(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
【0029】
以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置などを例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置などを下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0030】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置が適用される印刷装置1の概略構成図である。
図2は、
図1に示す印刷装置1の制御ブロック図である。以下の説明においては、
図1の紙面に直交する方向を前後方向とし、紙面表方向を前方とする。また、
図1における紙面の上下左右を上下左右方向とする。
【0031】
なお、ここでは、スキャナ部で読み取った原稿上の画像データを部分編集(原稿編集)することが可能な印刷装置1としてインクジェット(IJ)プリンタを例示して説明するが、該IJプリンタにおいては、例えばPC(パーソナルコンピュータ)などの外部機器から送信される原稿画像を印刷媒体上にプリントして出力することが可能な構成としても良い。
【0032】
また、画像処理装置としては、自動原稿読取装置、および自動原稿読取装置をスキャナ部として備えるコピー機やファクシミリ装置、複数の機能を複合的に備えるデジタル複合機としてのMFP(Multi-Function Peripheral)などの画像形成装置にも適用可能である。
【0033】
図1に示す印刷装置1においては、印刷媒体である用紙Pの搬送を行う搬送経路が太線により示されている。搬送経路のうち、実線で示す経路が印刷部3の印刷経路RP、一点鎖線で示す経路が循環搬送部4の循環経路RC、破線で示す経路が排紙部5の第1排紙経路RD1および第2排紙経路RD2、二点鎖線で示す経路が給紙部2の外部給紙経路RS1および内部給紙経路RS2である。以下の説明における上流、下流は、搬送経路における上流、下流を意味する。
【0034】
図1,
図2に示すように、印刷装置1は、給紙部2と、印刷部3と、循環搬送部4と、排紙部5と、制御部6と、各部を収納または保持する筐体7と、筐体7に覆われた装置本体7Aの上方に配置されるスキャナ部9と、を備える。
【0035】
給紙部2は、印刷前の未印刷の用紙Pを印刷部3に給紙する。また、給紙部2は、両面印刷時に表面印刷後の用紙Pを印刷部3に再給紙する。給紙部2は、搬送経路の最も上流側に配置されている。
【0036】
外部給紙台11は、印刷に用いられる用紙Pが積載されるものである。外部給紙台11は、一部が筐体7の外部に露出して設置されている。
【0037】
外部給紙ローラ12は、外部給紙台11に積載された用紙Pを1枚ずつ取り込むとともに、外部給紙経路RS1に沿って印刷部3のレジストローラ31へ向けて用紙Pを搬送する。
【0038】
内部給紙台13A,13Bは、印刷に用いられる用紙Pが積載されるものである。内部給紙台13A,13Bは、筐体7の内部に配置されている。
【0039】
内部給紙ローラ14A,14Bは、それぞれ内部給紙台13A,13Bに積載された用紙Pを1枚ずつ取り出し、用紙Pを搬送させる。
【0040】
印刷部3は、用紙Pを搬送しつつ、用紙Pに画像を印刷する。印刷部3は、給紙部2の下流側に配置されている。印刷部3は、レジストローラ31と、ベルト搬送部33と、ベルトモータ34と、ヘッドユニット35とを備える。
【0041】
レジストローラ31は、搬送されてきた用紙Pを一旦止めて斜行補正した後、ベルト搬送部33へ搬送する。レジストローラ31は、印刷部3の上流部の印刷経路RP上に配置されている。
【0042】
ベルト搬送部33は、レジストローラ31により搬送されてきた用紙Pをベルト上に吸着保持して搬送する。ベルト搬送部33は、レジストローラ31の下流側に配置されている。
【0043】
ヘッドユニット35は、用紙Pの搬送方向と直交する方向(前後方向)に沿って複数のノズルが配列されたラインタイプの複数のインクジェットヘッド(図示せず)を有する。ヘッドユニット35は、ベルト搬送部33の上方に配置されている。ヘッドユニット35は、ベルト搬送部33により搬送される用紙Pにインクジェットヘッドのノズルからインクを吐出して画像を印刷する。
【0044】
循環搬送部4は、両面印刷時に表面印刷後の用紙Pを循環経路RCに沿って搬送する。
【0045】
排紙部5は、印刷済みの用紙Pを排紙トレイ59へ排紙する。
【0046】
装置本体7Aの上方にはスキャナ部9を配置することが可能となっており、スキャナ部9を配置した場合にも、排紙トレイ59の上方には、スキャナ台9Aの下面との間に所定の高さの空間が確保されるようになっている。そして、排紙された用紙Pは、空間内において、排紙トレイ59上に積載状態で集積される。
【0047】
スキャナ部9は、原稿上の画像データを光学的に読み取って印刷部3で印刷するための情報を得るためのものである。スキャナ部9は、例えば、多ページの原稿を連続して読み取ることが可能な、いわゆるADF(Auto Document Feeder)付きの自動原稿読取装置(詳細な説明は省略する)であって、画像処理装置として単独で動作可能である。
【0048】
スキャナ部9は、スキャナ台9Aによって装置本体7Aの上方に配置可能とされている。
【0049】
装置本体7Aの上部側に対応する、例えば、スキャナ台9Aの前面部には操作パネル10が設けられる。操作パネル10は、各種の操作キーやテンキーなどの入力部10Aの他、タッチパネル式の表示部10Bを備える。操作パネル10は、主にユーザが操作するもので、ジョブ(機能)の選択や動作の諸条件などの設定に用いられる。
【0050】
詳細な説明は省略するが、操作パネル10を用いて、操作の案内表示や、ジョブとしてのスキャン動作や原稿編集モードの設定、動作開始/停止/中止/割り込みの指示、コピー枚数の入力や用紙サイズの選択などが行われる。
【0051】
制御部6は、操作パネル10の操作に応じた動作プログラム(制御プログラム)にしたがって、印刷装置1の各部の動作を制御する。制御部6は、CPU(図示省略)、およびRAM、ROM、ハードディスクなどの記憶部(記憶手段)6Cを備えて構成される。
【0052】
記憶部6Cは、各種の動作プログラムや処理ルーチンなどを記憶するとともに、ジョブに応じた規定値やフラグ、ユーザの設定に基づいた諸条件などを一時的に記憶する。また、記憶部6Cは、例えば、スキャナ部9で読み取った各種の原稿上の画像データ(以下、原稿画像ともいう)をページ単位で記憶する。
【0053】
原稿編集モードの設定時、記憶部6Cは、追加で読み取った編集用原稿の画像データ(以下、編集画像ともいう)をページ単位で記憶するとともに、選択された原稿画像のレイアウト情報と編集画像のレイアウト情報とを記憶する。
【0054】
また、記憶部6Cは、原稿編集モードの設定時に、編集画像の総ページ数、編集画像の先頭ページ番号、最終ページ番号、およびレイアウト情報が編集画像の先頭ページと一致する原稿画像のページ番号、レイアウト情報が編集画像の最終ページと一致する原稿画像のページ番号を記憶する。
【0055】
なお、記憶部6Cとしては、スキャナ部9で読み取った原稿画像や編集画像を含め、例えば、PCからネット回線INIを介して送信される原稿画像などを、原稿単位でプリントジョブ用の登録原稿(以下、ジョブ原稿ともいう)として予め記憶できる、いわゆるボックス格納機能を備えるようにしても良い。
【0056】
印刷部3で印刷された用紙Pの排紙先が後処理装置である場合、印刷済みの用紙Pは、第1排紙経路RD1へ導かれ、図示しない後処理装置へ排紙される。
【0057】
これに対し、排紙先が排紙トレイ59である場合、印刷済みの用紙Pは第2排紙経路RD2へ導かれ、排紙トレイ59上へ排紙される。
【0058】
また、原稿画像の部分編集を行う場合には、制御部6は、スキャナ部9によって編集用原稿上の画像データを読み取り、追加で読み取った画像データを編集画像としてページ単位で記憶部6Cに記憶させるとともに、編集対象として選択された原稿画像のページごとのレイアウト情報と編集画像のページごとのレイアウト情報とを算出し、記憶部6Cに記憶させる。
【0059】
また、制御部6は、原稿画像の部分編集を行う場合、追加で読み取った編集画像の総ページ数を記憶部6Cに記憶させる。
【0060】
また、制御部6は、その機能上、判定手段6Aと編集手段6Bとを有している。
【0061】
判定手段6Aは、原稿画像の部分編集を行う場合、原稿画像のレイアウト情報と編集画像の先頭ページのレイアウト情報および最終ページのレイアウト情報とを比較する。そして、原稿画像の中に編集画像の先頭ページのレイアウト情報と一致するものがあるか否か、および最終ページのレイアウト情報と一致するものがあるか否かを判定する。
【0062】
編集手段6Bは、判定手段6Aによる判定結果に基づいて、編集画像を用いて原稿画像を編集する。
【0063】
図3は、
図1,
図2に示した印刷装置1において、操作パネル10における表示部10Bの表示例を示すものであって、
図3(a)はメインメニュー画面を、
図3(b)は原稿編集モード時の画面を、それぞれ示している。
【0064】
すなわち、操作パネル10の表示部10Bには、例えば
図3(a)に示すように、メインメニュー画面上において、コピー動作やスキャン動作またはプリント動作とともに、ジョブの1つとして原稿編集モードの選択ボタン10B1が表示される。
【0065】
メインメニュー画面が表示されている状態において、ユーザにより原稿編集モードの選択ボタン10B1が押下操作されると、例えば
図3(b)に示すように、表示部10Bの表示が原稿編集モードの画面に切り替えられる。
【0066】
原稿編集モードの画面としては、記憶部6Cに記憶されている原稿(文書名)の一覧などとともに、例えば、「編集する原稿を選択し、スキャナに編集用原稿をセットした後、スタートキーを押して下さい」といった案内が表示される。
【0067】
図4は、第1の実施の形態に係る印刷装置1によりスキャンされる原稿画像GGnとその原稿画像GGnより算出されるレイアウト情報GGLnの一例を示すものである。
【0068】
原稿画像GGnは、ページ単位で記憶部6Cに記憶されるもので、例えば
図4(a)に示すように、原稿上の有効読み取り領域内の画像データが、図中に■で示す文字データと、文字データの余白部分に対応する文字スペースMS1,MS2,MS3と、写真データSDとから構成される。
【0069】
このような原稿画像GGnより算出されるレイアウト情報GGLnとしては、例えば
図4(b)に示すように、文字スペースMS1,MS2,MS3の左上の座標データ(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)と、写真データSDの左上の座標データ(x4,y4)とから構成される。レイアウト情報GGLnは、原稿画像GGnに対応付けられて記憶部6C内に記憶される。
【0070】
なお、詳細な説明は省略するが、記憶部6C内に記憶される編集原稿(HGn)、およびその編集画像(HGn)より算出されるレイアウト情報(HGLn)についても同様である。
【0071】
ここで、原稿画像の編集を行う場合において、
図4(b)に示したレイアウト情報を用いて編集の範囲(編集箇所)を自動的に判定する方法について説明する。
【0072】
図5(a)〜
図5(e)は、原稿画像を部分的に編集する場合に用いられる編集用原稿の一例を、編集の範囲と編集内容とともに示すものである。
【0073】
図5(a)は、例えば、10ページからなる原稿の最終ページの原稿画像「10」の後ろ(末尾)に新たに2ページ分の編集画像「A」,「B」を追加する場合の例である。この場合、編集用原稿として、スキャナ部9により追加する2ページ分の編集画像「A」,「B」を追加で読み取らせる。
【0074】
原稿編集モード時において、判定手段6Aは、原稿画像「1」〜「10」のレイアウト情報と編集画像「A」,「B」のレイアウト情報とを比較し、原稿画像の中に編集画像と同じレイアウト情報の画像(「A」,「B」)がないことにより、部分編集が原稿画像の末尾へのページ(「A」,「B」)の追加であると判定する。
【0075】
図5(b)は、例えば、10ページからなる原稿の6ページ目以降の5ページ分の原稿画像「6」,「7」,「8」,「9」,「10」を、5ページ分の編集画像「A」,「B」,「C」,「D」,「E」と差し替えることにより置換する場合の例である。この場合、編集用原稿として、スキャナ部9により5ページ目の原稿画像と同じ編集画像「5」と、置換する5ページ分の編集画像「A」,「B」,「C」,「D」,「E」とを追加で読み取らせる。
【0076】
原稿編集モード時において、判定手段6Aは、10ページからなる原稿画像のレイアウト情報と編集画像の先頭ページおよび最終ページのレイアウト情報とを比較し、原稿画像の中に編集画像の先頭ページと同じレイアウト情報の画像(「5」)があることなどから、部分編集が原稿画像における編集画像の先頭ページ以降のページの置換であると判定する。
【0077】
図5(c)は、例えば、10ページからなる原稿の3〜5ページ目の3ページ分の原稿画像「3」,「4」,「5」を、別の2ページ分の編集画像「A」,「B」と置換する場合の例である。この場合、編集用原稿として、スキャナ部9により2ページ目の原稿画像と同じ編集画像「2」と、置換する2ページ分の編集画像「A」,「B」と、6ページ目の原稿画像と同じ編集画像「6」とを追加で読み取らせる。
【0078】
原稿編集モード時において、判定手段6Aは、10ページからなる原稿画像のレイアウト情報と編集画像の先頭ページおよび最終ページのレイアウト情報とを比較し、原稿画像の中に編集画像の先頭ページおよび最終ページと同じレイアウト情報の画像(「2」,「6」)があり、編集画像の総ページ数が2以上であることなどから、部分編集が原稿画像の先頭ページと最終ページとの間のページの置換であると判定する。
【0079】
図5(d)は、例えば、10ページからなる原稿の3〜5ページ目の3ページ分の原稿画像「3」,「4」,「5」を削除する場合の例である。この場合、編集用原稿として、スキャナ部9により2ページ目の原稿画像と同じ編集画像「2」と、6ページ目の原稿画像と同じ編集画像「6」とを追加で読み取らせる。
【0080】
原稿編集モード時において、判定手段6Aは、10ページからなる原稿画像のレイアウト情報と編集画像の「2」,「6」のレイアウト情報とを比較し、原稿画像の中に編集画像と同じレイアウト情報の画像(「2」,「6」)があり、編集画像の総ページ数が2であることなどから、部分編集が原稿画像における編集原稿の先頭ページと最終ページとの間のページの削除であると判定する。
【0081】
図5(e)は、例えば、10ページからなる原稿の6ページ目以前の5ページ分の原稿画像「1」,「2」,「3」,「4」,「5」を、別の5ページ分の編集画像「A」,「B」,「C」,「D」,「E」と置換する場合の例である。この場合、編集用原稿として、スキャナ部9により置換する5ページ分の編集画像「A」,「B」,「C」,「D」,「E」と、6ページ目の原稿画像と同じ編集画像「6」とを追加で読み取らせる。
【0082】
原稿編集モード時において、判定手段6Aは、10ページからなる原稿画像のレイアウト情報と編集画像の先頭ページおよび最終ページのレイアウト情報とを比較し、原稿画像の中に編集画像の最終ページと同じレイアウト情報の画像(「6」)があることなどから、部分編集が原稿画像の最終ページ以前のページの置換であると判定する。
【0083】
このように、原稿編集モード時において、編集画像とともに、必要に応じて、その前後の原稿画像を追加で読み取らせることにより、原稿画像の編集を行う範囲と、追加、削除、および置換といった編集内容とが自動的に特定されるので、ユーザが編集する原稿画像を検索したり、編集内容を画像単位で指定するといった手間や時間を軽減可能となる。
【0084】
次に、上記した構成の印刷装置1において、原稿編集モード時の作用について説明する。
【0085】
図6および
図7は、原稿編集モード時の処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、メインメニューの画面上に原稿編集モードがジョブの1つとして予め設定されており、新たに複数ページにわたる原稿の読み取りを行うとともに、読み取った原稿画像の一部を部分編集する場合を例に説明する。
【0086】
すなわち、操作パネル10の表示部10Bに、例えば
図3(a)に示したようなメインメニューの画面が表示されている状態において、ユーザにより原稿のスキャン動作が選択されたとする。そして、ユーザによって原稿がスキャナ部9にセットされた後、操作パネル10の入力部10Aからスタートキーが押下操作されると、制御部6は、スキャナ部9を制御して原稿画像を読み取らせ、スキャナ部9で読み取った原稿画像を、例えばページ単位で記憶部6C内に記憶させる(ステップS101)。このとき、制御部6は、記憶部6C内に記憶された原稿画像に応じて文書名の一覧を更新する。
【0087】
なお、原稿画像の文書名は、記憶部6C内への原稿画像の記憶の終了に伴ってユーザに登録させたり、日時データなどに基づいて自動的に登録するようにしても良い。また、原稿画像は、ページ単位で記憶させる場合に限らず、例えば、原稿編集モードが選択されるまでは多ページ分の原稿画像を1文書単位で記憶させるようにしても良い。
【0088】
ユーザによってメインメニュー画面より原稿編集モードが選択されない場合(ステップS103;NO)、原稿画像のスキャン動作は終了される。
【0089】
一方、表示部10Bにメインメニューの画面が表示された状態において、ユーザ操作によりメインメニューの画面より原稿編集モードが選択された場合(ステップS103;YES)、制御部6は、例えば
図3(b)に示した原稿編集モードの画面を表示部10Bに表示させる。
【0090】
そして、ユーザによって編集用原稿がスキャナ部9にセットされた後、入力部10Aからスタートキーが投入されると、制御部6は、スキャナ部9を制御して編集画像の読み取りを行わせ、スキャナ部9で読み取った編集画像を、ページ単位で記憶部6C内に記憶させる(ステップS105)。
【0091】
そして、制御部6は、編集原稿の総ページ数を確認し、記憶部6C内に記憶させる(ステップS107)。
【0092】
次に、制御部6の判定手段6Aは、編集の対象としてユーザにより選択された原稿画像のレイアウト情報と編集画像のレイアウト情報とをページ単位に算出し、編集画像の先頭ページのレイアウト情報と一致するレイアウト情報の原稿画像があるか否かを判定する(ステップS109)。
【0093】
編集画像の先頭ページのレイアウト情報と一致するレイアウト情報の原稿画像があると判定された場合(ステップS109;YES)、その原稿画像のページ番号(先頭一致ページ番号)を記憶部6C内に記憶させる(ステップS111)。
【0094】
一方、編集画像の先頭ページのレイアウト情報と一致するレイアウト情報の原稿画像がないと判定された場合(ステップS109;NO)、先頭一致ページ番号は0のまま、処理をステップS113に移行させる。
【0095】
ステップS113において、判定手段6Aは、編集画像の最終ページのレイアウト情報と一致するレイアウト情報の原稿画像があるか否かを判定する(ステップS113)。
【0096】
編集画像の最終ページのレイアウト情報と一致するレイアウト情報の原稿画像があると判定された場合(ステップS113;YES)、その原稿画像のページ番号(最終一致ページ番号)を記憶部6C内に記憶させる(ステップS115)。
【0097】
一方、編集画像の最終ページのレイアウト情報と一致するレイアウト情報の原稿画像がないと判定された場合(ステップS113;NO)、最終一致ページ番号は0のまま、処理をステップS117に移行させる。
【0098】
次に、判定手段6Aは、記憶部6Cに記憶させた先頭一致ページ番号が「1」以上か否か(先頭一致ページ番号≧1)を判定する(ステップS117)。
【0099】
先頭一致ページ番号が1以上であると判定された場合(ステップS117;YES)、判定手段6Aは、記憶部6Cに記憶させた最終一致ページ番号が先頭一致ページ番号よりも大きいか否か(最終一致ページ番号>先頭一致ページ番号)を判定する(ステップS119)。
【0100】
最終一致ページ番号が先頭一致ページ番号以下の場合(ステップS119;NO)、判定手段6Aは、
図5(b)に示したように、部分編集が原稿画像における編集画像の先頭ページ以降のページの置換であると判定する。すなわち、編集画像の先頭ページと同じレイアウト情報のものだけが原稿画像の中に存在する場合、編集手段6Bは、編集画像の先頭ページに対応する原稿画像の、それ以降の原稿画像を、編集原稿の先頭ページ以降のものによって置換し、記憶部6Cでの記憶を更新する(ステップS121)。
【0101】
このようにして、原稿画像の部分編集(置換)が行われた後、原稿編集モードは終了される。
【0102】
一方、最終一致ページ番号が先頭一致ページ番号よりも大きい場合(ステップS119;YES)、判定手段6Aは、編集原稿の総ページ数を記憶部6C内より読み出し、総ページ数が「2」か否かを判定する(ステップS123)。
【0103】
編集画像の総ページ数が「2」でない場合(ステップS123;NO)、判定手段6Aは、
図5(c)に示したように、部分編集が原稿画像における編集原稿の先頭ページと最終ページとの間のページの置換であると判定する。すなわち、編集画像の先頭ページと最終ページと同じレイアウト情報のものが原稿画像の中に存在し、かつ編集画像が3ページ以上の場合、編集手段6Bは、編集画像の先頭ページに対応する原稿画像の、それ以降の原稿画像から、編集画像の最終ページに対応する原稿画像の、それ以前の原稿画像までを、編集原稿の先頭ページ以降から最終ページ以前までのものによって置換し、記憶部6Cでの記憶を更新する(ステップS125)。
【0104】
このようにして、原稿画像の部分編集(置換)が行われた後、原稿編集モードは終了される。
【0105】
編集画像の総ページ数が「2」の場合(ステップS123;YES)、判定手段6Aは、
図5(d)に示したように、部分編集が原稿画像における編集原稿の先頭ページと最終ページとの間のページの削除であると判定する。すなわち、編集画像の先頭ページと最終ページと同じレイアウト情報のものが原稿画像の中に存在し、かつ編集画像が先頭ページと最終ページの2ページからなる場合、編集手段6Bは、編集画像の先頭ページに対応する原稿画像の、それ以降の原稿画像から、編集画像の最終ページに対応する原稿画像の、それ以前の原稿画像までを削除し、記憶部6Cでの記憶を更新する(ステップS127)。
【0106】
このようにして、原稿画像の部分編集(削除)が行われた後、原稿編集モードは終了される。
【0107】
一方、先頭一致ページ番号が「1」よりも小さい場合(ステップS117;NO)、制御部6は、記憶部6Cに記憶させた最終一致ページ番号が「1」以上か否か(最終一致ページ番号≧1)を判定する(ステップS129)。
【0108】
最終一致ページ番号が「1」よりも小さい場合(ステップS129;NO)、判定手段6Aは、
図5(a)に示したように、部分編集が原稿画像の末尾へのページの追加であると判定する。すなわち、編集画像の先頭ページおよび最終ページと同じレイアウト情報のものが原稿画像の中に存在しない場合、編集手段6Bは、原稿画像の末尾に編集画像を追加し、記憶部6Cでの記憶を更新する(ステップS131)。
【0109】
このようにして、原稿画像の部分編集(追加)が行われた後、原稿編集モードは終了される。
【0110】
最終一致ページ番号が「1」以上の場合(ステップS129;YES)、判定手段6Aは、
図5(e)に示したように、部分編集が原稿画像における編集画像の最終ページ以前のページの置換であると判定する。すなわち、編集画像の最終ページと同じレイアウト情報のものだけが原稿画像の中に存在する場合、編集手段6Bは、編集画像の最終ページに対応する原稿画像の、それ以前の原稿画像を、編集原稿の最終ページ以前のものによって置換し、記憶部6Cでの記憶を更新する(ステップS133)。
【0111】
このようにして、原稿画像の部分編集(置換)が行われた後、原稿編集モードは終了される。
【0112】
上記のように、本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置が適用される印刷装置1によれば、原稿画像の一部をページ単位で編集する場合において、ユーザの煩雑な操作を極力減らすことができるとともに、省電力化を実現できる。すなわち、編集用原稿を読み取らせることのみにより、編集の範囲や編集内容を自動的に特定できるようにしたので、特に、ページ数の多い原稿画像を部分編集する場合において、原稿画像の部分編集に要する手間や時間を軽減して効率化することができる。また、原稿画像の一部を編集する場合において、複数ページにわたる原稿の全てを再度読み取らせる必要がないので、その分、消費電力を低減することができ経済的である。
【0113】
なお、上記した第1の実施の形態においては、原稿画像の読み取りを行った後の作業として、読み取った原稿画像の一部を部分編集する場合を例に説明したが、これに限らず、予め登録されている原稿画像の部分的な編集を行う場合にも同様に適用できる。
【0114】
(第2の実施の形態)
以下では、本発明の第2の実施の形態として、
図1および
図2に示した印刷装置1を例に、記憶部6Cに予め記憶されている複数のジョブ原稿を利用して、編集対象となる編集前のジョブ原稿の一部を編集用ジョブ原稿に基づいて部分編集し、その編集後のジョブ原稿をプリント出力する場合について説明する。
【0115】
第2の実施の形態においては、部分編集(原稿編集モード)として、編集前のジョブ原稿の一部に当該ジョブ原稿にない編集用ジョブ原稿を追加する処理、編集前のジョブ原稿の一部を当該ジョブ原稿にない編集用ジョブ原稿により置換する処理、および編集前のジョブ原稿の一部を削除する処理が可能とされる。
【0116】
第2の実施の形態に係る印刷装置1において、制御部6の判定手段6Aは、ジョブ原稿の部分編集を行う場合に、ユーザ操作により選択される、編集前のジョブ原稿、編集用ジョブ原稿、編集前のジョブ原稿中の編集直前のページ番号、編集前のジョブ原稿中の編集直後のページ番号などの編集内容が設定されているか否かを判定する。
【0117】
編集手段6Bは、判定手段6Aにより編集内容が設定されていると判定された場合、編集内容に基づいて、編集前のジョブ原稿の一部を部分的に編集する。
【0118】
そして、制御部6は、その編集内容(編集後のジョブ原稿)にしたがって印刷装置1の各部を制御し、編集後のジョブ原稿に応じたプリント出力を得るためのプリント動作を実行する。
【0119】
なお、編集手段6Bとしては、実際のプリント動作に用いる原稿画像を用いて編集作業を行うようにしても良いし、後述する表示部10Bでのプレビュー表示の画面上において編集作業を仮想的に行い、割り込み処理(割り込みジョブ)などの機能を用いてプリント動作するものであっても良い。
【0120】
図8は、記憶部6Cに予め記憶されている複数のジョブ原稿を利用して編集処理を行う場合において、印刷装置1の操作パネル(設定手段)10における表示部10Bの表示例を示すものであって、
図8(a)はメインメニュー画面(例えば、
図3(a)参照)に続く原稿編集モード時の画面を、
図8(b)は編集内容の表示画面(プレビュー表示)を、それぞれ示している。
【0121】
すなわち、操作パネル10の表示部10Bにメインメニュー画面が表示されている状態において、ユーザにより原稿編集モードの選択ボタン10B1が押下操作されると、例えば
図8(a)に示すように、表示部10Bの表示が原稿編集モードの画面に切り替えられる。
【0122】
原稿編集モードの画面としては、記憶部6Cに記憶されている原稿(文書名)の一覧などとともに、例えば、「編集する原稿と編集用原稿を選択して下さい」といった案内が表示される。
【0123】
また、原稿編集モードの画面上には、原稿の一覧とは別に、「空ジョブ」なる選択ボタン10B2がリスト表示される。この選択ボタン10B2は、例えば、編集用原稿に代えて押下操作されるものであって、「空ジョブ」は、原稿編集モード時において、編集対象となる編集前のジョブ原稿の一部を削除する処理の場合に選択される。
【0124】
原稿編集モードの画面が表示されている状態において、ユーザにより「確定」ボタンが押下操作されると、例えば
図8(b)に示すように、表示部10Bが編集内容の表示画面に切り替えられる。
【0125】
編集内容の表示画面としては、編集前のジョブ原稿の原稿画像や編集用ジョブ原稿(編集用原稿の選択時)の原稿画像のページ番号がプレビュー表示されるとともに、編集後のジョブ原稿の原稿画像のページ番号がプレビュー表示される。編集用原稿の非選択時(後述する非選択ボタン10B4の押下操作時)、編集用ジョブ原稿の欄は空欄となる。
【0126】
また、編集内容の表示画面上には、ページ選択ボタン10B3と指定しない場合に押下操作される非選択ボタン10B4、および、ページ選択ボタン10B3の押下操作に応じて、編集前のジョブ原稿中の編集直前のページ番号や編集直後のページ番号が表示される。非選択ボタン10B4の押下操作時には、指定しない場合の「×」が表示される。
【0127】
図9(a)〜
図9(e)は、それぞれ、編集対象の原稿を部分的に編集する場合の一例を、編集内容とプリント出力とともに示すものである。
【0128】
図9(a)は、編集前のジョブ原稿の一部に編集用ジョブ原稿を追加する場合の例である。
【0129】
原稿編集モード時において、例えば、10ページからなる編集前のジョブ原稿と、編集用ジョブ原稿「A」,「B」と、編集直前のページ番号「10」と、編集直後のページ番号「×(指定しない)」とが、編集内容としてユーザによって選択されたとする。
【0130】
すると、判定手段6Aは、編集直前のページ番号が「10」であり、編集直後のページ番号が「×」であることから、編集内容が、編集前のジョブ原稿の最終ページの原稿画像「10」の後ろ(末尾)に編集用ジョブ原稿を追加する処理であると判定する。
【0131】
この判定結果(編集内容)に基づいて、編集手段6Bは、編集前のジョブ原稿の10ページ目の原稿画像の後ろに、2ページ分の編集用ジョブ原稿「A」,「B」を追加する。
【0132】
この場合、制御部6は、編集後のジョブ原稿にしたがって各部を制御し、各ページ「1」〜「10」の原稿画像に基づいたプリント動作を実行した後、連続して編集用ジョブ原稿「A」,「B」に基づいたプリント動作を実行する。これにより、部分編集後のジョブ原稿として、10ページからなるジョブ原稿の後ろに2ページ分の編集用ジョブ原稿が追加されたプリント出力が得られる。
【0133】
図9(b)は、編集前のジョブ原稿の一部を編集用ジョブ原稿によって置換する場合の例である。
【0134】
原稿編集モード時において、例えば、10ページからなる編集前のジョブ原稿と、編集用ジョブ原稿「A」,「B」と、編集直前のページ番号「5」と、編集直後のページ番号「×(指定しない)」とが、編集内容としてユーザによって選択されたとする。
【0135】
すると、判定手段6Aは、編集直前のページ番号が「5」であり、編集直後のページ番号が「×」であることから、編集内容が、編集前のジョブ原稿の6ページ目以降の原稿画像「6」〜「10」を編集用ジョブ原稿によって置換する処理であると判定する。
【0136】
この判定結果(編集内容)に基づいて、編集手段6Bは、編集前のジョブ原稿の6ページ目〜10ページ目の原稿画像を、2ページ分の編集用ジョブ原稿「A」,「B」によって置き換える。
【0137】
この場合、制御部6は、編集後のジョブ原稿にしたがって各部を制御し、各ページ「1」〜「5」の原稿画像に基づいたプリント動作を実行した後、それ以降の編集前のジョブ原稿に基づいたプリント動作を中止するとともに、連続して編集用ジョブ原稿「A」,「B」に基づいたプリント動作を実行する。これにより、部分編集後のジョブ原稿として、10ページからなるジョブ原稿の後半の5ページ分が、2ページ分の編集用ジョブ原稿によって差し替えられたプリント出力が得られる。
【0138】
図9(c)は、編集前のジョブ原稿の一部を編集用ジョブ原稿によって置換する場合の別の例である。
【0139】
原稿編集モード時において、例えば、10ページからなる編集前のジョブ原稿と、編集用ジョブ原稿「A」,「B」と、編集直前のページ番号「3」と、編集直後のページ番号「7」とが、編集内容としてユーザによって選択されたとする。
【0140】
すると、判定手段6Aは、編集直前のページ番号が「3」であり、編集直後のページ番号が「7」であることから、編集内容が、編集前のジョブ原稿の4,5,6ページ目の原稿画像「4」,「5」,「6」を編集用ジョブ原稿によって置換する処理であると判定する。
【0141】
この判定結果(編集内容)に基づいて、編集手段6Bは、編集前のジョブ原稿の4ページ目〜6ページ目の原稿画像を、2ページ分の編集用ジョブ原稿「A」,「B」によって置き換える。
【0142】
この場合、制御部6は、編集後のジョブ原稿にしたがって各部を制御し、各ページ「4」,「5」,「6」の原稿画像に基づいたプリント動作を実行する際においては、例えば割り込み処理として、編集用ジョブ原稿「A」,「B」に基づいたプリント動作を実行する。これにより、部分編集後のジョブ原稿として、10ページからなるジョブ原稿の4,5,6ページ目が、2ページ分の編集用ジョブ原稿「A」,「B」により差し替えられたプリント出力が得られる。
【0143】
図9(d)は、編集前のジョブ原稿の一部を「空ジョブ」の選択ボタン10B2の操作に応じて削除する場合の例である。
【0144】
原稿編集モード時において、例えば、10ページからなる編集前のジョブ原稿と、編集用ジョブ原稿としての「空ジョブ」と、編集直前のページ番号「3」と、編集直後のページ番号「7」とが、編集内容としてユーザによって選択されたとする。
【0145】
すると、判定手段6Aは、編集直前のページ番号が「3」であり、編集直後のページ番号が「7」であり、編集用ジョブ原稿が「空ジョブ」であることから、編集内容が、編集前のジョブ原稿の4,5,6ページ目の原稿画像を削除する処理であると判定する。
【0146】
この判定結果(編集内容)に基づいて、編集手段6Bは、編集前のジョブ原稿の4ページ目〜6ページ目の原稿画像を削除する。
【0147】
この場合、制御部6は、編集後のジョブ原稿にしたがって各部を制御し、各ページ「4」,「5」,「6」の原稿画像に基づいたプリント動作を実行する際においては、例えばそのプリント動作の実行を中止する。これにより、部分編集後のジョブ原稿として、10ページからなるジョブ原稿の、4,5,6ページ目が削除されたプリント出力が得られる。
【0148】
図9(e)は、編集前のジョブ原稿の一部を編集用のジョブ原稿によって置換する場合のさらに別の例である。
【0149】
原稿編集モード時において、例えば、10ページからなる編集前のジョブ原稿と、編集用ジョブ原稿「A」,「B」と、編集直前のページ番号「×(指定しない)」と、編集直後のページ番号「4」とが、編集内容としてユーザによって選択されたとする。
【0150】
すると、判定手段6Aは、編集直前のページ番号が「×」であり、編集直後のページ番号が「4」であることから、編集内容が、編集前のジョブ原稿の1,2,3ページ目の原稿画像「1」〜「3」を編集用ジョブ原稿によって置換する処理であると判定する。
【0151】
この判定結果(編集内容)に基づいて、編集手段6Bは、編集前のジョブ原稿の1,23ページ目の原稿画像を、2ページ分の編集用ジョブ原稿「A」,「B」によって置き換える。
【0152】
この場合、制御部6は、編集後のジョブ原稿にしたがって各部を制御するに当たり、まずは割り込み処理によって編集用ジョブ原稿「A」,「B」に基づいたプリント動作を実行した後、編集前のジョブ原稿の1,2,3ページ目の原稿画像に基づいたプリント動作を中止し、連続して4ページ目以降の原稿画像に基づいたプリント動作を実行する。これにより、部分編集後のジョブ原稿として、10ページからなるジョブ原稿の1,2,3ページ分が、2ページ分の編集用ジョブ原稿「A」,「B」によって差し替えられたプリント出力が得られる。
【0153】
このように、原稿編集モード時において、予め記憶部6Cに記憶された複数のジョブ原稿を利用するとともに、ユーザの設定(編集内容)に応じてプリント動作を制御することにより、ジョブ原稿の一部を新たに追加、削除、置換といった部分編集が容易に可能となる。
【0154】
次に、上記した構成の印刷装置1において、原稿編集モード時の作用について説明する。
【0155】
図10は、原稿編集モード時の処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、
図9(a)〜
図9(e)を例に、PCまたはスキャナ部9によって予め記憶部6C内に記憶された複数のジョブ原稿を利用し、編集前のジョブ原稿の一部を新たに追加、削除、置換してプリント出力する場合について説明する。
【0156】
すなわち、操作パネル10の表示部10Bに、
図3(a)に示したようなメインメニューの画面が表示されている状態において、例えば、記憶部6Cに予め記憶されている原稿画像をプリント出力するプリント動作の前に、ユーザの選択ボタン10B1の押下操作によって原稿編集モードが選択されたとする(ステップS201;YES)。すると、制御部6は、表示部10Bの表示を、
図8(a)に示した原稿編集モードの画面に切り換える(ステップS203)。
【0157】
また、原稿編集モードの画面が表示されている状態において、ユーザの選択操作により、例えば、編集対象となる編集前のジョブ原稿および編集用ジョブ原稿または空ジョブ(10B2)が入力されると(ステップS205;YES)、制御部6は、表示部10Bの表示を
図8(a)に示した編集内容の表示画面に切り換える。そして、制御部6は、入力された編集前のジョブ原稿および編集用ジョブ原稿または空ジョブを画面上にプレビュー表示させるとともに、編集直前のページ番号や編集直後のページ番号の入力をユーザに促す(ステップS207)。
【0158】
編集内容の画面が表示されている状態において、ユーザの選択操作により、編集直前のページ番号や編集直後のページ番号が入力されたとする(ステップS209;YES)。すると、制御部6は、編集直前のページ番号や編集直後のページ番号を表示部10Bの画面上に表示させる(ステップS211)。
【0159】
その後、制御部6の判定手段6Aは編集内容が設定されているか否かを判定し、設定されていると判定された場合、編集内容にしたがって、編集手段6Bにより編集後のジョブ原稿の編集を行わせるとともに、印刷部3などを制御して編集後のジョブ原稿に応じたプリント出力を発生させる。
【0160】
すなわち、制御部6の判定手段6Aは、例えば、編集用ジョブ原稿が空ジョブか否かを判定する(ステップS213)。空ジョブの場合(ステップS213;YES)、例えば
図9(d)に示したように、編集直前のページ番号が「3」であり、編集直後のページ番号が「7」であることから、その編集内容が、10ページからなる編集前のジョブ原稿の4ページ目〜6ページ目の原稿画像を削除する処理であると判定する。
【0161】
この判定結果(編集内容)に基づいて、制御部6の編集手段6Bが、編集前のジョブ原稿の原稿画像「4」,「5」,「6」を削除することにより、印刷装置1からは、部分編集後のジョブ原稿として、ページ1,2,3,7,8,9,10からなる原稿画像がプリント出力される(ステップS215)。
【0162】
このようにして、部分編集(削除)された原稿画像がプリント出力された後、原稿編集モードは終了される。
【0163】
また、制御部6の判定手段6Aは、編集用ジョブ原稿が空ジョブでないと判定した場合(ステップS213;NO)、例えば、編集直前のページ番号が指定されているか否かを判定する(ステップS217)。編集直前のページ番号が指定されていない場合(ステップS217;NO)、例えば
図9(e)に示したように、編集用ジョブ原稿が「A」,「B」であり、編集直後のページ番号が「4」であることから、その編集内容が、10ページからなる編集前のジョブ原稿の1ページ目〜3ページ目の原稿画像を編集用ジョブ原稿によって置換する処理であると判定する。
【0164】
この判定結果(編集内容)に基づいて、制御部6の編集手段6Bが、編集前のジョブ原稿の原稿画像「1」,「2」,「3」を編集用ジョブ原稿「A」,「B」によって置換することにより、印刷装置1からは、部分編集後のジョブ原稿として、ページA,B,4,5,6,7,8,9,10からなる原稿画像がプリント出力される(ステップS219)。
【0165】
このようにして、部分編集(置換)された原稿画像がプリント出力された後、原稿編集モードは終了される。
【0166】
また、制御部6の判定手段6Aは、編集直前のページ番号が指定されていると判定した場合(ステップS217;YES)、例えば、編集直後のページ番号が指定されているか否かを判定する(ステップS221)。編集直後のページ番号が指定されている場合(ステップS221;YES)、例えば
図9(c)に示したように、編集用ジョブ原稿が「A」,「B」であり、編集直前のページ番号が「3」であり、編集直後のページ番号が「7」であることから、その編集内容が、10ページからなる編集前のジョブ原稿の4ページ目〜6ページ目の原稿画像を編集用ジョブ原稿によって置換する処理であると判定する。
【0167】
この判定結果(編集内容)に基づいて、制御部6の編集手段6Bが、編集前のジョブ原稿の原稿画像「4」,「5」,「6」を編集用ジョブ原稿「A」,「B」によって置換することにより、印刷装置1からは、部分編集後のジョブ原稿として、ページ1,2,3,A,B,7,8,9,10からなる原稿画像がプリント出力される(ステップS223)。
【0168】
このようにして、部分編集(置換)された原稿画像がプリント出力された後、原稿編集モードは終了される。
【0169】
また、制御部6の判定手段6Aは、編集直後のページ番号が指定されていないと判定した場合(ステップS221;NO)、例えば、編集直前のページ番号が何番かを判定する(ステップS225)。
【0170】
編集直前のページ番号が編集前のジョブ原稿の最終ページの場合(ステップS225;ページ「10」)、例えば
図9(a)に示したように、編集用ジョブ原稿が「A」,「B」であり、編集直後のページ番号が「×(指定しない)」であることから、その編集内容が、10ページからなる編集前のジョブ原稿の末尾に編集用ジョブ原稿を追加する処理であると判定する。
【0171】
この判定結果(編集内容)に基づいて、制御部6の編集手段6Bが、編集前のジョブ原稿の原稿画像「10」の後に、編集用ジョブ原稿「A」,「B」を追加することにより、印刷装置1からは、部分編集後のジョブ原稿として、ページ1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,A,Bからなる原稿画像がプリント出力される(ステップS227)。
【0172】
このようにして、部分編集(追加)された原稿画像がプリント出力された後、原稿編集モードは終了される。
【0173】
一方、編集直前のページ番号が編集前のジョブ原稿の最終ページでない場合(ステップS225;ページ「5」)、例えば
図9(a)に示したように、編集用ジョブ原稿が「A」,「B」であり、編集直後のページ番号が「×(指定しない)」であることから、その編集内容が、10ページからなる編集前のジョブ原稿の5ページ目〜の原稿画像を編集用ジョブ原稿により置換する処理であると判定する。
【0174】
この判定結果(編集内容)に基づいて、制御部6の編集手段6Bが、編集前のジョブ原稿の原稿画像「5」の後を、編集用ジョブ原稿「A」,「B」によって置換することにより、印刷装置1からは、部分編集後のジョブ原稿として、ページ1,2,3,4,5,A,Bからなる原稿画像がプリント出力される(ステップS229)。
【0175】
このようにして、部分編集(置換)された原稿画像がプリント出力された後、原稿編集モードは終了される。
【0176】
なお、制御部6は、いずれの場合においても、編集後のジョブ原稿を新たな登録原稿として記憶部6C内に記憶させ、再プリント可能状態にしておくことで、いつでも再利用可能となる。
【0177】
また、編集後のジョブ原稿においては、プリント出力時に新しいページ番号を付記し直すようにしても良い。
【0178】
上記のように、本発明の第2の実施の形態に係る画像処理装置が適用される印刷装置1によれば、原稿画像の一部をページ単位で編集する場合において、ユーザの煩雑な操作を極力減らすことができるとともに、省電力化を実現できる。すなわち、予め記憶されている原稿画像をプリント出力させる場合において、編集内容を指定することのみにより、自動的に編集できるようにしたので、原稿画像の部分編集に要する手間や時間を軽減して効率化することができる。特に、編集前のジョブ原稿にない原稿画像を追加してプリント出力させる場合において、予め記憶された複数のジョブ原稿を利用して、原稿画像の部分編集が簡単にできるようにしたので、複数ページにわたる原稿の全てを新たに読み取らせる必要がなく、その分、消費電力を低減することができ経済的である。
【0179】
なお、ページ数が多く、編集内容を指定するのが容易でない場合には、例えば、編集対象の原稿画像をプリント出力させるためのジョブの実行中において、制御部6により、給紙開始のタイミングに応じて印刷部3に給紙された用紙Pのページ数に関する情報を取得し、そのページ数を表示部10Bで表示させる。そして、給紙されたページ数が部分編集する原稿画像に一致したタイミングで、ユーザがキー操作を行ってジョブを中断させることにより、部分編集したい新しい編集画像をプリント出力させる割り込みジョブを実行させる。また、この割り込みジョブが終了したタイミングにおいて、中断したジョブを再開させる。こうして、編集対象の原稿画像をプリント出力させるためのジョブの実行中に編集画像の割り込みジョブを繰り返すことにより、予め記憶されている原稿画像の一部を編集してプリント出力させるようにしても良い。
【0180】
また、画像処理装置としては、IJプリンタのような印刷装置に限らず、操作部や記憶部を備えたスキャナ装置、もしくはスキャナ装置を備えたコピー機やファクシミリ装置、またはデジタル複合機(MFP)などの各種の画像形成装置にも適用可能である。
【0181】
また、第1の実施の形態においては、編集の範囲を特定する方法の1つとして画像データのレイアウト情報を用いるようにしたが、例えば、通し番号(ページ番号)の座標データや文字認識の結果などを用いるようにしても良い。
【0182】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。