱交換器の伝熱管27を通過し、第2バーナ群の燃焼排気は、第2燃焼室内で風呂側熱交換器を通過することで伝熱管27と熱交換される。よって、浴槽内の湯が循環しながら追い焚きされる。
【0037】
そして、熱交換器19を通過した燃焼排気は、排気フード20の補強フランジ板83の開口部97から排気ケーシング80内に進入し、整流板81の下方から排気通路を通って上側へ回り込み、排気筒9から器具外部へ排出される。このとき、排気フード20が熱交換器19の中ケーシング26から前方へ張り出していても、開口部97のすぐ前側でかしめ板82の前かしめ片95により、補強フランジ板83と中ケーシング26とがかしめ固定されているので、シール性は維持できる。特に、開口部97に沿ってパッキン84が周回しているので、より確実なシールが可能となっている。
【0038】
(電装ボックスに係る発明の効果)
上記形態の風呂給湯器1によれば、電装ボックス65の下面に、下向きに突出する突出部70と、突出部70から左右に突出する抜け止めピン71とを設ける一方、筐体2に、収容状態の電装ボックス65が載置される上板部72を有する受け台68を設け、受け台68の上板部72に、突出部70の左右幅よりも大きく、抜け止めピン71の左右長さよりも小さい幅のスリット75を前後方向に設け、突出部70が、スリット75を介して上板部72の下側に出入り可能で、上板部72の下側に進入した際には、抜け止めピン71で抜け止めされた状態でスリット75によって前後方向へガイドされることで、電装ボックス65が受け台68への載置位置に出し入れ可能となっている。よって、電装ボックス65をスムーズに出し入れすることができ、配管等の他の構成部品の邪魔になることなく容易に固定することができる。また、筐体2内の受け台68上で仮固定されるため、固定作業も楽に行える。
【0039】
特にここでは、受け台68を、上板部72を支持する前板部73と後板部74とを有して筐体2の底面へ上向きに設け、前板部73に、スリット75の前端と連通し、抜け止めピン71を含む突出部70が通過可能な出入口76を形成して、突出部70を、出入口76を介してスリット75に進入可能としているので、上板部72を前後で支持して左右幅の小さいコンパクトな受け台68とすることができる。また、前板部73を設けても突出部70の出入りの邪魔にならない。
【0040】
また、筐体2内で電装ボックス65の上側に燃焼室が配置され、燃焼室の下ケーシング21と電装ボックス65との間には、複数の配管が前後方向へ並んで配設される配管スペース77が形成されて、配管スペース77における配管同士の隙間を通過する連結板69が、下ケーシング21側のノズル台22と電装ボックス65との間に架設されているので、筐体2に電装ボックス65の固定部を設けなくても下ケーシング21側のノズル台22を利用して電装ボックス65を筐体2内に固定することができる。
さらに、電装ボックス65における連結板69との固定片79が、電装ボックス65から上方へ突出形成されて、連結板69は、一端が固定片79に、他端がノズル台22にそれぞれネジ止めされていることで、電装ボックス65の上部の固定とその解除も簡単に行える。また、連結板69のノズル台22側のネジ78Aを外して連結板69を固定片79側のネジ78Bを中心に電装ボックス65側へ回転させれば、連結板69を電装ボックス65に取り付けたまま配管スペース77から退避させることができる。よって、ノズル台22の取り外しも容易に行うことができる。
【0041】
なお、電装ボックスの形状は上記形態に限らず、六面が完全に閉塞された箱体であってもよいし、逆に上板と底板と両板を繋ぐ側板とからなる正面視コ字状等であってもよい。突出部も、抜け止め部として突出部の側面に突起を一体に突設することができる。
受け台の形状も、上板部の左右に側板部を延設したり、前板部を左右一対の脚板で形成したりする等、適宜変更可能である。また、前板部と後板部とをなくして上板部の左右の側板部で上板部を支持する構造としたり、上板部の側縁から上方へ折曲される立ち上げ部を備えた正面視倒L字状として、立ち上げ部を筐体の側板に固定することで上板部を支持する構造としたりしてもよい。
固定片の位置も、前板でなく上板に設けたり、前向きのネジボス形状としたりしても差し支えない。
【0042】
(水側部品に係る発明の効果)
上記形態の風呂給湯器1によれば、入水管32が、水側部品40の第1経路部42に接続される上流側の第1入水管32Aと、熱交換器19に接続される下流側の第2入水管32Bとに分割されて、第1入水管32Aの下流端と第2入水管32Bの上流端とが、両者へ弾性的に係合する第1クリップ部材53Aによって分離可能に接続されて、バイパス管34が、水側部品40の第2経路部43に接続される上流側の第1バイパス管34Aと、出湯管33に接続される下流側の第2バイパス管34Bとに分割されて、第1バイパス管34Aの下流端と第2バイパス管34Bの上流端とが、両者へ弾性的に係合する第2クリップ部材53Bによって分離可能に接続されているので、第1、第2クリップ部材53A,53Bの付け外しによって、筐体2への水側部品40の組み付け作業や取り外し作業を容易に行うことができる。よって、生産性やメンテナンス性の向上に繋がる。特に、入水管32とバイパス管34とを分割して一方を水側部品40に一体化しているので、入水管32やバイパス管34との接続や取り外しをスムーズに行うことができ、各管に無駄なストレスが加わることがなくなる。
【0043】
特にここでは、上流側経路部41が、入水口12に接続されたジョイント筒64を介して入水口12に接続されており、ジョイント筒64の下流端と上流側経路部41とが、両者へ弾性的に係合する第3クリップ部材53Cによって分離可能に接続されているので、よりスムーズに水側部品40を取り外し可能となる。
また、第2入水管32B及び第2バイパス管34Bは、筐体2内の奥行き方向の前後に位置してそれぞれ下向きに配設され、水側部品40の第1経路部42及び第2経路部43は、それぞれ筐体2の開口7側へ向けて形成されて、第2経路部43の上側にバイパス絞り部58の第2ステッピングモータ59が配置され、第1入水管32Aは、開口7側へ延びた後、上方へ折曲されて第1クリップ部材53Aによって第2入水管32Bに接続されて、第1バイパス管34Aは、第2ステッピングモータ59よりも開口7側で上方に折曲されて第2クリップ部材53Bによって第2バイパス管34Bに接続されているので、第2ステッピングモータ59の前側で第1入水管32A及び第1バイパス管34Aが配管されてそれぞれ第2入水管32B及び第2バイパス管34Bに接続される。よって、省スペースで水側部品40を形成できると共に、他の構成部品と干渉することなく容易に水側部品40を取り外すことができる。
【0044】
なお、入水管とバイパス管との分割位置は上記形態に限らず、水側部品の出し入れに支障がなければもっと下流側に設定してもよいし、入水管とバイパス管との互いの分割位置を離してもよい。第1経路部と第2経路部とを上下逆に配置したり、筐体内のスペースによっては左右に並設したりしてもよい。
また、上記形態では上流側経路部をジョイント筒を介して入水口と接続しているが、ジョイント筒をなくして上流側経路部を直接入水口とクリップ部材で結合してもよい。
さらに、クリップ部材の形態も適宜変更可能で、例えば折り返し部をカール状に形成したり、帯状板でなくワイヤを折曲して左右のクランプ部を形成したり、2つの帯状板を組み合わせて形成したりする構造も考えられる。
【0045】
(排気フードに係る発明の効果)
上記形態の風呂給湯器1によれば、排気フード20は、前部が熱交換器19よりも前方へ張り出して開口し、左右及び後部が閉塞されて中ケーシング26の左右及び後部の上側に配置され、左右端縁及び後端縁に、下側フランジ部103をかしめ結合するためのかしめ片89を複数備えた上側フランジ部87が周設される排気ケーシング80と、排気ケーシング80の下面で左右方向に架設され、下側フランジ部103の前端上方から下向きに突出する前かしめ片95が左右方向に複数設けられるかしめ板82と、中ケーシング26の上端が嵌合して下側フランジ部103が係止する開口部97を有し、開口部97の周囲を周回する枠状のパッキン84を介して上側フランジ部87とかしめ板82との下側に配置され、前かしめ片95が貫通する貫通孔99を備えた補強フランジ板83と、を含み、下側フランジ部103は、左右端縁及び後端縁が、上側フランジ部87のかしめ片89によって補強フランジ板83を介してかしめ固定されていると共に、前端縁が、補強フランジ板83の貫通孔99を貫通する前かしめ片95によってかしめ固定されている。よって、熱交換器19よりも前側に張り出す排気フード20であっても、下側フランジ部103の前端縁を良好にかしめ固定することができ、シール性を担保することができる。
【0046】
特にここでは、排気ケーシング80には、排気フード20内に排気通路を形成するための整流板81が設けられており、かしめ板82は整流板81の下面へ一体に設けられていることで、整流板81によってかしめ板82を適正な位置に組み付けることができると共に、部品点数の増加を招くこともない。よって、製造コストや管理コストが抑えられる。
また、パッキン84は、上側フランジ部87とかしめ板82の後端とに重なって開口部97の周囲を周回する枠状部101を有すると共に、枠状部101の前端両側には、上側フランジ部87と整流板81との合わせ部分に重なる延設部102,102が突設されているので、上側フランジ部87と整流板81との合わせ目も確実にシールできる。よって、より高いシール性を担保することができる。
【0047】
なお、かしめ片や前かしめ片の数や形状は上記形態に限らず、適宜変更可能である。かしめ板も、整流板へ一体に設けず、別体の部材として排気ケーシングの下面へ左右方向に架設させても差し支えない。
パッキンの形状も、さらなるシール性が必要であれば左右の延設部の幅を大きくしたり、左右の延設部間を繋げて枠状部内の開口を除く全体をパッキンで覆ったりしてもよい。
【0048】
そして、各発明に共通して、入水管や出湯管、バイパス管等の配管形態は上記形態に限らず、水側部品や電装ボックスの配置も上記形態に限定されない。従って、水側部品をさらに筐体内の右寄りに配置したり、電装ボックスを左側の側板に沿って配置したりしてもよい。
また、上記形態では浴槽の湯張りや追い焚きが可能な風呂給湯器について説明しているが、風呂機能がない給湯器であっても各発明は適用可能である。
一方、電装ボックスと水側部品とに係る各発明は、顕熱回収型の給湯器に限らず、潜熱回収型の給湯器においても適用できる。また、排気フードと電装ボックスとに係る各発明は、バイパスミキシング式でない給湯器においても適用できる。