(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
異なる前記載置エリアに配置された複数の前記記憶媒体から前記位置信号を受信した場合であって、第一の位置信号の強度又は読み取り回数が他の位置信号の強度又は読み取り回数よりも所定比率を超えて受信した場合に、前記第一の位置信号に基づいて前記位置情報を特定することを特徴とする請求項1に記載の位置検出システム。
前記位置信号を受信する受信位置に対応させてあらかじめ記録されている1以上の前記記憶媒体の識別情報に基づいて、特定された前記位置情報の採用又は非採用を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の位置検出システム。
受信した前記位置信号に含まれる前記記憶媒体の識別情報が、前記あらかじめ記録されている1以上の前記記憶媒体の識別情報に含まれていない場合、特定された前記位置情報を非採用とすることを特徴とする請求項3に記載の位置検出システム。
前記位置信号を受信する受信位置に基づく位置情報の採用又は非採用は、前記位置信号を受信した際のアンテナの指向性が最大となる方向が向いている方角に基づいて決定されることを特徴とする請求項3又は4に記載の位置検出システム。
時間的に連続して検出された2つの前記位置情報に対応する2つの載置エリアの間の空間に、他の1つ以上の載置エリアが存在する場合には、前記時間的に連続して検出された2つの位置情報の間に、前記他の1つ以上の載置エリアの位置情報を補完することを特徴とする請求項1又は2に記載の位置検出システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。
本実施形態における位置検出システム1は、記憶媒体の一例であるRFIDタグの位置を検出する。
RFIDタグは、外部から、通常はタグリーダから電波を受信することでエネルギーを得て起動した後、受信した電波を自身が記憶している情報に基づいて変調して発信するパッシブ型が、典型的に用いられる。また、RFIDタグには、パッシブ型の他に、電池等の電源を内蔵し、記憶している情報に応じた電波を自発的に発信するアクティブ型も存在するが、本実施形態では、パッシブ型を例示して説明する。
なお、RFIDタグは、パッシブ型かアクティブ型かによらず、通常、ユーザによる情報の読み書きが可能なユーザ領域を有し、記憶している情報の追加、変更、削除といった編集が可能である。
【0017】
図1は、本実施形態における位置検出システム1の機能構成を示すブロック図である。
位置検出システム1は、タグリーダ10と、位置特定装置20とを備える。
【0018】
タグリーダ10は、RFIDタグ30との間で電波による無線通信を行う。無線通信に用いる電波の周波数帯は、例えばUHF(Ultra High Frequency)帯であってよいが、これには限られない。UHF帯の波長は、30cm程度であるため、後述するアンテナ11の移動距離(例えば、5cm〜15cm程度)と近いため好適である。このように、波長がアンテナ11の移動距離と同等又は数倍程度となる周波数帯が選択されることが好ましい。
タグリーダ10は、アンテナ11と、第1通信部12と、電波情報検出部13と、第2通信部14と、移動部15とを備える。
【0019】
アンテナ11は、RFIDタグ30との間で電波の送受信を行う。なお、アンテナ11は、指向性を持ち、その向きに応じた経路の電波を強く受信する。
【0020】
第1通信部12は、所定の周波数による電波を用いた無線による通信を、アンテナ11を介してRFIDタグ30との間で行う。すなわち、第1通信部12は、送信信号を所定の周波数の搬送波に乗せて、アンテナ11によりRFIDタグ30へ送信し、RFIDタグ30に記憶されている情報の信号を乗せて返送された電波を、アンテナ11を介して受信する。
【0021】
電波情報検出部13は、受信された電波に関する情報を検出する。この電波に関する情報は、受信した電波の強度(例えば、Received Signal Strength Indicator、以下RSSI)、位相、及び単位時間(例えば、1秒、0.1秒等)当たりに信号の読み取りに成功した回数の少なくともいずれかを含む。
ここで、電波情報検出部13は、RFIDタグ30から受信した電波を、タグリーダ10の持つ基準波と比較することで位相を算出する。すると、位相は、タグリーダ10とRFIDタグ30との間の距離に応じて決定されるため、電波情報検出部13は、アンテナ11の位置に固有の位相を検出できる。したがって、例えばアンテナ11の移動に伴って、移動の前と後とでそれぞれ検出される位相は、検出のタイミングによらず差が一定となる。
【0022】
第2通信部14は、RFIDタグ30の位置検出処理を担う位置特定装置20との間で通信を行う。通信方式は限定されず、有線又は無線の既存の方式が採用可能であるが、無線を採用する場合、RFIDタグ30との通信を妨げないように、UHF帯とは異なる周波数帯を用いる、例えばBluetooth(登録商標)等であることが好ましい。
【0023】
移動部15は、アンテナ11の向きを変更すると共に、RFIDタグ30に対するアンテナ11の位置を移動させる。移動部15は、アンテナ11のみを移動させてもよいし、タグリーダ10自体を移動させる機構を備えてもよい。
例えば、タグリーダ10は、自動搬送機、又はドローン等に配置されてもよい。
【0024】
位置特定装置20は、タグリーダ10と通信可能な情報処理装置(コンピュータ)であり、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ又はタブレット端末等の汎用のデバイスであってもよいし、専用デバイスであってもよい。
【0025】
位置特定装置20は、第3通信部21(電波情報取得部、移動情報取得部)と、制御部22と、記憶部23と、表示部24と、操作部25とを備える。
【0026】
第3通信部21は、タグリーダ10と所定の通信方式により通信を行う。具体的には、第3通信部21は、制御部22の制御に従って、移動部15に対する指令を送信すると共に、タグリーダ10が検出した電波に関する情報を受信して制御部22に提供する。
制御部22には、タグリーダ10が検出したタグに記憶されているID情報と電波の情報が検出される都度提供されており、時間情報と合わせてデータとして蓄積されている。
【0027】
なお、説明を簡明にするために、制御部22は単体として説明しているが、これに制限されない。例えば、検出した位置情報を図示しないサーバへ送信し、以下に詳述する位置の判定や誤検出の判定といった処理を当該サーバで行い、位置特定装置20が前記サーバから受信するフィードバック情報を表示部24に表示するように構成してもよい。以下では、サーバは省略し、制御部22の動作として簡略化して説明する。
【0028】
図2に、本実施形態における店舗の様子を示す。棚101やハンガーラック102は店舗や物流拠点で用いられる通常の棚やハンガーラックである。棚101やハンガーラック102には商品アイテムが複数陳列されている。各商品アイテムにはRFIDタグ30が貼付されている。RFIDタグ30はアイテムに取り付けられていればよく、その取り付け態様は貼付に制限されない。また、棚101やハンガーラック102にも、位置情報を示すためのRFIDタグ30が貼付されている。RFIDタグ30は、アイテムを載置する載置エリアに配置されていればよく、その配置態様は貼付に制限されない。
【0029】
以下では、商品アイテムと棚やハンガーラックに貼付されたタグを区別するために、商品アイテムに貼付されたRFIDタグ30を商品RFIDタグ30Qとし、棚やフロアなどの什器に貼付されて場所を示すRFIDタグ30を位置RFIDタグ30Pとし、両者を区別して表示することがある。また、
図2の左端の棚101を101Aとし、
図2の中央の棚を101Bとし、それぞれに貼付されたRFIDタグ30Pを30PA及び30PBとし、ハンガーラック102に貼付されたRFIDタグ30Pを30PCとし、三者を区別して表示することがある。
【0030】
この什器の前で、
図1に示した位置検出システム1を用いる場合、位置検出システム1が検出用の電波を発信すると、これを受信したRFIDタグ30のすべてが、記憶されている内容に応じた電波を発信する。したがって、位置検出システム1は、商品アイテムに貼付された商品RFIDタグ30Qと什器に貼付された位置RFIDタグ30Pとから発信される複数の応答電波を、受信することになる。
【0031】
位置検出システム1が第1の時刻において、位置RFIDタグ30PAからの所定のRSSIを超える電波を受信すると、位置検出システム1が第1の時刻には棚101Aの前に位置していたとみなすことができる。そして例えば1秒間などの一定時間が経過するか、所定のRSSIを超える別の位置RFIDタグ30PBの電波を受信するまでのいずれか短い方までの時間を、位置検出システム1が棚101Aの前に位置していた滞在時間とみなす。そして、位置検出システム1は、滞在時間中に検出された所定のRSSIを超える商品アイテムRFIDタグ30Qから受信した応答電波をすべて、棚101Aに陳列されている商品アイテムからの応答電波であると認識して、データベースに登録する。
【0032】
ここで、同じ棚101Aを示すための位置RFIDタグ30PAは1つでもよいが、電波の減衰を考慮すると、棚101Aの横幅が1mを超える場合には、位置RFIDタグ30PAを、例えば棚の両サイドに貼付するなど、複数貼付するとよい。
【0033】
そして、棚101の検品が終了し、ユーザが位置検出システム1の位置を移動して棚101Bの前に移動すると、位置RFIDタグ30PAからの受信電波は徐々に減衰し、代わりに位置RFIDタグ30PBからの電波がより強く検出されるようになる。そして、位置検出システム1は、位置RFIDタグ30PBからの電波が所定のRSSIを超えたところで位置検出システム1が棚101Bの前に位置していると判定し、上記と同様に、所定期間1秒の経過か別の位置RFIDタグ30P(30PAもしくは30PC)の電波を受信するまでの間である滞在時間中に受信した商品アイテムRFIDタグ30Qから受信した応答電波をすべて、棚101Bに陳列されている商品アイテムからの応答電波であると認識して、データベースに登録する。
【0034】
以降同様に、位置検出システム1は、ハンガーラック102の前で位置RFIDタグ30PCからの電波が所定のRSSIを超えている滞在時間中に検出した商品アイテムRFIDタグ30Qをすべて、ハンガーラック102に陳列されている商品アイテムに貼付された商品RFIDタグであると認識し、店舗のすべての商品アイテムを什器と紐付けて管理することが可能となる。
【0035】
そして、当該商品アイテムが売却される際に、レジにあるPOSシステムで当該商品の商品アイテムRFIDタグ30Qを読み込むことにより、当該商品の商品アイテムRFIDタグ30Qをデータベースから販売済みとして消去する。特定の什器から特定の商品アイテムが減ると、データベースは陳列商品が減少したことを倉庫スタッフの端末に通知し、店頭における商品の補充を促す。
図1に示した位置検出システム1は持ち運びが可能なものであるため、商品補充に際して位置検出システム1を保持して補充することで、什器に陳列された商品アイテムを逐次更新することができる。すなわち、商品アイテムを補充する際には、補充する什器の前に必ず位置しているので、新たに補充する商品アイテムに貼付された商品アイテムRFIDタグ30Qと、当該什器に貼付された位置RFIDタグ30Pとを読み取り、補充したことを記録することで、データベースには新たな商品アイテムコードが追記され、店頭に陳列された商品アイテムのデータが更新される。
【0036】
ところで、RFIDタグ30の発する電波は、それほど強い強度ではなく、また、位置検出システム1が受信する電波強度RSSIは、距離の2乗に比例して減衰するため、基準となるRSSI強度を適切に設定することによってどの什器の前に滞在しているかを判別することが可能である。ただし、近くに位置する別の位置RFIDタグ30Pからの電波受信が完全になくなる環境が必ず実現されるわけではないので、複数の位置RFIDタグ30Pの電波を同じ時間帯で検出することもある。この場合、第一の位置RFIDタグ30PAからの受信強度RSSI―Aと、第二の位置RFIDタグ30PBからの受信強度RSSI−Bとの比が2倍、もしくは所定の時間における位置RFIDタグ30Pの読み取り回数が2倍を超えていれば、一方の位置RFIDタグ30Pが近く、他方が遠いと判別してもよい。そして、この基準値にどの位置RFIDタグ30Pの電波も達していない、もしくは複数の位置RFIDタグ30Pの電波が近い受信強度RSSIで検出されている間は、位置検出システムを持ったユーザが棚の前から次の棚の前へ移動している時間帯であると判定し、検出した商品アイテムのコードの存在だけを更新し、位置情報の更新は保留することができる。
【0037】
[地図情報の利用]
図3は位置検出システムに搭載されている表示装置に示される店舗内の什器位置を示す地図情報の例である。什器の情報は、チェーン店のように複数の店舗で同じ什器を活用する場合には、所定のデータベースにあらかじめ登録されているものをダウンロードして表示することもできるし、ほとんどの什器はおおむね直方体であることから、平面図は矩形で単純に示すことができるので、店頭において実測してサイズを設定してもよい。また表示装置がタッチパネルを搭載していれば、画面上でピンチ処理することでサイズを設定してもよい。そして、店舗内に配置されるすべての什器に固有のIDを付与し、このIDを位置RFIDタグ30Pの記憶領域に保存しておく。什器を用いずに店舗の壁などに直接掲示する陳列の場合には、必要に応じて当該壁にもIDを付与し、位置RFIDタグ30Pを壁にも貼付するとよい。
【0038】
このように、店舗の什器の位置情報と商品アイテムとを紐付けてデータベースを構築することで、開店時、閉店時に容易に店頭に陳列された商品アイテムを棚卸管理することができる。広い店舗の場合には、複数の店員で手分けをして棚卸する必要がある。本実施形態の位置検出システム1は、棚卸管理モードにおいて、ある什器の棚卸管理が完了する、すなわち位置RFIDタグ30Pに紐付けて、その時間帯に検出された商品アイテムIDがデータベースに登録され、更新されると、店舗の管理サーバに当該位置IDについての棚卸完了フラグを生成し、各店員が保持する位置情報システムに送信する。各位置情報システムに搭載された表示装置に表示された地図情報は、棚卸完了フラグが示された什器を彩度と輝度を落とした色で表示し、他の店員に棚卸完了を通知することができる。
【0039】
位置検出システム1は、ある什器の前に滞在していると認識された場合には、自己の認識している位置を輝点で表示する。
【0040】
また、店頭に陳列された商品に補充が必要な場合、商品アイテムと補充先の什器はあらかじめ認識されている。補充を担当する店員が持っている位置検出システムは、これから補充しようとする商品アイテムの商品アイテムRFIDタグ30Qを読み取ると、表示装置に表示する地図情報における補充先の什器を点滅させたり、輝度を上げて表示するなどして、区別して表示する。補充する店員は、対象什器の前で補充したことを位置検出システム1に登録し、位置検出システム1はその時間帯で検出した位置RFIDタグ30Qの情報を当該商品アイテムのIDと紐付けてデータベースを更新する。このように、本実施形態の位置検出システム1によれば、開店前、閉店後の棚卸に加え、開店中も随時棚卸管理を行うことができる。
【0041】
[位置RFIDタグの誤検出に対する対策]
以上、説明した位置検出システムを実際の店舗の環境において適用すると、位置RFIDタグ30Pを検出するであろうと想定していない状況で、前記位置RFIDタグ30Pを誤って検出する場合があることがわかった。
図4は、実際の店舗の環境を模した図である。棚131、132、133、134、及び135は、それぞれ、
図4の下側に開口する開口部を有する棚である。そして、各棚にそれぞれ、位置IDが、A1、A2、A3、A4、及びA5である位置RFIDタグ30Pが貼付されている。そして、棚133と棚134の間の壁面には、例えば、衣料品を試着した姿を確認する目的で、鏡501が設置されている。
図4の通路(通路1、通路2)を隔てた下側には、棚136、及び137が配置されている。棚136、及び137は、
図4の上側に開口する開口部を有する棚である。
【0042】
通路1は、タグリーダ10を手にした店員が、棚131、132、133、134、及び135に載置されている商品を検出するために通る通路である。そのため、通路1を通る店員は、タグリーダ10のアンテナ11の指向性が最大となる方向を
図4の上側に向けている。
【0043】
通路2は、タグリーダ10を手にした店員が、棚136、及び137に載置されている商品を検出するために通る通路である。そのため、通路2を通る店員は、タグリーダ10のアンテナ11の指向性が最大となる方向を
図4の下側に向けている。
【0044】
通路1を通る店員は、棚131、132、133、134、及び135に載置されている商品を検出するわけであるから、棚131、132、133、134、及び135に貼付されている位置RFIDタグ30PのIDと、棚131、132、133、134、及び135に載置されている商品に貼付されている商品RFIDタグ30QのIDとを検出することを想定している。
しかし、鏡501は、ガラスの裏面に金属面を形成した構造であるから、例えば、棚137に貼付された位置RFIDタグ30Pからの電波RWを、
図4の右下方向に向かって反射する。
【0045】
前述したように、通路1を通る店員は、タグリーダ10のアンテナ11の指向性が最大となる方向を
図4の上側に向けているので、鏡501で反射された棚137に貼付された位置RFIDタグ30Pからの電波を受信して、位置ID「B1」を検出してしまうことがある。
【0046】
図5は、以上のような場合における位置RFIDタグ30Pの検出結果の例である。項目「年月日」は、店員が通路1を通って、RFIDタグの検出操作を行った日の情報である。項目「時分秒」は、位置RFIDタグ30Pを検出した時刻である。項目「位置RFIDタグのID」は、検出された位置RFIDタグ30PのIDである。項目「X座標」は、
図4の配置図における各位置RFIDタグ30Pの位置のX座標である。項目「Y座標」は、
図4の配置図における各位置RFIDタグ30Pの位置のY座標である。
【0047】
図4の配置図における各位置RFIDタグ30Pの位置のX座標とY座標は、各位置RFIDタグ30Pが有するメモリに記憶させておき、位置RFIDタグ30Pからの応答電波に乗せて送信してもよい。あるいは、各位置RFIDタグ30PのIDと、各位置RFIDタグの位置のX座標及びY座標の対応関係をあらかじめ店舗の管理サーバに格納しておいて、検出した位置RFIDタグ30PのIDに基づいて、前記管理サーバから位置RFIDタグの位置のX座標及びY座標を検索してもよい。
なお、
図5では、表を見易くするために、各位置RFIDタグ30Pは、それぞれ1回しか検出されていないが、前述したように、RFIDタグの電波は1秒間に300回発信されているので、実際は、1つの位置RFIDタグ30Pは複数回検出される。
【0048】
図5の項番4の位置RFIDタグのIDは「B1」であるから、この位置IDは、本来、通路1を通る際には、検出されないはずの位置IDである。したがって、
図5の表から項番4を削除する又はマスクするといったような何らかの対策を講ずる必要がある。
なお、
図5に示されるデータのような、検出した直後のデータであって、誤って検出したデータがまだ含まれているようなデータを、以後、「一次データ」ということがある。これに対して、
図5の項番4のような誤って検出したデータを削除する等の加工処理(後記する、当然含まれるべきデータを補完するような処理も含む)を施して、以後の処理に適合させたデータを、「二次データ」ということがある。
【0049】
また、位置RFIDタグを検出するであろうと想定していない状況で、前記位置RFIDタグを誤って検出する別の例を説明する。
【0050】
図6も実際の店舗の環境を模した図である。
棚151、152、及び153は、それぞれ、
図6の上側に開口する開口部を有する棚である。そして、各棚にそれぞれ、位置IDが、C1、C2、及びC3である位置RFIDタグ30Pが貼付されている。棚154、155及び156は、
図6の下側に開口する開口部を有する棚である。
したがって、棚151〜153と、棚154〜156とは、言わば、背中合わせで配置されている。便宜上、背中合わせで配置されている2列の棚の内、棚151〜153の側を「表側」、棚154〜156の側を「裏側」と呼ぶことにする。
【0051】
通路3は、タグリーダ10を手にした店員が、棚151〜153に載置されている商品を検出するために通る通路である。そのため、通路3を通る店員は、タグリーダ10のアンテナ11の指向性が最大となる方向を
図6の下側に向けている。
【0052】
通路4は、タグリーダ10を手にした店員が、棚154〜156に載置されている商品を検出するために通る通路である。そのため、通路4を通る店員は、タグリーダ10のアンテナ11の指向性が最大となる方向を
図6の上側に向けている。
【0053】
図6の棚151、152、及び153の各棚の間は、ほとんど隙間がないように、3基の棚が設置されている。
図6の棚154、155、及び156の各棚の間についても、同じように、ほとんど隙間がないように、3基の棚が設置されている。このため、店員が、棚151と棚152の間及び棚155と棚156の間を通って、表側から裏側へ移動することはできない。
また、
図6では、図をシンプルにするため、片側に3基の棚が設置されている図としたが、実際の店舗では、もっと多くの、例えば、片側に10基程度の棚が設置されている。したがって、例えば、表側の中央の棚から裏側の中央の棚まで移動することは簡単ではない。
【0054】
一般に、RFIDタグを金属の表面に貼付すると、RFIDタグは、応答電波を発射できなくなる(例えば、特開2018−78619号公報の段落[0002]参照)。近年は、棚にRFIDタグを貼付して使用することが行われるようになってきたため、棚として、金属製の棚でなく、木製の棚が使用されることがある。
しかし、RFIDタグの応答電波は、木製の棚を透過するため、例えば、店員が
図6の通路3にいて、タグリーダ10のアンテナ11の指向性が最大となる方向を
図6の下側に向けている場合、表側のRFIDタグからの応答電波だけでなく、裏側のRFIDタグからの応答電波も受信してしまうことがある。
【0055】
図7は、以上のような、店員が
図6の通路3にいる場合における位置RFIDタグ30Pの検出結果の例である。項番3では、
図6の裏側に位置している棚155の位置IDである「D2」を検出している。
図8は、
図7の約30分後に、店員が通路4を通って、タグリーダ10のアンテナ11の指向性が最大となる方向を
図6の上側に向けて検出した位置RFIDタグ30Pの検出結果の例である。項番3の「C2」は、
図6の表側に位置している棚152の位置IDである。
【0056】
前述したように、
図6の棚は、片側に10基程度の棚が設置されている。そのため、本当は表側の中央の棚に配置されている商品を、裏側の中央の棚に配置されているとして誤検出して、商品とその商品の載置場所の対応表を作成すると、裏側の中央の棚に行っても目当ての商品は無く、たとえ誤検出したことに気付いても、裏側の中央の棚から表側の中央の棚まで移動するのが大変である。
【0057】
このように、検出されることを想定していない状況で検出された位置RFIDの情報を検出結果から削除するために、本実施形態では、通路と、その通路に面して配置された1以上の載置エリアに貼付されている位置RFIDタグのIDを対応付けた表をあらかじめ作成しておく。この「通路と、その通路に面して配置された1以上の載置エリアに貼付されている位置RFIDタグのIDを対応付けた表」を、以後、「通路対位置RFIDタグ対応表」という。
【0058】
図9は、このような、通路対位置RFIDタグ対応表の例である。
例えば、通路1に面して配置されている棚は、棚131〜135であるから、通路1に対応させて、棚131〜135に貼付されている位置RFIDタグのIDである「A1、A2、A3、A4、A5」が格納されている。
【0059】
前述の「地図情報の利用」で説明したように、位置検出システム1は、ある什器の前に滞在していると認識された場合には、自己の認識している位置を輝点で表示する。
したがって、位置検出システム1は、自己の位置を認識している。
図4の通路1と通路2の座標は近接しているが、タグリーダ10のアンテナ11の指向性が最大となる方向を
図4の上側に向けているか、それとも下側に向けているかによって、店員が通路1にいるか、それとも通路2にいるかを決定できる。
【0060】
タグリーダ10のアンテナ11の指向性が最大となる方向が、どの方角を向いているかは、タグリーダ10に内蔵されているジャイロ及び/又はコンパスによって検出することができる。この場合、
図6のような木製の棚は、コンパスに悪影響を与えないので、好適である。
【0061】
以上の決定方法により、店員が通った通路を決定し、位置RFIDタグの検出結果と、通路対位置RFIDタグ対応表の店員が通った通路に対応する位置RFIDタグのIDとを比較する。
例えば、店員が通った通路が通路1であると決定された場合、
図5の検出結果と、
図9の通路1に対応する位置RFIDタグのIDとから、項番4の位置ID「B1」のデータは削除されるべきであることが決定される。
【0062】
また、店員が通った通路が通路3であると決定された場合、
図7の検出結果と、
図9の通路3に対応する位置RFIDタグのIDとから、項番3の位置ID「D2」のデータは削除されるべきであることが決定される。
【0063】
また、店員が通った通路が通路4であると決定された場合、
図8の検出結果と、
図9の通路4に対応する位置RFIDタグのIDとから、項番3の位置ID「C2」のデータは削除されるべきであることが決定される。
【0064】
以上、位置RFIDタグ30PのIDが誤検出される場合があることを例として説明した。しかし、RFIDタグからの応答電波が鏡で反射されたり、木製の棚を透過することは、位置RFIDタグに限った現象ではない。商品RFIDタグからの応答電波も鏡で反射されたり、木製の棚を透過する。
【0065】
しかし、本発明の位置検出システムが、どのような商品がどこに配置されているかを調査することを本来の目的としているので、どのような商品がどの通路に面して置かれているかの情報は未知である。したがって、商品RFIDタグについては、通路対位置RFIDタグ対応表のような手法は使えない。
【0066】
鏡で反射された応答電波は、鏡を経由しない応答電波に比較して、受信した電波の強度(RSSI)が低い。また、木製の棚を透過した応答電波は、木製の棚を経由しない応答電波と比較して、RSSIが低い。
したがって、商品RFIDタグについては、RSSIに基づいて、検出結果の採用/非採用を決定できる。
【0067】
図10は、
図7及び
図8の検出を行った時の商品RFIDタグの検出結果の一例である。
図10では、同じ商品RFIDタグのID「a1」が、項番15と項番28で検出されている。
図10の項番15の時刻「14時25分15秒」は、
図7の項番2の時刻「14時25分15秒」と同時刻であるから、
図10の項番15に従えば、商品アイテムIDが「a1」の商品は、
図6の棚152に位置していることになる。
他方、
図10の項番28の時刻「14時53分47秒」は、
図8の項番2の時刻「14時53分47秒」と同時刻であるから、
図10の項番28に従えば、商品アイテムIDが「a1」の商品は、
図6の棚155に位置していることになる。
【0068】
なお、前述したように、位置検出システム1が位置RFIDタグ30PAから所定のRSSIを越える電波を受信した第1の時刻から、一定時間が経過するか、又は所定のRSSIを越える別の位置RFIDタグ30PBの電波を受信するまでのいずれか短い方までの時間を、位置検出システム1が棚101Aの前に位置していた滞在時間とみなしている。
また、前述したように、位置RFIDタグ30P及び商品RFIDタグ30Qは、応答電波を1秒間に300回発信している。
したがって、商品RFIDタグ30Qの検出時刻が、位置RFIDタグ30Pの検出時刻と完全に同時刻である必要はなく、商品RFIDタグ30Qの検出時刻が、前記滞在時間の範囲内にあれば、検出された商品RFIDタグ30Qが、どの位置RFIDタグ30Pと同じ場所に位置しているかの判定をすることができる。
【0069】
ここで、
図10のRSSIの欄を参照する。項番15のRSSIは「―73dBm」であり、項番28のRSSIは「―58dBm」である。項番28のRSSIの方が、項番15のRSSIよりも高い。したがって、商品アイテムIDが「a1」の商品は、
図6の棚155に位置していると決定できる。
【0070】
なお、説明を単純にするために、
図7では、裏側の位置RFIDタグ30Pとして、D2のみが表に記載されているが、実際には、D2の外にD1やD3も検出される。しかし、店員が通路3にいると決定された場合には、D2のデータと同様に、D1やD3のデータも削除される。
【0071】
以上の説明では、位置RFIDタグ30PのIDについては、位置IDから位置RFIDタグが面して配置されている通路が類推できるようなIDを使用した。しかし、これは実施形態の理解を早めるためである。通路対位置RFIDタグ対応表により、通路と、その通路に面して配置されている1以上の載置エリアに貼付されている位置RFIDタグのIDの対応関係が保持されているので、通路を類推できるようなIDでなくてもよいことは明らかである。例えば、位置RFIDタグの位置IDが、「4286」とか、「7891」のような、その位置RFIDタが面して配置されている通路を類推できないようなものであっても構わない。
【0072】
[一次データとして時間的に連続して検出された2つの位置RFIDタグの間に、空間的な飛びがある場合の対策]
以上、説明した鏡による反射、及び背中合わせの木製棚の場合は、検出されるべきでない位置RFIDタグ30Pが検出され、検出された位置RFIDタグ30Pの一次データから、検出されるべきでない位置RFIDタグ30Pのデータを削除するものであった。
これとは別に、検出されるはずの位置RFIDタグ30Pが検出されなかったといったタイプの問題も起こり得る。
【0073】
例えば、
図11では、棚171〜175が並んで配置されている。E1〜E5は、棚171〜175にそれぞれ貼付されている位置RFIDタグ30Pの位置IDである。P1〜P5は、棚171〜175のそれぞれの棚の商品の検品を行う時に、店員が各棚の前に立つ位置である。
店員は、棚171の商品の検品を行い、次に棚172の商品の検品を行い、そして今、棚173の商品の検品を行うために、棚173の前の位置P3に立ったと仮定する。
【0074】
本位置検出システムによる検品作業に慣れた店員は、棚の位置RFIDタグ30Pが、棚のどの部分に貼付されているかを知っている。棚173の前の位置P3に立った店員は、まず、棚173に貼付されている位置RFIDタグ30Pにタグリーダ10のアンテナ11を向けて、棚173に貼付されている位置RFIDタグ30Pを読み取る。次に、店員は、棚173に載置されている商品に、順次、タグリーダ10のアンテナ11を向けて、棚173に載置されている商品に貼付されている商品RFIDタグ30Qを読み取って行く。この際、店員は、位置P3から動くことなく、タグリーダ10のアンテナ11の向きを左右に振る動作をする。このタグリーダ10のアンテナ11の向きを振る動作は、本出願人による前記特許文献1の
図1に、水平面内において振る動作Hとして図示されている。このとき、近傍の棚の位置RFIDタグ30Pからの電波を受信することがある。
【0075】
すなわち、1秒毎にRSSIが最大である位置RFIDタグ30Pの位置IDを時系列に並べた場合に、「E3→E1→E3→E5→E3」となることがある。
図12が、このような、位置RFIDタグ30Pの一次データの例である。
【0076】
図12では、13時14分50秒に位置ID「E3」を検出し、13時14分51秒に位置ID「E1」を検出している。しかし、
図11の棚の配置を考慮すると、位置ID「E3」を検出した後に、位置ID「E2」を検出せずに、位置ID「E1」を検出するとは考え難い。位置ID「E3」の検出と位置ID「E1」の検出との間に、位置ID「E2」の検出があったはずと考えるのが道理である。
この考えに基づいて、
図12の項番1と項番2の間の13時14分50.5秒に、位置ID「E2」を検出したというデータを加入する。
【0077】
同様に、
図12の項番2と項番3の間の13時14分51.5秒に、位置ID「E2」を検出したというデータを加入する。
同様に、
図12の項番3と項番4の間の13時14分52.5秒に、位置ID「E4」を検出したというデータを加入する。
同様に、
図12の項番4と項番5の間の13時14分53.5秒に、位置ID「E4」を検出したというデータを加入する。
【0078】
このようにしてできあがった、検出された位置RFIDタグ30Pの二次データが
図13である。星印(★)が、加入した行を示している。
このように、検出された位置RFIDタグ30Pの一次データに対して、検出された位置IDの時間的な並びが、空間的な棚の並びと整合するような加工を加える。
【0079】
この検出された位置RFIDタグ30Pの一次データに対する加工処理は、
図14に示すような隣接行列、又は
図15に示すような隣接リストを用いて行うことができる。隣接行列及び隣接リストには、各棚の隣接関係が、すべて記録されているから、隣接行列又は隣接リストを使用して、検出された位置RFIDタグ30Pの一次データに対する加工処理を行うことができる。なお、隣接行列及び隣接リストは、よく知られた概念であるので、隣接行列及び隣接リスト自体についての説明は省略する。
【0080】
時間的に連続して検出された2つの位置RFIDタグの位置IDを、それぞれ、Ei、Ejとすると、EiとEjが空間的に隣接しているか否を、隣接行列又は隣接リストを使用して確認することができる。
【0081】
図12では、時間的に連続して検出された2つの位置RFIDタグ30Pの間に、空間的には、他の1つの位置RFIDタグ30Pが存在する場合について説明した。
しかし、時間的に連続して検出された2つの位置RFIDタグ30Pの間に、空間的には、他の2以上の位置RFIDタグ30Pが存在する場合についても、他の2以上の位置RFIDタグ30Pのデータを補完することができる。
例えば、時間的に、位置ID「E2」の次に位置ID「E5」が検出された場合には、位置ID「E3」と位置ID「E4」という複数の位置IDに対応する位置情報を補完することができる。
【0082】
時間的に連続して検出された2つの位置RFIDタグEi、Ejが空間的に隣接していない場合に、隣接行列又は隣接リストを用いて、どのようにして補完するべき位置RFIDタグを決定するかのアルゴリズムは、種々考えられる。
図16に、その一例を示す。
【0083】
まず、EiとEjの間に補完する位置RFIDタグの個数の上限Nmaxを決定しておく。
ステップS101において、制御部22は、隣接行列又は隣接リストを用いて、EiとEjが空間的に隣接しているか判定する。EiとEjが空間的に隣接していれば(S101:YES)、処理は終了する。EiとEjが空間的に隣接していない場合(S101:NO)、処理はステップS103に進む。
【0084】
ステップS103において、隣接行列又は隣接リストを用いて、制御部22は、Eiに隣接している位置RFIDタグを加入する。それとともに、制御部22は、加入した位置RFIDタグの個数を示す変数nを「1」にセットする。次に、処理はステップS105に進む。
【0085】
ステップS105において、制御部22は、加入した位置RFIDタグの個数を示す変数nが、(Nmax+1)に達したか否か判定する。加入した位置RFIDタグの個数を示す変数nが、(Nmax+1)に達した場合(S105:YES)、制御部22は、エラーを表示して処理を終了させる。加入した位置RFIDタグの個数を示す変数nが、Nmaxに達していない場合(S105:NO)、処理はステップS107に進む。
【0086】
ステップS107において、隣接行列又は隣接リストを用いて、制御部22は、EiからEjまでが空間的に連続したか判定する。EiからEjまでが空間的に連続した場合(S107:YES)、処理は終了する。EiからEjまでが空間的に連続していない場合(S107:NO)、処理はステップS109に進む。
【0087】
ステップS109において、隣接行列又は隣接リストを用いて、制御部22は、前回加入した位置RFIDタグに空間的に隣接している位置RFIDタグを加入する。それとともに、制御部22は、変数nを1歩進する。その後、処理はステップS105に戻る。
【0088】
一次データを二次データに加工する処理は、位置特定装置20の中で行うこともできるし、位置特定装置20と通信を行うように構成された店舗の管理サーバで行うこともできる。この処理を位置特定装置20の中で行うモード(端末処理モード)と、店舗の管理サーバで行うモード(サーバ処理モード)とを、位置特定装置20で切り換えられるように構成しておけば、更に好ましい。
【0089】
図14の隣接行列や
図15の隣接リストのような、什器間の隣接関係の情報を備えている場合には、以下に説明する処理を行うことができる。
図5の例では、A3⇒B1⇒A4という推移であるから、B1を挟んで両側は位置も方向も不連続である。仮に、検出結果がA3⇒B1⇒B2と推移していれば、A3からB1は不連続であるが、B1からB2へは連続している。したがって、店員が通路1をそのまま進むのではなく、通路1から折り返して通路2に移動したと考えられるので、誤検出とはみなさない。
このように、登録された什器の位置から、A3とA4が隣接していること、B1の位置がA3やA4と不連続であること、及び/又は登録された什器の開口の方向から、A3の開口の方向とA4の開口の方向とが同じであること、B4の開口の方向が、A3やA4の開口の方向と逆方向であることが判定できる。
位置RFIDタグの検出結果を位置特定装置20の表示部24に表示しておき、誤検出の可能性があると判定した場合には、削除やマスクを行う前に、店員に対して、誤検出であるか否かの確認をすることを促すように表示してもよい。
【0090】
ところで、上述したように、RFID規格では、1秒間に300回ほど位置検出システムとRFIDタグとの間で電波の送受信が繰り返される。ある什器の前に滞在していると判別される時間帯以外は、ユーザが什器の間を移動している時間帯であり、この移動時間に検出される商品アイテムの情報は、位置情報と紐付けることが困難であり、データベース更新の優先度は高くない。また、特許文献1で示した手法を用いると、対象となる什器の位置検出が可能であり、広い店舗で店員が不慣れである場合にも地図表示で導くことができるが、多くの商品アイテムRFIDタグ30Qからの電波を受信してしまうと、什器までの経路案内に支障をきたす場合がある。そこで、載置エリア読取履歴を特許文献1の手法で高精度に判定するために、位置情報優先読取モードを設定し、位置情報優先読取モードの間は、一定期間毎に位置RFIDタグだけ応答するようにFilterをかけて読み取るようにしてもよい。
【0091】
上述したように、店舗内の什器は容易に地図情報に反映することができるが、実際の店舗では配置換えを行うことも多い。その場合には、地図情報に表示されている什器をドラッグすることによって位置を変更できるようにするとよい。
【0092】
また、店舗には、什器を配置しないエリアが存在することもある。そのような場所を位置検出システム1が通過している間は、位置RFIDタグ30Pの情報が得られないので、正確な位置検出ができなくなる可能性がある。本実施形態の位置検出システム1は、位置特定装置として、スマートフォンを用いている。スマートフォンには、方向センサや加速度センサが搭載されていることが一般的であるので、周辺の什器に貼付されている位置RFIDタグ30Pからの情報と、スマートフォンの方向、加速度センサとの情報を組み合わせることで、什器から離れたエリアを通過中、もしくは位置RFIDタグ30Pが貼付されていないエリアに商品アイテムを陳列した場合にこの商品アイテムRFIDタグ30Qを読み込んだ際にも、その陳列位置を判別することが可能である。より具体的には、最後に所定強度を超えた位置RFIDタグ30Pに基づいた確定位置情報の最終情報と、その後の方向センサ及び加速度センサの履歴とから現在の位置を算出することができる。
【0093】
更に、店舗のレイアウト変更の都合から、位置RFIDタグ30Pが配置されていないエリアに商品を陳列したい場合がある。このような場合のために、本実施形態の位置検出装置は、マニュアル登録モードを有している。マニュアル登録モードにおいては、表示装置に示された地図情報の所定の位置をタッチもしくはクリックし、続けて商品アイテムRFIDタグ30Qを至近距離で読み込むことで、位置IDが付与されていないエリアであっても、地図上の座標情報と紐付けて当該商品アイテムIDを登録することができる。
【0094】
なお、ここまでの説明は、簡便のため、棚一つに対して位置IDを一つ付与することを例示してきたが、この限りではない。複数の棚を一つとして登録してデータの煩雑さを回避してもよい。逆に、一つの棚を複数に分割して位置IDを付与して、より詳細に管理することもできる。より詳細に管理する場合、異なる位置RFIDタグ30P同士の距離が近すぎると、複数の位置RFIDタグ30Pからの電波が所定強度RSSIを超過することになり、正確な位置認識が困難となる場合がある。この場合は、棚板に金属板など電波を遮蔽する材質を用いて混信を防止してもよい。
【0095】
また、電波の強度RSSIと同様に、単位時間当たりに信号の読み取りに成功した回数を活用しても同様に実施することができる。
【0096】
上述した実施形態では、商品アイテムRFIDタグ30Qと位置RFIDタグ30Pとを区別せずに説明したが、この限りではない。商品アイテムに貼付するRFIDタグ30Qは大量に使用するし、持ち運ぶ必要があるため、可能な限り安価で軽量で小型である必要がある。一方で、位置RFIDタグ30Pの使用数は少なく、持ち運ぶこともないため、商品陳列の妨げにならない程度の大きさを持っていてもよい。
【0097】
位置信号を受信する受信位置は、通路に制限されず、例えば、店員が検品のために通るフロアを複数の領域に分割した結果の各領域であってもよい。
【0098】
位置RFIDタグ30Pが備えるメモリには、単に什器を識別できるIDを登録してもよいが、それに加えて什器の位置や開口の方向の情報をコード化して登録してもよい。
また、什器の位置や開口の方向の情報を、位置RFIDタグ30Pに書き込むのではなく、サーバで管理してもよい。
仮に、什器の位置や開口の方向の情報を位置RFIDタグ30Pに書き込めば、位置特定装置1が、サーバとの通信をすることなく、瞬時に什器の位置や開口の方向を判定できるというメリットがある。
他方、什器の位置や開口の方向の情報をサーバで管理しておけば、店舗のフロアの模様替え等によって什器の位置や開口の方向が変わった際に、位置RFIDタグ30Pが保持している情報を更新する必要はない。
【解決手段】位置検出システム1は、対象アイテムを載置する載置エリアに配置された記憶媒体30Pから受信した位置信号に基づいて位置情報を特定し、対象アイテムに取り付けられた記憶媒体30Qから受信したアイテム信号に基づいてアイテム情報を特定し、前記位置情報を特定した時間から所定時間を超えない時間帯に前記アイテム信号を受信した場合に、前記位置情報と前記アイテム情報とを関連付けて記憶する。