特許第6803061号(P6803061)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6803061
(24)【登録日】2020年12月2日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 3/12 20060101AFI20201214BHJP
   F28F 13/08 20060101ALI20201214BHJP
   F25B 9/14 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   F28F3/12 C
   F28F13/08
   F25B9/14 520Z
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-187195(P2016-187195)
(22)【出願日】2016年9月26日
(65)【公開番号】特開2018-54153(P2018-54153A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】594185097
【氏名又は名称】伸和コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】大岡 秀充
(72)【発明者】
【氏名】小野 茂彦
【審査官】 岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】 特表平11−506873(JP,A)
【文献】 特開2011−187599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 3/12
F25B 9/14
F28F 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平担な底部を有すると共に、内部に冷媒用流路が形成されたプレート部材と、
前記プレート部材を覆うプレートカバーと、
を備え、
前記プレートカバーには、
前記プレート部材の前記冷媒用流路の一側領域に連通する冷媒入口と、
前記プレート部材の前記冷媒用流路の他側領域に連通する冷媒出口と、
が設けられており、
前記冷媒用流路は、前記冷媒入口が連通する前記一側領域と前記冷媒出口が連通する前記他側領域とを結ぶ直線に近い領域よりも、前記冷媒入口が連通する前記一側領域と前記冷媒出口が連通する前記他側領域とを結ぶ直線から遠い領域において、配置密度が高くなっており、
前記冷媒用流路は、平面視で斜め格子状のパターンを含んでおり、
前記斜め格子状のパターンの溝要素は、各溝要素の延伸方向に垂直な幅が一定であり、
前記冷媒用流路の配置密度は、前記斜め格子状のパターンの溝要素の配置密度に依存している
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記各溝要素の幅は、1.2mm〜2.0mmであり、
前記各溝要素の深さは、5.0mm〜8.0mmであり、
前記プレート部材の厚みは、7.0mm〜10.0mmである
ことを特徴とする請求項に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記プレート部材は、平面視で円板状の形状を有しており、
前記冷媒入口が連通する前記一側領域と前記冷媒出口が連通する前記他側領域とを結ぶ直線は、前記プレート部材の直径方向に延びている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記冷媒用流路は、前記プレート部材の中心に近い領域よりも、前記プレート部材の中心から遠い領域において、配置密度が高くなっている
ことを特徴とする請求項に記載の熱交換器。
【請求項5】
平担な底部を有すると共に、内部に冷媒用流路が形成された熱交換器であって、
前記冷媒用流路の一側領域に連通する冷媒入口と、
前記冷媒用流路の他側領域に連通する冷媒出口と、
が同一方向に突出するように設けられており、
前記冷媒用流路は、前記冷媒入口が連通する前記一側領域と前記冷媒出口が連通する前記他側領域とを結ぶ直線に近い領域よりも、前記冷媒入口が連通する前記一側領域と前記冷媒出口が連通する前記他側領域とを結ぶ直線から遠い領域において、配置密度が高くなっており、
前記冷媒用流路は、平面視で斜め格子状のパターンを含んでおり、
前記斜め格子状のパターンの溝要素は、各溝要素の延伸方向に垂直な幅が一定であり、
前記冷媒用流路の配置密度は、前記斜め格子状のパターンの溝要素の配置密度に依存している
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項6】
前記各溝要素の幅は、1.2mm〜2.0mmであり、
前記各溝要素の深さは、5.0mm〜8.0mmである
ことを特徴とする請求項5に記載の熱交換器。
【請求項7】
当該熱交換器は、平面視で円板状の形状を有しており、
前記冷媒入口が連通する前記一側領域と前記冷媒出口が連通する前記他側領域とを結ぶ直線は、前記プレート部材の直径方向に延びている
ことを特徴とする請求項5または6に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記冷媒用流路は、当該熱交換器の中心に近い領域よりも、当該熱交換器の中心から遠い領域において、配置密度が高くなっている
ことを特徴とする請求項7に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸熱部が平坦な形状を有している冷凍機と組み合わせるのに好適な熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
ツインバード工業株式会社が、極めて高性能なスターリング冷凍機を開発し、販売している(商品名:スターリングクーラー、型番:SC−UE15R)。このスターリング冷凍機は、特許文献1に開示されたスターリングサイクル機関を採用し、図8に示すように吸熱部が平坦な円板形状を有している。
【0003】
本件発明者は、特許文献2に開示された冷却水素供給ステーションにおける冷凍機ユニットに、前掲のスターリング冷凍機を採用することについて検討してきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−068362
【特許文献2】特開2015−127564
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の通り、前掲のスターリング冷凍機は、図8に示すように吸熱部が平坦な円板形状を有している。このような吸熱部と冷媒とを効率良く熱交換させる熱交換器が、残念ながら存在していなかった。
【0006】
本件発明者は、当初、図9に示すように、ラビリンス状の冷媒流路が形成された熱交換器を試作して、検討を続けてきた。
【0007】
本件発明者によれば、このような複雑な経路を辿る冷媒流路は、高い熱交換性能を発揮することが検証された。しかしながら、経路が複雑であるがために、冷媒の圧力損失が高く、すなわち、冷媒を循環するための駆動エネルギが高くなってしまうという問題を知見した。
【0008】
実際に、図9に示す冷媒流路のパターン(溝の幅:3.2mm、溝の深さ:8.0mm)では、192Wという高い熱交換性能を発揮する一方で、394kPaもの圧力損失を生じさせてしまった。
【0009】
本発明は、以上の知見に基づいて創案されたものである。本発明の目的は、吸熱部が平坦な形状を有している冷凍機と組み合わせるのに好適な熱交換器であって、高い熱交換性能を発揮する一方、冷媒の圧力損失をも抑制することができる熱交換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、平担な底部を有すると共に、内部に冷媒用流路が形成されたプレート部材と、前記プレート部材を覆うプレートカバーと、を備え、前記プレートカバーには、前記プレート部材の前記冷媒用流路の一側領域に連通する冷媒入口と、前記プレート部材の前記冷媒用流路の他側領域に連通する冷媒出口と、が設けられており、前記冷媒用流路は、前記冷媒入口が連通する前記一側領域と前記冷媒出口が連通する前記他側領域とを結ぶ直線に近い領域よりも、前記冷媒入口が連通する前記一側領域と前記冷媒出口が連通する前記他側領域とを結ぶ直線から遠い領域において、配置密度が高くなっており、前記冷媒用流路は、平面視で斜め格子状のパターンを含んでおり、前記斜め格子状のパターンの溝要素は、各溝要素の延伸方向に垂直な幅が一定であり、前記冷媒用流路の配置密度は、前記斜め格子状のパターンの溝要素の配置密度に依存していることを特徴とする熱交換器である。
【0011】
本発明によれば、冷媒入口が連通する一側領域と冷媒出口が連通する他側領域とを結ぶ直線に近い領域よりも、冷媒入口が連通する一側領域と冷媒出口が連通する他側領域とを結ぶ直線から遠い領域において、冷媒用流路の配置密度が高くなっていることにより、冷媒入口が連通する一側領域から冷媒出口が連通する他側領域に至る各経路をバランスよく冷媒が流れることができ、熱交換器全体としての圧力損失を効果的に抑制することができる。
【0012】
また、本発明によれば、前記冷媒用流路は、平面視で斜め格子状のパターンを含んでいる。
【0013】
これにより、高い熱交換性能を発揮することが容易であるし、また、冷媒用流路の配置密度の高低に関する設計ないし製造が容易である。
【0014】
更に、本発明によれば、前記斜め格子状のパターンの溝要素は、各溝要素の延伸方向に垂直な幅が一定である。そのような溝要素は、同一の加工工具を用いて形成され得るので製造が容易であるし、設計も容易である。また、この場合には、冷媒用流路の配置密度は、斜め格子状のパターンの溝要素の配置密度(例えば隣接する溝要素の間の間隔等)に依存することになる。
【0015】
斜め格子状のパターンを採用した本件発明者による実際の試作品を用いた検証実験によれば、前記各溝要素の幅は、1.2mm〜2.0mmであり、前記各溝要素の深さは、5.0mm〜8.0mmであり、前記プレート部材の厚みは、7.0mm〜10.0mmであることが好ましい、という知見が得られている。
【0016】
前掲のスターリング冷凍機は、図8に示すように吸熱部が平坦な円板形状を有しているため、本発明の熱交換器のプレート部材(の底部)も、平面視で円板状の形状を有していることが好ましい。この場合、更に、前記冷媒入口が連通する前記一側領域と前記冷媒出口が連通する前記他側領域とを結ぶ直線は、前記プレート部材の直径方向に延びていることが好ましい。また、この場合、更に、前記冷媒用流路は、前記プレート部材の中心に近い領域よりも、前記プレート部材の中心から遠い領域において、配置密度が高くなっていることが好ましい。
【0017】
本発明において、プレート部材とプレートカバーとが別体であることは、製造を容易にするために好ましい態様ではあるが、機能的には必須の要件ではない。すなわち、本発明は、平担な底部を有すると共に、内部に冷媒用流路が形成された熱交換器であって、前記冷媒用流路の一側領域に連通する冷媒入口と、前記冷媒用流路の他側領域に連通する冷媒出口と、が同一方向に突出するように設けられており、前記冷媒用流路は、前記冷媒入口が連通する前記一側領域と前記冷媒出口が連通する前記他側領域とを結ぶ直線に近い領域よりも、前記冷媒入口が連通する前記一側領域と前記冷媒出口が連通する前記他側領域とを結ぶ直線から遠い領域において、配置密度が高くなっており、前記冷媒用流路は、平面視で斜め格子状のパターンを含んでおり、前記斜め格子状のパターンの溝要素は、各溝要素の延伸方向に垂直な幅が一定であり、前記冷媒用流路の配置密度は、前記斜め格子状のパターンの溝要素の配置密度に依存していることを特徴とする熱交換器である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、冷媒入口が連通する一側領域と冷媒出口が連通する他側領域とを結ぶ直線に近い領域よりも、冷媒入口が連通する一側領域と冷媒出口が連通する他側領域とを結ぶ直線から遠い領域において、冷媒用流路の配置密度が高くなっていることにより、冷媒入口が連通する一側領域から冷媒出口が連通する他側領域に至る各経路をバランスよく冷媒が流れることができ、熱交換器全体としての圧力損失を効果的に抑制することができる。
また、本発明によれば、前記冷媒用流路は、平面視で斜め格子状のパターンを含んでいる。これにより、高い熱交換性能を発揮することが容易であるし、また、冷媒用流路の配置密度の高低に関する設計ないし製造が容易である。
更に、本発明によれば、前記斜め格子状のパターンの溝要素は、各溝要素の延伸方向に垂直な幅が一定である。そのような溝要素は、同一の加工工具を用いて形成され得るので製造が容易であるし、設計も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る熱交換器を冷凍機に組み付けた状態を示す斜視図である。
図2図1の熱交換器を分解した状態を示す斜視図である。
図3図1の熱交換器の縦断面図である。
図4図1の熱交換器のプレート部材の斜視図である。
図5図1の熱交換器のプレート部材の平面図である。
図6】詳細な寸法例を記載した図1の熱交換器のプレート部材の平面図である。
図7】詳細な寸法例を記載した熱交換器のプレート部材の変形例(変形例3)の平面図である。
図8】スターリング冷凍機の斜視図である。
図9】ラビリンス状の冷媒流路を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る熱交換器10をスターリング冷凍機50に組み付けた状態を示す斜視図であり、図2は、熱交換器10を分解した状態を示す斜視図であり、図3は、熱交換器10の縦断面図である。
【0022】
図1乃至図3に示すように、本実施形態に係る熱交換器10は、平担な底部21を有すると共に、内部に冷媒用流路22が形成されたプレート部材20と、プレート部材20を覆うプレートカバー30と、を備えている。プレート部材20は、アルミ合金製であり、プレートカバー30は、ステンレス製であるが、アルミ合金製であってもよい。
【0023】
プレートカバー30には、プレート部材20の冷媒用流路22の一側領域22aに連通する冷媒入口31と、プレート部材20の冷媒用流路22の他側領域22bに連通する冷媒出口32と、が設けられている。
【0024】
本実施形態のプレート部材20は、図1乃至図3に示すように、平面視で円板状の形状を有しており、冷媒入口31が連通する一側領域22aと冷媒出口32が連通する他側領域22bとを結ぶ直線が、プレート部材20の直径方向に延びている。
【0025】
また、本実施形態のプレート部材20では、図1及び図2に示すように、冷媒用流路22の一側領域22aに連通する冷媒入口31と、冷媒用流路22の他側領域22bに連通する冷媒出口32とが、同一方向に突出するように設けられている。
【0026】
続いて、図4は、本実施形態の熱交換器10のプレート部材20の斜視図であり、図5は、本実施形態の熱交換器10のプレート部材20の平面図である。また、図6は、詳細な寸法例を記載した本実施形態の熱交換器10のプレート部材20の平面図である。
【0027】
図4乃至図6に示すように、冷媒用流路22は、冷媒入口31が連通する一側領域22aと冷媒出口32が連通する他側領域22bとを結ぶ直線に近い領域と比較して、冷媒入口31が連通する一側領域22aと冷媒出口32が連通する他側領域22bとを結ぶ直線から遠い領域において、配置密度が高くなっている。また、本実施形態では、冷媒用流路22は、平面視で円板状のプレート部材20の中心に近い領域よりも、平面視で円板状のプレート部材20の中心から遠い領域において、配置密度が高くなっている。
【0028】
これにより、冷媒入口31が連通する一側領域22aから冷媒出口32が連通する他側領域22bに至る経路の各々を、冷媒がバランスよく流れることができる。このことによって、熱交換器全体としての圧力損失を効果的に抑制することが期待できる。
【0029】
特に、図4乃至図6に示すように、本実施形態の冷媒用流路22は、平面視で斜め格子状のパターンを含んでいる。本実施形態の斜め格子状のパターンは、縦横の格子状のパターンが、冷媒入口31が連通する一側領域22aと冷媒出口32が連通する他側領域22bとを結ぶ直線に対して、45°傾けられたものである。
【0030】
このような構成により、高い熱交換性能を発揮することが可能であり、また、冷媒用流路22の配置密度の高低に関する設計ないし製造も容易である。
【0031】
更に、本実施形態では、図5に示すように、斜め格子状のパターンの溝要素(流路要素)が、その延伸方向に垂直な幅において一定となっている。このような溝要素(流路要素)は、同一の加工工具を用いて形成され得るので製造が容易であるし、設計も容易である。この場合、冷媒用流路22の配置密度は、斜め格子状のパターンの溝要素(流路要素)の配置密度(例えば隣接する溝要素の間の間隔等)に依存する。
【0032】
斜め格子状のパターンを採用した本件発明者による実際の試作品を用いた検証実験によれば、各溝要素の幅は1.2mm〜2.0mmであって、各溝要素の深さは5.0mm〜8.0mmであって、プレート部材20の厚みは7.0mm〜10.0mmであることが好ましい。一例として、本実施形態においては、各溝要素の幅は1.5mmであって、各溝要素の深さは6.0mmであって、プレート部材20の厚みは8.0mmである。
【0033】
また、隣接する溝要素の中心線同士の間隔は、図6に示すように、中央側から順に、4.5mm、4.0mm(×2)、3.5mm(×1)、3.0mm(×5)、となっている。
【0034】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0035】
本実施形態の性能を評価するために、図1に示すように本実施形態の熱交換器10がツインバード工業株式会社製のスターリング冷凍機(商品名:スターリングクーラー、型番:SC−UE15R)の吸熱部に組み付けられて、熱交換性能と冷媒の圧力損失とが評価された。冷媒としては、ショーワ株式会社製のコールドブラインFP−40(ギ酸カリウム水溶液)が用いられた。
【0036】
その結果、205Wという高い熱交換性能を発揮する一方で、圧力損失を35.6kPa程度にまで低減させることができた。
【0037】
(変形例1)
前記実施形態から、各溝要素の深さを5.0mm、プレート部材20の厚みを7.0mm、に低減した場合においても、196Wという高い熱交換性能を発揮する一方で、圧力損失を45.4kPa程度にまで低減させることができた。
【0038】
(変形例2)
前記実施形態から、逆に、各溝要素の深さを8.0mm、プレート部材20の厚みを10.0mm、に増大した場合においても、219Wという高い熱交換性能を発揮する一方で、圧力損失を25.7kPa程度にまで低減させることができた。
【0039】
(変形例3)
前記実施形態から、各溝要素の幅を2.0mm、に増大した場合においても、180Wという高い熱交換性能を発揮する一方で、圧力損失を30.7kPa程度にまで低減させることができた。なお、この場合の隣接する溝要素の中心線同士の間隔は、図7に示すように、中央側から順に、5.0mm、5.0mm(×1)、4.5mm(×1)、4.0mm(×1)、3.5mm(×4)であった。
【0040】
(作用効果の纏め)
以上の通り、本実施形態及びその変形例によれば、冷媒入口31が連通する一側領域22aから冷媒出口32が連通する他側領域22bに至る各経路をバランスよく冷媒が流れることができ、熱交換器10全体としての圧力損失を効果的に抑制することができる。
【0041】
また、冷媒用流路22が平面視で斜め格子状のパターンを含んでいることにより、高い熱交換性能を発揮することが容易であるし、また、冷媒用流路22の配置密度の高低に関する設計ないし製造が容易である。
【0042】
また、斜め格子状のパターンの溝要素は、各溝要素の延伸方向に垂直な幅が一定とされており、同一の加工工具を用いて形成され得るので製造が容易であるし、設計も容易である。
【0043】
なお、プレート部材20とプレートカバー30とが別体であることは、製造を容易にするために好ましい態様ではあるが、機能的には必須の要件ではない。
【符号の説明】
【0044】
10 熱交換器
20 プレート部材
21 底部
22 冷媒用流路
22a 一側領域
22b 他側領域
30 プレートカバー
31 冷媒入口
32 冷媒出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9