(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハウジング内で前記スイッチの可動部と前記操作部との間に配置され、前記操作部が前記操作位置へ移動することにより前記スイッチの可動部を押下して、前記スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える中間部材を備えている、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の電動工具。
前記中間部材は、前記ハウジング内に前記把持部の中心軸と直交するよう設けられた支持軸に対し、該支持軸の軸回りに揺動可能に設けられており、一部が前記操作部に当接され、前記操作部が前記基準位置から前記操作位置へ移動すると、前記ハウジングの内側に向かって変位し、前記スイッチの可動部を押下するよう構成されている請求項4に記載の電動工具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述のパドルスイッチは、一端がハウジングに軸支されることで、その軸回りに揺動可能であり、ロックオフ機構によりハウジング内のスイッチをオフ状態に保持しているときには、他端が、ハウジングの外面から突出される。
【0008】
従って、パドルスイッチをハウジングの把持部全域で操作できるように(換言すれば操作性を高めるために)、パドルスイッチの長さを長くすると、ハウジングの外面からの突出量が多くなってしまう。
【0009】
また、パドルスイッチを引き操作する際には、ハウジングの外面から突出した部分を、ハウジング内に入れる必要があることから、ハウジングの把持部が太くなってしまう。
このため、操作部をパドルスイッチにて構成し、その操作性を高めるには、電動工具の大型化を招き、電動工具を小型化するのが難しいという問題がある。
【0010】
また、電動工具の使用時、使用者は、被加工材を加工し易い任意の位置で把持部を把持することになるが、パドルスイッチは、その把持位置に応じて引き操作するのに要する力(換言すれば荷重)が変化する。
【0011】
そして、このようにパドルスイッチを引き操作するのに要する力が変化すると、使用者によっては、使い勝手が悪いと感じることがある。
特に、電動工具が、パドルスイッチが引き操作されているときにだけ、モータを駆動するように構成されている場合、モータを駆動するには、パドルスイッチを操作し続ける必要があるが、このような電動工具では、操作時の荷重が変化すると、使い勝手が悪くなる。
【0012】
本開示の一局面は、モータやモータ駆動用のスイッチがハウジング内に収納された電動工具において、使用者がハウジングを把持した状態でスイッチを容易に操作できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の一局面の電動工具においては、モータと、モータへ通電するためのスイッチと、使用者が把持可能な筒状の把持部を有し、内部にモータ及びスイッチが収納されるハウジングと、を備える。
【0014】
ハウジングの把持部には、操作部が変位可能に設けられている。この操作部は、外部操作により基準位置から操作位置に移動することによって、スイッチをオフ状態からオン状態に切り替えるためのものである。
【0015】
また、操作部は、把持部の外面の一部を構成している。そして、操作部は、外部操作によって基準位置から操作位置へ移動でき、その移動によってスイッチをオフ状態からオン状態に切り替えることができる。また、操作部は、外部操作が中止されると基準位置へ復帰して、スイッチをオフ状態に戻す。
【0016】
このように、本開示の一局面の電動工具においては、操作部が把持部の外面の一部を構成しており、使用者による操作によって基準位置から操作位置へ移動することにより、ハウジング内のスイッチをオフ状態からオン状態に切り替える。
【0017】
このため、操作部を上述したパドルスイッチにて構成したときのように、操作部を、把持部の外面から突出させる必要がなく、把持部を細くして、電動工具全体を小型化することができる。
【0018】
また、操作部は把持部の外面の一部を構成しているので、把持部のどの位置で操作しても、スイッチをオンさせるために操作部に加える荷重は概ね一定となり、使用者が把持部を把持する把持位置によって操作性が低下するのを抑制できる。
【0019】
また、操作部は、外部操作が中止されると、基準位置へ復帰してスイッチをオフ状態に切り替える。
このため、使用者は、操作部の操作を中止するだけで、モータの駆動を停止させることができ、使用者が操作部の操作を中止したにも関わらず、モータが駆動され続けるのを抑制できる。つまり、使用者の意図に反してモータが回転するのを抑制でき、電動工具の使い勝手を向上できる。
【0020】
ここで、電動工具には、操作部を基準位置に固定してスイッチをオフ状態に保持し、外部操作によって操作部の基準位置への固定を解除可能に構成されたロックオフ機構が備えられていてもよい。
【0021】
また、このロックオフ機構は、操作部が操作位置から基準位置へ復帰すると、外部操作しなくても、自動的に、操作部を基準位置に固定するよう構成されていてもよい。
このようにロックオフ機構を構成すれば、使用者の意図に反して操作部が移動して、スイッチがオンされ、モータが駆動されるのを、より良好に抑制することができる。
【0022】
次に、操作部は、把持部の中心軸方向に変位可能に構成されていてもよい。このようにすれば、操作部は、ハウジングの外面に沿って、ハウジングの中心軸方向に移動(スライド)させることができるようになり、使用者は操作部をスライド操作することで、スイッチをオフ状態からオン状態に切り替えることができる。
【0023】
またこの場合、ロックオフ機構は、ハウジング内に、操作部の変位方向と直交する軸回りに揺動可能に設けられ、所定の揺動位置で操作部を基準位置に固定するよう構成されていてもよい。
【0024】
このようにすれば、使用者は、把持部を把持した状態で、ハウジングの外側からロックオフ機構を揺動操作することにより、操作部の基準位置への固定を解除させ、その後、操作部をスライド操作することで、スイッチをオンさせることができる。
【0025】
従って、使用者は、モータ駆動時の操作を、把持部を把持した手で簡単に行うことができる。
また、操作部が把持部の中心軸方向に変位可能に構成されている場合、ハウジング内には、スイッチの可動部と操作部との間に中間部材を設けるようにしてもよい。つまり、操作部が操作位置へ移動することによって、中間部材が、スイッチの可動部を押下して、スイッチをオフ状態からオン状態に切り替えるようにするのである。
【0026】
このようにスイッチと操作部との間に中間部材を設けるようにすれば、操作部が基準位置から操作位置に移動したとき、その移動方向を、中間部材を介して、スイッチの可動部を押下してオン状態にするのに要する操作方向に変更することができる。
【0027】
従って、ハウジング内でのスイッチの向きを、操作部の移動方向に制限されることなく任意に設定することができるようになり、設計の自由度を高めることができる。
また次に、ロックオフ機構は、把持部に、当該把持部の中心軸回りに回動可能に設けられ、所定の回動位置で操作部を基準位置に固定するよう構成されていてもよい。
【0028】
このようにすれば、ロックオフ機構を把持部の中心軸回りに回動させることで、操作部の基準位置への固定を解除させ、外部操作によって操作部を基準位置から操作位置へ移動させることができるようになる。
【0029】
この場合、操作部は、ロックオフ機構が回動されて基準位置への固定が解除されると、把持部の内側に変位可能になるよう構成されていてもよい。このようにすれば、使用者は、把持部を把持することで、操作部を、把持部の内側に変位させて、ハウジング内のスイッチの可動部を直接押下させることができるようになる。
【0030】
なお、ロックオフ機構を把持部の中心軸回りに回動させることで、操作部の基準位置への固定を解除させるようにした場合、操作部は、把持部の中心軸方向に変位可能に構成されていてもよい。
【0031】
また、本開示の一局面の電動工具は、スイッチがオン状態であるとき、商用電源等の交流電源からの供給電力にてモータを駆動するように構成されていてもよいし、ハウジングに取り付け可能なバッテリからの供給電力にてモータを駆動するように構成されていてもよい。
【0032】
また更に、本開示の一局面の電動工具において、操作部は、把持部の外面に這わせて長く配置されており、当該操作部のどの位置を操作しても、外部操作に要する荷重が一定となるように構成されていてもよい。
【0033】
また、操作部は、把持部の外面に這わせて長く配置されており、外部操作によって操作部全体が同じ移動量で変位するように構成されていてもよい。
つまり、操作部がこのように構成されていても、操作部を、把持部の外面から突出させる必要がなく、把持部を細くして、電動工具全体を小型化することができる。また、操作部は把持部のどの位置で操作しても、操作部全体が同じ移動量で変位し、スイッチをオンさせるために操作部に加える荷重が一定となるため、把持部を把持する把持位置によって操作性が低下するのを抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
なお、本実施形態では、本開示の電動工具として、被加工材に対して研削、研磨、切断等の加工を行うグラインダを例にとり説明する。
[第1実施形態]
図1、
図2に示すように、本実施形態のグラインダ2は、モータハウジング4とギヤハウジング6とリヤハウジング8とホイールカバー10とを主体として構成されている。
【0036】
モータハウジング4は、使用者が片手で把持し得る外径を有する円筒形状であり、
図3に示すように、その内部にモータ12を収容している。
モータ12は、モータハウジング4内に、モータ12の回転軸14がモータハウジング4の中心軸と平行で略一致するように配置されており、モータ12の回転軸14は、ギヤハウジング6に向かって突出されている。
【0037】
リヤハウジング8は、モータハウジング4と同様に略円筒形状になっており、モータハウジング4の中心軸の一端側(詳しくはギヤハウジング6とは反対側)に設けられている。また、リヤハウジング8内には、電源配線部16が収容されている。
【0038】
なお、以下の説明では、ギヤハウジング6の中心軸(換言すればモータ12の回転軸14)のギヤハウジング6側を前方、リヤハウジング側を後方という。
電源配線部16には、リヤハウジング8の後方から突出されて外部の交流電源(商用電源)から電力供給を受けるための電源コード18や、電源コード18からの供給電力にてモータ12を通電するためのスイッチ50が設けられている。このスイッチ50は、使用者により操作される操作部40を介してオン・オフされる。
【0039】
操作部40は、
図2に示すように、長尺形状であり、モータハウジング4及びリヤハウジング8の外面の一部を構成するよう、モータハウジング4及びリヤハウジング8の中心軸方向が長手方向となるように設けられている。
【0040】
また操作部40は、モータハウジング4及びリヤハウジング8の中心軸方向(換言すれば操作部40の長手方向)に移動可能であり、使用者により操作されていない非操作時には、グラインダ2の前方側の基準位置(
図2,
図3参照)に配置されている。
【0041】
また操作部40は、使用者がグラインダ2の後方側の操作位置(
図6参照)へ移動させると、スイッチ50をオフ状態からオン状態に切り替える。そして、モータ12は、このスイッチ50がオン状態であるときに通電されて回転する。
【0042】
なお、使用者による操作部40の操作によって、スイッチ50のオン・オフ状態を切り替えるための構成については、本開示の主要部であるため、後に詳しく説明する。
次に、ギヤハウジング6は、モータハウジング4のリヤハウジング8とは反対側(つまりグラインダ2の前方側)に設けられ、第1ベベルギヤ20、第2ベベルギヤ22、スピンドル24、ベアリング26、28等を収容している。
【0043】
第1ベベルギヤ20は、ギヤハウジング6内でモータ12の回転軸14に固定されている。第2ベベルギヤ22、スピンドル24、ベアリング26、28は、ギヤハウジング6とは別体で構成された内部ハウジング30に一体的に設けられており、内部ハウジング30がギヤハウジング6内に嵌合固定されることで、ギヤハウジング6内に収容される。
【0044】
内部ハウジング30には、ベアリング26を介してスピンドル24が回転可能に設けられている。内部ハウジング30は、スピンドル24の中心軸と同軸の円筒形状であり、スピンドル24がモータ12の回転軸14と直交するように、ギヤハウジング6内に固定されている。
【0045】
第2ベベルルギヤ22は、スピンドル24に固定されており、ギヤハウジング6内で第1ベベルギヤ20と噛合し、モータ12の回転出力をスピンドル24の軸周りの回転力に変換する。
【0046】
スピンドル24の一端は、ベアリング28を介して、ギヤハウジング6に回転自在に支持されており、スピンドル24の他端は、内部ハウジング30(換言すれば、ギヤハウジング6)から外部(下方)に突出されている。
【0047】
スピンドル24のギヤハウジング6からの突出部分には、円板状の先端工具36を位置決め固定するためのインナフランジ32が設けられている。また、スピンドル24のインナフランジ32よりも更に先端の外周部分には、ロックナット34を螺合するためのねじ部25が形成されている。ロックナット34は、インナフランジ32との間で先端工具36を挟持するためのものである。
【0048】
このように構成されたグラインダ2においては、スイッチ50がオン状態になるとモータ12が回転し、その回転出力が、ギヤハウジング6内のギヤ機構(第1ベベルギヤ20、第2ベベルギヤ22)を介してスピンドル24に伝達される。
【0049】
このため、ロックナット34を介して、先端工具36をスピンドル24に固定しておけば、先端工具36が回転して、研削、研磨、切断等の作業を行うことができる。
なお、このようにグラインダ2において用いられる先端工具36としては、研削砥石、切断砥石、ワイヤブラシ、等を挙げることができる。
【0050】
また、ギヤハウジング6には、使用者がグラインダ2の使用時に把持するためのハンドル部9が着脱自在に設けられている。
次に、ホイールカバー10は、研削、研磨、切断等の作業時に生じる被加工材や先端工具36の破片の飛散から使用者を保護するためのものである。
【0051】
このため、ホイールカバー10は、スピンドル24に固定された先端工具36の一部(本実施形態では略半分)をギヤハウジング6側から覆うように、略半円形状に形成されている。
【0052】
このホイールカバー10は、内部ハウジング30において、スピンドル24が突出される部分に固定されている。
つまり、内部ハウジング30において、ホイールカバー10を取り付けるための取り付け部位31は、スピンドル24の中心軸と同軸でスピンドル24を囲むように円筒形状になっている。
【0053】
また、ホイールカバー10において、先端工具36よりも内部ハウジング30側で先端工具36の板面に対向して配置される半円形の板面の中心部分には、内部ハウジング30の取り付け部位31の外周に固定するための取付部37が設けられている。
【0054】
取付部37は、内部ハウジング30の取り付け部位31に外嵌可能な円環形状であり、その円環の一部が開放されて、締付具38により取り付け部位31の周囲に締め付け固定できるようになっている。なお、この取付部37の構成については、グラインダにおいて一般的であるため、その詳細については説明を省略する。
【0055】
このように構成されたグラインダ2においては、内部ハウジング30に対し、ホイールカバー10を着脱可能に装着できる。また、ホイールカバー10は、取付部37による内部ハウジング30の締め付けを緩めることで、スピンドル24周りに回動させて、半円形状のホイールカバー10の板面にて保護し得る先端工具36の保護領域を変更できる。
【0056】
このように保護領域を変更可能としているのは、先端工具36の用途(研削、研磨、切断)によって、グラインダ2からみて先端工具36を露出させるべき領域が異なるためであり、使用者は、作業内容に応じて、ホイールカバー10の位置を変更できる。
【0057】
次に、操作部40によりスイッチ50のオン・オフ状態を切り替えるための構成について説明する。
図3,
図4に示すように、操作部40の長手方向の長さは、モータハウジング4及びリヤハウジング8において使用者が把持位置を変更しても操作可能な長さに設定されている。
【0058】
つまり、モータハウジング4及びリヤハウジング8は、中心軸回りの外周の略全域が、使用者が把持可能な把持部となっており、操作部40は、使用者がその把持部を把持することで操作できるようになっている。
【0059】
また操作部40は、両ハウジング4,8の外面の一部を構成するための板面と、その板面の外周縁からハウジング内に向けて立設された枠部とにより、上面が開口した偏平な箱形状になっている。そして、モータハウジング4及びリヤハウジング8には、この操作部40を中心軸方向に変位可能に支持する開口が設けられている。
【0060】
操作部40において、リヤハウジング8側に配置される後方の枠部には、操作部40の長手方向に沿って所定間隔で2本のピン44、48が設けられている。この2本のピン44,48は、それぞれ、操作部40の長手方向(換言すればリヤハウジング8の中心軸方向)と直交するように配置されており、前方側のピン44には、ピン44を中心として揺動可能な揺動部材42が設けられている。
【0061】
揺動部材42は、本体部分がピン44からグラインダ2の後方側に突出されており、その先端両側には、リヤハウジング8に設けられたL字状の案内孔56に挿入されることで、リヤハウジング8に対し操作部40を変位可能に固定する突起46が設けられている。
【0062】
案内孔56は、リヤハウジング8の中心軸に沿って突起46を移動可能に支持する直線部分と、その直線部分の前方側でリヤハウジング8の内側に向けて屈曲された屈曲部分とによりL字状に形成されている。
【0063】
また、揺動部材42の本体部分は、ピン44の回りに巻回されたねじりコイルばね45の付勢力によって、リヤハウジング8の内側に向けて付勢されている。また、リヤハウジング8には、操作部40を、リヤハウジング8の後方側から前方側に向けて付勢するための圧縮コイルばね54が設けられている。
【0064】
このため、操作部40は、使用者により操作されていないときには、圧縮コイルばね54の付勢力によって、グラインダ2の前方側の基準位置に固定される。そして、この状態では、揺動部材42の突起46が案内孔56の屈曲部分に入って、操作部40の後方側への移動が阻止される。
【0065】
なお、この状態では、操作部40が操作位置に移動するのを禁止して、スイッチ50をオフ状態に保持することができることから、本実施形態では、揺動部材42と案内孔56とがロックオフ機構として機能することになる。
【0066】
また、この状態で、ねじりコイルばね45の付勢力に抗して揺動部材42を回動させると、揺動部材42の突起46が案内孔56の直線部分まで移動し、突起46と案内孔56との係合(換言すれば操作部40の基準位置への固定)が解除される。
【0067】
そして、この解除を使用者が外部操作によって行うことができるようにするため、揺動部材42には、ピン44からリヤハウジング8の前方外側に向けて突出された操作用の突片43が一体形成されている。
【0068】
この突片43は、
図5に示すように、使用者が操作部40の外から内側に押し込むことで、揺動部材42をねじりコイルばね45の付勢力に抗して回動させて、操作部40の基準位置への固定を解除し、操作部40を操作できるようにするためのものである。
【0069】
このため、操作部40において、ハウジング4、8の外面を構成する板面には、突片43の先端部分をハウジング4、8の外側に突出させるための開口部41が設けられている。
【0070】
次に、リヤハウジング8において、スイッチ50は、接点をオン・オフするための可動部51が操作部40と対向するように設けられている。そして、スイッチ50の可動部51と操作部40との間には、操作部40の後方への移動によって、その移動方向(換言すれば操作部40の操作方向)と直交する方向に変位し、スイッチ50をオフ状態からオン状態に切り替える中間部材52が設けられている。
【0071】
中間部材52は、矩形で板面がリヤハウジング8の中心軸に沿って外方向に湾曲した板状部材であり、リヤハウジング8の前方側端縁には、中間部材52を揺動可能に支持するための支持軸53が設けられている。
【0072】
この支持軸53は、リヤハウジング8に設けられた支持孔58に挿通されることで、操作部40のピン48と略平行となるように配置される。また、中間部材52の操作部40側の板面は、ピン48に当接される。
【0073】
このため、
図6に示すように、操作部40が操作されて、ピン48が後方へ移動すると、中間部材52は、支持軸53を中心にリヤハウジング8の内側に押し上げられる。この結果、スイッチ50の可動部51が中間部材52により押下されて、スイッチ50がオン状態となる。
【0074】
つまり、本実施形態では、スイッチ50の操作方向が、操作部40の移動方向と直交するようにスイッチ50が配置されていることから、中間部材52によって操作部40の移動方向をスイッチ50の操作方向へ変換し、スイッチ50をオンさせる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態のグラインダ2においては、スイッチ50をオン・オフするための操作部40が、使用者が把持可能な把持部であるモータハウジング4及びリヤハウジング8の外面の一部を構成している。
【0076】
また、操作部40は、使用者がモータハウジング4及びリヤハウジング8のどこを把持しても一定の荷重で操作できるように、長尺形状になっており、使用者による外部操作によって、操作部40全体が同じ移動量で各ハウジング4,8の中心軸方向に移動する。
【0077】
操作部40は、通常、ロックオフ機構を構成する揺動部材42と案内孔56との係合により基準位置に固定されており、使用者が揺動部材42の突片43を押し込むことによって、その固定が解除されて、操作部40を操作できるようになる。
【0078】
この状態で、操作部40が操作されて、後方の操作位置まで移動すると、中間部材52を介して、スイッチ50がオフ状態からオン状態に切り替えられ、モータ12への通電が開始される。
【0079】
従って、使用者は、モータハウジング4及びリヤハウジング8の所望の位置を把持した状態で、操作部40を操作することができるようになる。また、この操作は、圧縮コイルばね54の付勢力に抗して操作部40を後方に移動させるだけでよく、把持位置が変化しても、操作に要する力は一定になる。
【0080】
このため、本実施形態のグラインダ2によれば、操作部を上述したパドルスイッチにて構成したときのように、モータハウジング4及びリヤハウジング8の把持位置によって、操作部の操作に要する力が変化し、その操作がし難くなるのを抑制できる。
【0081】
また、操作部40は、上述したパドルスイッチのように、モータハウジング4やリヤハウジング8の外周面から外方向に突出させる必要がないため、これら各ハウジング4,8を細くして、グラインダ2全体を小型化することができる。
【0082】
また、操作部40は、使用者が操作を中止すると、圧縮コイルばね54の付勢力により基準位置に戻る。そして、この状態では、使用者が揺動部材42の突片43を押し込む操作をしていなければ、揺動部材42がねじりコイルばね45の付勢力により回動されて、操作部40が基準位置に固定される。
【0083】
このため、使用者は、操作部40の操作を中止するだけで、スイッチ50をオフ状態に切り替えて、モータ12の駆動を停止させることができ、その状態を保持させることができる。よって、本実施形態のグラインダ2によれば、使用者の意図に反してモータ12が回転するのを抑制でき、グラインダ2の使い勝手を向上できる。
【0084】
また、操作部40とスイッチ50との間には、操作部40の変位によって揺動する中間部材52が設けられている。このため、本実施形態のグラインダ2によれば、使用者の操作による操作部40の後方への移動を、中間部材52によって、その移動方向と直交する方向に変化して、スイッチ50の可動部51を押下させることができる。
【0085】
このため、リヤハウジング8内でのスイッチ50の配置方向を、操作部40の操作方向に対応させることなく、任意に設定することができるようになり、設計の自由度を高めることができる。
[第2実施形態]
図7に示すように、第2実施形態のグラインダ2Aは、基本構成は第1実施形態のグラインダ2と同じであり、第1実施形態のグラインダ2と異なる点は、スイッチ50をオン・オフさせる操作部40Aとロックオフ機構の構成である。
【0086】
そこで、本実施形態では、第1実施形態のグラインダ2と異なる点について説明し、他の部分については、図面に第1実施形態と同じ符号を付与し、説明を省略する。
本実施形態の操作部40Aは、第1実施形態の操作部40と同様、モータハウジング4及びリヤハウジング8において使用者がどの位置を把持しても操作できるように、長尺形状になっている。
【0087】
このため、モータハウジング4及びリヤハウジング8には、操作部40Aを変位可能に支持する開口が設けられており、操作部40Aは、その開口を閉塞するように取り付けられる。
【0088】
また、リヤハウジング8内に設けられるスイッチ50は、可動部51が後方を向くように配置されており、操作部40Aの後方端部には、操作部40Aの前方への移動によって可動部51を直接押下するための板状の突起49Aが設けられている。
【0089】
操作部40Aは、通常、突起49Aがスイッチ50の可動部51からスイッチ50をオフする方向(つまりグラインダ2の後方側)へ付勢されることにより、基準位置に配置される。また、操作部40Aには、この基準位置で操作部40Aを固定するための揺動部材42Aが設けられている。
【0090】
つまり、操作部40Aは、第1実施形態の操作部40と同様、上面が開口した偏平な箱形状になっている。また、揺動部材42Aには、操作部40Aの長手方向に直交するように支持軸44Aが突設されている。そして、揺動部材42Aは、支持軸44Aが操作部40Aの枠部に設けられた支持孔(図示せず)に挿入されることで、操作部40Aに対し揺動可能に取り付けられている。
【0091】
また、揺動部材42Aには、操作用及び固定用の突片43A及び47Aが設けられている。操作用の突片43Aは、操作部40Aが基準位置にあるときに操作部40Aに設けられた開口部41Aから外部に突出され、固定用の突片47Aは、操作部40Aが基準位置にあるときにモータ12のケースに設けられた突起57Aに当接される。
【0092】
また、揺動部材42Aの支持軸44Aの回りには、突片47Aをモータ12のケース側(換言すればリヤハウジング8の内側)に付勢するねじりコイルばね45Aが設けられている。
【0093】
このため、操作部40Aは、使用者が操作していない通常時には、スイッチ50の可動部51からの付勢力にて基準位置に配置されるだけでなく、揺動部材42Aの突片47Aがモータ12の突起57Aに当接されることにより基準位置に固定される。
【0094】
この結果、スイッチ50はオフ状態にロックされ、使用者は、操作部40Aを操作してスイッチ50をオン状態に切り替えることができなくなる。
一方、この状態で、揺動部材42Aの突片43Aを操作して、揺動部材42Aをねじりコイルばね45Aの付勢力に抗して回動させると、
図8に示すように、揺動部材42Aの突片47Aとモータ12の突起57Aとの係合が外れる。
【0095】
この状態では、使用者は、
図9に示すように、操作部40Aをグラインダ2Aの前方に移動させることができるようになり、その移動によって、突起49Aを介してスイッチ50の可動部を押下し、スイッチ50をオフ状態からオン状態に切り替えることができる。
【0096】
従って、本実施形態のグラインダ2Aによれば、使用者は、第1実施形態のグラインダ2と略同様の操作で、スイッチ50をオン状態に切り替え、モータ12を回転させることができることになり、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0097】
また、本実施形態のグラインダ2Aは、操作部40Aとスイッチ50との間に中間部材52を設けず、操作部40Aの突起49Aによってスイッチ50の可動部51を直接押下するように構成されている。このため、第1実施形態に比べて部品点数を少なくすることができる。
【0098】
なお、本実施形態では、操作部40Aは、スイッチ50の可動部51からの付勢力にて、基準位置に移動するものとして説明したが、圧縮コイルばね54等の付勢部材からの付勢力にて、操作部40Aを基準位置に移動させるようにしてもよい。
[第3実施形態]
図10に示すように、第3実施形態のグラインダ2Bは、基本構成は第2実施形態のグラインダ2Aと同じであり、第2実施形態のグラインダ
2Aと異なる点は、スイッチ50の配置と操作部40Bの操作方向である。そこで、本実施形態では、第2実施形態との相違点について説明し、他の部分の説明は省略する。
【0099】
図10に示すように、本実施形態では、スイッチ50は、可動部51がグラインダ2Bの前方を向くようにリヤハウジング8内に設けられている。操作部40Bは、第2実施形態の操作部40Aと同様、長尺形状であり、モータハウジング4及びリヤハウジング8の外面の一部を構成している。
【0100】
また、操作部40Bは、モータハウジング4及びリヤハウジング8の中心軸に沿って変位可能であるが、本実施形態では、操作部40Bの後端側に設けられた突起49Bによって、基準位置から後方に移動することによりスイッチ50をオンするようになっている。
【0101】
つまり、突起49Bは、操作部40Bが操作されていないときには、スイッチ50の可動部51からの付勢力にて前方に移動して基準位置に保持され、外部操作により操作部40Bが基準位置から後方に移動することで可動部51を押下する。そして、所定の操作位置まで移動されると、スイッチ50がオン状態となる。
【0102】
また、操作部40Bには、第2実施形態の揺動部材42Aと構成が同じ揺動部材42Bが設けられている。この揺動部材42Bは、操作用及び固定用の突片43B及び47Bを備え、支持軸44Bを介して、操作部40Bに対し第2実施形態とは逆方向に取り付けられている。また、揺動部材42Bは、支持軸44Bの回りに設けられたねじりコイルばね45Bにて、第2実施形態とは逆方向に付勢されている。
【0103】
そして、操作用の突片43Bは、操作部40Bが基準位置にあるときに操作部40Bに設けられた開口部41Bから外部に突出され、固定用の突片47Bは、操作部40Bが基準位置にあるときにモータ12のケースに設けられた突起57Bに当接される。
【0104】
このため、操作部40Aは、使用者が操作していない通常時には、スイッチ50の可動部51からの付勢力にて基準位置に配置され、揺動部材42Bの突片47Bがモータ12の突起57Bに当接されることにより基準位置に固定される。
【0105】
また、この状態で、使用者が揺動部材42Bの突片43Bを操作して、揺動部材42Bをねじりコイルばね45Bの付勢力に抗して回動させると、
図11に示すように、揺動部材42Bの突片47Bとモータ12の突起57Bとの係合が外れる。
【0106】
この状態では、使用者は、
図12に示すように、操作部40Bをグラインダ2Bの
後方に移動させることができるようになり、その移動によって、突起49Bを介してスイッチ50の可動部を押下し、スイッチ50をオフ状態からオン状態に切り替えることができる。
【0107】
従って、本実施形態のグラインダ2Bにおいても、使用者は、上記各実施形態のグラインダ2、
2Aと略同様の操作で、スイッチ50をオン状態に切り替え、モータ12を回転させることができることになり、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第4実施形態]
図13に示すように、第4実施形態のグラインダ2Cは、基本構成は第1実施形態のグラインダ2と同じであり、第1実施形態のグラインダ2と異なる点は、スイッチ50をオン・オフさせる操作部60とロックオフ機構の構成である。
【0108】
そこで、本実施形態では、第1実施形態のグラインダ2と異なる点について説明し、他の部分については、図面に第1実施形態と同じ符号を付与し、説明を省略する。
本実施形態のグラインダ2Cにおいては、スイッチ50が、第1実施形態と同様に、可動部51がリヤハウジング8の中心軸に直交する方向(詳しくはギヤハウジング6からスピンドル24が突出される下方)を向くよう配置されている。
【0109】
操作部60は、リヤハウジング8の中心軸方向に長い長尺形状になっており、リヤハウジング8の外周面のうち、スイッチ50の可動部51と対向する位置に設けられている。
また、操作部60は、使用者がモータハウジング4及びリヤハウジング8の外周面である把持部を把持した際に、把持した手を捻ることで操作部60をリヤハウジング8の中心軸回りに回動できるようになっている。
【0110】
つまり、
図14A,
図14Bに示すように、リヤハウジング8には、その中心軸Oを中心とする所定角度範囲で回動できるように操作部60を支持する円弧状の支持孔72が設けられている。また、この支持孔72には、支持孔72に挿入されて、中心軸O回りに回動可能な中空の支持部62が設けられている。
【0111】
この支持部62は、断面円弧状の板状部材にて構成されており、その板面中央に操作部60を挿入可能な中空部を有する。そして、支持部62は、その中空部を挟んで円弧の両端側がリヤハウジング8に設けられた支持孔72に挿入されて、リヤハウジング8の中心軸O回りに回動可能となる。
【0112】
操作部60は、この支持部62の中空部にリヤハウジング8の内側から挿入されることで、リヤハウジング8に固定される。このため、操作部60は、支持部62と一体となって、リヤハウジング8の中心軸O回りに回動できるようになる。
【0113】
また、操作部60は、第1実施形態の操作部40と同様、上面が開口した偏平な箱形状になっており、箱を構成する枠部の開口端側には外周方向に延びる鍔部61が設けられている。
【0114】
このため、操作部60は、支持部62の中空部にリヤハウジング8の内側から挿入した際に、リヤハウジング8の外側に抜けることがなく、しかも、支持部62の中空部内で、リヤハウジング8の中心軸Oに直交する径方向に変位可能となる。
【0115】
なお、支持部62は、リヤハウジング8の支持孔72に挿入されているため、リヤハウジング8の中心軸Oに直交する径方向に変位することはない。
また、
図13,
図14B,
図15Bに示すように、操作部60の長手方向中心部分には、圧縮コイルばね66が設けられている。この圧縮コイルばね66は、一端がモータ12のケース76に固定されており、操作部60全体を、リヤハウジング8の内側から外側に向けて付勢する。
【0116】
このため、操作部60は、使用者により操作されていない通常時には、圧縮コイルばね66の付勢力にて支持部62から突出された状態となり、使用者は、外部操作によって操作部60をリヤハウジング8内に押し込むことができる。
【0117】
また、操作部60の内面には、
図15Aに示すように、操作部60がリヤハウジング8の中心軸O回りに回動されて、その回動方向中心位置がスイッチ50の可動部51と対向したときに、可動部51を押下できるようにするための突起63が設けられている。
【0118】
この突起63は、モータ12のケースの後方端部に取り付けられたねじりコイルばね64から付勢力を受けることにより、操作部60全体を、突起63がスイッチ50の可動部51と対向する位置から回動させる。
【0119】
このため、操作部60が操作されていない通常時には、操作部60は、支持孔72内での支持部62の回動停止位置にて停止される。
なお、本実施形態では、この回動停止位置が操作部60の基準位置となる。また、支持孔72及び支持部62は、ねじりコイルばね64の付勢力に抗して操作部60が回動されたときには、突起63がスイッチ50の可動部51と対向する位置で、操作部60の回動を停止させる。
【0120】
図14Aに示すように、操作部60が基準位置にあるときには、操作部60の基準位置への回動方向に位置する鍔部61が、モータ12のケースから突出された突起74に当接されて、操作部60をリヤハウジング8内に押し込むことができなくなる。
【0121】
この結果、スイッチ50はオフ状態にロックされることになり、本実施形態では、この突起74と鍔部61とがロックオフ機構として機能する。
上記のように構成された本実施形態のグラインダ2Cにおいては、通常時には、操作部60が
図13,
図14に示す基準位置に位置決めされて、スイッチ50を操作できないロックオフ状態に固定される。
【0122】
この状態で、使用者が外部操作によって操作部60をねじりコイルばね64の付勢力に抗して回動させると、
図15に示すように、操作部60のロックオフ状態が解除されると共に、突起63がスイッチ50の可動部51と対向する操作可能位置で停止する。
【0123】
従って、この状態で、操作部60をリヤハウジング8内に押し込むようにすれば、
図16Aに示すように、操作部60の突起63によって、スイッチ50の可動部51が押下されて、スイッチ50がオン状態となる。
【0124】
また、この状態では、
図16Bに示すように圧縮コイルばね66が更に圧縮されるので、使用者が操作部60の操作を停止すれば、圧縮コイルばね66及びねじりコイルばね64の付勢力により、操作部60が
図14に示す基準位置に戻り、ロックオフ状態となる。
【0125】
従って、本実施形態のグラインダ2Cによれば、使用者は、モータハウジング4及びリヤハウジング8の外周面である把持部を把持した状態で、操作部60を回動させてリヤハウジング8内に押し込むことで、スイッチ50をオン状態に切り替えることができる。
【0126】
また、操作部60は、リヤハウジング8の外面の一部を構成しており、その長手方向中心部分で圧縮コイルばね66により外方向に付勢されているため、操作部60の操作位置が変化しても、スイッチ50をオンさせるのに要する力は略一定となる。
【0127】
従って、本実施形態のグラインダ2Cにおいても、操作部を上述したパドルスイッチにて構成した場合に比べて操作部60の操作をし易くすることができ、更に、上記各実施形態のグラインダ2、2A、2Bと同様の効果を得ることができる。
[第5実施形態]
図17に示すように、第5実施形態のグラインダ2Dは、基本構成は第1実施形態のグラインダ2と同じであり、第1実施形態のグラインダ2と異なる点は、スイッチ50をオン・オフさせる操作部80とロックオフ機構の構成である。
【0128】
そこで、本実施形態では、第1実施形態のグラインダ2と異なる点について説明し、他の部分については、図面に第1実施形態と同じ符号を付与し、説明を省略する。
本実施形態のグラインダ2Dにおいては、スイッチ50が、第2実施形態のグラインダ2Aと同様、可動部51が後方を向くように配置されている。
【0129】
一方、操作部80は、モータハウジング4の外面の一部を構成する本体部分に加え、スイッチ50の後端側に配置されて操作部80の前方への移動によって可動部51を押下する押下部84と、本体部分80と押下部84とを連結する連結部83とを有する。
【0130】
押下部84及び連結部83は、例えば、プレス成形により操作部80の本体と一体形成されている。操作部80全体はU字形状になっており、本体部分と連結部83は、それぞれ、モータハウジング4及びリヤハウジング8の中心軸を挟んで上下に一対設けられている。
【0131】
図18B、
図18Cに示すように、モータハウジング4には、モータ12の回転軸を中心とする所定角度範囲で操作部80の本体部分を回動できるように、操作部80を支持する円弧状の支持孔92が一対設けられている。そして、操作部80には、それぞれ、この支持孔92に挿入されて、モータハウジング4の中心軸回りに回動可能な鍔部82が設けられている。
【0132】
モータハウジング4の支持孔92は、操作部80の回動範囲を規制するため、所定角度範囲で外部に開口しており、操作部80の本体部分は、その開口から突出されることで、モータハウジング4の外面の一部を構成している。
【0133】
操作部80の本体部分の回転軸14回りの幅は、支持孔92の開口の幅よりも狭くなっており、操作部80は、その幅の差分だけ回動可能となる。また、操作部80のギヤハウジング6側の端部81は、幅が更に狭くなっており、モータハウジング4には、操作部80が基準位置から所定方向(図では右方向)に回動されると、その端部81を挿入可能となる挿入孔91が設けられている。
【0134】
従って、本実施形態のグラインダ2Dにおいては、操作部80を
図18B、18Cに示す基準位置から、
図20B,
図20Cに示すように回動させて、操作部80の端部81を挿入孔91に挿入することで、スイッチ50をオンさせることができる。
【0135】
つまり、このようにすれば、
図19に示すように操作部80全体がグラインダ2Dの前方に移動する。この結果、操作部80の後端に設けられた押下部84にてスイッチ50の可動部51が押下されて、スイッチ50がオン状態からオフ状態に切り替わる。
【0136】
なお、本実施形態においては、操作部80の端部81とモータハウジング4に設けられた挿入孔91とが、ロックオフ機構として機能する。
一方、操作部80の連結部83は、リヤハウジング8に対し、操作部80のモータハウジング4内での回動に応じて変位可能に設けられている。
【0137】
また、リヤハウジング8において、モータ12のケースには、
図18Aに示すように、連結部83が通り、その移動を基準位置と操作位置との間の移動範囲内に制限する溝が設けられている。
【0138】
そして、その溝には、連結部83(延いては操作部80の本体部分)を基準位置方向に付勢する圧縮コイルばね93が設けられている。
このため、上記のように操作部80を操作した後、操作を中止すれば、操作部80全体がスイッチ50の可動部51からの付勢力にてグラインダ2Dの後方に移動し、その後、圧縮コイルばね93の付勢力にて、操作部80の本体部分が基準位置に戻ることになる。
【0139】
以上説明したように、本実施形態のグラインダ2Dによれば、使用者は、モータハウジング4若しくはリヤハウジング8の外周面である把持部を把持した状態で、操作部80を操作し、スイッチ50をオン状態にすることができる。
【0140】
またこの操作は、操作部80をモータ12の回転軸14回りに回動させて、前方に移動させる、といった手順で簡単に行うことができる。
また、操作部80は、モータハウジング4の外面の一部として、モータハウジング4の中心軸に沿って設けられているため、操作部80の操作位置が変化しても、操作部80の操作に要する力を略一定にすることができる。
【0141】
従って、本実施形態のグラインダ2Dにおいても、操作部を上述したパドルスイッチにて構成した場合に比べて操作部80の操作をし易くすることができ、更に、上記各実施形態のグラインダ2、2A、2B、2Cと同様の効果を得ることができる。
【0142】
以上、本開示の電動工具の実施形態について説明したが、本開示の電動工具は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様をとることができる。
例えば、第1実施形態〜第5実施形態では、リヤハウジング8から電源コード18が引き出された交流駆動方式のグラインダについて説明した。これに対し、
図21に例示するように、リヤハウジング8に、バッテリパック100を着脱可能に装着するための装着部102が設けられ、装着部102に装着されたバッテリパック100内のバッテリから供給される直流電力を受けて動作する充電式のグラインダであってもよい。
【0143】
また、第1実施形態〜第5実施形態では、グラインダを例にとり説明したが、本開示の電動工具は、モータの回転により鋸歯を往復動させるレシプロソー等、動力源となるモータが収納されるハウジングを把持した状態で使用される電動工具であってもよい。
【0144】
また、上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。