(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会の進展に伴って、情報をカードに記録し、該カードを用いた情報管理や決済等が行われている。このような情報管理や決済等に用いられるカードとして、電磁誘導方式や電波方式によって外部送受信機から電力を取得して非接触通信を行う非接触型ICカードが用いられている。このような非接触型ICカードにおいては、外部送受信機から送信された搬送波に乗せられた電力によって起動し、搬送波に乗せられた情報を受信して処理を行う。この際、搬送波に乗せられた電力を、整流回路及び定電圧制御回路等を介して安定した直流電源に変換し、この直流電源を用いて、搬送波に乗せられた情報を受信して変復調回路にて復調したり、変復調回路にて変調した情報を搬送波に乗せて送信したりする処理を行う。なお、通信距離は一般的に、電磁誘導方式が数十cm、電波方式は数mであるが、電波方式は電磁誘導方式に比べて得られる電力は極めて微弱である。
【0003】
近年、このような非接触型ICカードに情報表示機能を付加した非接触通信媒体が考えられている。非接触型ICカードに情報表示機能を付加した非接触通信媒体は、情報を受信して処理するための電力の他に、情報を表示するための電力が必要となるが、一般的には、情報を受信してその復調処理や復号化処理を行うための電力よりも、情報を表示するための電力の方が多大である。そのため、外部送受信機との距離によっては、搬送波に載せられた電力のみでは、情報を表示することが困難となる場合がある。
【0004】
ここで、蓄電手段を内蔵し、余剰電力を蓄電手段に蓄積しておき、非接触通信によって得た電力の電圧値に応じて、電力の供給源を外部または蓄電手段の間で切り替えるカード装置が、特許文献1に開示されている。この技術を用いれば、非接触通信媒体において、情報を表示する等の大きな電力を必要とする場合でも、電力の不足を補うことができるようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたもののように、非接触通信によって取得された電力を蓄電手段に蓄積する構成においては、蓄電手段への電力の蓄積時に、電力が蓄電手段への蓄積にとられ、制御回路等を動作させている電源電圧が、駆動に必要となる駆動電圧を下回ってしてしまい、制御回路等がリセットしてしまう虞がある。
【0007】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、非接触通信によって取得された電力を蓄積する構成を有しながらも、非接触通信によって制御手段に供給される電力による電圧が、制御手段における駆動電圧を下回ってしまうことを回避できる非接触通信媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、
非接触通信によって電力を取得する通信手段と、
前記通信手段が取得した電力が供給され、該電力を蓄積する蓄電手段と、
前記蓄電手段に蓄積された電力を用いて情報を出力する出力手段と、
前記通信手段が取得した電力が供給され、該電力によって駆動して前記出力手段における情報の出力を制御する制御手段と、
前記通信手段から前記制御手段に供給される電力による当該制御手段の電源電圧を監視し、該電源電圧に応じて、前記蓄電手段への電力の供給のON/OFFを切り替える電源監視手段とを有する。
【0009】
上記のように構成された本発明においては、非接触通信によって取得された電力によって制御手段が駆動した後、情報を出力手段から出力するための電力が蓄電手段に供給されて蓄積されていくが、非接触通信によって取得された電力が蓄電手段に蓄積され始めると、非接触通信によって取得された電力の多くが蓄電手段に供給されることにより制御手段の電源電圧が低下していき、制御手段の電源電圧が駆動電圧を下回ってしまう虞がある。そこで、電源監視手段において、制御手段の電源電圧が監視され、制御手段の電源電圧に応じて、蓄電手段への電力の供給のON/OFFが切り替えられるので、制御手段に供給される電力による電源電圧が、制御手段における駆動電圧を下回ってしまうことが回避されることになる。
【0010】
具体的には、電源監視手段において、蓄電手段への電力の供給がONである状態にて制御手段の電源電圧が制御手段の駆動電圧を上回っている差分が第1の所定値以下となった場合に、蓄電手段への電力の供給をOFFとし、蓄電手段への電力の供給がOFFである状態にて制御手段の電源電圧が制御手段の駆動電圧を上回っている差分が、第1の所定値よりも大きな第2の所定値以上となった場合に、蓄電手段への電力の供給をONとすることが考えられる。
【0011】
また、出力手段としては、蓄電手段に蓄積された電力によって情報を表示出力し、その後電力が供給されなくなった状態でも情報の表示を維持するものが考えられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電源監視手段において、制御手段の電源電圧が監視され、制御手段の電源電圧に応じて、非接触通信によって取得され、出力手段から情報を出力するための電力の蓄電手段への供給のON/OFFを切り替えるため、非接触通信によって取得された電力を蓄積する構成を有しながらも、非接触通信によって制御手段に供給される電力による電圧が、制御手段における駆動電圧を下回ってしまうことを回避できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の非接触通信媒体の実施の一形態を示すブロック図である。
【0016】
本形態における非接触通信媒体は
図1に示すように、送受信部10と、第一電源部20と、第二電源部30と、電源監視部40と、表示制御部50と、表示部60とを有している。
【0017】
送受信部10は、本願発明における通信手段となるものであって、例えば13.56MHz帯のコイル状のアンテナや、マイクロ波や極超短波帯等のアンテナからなり、外部送受信機から送信された交流からなる搬送波を受信することにより、非接触状態にて交流電流を取得し、搬送波に乗せられた情報を受信したり、情報を搬送波に乗せて送信したりして非接触通信を行う。また、送受信部10は、外部送受信機から送信された搬送波を受信することによって交流電流を取得し、この搬送波に乗せられた電力を取得する。
【0018】
第一電源部20は、変復調回路21と、整流回路22と、定電圧制御回路23と、情報処理部24と、情報記憶部25とを有している。
【0019】
変復調回路21は、送受信部10にて受信された搬送波に情報が乗っている場合は、その情報を取り出し、情報処理部24にて処理可能なデジタル値に復調する。また、情報処理部24にて処理されたデジタル値による情報を、送受信部10において搬送波に乗せて送信可能なアナログ値に変調する。
【0020】
整流回路22は、送受信部10にて取得された交流電流から、情報処理部24にて所定の処理を行うために必要となる電力に応じた電流を取り出し、この電流を直流電流に変換する。
【0021】
定電圧制御回路23は、整流回路22にて直流に変換された電流から安定した電圧を有する電源を生成し、それにより、情報処理部24にて所定の処理を行うために必要となる電力を生成する。
【0022】
情報処理部24は、定電圧制御回路23にて生成された電力によって駆動し、変復調回路21にて復調された情報について所定の処理を行う。例えば、変復調回路21にて復調された情報を情報記憶部25に記憶したり、情報記憶部25に記憶された情報を表示制御部50とやりとりしたりするための処理を行う。また、情報処理部24は、情報記憶部25に記憶された情報を変復調回路21に出力し、外部送受信機に対して送信するための処理を行う。これらの処理は、情報処理部24に記憶されたプログラムに従って行われたり、外部送受信機からのコマンドに従って行われたりする。また、情報処理部24は、定電圧制御回路23にて生成された電力から、表示制御部50における基本処理に必要となる電力を表示制御部50に供給する。
【0023】
情報記憶部25は、情報処理部24にて処理された情報等を記憶する。
【0024】
第二電源部30は、整流回路31と、定電圧制御回路32と、電源制御部33と、蓄電部34とを有している。
【0025】
整流回路31は、送受信部10にて取得された交流電流から、表示制御部50及び表示部60を駆動させるために必要となる電力に応じた電流を取り出し、この電力を直流電流に変換する。
【0026】
定電圧制御回路32は、整流回路31にて直流に変換された電流から安定した電圧を有する電源を生成し、それにより、表示制御部50及び表示部60を駆動させるために必要となる電力を生成する。
【0027】
蓄電部34は、定電圧制御回路32にて生成された電力が供給され、供給された電力を蓄積する。
【0028】
電源制御部33は、定電圧制御回路32にて生成された電力あるいは、蓄電部34に蓄積された電力を表示制御部50に供給するとともに、電源監視部40の制御によって、定電圧制御回路32にて生成された電力の蓄電部34への供給のON/OFFを切り替える。
【0029】
電源監視部40は、送受信部10から第一電源部20を介して表示制御部50に供給される電力による表示制御部50の電源電圧を監視し、この電源電圧に応じて、電源制御部33を介して蓄電部34への電力の供給のON/OFFを切り替える。
【0030】
表示制御部50は、本願発明における制御手段となるものであって、情報処理部24から供給された電力によって駆動し、第二電源部30から供給された電力を用いて、情報処理部24にて処理された情報を表示部60に表示させる。
【0031】
表示部60は、本願発明における出力手段となるものであって、表示制御部50の制御によって情報を表示する。
【0032】
以下に、上記のように構成された非接触通信媒体1の動作について説明する。
【0033】
図2は、
図1に示した非接触通信媒体1が非接触通信を行う状態を示す図である。
図3は、
図2に示した状態における
図1に示した非接触通信媒体1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0034】
図1に示した非接触通信媒体1は、
図2に示すように、外部送受信機70との間にて搬送波を送受信することによって非接触通信を行う。外部送受信機70は、一般的にリーダライタと称されるものであって、
図2に示すように、制御部71と送受信部72とを有している。
【0035】
非接触通信媒体1が外部送信機70に近接すると、外部送信機70から送信された交流からなる搬送波が非接触通信媒体1の送受信部10にて受信され、その交流電流が取得される。そして、整流回路22において、送受信部10にて取得された交流電流を直流電流に変換し、さらに、定電圧制御回路23において直流電流を直流電圧に変換し、情報処理部24及び表示制御部50にこの直流電圧による電力を供給する。また、外部送信機70から送信された搬送波に情報が乗っている場合は、変復調回路21において、搬送波に乗っている情報を取り出してデジタル値に復調し、デジタル値に変調された情報が情報処理部24に送られる。そして、情報処理部24において、変復調回路21から送られてきた情報に応じた処理を行い、この情報が必要に応じて情報記憶部25に記憶される。このようにして、非接触通信媒体1が外部送信機70に近接することで、非接触通信媒体1と外部送信機70との非接触通信が開始され、表示制御部50に電力が供給されることになる(ステップ1,2)。なお、この時点では、電源制御部33の制御によって、第二電源部30から表示制御部50に対する電力供給は行わないものとする。すなわち、整流回路22及び定電圧制御回路23によって生成される電力は、情報処理部24の駆動及び表示制御部50の基本処理を実施するのに必要な分だけ供給されることとなる。
【0036】
その後、第一電源部20から電力が供給されることで表示制御部50が安定して駆動した時点で(ステップ3)、電源制御部33の制御によって、蓄電部34への電力の供給がONとされ、それにより、電力の蓄電部34への蓄積が開始される(ステップ4)。この際、整流回路31において、送受信部10にて取得された交流電流が直流電流に変換され、この直流電流が定電圧制御回路32にて直流電圧に変換され、この直流電圧による電力が蓄積部34に蓄積されることとなる。なお、表示制御部50が安定して駆動したかどうかの判断は電源監視部40が行う。具体的には、電源監視部40にて表示制御部50の電源電圧が監視されており、この電源電圧に基づいて、表示制御部50が安定して駆動した旨が判断されることとなる。
【0037】
電源監視部40においては、第一電源部20から供給される電力による表示制御部50の電源電圧を監視しており、蓄電部34における蓄電量が、表示部60にて情報を表示するために十分なものでない場合であって(ステップ5)、また、表示制御部50の電源電圧が、表示制御部50が安定駆動するための駆動電圧を下回りそうになった場合(ステップ6)、電源監視部40は、電源制御部33を介して蓄電部34への電力の供給をOFFとし、定電圧制御回路32にて生成された電力の蓄電部34への蓄積を停止する(ステップ7)。
【0038】
その後、電源監視部40において、第一電源部20から供給される電力による表示制御部50の電源電圧を引き続き監視し、表示制御部50の電源電圧が、表示制御部50が安定駆動するための駆動電圧を安定して上回った場合(ステップ8)、電源監視部40は、電源制御部33を介して蓄電部34への電力の供給をONとし、ステップ4に戻り、電源制御部33の制御によって、蓄電部34への電力の蓄積が再開される。
【0039】
このステップ4〜8の処理が繰り返し行われ、蓄電部34に電力が蓄積されていき、蓄電部34における蓄電量が、表示部60にて情報を表示するために十分なものとなった時点で(ステップ5)、表示制御部50が、情報記憶部25に記憶された情報を情報処理部24を介して読み取り、表示部60に表示する(ステップ9)。この際、表示部60として、表示の書き替え時には電力を必要とするものの、情報の表示の維持に電力を必要としないメモリー性表示体である電子ペーパーを用いれば、表示の書き替え時に、蓄積部34に蓄積された電力によって情報を表示出力し、その後は、電力が供給されなくなった状態でも情報の表示を維持することができる。このように、整流回路31及び定電圧制御回路32によって生成される電力は、主に、蓄電部34と表示部60の表示に消費される。
【0040】
このように、非接触通信によって取得された電力によって表示制御部50が駆動した後、非接触通信によって受信された情報を表示部60にて表示出力するための電力が蓄電部34に供給されて蓄積されていくが、非接触通信によって取得された電力が蓄電部34に蓄積され始めると、非接触通信によって取得された電力の多くが蓄電部34に供給されることにより表示制御部50の電源電圧が低下していき、表示制御部50の電源電圧が駆動電圧を下回ってしまう虞がある。そこで本形態においては、電源監視部40において、表示制御部50の電源電圧が監視され、表示制御部50の電源電圧に応じて、蓄電部34への電力の供給のON/OFFが切り替えられるので、表示制御部50に供給される電力による電源電圧が、表示制御部50における駆動電圧を下回ってしまうことを回避できることとなる。
【0041】
ここで、電源監視部40における蓄積部34への電力の蓄積のON/OFF制御について詳細に説明する。
【0042】
図4は、
図1に示した非接触通信媒体1における蓄積部34への電力の蓄積のON/OFF制御を説明するための図である。なお、
図4においては、蓄電部34の蓄電量を実線で示し、表示制御部50の電源電圧を一点鎖線で示している。
【0043】
上述したように、非接触通信によって取得された電力が蓄電部34に供給されて蓄積され始めると、非接触通信によって取得された電力の多くが蓄電部34に供給されることにより表示制御部50の電源電圧が低下していく。そして、表示制御部50の電源電圧が、表示制御部50が安定駆動するための駆動電圧を下回りそうになった場合に、蓄電部34への電力の供給をOFFとし、蓄電部34への電力の蓄積を停止する。
【0044】
例えば、
図4に示すように、非接触通信によって取得された電力が時刻t0で蓄電部34に蓄積され始めると、蓄電部34における蓄電量が増加していくとともに、表示制御部50の電源電圧が低下していく。そして、表示制御部50が安定駆動するための駆動電圧を下回りそうになったと判断するための電圧として、表示制御部50が安定駆動するための駆動電圧V0に対して上回っている差分が第1の所定値V1以下となった時刻t1において、蓄電部34への電力の供給をOFFとする。
【0045】
すると、蓄電部34における蓄電量の増加が停止する一方で、表示制御部50の電源電圧が上昇していき、表示制御部50の電源電圧が、表示制御部50が安定駆動するための駆動電圧を安定して上回ったと判断するための電圧として、表示制御部50が安定駆動するための駆動電圧V0に対して上回っている差分が第2の所定値V2以上となった時刻t2において、蓄電部34への電力の供給をONとする。
【0046】
この処理を、蓄電部34における蓄電量が、表示部60にて情報を表示するために十分なものとなるまで行うことで、非接触通信によって取得された電力を、表示部60にて情報を表示するために蓄積する構成を有しながらも、非接触通信によって表示制御部50に供給される電力による電圧が、表示制御部50における駆動電圧を下回ってしまうことを回避できる。
【0047】
なお、蓄電部34における蓄電量が一旦フル状態となった後は、蓄電部34の状態が安定することから、蓄電部34への電力の供給をONとしたままであっても、表示制御部50の電源電圧が駆動電圧を下回ってしまうことはなくなる。
【0048】
(他の実施の形態)
図5は、本発明の非接触通信媒体の他の実施の形態を示すブロック図である。
【0049】
本形態は
図5に示すように、
図1に示した表示部60内に蓄電部を有する構成において、その蓄電部への電力の供給のON/OFFを制御するものである。本形態においては、表示部60内に、昇圧制御回路61と、昇圧回路62と、昇圧蓄電部63と、駆動処理部64と、駆動蓄電部65と、表示媒体66とが設けられている。また、本形態においては、表示制御部50内に電源監視部40が設けられた構成となっている。電源部110は、
図1に示した第一電源部20及び第二電源部30と同様のものである。
【0050】
表示媒体66は、表示制御部50から表示部60に供給される電圧よりも高い電圧によって情報を表示するものである。
【0051】
昇圧回路62は、表示制御部50から供給された電力による電圧を、表示媒体66にて情報を表示するために必要となる電圧に昇圧させるものであり、昇圧制御回路61は、昇圧回路62における昇圧動作を制御するものである。昇圧蓄電部63は、昇圧回路62にて電圧を昇圧するために、表示制御部50から供給された電力を蓄積するものである。
【0052】
駆動処理部64は、表示媒体66を駆動させ、情報を表示させるものであり、駆動蓄電部65は、駆動処理部64を駆動させるために、表示制御部50から供給された電力を蓄積するものである。
【0053】
上記のように構成された非接触通信媒体101においては、昇圧回路62にて電圧を昇圧させるためや、駆動処理部64を駆動させるために、表示制御部50から供給された電力を昇圧蓄電部63や駆動蓄電部65に蓄積する必要がある。その際、
図1に示したものと同様に、電源監視部40において表示制御部50の電源電圧を監視しておき、表示制御部から供給された電力が昇圧蓄電部63や駆動蓄電部65に蓄積されることで、表示制御部50の電源電圧が、表示制御部50が安定駆動するための駆動電圧を下回りそうになった場合に、表示制御部50から表示部60への電力の供給を停止することで、昇圧蓄電部63や駆動蓄電部65への電力の供給をOFFとして昇圧蓄電部63や駆動蓄電部65への電力の蓄積を停止し、それにより、表示制御部50に電源部110から供給される電力による電源電圧が、表示制御部50における駆動電圧を下回ってしまうことを回避できることとなる。その後、電源監視部40において表示制御部50の電源電圧を引き続き監視し、表示制御部50の電源電圧が、表示制御部50が安定駆動するための駆動電圧を安定して上回った場合に、表示制御部50から表示部60への電力の供給を再開することで、昇圧蓄電部63や駆動蓄電部65への電力の供給をONとして昇圧蓄電部63や駆動蓄電部65への電力の蓄積を再開し、この処理を繰り返すことで、表示制御部50の電源電圧が駆動電圧を下回ってしまうことを回避しながらも、昇圧回路62にて電圧を昇圧させるための電力を昇圧蓄電部63に蓄積するとともに、駆動処理部64を駆動させるための電力を駆動蓄電部65に蓄積することができるようになる。
【0054】
なお、本形態の構成及び動作は、
図1に示した非接触通信媒体1の表示部60に適用することが考えられる。
【0055】
その場合は、まず、表示制御部50に電力が供給されて表示制御部50が安定駆動した後、蓄電部34への電力の蓄積が開始されるとともに、表示部60へも表示制御部50を介して電力が供給される。
【0056】
そして、表示部60において、昇圧回路62にて電圧を昇圧させるための電力が昇圧蓄電部63に蓄積されるとともに、駆動処理部64を駆動させるための電力が駆動蓄電部65に蓄積されていく。その際、上述したように、表示制御部50の電源電圧に応じて、昇圧蓄電部63及び駆動蓄電部65への電力の供給及びそれによる蓄電のON/OFFが切り替えられながら、昇圧蓄電部63及び駆動蓄電部65に電力が蓄積されていく。
【0057】
また、蓄電部34への電力の供給及びそれによる蓄電においても、表示制御部50の電源電圧に応じてON/OFFを切り替えながら行われ、蓄電部34における蓄電量が、表示部60にて情報を表示するために十分なものとなった後、表示部60に情報が表示されることとなる。
【0058】
なお、上述したように、表示部60においては情報記憶部25に記憶された情報が表示出力されているが、情報記憶部25に非接触通信によらずに記憶された情報であっても、上述した処理にて表示部60に表示して構わない。
【0059】
また、上述した実施の形態においては、出力手段として、情報を表示出力する表示部60を例に挙げて説明したが、情報を音声出力するもの等、比較的大きな電力を必要とするものであっても、本発明を適用することができる。