(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記給紙棚は、前記給紙不可状態ではその上に前記用紙スタックを載置することができる位置まで下がっており、前記給紙可能状態ではその上に載置された前記用紙スタックの最上位の用紙が前記吸引搬送機構によって吸引され得る位置まで上がっている、
ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の丁合装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、給紙を一時的に停止させることなく給紙棚を切り替えることができる丁合装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る丁合装置は、用紙の搬送路と、用紙スタックが載置される給紙棚、及び、前記用紙スタックの用紙を前記給紙棚から前記搬送路へ一枚ずつ供給する供給手段を含む複数の給紙ユニットと、前記給紙ユニットによって供給された用紙を前記搬送路に沿って搬送する搬送ユニットと、前記給紙ユニット及び前記搬送ユニットを制御する制御ユニットと、を備える。前記搬送路に沿って並べられた複数の前記給紙ユニットからなり、当該給紙ユニットの前記給紙棚のそれぞれから用紙を前記搬送路へ供給して、当該各給紙棚から供給された用紙を前記搬送路上で丁合する丁合グループ
として、少なくとも第1丁合グループと第2丁合グループとがある。
前記第1丁合グループにおいて、前記各給紙棚から用紙の供給を開始してから
、前記制御ユニットが丁合開始前に取得し記憶したプリセット数の用紙の供給を完了するまでの間に、
前記第2丁合グループにおいて、前記各給紙ユニットを給紙不可状態から給紙可能状態にする給紙準備を開始しかつ完了する。そして、前記制御ユニットは、前記
第1丁合グループにおいて前記プリセット数の用紙の供給が完了すると、
前記第1丁合グループにおいて給紙を停止するとともに、前記
第2丁合グループにおいて前記各給紙棚から用紙の供給を開始する。
【0009】
前記制御ユニットは、
前記
第1丁合グループの前記給紙ユニットの給紙速度、及び、前記
第2丁合グループの前記給紙準備の時間に基づいて、当該給紙準備に必要となる前記
第1丁合グループの前記各給紙棚からの必要給紙数を演算し、
前記
第1丁合グループの前記プリセット数から前記必要給紙数の差を取ることによって準備開始数を演算し、
前記
第1丁合グループの前記各給紙棚から前記準備開始数の用紙を供給したときに、前記
第2丁合グループの前記給紙準備を開始してもよい。
【0010】
前記給紙ユニットの前記供給手段は、それぞれ、
前記給紙棚に載置された前記用紙スタックの最上位の用紙を吸引して前記給紙棚から前記搬送路へ向けて送り出す吸引搬送機構と、
前記給紙棚に載置された前記用紙スタックの上層の用紙を互いに分離するために、前記用紙スタックの上層に向けてエアを吹き出すエア吹出機構と、
前記吸引搬送機構が前記給紙棚から用紙を順次送り出す際に前記給紙棚を上昇させる昇降機構と、を備えてもよい。
【0011】
前記エア吹出機構は、前記給紙不可状態ではエアを吹き出しておらず、前記給紙可能状態ではエアを吹き出している。
【0012】
前記吸引搬送機構は、前記給紙不可状態では用紙を吸引するための吸引力を発生させておらず、前記給紙可能状態では前記吸引力を発生させている。
【0013】
前記給紙棚は、前記給紙不可状態ではその上に前記用紙スタックを載置することができる位置まで下がっており、前記給紙可能状態ではその上に載置された前記用紙スタックの最上位の用紙が前記吸引搬送機構によって吸引され得る位置まで上がっている。
【0014】
前記制御ユニットは、前記
第1丁合グループでの前記プリセット数の用紙の供給が完了すると、前記
第1丁合グループの前記各給紙棚を、その上に前記用紙スタックを載置することができる位置まで前記昇降機構によって下降させ
てよい。
【0015】
また、本発明に係る丁合装置は、前記搬送路、前記複数の給紙ユニット、前記搬送ユニット、前記制御ユニットに加えて、前記給紙棚上の前記用紙スタックの用紙数が所定以下になったことを検出する残数検出手段と、前記給紙棚上に用紙がなくなったことを検出する用紙切れ検出手段とをさらに備える。
前記制御ユニットは、前記各給紙棚から用紙を供給している
前記第1丁合グループにおいて、当該給紙棚上の前記用紙スタックの用紙数が所定以下になったことを前記残数検出手段によって検出してから当該給紙棚上の用紙がなくなるまでの間に、
前記第2丁合グループにおいて、前記各給紙ユニットを給紙不可状態から給紙可能状態にする給紙準備を開始しかつ完了する。そして、前記制御ユニットは、前記
第1丁合グループにおいて前記給紙棚の用紙がなくなったことを前記用紙切れ検出手段によって検出すると、
使用する前記給紙棚を前記第1丁合グループの前記各給紙棚から前記第2丁合グループの前記各給紙棚に切り替えて、前記
第2丁合グループにおいて前記各給紙棚から用紙の供給を開始する。
【0016】
さらに、本発明に係る丁合装置は、前記搬送路、前記複数の給紙ユニット、前記搬送ユニット、前記制御ユニットに加えて、前記給紙棚上の前記用紙スタックの用紙数が所定以下になったことを検出する残数検出手段をさらに備える。
前記制御ユニットは、前記各給紙棚から用紙を供給している
前記第1丁合グループにおいて、前記残数検出手段によって当該給紙棚上の前記用紙スタックの用紙数が所定以下になったことを検出すると、
前記第2丁合グループにおいて、前記各給紙ユニットを給紙不可状態から給紙可能状態にする給紙準備を開始する。そして、前記制御ユニットは、前記
第2丁合グループの前記給紙準備が完了すると、前記
第1丁合グループにおいて前記各給紙棚から用紙の供給を停止するとともに、前記
第2丁合グループにおいて前記各給紙棚から用紙の供給を開始する。
【0017】
前記残数検出手段は、前記昇降機構によって昇降する前記給紙棚の高さを検出する高さ検出センサで構成されてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の丁合装置は、上記構成を備えることにより、給紙を一時的に停止させることなく給紙棚を切り替えることができる。そして、それによって、生産効率を従来よりも向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る丁合装置について説明する。
[第1実施形態]
丁合装置は、縦型の丁合機1A、1Bを2つ備える。丁合機1A、1Bは、それぞれ、用紙を搬送するための搬送路Gを有するフレーム2と、フレーム2に支持されて搬送路Gに沿って上下方向に並べて配置された、用紙を搬送路Gへ供給するための複数の給紙ユニット3a〜3e;3f〜3jとを備える。給紙ユニット3a〜3jは、それぞれ、給紙棚4a〜4jと、供給手段5a〜5jとを備える。
【0021】
丁合機1A、1Bは、それぞれ、給紙ユニット3a〜3e;3f〜3jによって供給された用紙を搬送路Gに沿ってその最下流端にある搬送出口6まで搬送するためにフレーム2に支持された搬送ユニット7、8を備える。搬送ユニット7、8は、上下方向にのびて給紙ユニット3a〜3e;3f〜3jと対向する垂直コンベヤ7と、垂直コンベヤ7の下方に配置されて搬送入口9及び搬送出口6に渡って水平方向にのびる水平コンベヤ8とを備える。
【0022】
2つの丁合機1A、1Bは、後段の丁合機1Aの搬送入口9と前段の丁合機1Bの搬送出口6とが繋がるように、互いに連結されている。
【0023】
丁合装置は、丁合機1A、1Bの給紙ユニット3a〜3j及び搬送ユニット7、8を制御する制御ユニット10を備える。制御ユニット10は、マイクロコンピュータ、記憶媒体等を含む。
【0024】
図4の通り、給紙ユニット3(a〜j)は、フレーム2に昇降可能に設けられ、用紙スタックTがその上に載置される給紙棚4(a〜j)と、給紙棚4を昇降させる公知の図示されない昇降機構とを備える。さらに、給紙ユニット3は、給紙棚4の前方に配置された垂直な揃え板11を備える。
【0025】
給紙ユニット3は、給紙棚4上の用紙スタックTの用紙を一枚ずつ搬送路Gへ供給する供給手段5(a〜j)を備える。
【0026】
供給手段5は、給紙棚4上の用紙スタックTの最上位の用紙を吸引して搬送路Gへ向けて順次送り出す吸引搬送機構12と、給紙棚4上の用紙スタックTの上層の用紙を互いに分離するために、用紙スタックTの上層に向けてエアを吹き出すエア吹出機構13と、を備える。
【0027】
吸引搬送機構12は、給紙棚4の前端側の上方に配置され、用紙の幅方向にのびる水平なバキュームロータ14を備える。バキュームロータ14には、複数の吸引孔15が形成されている。図示されていないが、バキュームロータ14は、不図示のエア吸引源としての吸引ポンプに接続されている。吸引ポンプが駆動されると、バキュームロータ14は、吸引孔15からエアを吸引し、それによって、吸引力がバキュームロータ14の外周面に発生する。また、バキュームロータ14の回転軸は、図示されない回転駆動機構に接続され、それによって、バキュームロータ14はその回転軸の周りに回転駆動される。
【0028】
エア吹出機構13は、エアダクト16と、エアダクト16に接続されて、給紙棚4上の用紙スタックTの前端面に向くように配置された第1ノズル17と、エアダクト16に接続されて、バキュームロータ14の下端に向くように配置された第2ノズル18とを備える。また、エア吹出機構13は、エアダクト16を通じて第1ノズル17及び第2ノズル18へエアを供給するエア供給源としての不図示の吐出ポンプを備える。
【0029】
本実施形態では、吐出ポンプは、丁合機1Aと、丁合機1Bのそれぞれに一台設けられている。丁合機1Aの吐出ポンプは、給紙ユニット3a〜3e間で共用され、丁合機1Bの吐出ポンプは、給紙ユニット3f〜3j間で共用される。なお、各給紙ユニット3a〜3jのそれぞれに吐出ポンプが設けられてもよい。また、エア供給源は、吐出ポンプに代えて、送風ファンであってもよい。
【0030】
エアが第1ノズル17から用紙スタックTの上層の用紙に向けて吹き出されると、上層の用紙の前端側は、互いに分離した状態で用紙スタックTから浮上する。浮上した用紙スタックTの最上位の用紙は、バキュームロータ14に吸着される。第2ノズル18からのエアは、最上位の用紙とその次の用紙との間に入り込み、これらの用紙の分離を確実にする。そして、最上位の用紙は、バキュームロータ14の回転駆動によって、給紙棚4から搬送路Gに向けて水平方向に送り出される。
【0031】
さらに、供給手段5は、吸引搬送機構12からの用紙を受け取り搬送路Gへ送り入れる送入機構19を備える。送入機構19は、水平な回転軸を有し互いに対向して配置された駆動ローラ20及びアイドルローラ21の対と、駆動ローラ20を回転駆動させるための不図示の駆動モータとを備える。
【0032】
吸引搬送機構12によって給紙棚4から送り出された用紙は、駆動モータが駆動ローラ20を回転駆動することにより、駆動ローラ20及びアイドルローラ21の間に挿入され、これらのローラ20、21の間を搬送されて、搬送路Gへ送り込まれる。そして、搬送路Gに供給された用紙は、搬送ユニット7、8(
図1)によって搬送路Gに沿って搬送される。
【0033】
給紙ユニット3は、吸引搬送機構12によって用紙を給紙棚4から搬送路Gに向けて順次送り出す際、これに合わせて給紙棚4を昇降機構によって上昇させる。それによって、給紙棚4上の用紙スタックTと、供給手段5(吸引搬送機構12、エア吹出機構13)との位置関係が、給紙動作中に常に適切に保たれる。
【0034】
再び、
図1を参照して、丁合装置では、給紙ユニット3a〜3jが、複数の丁合グループに分かれている。実施形態では、2つの丁合グループが規定されている。第1丁合グループは、一方の丁合機1Aの搬送路Gに沿って並べられた給紙ユニット3a〜3eで構成されている。第2丁合グループは、他方の丁合機1Bの搬送路Gに沿って並べられた給紙ユニット3f〜3jによって構成されている。
【0035】
制御ユニット10は、丁合機1Aの給紙ユニット3a〜3e及び搬送ユニット7、8を制御して、第1丁合グループにおいて、給紙棚4a〜4eのそれぞれから用紙を搬送路Gへ供給し、搬送路G上に供給された用紙を丁合する。即ち、制御ユニット10は、搬送路G上において上流側の給紙棚から供給された用紙にその次の給紙棚から供給された用紙を順次少なくとも部分的に重ね合わせていく。制御ユニット10は、各給紙棚4a〜4eから用紙を順次供給して用紙の丁合を繰り返す。丁合された用紙は、搬送出口6へ搬送されて、後処理装置へ送られる。
【0036】
制御ユニット10は、第2丁合グループでも第1丁合グループと同様に、給紙ユニット3f〜3jの各給紙棚4f〜4jから用紙を搬送路Gへ順次供給して、搬送路G上で用紙を順次丁合する。第2丁合グループで丁合された用紙は、丁合機1Bの搬送出口6へ搬送され、それから、丁合機1Aの搬送入口9から搬送出口6へ搬送されて、後処理装置へ送られる。
【0037】
丁合装置は、第1丁合グループの給紙棚4a〜4eからの給紙を完了すると、次いで、第2丁合グループの給紙棚4f〜4jから給紙を開始する。丁合装置は、この給紙棚4a〜4jの切替時に、給紙が一旦停止しないようにする。以下、このための構成について説明する。
【0038】
制御ユニット10の記憶媒体には、給紙ユニット3a〜3jの給紙速度、給紙ユニット3a〜3jの給紙準備の時間に関する情報が記憶されている。給紙準備とは、給紙ユニット3a〜3jを起動し、その給紙棚4a〜4jから搬送路Gへ用紙を供給できない給紙不可状態から、用紙を供給することができる給紙可能状態にする準備をいう。
【0039】
本実施形態の給紙不可状態では、給紙棚4a〜4jは、作業者がその上に用紙スタックTを載置することができる位置まで昇降機構によって下げられており、吸引搬送機構12は、そのエア吸引源である吸引ポンプが停止しており用紙を吸引するための吸引力を発生させていない。さらに、給紙不可状態では、エア吹出機構13は、そのエア供給源である吐出ポンプが停止しておりエアを吹き出しておらず、送入機構19は、その駆動モータが駆動しておらず駆動ローラ20は回転していない。
【0040】
一方、本実施形態の給紙可能状態では、給紙棚4a〜4jは、その上に載置された用紙スタックTの用紙が吸引搬送機構12の吸引力によって吸引され得る位置まで昇降機構によって上げられており、吸引搬送機構12は、吸引ポンプが駆動しており用紙を吸引するための吸引力を発生させている。さらに、給紙可能状態では、エア吹出機構13は、吐出ポンプが駆動しておりエアを吹き出しており、送入機構19は、その駆動モータが駆動しており駆動ローラ20が回転している。従って、給紙可能状態では、給紙ユニット3a〜3jへ給紙信号を送ると、給紙ユニット3a〜3jは、直ちにその給紙棚4a〜4jから搬送路Gへ用紙を供給することができる。
【0041】
用紙の丁合の開始前に、各丁合グループのプリセット数が設定され、制御ユニット10に記憶される。このプリセット数は、その丁合グループの各給紙棚4a〜4e;4f〜4jから給紙すべき用紙の枚数である。制御ユニット10は、このプリセット数を、不図示の入力ユニット(例えばタッチパネル等)によるオペレータの入力を通じて取得してもよい。制御ユニット10は、プリセット数を、製本システムにおける丁合装置の前段の前処理装置や、丁合装置の後段の後処理装置から取得してもよい。
【0042】
各丁合グループのプリセット数が設定された後に、制御ユニット10は、第1丁合グループの給紙ユニット3a〜3eの給紙速度、及び、第2丁合グループの給紙準備の時間に基づいて、必要給紙数を演算する。必要給紙数とは、第2丁合グループ(次の丁合グループ)の給紙準備に必要な時間に相当する第1丁合グループ(先の丁合グループ)の各給紙棚4a〜4eからの給紙枚数である。
【0043】
次いで、制御ユニット10は、第1丁合グループのプリセット数から上記の必要給紙数の差を演算して、これを準備開始数として記憶する。
【0044】
丁合装置が用紙を丁合する前に、用紙スタックTが、作業者によって、第1丁合グループ及び第2丁合グループの各給紙棚4a〜4jに載置される。
【0045】
制御ユニット10は、まず、第1丁合グループの給紙ユニット3a〜3eを起動させて給紙可能状態にし、各給紙棚4a〜4eから用紙を供給して用紙の丁合を開始する。制御ユニット10は、第1丁合グループの各給紙棚4a〜4eからの給紙枚数をカウントする。このとき、第2丁合グループの給紙ユニット3f〜3jは、給紙不可状態である(
図1の丁合機1B参照)。
【0046】
そして、
図1の丁合機1Aの通り、第1丁合グループでの用紙の丁合が進み、カウント数が上記のように演算した準備開始数に達すると、制御ユニット10は、第1丁合グループでの用紙の丁合を継続させながら、第2丁合グループの給紙準備を開始する。即ち、第2丁合グループの給紙不可状態の給紙ユニット3f〜3jを起動して給紙可能状態にし始める。
【0047】
具体的には、制御ユニット10は、給紙ユニット3f〜3jにおいて、給紙棚4f〜4jを昇降機構によって上昇させ始め、吸引搬送機構12の吸引ポンプを起動し、エア吹出機構13の吐出ポンプを起動し、送入機構19の駆動モータを起動する。
【0048】
そして、
図2の通り、第1丁合グループの各給紙棚4a〜4eからプリセット数の用紙が供給されたとき、上述のように準備開始数を演算したことにより、第2丁合グループの給紙準備は既に完了している。即ち、各給紙ユニット3f〜3jは、給紙可能状態になっており、直ちに各給紙棚4f〜4jから用紙を供給することができる。
【0049】
制御ユニット10は、第1丁合グループのプリセット数の給紙が完了したことをカウント数がプリセット数になることで認識すると、第1丁合グループでの給紙を停止し、第2丁合グループの各給紙棚4f〜4jから給紙を開始し、用紙を丁合する。
【0050】
以上のようにして、第1丁合グループでの給紙が完了するまでの間に、第2丁合グループの給紙準備を完了させておくことにより、給紙棚の切替時でも給紙が一旦停止せず、連続して用紙を丁合することができる。
【0051】
なお、制御ユニット10は、
図3の通り、第1丁合グループにおいてプリセット数の給紙が完了した後、第2丁合グループでの用紙の丁合を継続しながら、第1丁合グループの各給紙ユニット3a〜3eを給紙可能状態から給紙不可状態にする。それよって、給紙棚4a〜4eは、その上に用紙スタックTを載置できる位置まで下降する。作業者は、給紙棚4a〜4eに次の用紙スタックTを載置することができるようになる。
【0052】
ところで、丁合装置の後段の後処理装置が中綴じ装置等である場合、丁合装置だけで全ての上記の丁合処理を行なうと、丁合装置から後処理装置への給紙タイミングがずれる虞がある。そこで、丁合装置の制御ユニット10が、後処理装置(その制御ユニット)と電気的に接続され、所定の情報を後処理装置へ提供し、後処理装置が、所定の情報に基づいて、給紙タイミングを制御ユニット10に通知してもよい。それによって、丁合装置から後処理装置への給紙タイミングのずれは防止される。なお、所定の情報とは、給紙ユニット3a〜3eの給紙速度、搬送ユニット7、8の搬送速度、給紙中の丁合機1A、1B、給紙中の給紙棚4a〜4jの位置、給紙中の丁合グループのプリセット数等に関する情報である。
【0053】
以上のように、本発明に係る丁合装置によれば、先の丁合グループの給紙棚から給紙を開始してから、その次の丁合グループの給紙準備を開始し、そして、先の丁合グループのプリセット数の給紙が完了するまでに、その次の丁合グループの給紙準備を完了させている。そして、先の丁合グループのプリセット数の給紙が完了すると、その次の丁合グループから給紙を開始する。それゆえ、使用する給紙棚が切り替わるときでも、給紙が一旦停止することはない。従って、生産性が従来よりも向上する。
【0054】
例えば、給紙棚の切替時に給紙を停止させない方法として、第1丁合グループでの給紙開始前に既に第2丁合グループの給紙準備を完了させておくことが考えられる。しかしながら、この場合、第1丁合グループでの給紙の間ずっと、第2丁合グループの各給紙棚4f〜4j上の用紙スタックTに対して、エア吹出機構13によってエアが吹き付けられる。そのため、用紙が乾燥して、皺や歪みが発生する等、用紙に悪影響を与える。
【0055】
これに対して、本発明の丁合装置では、第1丁合グループの給紙開始からプリセット数の給紙の完了までの間に、第2丁合グループの給紙準備を開始しかつ完了しているので、上記のような用紙への悪影響は最小限に抑えられている。
【0056】
次に他の実施形態について説明する。第1実施形態と同じ構成についてはその説明は省略される。
[第2実施形態]
丁合装置は、給紙棚4上の用紙スタックTの用紙数が所定以下になったことを検出する不図示の残数検出手段をさらに備える。給紙棚4が用紙の供給に伴って昇降機構によって昇降する実施形態では、残数検出手段は、給紙棚4の高さを検出する高さ検出センサからなる。より具体的には、高さ検出センサは、フレーム2に固定された近接センサからなり、給紙棚4が所定の高さ以上になったことを検出する。この高さ検出センサは、制御ユニット10に電気的に接続されている。
【0057】
丁合装置は、給紙棚4上に用紙がなくなったことを検出する不図示の用紙切れ検出手段をさらに備える。用紙切れ検出手段は、例えば、給紙棚4に形成された通過孔と、制御ユニット10に電気的に接続された光電センサと、を備える。光電センサは、通過孔を間にして互いに上下方向に対向して配置された投光部及び受光部の対からなる。給紙棚4上に用紙があるとき、投光部からの光は当該用紙に遮られ、一方、給紙棚4上に用紙がないとき、投光部からの光は給紙棚4の通過孔を通って受光部へ達する。それによって、給紙棚4上に用紙がなくなったことが検出される。
【0058】
制御ユニット10は、第1実施形態と同様に、第1丁合グループの各給紙棚4a〜4eから用紙を供給して用紙の丁合を開始する。それから、制御ユニット10は、第1丁合グループの給紙棚4a〜4eの用紙数が所定以下になったことを残数検出手段によって検出すると、第1丁合グループでの用紙の供給を継続しながら、第2丁合グループの給紙準備を開始する。
【0059】
それから、制御ユニット10は、第1丁合グループにおいて給紙棚4a〜4e上の用紙がなくなるまで用紙を供給しつづける。給紙棚4a〜4eが用紙切れになるまでに、第2丁合グループの給紙準備は完了している(このときまでに給紙準備が完了するように、残数検出手段の検出点は予め調整されている)。
【0060】
制御ユニット10は、第1丁合グループの給紙棚4a〜4e上に用紙がなくなったことを用紙切れ検出手段によって検出すると、第2丁合グループの給紙可能状態の給紙ユニット3f〜3jの給紙棚4f〜4jのそれぞれから用紙の供給を開始し、用紙を丁合する。このように給紙棚を切り替えることによって、第1実施形態と同様に、給紙棚の切替時でも給紙が一旦停止せず、連続して用紙を丁合することができる。
【0061】
[第3実施形態]
第3実施形態の丁合装置は、第2実施形態と同様の残数検出手段を備える。制御ユニット10は、第2実施形態と同様に、第1丁合グループの各給紙棚4a〜4eから用紙を供給して用紙の丁合を開始し、それから、第1丁合グループの給紙棚4a〜4eの用紙が所定以下になったことを残数検出手段によって検出すると、第1丁合グループでの用紙の供給を継続しながら、第2丁合グループの給紙準備を開始する。
【0062】
そして、制御ユニット10は、第2丁合グループの給紙準備が完了すると、第1丁合グループの各給紙棚4a〜4eから用紙の供給を停止するとともに、第2グループでの給紙棚4f〜4jから用紙の供給を開始する(なお、第2実施形態と同様に、第2丁合グループの給紙準備が完了する前に第1丁合グループの給紙棚4a〜4eが用紙切れしないように、残数検出手段の検出点は予め調整されている)。それによって、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、給紙棚の切替時でも給紙が一旦停止せず、連続して用紙を丁合することができる。
【0063】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0064】
例えば、上記の実施形態では、2つの丁合グループが設けられていたが、3以上の丁合グループが設けられてもよい。
図5に例示の丁合装置では、3つの丁合機1A、1B、1Cが設けられ、第1丁合グループが丁合機1Aの給紙ユニット3a〜3eで構成され、第2丁合グループが丁合機1Bの給紙ユニット3f〜3jで構成され、第3丁合グループが丁合機1Cの給紙ユニット3k〜3oで構成される。そして、上記実施形態のいずれかと同じ要領で、第1丁合グループのプリセット数の給紙の完了後に、第2丁合グループの給紙が開始され、第2丁合グループのプリセット数の給紙の完了後に、第3丁合グループの給紙が開始される。
【0065】
また、丁合装置は、1つの丁合機に複数の丁合グループを有してもよい。
図6に例示の丁合装置は、1つの丁合機1Aだけを備え、第1丁合グループが給紙ユニット3a〜3cによって構成され、第2丁合グループが給紙ユニット3d〜3fによって構成されている。