(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
【0018】
以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る印刷装置の概略構成図である。
図2は、
図1に示す印刷装置の給紙部近傍の拡大図である。
図3は、
図1に示す印刷装置の循環搬送部近傍の拡大図である。
図4は、
図1に示す印刷装置の排紙部近傍の拡大図である。
図5は、
図1に示す印刷装置の制御ブロック図である。
図6は、
図1に示す印刷装置の制御部の構成を示すブロック図である。以下の説明において、
図1における紙面の上下左右を上下左右方向とし、
図1の紙面に直交する方向を前後方向とする。
【0020】
図1において太線で示す経路が、印刷媒体である用紙Pが搬送される搬送経路である。搬送経路のうち、実線で示す経路が印刷経路RP、一点鎖線で示す経路が循環経路RC、破線で示す経路が第1排紙経路RD1および第2排紙経路RD2、二点鎖線で示す経路が外部給紙経路RS1および内部給紙経路RS2である。以下の説明における上流、下流は、搬送経路における上流、下流を意味する。
【0021】
図1〜
図5に示すように、第1実施形態に係る印刷装置1は、筐体2と、給紙部3と、ベルトプラテン搬送部4と、印刷部5と、循環搬送部6と、排紙部7と、ジャム解除扉(請求項のジャム解除機構に相当)8〜14と、操作パネル15と、制御部16とを備える。なお、給紙部3、ベルトプラテン搬送部4、循環搬送部6、および排紙部7により、請求項の搬送部が構成される。
【0022】
筐体2は、印刷装置1の各部を収容または保持する。筐体2は、前扉17を有する。前扉17は、筐体2の前面を開閉するものである。前扉17を開くことにより、ユーザが印刷装置1の内部にアクセスできるようになっている。
【0023】
給紙部3は、未印刷の用紙Pをベルトプラテン搬送部4に給紙する。また、給紙部3は、両面印刷時に片面印刷後の用紙Pをベルトプラテン搬送部4に再給紙する。給紙部3は、外部給紙台21と、外部給紙ローラ22と、第1および第2内部給紙台23,24と、第1および第2内部給紙ローラ25,26と、第1および第2内部給紙モータ27,28と、第1〜第3内部給紙搬送ローラ対29〜31と、内部給紙搬送モータ32と、縦搬送ローラ対33と、縦搬送モータ34と、レジストローラ対35と、レジストモータ36と、用紙センサ37〜40とを備える。なお、第1〜第3内部給紙搬送ローラ対29〜31、縦搬送ローラ対33、およびレジストローラ対35は、請求項の搬送ローラ対に相当する。
【0024】
外部給紙台21は、印刷に用いられる用紙Pが積載されるものである。外部給紙台21は、一部が筐体2の外部に露出して設置されている。
【0025】
外部給紙ローラ22は、外部給紙台21に積層された用紙Pを1枚ずつ取り出すとともに、外部給紙経路RS1に沿ってレジストローラ対35へ向けて搬送する。
【0026】
第1および第2内部給紙台23,24は、印刷に用いられる用紙Pが積載されるものである。第1内部給紙台23の下方に第2内部給紙台24が配置されている。第1および第2内部給紙台23,24は、筐体2の内部に配置されている。
【0027】
第1内部給紙ローラ25は、第1内部給紙台23に積層された用紙Pを1枚ずつ取り出すとともに、第1内部給紙搬送ローラ対29へ搬送する。第2内部給紙ローラ26は、第2内部給紙台24に積層された用紙Pを1枚ずつ取り出すとともに、第2内部給紙搬送ローラ対30へ搬送する。
【0028】
第1内部給紙モータ27、第2内部給紙モータ28は、それぞれ第1内部給紙ローラ25、第2内部給紙ローラ26を駆動させる。
【0029】
第1内部給紙搬送ローラ対29、第2内部給紙搬送ローラ対30は、それぞれ第1内部給紙ローラ25、第2内部給紙ローラ26により第1内部給紙台23、第2内部給紙台24から取り出された用紙Pを第3内部給紙搬送ローラ対31へ搬送する。第3内部給紙搬送ローラ対31は、第1内部給紙搬送ローラ対29または第2内部給紙搬送ローラ対30により搬送されてきた用紙Pを縦搬送ローラ対33へ搬送する。第3内部給紙搬送ローラ対31は、内部給紙経路RS2の第1内部給紙ローラ25から延びる部分と第2内部給紙ローラ26から延びる部分との合流地点の下流側近傍に配置されている。
【0030】
第1内部給紙搬送ローラ対29は、ローラ29a,29bの対により構成され、ローラ29a,29bにより用紙Pをニップしつつ搬送する。第2内部給紙搬送ローラ対30は、ローラ30a,30bの対により構成され、ローラ30a,30bにより用紙Pをニップしつつ搬送する。第3内部給紙搬送ローラ対31は、ローラ31a,31bの対により構成され、ローラ31a,31bにより用紙Pをニップしつつ搬送する。
【0031】
内部給紙搬送モータ32は、第1〜第3内部給紙搬送ローラ対29〜31を駆動させる。
【0032】
縦搬送ローラ対33は、内部給紙経路RS2に沿って第1〜第3内部給紙搬送ローラ対29〜31により搬送されてきた用紙Pをレジストローラ対35へ搬送する。また、縦搬送ローラ対33は、両面印刷時に循環経路RCに沿って搬送された片面印刷後の用紙Pをレジストローラ対35へ搬送する。縦搬送ローラ対33は、内部給紙経路RS2に循環経路RCが合流する地点の下流側において、内部給紙経路RS2に沿って配置されている。縦搬送ローラ対33は、ローラ33a,33bの対により構成され、ローラ33a,33bにより用紙Pをニップしつつ搬送する。
【0033】
縦搬送モータ34は、縦搬送ローラ対33を駆動させる。また、縦搬送モータ34は、外部給紙ローラ22を駆動させる。縦搬送モータ34は、縦搬送ローラ対33および外部給紙ローラ22にそれぞれ図示しないワンウェイクラッチを介して接続されている。これにより、縦搬送モータ34の一方向の回転により縦搬送ローラ対33が駆動され、縦搬送モータ34の他方向の回転により外部給紙ローラ22が駆動されるようになっている。
【0034】
レジストローラ対35は、外部給紙ローラ22または縦搬送ローラ対33により搬送されてきた用紙Pを一旦止めて斜行補正した後、ベルトプラテン搬送部4へ搬送する。レジストローラ対35は、外部給紙経路RS1と内部給紙経路RS2との合流地点の下流側近傍の印刷経路RP上に配置されている。レジストローラ対35は、ローラ35a,35bの対により構成され、ローラ35a,35bにより用紙Pをニップしつつ搬送する。
【0035】
レジストモータ36は、レジストローラ対35を駆動させる。
【0036】
用紙センサ37は、第1内部給紙台23から取り出されて第3内部給紙搬送ローラ対31へ搬送される用紙Pを検出する。用紙センサ37は、第1内部給紙搬送ローラ対29の下流側近傍に配置されている。用紙センサ38は、第2内部給紙台24から取り出されて第3内部給紙搬送ローラ対31へ搬送される用紙Pを検出する。用紙センサ38は、第2内部給紙搬送ローラ対30の下流側近傍に配置されている。用紙センサ39は、第3内部給紙搬送ローラ対31から縦搬送ローラ対33へ搬送される用紙Pを検出する。用紙センサ39は、第3内部給紙搬送ローラ対31の下流側近傍に配置されている。
【0037】
用紙センサ40は、縦搬送ローラ対33からレジストローラ対35へ搬送される用紙Pを検出する。用紙センサ40は、縦搬送ローラ対33の下流側近傍に配置されている。用紙センサ41は、外部給紙ローラ22または縦搬送ローラ対33により搬送されてレジストローラ対35に進入する用紙Pを検出する。用紙センサ41は、レジストローラ対35の上流側近傍に配置されている。
【0038】
ベルトプラテン搬送部4は、給紙部3から搬送されてきた用紙Pを循環搬送部6または排紙部7へ搬送する。ベルトプラテン搬送部4は、給紙部3の下流側に配置されている。ベルトプラテン搬送部4は、ベルトプラテン46と、ベルトプラテンモータ47と、用紙センサ48とを備える。
【0039】
ベルトプラテン46は、レジストローラ対35により搬送されてきた用紙Pをベルト上に吸着保持して搬送する。ベルトプラテン46は、後述する昇降駆動部52により昇降可能になっている。
【0040】
ベルトプラテンモータ47は、ベルトプラテン46のベルトを駆動させる。
【0041】
用紙センサ48は、レジストローラ対35からベルトプラテン46へ搬送される用紙Pを検出する。用紙センサ48は、レジストローラ対35とベルトプラテン46の上流端との間に配置されている。
【0042】
印刷部5は、用紙Pに印刷を行う。印刷部5は、ベルトプラテン46の上方に配置されている。印刷部5は、ヘッドユニット51と、昇降駆動部52とを備える。
【0043】
ヘッドユニット51は、ベルトプラテン46により搬送される用紙Pにインクを吐出して画像を印刷する。ヘッドユニット51は、複数のインクジェットヘッド53と、ヘッドホルダ54とを備える。
【0044】
インクジェットヘッド53は、前後方向(主走査方向)に沿って配置された複数のノズルを有し、ノズルからインクを吐出する。複数のインクジェットヘッド53は、用紙Pの搬送方向(左右方向)に沿って並列配置されている。
【0045】
ヘッドホルダ54は、インクジェットヘッド53を保持する。ヘッドホルダ54は、筐体2内の所定位置に固定されている。
【0046】
昇降駆動部52は、ベルトプラテン46を昇降させる。昇降駆動部52は、ヘッドホルダ54内に配置されている。昇降駆動部52は、ワイヤ、プーリ、モータ等を有し、ワイヤによりベルトプラテン46を吊り下げ支持している。昇降駆動部52は、モータによりプーリを回転させてワイヤの巻き取りおよび繰り出しを行うことで、ベルトプラテン46を昇降させる。
【0047】
循環搬送部6は、両面印刷時に片面印刷後の用紙Pを、ベルトプラテン46の下流端から縦搬送ローラ対33へ循環経路RCに沿って搬送する。循環搬送部6は、第1および第2中間搬送ローラ対56,57と、中間搬送モータ58と、反転ローラ対59と、反転モータ60と、第1〜第3水平搬送ローラ対61〜63と、水平搬送モータ64と、上昇搬送ローラ対65と、上昇搬送モータ66と、用紙センサ67〜70とを備える。なお、第1および第2中間搬送ローラ対56,57、反転ローラ対59、第1〜第3水平搬送ローラ対61〜63、および上昇搬送ローラ対65は、請求項の搬送ローラ対に相当する。
【0048】
第1および第2中間搬送ローラ対56,57は、両面印刷時に表面印刷後の用紙Pを反転ローラ対59へ搬送する。第1および第2中間搬送ローラ対56,57は、ベルトプラテン46と反転ローラ対59との間の循環経路RCに沿って配置されている。
【0049】
第1中間搬送ローラ対56は、ローラ56a,56bの対により構成され、ローラ56a,56bにより用紙Pをニップしつつ搬送する。第2中間搬送ローラ対57は、ローラ57a,57bの対により構成され、ローラ57a,57bにより用紙Pをニップしつつ搬送する。第2中間搬送ローラ対57は、第1中間搬送ローラ対56の下流側に配置されている。
【0050】
中間搬送モータ58は、第1および第2中間搬送ローラ対56,57を駆動させる。また、中間搬送モータ58は、後述する第1後処理排紙ローラ対75、ならびに第1および第2排紙台排紙ローラ対78,79を駆動させる。
【0051】
反転ローラ対59は、第1および第2中間搬送ローラ対56,57により搬送されてきた用紙Pをスイッチバックすることで表裏反転し、第1水平搬送ローラ対61へ搬送する。反転ローラ対59は、循環経路RCに沿って、第2中間搬送ローラ対57の下流側に配置されている。反転ローラ対59は、ローラ59a,59bの対により構成され、ローラ59a,59bにより用紙Pをニップしつつ搬送する。
【0052】
反転モータ60は、反転ローラ対59を駆動させる。
【0053】
第1〜第3水平搬送ローラ対61〜63は、反転ローラ対59によりスイッチバックされた用紙Pを上昇搬送ローラ対65へ搬送する。第1〜第3水平搬送ローラ対61〜63は、反転ローラ対59と循環経路RCの内部給紙経路RS2への合流地点との間における循環経路RCの上流部に沿って配置されている。
【0054】
第1水平搬送ローラ対61は、ローラ61a,61bの対により構成され、ローラ61a,61bにより用紙Pをニップしつつ搬送する。第2水平搬送ローラ対62は、ローラ62a,62bの対により構成され、ローラ62a,62bにより用紙Pをニップしつつ搬送する。第2水平搬送ローラ対62は、第1水平搬送ローラ対61の下流側に配置されている。第3水平搬送ローラ対63は、ローラ63a,63bの対により構成され、ローラ63a,63bにより用紙Pをニップしつつ搬送する。第3水平搬送ローラ対63は、第2水平搬送ローラ対62の下流側に配置されている。
【0055】
水平搬送モータ64は、第1および第2水平搬送ローラ対61,62を駆動させる。なお、第3水平搬送ローラ対63は、上昇搬送モータ66により駆動される。
【0056】
上昇搬送ローラ対65は、第1〜第3水平搬送ローラ対61〜63により搬送されてきた用紙Pを縦搬送ローラ対33へ搬送する。上昇搬送ローラ対65は、反転ローラ対59と循環経路RCの内部給紙経路RS2への合流地点との間における循環経路RCの下流部に沿って配置されている。上昇搬送ローラ対65は、ローラ65a,65bの対により構成され、ローラ65a,65bにより用紙Pをニップしつつ搬送する。
【0057】
上昇搬送モータ66は、上昇搬送ローラ対65および第3水平搬送ローラ対63を駆動させる。
【0058】
用紙センサ67,68は、第1および第2中間搬送ローラ対56,57により反転ローラ対59へ搬送される用紙Pを検出する。用紙センサ67,68は、それぞれ第1中間搬送ローラ対56、第2中間搬送ローラ対57の下流側近傍に配置されている。用紙センサ69,70は、反転ローラ対59によるスイッチバック後、循環経路RCに沿って縦搬送ローラ対33へ搬送される用紙Pを検出する。用紙センサ69,70は、それぞれ第1水平搬送ローラ対61、上昇搬送ローラ対65の下流側近傍に配置されている。
【0059】
排紙部7は、印刷済みの用紙Pを排紙する。排紙部7は、切替部71,72と、ソレノイド73,74と、第1および第2後処理排紙ローラ対75,76と、後処理排紙モータ77と、第1〜第3排紙台排紙ローラ対78〜80と、排紙台排紙モータ81と、用紙センサ82〜85と、排紙台86とを備える。なお、第1および第2後処理排紙ローラ対75,76および第1〜第3排紙台排紙ローラ対78〜80は、請求項の搬送ローラ対に相当する。
【0060】
切替部71は、用紙Pの搬送経路を第1排紙経路RD1と循環経路RCとの間で切り替える。第1排紙経路RD1は、印刷経路RPの下流端から、印刷装置1の右側に配置された後処理装置(図示せず)へ向かって延びる経路である。切替部71は、第1排紙経路RD1と循環経路RCとの分岐地点に配置されている。
【0061】
切替部72は、用紙Pの搬送経路を第1排紙経路RD1と第2排紙経路RD2との間で切り替える。第2排紙経路RD2は、第1排紙経路RD1と循環経路RCとの分岐地点の下流側において、第1排紙経路RD1から分岐して排紙台86へ向かう経路である。切替部72は、第2排紙経路RD2が第1排紙経路RD1から分岐する分岐地点に配置されている。
【0062】
ソレノイド73,74は、それぞれ切替部71,72を駆動させる。
【0063】
第1および第2後処理排紙ローラ対75,76は、ベルトプラテン46から搬送されてくる用紙Pを後処理装置へ排紙する。第1および第2後処理排紙ローラ対75,76は、第1排紙経路RD1に沿って配置されている。
【0064】
第1後処理排紙ローラ対75は、ローラ75a,75bの対により構成され、ローラ75a,75bにより用紙Pをニップしつつ搬送する。第2後処理排紙ローラ対76は、ローラ76a,76bの対により構成され、ローラ76a,76bにより用紙Pをニップしつつ搬送する。第2後処理排紙ローラ対76は、第1後処理排紙ローラ対75の下流側に配置されている。
【0065】
後処理排紙モータ77は、第2後処理排紙ローラ対76を駆動させる。なお、第1後処理排紙ローラ対75は、中間搬送モータ58により駆動される。
【0066】
第1〜第3排紙台排紙ローラ対78〜80は、ベルトプラテン46から搬送されてくる用紙Pを排紙台86へ排紙する。第1〜第3排紙台排紙ローラ対78〜80は、第2排紙経路RD2に沿って配置されている。
【0067】
第1排紙台排紙ローラ対78は、ローラ78a,78bの対により構成され、ローラ78a,78bにより用紙Pをニップしつつ搬送する。第2排紙台排紙ローラ対79は、ローラ79a,79bの対により構成され、ローラ79a,79bにより用紙Pをニップしつつ搬送する。第2排紙台排紙ローラ対79は、第1排紙台排紙ローラ対78の下流側に配置されている。第3排紙台排紙ローラ対80は、ローラ80a,80bの対により構成され、ローラ80a,80bにより用紙Pをニップしつつ搬送する。第3排紙台排紙ローラ対80は、第2排紙台排紙ローラ対79の下流側に配置されている。
【0068】
排紙台排紙モータ81は、第3排紙台排紙ローラ対80を駆動させる。なお、第1および第2排紙台排紙ローラ対78,79は、中間搬送モータ58により駆動される。
【0069】
用紙センサ82は、第1排紙経路RD1に沿って搬送される用紙Pを検出する。用紙センサ82は、第1後処理排紙ローラ対75の下流側近傍に配置されている。用紙センサ83〜85は、第2排紙経路RD2に沿って搬送される用紙Pを検出する。用紙センサ83は、第2排紙経路RD2の第1排紙経路RD1からの分岐地点と第1排紙台排紙ローラ対78との間に配置されている。用紙センサ84は、第2排紙台排紙ローラ対79の下流側近傍に配置されている。用紙センサ85は、第3排紙台排紙ローラ対80の上流側近傍に配置されている。
【0070】
排紙台86は、第1〜第3排紙台排紙ローラ対78〜80により排紙された用紙Pが積載されるものである。排紙台86は、第2排紙経路RD2の下流端に配置されている。
【0071】
ジャム解除扉8〜14は、用紙Pのジャム発生後におけるジャム解除の作業のために、ユーザが搬送経路にアクセスするための扉である。ジャム解除扉8〜14は、ユーザの操作により開閉される。
【0072】
ジャム解除扉8は、ユーザが第1内部給紙搬送ローラ対29の近傍にアクセスするための扉である。ジャム解除扉8には、第1内部給紙搬送ローラ対29のローラ29bが取り付けられており、ジャム解除扉8が開かれることで、ローラ29bがローラ29aから離間するようになっている。
【0073】
ジャム解除扉9は、ユーザが第2内部給紙搬送ローラ対30の近傍にアクセスするための扉である。ジャム解除扉9には、第2内部給紙搬送ローラ対30のローラ30bが取り付けられており、ジャム解除扉8が開かれることで、ローラ30bがローラ30aから離間するようになっている。
【0074】
ジャム解除扉10は、ユーザが縦搬送ローラ対33の近傍にアクセスするための扉である。ジャム解除扉10には、縦搬送ローラ対33のローラ33bが取り付けられており、ジャム解除扉10が開かれることで、ローラ33bがローラ33aから離間するようになっている。
【0075】
ジャム解除扉11は、ユーザが第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の近傍にアクセスするための扉である。ジャム解除扉11には、第2中間搬送ローラ対57のローラ57bおよび反転ローラ対59のローラ59bが取り付けられている。これにより、ジャム解除扉11が開かれることで、第2中間搬送ローラ対57のローラ57bがローラ57aから離間し、反転ローラ対59のローラ59bがローラ59aから離間するようになっている。
【0076】
ここで、ジャム解除扉11に対応する搬送ローラ対である第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙Pがある状態でジャム解除扉11が開かれると、ニップが解除されることで、用紙Pが落下する。そして、その用紙Pは、循環経路RCに沿って第2内部給紙台24の下方の空間に落下する。第2内部給紙台24の下方の空間は、用紙Pを取り出すための機構がない場所である。この場所から用紙Pを取り出すには、ユーザが第2内部給紙台24を取り外す必要があり、余計な作業が必要となる。ジャム解除扉11は、請求項の特定ジャム解除機構に相当する。
【0077】
ジャム解除扉12は、ユーザが第2および第3水平搬送ローラ対62,63の近傍にアクセスするための扉である。ジャム解除扉12には、第2水平搬送ローラ対62のローラ62bおよび第3水平搬送ローラ対63のローラ63bが取り付けられている。これにより、ジャム解除扉12が開かれることで、第2水平搬送ローラ対62のローラ62bがローラ62aから離間し、第3水平搬送ローラ対63のローラ63bがローラ63aから離間するようになっている。
【0078】
ジャム解除扉13は、ユーザが第1および第2後処理排紙ローラ対75,76の近傍にアクセスするための扉である。ジャム解除扉13には、第1後処理排紙ローラ対75のローラ75bおよび第2後処理排紙ローラ対76のローラ76bが取り付けられている。これにより、ジャム解除扉13が開かれることで、第1後処理排紙ローラ対75のローラ75bがローラ75aから離間し、第2後処理排紙ローラ対76のローラ76bがローラ76aから離間するようになっている。
【0079】
ジャム解除扉14は、ユーザが第1および第2排紙台排紙ローラ対78,79の近傍にアクセスするための扉である。ジャム解除扉14には、第1排紙台排紙ローラ対78のローラ78bおよび第2排紙台排紙ローラ対79のローラ79bが取り付けられている。これにより、ジャム解除扉14が開かれることで、第1排紙台排紙ローラ対78のローラ78bがローラ78aから離間し、第2排紙台排紙ローラ対79のローラ79bがローラ79aから離間するようになっている。
【0080】
操作パネル15は、各種の入力画面等を表示するとともに、ユーザによる入力操作を受け付ける。操作パネル15は、表示部91と、入力部92とを備える。
【0081】
表示部91は、各種の入力画面等を表示する。表示部91は、液晶表示パネル等を有する。
【0082】
入力部92は、ユーザによる入力操作を受け付け、操作に応じた操作信号を出力する。入力部92は、各種の操作キー、タッチパネル等を有する。
【0083】
制御部16は、印刷装置1全体の動作を制御する。
図6に示すように、制御部16は、主コントローラ101と、画像制御部102と、ヘッド制御部103と、メカコントローラ104とを備える。
【0084】
主コントローラ101は、印刷装置1全体の制御を司る。主コントローラ101は、CPU(Central Processing Unit)111と、メモリ112と、HDD(Hard Disk Drive)113と、ユーザI/F(インタフェース)114と、メカコントローラI/F115と、外部I/F116とを備える。
【0085】
CPU111は、演算処理を実行する。メモリ112は、一時的なデータの保存や演算時におけるCPU111のワークエリアとして使用されるものである。HDD113は、各種のプログラム等を記憶する。ユーザI/F114は、主コントローラ101に操作パネル15を接続する。メカコントローラI/F115は、主コントローラ101にメカコントローラ104を接続する。外部I/F116は、ネットワークを介して外部の装置との間でデータの送受信を行う。
【0086】
画像制御部102は、印刷対象の画像データに所定の画像処理を施す。ヘッド制御部103は、画像データに基づき、ヘッドユニット51の各インクジェットヘッド53の駆動を制御する。
【0087】
メカコントローラ104は、給紙部3、ベルトプラテン搬送部4、循環搬送部6、および排紙部7による用紙搬送の制御を行う。メカコントローラ104は、CPU121と、メモリ122と、センサI/F123と、主コントローラI/F124と、アクチュエータI/F125と、ドライバユニット126とを備える。
【0088】
CPU121は、演算処理を実行する。メモリ122は、一時的なデータの保存や演算時におけるCPU121のワークエリアとして使用されるものである。センサI/F123は、メカコントローラ104に各用紙センサを接続する。主コントローラI/F124は、メカコントローラ104を主コントローラ101に接続する。アクチュエータI/F125は、ドライバユニット126に制御信号を送信する。ドライバユニット126は、第1内部給紙モータ27等の各種モータ、ソレノイド73,74を駆動させる各種ドライバを有する。
【0089】
メカコントローラ104は、両面印刷動作中に用紙Pのジャムが発生した場合に、用紙搬送を停止するよう給紙部3、ベルトプラテン搬送部4、循環搬送部6、および排紙部7を制御する。また、メカコントローラ104は、両面印刷動作中にジャムの発生により用紙搬送を停止する際に、ジャムの原因となった用紙P以外の用紙Pは、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされた状態では停止しないよう制御する。
【0090】
次に、印刷装置1の動作について説明する。
【0091】
印刷ジョブが入力されると、主コントローラ101のCPU111は、印刷ジョブを画像データとジョブデータとに分割する。ジョブデータは、印刷枚数、用紙サイズ等を示す情報を含むものである。CPU111は、画像データを画像制御部102へ送信し、ジョブデータをメカコントローラ104へ送信する。
【0092】
メカコントローラ104は、ジョブデータを受信すると、用紙Pの給紙、搬送、排紙を行うよう給紙部3、ベルトプラテン搬送部4、循環搬送部6、および排紙部7を制御する。
【0093】
一方、画像制御部102は、画像データに所定の画像処理を施した後、画像データをヘッド制御部103へ出力する。ヘッド制御部103は、画像データに基づき、ベルトプラテン46により搬送される用紙Pにインクを吐出して画像を印刷するようインクジェットヘッド53を制御する。
【0094】
ここで、片面印刷の場合、給紙部3において、外部給紙台21、第1および第2内部給紙台23,24のいずれかから未印刷の用紙Pが順次取り出され、ベルトプラテン46において所定の紙間で各用紙Pが搬送されるようなタイミングで順次給紙される。給紙された用紙Pは、ベルトプラテン46において所定の印刷搬送速度で搬送されつつ、インクジェットヘッド53から吐出されるインクにより印刷される。印刷された用紙Pは、排紙部7により排紙される。
【0095】
排紙先が後処理装置である場合、印刷済みの用紙Pは、切替部71,72により第1排紙経路RD1へ導かれる。そして、用紙Pは、第1および第2後処理排紙ローラ対75,76により後処理装置へ排紙される。排紙先が排紙台86である場合、印刷済みの用紙Pは、切替部71,72により第2排紙経路RD2へ導かれる。そして、用紙Pは、第1〜第3排紙台排紙ローラ対78〜80により排紙台86へ排紙される。
【0096】
両面印刷の場合、給紙部3により、片面印刷時の給紙タイミングに対して、各用紙Pの給紙タイミング間の時間が2倍となるタイミングで未印刷の用紙Pが順次給紙される。給紙された用紙Pは、片面印刷時と同様に、ベルトプラテン46により搬送されつつ印刷される。
【0097】
片面印刷後の用紙Pは、切替部71により循環経路RCに導かれ、第1および第2中間搬送ローラ対56,57により反転ローラ対59へ搬送される。反転ローラ対59に到達すると、用紙Pは、反転ローラ対59によりスイッチバックされる。次いで、用紙Pは、第1〜第3水平搬送ローラ対61〜63および上昇搬送ローラ対65により縦搬送ローラ対33へ搬送される。そして、用紙Pは、縦搬送ローラ対33およびレジストローラ対35によりベルトプラテン46に再給紙される。
【0098】
ここで、片面印刷後の用紙Pは、順次給紙される未印刷の用紙Pと交互にベルトプラテン46に送られるようなタイミングで再給紙される。上述のように、両面印刷では、片面印刷の場合の給紙タイミングに対して、各用紙Pの給紙タイミング間の時間が2倍である。このため、未印刷の用紙Pの間に片面印刷後の用紙Pを挿入し、未印刷の用紙Pの給紙と交互に片面印刷後の用紙Pを再給紙することが可能になっている。
【0099】
片面印刷後の用紙Pは、反転ローラ対59によりスイッチバックされたため、未印刷面を上向きにしてベルトプラテン46へ送られる。片面印刷後の用紙Pは、ベルトプラテン46により搬送されつつ未印刷面に印刷される。そして、両面印刷済みの用紙Pは、排紙部7により後処理装置または排紙台86へ排紙される。
【0100】
上述のように、両面印刷では、未印刷の用紙Pの給紙と交互に片面印刷後の用紙Pの再給紙が行われることで、ベルトプラテン46上で、未印刷の用紙Pの一方の面への印刷と、片面印刷後の用紙Pの未印刷面への印刷とが交互に行われる。これにより、片面印刷時と同等の片面あたりの生産性で両面印刷が行われる。
【0101】
次に、上述した両面印刷時のジャム発生時の動作について、
図7のフローチャートを参照して説明する。
【0102】
図7のフローチャートの処理は、両面印刷時の給紙および用紙搬送が開始されたことにより、開始となる。
【0103】
図7のステップS1において、メカコントローラ104は、用紙Pのジャムが発生したか否かを判断する。メカコントローラ104は、用紙センサ37〜41,48,67〜70,82〜85の少なくともいずれかにおいて、用紙Pの検出タイミングとその理論値との誤差が閾値以上となった場合、ジャムが発生したと判断する。
【0104】
ジャムが発生したと判断した場合(ステップS1:YES)、ステップS2において、メカコントローラ104は、ジャムの発生時点において第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙Pがあるか否かを判断する。メカコントローラ104は、ジャムの発生時点における用紙センサ67〜69による用紙検出の有無、および用紙センサ67,68における用紙検出タイミングからジャムの発生時点までの時間に基づき、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙Pがあるか否かを判断する。
【0105】
第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙Pがあると判断した場合(ステップS2:YES)、ステップS3において、メカコントローラ104は、その用紙Pはジャムの原因となった用紙Pであるか否かを判断する。ここで、メカコントローラ104は、どの用紙センサでジャムが検出されたかによって、搬送経路上のどの用紙Pがジャムの原因になったかを判断できる。
【0106】
第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙Pがジャムの原因となった用紙Pであると判断した場合(ステップS3:YES)、ステップS4において、メカコントローラ104は、用紙搬送を停止させる。具体的には、メカコントローラ104は、給紙部3、ベルトプラテン搬送部4、循環搬送部6、および排紙部7の動作を停止させる。
【0107】
ステップS2において、ジャムの発生時点において第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙Pはないと判断した場合(ステップS2:NO)、メカコントローラ104は、ステップS3を省略してステップS4に進み、用紙搬送を停止させる。
【0108】
ステップS3において、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙Pがジャムの原因となった用紙Pではないと判断した場合(ステップS3:NO)、ステップS5において、メカコントローラ104は、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙P以外の用紙Pの搬送を停止させる。すなわち、メカコントローラ104は、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙Pについては、搬送を継続させる。
【0109】
次いで、ステップS6において、メカコントローラ104は、ジャムの発生時点において第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされていた用紙Pの先端部が第1水平搬送ローラ対61にニップされたか否かを判断する。ここで、メカコントローラ104は、ジャムの発生時点において第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされていた用紙Pの先端が用紙センサ69で検出されると、その用紙Pの先端部が第1水平搬送ローラ対61にニップされたと判断する。
【0110】
ジャムの発生時点において第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされていた用紙Pの先端部が第1水平搬送ローラ対61にニップされていないと判断した場合(ステップS6:NO)、メカコントローラ104は、ステップS6を繰り返す。
【0111】
ジャムの発生時点において第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされていた用紙Pの先端部が第1水平搬送ローラ対61にニップされたと判断した場合(ステップS6:YES)、ステップS7において、メカコントローラ104は、その用紙Pの搬送を停止させる。
【0112】
このようにして、ジャムの原因となった用紙P以外の用紙Pが、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされた状態では停止しないよう制御される。
【0113】
ジャムの発生時点において第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙Pがジャムの原因となった用紙Pである場合は(ステップS3:YES)、その用紙Pを動かせない状況になっている可能性がある。また、その用紙Pを動かそうとすると、その用紙Pが蛇腹状になる等によりジャムの被害が拡大するおそれがある。このため、その場合は、そのまますべての用紙搬送を停止している。
【0114】
ステップS4またはステップS7において用紙搬送が停止されると、ステップS8において、主コントローラ101は、ジャム解除画面(図示せず)を表示部91に表示させる。ジャム解除画面は、搬送経路上に残留している用紙Pを除去するようユーザに通知する画面である。ジャム解除画面により、前扉17およびジャム解除扉8〜14のうち必要なものを開いて用紙Pを除去するよう指示される。ユーザは、ジャム解除画面を見て、搬送経路上に残留している用紙Pを除去するジャム解除の作業を行う。
【0115】
ここで、ジャム発生時点において、
図8に示すように、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59のみにニップされている用紙Pがあり、この用紙Pはジャムの原因となった用紙Pではないとする。この場合、
図9に示すように、ジャム発生時点において第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59のみにニップされていた用紙Pの先端部が第1水平搬送ローラ対61にニップされた状態で停止する。
【0116】
この状態において、ジャム解除の作業により、
図10に示すように、ジャム解除扉11が開かれると、第2中間搬送ローラ対57のローラ57a,57bが互いに離間し、反転ローラ対59のローラ59a,59bが互いに離間する。しかし、用紙Pは第1水平搬送ローラ対61にニップされているため、用紙Pは落下しない。
【0117】
第1水平搬送ローラ対61のローラ61aとローラ61bとは、常時、接している。すなわち、どのジャム解除扉が開かれても、第1水平搬送ローラ対61のローラ61a,61bは互いに離間しない。このため、ジャム解除扉11が開かれている状態で他のジャム解除扉が開かれても、第1水平搬送ローラ対61のニップは解除されず、用紙Pは落下しない。
【0118】
本実施形態とは異なり、ジャム発生時点において、
図8のように、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59のみにニップされている用紙Pがあり、この用紙Pはジャムの原因となった用紙Pではない場合でも、ジャム発生時点ですべての用紙搬送を停止するとする。この場合、ジャム解除扉11が開かれると、
図11に示すように、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59のニップが解除されることで、用紙Pが第2内部給紙台24の下方の空間へ落下する。この場所に落下した用紙Pを除去するには、ユーザが第2内部給紙台24を取り外す作業が必要になる。
【0119】
なお、上述のように、ジャム発生時点において、ジャムの原因となった用紙Pが第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている場合は、そのまますべての用紙搬送が停止される。この場合、ジャム解除扉11が開かれると、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙Pは、ニップが解除されることにより、第2内部給紙台24の下方の空間へ落下する。この用紙Pは、ユーザが第2内部給紙台24を取り外して、除去する必要がある。
【0120】
図7に戻り、ステップS9において、メカコントローラ104は、ジャム解除の作業が終了したか否かを判断する。メカコントローラ104は、前扉17およびジャム解除扉8〜14のうちジャム解除のために開かれたものが閉じられると、ジャム解除の作業が終了したと判断する。なお、前扉17およびジャム解除扉8〜14の開閉は、図示しないセンサにより検出できる。ジャム解除の作業が終了していないと判断した場合(ステップS9:NO)、メカコントローラ104は、ステップS9を繰り返す。
【0121】
ジャム解除の作業が終了したと判断した場合(ステップS9:YES)、ステップS10において、メカコントローラ104は、用紙搬送を再開させる。この後、メカコントローラ104は、ステップS1に戻る。
【0122】
ステップS1において、ジャムが発生していないと判断した場合(ステップS1:NO)、ステップS11において、メカコントローラ104は、印刷枚数分の排紙が終了したか否かを判断する。印刷枚数分の排紙が終了していないと判断した場合(ステップS11:NO)、メカコントローラ104は、ステップS1に戻る。印刷枚数分の排紙が終了したとメカコントローラ104が判断した場合(ステップS11:YES)、一連の動作が終了となる。
【0123】
以上説明したように、印刷装置1では、メカコントローラ104は、両面印刷時において、ジャムの発生により用紙搬送を停止する際に、ジャムの原因となった用紙P以外の用紙Pは、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされた状態では停止しないよう制御する。具体的には、メカコントローラ104は、ジャムの発生時点において、ジャムの原因となった用紙P以外の用紙Pであって、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙Pがある場合、その用紙Pについては、第1水平搬送ローラ対61にニップされるまで搬送を継続してから、搬送を停止させる。
【0124】
これにより、ジャム解除の作業によりジャム解除扉11が開かれたときに、ジャムの原因となった用紙P以外の用紙Pが第2内部給紙台24の下方の空間に落下することが抑えられる。この結果、用紙Pを取り出すための機構がない場所である第2内部給紙台24の下方の空間に落下する用紙Pを低減できる。
【0125】
(第2実施形態)
次に、上述した第1実施形態の両面印刷時のジャム発生時の動作を変更した第2実施形態について説明する。
【0126】
第2実施形態では、制御部16のメカコントローラ104は、両面印刷動作中に用紙Pのジャムが発生した場合に、ジャム発生時点においてすべての用紙搬送を停止させる。主コントローラ101は、ジャム発生時点で用紙搬送が停止したときに、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされて停止した用紙Pがあり、その用紙Pがジャムの原因となった用紙P以外の用紙Pである場合において、その用紙Pの除去を指示することなく、それ以外の用紙Pを搬送経路から除去するようユーザに通知する。
【0127】
なお、以下において、用紙搬送が停止したときに、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされて停止した用紙P(請求項の特定用紙に相当)を、適宜「特定位置停止用紙」と称する。
【0128】
メカコントローラ104は、特定位置停止用紙があり、その特定位置停止用紙がジャムの原因となった用紙P以外の用紙Pである場合において、特定位置停止用紙以外の用紙Pの除去が行われた後、特定位置停止用紙を移動させて、ジャム解除扉11に対応する搬送ローラ対以外の搬送ローラ対である第1水平搬送ローラ対61にニップさせる。その後、主コントローラ101は、ジャム解除扉11の操作により特定位置停止用紙を除去するようユーザに通知する。
【0129】
次に、第2実施形態における両面印刷時のジャム発生時の動作を、
図12のフローチャートを参照して説明する。
【0130】
図12のフローチャートの処理は、両面印刷時の給紙および用紙搬送が開始されたことにより、開始となる。
【0131】
図12のステップS21において、メカコントローラ104は、用紙Pのジャムが発生したか否かを判断する。
【0132】
ジャムが発生したと判断した場合(ステップS21:YES)、ステップS22において、メカコントローラ104は、用紙搬送を停止させる。
【0133】
次いで、ステップS23において、メカコントローラ104は、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされて停止した用紙Pである特定位置停止用紙があるか否かを判断する。メカコントローラ104は、用紙搬送停止時点(ジャムの発生時点)における用紙センサ67〜69による用紙検出の有無、および用紙センサ67,68における用紙検出タイミングから用紙搬送停止までの時間に基づき、特定位置停止用紙があるか否かを判断する。
【0134】
特定位置停止用紙があると判断した場合(ステップS23:YES)、ステップS24において、メカコントローラ104は、特定位置停止用紙はジャムの原因となった用紙であるか否かを判断する。
【0135】
特定位置停止用紙がジャムの原因となった用紙であるとメカコントローラ104が判断した場合(ステップS24:YES)、ステップS25に進む。ステップS23において、特定位置停止用紙はないとメカコントローラ104が判断した場合(ステップS23:NO)、ステップS24が省略されてステップS25に進む。ステップS25〜S27の処理は、前述した
図7のステップS8〜S10の処理と同様である。
【0136】
ステップS24において、特定位置停止用紙がジャムの原因となった用紙Pではないとメカコントローラ104が判断した場合(ステップS24:NO)、ステップS28において、主コントローラ101は、部分ジャム解除画面(図示せず)を表示部91に表示させる。
【0137】
部分ジャム解除画面は、ジャム解除扉11の操作による特定位置停止用紙の除去を指示することなく、それ以外の用紙Pを搬送経路から除去するようユーザに通知する画面である。部分ジャム解除画面により、前扉17およびジャム解除扉8〜10,12〜14のうち必要なものを開いて用紙Pを除去するよう指示される。ユーザは、部分ジャム解除画面を見て、特定位置停止用紙以外の用紙Pを除去する作業を行う。
【0138】
次いで、ステップS29において、メカコントローラ104は、特定位置停止用紙以外の用紙Pを除去する作業が終了したか否かを判断する。メカコントローラ104は、前扉17およびジャム解除扉8〜10,12〜14のうち用紙除去のために開かれたものが閉じられると、用紙除去の作業が終了したと判断する。特定位置停止用紙以外の用紙除去の作業が終了していないと判断した場合(ステップS29:NO)、メカコントローラ104は、ステップS29を繰り返す。
【0139】
特定位置停止用紙以外の用紙除去の作業が終了したと判断した場合(ステップS29:YES)、ステップS30において、メカコントローラ104は、特定位置停止用紙の搬送を開始させる。
【0140】
次いで、ステップS31において、メカコントローラ104は、特定位置停止用紙の先端部が第1水平搬送ローラ対61にニップされたか否かを判断する。特定位置停止用紙の先端部が第1水平搬送ローラ対61にニップされていないと判断した場合(ステップS31:NO)、メカコントローラ104は、ステップS31を繰り返す。
【0141】
特定位置停止用紙の先端部が第1水平搬送ローラ対61にニップされたと判断した場合(ステップS31:YES)、ステップS32において、メカコントローラ104は、特定位置停止用紙の搬送を停止させる。これにより、特定位置停止用紙は、
図9の用紙Pのように、先端部が第1水平搬送ローラ対61にニップされた状態で停止する。
【0142】
次いで、ステップS33において、主コントローラ101は、最終ジャム解除画面(図示せず)を表示部91に表示させる。最終ジャム解除画面は、ジャム解除扉11の操作により特定位置停止用紙を除去するようユーザに通知する画面である。ユーザは、最終ジャム解除画面を見て、ジャム解除扉11を開いて特定位置停止用紙を除去する作業を行う。
【0143】
次いで、ステップS34において、メカコントローラ104は、ジャム解除の作業が終了したか否かを判断する。メカコントローラ104は、ジャム解除扉11が閉じられると、ジャム解除の作業が終了したと判断する。ジャム解除の作業が終了していないと判断した場合(ステップS34:NO)、メカコントローラ104は、ステップS34を繰り返す。
【0144】
ジャム解除の作業が終了したと判断した場合(ステップS34:YES)、メカコントローラ104は、ステップS27に進む。
【0145】
ステップS21において、ジャムが発生していないと判断した場合(ステップS21:NO)、ステップS35において、メカコントローラ104は、印刷枚数分の排紙が終了したか否かを判断する。印刷枚数分の排紙が終了していないと判断した場合(ステップS35:NO)、メカコントローラ104は、ステップS21に戻る。印刷枚数分の排紙が終了したとメカコントローラ104が判断した場合(ステップS35:YES)、一連の動作が終了となる。
【0146】
以上説明したように、第2実施形態では、ジャムの発生により用紙搬送を停止したときに、特定位置停止用紙があり、その特定位置停止用紙がジャムの原因となった用紙P以外の用紙Pである場合において、主コントローラ101は、特定位置停止用紙の除去を指示することなく、それ以外の用紙Pを搬送経路から除去するようユーザに通知する。特定位置停止用紙以外の用紙Pの除去が行われた後、メカコントローラ104は、特定位置停止用紙を移動させて第1水平搬送ローラ対61にニップさせる。
【0147】
これにより、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙Pがある状態でジャム解除扉11が開かれることを低減できる。この結果、用紙Pを取り出すための機構がない場所である第2内部給紙台24の下方の空間に落下する用紙Pを低減できる。
【0148】
(第3実施形態)
次に、上述した第1実施形態の一部を変更した第3実施形態について説明する。
【0149】
第3実施形態では、制御部16の主コントローラ101は、両面印刷動作中に用紙搬送以外の不具合によりメカコントローラ104が用紙搬送を緊急停止したときに、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされて停止した用紙Pである特定位置停止用紙がある場合において、その特定位置停止用紙の除去を指示することなく、それ以外の用紙Pを搬送経路から除去するようユーザに通知する。特定位置停止用紙以外の用紙Pの除去が行われた後、メカコントローラ104は、特定位置停止用紙を移動させて第1水平搬送ローラ対61にニップさせる。その後、主コントローラ101は、ジャム解除扉11の操作により特定位置停止用紙を除去するようユーザに通知する。
【0150】
次に、第3実施形態における緊急停止対応処理を、
図13のフローチャートを参照して説明する。
【0151】
緊急停止対応処理は、両面印刷動作中に、印刷制御系の不具合等の、用紙搬送以外の不具合により用紙搬送が緊急停止されたときに、搬送経路上に残留する用紙Pをユーザに除去させるために行われる処理である。
図14のフローチャートの処理は、両面印刷動作中に用紙搬送以外の不具合により用紙搬送が緊急停止されたことにより開始となる。
【0152】
図13のステップS41において、メカコントローラ104は、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされて停止した用紙Pである特定位置停止用紙があるか否かを判断する。
【0153】
特定位置停止用紙があるとメカコントローラ104が判断した場合(ステップS41:YES)、ステップS42に進む。ステップS42〜S47の処理は、前述した
図12のステップS28〜S33の処理と同様である。
【0154】
ステップS47において最終ジャム解除画面が表示部91に表示されると、緊急停止対応処理が終了となる。ユーザは、最終ジャム解除画面を見て、ジャム解除扉11を開いて特定位置停止用紙を除去する作業を行う。
【0155】
ステップS41において、特定位置停止用紙がないとメカコントローラ104が判断した場合(ステップS41:NO)、ステップS48において、主コントローラ101は、前述した
図7のステップS8と同様に、ジャム解除画面を表示部91に表示させる。これにより、緊急停止対応処理が終了となる。ユーザは、ジャム解除画面を見て、搬送経路上に残留している用紙Pを除去する作業を行う。
【0156】
以上説明したように、第3実施形態では、用紙搬送以外の不具合により用紙搬送が緊急停止されたときに、特定位置停止用紙がある場合において、主コントローラ101は、特定位置停止用紙の除去を指示することなく、それ以外の用紙Pを搬送経路から除去するようユーザに通知する。特定位置停止用紙以外の用紙Pの除去が行われた後、メカコントローラ104は、特定位置停止用紙を移動させて第1水平搬送ローラ対61にニップさせる。その後、主コントローラ101は、ジャム解除扉11の操作により特定位置停止用紙を除去するようユーザに通知する。
【0157】
これにより、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙Pがある状態でジャム解除扉11が開かれることを低減できる。この結果、用紙Pを取り出すための機構がない場所である第2内部給紙台24の下方の空間に落下する用紙Pを低減できる。
【0158】
(第4実施形態)
次に、上述した第1実施形態の両面印刷時のジャム発生時の動作を変更した第4実施形態について説明する。
【0159】
第4実施形態では、制御部16のメカコントローラ104は、両面印刷動作中にジャムが発生した場合において、ジャム発生時点におけるジャムの原因となった用紙Pの位置によっては、ジャムの原因となった用紙P以外の用紙Pのなかに第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされた状態で停止することになる(特定位置停止用紙となる)用紙Pがある場合でも、ジャム発生時点においてすべての用紙搬送を停止させる。
【0160】
主コントローラ101は、ジャム発生時点で用紙搬送が停止したときに、ジャムの原因となった用紙Pではない特定位置停止用紙がある場合において、その特定位置停止用紙の除去を指示することなく、それ以外の用紙Pを搬送経路から除去するようユーザに通知する。特定位置停止用紙以外の用紙Pの除去が行われた後、メカコントローラ104は、特定位置停止用紙を移動させて第1水平搬送ローラ対61にニップさせる。その後、主コントローラ101は、ジャム解除扉11の操作により特定位置停止用紙を除去するようユーザに通知する。
【0161】
次に、第4実施形態における両面印刷時のジャム発生時の動作を、
図14、
図15のフローチャートを参照して説明する。
【0162】
図14、
図15のフローチャートの処理は、両面印刷時の給紙および用紙搬送が開始されたことにより、開始となる。
【0163】
図14のステップS51〜S55の処理は、前述した
図7のステップS1〜S4,S8〜S10の処理と同様である。
【0164】
ステップS53において、ジャムの発生時点において第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙Pがジャムの原因となった用紙Pではないと判断した場合(ステップS53:NO)、
図15のステップS58において、メカコントローラ104は、ジャムの原因となった用紙Pが反転ローラ対59と上昇搬送ローラ対65との間にあるか否かを判断する。メカコントローラ104は、用紙センサ70において用紙検出タイミングが理論値に対して閾値以上、遅れていることによりジャムが検出された場合、ジャムの原因となった用紙Pが反転ローラ対59と上昇搬送ローラ対65との間にあると判断する。
【0165】
ジャムの原因となった用紙Pが反転ローラ対59と上昇搬送ローラ対65との間にあると判断した場合(ステップS58:YES)、ステップS59において、メカコントローラ104は、すべての用紙搬送を停止させる。
【0166】
ここで、ジャムの原因となった用紙Pが反転ローラ対59と上昇搬送ローラ対65との間にある場合、その用紙Pが第1および第2水平搬送ローラ対61,62の少なくともいずれか一方にニップされている可能性がある。また、前述のように、第1および第2水平搬送ローラ対61,62は共通の水平搬送モータ64により駆動される。
【0167】
このため、ジャムの原因となった用紙Pが第1および第2水平搬送ローラ対61,62の少なくともいずれか一方にニップされている場合に、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙Pの先端部が第1水平搬送ローラ対61にニップされるまで、その用紙Pの搬送を継続させると、ジャムの原因となった用紙Pの搬送も継続される。その結果、ジャムの原因となった用紙Pが蛇腹状になる等によりジャムの被害が拡大するおそれがある。
【0168】
そこで、メカコントローラ104は、ジャムの原因となった用紙Pが反転ローラ対59と上昇搬送ローラ対65との間にあると判断した場合は、すべての用紙搬送を停止させる(ステップS59)。
【0169】
ステップS60〜S66の処理は、前述した
図12のステップS28〜S34の処理と同様である。ステップS66において、ジャム解除の作業が終了したと判断した場合(ステップS66:YES)、メカコントローラ104は、
図14のステップS57に進む。
【0170】
ステップS58において、ジャムの原因となった用紙Pが反転ローラ対59と上昇搬送ローラ対65との間にはないと判断した場合(ステップS58:NO)、メカコントローラ104は、ステップS67に進む。ステップS67〜S69の処理は、前述した
図7のステップS5〜S7の処理と同様である。
【0171】
ステップS69において、ジャム発生時点で第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされていた用紙Pの搬送が停止されると、
図14のステップS55に進む。
【0172】
図14のステップS51において、ジャムが発生していないと判断した場合(ステップS51:NO)、ステップS70において、メカコントローラ104は、印刷枚数分の排紙が終了したか否かを判断する。印刷枚数分の排紙が終了していないと判断した場合(ステップS70:NO)、メカコントローラ104は、ステップS51に戻る。印刷枚数分の排紙が終了したとメカコントローラ104が判断した場合(ステップS70:YES)、一連の動作が終了となる。
【0173】
以上説明したように、第4実施形態では、制御部16のメカコントローラ104は、両面印刷動作中にジャムが発生した場合において、ジャム発生時点におけるジャムの原因となった用紙Pの位置によっては、ジャム発生時点においてすべての用紙搬送を停止させる。具体的には、メカコントローラ104は、ジャムの原因となった用紙Pが反転ローラ対59と上昇搬送ローラ対65との間にある場合、ジャムの原因となった用紙P以外の用紙Pのなかに第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされた状態で停止することになる用紙Pがある場合でも、ジャム発生時点においてすべての用紙搬送を停止させる。
【0174】
そして、主コントローラ101は、用紙搬送が停止したときに、第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされて停止した用紙Pである特定位置停止用紙がある場合において、その特定位置停止用紙の除去を指示することなく、それ以外の用紙Pを搬送経路から除去するようユーザに通知する。ここで、ジャムの原因となった用紙Pは反転ローラ対59と上昇搬送ローラ対65との間にあり、特定位置停止用紙は、ジャムの原因となった用紙P以外の用紙Pである。
【0175】
特定位置停止用紙以外の用紙Pの除去が行われた後、メカコントローラ104は、特定位置停止用紙を移動させて第1水平搬送ローラ対61にニップさせる。その後、主コントローラ101は、ジャム解除扉11の操作により特定位置停止用紙を除去するようユーザに通知する。
【0176】
これにより、ジャムの発生時点において第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙Pが第1水平搬送ローラ対61にニップされるまで搬送される際に、ジャムの原因となった用紙Pも搬送されることが回避される。この結果、ジャムの原因となった用紙Pが搬送されることによるジャムの被害の拡大を抑えることができる。
【0177】
(その他の実施形態)
上述のように、本発明は第1〜第4実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0178】
上述した第1〜第4実施形態では、ジャムの発生時点では第2中間搬送ローラ対57および反転ローラ対59の少なくともいずれか一方のみにニップされている用紙Pを、ジャム解除扉11が開かれる際には、ジャム解除扉11に対応する搬送ローラ対以外の搬送ローラ対であって、各ローラどうしが常時接している常時ニップローラ対である第1水平搬送ローラ対61にニップされている状態になるようにした。
【0179】
しかし、第1水平搬送ローラ対61が常時ニップローラ対ではなく、ローラ61aとローラ61bとがジャム解除扉11以外のジャム解除扉の開閉により接離可能に構成されたものであってもよい。この場合でも、ジャム解除扉11のみを開いただけでは用紙Pは落下しないため、第2内部給紙台24の下方の空間に落下する用紙Pを低減することが可能である。
【0180】
上述した第1〜第4実施形態のジャム解除扉11のような、当該ジャム解除扉に対応する搬送ローラ対のみにニップされている用紙が、搬送ローラ対の各ローラどうしの離間によりニップが解除されると用紙を取り出すための機構がない場所に落下することになるジャム解除扉が複数ある場合でも、本発明は適用可能である。
【0181】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。