特許第6803203号(P6803203)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6803203
(24)【登録日】2020年12月2日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】天板付き什器
(51)【国際特許分類】
   A47B 17/00 20060101AFI20201214BHJP
   A47B 17/04 20060101ALI20201214BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   A47B17/00 A
   A47B17/04
   A47B13/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-216705(P2016-216705)
(22)【出願日】2016年11月4日
(65)【公開番号】特開2018-68977(P2018-68977A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(72)【発明者】
【氏名】榊原 義弥
【審査官】 下井 功介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−318613(JP,A)
【文献】 特開2005−124957(JP,A)
【文献】 特開2012−249855(JP,A)
【文献】 特開2002−125773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00〜41/06、45/00、55/00、57/06、 57/12、83/04、96/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上に左右に離間して立設される一対の支持体と、
一対の前記支持体に架設される物品載置棚と、
一対の前記支持体に架設され、上面が執務作業面を成す天板と、を備え、
前記支持体は、前後に離間して配置された一対の支柱と、該一対の支柱を相互に連結する複数の連結部材と、少なくとも前記天板の上面よりも上方位置において、前記一対の支柱の間を閉塞する閉塞板と、を有し
前記天板の前縁部は、前記支持体の前端部よりも前方に突出しており、
前記天板の前縁部の側部には、少なくとも前記天板の上面より上方位置において、前記天板の前縁部側方の空間を閉塞する前部遮蔽板が設けられ、
前記前部遮蔽板は、後端部が前記支持体に結合されるとともに、前後方向に沿うように前記床面上に立設される平板状の側部パネルによって構成されていることを特徴とする天板付き什器。
【請求項2】
前記側部パネルの上端部は、前記支持体の上端部よりも低く形成されていることを特徴とする請求項に記載の天板付き什器。
【請求項3】
床面上に左右に離間して立設される一対の支持体と、
一対の前記支持体に架設される物品載置棚と、
一対の前記支持体に架設され、上面が執務作業面を成す天板と、を備え、
前記支持体は、前後に離間して配置された一対の支柱と、該一対の支柱を相互に連結する複数の連結部材と、少なくとも前記天板の上面よりも上方位置において、前記一対の支柱の間を閉塞する閉塞板と、を有し、
前記一対の支持体には、前記天板の後方側の前記天板の上面から所定の高さ範囲を覆う後部遮蔽板が支持され、
前記後部遮蔽板の上部領域には、採光窓が形成されていることを特徴とする天板付き什器。
【請求項4】
前記採光窓には、透光性部材が取り付けられていることを特徴とする請求項に記載の天板付き什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上面が執務作業面を成す天板を備えた天板付き什器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設、医療施設、研究施設等の執務空間においては、執務を効率的に行うために、デスク装置等の天板付き什器が多く用いられている。
【0003】
また、教育施設や医療施設、研究施設等の多くの書籍や資料、機器等を用いて執務を行う執務環境下においては、執務空間内に、書籍や資料、機器等を載置・保管可能なラック装置と、デスク装置等の天板付き什器とを併せて設置することがある(例えば、特許文献1−4参照)。
【0004】
ただし、この場合、天板付き什器とラック装置の二つの什器を執務空間内に設置する必要があるため、トータルでの什器設置コストが高騰し易い。また、この場合、実際に執務を行う天板付き什器からラック装置が離れて設置されることが多いため、執務効率の面で改善の余地がある。
【0005】
こうした課題に鑑み、執務作業面を成す天板をラック装置に設けた天板付き什器が案出されている(例えば、特許文献5,6参照)。
特許文献5,6に記載の天板付き什器は、床面上に左右に離間して立設される一対の支持体に、物品載置棚と、上面が執務作業面を成す天板とが架設されている。また、これらの天板付き什器は、天板の前後方向の延出長さが長い場合には、支持体から前方に延出した天板の延出部の下面に支持脚が固定され、天板が一対の支持体と支持脚とによって支持されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−016401号公報
【特許文献2】特開2012−020048号公報
【特許文献3】特開平11−136815号公報
【特許文献4】特許第4670784号公報
【特許文献5】特開2002−125773号公報
【特許文献6】特許第3949136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献5,6に記載の天板付き什器は、天板と物品載置棚が一つの什器に設けられているため、什器設置コストの抑制と執務効率の向上を図ることができるものの、天板の上面側の側部が外側に開放されているため、執務者に執務に集中し易い環境を提供することができない。
特に、天板付き什器の左右の支持体が、前後に離間して配置された一対の支柱を複数の連結部材で連結した構成である場合には、天板の左右側部に配置される前後の支柱の間に開口ができ、その開口を通して天板の上面側の側部が外側に開放されてしまう。このため、支柱間の開口を通して側方の様子が執務者の視界に入り込み易い。
【0008】
そこで本発明は、什器設置コストの抑制と執務効率の向上を図ることができ、かつ、執務者に執務に集中し易い環境を提供することができる天板付き什器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る一の天板付き什器は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係る天板付き什器は、床面上に左右に離間して立設される一対の支持体と、一対の前記支持体に架設される物品載置棚と、一対の前記支持体に架設され、上面が執務作業面を成す天板と、を備え、前記支持体は、前後に離間して配置された一対の支柱と、該一対の支柱を相互に連結する複数の連結部材と、少なくとも前記天板の上面よりも上方位置において、前記一対の支柱の間を閉塞する閉塞板と、を有し、前記天板の前縁部は、前記支持体の前端部よりも前方に突出しており、前記天板の前縁部の側部には、少なくとも前記天板の上面より上方位置において、前記天板の前縁部側方の空間を閉塞する前部遮蔽板が設けられ、前記前部遮蔽板は、後端部が前記支持体に結合されるとともに、前後方向に沿うように前記床面上に立設される平板状の側部パネルによって構成されていることを特徴とする。
【0010】
上記の構成により、物品を載置する物品載置棚と、執務作業面を構成する天板が共通の一対の支持体に架設されることになる。このため、天板を支持する什器と物品載置棚を支持する什器を個別に設置する場合に比較して、什器設置コストを低減することができ、しかも、天板と物品載置棚を近接させることが可能になることから、執務者の執務効率を向上させることができる。また、支持体の前後に離間して配置された一対の支柱の間が、少なくとも天板の上面よりも上方位置において、閉塞板によって閉塞されるため、天板の前部側方の様子が執務者の視界に入らなくなり、天板に向かう執務者が執務に集中し易くなる。
【0011】
この場合、天板の前縁部の側部に配置される前部遮蔽板が天板の上面よりも上方に延出しているため、天板に向かって執務を行う執務者の側方空間を前部遮蔽板によって閉塞することができる。したがって、この構成を採用した場合には、天板の前縁部側方の様子が執務者の視界に入らなくなり、天板に向かう執務者がさらに執務に集中し易くなる。
【0012】
また、この場合、支持体に結合されるとともに床面上に立設された側部パネルによって前部遮蔽板が構成されているため、前部遮蔽板を安定した状態で、かつ、高い強度をもって設置することができる。
【0013】
前記側部パネルの上端部は、前記支持体の上端部よりも低く形成されるようにしても良い。
この場合、支持体の上部領域の前方に、側部パネルに沿って前後方向に連続する空間部が確保されるため、執務者が側部パネルによる圧迫感を感じにくくなるうえ、側部パネルの上方の空間部を通して天井照明を取込み易くなる。したがって、この構成を採用することにより、執務者により快適な環境を提供することができる。
【0014】
本発明に係る他の天板付き什器は、床面上に左右に離間して立設される一対の支持体と、一対の前記支持体に架設される物品載置棚と、一対の前記支持体に架設され、上面が執務作業面を成す天板と、を備え、前記支持体は、前後に離間して配置された一対の支柱と、該一対の支柱を相互に連結する複数の連結部材と、少なくとも前記天板の上面よりも上方位置において、前記一対の支柱の間を閉塞する閉塞板と、を有し、前記一対の支持体には、前記天板の後方側の前記天板の上面から所定の高さ範囲を覆う後部遮蔽板が支持され、前記後部遮蔽板の上部領域には、採光窓が形成されていることを特徴とする。
この場合、天板の後方側の天板の上面から所定の高さ範囲が後部遮蔽板によって閉塞されるため、天板の後方の様子が執務者の視界に入らなくなり、天板に向かう執務者がさらに執務に集中し易くなる。
【0015】
また、この場合、後部遮蔽板の上部の採光窓を通して執務空間内に天井照明等の外部の光を取込むことができる。したがって、この構成を採用した場合には、執務空間を明るく保つことができる。
【0016】
前記採光窓には、透光性部材が取り付けられるようにしても良い。
この場合、採光窓が透光性部材によって閉塞されるため、外部からの光の透過を許容しつつ、執務空間への騒音の進入を遮ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、物品載置棚と天板を備えているために、これらを個別に設置した場合に比較して什器設置コストの抑制と執務効率の向上を図ることができ、しかも、支持体の前後に離間して配置された一対の支柱の間が、少なくとも天板の上面よりも上方位置において、閉塞板によって閉塞されるため、執務者に執務に集中し易い環境を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る天板付き什器の斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る天板付き什器の一部部品を取り去った平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る天板付き什器の正面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る天板付き什器の分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る天板付き什器の一部の部品の分解斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る天板付き什器の変形例の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る天板付き什器1を示す斜視図である。天板付き什器1は、例えば、教育施設や医療施設、研究施設等において用いられる。
天板付き什器1は、執務室の床面F上に左右に離間して立設される一対の支持体10と、一対の支持体10に架設される複数(三枚)の物品載置棚11と、最下段の物品載置棚11の下方位置で一対の支持体10に架設される天板12と、後端部が各支持体10に結合された一対の側部パネル13と、を備えている。側部パネル13は、本実施形態における前部遮蔽板を構成している。
【0020】
左右の各支持体10は、側面視が縦長の長方形状に形成されており、支持体10に架設される物品載置棚11は、平面視が横長の長方形状に形成されている。以下の説明においては、支持体10と物品載置棚11の短辺に沿う方向を前後方向、物品載置棚11の長辺に沿う方向を幅方向、床面Fと直交する方向を上下方向と称する。また、図1中の物品載置棚11の手前側を前側、奥側を後側と称する。なお、各図の適所には、前方を指す矢印FRと、上方を指す矢印UPと、左側方を指す矢印LHが記されている。
【0021】
図2は、物品載置棚11を取り去った天板付き什器1を上方から見た図であり、図3は、天板付き什器1を正面から(前方から)見た図である。また、図4は、構成部品を一部分解して示した天板付き什器1の斜視図である。
左右の各支持体10は、前後に離間して配置され、それぞれが鉛直上方に起立する一対の金属製の支柱14と、前後方向に延出し一対の支柱14を連結する四本の金属製の梁部材15(連結部材)と、を備えている。
【0022】
ここで、前後方向に離間して配置された一対の支柱14は、上下方向に離間して配置された四本の梁部材15とともに、略長方形状の三つの開口部16A,16B,16Cを形成している。この三つの開口部16A,16B,16Cは、支持体10の上下方向に並んで形成されているが、この開口部16A,16B,16Cのうちの中央の開口部16Bは、閉塞板17によって閉塞されている。閉塞板17は、例えば、合板等によって形成され、図示しない取付ねじ等を介して支柱14に取り付けられている。中央の開口部16Bと、その開口部16Bを閉塞する閉塞板17は、少なくとも天板12の上面から所定高さに亘る高さ範囲に位置されている。この高さ範囲は、少なくとも天板12の上面から、天板12上で作業を行う一般的な執務作業者の視線高さまでの範囲を含む高さ範囲となっている。
【0023】
左右の支持体10の後端部間(後部側の支柱14の間)は、正面視が縦長の長方形状の金属製のフレーム枠部材18によって連結されている。フレーム枠部材18には、図3に示すように、天板12の後方側を遮蔽する後部遮蔽板19が取り付けられている。後部遮蔽板19は、天板12の上下の所定の高さ範囲に亘るように配置されている。この高さ範囲は、閉塞板17と同様に、少なくとも天板12の上面から、天板12上で作業を行う一般的な執務作業者の視線高さまでの範囲を含む高さ範囲となっている。
また、フレーム枠部材18の後部遮蔽板19の設置される部分よりも上方側の領域には採光窓18aが設けられている。この採光窓18aからは、天井照明等の外部の光が執務空間内に取り込まれるようになっている。
【0024】
物品載置棚11は、上面が平坦に形成され、その上面に書籍や書類、機器等を載置可能とされている。本実施形態の場合、三枚の物品載置棚11が上下方向に離間して左右の支持体10に架設されている。各物品載置棚11は、幅方向の両端部が左右の支持体10の前後の支柱14部分に結合されている。
【0025】
天板12は、物品載置棚11と同様に上面視が長方形状に形成されているが、物品載置棚11に比較して前後長が長く形成されている。天板12の後縁部は、左右の支持体10の間に配置され、支持体10の内側側面に縦断面が略L字状のブラケット20を介して支持固定されている。こうして、左右の支持体10に支持固定された天板12の前縁部は、支持体10の前端面よりも所定長さ前方に突出している。天板12は、上面が平坦に形成され、その上面が、執務者が執務作業を行うための執務作業面とされている。
【0026】
左右の各側部パネル13は、フレーム枠に閉塞板を取り付けた基本構成とされ、全体が縦長の長方形状の平板状に形成されている。各側部パネル13は、前後方向に沿うように執務室の床面F上に立設されている。側部パネル13は、支持体10と略同幅に形成され、後端部が対応する支持体10に結合された状態において、支持体10の前端部から設定長さ前方に突出している。
図3に示すように、側部パネル13の上端部の高さH1は、支持体10の上端部の高さH2よりも低く設定されている。また、左右の側部パネル13の支持体10からの突出長さは、支持体10の前端部からの天板12の突出長さとほぼ同長さに設定されている。
【0027】
左右の側部パネル13は、天板12の前縁部の左右の側面に対向して配置されている。各側部パネル13は、天板12の上面よりも所定長さ上方に延出するように形成されている。具体的には、側部パネル13の高さ寸法は、天板12に向かって作業する一般的な執務作業者の視線高さよりも側部パネル13の上端部が高くなるように設定されている。
【0028】
左右の側部パネル13の内側面には、縦断面が略L状の支持ブラケット21が係止固定されている。天板12の前縁部の下面は、支持ブラケット21を介して左右の側部パネル13に支持されている。したがって、天板12は、後縁部が左右の支持体10に架設される一方で、前縁部が左右の側部パネル13に架設されている。
【0029】
また、図5に示すように、各側部パネル13の内側面の前端部と後端部の各近傍には、上下方向に沿って複数の係止孔22が形成されている。これらの係止孔22には、係止爪を有する各種の部材が取り付け可能とされている。上記の支持ブラケット21は、側部パネル13の係止孔22に対して挿入係止可能な複数の係止爪23を有している。
【0030】
具体的には、支持ブラケット21は、側部パネル13の内側面に突き当てられる垂立壁21aと、垂立壁21aの上端部から水平方向に屈曲して延出する天板支持壁21bと、を備え、垂立壁21aの前端部と後端部とに複数の係止爪23が延設されている。垂立壁21aは、側部パネル13の前後方向の幅と略同幅に形成され、前端部と後端部に延設された各係止爪23が、側部パネル13の前端側と後端側の所定の係止孔22に挿入係止されるようになっている。また、天板支持壁21bは、天板12の前縁部の下面に当接し、その下面に対してねじ止め等によって締結固定されるようになっている。
なお、本実施形態の場合、係止孔22は、側部パネル13の前後方向の端部の近傍において、天板12の前縁部を支持する支持部を構成している。
【0031】
以上のように、本実施形態に係る天板付き什器1は、物品を載置する物品載置棚11と、執務作業面を構成する天板12を一什器に備えているため、什器設置コストを低減することができるうえ、執務者の執務効率を向上させることができる。即ち、物品載置棚11と天板12を支持する部材を両者で共用できるために、什器設置コストを低減でき、しかも、天板12と物品載置棚11を近接させて配置できることから、天板12上で執務を行う執務作業者が物品載置棚11から容易に物品を取り出すことができる。
さらに、本実施形態に係る天板付き什器1は、左右の支持体10の前後に離間して配置された一対の支柱14の間が、天板12の上面から設定高さの範囲を覆うように閉塞板17によって閉塞されているため、天板12に向かって執務を行う執務者の奥側の側方空間を外部から遮蔽することができる。このため、天板12上で作業を行う執務者の視界に側方の様子が入らなくなり、執務者が執務作業に集中し易くなる。
したがって、本実施形態に係る天板付き什器1を採用した場合には、什器設置コストの抑制と執務効率の向上を図りつつ、執務者に執務に集中し易い環境を提供することができる。
【0032】
また、本実施形態に係る天板付き什器1の場合、支持体10よりも前方に突出した天板12の前縁部の左右側方に、天板12の上面から所定高さ範囲に亘るように前部遮蔽板である側部パネル13が配置されているため、天板12に向かって執務を行う執務者の奥側と手前側の側方空間を閉塞板17と側部パネル13によって連続して閉塞することができる。したがって、この構成を採用することにより、執務者に執務により集中し易い環境を提供することができる。
【0033】
さらに、本実施形態に係る天板付き什器1においては、後端部が支持体10に結合され、前後方向に沿うように床面F上に立設された側部パネル13によって執務者の手前側の側方空間を覆う構造とされているため、執務者の手前側の側方空間を覆う部材(前部遮蔽板)を、安定した状態で高い強度をもって設置することができる。
【0034】
また、本実施形態に係る天板付き什器1においては、側部パネル13の上端部の高さH1が支持体10の上端部の高さH2よりも低く設定されているため、支持体10の上部領域の前方に、側部パネル13に沿って前後方向に連続する空間部を確保することができる。このため、この空間部により、執務者が側部パネル13による圧迫感を感じにくくなるうえ、側部パネル13の上方の空間部を通して天井照明の光を取り込み易くなる。したがって、この構成を採用した場合には、執務者により快適な環境を提供することができる。
【0035】
また、本実施形態に係る天板付き什器1では、左右の支持体10に支持されるフレーム枠部材18に、天板12の上面から所定の高さ範囲を覆う後部遮蔽板19が設けられているため、天板12に向かった執務者の視界に後方の様子が入らなくなり、執務者がさらに執務に集中し易くなる。
【0036】
さらに、本実施形態に係る天板付き什器1においては、天板12の後方の後部遮蔽板19の上部領域に採光窓18aが設けられているため、採光窓18aを通して執務空間内に天井照明等の外部の光を取込むことができる。したがって、この構成を採用した場合には、執務空間を明るく保つことができる。
【0037】
ここで、フレーム枠部材18に形成する採光窓18aには、図6に示すように、透明樹脂等の透光性部材45を取り付けるようにしても良い。
この場合、採光窓18aにおいての外部からの光の透過を許容しつつ、執務空間への騒音の進入を遮ることができる。
【0038】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 天板付き什器
10 支持体
11 物品載置棚
12 天板
13 側部パネル(前部遮蔽板)
14 支柱
15 梁部材(連結部材)
17 閉塞板
18a 採光窓
19後部遮蔽板
45 透光性部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6