特許第6803123号(P6803123)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6803123
(24)【登録日】2020年12月2日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】電力変換装置の検査方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/00 20070101AFI20201214BHJP
   H02M 1/08 20060101ALI20201214BHJP
   H02M 7/19 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   H02M1/00 B
   H02M1/08 341A
   H02M7/19
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-162276(P2017-162276)
(22)【出願日】2017年8月25日
(65)【公開番号】特開2019-41500(P2019-41500A)
(43)【公開日】2019年3月14日
【審査請求日】2019年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】馬場 雄介
(72)【発明者】
【氏名】臼木 一浩
(72)【発明者】
【氏名】狼 智久
(72)【発明者】
【氏名】藤本 貴文
【審査官】 柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−219171(JP,A)
【文献】 特開平05−102571(JP,A)
【文献】 特開2011−205812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00 − 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された複数のサイリスタと、前記複数のサイリスタのそれぞれの主端子間の電圧を検出して光信号に変換する光変換回路と、を含む電力変換器と、
前記光信号を伝送する光ファイバと、
前記光ファイバから伝送された光信号を電気信号に変換して出力する光電変換回路を含むゲート制御装置と、
を有する電力変換装置の検査方法であって、
交流信号発生装置によって、前記複数のサイリスタのうちの1つの主端子間に交流信号を印加し、
前記光変換回路によって、前記交流信号を光信号に変換し、
前記光電変換回路によって、前記光信号を前記電気信号に変換し、
波形観測装置によって、前記電気信号を観測し、前記交流信号に対してあらかじめ設定された前記電気信号の形状および前記観測された電気信号の形状にもとづいて前記光ファイバの劣化の有無を判定する電力変換装置の検査方法。
【請求項2】
直列に接続された複数のサイリスタと、前記複数のサイリスタのそれぞれの主端子間の電圧を検出して前記複数のサイリスタのそれぞれに対応した光信号に変換する光変換回路と、を含む電力変換器と、
前記光信号を伝送する光ファイバと、
前記光ファイバから伝送された光信号を電気信号に変換して出力する光電変換回路と、前記複数のサイリスタのそれぞれに対応した前記電気信号の論理演算を行う論理回路と、を含むゲート制御装置と、
を有する電力変換装置の検査方法であって、
交流信号発生装置によって、前記複数のサイリスタの直列接続体の両端に交流電圧を印加し、
前記光変換回路によって、前記交流電圧を光信号に変換し、
前記光電変換回路によって、前記光信号を前記電気信号に変換し、
波形観測装置によって、前記論理回路の出力信号の振幅および時間幅が所定値を満たすか否かを判定する電力変換装置の検査方法。
【請求項3】
前記光電変換回路は、入力された前記光信号を、前記光信号の振幅および時間幅に応じた方形波に変換する方形波整形回路を含み、
前記論理回路は、前記方形波整形回路から出力される方形波信号の論理和および論理積をそれぞれ出力する請求項2記載の電力変換装置の検査方法。
【請求項4】
前記複数のサイリスタは、2以上のグループを含み、
前記論理回路は、
前記2以上のグループのうちの1つのグループについて、
前記複数のサイリスタのうち前記1つのグループに含まれるそれぞれのサイリスタに対応した前記電気信号の論理演算を行い、
前記グループのうちの他の1つのグループについて、
前記複数のサイリスタのうち前記他の1つのグループに含まれるそれぞれのサイリスタに対応した前記電気信号の論理演算を行う請求項2または3に記載の電力変換装置の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電力変換装置の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力系統等に用いられる電力変換装置は、長期間の使用に耐えるために、高い信頼性が求められる。高信頼性を維持するために、保守点検作業が欠かせない。保守点検作業を実施している間は、その電力変換装置は停止状態となり、その電力変換装置によって電力供給される系統は、他の系統に代替等される必要がある。電力需給の状況によっては、停止している期間は、極力短縮する必要がある。また、検査のための作業工数の観点からは、短時間で保守点検作業を完了することが望まれる。
【0003】
たとえば、他励式の交直電力変換装置の場合には、サイリスタの順方向動作および逆阻止動作を検出するFV信号およびRV信号を光信号に変換し光ファイバによってゲート制御装置に送信する。これによって、ゲート制御装置では、各サイリスタの順方向動作および逆阻止動作を監視し、これらにもとづいて適切なゲート駆動信号を生成する。
【0004】
高電圧出力する電力変換装置では、多数のサイリスタを直列接続するため、これらのサイリスタに対応する本数の光ファイバが接続されており、保守点検においては、これら多数の光ファイバの劣化状況等を検査する必要がある。従来、検査すべき光ファイバは、保守点検時にすべて取り外して、1本1本劣化の程度を確認し、劣化不良と判定されたものについては、良品に交換し、良品と判定されたものとともに再度装置に接続する。
【0005】
上述のように、光ファイバは、サイリスタの個数×信号本数分あり、取り外し作業や再接続作業に膨大な時間を要する。また、光ファイバを脱着する場合に、光ファイバを破損するおそれもあり、信頼性を確保するには、さらに慎重な作業が必要となり、交換作業に要する時間が長くなる傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−205812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
実施形態は、光ファイバを取り外すことなく、光ファイバの劣化判定を行う電力変換装置の検査方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る電力変換装置の検査方法は、直列に接続された複数のサイリスタと、前記複数のサイリスタのそれぞれの主端子間の電圧を検出して光信号に変換する光変換回路と、を含む電力変換器と、前記光信号を伝送する光ファイバと、前記光ファイバから伝送された光信号を電気信号に変換して電気信号として出力する光電変換回路を含むゲート制御装置と、を有する電力変換装置の検査方法である。交流信号発生装置によって、前記複数のサイリスタのうちの1つの主端子間に交流信号を印加し、前記光変換回路によって、前記交流信号を光信号に変換し、前記光電変換回路によって、前記光信号を前記電気信号に変換し、波形観測装置によって、前記電気信号を観測し、前記交流信号に対してあらかじめ設定された前記電気信号の形状および前記観測された電気信号の形状にもとづいて前記光ファイバの劣化の有無を判定する。
【発明の効果】
【0009】
本実施形態では、電力変換器の光変換回路を交流信号発生装置で駆動し、光ファイバで伝送された光信号を、ゲート制御装置の光電変換回路によって電気信号に変換して出力波形を観測するので、光ファイバを機器から取り外すことなく、光ファイバの劣化判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る電力変換装置の検査方法を例示するブロック図である。
図2図2(a)〜図2(c)は、第1の実施形態の電力変換装置の検査方法における判定基準の例を説明するための模式的な波形図である。
図3図3(a)〜図3(f)は、第1の実施形態の電力変換装置の検査方法における判定基準の例を説明するための模式的な波形図である。
図4】第2の実施形態に係る電力変換装置の検査方法を例示するブロック図である。
図5図5(a)〜図5(d)は、第2の実施形態の電力変換装置の検査方法における判定基準の例を説明するための模式的な波形図である。
図6図6(a)〜図6(d)は、第2の実施形態の電力変換装置の検査方法における判定基準の例を説明するための模式的な波形図である。
図7】第3の実施形態に係る電力変換装置の検査方法を例示するブロック図である。
図8】第3の実施形態の電力変換装置の検査方法を説明するためのフローチャートの例である。
図9図9(a)〜図9(c)は、第3の実施形態の電力変換装置の検査方法における判定基準を説明するための模式的な波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る電力変換装置の検査方法を例示するブロック図である。
図1に示すように、電力変換装置10は、電力変換器20と、光ファイバ30−1〜30−nと、ゲート制御装置50と、を有する。電力変換器20およびゲート制御装置50は、n(nは2以上の整数)本の光ファイバ30−1〜30−nにより接続されている。電力変換装置10は、ゲート制御装置50によって電力変換器20を位相制御して、交流電力を直流電力に変換し、直流電力を交流電力に変換する。
【0013】
電力変換器20は、アームA0を含む。アームA0は、直列に接続された複数のサイリスタTH1〜THnを含む。この例では、サイリスタの個数はn個としている。電力変換器20は、他励式の変換器であり、ゲート制御装置50で生成されるゲート信号を、図示しないゲート信号用の光ファイバを介して複数のサイリスタTH1〜THnを駆動する。
【0014】
アームA0は、サイリスタTH1〜THnごとのアノード端子およびカソード端子にそれぞれ接続された接続端子21−1a,21−1b,…,21−na,21−nbを含む。接続端子21−1a,21−1b,…,21−na,21−nbの対には、交流信号発生装置1を接続することができる。各サイリスタTH1〜THnのアノードカソード間には、接続端子21−1a,21−1b,…,21−na,21−nbを介して接続された交流信号発生装置1によって供給される交流信号vsを印加することができる。交流信号vsは、たとえば商用周波数(50Hzまたは60Hz)の正弦波の交流電圧を有する信号である。
【0015】
電力変換器20は、光変換回路22−1〜22−nを含む。光変換回路22−1〜22−nは、サイリスタTH1〜THnにそれぞれ接続されている。より具体的には、光変換回路22−1は、サイリスタTH1のアノードカソード間電圧を入力して、光信号に変換し、光信号を光ファイバ30−1に供給する。他の光変換回路についてもそれぞれ同様に接続され動作する。
【0016】
光ファイバ30−1〜30−nは、それぞれの一端が電力変換器20の光変換回路22−1〜22−nに接続されている。光ファイバ30−1〜30−nは、それぞれの他端がゲート制御装置50に接続されている。
【0017】
ゲート制御装置50は、光電変換回路52−1〜52−nを含む。光ファイバ30−1〜30−nの他端は、光電変換回路52−1〜52−nの入力にそれぞれ接続されている。光電変換回路52−1〜52−nは、光ファイバ30−1〜30−nを介して、それぞれ送信された光信号を電気信号に変換し、所定の変換処理を行って出力する。所定の変換処理は、たとえば任意の入力信号を方形波の電圧信号や電流信号に変換する。
【0018】
光電変換回路52−1〜52−nは、信号出力端子53−1〜53−nを含む。信号出力端子53−1〜53−nには、波形観測装置2を接続することができる。波形観測装置2は、信号出力端子53−1〜53−nを介して、光電変換回路52−1〜52−nから出力される信号を観測することができる。
【0019】
本実施形態の電力変換装置の検査方法の動作について説明する。本実施形態の電力変換装置の検査方法では、以下の手順によって光ファイバ30−1〜30−nの劣化の有無を判定する。
【0020】
まず、交流信号発生装置1によって交流信号vsをサイリスタTH−1〜TH−nのうちのいずれか1つのサイリスタTH−x(以下、1≦x≦nとする。)のアノードカソード間に接続端子21−xa,21−xbを介して印加する。
【0021】
印加された交流信号vsは、対応する光変換回路22−xに入力され、光信号に変換される。
【0022】
変換された光信号は、対応する光ファイバ30−xによって、光ファイバ30−xの一端から他端へ伝送される。
【0023】
光ファイバ30−xによって伝送された光信号は、光ファイバ30−xの他端に接続された光電変換回路52−xによって電気信号に変換され、所定の変換処理によってたとえば方形波の電圧信号に変換される。
【0024】
変換された電圧信号は、対応する信号出力端子53−xから出力され、波形観測装置2によって観測される。印加された交流信号vsに対する変換後の信号の形状等をあらかじめ設定することによって、対応する光ファイバの劣化検出を行うことができる。
【0025】
交流信号発生装置1を他のサイリスタTH−y(以下、1≦y≦n,y≠xとする。)のアノードカソード間に接続を切り替え、波形観測装置2を対応する信号出力端子53−yに接続を切り替える。対応する光変換回路22−y、光ファイバ30−y、光電変換回路52−yを介して、印加された交流信号vsおよび出力の電圧信号の関係から光ファイバ30−yの劣化判定を行う。
【0026】
上述の手順をすべての光ファイバ30−1〜30−nに対して繰り返す。
【0027】
なお、サイリスタTH−1〜TH−nのアノードカソード間の電圧は、順方向の電圧および逆阻止電圧の両方について検出され、それぞれ光ファイバを介してゲート制御装置50に伝送される。順方向の電圧に関しては、FV信号、逆阻止電圧についてはRV信号として、検出され伝送される。つまり、これらの信号を伝送する光ファイバは、サイリスタ1つ当たりFV信号用およびRV信号用の2本設けられている。本実施形態の説明では、FV信号用およびRV信号用は、それぞれ同様に扱うことができるので、以下では、FV信号用の光ファイバに関連する事項について説明する。以下の説明は、RV信号用の光ファイバについても同様に適用することができる。
【0028】
以下では、光ファイバの劣化判定の基準の例について説明する。
図2(a)〜図3(f)は、本実施形態の電力変換装置の検査方法における判定基準の例を説明するための模式的な波形図である。
図2(a)の上段の図は、交流信号発生装置1から出力される交流信号vsの波形の時間変化を示している。下段の図は、ゲート制御装置50の光電変換回路52−xの信号出力端子53−xにおけるFV信号の波形の時間変化を示している。以後、波形図については同様である。
図2(a)〜図2(c)では、光ファイバの光量の劣化の判定基準において良品と判定される場合の波形図が示されている。
図3(a)〜図3(f)では、光ファイバの光量の劣化の判定基準において劣化ありと判定される場合の波形図が示されている。
【0029】
ここで説明する例では、交流信号発生装置1から出力される交流信号vsのピーク値の判定下限値vs1および判定上限値vs2があらかじめ設定されている。また、FV信号についてのパルス幅の規定値Tspecがあらかじめ設定されている。交流信号vsのピーク値を次第に大きくした場合に、FV信号のパルス幅が広がり、規定値Tspecとなったときの交流信号vsのピーク値によって光ファイバの良否判定を行う。良品と判定されるのは、FV信号のパルス幅が規定値Tspecとなったときに、交流信号vsのピーク値が判定下限値vs1から判定上限値vs2の範囲にある場合である。劣化ありと判定されるのは、FV信号のパルス幅が規定値Tspecとなったときに、交流信号vsのピーク値が判定下限値vs1に達しない場合や、交流信号vsのピーク値が判定上限値vs2を超過する場合である。
【0030】
図2(a)〜図2(c)に示すように、交流信号vsの振幅を大きくした場合に、FV信号のパルス幅が広がり、規定値Tspecに達したときに、交流信号vsのピーク値は、判定下限値vs1と判定上限値vs2との間となっている。したがって、このような場合については、光ファイバは良品と判定される。
【0031】
図3(a)〜図3(c)に示すように、交流信号vsの振幅を大きくした場合に、FV信号のパルス幅が規定値Tspecに達したとき(図3(c))には、交流信号vsのピーク値は、判定上限値vs2を超えており、光ファイバの劣化ありと判定される。
【0032】
図3(d)〜図3(f)には、伝送される光ファイバが伝送する光量が所望の値よりも大きい場合が示されており、この場合にも光ファイバは劣化と判定される。図3(d)〜図3(f)に示すように、FV信号のパルス幅が規定値Tspecに達したときに(図3(d))、交流信号vsのピーク値が判定下限値vs1に達しておらず、さらに、交流信号vsの振幅を大きくして、ピーク値が判定下限値vs1と判定上限値vs2との間になるようにすると、FV信号のパルス幅が規定値Tspecを超えてしまう(図3(e)および図3(f))。
【0033】
光ファイバ30−1〜30−nの劣化判定の基準については上述に限らず、他にも適切に設定することができる。たとえば、出力される信号の歪率をあらかじめ設定したしきい値と比較する等としてもよい。
【0034】
本実施形態の電力変換装置の検査方法の効果について説明する。
本実施形態の電力変換装置の検査方法では、電力変換器20内のサイリスタTH1〜THnごとに設けられた光変換回路22−1〜22−nによって、交流信号vsを光信号に変換することができる。そのため、光ファイバ30−1〜30−nのそれぞれの一端を光変換回路22−1〜22−nから取り外すことなく、試験用の発光信号を光ファイバ30−1〜30−nに供給することができる。
【0035】
そして、ゲート制御装置50内に光ファイバ30−1〜30−nに対応するように設けられた光電変換回路52−1〜52−nの信号出力端子53−1〜53−nを用いて、光電変換回路52−1〜52−nから出力される信号を検出することができる。そのため、光ファイバ30−1〜30−nの他端を光電変換回路52−1〜52−nから取り外すことなく、光ファイバ30−1〜30−nから出力される光量を検出することができる。
【0036】
以上より、本実施形態の電力変換装置の検査方法では、いずれの光ファイバ30−1〜30−nも電力変換器20およびゲート制御装置50から取り外すことなく、光量の劣化の有無を検査することができる。したがって、光ファイバ30−1〜30−nを取り外し、再度接続することによる作業工数を削減することができる。
【0037】
本実施形態では、光ファイバの光量の劣化を検査するのに、光ファイバを電力変換器20およびゲート制御装置50から取り外し、再接続することがない。そのため、光ファイバの取り扱い時における機械的損傷等を生じることがなく、慎重な作業を行う必要もなくなるので、さらなる作業工数の低減に寄与することができる。
【0038】
光変換回路22−1〜22−nや光電変換回路52−1〜52−nは、電力変換装置10の通常の動作のために設けられている。したがって、新たに設備の変更や修正を行うことなく、検査方法を実施することができる。
【0039】
なお、上述では、FV信号のための光ファイバの光量の劣化検査について説明したが、実際には、これに加えてRV信号のための光ファイバも設けられているので、作業工数の低減効果はさらに大きくなる。
【0040】
(第2の実施形態)
図4は、本実施形態に係る電力変換装置の検査方法を例示するブロック図である。
図4に示すように、本実施形態の電力変換装置の検査方法では、交流信号発生装置101によって、アームA0の両端に交流信号vsaを印加する。ゲート制御装置150は、論理回路153を含む。論理回路153は、OR回路153aと、AND回路153bと、を含む。
【0041】
OR回路153aおよびAND回路153bの入力には、光電変換回路52−1〜52−nの出力がそれぞれ接続されている。OR回路153aは、光電変換回路52−1〜52−nの出力の論理和をとってFVOR信号を出力する。AND回路153bは、光電変換回路52−1〜52−nの出力の論理積をとってFVAND信号を出力する。
【0042】
本実施形態の電力変換装置の検査方法の動作について説明する。本実施形態の電力変換装置の検査方法では、以下の手順によって光ファイバの劣化の有無を判定する。ただし、この実施形態の場合には、n本の光ファイバ30−1〜30−nのうちの劣化のある光ファイバを特定するのではなく、アーム単位で劣化した光ファイバが存在するか否かを判定する。
【0043】
まず、交流信号発生装置101によって交流信号vsaをアームA0の両端に印加する。
【0044】
印加された信号は、各サイリスタTH−1〜TH−nによって分圧され、分圧された信号は、光変換回路22−1〜22−nにそれぞれ入力される。光変換回路22−1〜22−nは、光信号にそれぞれ変換して光ファイバ30−1〜30−nに供給する。
【0045】
光ファイバ30−1〜30−nは、一端から入力された光信号を他端に伝送する。
【0046】
光電変換回路52−1〜52−nは、伝送された光信号を所定の形式の電気信号に変換して出力する。
【0047】
論理回路153は、光電変換回路52−1〜52−nが出力した電気信号の論理和および論理積をとって、それぞれ出力する。論理和であるFVOR信号および論理積であるFVAND信号の形状を、あらかじめ設定された基準と比較して、アームA0単位の光ファイバの劣化判定を行う。
【0048】
FVAND信号が劣化判定された場合には、そのアームA0中のサイリスタTH−1〜TH−nに対応する光ファイバ30−1〜30−nの中に、少なくとも1つの劣化判定される光ファイバが含まれる。そのため、アームA0のサイリスタTH−1〜TH−nのいずれに対応する光ファイバが劣化しているかについては、別途個別に劣化検査等を行う必要がある。
【0049】
FVAND信号が良品判定となった場合には、そのアームA0中のサイリスタTH−1〜TH−nに対応する光ファイバ30−1〜30−nはすべて良品判定となる。
【0050】
FVOR信号が劣化判定された場合には、そのアームA0中のサイリスタTH−1〜TH−nに対応する光ファイバ30−1〜30−nはすべて劣化判定となる。
【0051】
FVOR信号が良品判定となった場合には、そのアームA0のサイリスタTH−1〜TH−nに対応する光ファイバのうち少なくとも1本について良品判定されるものが含まれる。そのため、そのアームA0に劣化判定品が含まれるか否かについてFVAND信号の結果等を合わせて確認する必要がある。たとえば、FVAND信号により劣化判定された場合には、別途個別に劣化検討を行う必要がある。FVAND信号により良品判定された場合には、上述したとおり、アームA0内のサイリスタTH−1〜TH−nは、良品となる。
【0052】
図5(a)〜図6(d)は、本実施形態の電力変換装置の検査方法における判定基準の例を説明するための模式的な波形図である。
本実施形態の電力変換装置の検査方法の動作について、図5(a)〜図6(d)を用いて説明する。
図5(a)の最上段の図は、交流信号発生装置101から出力される交流信号vsaの波形の時間変化を示している。2段目の図は、OR回路153aが出力するFVOR信号の波形の時間変化を示している。最下段の図は、AND回路153bが出力するFVAND信号の波形の時間変化を示している。以下、図5(b)〜図6(d)の各波形図について同様である。
【0053】
図5(a)〜図5(d)には、光ファイバの光量が良品判定となる場合について、図5(a)〜図5(d)の順に、交流信号vsaの振幅を大きくしていった場合のFVOR信号およびFVAND信号の波形が示されている。図5(a)では、交流信号vsaが判定下限値vsa1に達した場合が示されている。図5(b)では、交流信号vsaが判定下限値vsa1を超えた後に、FVOR信号のパルス幅が規定値Tspecに達したことを示している。この例では、FVAND信号のパルス幅は、FVOR信号のパルス幅よりも狭い。
【0054】
FVOR信号は、光電変換回路52−1〜52−nがそれぞれ出力する方形波信号の論理和である。光電変換回路52−1〜52−nが出力する信号は、光ファイバ30−1〜30−nを伝搬してきた光信号である。これらの光信号は、光ファイバ30−1〜30−nの一端において、光変換回路22−1〜22−nによって供給される。サイリスタTH−1〜TH−nのオフ時のインピーダンスをすべて等しいとすれば、各サイリスタの両端には、vsa/nの電圧が印加される。
【0055】
図5(b)に示すように、OR回路153aは、光電変換回路52−1〜52−nの出力のうち、もっともパルス幅が広いものを出力する。つまり、図5(b)のFVOR信号によって判定されるのは、アームA0内のいくつかのサイリスタに対応する光ファイバの光量の劣化が良品のレベルであるということである。
【0056】
図5(c)および図5(d)に示すように、さらに交流信号vsaのピーク値を増加させると、FVAND信号のパルス幅が規定値Tspecに達する。AND回路153bは、光電変換回路52−1〜52−nの出力のうち、もっともパルス幅が狭いものを出力する。つまり、図5(c)および図5(d)の状態においては、光ファイバが伝送する光量がもっとも小さいものであっても、規定値以上の光量を伝送できることを示している。
【0057】
図6(a)〜図6(d)には、n本のうちいずれか1本以上の光ファイバの光量の伝送に劣化が生じている場合について示している。図6(a)〜図6(c)に示すように、FVOR信号は、交流信号vsaが判定下限値vsa1から判定上限値vsa2の範囲において、規定値Tspecに達している。このことは、n本のうちいずれか1本以上の光ファイバの光量の劣化は良品のレベルであることを示している。
【0058】
しかし、図6(c)および図6(d)に示すように、FVAND信号は、交流信号vsaが判定上限値vsa2に達しても、規定値Tspecに達することがなく、さらに交流信号のピーク値を増大させてはじめて規定値Tspecに達している。つまり、このことは、n本の光ファイバのうち1本以上の光ファイバについて、光量に劣化のレベルのものがあることを示している。
【0059】
論理回路153は、ORゲートおよびANDゲートを用いてハードウェア的に実現してもよいし、プログラムのステップとして論理和および論理積をとるようにしてもよい。
【0060】
本実施形態の電力変換装置の検査方法の効果について説明する。
本実施形態では、ゲート制御装置50が論理回路153を含んでいることによって、数多くの光ファイバ30−1〜30−nの光量の劣化の有無について、劣化の大きいものが含まれていない場合を迅速に検出することができる。
【0061】
光ファイバ30−1〜30−nの中に光量の劣化の大きいものが含まれていた場合には、n本の光ファイバを全数検査すればよい。光ファイバを全数検査するには、上述した第1の実施形態の場合を適用してもよいし、他の方法を用いてもよい。
【0062】
電力変換装置には、多数のアームA0が設けられている場合があり、また、多数の電力変換装置の光ファイバを検査する場合には、アーム中のサイリスタそれぞれに対応する光ファイバごとに検査を行っていたのでは、検査の効率が低下する。本実施形態の電力変換装置の検査方法では、たとえばアームA0ごとに検査を行い、アームA0単位で対応する光ファイバの劣化の有無を判定することができる。その後、劣化が大きいと判定された光ファイバが含まれるアームA0について詳細検査を行うことで、検査の効率と検査の確実性が保証される。
【0063】
論理回路153の論理和および論理積をプログラムのステップとして実行する場合には、容易に実装することができるので、現状の装置を用いて検査の効率化を実現することができる。
【0064】
上述した実施形態では、アームA0単位で交流信号を印加することとしたが、交流信号の印加単位は、アームA0単位に限らない。アームA0内のサイリスタTH−1〜TH−nを数個ごとにグループ分けして、そのグループ単位に順次交流信号を印加し、対応する光ファイバの劣化判定を行うようにしてもよい。
【0065】
(第3の実施形態)
図7は、本実施形態に係る電力変換装置の検査方法を例示するブロック図である。
図7に示すように、本実施形態の電力変換装置の検査方法では、電力変換装置は、上述の他の実施形態の場合と異なるゲート制御装置250を有している。ゲート制御装置250は、論理回路253を含む。論理回路253は、OR回路253−1a〜253−maと、AND回路253−1b〜253−mbと、を含む。
【0066】
本実施形態では、アームA0は、直列に接続されたn個のサイリスタTH−1〜TH−nを含む。アームA0は、m(mは2以上の整数)個のサイリスタのグループを含んでいる。たとえばこのサイリスタのグループは、サイリスタモジュールである。つまり、アームA0は、直列に接続されたm個のサイリスタモジュールM−1〜M−mを含み、それぞれのサイリスタモジュールには、k(=n/m)個のサイリスタを含む。
【0067】
本実施形態では、サイリスタモジュールM−1〜M−mごとに、OR回路およびAND回路が接続されている。つまり、サイリスタモジュールM−1には、OR回路253−1aおよびAND回路253−1bが接続され、サイリスタモジュールM−mには、OR回路253−maおよびAND回路253−mbが接続されている。
【0068】
交流信号発生装置101は、交流信号vsaを出力する。サイリスタモジュールM−1〜M−mの両端に印加される電圧は、各モジュールに含まれるサイリスタの個数によってほぼ設定される。たとえばすべてのサイリスタモジュールM−1〜M−mに含まれるサイリスタの個数が同じ場合には、サイリスタモジュールM−1〜M−mの両端に印加される電圧はそれぞれ等しい。たとえばサイリスタモジュールの印加電圧は、vsa/mである。以下では、各サイリスタモジュールに等しい電圧が印加されるものとして説明する。
【0069】
アームA0の両端には、交流信号発生装置101が接続される。交流信号発生装置101は、アームA0に電圧信号vsaを供給する。サイリスタモジュールM−1〜M−mには、電圧vsmがそれぞれ印加される。たとえばサイリスタモジュールM−1の各サイリスタの両端に印加された電圧によって、対応する光変換回路は、印加された電圧に応じた光量の光を発光する。
【0070】
対応する光ファイバは、光変換回路の出力光を他端に接続された光電変換回路に伝送する。光電変換回路は、受光した光量に応じたパルス信号を出力する。
【0071】
光電変換回路が出力するパルス信号は、OR回路およびAND回路にそれぞれ入力される。OR回路は、入力されたパルス信号のうちもっとも広いパルス幅のパルス信号を出力する。AND回路は、入力されたパルス信号のうちもっとも狭いパルス幅のパルス信号を出力する。
【0072】
図8は、本実施形態の電力変換装置の検査方法を例示するフローチャートである。
以下では、本実施形態の検査方法を用いて、光ファイバの劣化判定されたサイリスタモジュールを抽出した後、そのサイリスタモジュールについて、すべてのサイリスタに対応する光ファイバの劣化判定を行うことについて説明する。
【0073】
図8に示すように、本実施形態では、ステップS01において、アームA0のサイリスタモジュールごとに対応する光ファイバの光量劣化の判定を行い、劣化と判定されたサイリスタモジュールに対応する光ファイバ群を抽出する。
【0074】
より具体的には、ステップS11において、交流信号発生装置101によって、交流信号vsaをアームA0の両端に印加する。出力される交流信号のピーク値を、最小値から最大値の範囲で変化させる。
【0075】
ステップS12において、光変換回路によって、交流信号を光信号に変換して対応する光ファイバにこの光信号を供給する。
【0076】
ステップS13において、光ファイバによって、光信号が一端から他端に伝送される。
【0077】
ステップS14において、光電変換回路によって、伝送された光信号が所定の形式の電気信号に変換される。
【0078】
ステップS15において、論理回路253によって、変換された電気信号すべての論理和および論理積がとられ出力される。波形観測装置2によって、出力された論理和および論理積によって対応するサイリスタモジュールに対応する光ファイバの劣化判定を行う。
【0079】
次に、ステップS02において、劣化判定され抽出されたサイリスタモジュールを構成するサイリスタそれぞれに対して、交流信号vsを印加して、対応する光ファイバの劣化判定を行う。
【0080】
より具体的には、ステップS21において、交流信号発生装置1によって、交流信号vsを各サイリスタの両端に順次印加する。
【0081】
ステップS22において、対応する光変換回路によって、印加された交流信号vsは、光信号に変換される。
【0082】
ステップS23において、対応する光ファイバによって、変換された光信号は一端から他端へ伝送される。
【0083】
ステップS24において、光電変換回路によって、伝送されてきた光信号は、電気信号に変換され、所定の変換処理によってたとえば方形波の電圧信号に変換される。
【0084】
ステップS25において、波形観測装置2によって、変換された電圧信号は、対応する信号出力端子で波形観測される。印加された交流信号vsに対する変換後の信号の形状等をあらかじめ設定することによって、対応する光ファイバの劣化検出を行うことができる。
【0085】
このようにして、それぞれの光ファイバについて、光量の伝送の劣化の有無が判定される。
【0086】
上述では、アームA0をいくつかのサイリスタモジュールに分割してサイリスタモジュールごとに光量劣化の判定を行うこととした。アームA0に含まれるサイリスタの個数が少ない場合等については、アームA0を分割せずに光量劣化の判定を行うようにしてもよい。その場合には、上述のステップS01を第2の実施形態の場合で置き換えることによって実現することができる。
【0087】
図9(a)〜図9(c)は、本実施形態の電力変換装置の検査方法における判定基準を説明するための模式的な波形図である。
図9(a)〜図9(c)の最上段の図は、各サイリスタの両端に印加される検査用の電圧vsmの波形の時間変化をそれぞれ示している。2段目の図は、サイリスタモジュールM−1に対応するAND回路253−1bが出力するFVAND信号の波形の時間変化を示している。3段目の図は、サイリスタモジュールM−2に対応するAND回路253−2bが出力するFVAND信号の波形の時間変化を示している。最下段の図は、サイリスタモジュールM−mに対応するAND回路253−mbが出力するFVAND信号の波形の時間変化を示している。
【0088】
図9(a)〜図9(c)に示すように、サイリスタモジュールのうちいくつか(この例では、少なくともサイリスタモジュールM−1,M−2)は、両端に印加された電圧vsmが最小値vsm1〜最大値vsm2の範囲で、FVAND信号のパルス幅が規定値Tspecに達している。そして、この例では、サイリスタモジュールのうちサイリスタモジュールM−mは、検査電圧vsmが最大値vsm2に達しても、FVAND信号のパルス幅が規定値Tspecに達していない。つまり、サイリスタモジュールM−mは、光量の劣化を生じた光ファイバに対応するサイリスタを含んでいる。
【0089】
なお、図9(a)〜図9(c)では、FVOR信号については、図示していないが、FVOR信号のパルス幅が規定値Tspecに達しない場合には、そのサイリスタモジュールに含まれるサイリスタに対応する光ファイバのすべてについて光量が劣化したと判定される。
【0090】
本実施形態の電力変換装置の検査方法の効果について説明する。
本実施形態では、1つのアームA0を複数のサイリスタモジュールに分割して、分割されたサイリスタモジュールに対応するOR回路およびAND回路を含む論理回路253を含んでいる。そのため、分割されたサイリスタモジュールごとに対応する光ファイバの光量伝送の劣化の有無を判定することができる。
【0091】
高圧直流送電に用いられる他励式の電力変換装置等の場合には、高電圧の入出力に対応するために、アームには、多数のサイリスタを直列接続している。また、このような電力変換装置は、多相のアームを有しており、たとえば6相のアームや12相のアーム等を含んでいる。このような場合に、アームごとに検査を行い、劣化判定されたときには、その劣化判定された光ファイバを特定するのにも、多数の光ファイバの個別チェックが必要となる。
【0092】
本実施形態の電力変換装置の検査方法では、分割されたサイリスタモジュールの直列個数を適切に設定することによって、サイリスタモジュール内での対応する光ファイバの劣化を効率よく検出することができる。劣化検出されたサイリスタモジュールごとに、たとえば個別チェックを行うことによって、確実に劣化した光ファイバを特定することが可能になる。
【0093】
第3の実施形態においては、アームA0中のサイリスタモジュールM−1〜M−mの良否判定後に、劣化が検出されたサイリスタモジュールに対して、光ファイバごとに劣化判定を行う。上述したように、大電力容量の電力変換装置では、多相のアームを有しているので、あらかじめ電力変換装置中のアーム単位の光ファイバの劣化判定を行うようにしてもよい。具体的には、各アーム中のサイリスタモジュールの良否判定を行う前に、各アームの光ファイバの良否判定を行い(第2の実施形態に対応)、あらかじめ劣化した光ファイバを含むアームを抽出する。そのアームに対して、サイリスタモジュールごとの光ファイバの劣化判定を行い、続いて光ファイバごとの劣化判定を行うようにしてもよい。
【0094】
以上説明した実施形態によれば、光ファイバを取り外すことなく、光ファイバの劣化判定を行う電力変換装置の検査方法を実現することができる。
【0095】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0096】
1,101 交流信号発生装置、2 波形観測装置、10 電力変換装置、20 電力変換器、22−1〜22−n 光変換回路、30−1〜30−n 光ファイバ、50 ゲート制御装置、52−1〜52−n 光電変換回路、53−1〜53−n 信号出力端子、153,253 論理回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9