(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記補強部材における前記幅方向の両端は、それぞれ、前記複数の貫通孔のうちの1つの貫通孔の周囲を囲むように環状に形成されており、当該貫通孔に対して固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の汚濁防止装置。
前記シート部材における前記フロートに近い側の端部は、折り曲げられることで、前記補強部材収容空間を形成するシート袋部分と、前記シート袋部分よりも前記フロートから遠い位置において前記シート部材同士が重なり合うシート重複部分とを有し、
前記貫通孔は、前記シート重複部分に形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の汚濁防止装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1や特許文献2には明示されていないが、汚濁防止膜に貫通孔を設け、貫通孔に貫挿された連結部材によって汚濁防止膜をフロートに連結する構成が考えられる。しかしながら、当該構成を採用した場合、汚濁防止膜における貫通孔の周辺部分に負荷が集中し、汚濁防止膜における貫通孔の周辺部分が破損し得る。
【0005】
本発明の目的は、汚濁防止膜における貫通孔の周辺部分の破損を防止することができる汚濁防止装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明
の第1観点に係る汚濁防止装置は、水面に浮かぶフロートと、前記フロートから水中に垂下して水域を区画する汚濁防止膜とを備えた汚濁防止装置において、前記汚濁防止膜は、当該汚濁防止膜を前記フロートに連結するための連結部材が貫挿される
複数の貫通孔
であって、水面に沿う前記汚濁防止膜の幅方向に配列した複数の貫通孔を有し、
前記幅方向に延在し、前記
複数の貫通孔と前記フロートとの間に配置される補強部材
であって、前記幅方向の端部が前記複数の貫通孔のうちの1つの貫通孔の周囲を囲むように環状に形成されかつ当該貫通孔に対して固定された補強部材をさらに備えたことを特徴とする。
本発明の第2観点に係る汚濁防止装置は、水面に浮かぶフロートと、前記フロートから水中に垂下して水域を区画する汚濁防止膜とを備えた汚濁防止装置において、前記汚濁防止膜は、前記汚濁防止膜を前記フロートに連結するための連結部材が貫挿される貫通孔を有し、前記貫通孔と前記フロートとの間に配置される補強部材をさらに備え、前記汚濁防止膜を構成するシート部材は、袋状に閉じられており、前記補強部材が配置される補強部材収容空間を形成していることを特徴とする。
本発明の第3観点に係る汚濁防止装置は、水面に浮かぶフロートと、前記フロートから水中に垂下して水域を区画する汚濁防止膜とを備えた汚濁防止装置において、前記汚濁防止膜は、前記汚濁防止膜を前記フロートに連結するための連結部材が貫挿される貫通孔を有し、前記貫通孔と前記フロートとの間に配置される補強部材をさらに備え、前記フロートは、フロート部材と、前記フロート部材を覆うカバーとを含み、前記カバーは、袋状に閉じられており、前記フロート部材が配置されるフロート部材収容空間を形成するカバー袋部分と、前記汚濁防止膜における前記貫通孔が形成された部分を挟持するように前記カバー同士が重なり合うカバー重複部分とを有し、前記カバー重複部分における前記貫通孔と対向する部分に、前記連結部材が挿入される挿入孔が形成されており、前記挿入孔及び前記貫通孔に挿入された前記連結部材によって前記カバー重複部分が前記汚濁防止膜に連結されており、前記フロート部材収容空間において前記フロート部材の外側かつ前記汚濁防止膜の外側に前記補強部材が配置されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、貫通孔とフロートとの間に補強部材を設けたことで、汚濁防止膜における貫通孔の周辺部分への負荷の集中が抑制され、汚濁防止膜における貫通孔の周辺部分の破損を防止することができる。
【0008】
本発明の第1観点では、複数の前記貫通孔が、水面に沿う前記汚濁防止膜の幅方向に配列し、前記補強部材は、前記幅方向に延在し、前記複数の貫通孔と前記フロートとの間に配置されて
いる。上記構成によれば、補強部材が、複数の貫通孔の配列方向である汚濁防止膜の幅方向に延在し、複数の貫通孔とフロートとの間に配置されることで、汚濁防止膜における各貫通孔の周辺部分にかかる負荷を幅方向に分散することができる。これにより、汚濁防止膜における各貫通孔の周辺部分への負荷の集中が抑制され、汚濁防止膜における各貫通孔の周辺部分の破損を防止することができる。
【0009】
本発明の第1観点では、前記補強部材における前記幅方向の端部は、前記複数の貫通孔のうちの1つの貫通孔の周囲を囲むように環状に形成されており、当該貫通孔に対して固定されて
いる。上記構成によれば、補強部材を、貫通孔に関する加工とは別の手段で固定する場合に比べ、構成を簡素化することができる。
【0010】
前記補強部材における前記幅方向の両端は、それぞれ、前記複数の貫通孔のうちの1つの貫通孔の周囲を囲むように環状に形成されており、当該貫通孔に対して固定されてよい。上記構成によれば、汚濁防止膜における各貫通孔の周辺部分にかかる負荷を幅方向に均等に分散することができ、汚濁防止膜における各貫通孔の周辺部分の破損をより確実に防止することができる。
【0011】
前記貫通孔に対してハトメ部材が取り付けられてよい。上記構成によれば、汚濁防止膜における貫通孔の周辺部分がハトメ部材により補強されることで、汚濁防止膜における貫通孔の周辺部分の破損をより確実に防止することができる。
【0012】
本発明の第2観点では、前記汚濁防止膜を構成するシート部材は、袋状に閉じられており、前記補強部材が配置される補強部材収容空間を形成して
いる。上記構成によれば、補強部材の設置が容易である。
【0013】
前記シート部材における前記フロートに近い側の端部は、折り曲げられることで、前記補強部材収容空間を形成するシート袋部分と、前記シート袋部分よりも前記フロートから遠い位置において前記シート部材同士が重なり合うシート重複部分とを有し、前記貫通孔は、前記シート重複部分に形成されてよい。上記構成によれば、貫通孔がシート重複部分に形成されることで、汚濁防止膜における貫通孔の周辺部分の強度が大きくなり、汚濁防止膜における貫通孔の周辺部分の破損をより確実に防止することができる。
【0014】
前記フロートは、フロート部材と、前記フロート部材を覆うカバーとを含み、前記カバーは、袋状に閉じられており、前記フロート部材が配置されるフロート部材収容空間を形成するカバー袋部分と、前記汚濁防止膜における前記貫通孔が形成された部分を挟持するように前記カバー同士が重なり合うカバー重複部分とを有し、前記カバー重複部分における前記貫通孔と対向する部分に、前記連結部材が挿入される挿入孔が形成されており、前記挿入孔及び前記貫通孔に挿入された前記連結部材によって前記カバー重複部分が前記汚濁防止膜に連結されてよい。上記構成によれば、フロートのカバーにカバー重複部分を設け、カバー重複部分における貫通孔と対向する部分に連結部材が挿入される挿入孔を設けたことで、汚濁防止膜をフロートに連結する作業が容易になる。
【0015】
本発明の第3観点では、前記フロートは、フロート部材と、前記フロート部材を覆うカバーとを含み、前記カバーは、袋状に閉じられており、前記フロート部材が配置されるフロート部材収容空間を形成するカバー袋部分と、前記汚濁防止膜における前記貫通孔が形成された部分を挟持するように前記カバー同士が重なり合うカバー重複部分とを有し、前記カバー重複部分における前記貫通孔と対向する部分に、前記連結部材が挿入される挿入孔が形成されており、前記挿入孔及び前記貫通孔に挿入された前記連結部材によって前記カバー重複部分が前記汚濁防止膜に連結されており、前記フロート部材収容空間において、前記フロート部材の外側、かつ、前記汚濁防止膜の外側に、前記補強部材が配置されて
いる。上記構成によれば、フロートのカバーにカバー重複部分を設け、カバー重複部分における貫通孔と対向する部分に連結部材が挿入される挿入孔を設けたことで、汚濁防止膜をフロートに連結する作業が容易になる。さらに、上記構成によれば、フロート部材収容空間においてフロート部材の外側かつ汚濁防止膜の外側に補強部材が配置されており、シート部材が袋状に閉じられることで形成された補強部材収容空間に補強部材が配置される構成に比べ、補強部材の設置がさらに容易である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、貫通孔とフロートとの間に補強部材を設けたことで、汚濁防止膜における貫通孔の周辺部分への負荷の集中が抑制され、汚濁防止膜における貫通孔の周辺部分の破損を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
先ず、
図1〜
図5を参照し、本発明の第1実施形態に係る汚濁防止装置1について説明する。
【0019】
図1に示すように、汚濁防止装置1は、汚濁防止膜10と、下部に汚濁防止膜10が取り付けられたフロート20と、汚濁防止膜10を所定の位置に保持するための複数のアンカーブロック40とを含む。
【0020】
汚濁防止膜10は、海洋(又は、河川、湖沼等)100において汚濁水の流入や汚染水域の拡大を防止するために、フロート20から水中に垂下して水域を区画している。
【0021】
フロート20は、海洋(又は、河川、湖沼等)100の水面100aに浮かび、水面100aに沿う汚濁防止膜10の幅方向(以下、単に「幅方向」という。)に延在している。
【0022】
複数のアンカーブロック40は、汚濁防止膜10に対して、汚濁防止膜10の厚み方向(以下、単に「厚み方向」という。)に一対として、幅方向に間隔をなして複数対設けられている。複数のアンカーブロック40は、それぞれ、海洋(又は、河川、湖沼等)100の水中に沈められ、ロープ41を介して汚濁防止膜10の上端部分に連結されている。汚濁防止膜10に対して、幅方向に間隔をなした複数箇所において、一対のロープ41が汚濁防止膜10の厚み方向の両面に取り付けられている。
【0023】
汚濁防止膜10の上端部分には、複数の貫通孔11が幅方向に配列して形成されている。各貫通孔11には、汚濁防止膜10をフロート20に連結するためのロープ50が貫挿されている。
【0024】
以下、
図2〜
図4を参照し、汚濁防止膜10及びフロート20の構成について詳細に説明する。
【0025】
フロート20は、
図2に示すように、幅方向に間隔をなして配置された複数のフロート部材21と、複数のフロート部材21を覆う筒状のカバー22とを含む。各フロート部材21は、例えば、樹脂発泡体(発泡ポリスチレン等)からなる円柱状の部材である。カバー22は、例えば、ターポリンシート(ポリエステル製の基布の両面を塩化ビニルでコーティングして形成されたシート)からなる円筒状の部材である。
【0026】
汚濁防止膜10は、
図2に示すように、複数のシート部材10aを幅方向に接合して構成されている。複数のシート部材10aは、例えば、幅方向に対向する側部同士を接着剤により接着すること、又は、幅方向に対向する側部同士をD環付金具、シャックル等の接続部材を用いて接続することにより、幅方向に接合されている。このとき、側部同士を重ね合わせてもよいし、側部同士を重ね合わせずに突き合わせてもよい。
【0027】
各シート部材10aは、コンベヤベルトとして用いられるスチール心線入りゴム製シート等ではなく、繊維で補強された薄型の加硫ゴムシート(例えば、三ツ星ベルト株式会社製「ミズシートS」:EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)製のシートをポリエステル基布で補強したもの)(ここで、「ミズシート」は登録商標である。)からなる。これにより、汚濁防止膜10が軽量化され、汚濁防止膜10における貫通孔11の周辺部分への負荷の低減、汚濁防止膜10の施工時の作業性向上等が実現される。
【0028】
各シート部材10aの上端部分(フロート20に近い側の端部)は、折り曲げられ、折曲部分10yを構成している。折曲部分10yは、
図3及び
図4に示すように、袋状に閉じられており、幅方向に沿ったワイヤ収容空間10xを形成するシート袋部分10y1と、シート袋部分10y1よりも下方(フロート20から遠い位置)においてシート部材10a同士が厚み方向に接触して重なり合うシート重複部分10y2とを有する。シート重複部分10y2において、シート部材10a同士は接着剤(ブチルゴム系の接着剤等)で接着されている。
【0029】
複数の貫通孔11は、シート重複部分10y2にハトメ加工を行うことで形成されている。つまり、各貫通孔11には、
図3及び
図4に示すように、ハトメ部材11hが取り付けられている。ハトメ部材11hは、海水で腐食され難い材料(真鍮、ステンレス等)からなることが好ましい。
【0030】
ワイヤ収容空間10xには、
図4に示すように、ワイヤ30が配置されている。ワイヤ30は、例えばSUS等の金属からなる。ワイヤ30は、幅方向に延在し、
図2及び
図3に示すように、複数の貫通孔11とフロート20との間に配置されている。本実施形態では、
図2に示すように、各シート部材10aを幅方向に2つに分割してなる領域A,Bのそれぞれに対してワイヤ30が設けられている。即ち、各シート部材10aに対して2つのワイヤ30が設けられている。
【0031】
各ワイヤ30における幅方向の両端30x,30yは、それぞれ、複数の貫通孔11のうちの1つの貫通孔11の周囲を囲むように環状に形成されており、当該貫通孔11に対して固定されている。具体的には、ワイヤ30の両端30x,30yは、それぞれ、
図3に示すように、当該貫通孔11に対して設けられたハトメ部材11hの外周に沿って環状に形成されており、ハトメ部材11hを介して貫通孔11に対して固定されている。両端30x,30yの末端30aは、ストランド及び素線がばらされて環状部分の根本に巻回された状態で、金具35によって根本に固定されている。
【0032】
各ワイヤ30における両端30x,30y以外の部分は、複数の貫通孔11及びこれに対応するハトメ部材11hの上方において、幅方向に延在している。
【0033】
次いで、
図5を参照し、汚濁防止装置1の施工方法について説明する。
【0034】
先ず、汚濁防止膜10を構成する複数のシート部材10aを作製し、各シート部材10aの上端部分に折曲部分10yを形成する(S1)。具体的には、複数のシート部材10aのそれぞれを、例えば、複数枚の加硫ゴムシート(例えば、三ツ星ベルト株式会社製「ミズシートS」)をプレス加工により接合して所定の幅に切断することにより、作製する。そして、各シート部材10aの上端部分を折り曲げ、その端部とこれに厚み方向に対向する部分とを接着剤(ブチルゴム系の接着剤等)で接着することにより、折曲部分10y(シート袋部分10y1及びシート重複部分10y2)を形成する。
【0035】
S1の後、各シート部材10aのワイヤ収容空間10xにワイヤ30を挿入する(S2)。具体的には、各シート部材10aに対して、2つのワイヤ30を、幅方向の両側から、シート部材10aの上端部分に形成されたシート袋部分10y1のワイヤ収容空間10xに挿入する。なお、S2で用いられるワイヤ30は、予め、SUS等の金属からなるワイヤロープを所定の長さに切断し、その両端30x,30yを末端30aのストランド及び素線をばらした状態でそれぞれ環状に形成し、その後末端30aのストランド及び素線を環状部分の根本に巻回して金具35によって根本に固定したものである。
【0036】
S2の後、ハトメ加工を行う(S3)。具体的には、各シート部材10aにおけるシート重複部分10y2に、幅方向に所定間隔をなして、複数の貫通孔11を形成すると共に各貫通孔11にハトメ部材11hを取り付ける。このとき、複数の貫通孔11及びこれに対応するハトメ部材11hを、各ワイヤ30における両端30x,30y以外の部分よりも下方に設ける。また、各ワイヤ30の両端30x,30yの位置に設けられるハトメ部材11hを、両端30x,30yの環状部分がその外周に沿うように、取り付ける。これにより、各ワイヤ30の両端30x,30yが、ハトメ部材11hを介して貫通孔11及びシート部材10aに対して固定される。
【0037】
S3の後、複数のシート部材10aを、例えば、幅方向に対向する側部同士を接着剤により接着すること、又は、幅方向に対向する側部同士をD環付金具、シャックル等の接続部材を用いて接続することにより、幅方向に接合する(S4)。これにより、汚濁防止膜10が完成する。
【0038】
S4の後、複数のフロート部材21に汚濁防止膜10を連結させる(S5)。具体的には、汚濁防止膜10の各貫通孔11にロープ50を貫挿し、ロープ50を介して各貫通孔11に対して1つのフロート部材21を連結させる。
【0039】
S5の後、複数のフロート部材21をカバー22で被覆する(S6)。
【0040】
S6の後、互いに連結された汚濁防止膜10及びフロート20を、例えば船積みすることで、現地(汚濁防止装置1を設置すべき場所)へ運搬する(S7)。
【0041】
S7の後、汚濁防止膜10にロープ41を介してアンカーブロック40を取り付け、汚濁防止装置1を現地に設置する(S8)。
【0042】
以上に述べたように、本実施形態によれば、貫通孔11とフロート20との間にワイヤ30を設けたことで、汚濁防止膜10における貫通孔11の周辺部分への負荷の集中が抑制され、汚濁防止膜10における貫通孔11の周辺部分の破損を防止することができる。
【0043】
複数の貫通孔11が、水面100aに沿う汚濁防止膜10の幅方向に配列し、ワイヤ30は、幅方向に延在し、複数の貫通孔11とフロート20との間に配置されている。上記構成によれば、ワイヤ30が、複数の貫通孔11の配列方向である汚濁防止膜10の幅方向に延在し、複数の貫通孔11とフロート20との間に配置されることで、汚濁防止膜10における各貫通孔11の周辺部分にかかる負荷を幅方向に分散することができる。これにより、汚濁防止膜10における各貫通孔11の周辺部分への負荷の集中が抑制され、汚濁防止膜10における各貫通孔11の周辺部分の破損を防止することができる。
【0044】
ワイヤ30における幅方向の端部30x,30yは、複数の貫通孔11のうちの1つの貫通孔11の周囲を囲むように環状に形成されており、当該貫通孔11に対して固定されている。上記構成によれば、ワイヤ30を、貫通孔11に関する加工(本実施形態では、ハトメ加工)とは別の手段で固定する場合に比べ、構成を簡素化することができる。
【0045】
ワイヤ30における幅方向の両端30x,30yは、それぞれ、複数の貫通孔11のうちの1つの貫通孔11の周囲を囲むように環状に形成されており、当該貫通孔11に対して固定されている。上記構成によれば、汚濁防止膜10における各貫通孔11の周辺部分にかかる負荷を幅方向に均等に分散することができ、汚濁防止膜10における各貫通孔11の周辺部分の破損をより確実に防止することができる。
【0046】
貫通孔11に対してハトメ部材11hが取り付けられている。上記構成によれば、汚濁防止膜10における貫通孔11の周辺部分がハトメ部材11hにより補強されることで、汚濁防止膜10における貫通孔11の周辺部分の破損をより確実に防止することができる。
【0047】
汚濁防止膜10を構成するシート部材10aは、袋状に閉じられており、ワイヤ30が配置されるワイヤ収容空間10xを形成している。上記構成によれば、ワイヤ30の設置が容易である。
【0048】
シート部材10aの上端部分(フロート20に近い側の端部)は、折り曲げられることで、ワイヤ収容空間10xを形成するシート袋部分10y1と、シート袋部分10y1よりも下方(フロート20から遠い位置)においてシート部材10a同士が重なり合うシート重複部分10y2とを有する。貫通孔11は、シート重複部分10y2に形成されている。上記構成によれば、貫通孔11がシート重複部分10y2に形成されることで、汚濁防止膜10における貫通孔11の周辺部分の強度が大きくなり、汚濁防止膜10における貫通孔11の周辺部分の破損をより確実に防止することができる。
【0049】
<第2実施形態>
続いて、
図6〜
図9を参照し、本発明の第2実施形態に係る汚濁防止装置201について説明する。
【0050】
第2実施形態は、フロートの構成、汚濁防止膜とフロートとの連結構成等が第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同じである。以下、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0051】
本実施形態のフロート220は、
図6に示すように、第1実施形態と同様の複数のフロート部材21と、複数のフロート部材21を覆うカバー222とを含む。カバー222は、例えば、シート部材10aと同様、繊維で補強された薄型の加硫ゴムシート(例えば、三ツ星ベルト株式会社製「ミズシートS」:EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)製のシートをポリエステル基布で補強したもの)からなる。
【0052】
カバー222は、
図7及び
図8に示すように、袋状に閉じられており、複数のフロート部材21が配置されるフロート部材収容空間222xを形成するカバー袋部分222y1と、汚濁防止膜10における貫通孔11が形成された部分を挟持するようにカバー222同士が重なり合うカバー重複部分222y2とを有する。
【0053】
カバー重複部分222y2には、
図8に示すように、各貫通孔11と対向する部分に、挿入孔211が形成されている。各挿入孔211は、カバー重複部分222y2にハトメ加工を行うことで形成されている。つまり、各挿入孔211には、各貫通孔11に設けられたハトメ部材11hと同様のハトメ部材211hが取り付けられている。挿入孔211及び貫通孔11に挿入されたボルト250によって、カバー重複部分222y2が汚濁防止膜10に連結されている。
【0054】
次いで、
図9を参照し、汚濁防止装置201の施工方法について説明する。
【0055】
先ず、第1実施形態と同じS1〜S4の工程を行う。S4の後、汚濁防止膜10の上部に、複数のフロート部材21を幅方向に間隔をなして配置する(S25)。
【0056】
S25の後、複数のフロート部材21をカバー222で被覆し、ボルト250を挿入孔211及び貫通孔11に挿入してカバー重複部分222y2に対して固定することで、カバー重複部分222y2を、ワイヤ30の両端30x,30y及び汚濁防止膜10に連結させる(S26)。なお、S26で用いられるカバー222は、予め、複数枚の加硫ゴムシート(例えば、三ツ星ベルト株式会社製「ミズシートS」)をプレス加工により接合して所定の幅に切断することにより作製され、ハトメ加工が行われた(即ち、複数の挿入孔211を形成すると共に各挿入孔211にハトメ部材211hが取り付けられた)ものである。
【0057】
S26の後、第1実施形態と同じS7及びS8の工程を行う。
【0058】
以上に述べたように、本実施形態によれば、第1実施形態と異なる効果として、フロート220のカバー222にカバー重複部分222y2を設け、カバー重複部分222y2における貫通孔11と対向する部分にボルト250が挿入される挿入孔211を設けたことで、汚濁防止膜10をフロート220に連結する作業が容易になるという効果が得られる。具体的には、第1実施形態では、汚濁防止膜10をフロート20に連結するため、貫通孔11にロープ50を貫挿させる作業とは別に、ロープ50をフロート部材21に取り付ける作業が必要となる。これに対し、第2実施形態では、貫通孔11及び挿入孔211にボルト250を挿入することで汚濁防止膜10をフロート220に連結することができ、第1実施形態に比べ、汚濁防止膜10をフロート220に連結する作業が容易である。
【0059】
<第3実施形態>
続いて、
図10及び
図11を参照し、本発明の第3実施形態に係る汚濁防止装置301について説明する。
【0060】
第3実施形態は、汚濁防止膜の構成等が第2実施形態と異なり、それ以外は第2実施形態と同じである。以下、第1実施形態又は第2実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0061】
本実施形態の汚濁防止膜310において、シート部材310aは、
図10に示すように、上端部分(フロート20に近い側の端部)が折り曲げられておらず、ワイヤ収容空間10x(
図8参照)が形成されていない。ワイヤ30は、ワイヤ収容空間10x(
図8参照)ではなく、フロート部材収容空間222xにおいて、フロート部材21の外側かつ汚濁防止膜310の外側(詳細には、シート部材310aの表面とカバー222との間)に配置されている。
【0062】
次いで、
図11を参照し、汚濁防止装置301の施工方法について説明する。
【0063】
先ず、汚濁防止膜310を構成する複数のシート部材310aを作製する(S31)。具体的には、複数のシート部材310aのそれぞれを、例えば、S1と同様、複数枚の加硫ゴムシート(例えば、三ツ星ベルト株式会社製「ミズシートS」)をプレス加工により接合して所定の幅に切断することにより、作製する。本実施形態では、各シート部材310aの上端部分に折曲部分10yを形成しない。
【0064】
S31の後、第1実施形態と同じS3及びS4の工程を行う。ただし、本実施形態では、S3の前にワイヤの挿入を行わないため、第1実施形態のS3の説明中のワイヤの記載は該当しない。
【0065】
S4の後、シート部材310aの表面に、ワイヤ30を配置する(S35)。具体的には、各シート部材310aに対して、2つのワイヤ30を、両端30x,30yの環状部分がそれぞれハトメ部材11hの外周に沿うように、配置する。
【0066】
S35の後、第2実施形態と同じS25及びS26の工程を行う。
【0067】
S26の後、第1実施形態と同じS7及びS8の工程を行う。
【0068】
以上に述べたように、本実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果が得られると共に、さらに、フロート部材収容空間222xにおいてフロート部材21の外側かつ汚濁防止膜310の外側にワイヤ30が配置されており、シート部材310aが袋状に閉じられることで形成されたワイヤ収容空間10xにワイヤ30が配置される構成(
図4及び
図8参照)に比べ、ワイヤ30の設置がさらに容易である。具体的には、第1実施形態や第2実施形態では、ワイヤ収容空間10xにワイヤ30を挿入する作業(S2)が必要であり、当該作業に手間が掛かり得る。これに対し、第3実施形態では、ワイヤ収容空間10xにワイヤ30を挿入する作業(S2)が不要であり、シート部材310aの表面にワイヤ30を配置する(S35)という簡単な作業ですみ、当該作業に手間が掛からず、第1実施形態や第2実施形態に比べ、ワイヤ30の設置がさらに容易である。
【0069】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0070】
・貫通孔は、重複部分に形成されることに限定されず、例えば折曲部分以外の部分に形成されてもよい(第3実施形態:
図10参照)。
・貫通孔や挿入孔に対してハトメ部材を取り付けなくてもよい。
・貫通孔の数、形状、配置等は、特に限定されない。
・補強部材は、シート部材が袋状に閉じられることで形成された補強部材収容空間に配置されることに限定されず、第3実施形態(
図10)のようにフロートのカバーにより形成されたフロート部材収容空間に配置される他、例えば折曲部分においてシート部材同士が接着された部分に配置されてもよい。
・補強部材における幅方向の両端ではなく一端のみが環状に形成されてもよい。また、補強部材は、幅方向の端部が環状に形成されず、幅方向に直線状に延在してもよい。
・補強部材は、ワイヤのような線状の部材に限定されず、任意の形状であってよい。
・汚濁防止膜は、複数のシート部材を幅方向に接合して構成されることに限定されず、複数のシート部材を長手方向に接合して構成されてもよいし、1つのシート部材で構成されてもよい。
・本発明に係る汚濁防止装置の施工方法は、上述の実施形態に限定されない。例えば、第1及び第2実施形態では、シート部材の上端部分を折り曲げてシート重複部分を構成する部分同士を接着した後に補強部材を補強部材収容空間に挿入するが、シート部材の上端部分を折り曲げてシート部材間に補強部材を配置した後にシート重複部分を構成する部分同士を接着してもよい。
・汚濁防止膜が連結されるフロートやアンカーブロックの構成は、上述の実施形態に限定されず、任意である。