(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
使用者に雇用される従業者の過去の職務歴、過去の使用者に対しての損害関係経歴、現在の使用者に対しての損害関係経歴、現在の使用者における職務歴、割り当てる又は割り当てている職種、を含む従業者属性情報を使用者と関連付けて保持する従業者属性情報保持部と、
使用者の氏名又は名称、住所又は営業所、使用者の業種を含む使用者属性情報を保持する使用者属性情報保持部と、
使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報に応じて、保証会社が従業者に起因して生じた損害の賠償の全部または一部を補償する対価としての保証会社に対する保証料を算出するルールである保証料算出ルールを保持する保証料算出ルール保持部と、
使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報と保持されている保証料算出ルールと、に基づいて保証料を算出する保証料算出部と、
算出された保証料を使用者及び従業者ごとに保持する保証料保持部と、
を有する損害補償システム。
現在の使用者に対して損害を与えた経歴、現在の使用者における職務歴、割り当てる又は割り当てている職種、のいずれか一以上の従業者属性情報を更新する第一従業者属性情報更新部をさらに有する請求項1に記載の損害補償システム。
使用者に雇用される従業者の過去の職務歴、過去の使用者に対して損害を与えた経歴、のいずれか一以上の従業者属性情報を更新する第二従業者属性情報更新部をさらに有する請求項1又は請求項2に記載の損害補償システム。
使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報に応じて保証会社が支払う損害補償額に対する免責額を設定するルールである免責額設定ルールを保持する免責額設定ルール保持部と、
使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報と保持されている免責額設定ルールと、に基づいて使用者ごとに免責額を設定する免責額設定部と、
設定された免責額を使用者及び従業者ごとに保持する設定免責額保持部と、
をさらに有する請求項1から請求項3のいずれか一に記載の損害補償システム。
免責額設定ルール保持部に保持されている免責額設定ルールは、複数の免責額から使用者の選択によって一の免責額を設定可能なルールである請求項4に記載の損害補償システム。
使用者に雇用される従業者の過去の職務歴、過去の使用者に対しての損害関係経歴、現在の使用者に対しての損害関係経歴、現在の使用者における職務歴、割り当てる又は割り当てている職種、を含む従業者属性情報を使用者と関連付けて保持する従業者属性情報保持部と、
使用者の氏名又は名称、住所又は営業所、使用者の業種を含む使用者属性情報を保持する使用者属性情報保持部と、
使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報に応じて、保証会社が従業者に起因して生じた損害の賠償の全部または一部を補償する対価としての保証会社に対する保証料を算出するルールである保証料算出ルールを保持する保証料算出ルール保持部と、を有する計算機である損害補償システムの動作方法であって、
使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報と保持されている保証料算出ルールと、に基づいて保証料を算出する保証料算出ステップと、
算出された保証料を使用者及び従業者ごとに記録する保証料記録ステップと、
を有する計算機である損害補償システムの動作方法。
使用者に雇用される従業者の過去の職務歴、過去の使用者に対しての損害関係経歴、現在の使用者に対しての損害関係経歴、現在の使用者における職務歴、割り当てる又は割り当てている職種、を含む従業者属性情報を使用者と関連付けて保持する従業者属性情報保持部と、
使用者の氏名又は名称、住所又は営業所、使用者の業種を含む使用者属性情報を保持する使用者属性情報保持部と、
使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報に応じて、保証会社が従業者に起因して生じた損害の賠償の全部または一部を補償する対価としての保証会社に対する保証料を算出するルールである保証料算出ルールを保持する保証料算出ルール保持部と、を有する計算機である損害補償システムの動作プログラムであって、
使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報と保持されている保証料算出ルールと、に基づいて保証料を算出する保証料算出ステップと、
算出された保証料を使用者及び従業者ごとに記録する保証料記録ステップと、
を有する計算機である損害補償システムに読取り実行可能に記述した損害補償システムの動作プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【0029】
なお、実施形態1は、主に請求項1、8、9について説明する。
【0030】
また、実施形態2は、主に請求項2について説明する。
【0031】
また、実施形態3は、主に請求項3について説明する。
【0032】
なお、実施形態4は、主に請求項4について説明する。
【0033】
また、実施形態5は、主に請求項5について説明する。
【0034】
また、実施形態6は、主に請求項6について説明する。
【0035】
なお、実施形態7は、主に請求項7について説明する。
<実施形態1>
<実施形態1の概要>
【0036】
図1、
図2及び
図3(A)/(B)は、実施形態1の損害補償システムにおける概要の一例を説明するための図である。ここで、例えば
図1に示すような使用者属性情報を有する日比谷酒販チェーン株式会社(0101)が、2017年に経営する飲食店の接客係を採用するため、同種業務経験のある外国人留学生の募集を行なった。すると、周丹仁(0202)という人物が採用を希望し、
図2に示すような自身の履歴書を提出してきた。
【0037】
この
図2にあるように、周丹仁(0202)は、2015年に来日し、過去に大中飯店で2年間勤務した経歴(0204)があり、その間に損害関係経歴(0205)がなかった。日比谷酒販チェーン株式会社(0101)は周丹仁(0202)を採用とし、契約している東西保証会社に履歴書に記載された住所(0201)、氏名(0202)、連絡先電話番号(0203)、あるいは職務歴(0204)や損害関係経歴(0205)などの各項目と従業者が従事する業種(0207)や割り当てる職種(0208)を含む従業者属性情報を報告した。
【0038】
東西保証会社は、実施形態1の損害補償システムが組み込まれたコンピュータシステムから既存の日比谷酒販チェーン株式会社の使用者属性情報(0101〜0107)を呼び出し、その従業者として周丹仁の従業者属性情報(0201〜0208)を入力する。
【0039】
実施形態1の損害補償システムでは、使用者属性情報と従業者属性情報の組み合わせから、
図3(A)/(B)のような保証料算出ルールに基づいて、保証料算出処理を行う。その結果、算出された周丹仁の保証料は270円/年となり(0306)、使用者及び従業者ごとに保持する。
【0040】
そして、その保証料は、東西保証会社の端末から出力され、日比谷酒販チェーン株式会社に報告される、という具合である。
<実施形態1の構成>
【0041】
図4は、実施形態1の損害補償システムにおける機能ブロック図の一例を表す図である。この図にあるように、実施形態1の損害補償システム(0400)は、従業者属性情報保持部(0401)と、使用者属性情報保持部(0402)と、保証料算出ルール保持部(0403)と、保証料算出部(0404)と、保証料保持部(0405)と、を有する。
【0042】
なお、以下に記載する本システムの機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CD−ROMやDVD−ROMなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部やその外部周辺機器用のI/Oポート、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、情報入力に利用されるユーザーインターフェースなどが挙げられる。
【0043】
またこれらハードウェアやソフトウェアは、主メモリ上に展開したプログラムをCPUで演算処理したり、メモリやハードディスク上に保持されているデータや、インターフェースを介して入力されたデータなどを加工、蓄積、出力処理したり、あるいは各ハードウェア構成部の制御を行ったりするために利用される。また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を記録媒体に固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
<実施形態1の構成の説明>
<実施形態1の構成の説明:損害補償システム>
【0044】
以上のような構成を持つコンピュータであり、サーバである。
<実施形態1の構成の説明:従業者属性情報保持部>
【0045】
「従業者属性情報保持部」(0401)は、使用者に雇用される従業者の過去の職務歴、過去の使用者に対しての損害関係経歴、現在の使用者に対しての損害関係経歴、現在の使用者における職務歴、割り当てる又は割り当てている職種、を含む従業者属性情報を使用者と関連付けて保持するように構成されている。「従業者属性情報」としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
【0046】
図5は、この従業者属性情報保持部にて保持される従業者属性情報の一例を表す図である。この図にあるように、従業者属性情報としては、例えば、氏名(0501)や現住所(0502)、本籍または国籍(0503)、生年月日(年齢)(0504)、日本語能力(0505)、過去の使用者における職務歴(0506、0508)と使用者に対して与えた損害関係経歴(0507、0509)、現在の使用者における従業者の業種(0510)と割り当てる職種(0511)及び使用者に対して与えた損害関係経歴(0512)が挙げられる。また、図示していないが、通常の履歴書や職務経歴書同様に、その学歴や賞罰、資格の有無や種類、特技や趣味、家族構成、固定・携帯電話番号、メールアドレスなどの情報も挙げられる。
【0047】
また、上記概要例のように飲食店の接客係の求人のケースであれば、例えば日本語能力試験における認定レベルなどや、勤務態度・勤務姿勢、などの情報を従業者属性情報として保持されても良い。また、その他にも、飲酒習慣の有無・程度、喫煙習慣の有無・程度、違法薬物摂取習慣の有無・程度や、服装の乱れ、社会常識度(テスト)などの情報を保持するよう構成しても良い。
【0048】
そして、この「従業者属性情報保持部」は、例えば記憶装置やGUI(グラフィカル・ユーザーインターフェース)/CUI(コマンドライン・ユーザーインターフェース)や入力デバイスなどのユーザーインターフェース、あるいは通信ネットワーク機器などのインプット/アウトプットなどの組み合わせによって実現することができ、
図5に示すような項目ごとの情報が保持される、という具合である。
【0049】
なお、本発明において「従業者」とは、使用者から見れば現に使用者の割り当てた職種に従事している人物またはこれから採用して使用者の割り当てる職種に従事する人物であって、したがって、いわゆる派遣社員など派遣会社を経由する、直接の雇用関係にない人物も含む概念である。
<実施形態1の構成の説明:使用者属性情報保持部>
【0050】
「使用者属性情報保持部」(0402)は、使用者の氏名又は名称、住所又は営業所、使用者の業種(0603)を含む使用者属性情報を保持する機能を有し、例えば前述の従業者属性情報保持部と同様に、記憶装置やGUI/CUIや入力デバイスなどで実現することができる。そしてそれらを利用した入力によって、使用者属性情報に関しても
図6に示すような各項目の情報を保持することができる。
【0051】
図6は、この使用者属性情報保持部にて保持される使用者属性情報の一例を表す図である。この図にあるように、「使用者属性情報」としては、例えば、氏名又は名称(0601)、住所又は営業所(0602)、使用者の業種(0603)、保証期間総補償限度額(0604)、1被保証人補償限度額(0605)が挙げられる。また、図示していないが、会社の形態や日本企業または外資系企業などの情報を保持するよう構成しても良い。
<実施形態1の構成の説明:保証料算出ルール保持部>
【0052】
「保証料算出ルール保持部」(0403)は、保証料算出ルールを保持する機能を有し、例えばHDDやフラッシュメモリ、可搬型記録ディスクなどの記録媒体によって実現することができる。また、その保持されている「保証料算出ルール」とは、使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報に応じて、保証会社が従業者に起因して生じた損害の賠償の全部または一部を補償する対価としての保証会社に対する保証料を算出するためのルールをいう。
【0053】
図3(A)/(B)は、この保証料算出ルール保持部に保持されている保証料算出ルールの一例を表す概念図である。この図にあるように、保証料算出ルールは、例えば、使用者の業種(0301)であって従業者が従事する業種(0302)と、割り当てる又は割り当てている職種(0303)と、過去又は現在の使用者に対しての損害関係経歴の回数(0304)と、に応じて、東西保証会社に蓄積された1従業者当たりの平均実績損害額をスムージングして求めた1従業者当たりの平均予想損害額に保証会社の事業費回収コストを付加して、テーブル化したデータ(0305)として保持することができる。
【0054】
図3(A)/(B)において、使用者の業種にかかわらずに従業者が従事する業種で簡素化したテーブルを採用してもよいし、過去又は現在の使用者に対しての損害関係経歴の回数を過去の使用者に対しての損害関係経歴の回数と、現在の使用者に対しての損害関係経歴の回数と、にテーブルを分割してもよい。また、損害関係経歴の回数を、1回の損害額によって階層化した層別回数に分割してもよい。さらに、過去10年を超える損害関係経歴をクリアすることにしてもよい。
【0055】
図7、
図8、
図9及び
図10は、テーブル化したデータである1従業者当たりの平均実績損害額からテーブル化したデータである1従業者当たりの平均予想損害額を算出するための「スムージング」方法の一例を表す概念図である。単純化のため、テーブルはパラメータA(0701)とパラメータB(0702)の2次元のものとするが、3次元以上においても同様である。例えば、パラメータAに従業者が従事する業種(0302)をとり、パラメータBに割り当てる職種(0303)をとってもよい。
【0056】
具体的には、Aはn個の要素からなり、要素別の1従業者当たりの平均実績損害額をa
1、a
2、a
3、・・・、a
n(0703)とする。Bはm個の要素からなり、要素別の1従業者当たりの平均実績損害額をb
1、b
2、b
3、・・・、b
m(0704)とする。テーブルの交点の枠には相加平均の値を当てはめる。例えば、Aの2番目の要素とBの3番目の要素の交点の枠には、(a
2+b
3)/2(0705)を当てはめるという具合である。同様にして全ての交点の枠を埋めて、
図7を完成させる。
【0057】
図8は、交点の枠に当てはまる従業者数のテーブルとする。例えば、Aの2番目の要素(0801)とBの3番目の要素(0802)の交点の枠に当てはまる従業者数をc
23(0803)とする。ここで、従業者数×相加平均を交点の枠ごとに求める。例えば、Aの2番目の要素(0901)とBの3番目の要素(0902)の交点の枠には、c
23×(a
2+b
3)/2(0903)を当てはめるという具合である。同様にして全ての交点の枠を埋めて、
図9を完成させる。
【0058】
次に、
図9における全ての交点の枠の値を合計して、従業者数×相加平均の合計とする。さらに、この保証スキームの実績損害額合計をこの従業者数×相加平均の合計で除算することで、全体の比例定数であるKを求めることができる。
図10は、
図7のテーブルの交点の枠内にある相加平均に全体の比例定数であるKをそれぞれ乗算することで求められた1従業者当たりの平均予想損害額とする。例えば、Aの2番目の要素(1001)とBの3番目の要素(1002)の交点の枠には、K×(a
2+b
3)/2(1003)を1従業者当たりの平均予想損害額とするという具合である。
【0059】
図11、
図12、
図13及び
図14により、その計算過程を具体的数値の例示をもって説明する。要素Aを従業者が従事する業種として飲食店と酒販卸売業のみ(1101)とし、要素Bを割り当てる職種として接客係とレジ係のみ(1102)とする。
【0060】
図11は、それぞれの交点の枠に東西保証会社に蓄積された実績の損害額と該当する従業者数が表示されている。例えば、飲食店の接客係では年間の損害額2700万円(1103)、従業者数10万人(1104)という具合である。さらに、横計とあるのは飲食店又は酒販卸売業の合計(1105)であり、縦計とあるのは接客係又はレジ係の合計(1106)である。右下隅の交点の枠には総合計(1107)が入っている。
【0061】
図12は、交点の枠ごとに損害額を従業者数で除算した1従業者当たりの平均実績損害額が入る。横計と縦計と総合計の交点の枠も同様に1従業者当たりの平均実績損害額を計算する。
【0062】
次に
図13は、交点の枠ごとに横計と縦計の相加平均を計算する。例えば、飲食店の接客係では、飲食店の横計214円/人(1301)と接客係の縦計313円/人(1302)の相加平均264円/人(1303)という具合である。さらに、
図14は、従業者数×相加平均を全ての交点の枠について求めて、その総合計である5133万円(1401)を得る。実績損害額合計である5130万円(1107)をこの従業者数×相加平均の総合計である5133万円で除算することで、全体の比例定数であるK=0.9994を求めることができ、で前述したように
図13で求めた相加平均に、このKをそれぞれ乗算することで1従業者当たりの平均予想損害額とする。
<実施形態1の構成の説明:保証料算出部>
【0063】
「保証料算出部」(0404)は、使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報と保持されている保証料算出ルールと、に基づいて保証料を算出する機能を有する。この保証料算出部は、例えばCPU(中央演算装置)や主メモリなどの演算回路によって実現することができる。
【0064】
具体的には、例えばCPUの論理演算処理などによって、
図3(A)/(B)で示すようなテーブル化したデータで保持されている保証料算出ルールを、使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報とから、合致するテーブル内のデータを検索することによって保証料が算出される。
【0065】
例えば、
図3(A)/(B)で示すような保証料算出ルールの場合で、使用者の業種が酒販チェーン(0301)であって従業者が従事する業種が飲食店(0302)とし、割り当てる又は割り当てている職種が接客係(0303)とし、過去又は現在の使用者に対しての損害関係経歴の回数が無し(0304)とした場合は、保証料270円/年(0306)と求めることができる。
<実施形態1の構成の説明:保証料保持部>
【0066】
「保証料保持部」(0405)は、算出された保証料を使用者及び従業者ごとに保持する機能を有し、例えば、保証料算出ルール保持部同様に、HDDやフラッシュメモリ、可搬型記録ディスクなどの記録媒体にて実現することができる。
【0067】
図15は、保証料保持部にてデータベース化して蓄積されている保証料の一例を表す図である。この図において、日比谷酒販チェーン株式会社の従業者である周丹仁の保証料は270円/年(1501)であり、そして丸内次郎は800円/年(1502)、新橋誠は1200円/年(1503)の例が示されている。このような保証料データベースからの保証料の一覧などが、例えば保証会社の端末から出力され、使用者に報告される、という具合である。
<実施形態1のハードウェア構成>
【0068】
図16は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、従業者による損害補償システムにおける構成の一例を表す概略図である。この図を利用して従業者の保証料の算出処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、従業者による損害補償システムは、各種演算処理を行い、また保証料算出部でもあるCPU(中央演算装置)(1601)と、主メモリ(1602)と、を備えている。また従業者属性情報保持部および使用者属性情報保持部であるUI(ユーザーインターフェース)(1603)やI/O(インプット/アウトプット)(1604)、保証料算出ルール保持部および保証料保持部であるHDD」1605)も備えている。そしてそれらがシステムバスなどのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0069】
また、主メモリは、各種処理を行うためのプログラムをCPUに実行させるために読み出すと同時にそのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。また、この主メモリやHDDにはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、CPUで実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
【0070】
ここで、例えば保証会社によるUIでの入力操作によって保証料算出のためのアプリケーションの起動命令が受け付けられる。すると、まず、HDDに格納されている全部又は一部のプログラムが主メモリのワーク領域に読み出される。そして、従業者属性情報保持プログラムに従い、従業者属性情報を入力するためのGUIが図示しないディスプレイに表示される。
【0071】
そして保証会社などはそのディスプレイに表示されたGUIに、使用者より受け取った従業者属性情報を項目ごとに入力していく。または、ネットワークを介して従業者又は/及び使用者が直接端末に入力したそれら従業者属性情報を、I/Oにて受信することで、項目ごとの従業者属性情報を取得する。あるいは、既にHDDに格納されている従業者属性情報を主メモリのワーク領域に読み出す。従業者属性情報として住所、氏名、連絡先電話番号、あるいは職務歴や損害関係経歴などの履歴書記載項目、及び従業者が従事する業種や割り当てる職種などの使用者が付加する項目が含まれる。
【0072】
そして従業者属性情報保持プログラムにしたがって、取得した従業者属性情報を主メモリのアドレス1に項目毎に格納する。
【0073】
また、使用者属性情報に関しても、同様に使用者属性情報保持プログラムに従い、使用者属性情報を入力するためのGUIを利用した使用者作成の報告票の記載情報の入力や、使用者によるネットワーク経由による入力受信によって取得する。あるいは、既にHDDに格納されている使用者属性情報を主メモリのワーク領域に読み出す。
【0074】
そして、使用者属性情報保持プログラムにしたがって、取得した使用者属性情報を主メモリのアドレス2に項目毎に格納する。
【0075】
つづいて、例えば実行ボタンのクリック操作などの入力をUIにて受け付けると、保証料算出ルール保持プログラムにしたがって、CPUは既にHDDに格納されている保証料算出ルールを主メモリのアドレス3に格納する。
【0076】
つづいて、保証料算出プログラムにしたがって、主メモリのアドレス3に格納されている保証料算出ルールに基づいて、アドレス1に格納されている全部又は一部の従業者属性情報とアドレス2に格納されている全部又は一部の使用者属性情報から、保証料を算出して主メモリのアドレス4に格納する。
【0077】
そして、その算出された保証料を保証料保持プログラムにしたがって、使用者及び従業者ごとにデータベース化して、HDDのアドレス4に記録する、という具合である。
【0078】
このようにして、例えば保証会社がその保証料データベースの保証料の一覧などを図示しない「ディスプレイ」に表示させるなどして、使用者への報告とすることができる。
<実施形態1の処理の流れ>
【0079】
図17は、本実施形態の従業者による損害補償システムにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、保証料算出ルールを主メモリに読み出す(ステップS1701)。
【0080】
その後、従業者属性情報から項目の全部又は一部を取得し(ステップS1702)、また、使用者属性情報から項目の全部又は一部を取得する(ステップS1703)。
【0081】
そして、読み出されている保証料算出ルールに基づいて、取得した従業者属性情報と使用者属性情報から保証料を算出する(ステップS1704)。そして、算出した保証料を、蓄積するため例えばHDDなどの記録媒体に記録する(ステップS1705)。
<実施形態1の効果の簡単な説明>
【0082】
以上のような構成をとる本発明によって、従業者ごとの属性情報に基づく細分化された損害補償スキームにより、従来の全従業者のリスクを一律とする身元保証保険よりも、リスク実態を反映した保証料を算出することができる。
<実施形態2>
<実施形態2の概要>
【0083】
実施形態2は、上記実施形態1を基本として、さらに、実際の採用後の情報を第一従業者属性情報としてフィードバックし、保証料算出のための従業者属性情報を更新する機能を備えていることを特徴とする損害補償システムである。
【0084】
図18は、採用後の情報を第一従業者属性情報としてフィードバックし、従業者属性情報を更新する一例を説明するための概念図である。この図にあるように、日比谷酒販チェーン株式会社に採用された周丹仁は、保証期間中に損害補償事故を起こしてしまった。日比谷酒販チェーン株式会社は東西保証会社に事故報告をするとともに、割り当てている職種をレジ係に変更したことも東西保証会社に報告した。
【0085】
東西保証会社は、報告を受けた損害補償事故と割り当てている職種をレジ係に変更した情報を本実施形態の損害補償システムが組み込まれたコンピュータシステムに入力する。
【0086】
すると、
図5の従業者属性情報を再掲した
図19の左から、
図19右のように現在の使用者における損害関係経歴1(1912)を内容変更し、割り当てる職種2(1913)とその損害関係経歴2(1914)が項目追加によって更新するという具合である。
<実施形態2の構成>
【0087】
図20は、実施形態2の損害補償システムにおける機能ブロック図の一例を表す図である。この図にあるように、実施形態2の損害補償システム(2000)は、上記実施形態1を基本として、従業者属性情報保持部(2001)と、使用者属性情報保持部(2002)と、保証料算出ルール保持部(2003)と、保証料算出部(2004)と、保証料保持部(2005)と、を有し、第一従業者属性情報更新部(2006)と、をさらに有している。
【0088】
なお、これら従業者属性情報保持部と使用者属性情報保持部と保証料算出ルール保持部と保証料算出部と保証料保持部と、に関しては、上記実施形態1にて既に記載済みであるのでその説明は省略する。実施形態2の特徴点である第一従業者属性情報更新部について、以下説明する。
<実施形態2の構成の説明:第一従業者属性情報更新部>
【0089】
「第一従業者属性情報更新部」(2006)は、現在の使用者に対して損害を与えた経歴、現在の使用者における職務歴、割り当てる又は割り当てている職種、のいずれか一以上の従業者属性情報を更新する機能を有し、例えば前述の従業者属性情報保持部と同様に、記憶装置やGUI/CUIや入力デバイスなどのユーザーインターフェース、あるいは通信ネットワーク機器などのインプット/アウトプットなどによって実現することができる。
【0090】
そして、実際の採用後の情報をフィードバックすることで、経時的にリスク実態の反映精度を向上させた保証料を算出することができる。
<実施形態2のハードウェア構成>
【0091】
図21は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、従業者による損害補償システムにおける構成の一例を表す概略図である。この図を利用して第一従業者属性情報の更新処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0092】
この図にあるように、この従業者による損害補償システムは上記実施形態を基本として、CPU(2101)と主メモリ(2102)や、UI(2103)やI/O(2104)、そしてHDD(2105)を備え、システムバスなどで接続されている。なお、CPUと主メモリは本実施形態においては第一従業者属性情報更新部もさらに実現するハードウェア構成である。
【0093】
ここで、例えば保証会社によるUIでの入力操作によって第一従業者属性情報更新のためのアプリケーションの起動命令が受け付けられると、まず、HDDに格納されている第一従業者属性情報更新プログラムが主メモリのワーク領域に読み出される。そして、その第一従業者属性情報更新プログラムに従い、第一従業者属性更新情報を入力するためのGUIが図示しないディスプレイに表示される。
【0094】
そして保証会社などはそのディスプレイに表示されたGUIに、使用者より受け取った第一従業者属性更新情報を項目ごとに入力していく。または、ネットワークを介して従業者又は/及び使用者が直接端末に入力したそれら第一従業者属性更新情報を、I/Oにて受信することで、項目ごとの第一従業者属性更新情報を取得する。
【0095】
そして、第一従業者属性情報更新プログラムにしたがって、取得した第一従業者属性更新情報を主メモリのアドレス5に格納する。
【0096】
つづいて第一従業者属性情報更新プログラムにしたがって、CPUはHDDに格納されている従業者属性情報を主メモリのアドレス1に読み出し、アドレス5に格納されている第一従業者属性更新情報によって、従業者属性情報を更新し、主メモリのアドレス1に格納する。
【0097】
このようにして、例えば保証会社が採用後の情報を反映させた保証料を算出し、図示しない「ディスプレイ」に表示させるなどして、使用者への報告とすることができる。
<実施形態2の処理の流れ>
【0098】
図22は、本実施形態の従業者による損害補償システムにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0099】
ここで、本実施形態の従業者による損害補償システムは、上記実施形態1にて説明したように、まず、保証料算出ルールを主メモリに読み出す(ステップS2201)。
【0100】
その後、第一従業者属性更新情報を取得する(ステップS2202)。
【0101】
つづいて、従業者属性情報から項目の全部又は一部を取得し(ステップS2203)、それを第一従業者属性更新情報によって更新する(ステップS2204)。
【0102】
その後、上記実施形態1にて説明したように、使用者属性情報から項目の全部又は一部を取得する(ステップS2205)。
【0103】
そして、読み出されている保証料算出ルールに基づいて、更新された従業者属性情報と使用者属性情報から保証料を算出する(ステップS2206)。そして、算出した保証料を、蓄積するため例えばHDDなどの記録媒体に記録する(ステップS2207)。
<実施形態2の効果の簡単な説明>
【0104】
以上のように、実際の採用後の情報をフィードバックすることで、経時的にリスク実態の反映精度を向上させた保証料を算出することができる。
<実施形態3>
<実施形態3の概要>
【0105】
実施形態3は、上記実施形態1と実施形態2を基本として、さらに、採用前の情報に不備があった場合に、その補正情報を第二従業者属性情報としてフィードバックし、保証料算出のための従業者属性情報を更新する機能を備えていることを特徴とする損害補償システムである。
【0106】
図23は、採用前の情報に不備があった場合に、その補正情報を第二従業者属性情報としてフィードバックし、従業者属性情報を更新する一例を説明するための概念図である。この図にあるように、日比谷酒販チェーン株式会社に採用された周丹仁は、採用前の職務歴2(0508)における損害関係経歴(0509)は無しであったが、実際には過去の使用者である大中飯店に対しての損害補償事故を起こしていたことが採用後に判明した。日比谷酒販チェーン株式会社は東西保証会社に採用前の職務歴2(2408)における損害関係経歴(2409)を1回と補正したことを東西保証会社に報告した。
【0107】
東西保証会社は、報告を受けた損害関係経歴を補正した情報を本実施形態の損害補償システムが組み込まれたコンピュータシステムに入力する。
【0108】
すると、
図5の従業者属性情報を再掲した
図24の左から、
図24右のように職務歴2(2408)における過去の使用者である大中飯店に対しての損害関係経歴(2409)を内容変更して更新するという具合である。
<実施形態3の構成>
【0109】
図25は、実施形態3の損害補償システムにおける機能ブロック図の一例を表す図である。この図にあるように、実施形態3の損害補償システム(2500)は、上記実施形態1と実施形態2を基本として、従業者属性情報保持部(2501)と、使用者属性情報保持部(2502)と、保証料算出ルール保持部(2503)と、保証料算出部(2504)と、保証料保持部(2505)と、場合によっては第一従業者属性情報更新部(2506)と、を有し、第二従業者属性情報更新部(2507)と、をさらに有している。
【0110】
なお、これら従業者属性情報保持部と使用者属性情報保持部と保証料算出ルール保持部と保証料算出部と保証料保持部と第一従業者属性情報更新部と、に関しては、上記実施形態1と実施形態2にて既に記載済みであるのでその説明は省略する。実施形態3の特徴点である第二従業者属性情報更新部について、以下説明する。
<実施形態3の構成の説明:第二従業者属性情報更新部>
【0111】
「第二従業者属性情報更新部」(2507)は、使用者に雇用される従業者の過去の職務歴、過去の使用者に対して損害を与えた経歴、のいずれか一以上の従業者属性情報を更新する機能を有し、例えば前述の従業者属性情報保持部と同様に、記憶装置やGUI/CUIや入力デバイスなどのユーザーインターフェース、あるいは通信ネットワーク機器などのインプット/アウトプットなどによって実現することができる。
【0112】
そして、採用前の情報に不備があった場合に、その補正情報を第二従業者属性情報としてフィードバックすることで、経時的にリスク実態の反映精度を向上させた保証料を算出することができる。
<実施形態3のハードウェア構成>
【0113】
図26は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、従業者による損害補償システムにおける構成の一例を表す概略図である。この図を利用して第二従業者属性情報の更新処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0114】
この図にあるように、この従業者による損害補償システムは上記実施形態1と実施形態2を基本として、CPU(2601)と主メモリ(2602)や、UI(2603)やI/O(2604)、そしてHDD(2605)を備え、システムバスなどで接続されている。なお、CPUと主メモリは本実施形態においては第二従業者属性情報更新部もさらに実現するハードウェア構成である。なお、第一従業者属性情報更新部はあってもよいし、なくてもよい。
【0115】
ここで、例えば保証会社によるUIでの入力操作によって第二従業者属性情報更新のためのアプリケーションの起動命令が受け付けられると、まず、HDDに格納されている第二従業者属性情報更新プログラムが主メモリのワーク領域に読み出される。そして、その第二従業者属性情報更新プログラムに従い、第二従業者属性更新情報を入力するためのGUIが図示しないディスプレイに表示される。
【0116】
そして保証会社などはそのディスプレイに表示されたGUIに、使用者より受け取った第二従業者属性更新情報を項目ごとに入力していく。または、ネットワークを介して従業者又は/及び使用者が直接端末に入力したそれら第二従業者属性更新情報を、I/Oにて受信することで、項目ごとの第二従業者属性更新情報を取得する。
【0117】
そして、第二従業者属性情報更新プログラムにしたがって、取得した第二従業者属性更新情報を主メモリのアドレス6に格納する。
【0118】
つづいて第二従業者属性情報更新プログラムにしたがって、CPUはHDDに格納されている従業者属性情報を主メモリのアドレス1に読み出し、アドレス6に格納されている第二従業者属性更新情報によって、従業者属性情報を更新し、主メモリのアドレス1に格納する。
【0119】
このようにして、例えば保証会社が採用前の情報に不備があった場合に、その補正情報を反映させた保証料を算出し、図示しない「ディスプレイ」に表示させるなどして、使用者への報告とすることができる。
<実施形態3の処理の流れ>
【0120】
図27は、本実施形態の従業者による損害補償システムにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0121】
ここで、本実施形態の従業者による損害補償システムは、上記実施形態1にて説明したように、まず、保証料算出ルールを主メモリに読み出す(ステップS2701)。
【0122】
その後、第二従業者属性更新情報を取得する(ステップS2702)。
【0123】
つづいて、従業者属性情報から項目の全部又は一部を取得し(ステップS2703)、それを第二従業者属性更新情報によって更新する(ステップS2704)。
【0124】
その後、上記実施形態1と実施形態2にて説明したように、使用者属性情報から項目の全部又は一部を取得する(ステップS2705)。
【0125】
そして、読み出されている保証料算出ルールに基づいて、更新された従業者属性情報と使用者属性情報から保証料を算出する(ステップS2706)。そして、算出した保証料を、蓄積するため例えばHDDなどの記録媒体に記録する(ステップS2707)。
<実施形態3の効果の簡単な説明>
【0126】
以上のように、採用前の情報に不備があった場合に、その補正情報を第二従業者属性情報としてフィードバックすることで、経時的にリスク実態の反映精度を向上させた保証料を算出することができる。
<実施形態4>
<実施形態4の概要>
【0127】
実施形態4は、上記実施形態1と実施形態2と実施形態3を基本として、さらに、使用者の業種であって従業者が従事する業種と従業者属性情報に応じて損害補償額に対する免責額を設定する機能を備えていることを特徴とする損害補償システムである。
【0128】
実施形態4の損害補償システムでは、使用者属性情報と従業者属性情報の組み合わせから、
図28(A)/(B)のような免責額設定ルールに基づいて、免責額設定処理を行う。その結果、算出された周丹仁の免責額は1万円となり(2806)、使用者及び従業者ごとに保持する。
【0129】
そして、その免責額は、東西保証会社の端末から出力され、日比谷酒販チェーン株式会社に報告される、という具合である。
<実施形態4の構成>
【0130】
図29は、実施形態4の損害補償システムにおける機能ブロック図の一例を表す図である。この図にあるように、実施形態4の損害補償システム(2900)は、上記実施形態1を基本として、従業者属性情報保持部(2901)と、使用者属性情報保持部(2902)と、保証料算出ルール保持部(2903)と、保証料算出部(2904)と、保証料保持部(2905)と、を有し、免責額設定ルール保持部(2906)と、免責額設定部(2907)と、設定免責額保持部(2908)と、をさらに有している。
【0131】
なお、これら従業者属性情報保持部と使用者属性情報保持部と保証料算出ルール保持部と保証料算出部と保証料保持部と、に関しては、上記実施形態1にて既に記載済みであるのでその説明は省略する。実施形態4の特徴点である免責額設定ルール保持部と免責額設定部と設定免責額保持部について、以下説明する。
<実施形態4の構成の説明:免責額設定ルール保持部>
【0132】
「免責額設定ルール保持部」(2906)は、免責額設定ルールを保持する機能を有し、例えばHDDやフラッシュメモリ、可搬型記録ディスクなどの記録媒体によって実現することができる。また、その保持されている「免責額設定ルール」とは、使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報に応じて保証会社が支払う損害補償額に対する免責額を設定するためのルールをいう。
【0133】
図28(A)/(B)は、この免責額設定ルール保持部に保持されている免責額設定ルールの一例を表す概念図である。この図にあるように、免責額設定ルールは、例えば、使用者の業種(2801)であって従業者が従事する業種(2802)と、割り当てる又は割り当てている職種(2803)と、過去又は現在の使用者に対しての損害関係経歴の回数(2804)と、に応じて、東西保証会社にて設定したテーブル化したデータ(2805)として保持することができる。
【0134】
図28(A)/(B)において、使用者の業種にかかわらずに従業者が従事する業種で簡素化したテーブルを採用してもよいし、過去又は現在の使用者に対しての損害関係経歴の回数を過去の使用者に対しての損害関係経歴の回数と、現在の使用者に対しての損害関係経歴の回数と、にテーブルを分割してもよい。また、損害関係経歴の回数を、1回の損害額によって階層化した層別回数に分割してもよい。さらに、過去10年を超える損害関係経歴をクリアすることにしてもよい。
<実施形態4の構成の説明:免責額設定部>
【0135】
「免責額設定部」(2907)は、使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報と保持されている免責額設定ルールと、に基づいて免責額を設定する機能を有する。この設定部は、例えばCPU(中央演算装置)や主メモリなどの演算回路によって実現することができる。
【0136】
具体的には、例えばCPUの論理演算処理などによって、
図28(A)/(B)で示すようなテーブル化したデータで保持されている免責額設定ルールを、使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報とから、合致するテーブル内のデータを検索することによって免責額が設定される。
【0137】
例えば、
図28(A)/(B)で示すような免責額設定ルールの場合で、使用者の業種が酒販チェーン(2801)であって従業者が従事する業種が飲食店(2802)とし、割り当てる又は割り当てている職種が接客係(2803)とし、過去又は現在の使用者に対しての損害関係経歴の回数が無し(2804)とした場合は、免責額1万円(2806)と求めることができる。
<実施形態4の構成の説明:設定免責額保持部>
【0138】
「設定免責額保持部」(2908)は、設定された免責額を使用者及び従業者ごとに保持する機能を有し、例えば、免責額設定ルール保持部同様に、HDDやフラッシュメモリ、可搬型記録ディスクなどの記録媒体にて実現することができる。
【0139】
図30は、設定免責額保持部にてデータベース化して蓄積されている免責額の一例を表す図である。この図において、日比谷酒販チェーン株式会社の従業者である周丹仁の免責額は1万円(3001)であり、そして丸内次郎は3万円(3002)、新橋誠は3万円(3003)の例が示されている。このような免責額の一覧が、例えば保証会社の端末から出力され、使用者に報告される、という具合である。
<実施形態4のハードウェア構成>
【0140】
図31は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、従業者による損害補償システムにおける構成の一例を表す概略図である。この図を利用して損害補償額に対する免責額を設定する処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0141】
この図にあるように、この従業者による損害補償システムは上記実施形態1と実施形態2と実施形態3を基本として、CPU(3101)と主メモリ(3102)や、UI(3103)やI/O(3104)、そしてHDD(3105)を備え、システムバスなどで接続されている。なお、CPUと主メモリは本実施形態においては免責額設定部もさらに実現するハードウェア構成である。なお、第一従業者属性情報更新部及び第二従業者属性情報更新部はあってもよいし、なくてもよい。
【0142】
ここで、例えば保証会社によるUIでの入力操作によって免責額設定のためのアプリケーションの起動命令が受け付けられると、すると、まず、HDDに格納されている全部又は一部のプログラムが主メモリのワーク領域に読み出される。
【0143】
そして、免責額設定ルール保持プログラムにしたがって、CPUは既にHDDに格納されている免責額設定ルールを主メモリのアドレス5に格納する。
【0144】
つづいて、免責額設定プログラムにしたがって、主メモリのアドレス5に格納されている免責額設定ルールに基づいて、アドレス1に格納されている全部又は一部の従業者属性情報とアドレス2に格納されている全部又は一部の使用者属性情報から、免責額を設定して主メモリのアドレス6に格納する。
【0145】
そして、その設定された免責額を設定免責額保持プログラムにしたがって、使用者及び従業者ごとにデータベース化して、HDDのアドレス6に記録する、という具合である。
【0146】
このようにして、例えば保証会社がその免責額データベースの免責額の一覧などを図示しない「ディスプレイ」に表示させるなどして、使用者への報告とすることができる。
<実施形態4の処理の流れ>
【0147】
図32は、本実施形態の従業者による損害補償システムにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0148】
この図にあるように、従業者属性情報から項目の全部又は一部を取得し(ステップS3201)、また、使用者属性情報から項目の全部又は一部を取得する(ステップS3202)。
【0149】
そして、読み出されている免責額設定ルールに基づいて、取得した従業者属性情報と使用者属性情報から免責額を設定する(ステップS3203)。そして、設定した免責額を、蓄積するため例えばHDDなどの記録媒体に記録する(ステップS3204)。
<実施形態4の効果の簡単な説明>
【0150】
以上のような構成をとる本発明によって、従業者ごとの属性情報に基づく細分化された免責額設定により、多頻度少額損害に関わる損害補償実務の煩瑣を回避することができる。
<実施形態5>
<実施形態5の概要>
【0151】
実施形態5は、上記実施形態4を基本として、さらに、損害補償額に対する複数の免責額から使用者の選択によって一の免責額を設定する機能を備えていることを特徴とする損害補償システムである。
【0152】
実施形態5の損害補償システムでは、使用者属性情報と従業者属性情報の組み合わせ及び複数の免責額から使用者が選択する一の免責額から、使用者が高免責額と低免責額とから選択するのはその一例である、
図33(A)/(B)/(C)のような免責額設定ルールに基づいて、免責額設定処理を行う。その結果、算出された周丹仁の免責額は1万円となり(3307)、使用者及び従業者ごとに保持する。
【0153】
そして、その免責額は、東西保証会社の端末から出力され、日比谷酒販チェーン株式会社に報告される、という具合である。
<実施形態5の構成>
【0154】
図34は、実施形態5の損害補償システムにおける機能ブロック図の一例を表す図である。この図にあるように、実施形態5の損害補償システム(3400)は、上記実施形態4を基本として、従業者属性情報保持部(3401)と、使用者属性情報保持部(3402)と、保証料算出ルール保持部(3403)と、保証料算出部(3404)と、保証料保持部(3405)と、免責額設定ルール保持部(3406)と、免責額設定部(3407)と、設定免責額保持部(3408)と、を有している。
【0155】
なお、これら従業者属性情報保持部と使用者属性情報保持部と保証料算出ルール保持部と保証料算出部と保証料保持部と設定免責額保持部と、に関しては、上記実施形態4にて既に記載済みであるのでその説明は省略する。実施形態5の特徴点である免責額設定ルール保持部と免責額設定部とについて、以下説明する。
<実施形態5の構成の説明:免責額設定ルール保持部>
【0156】
「免責額設定ルール保持部」(3406)は、免責額設定ルールを保持する機能を有し、例えばHDDやフラッシュメモリ、可搬型記録ディスクなどの記録媒体によって実現することができる。また、その保持されている「免責額設定ルール」とは、使用者の業種であって従業者が従事する業種と使用者が雇用している従業者の従業者属性情報に応じて保証会社が支払う損害補償額に対する免責額を複数選択肢の形で提示し、使用者に選択可能とするルールをいう。
【0157】
図33(A)/(B)/(C)は、この免責額設定ルール保持部に保持されている免責額設定ルールの一例を表す概念図である。この図にあるように、免責額設定ルールは、例えば、使用者の業種(3301)であって従業者が従事する業種(3302)と、割り当てる又は割り当てている職種(3303)と、過去又は現在の使用者に対しての損害関係経歴の回数(3304)と、複数の免責額から使用者が選択する一の免責額(3305)と、に応じて、東西保証会社にて設定したテーブル化したデータ(3306)として保持することができる。
【0158】
図33(A)/(B)/(C)において、使用者の業種にかかわらずに従業者が従事する業種で簡素化したテーブルを採用してもよいし、過去又は現在の使用者に対しての損害関係経歴の回数を過去の使用者に対しての損害関係経歴の回数と、現在の使用者に対しての損害関係経歴の回数と、にテーブルを分割してもよい。また、損害関係経歴の回数を、1回の損害額によって階層化した層別回数に分割してもよい。さらに、過去10年を超える損害関係経歴をクリアすることにしてもよい。あるいは、使用者が選択する複数の免責額は例にある2とおり以外であってもよい。
【0159】
<実施形態5の構成の説明:免責額設定部>
【0160】
「免責額設定部」(3407)は、使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報と保持されている免責額設定ルールと、に基づいて免責額を設定する機能を有する。この設定部は、例えばCPU(中央演算装置)や主メモリなどの演算回路によって実現することができる。
【0161】
具体的には、例えばCPUの論理演算処理などによって、
図33(A)/(B)/(C)で示すようなテーブル化したデータで保持されている免責額設定ルールを、使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報と、複数の免責額から使用者が選択する一の免責額とから、合致するテーブル内のデータを検索することによって免責額が設定される。
【0162】
例えば、
図33(A)/(B)/(C)で示すような免責額設定ルールの場合で、使用者の業種が酒販チェーン(3301)であって従業者が従事する業種が飲食店(3302)とし、割り当てる又は割り当てている職種が接客係(3303)とし、過去又は現在の使用者に対しての損害関係経歴の回数が無し(3304)とし、2とおりの免責額から使用者が低免責額を選択(3305)した場合は、免責額1万円(3307)と求めることができる。
<実施形態5のハードウェア構成>
【0163】
図35は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、従業者による損害補償システムにおける構成の一例を表す概略図である。この図を利用して損害補償額に対する免責額を設定する処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0164】
この図にあるように、この従業者による損害補償システムは上記実施形態4を基本として、CPU(3501)と主メモリ(3502)や、UI(3503)やI/O(3504)、そしてHDD(3505)を備え、システムバスなどで接続されている。なお、CPUと主メモリは本実施形態においては免責額設定部もさらに実現するハードウェア構成である。
【0165】
ここで、例えば保証会社によるUIでの入力操作によって免責額設定のためのアプリケーションの起動命令が受け付けられると、すると、まず、HDDに格納されている全部又は一部のプログラムが主メモリのワーク領域に読み出される。
【0166】
そして、免責額設定ルール保持プログラムにしたがって、CPUは既にHDDに格納されている免責額設定ルールを主メモリのアドレス5に格納する。
【0167】
つづいて、免責額設定プログラムにしたがって、主メモリのアドレス5に格納されている免責額設定ルールに基づいて、選択しうる免責額の選択肢を、図示しないディスプレイに表示させるなどして、提示する。
【0168】
提示された免責額の複数選択肢から使用者が選択した一の免責額の選択肢を、使用者が直接または使用者の指示により保証会社などが、そのディスプレイに表示されたGUIなどにより入力し、アドレス1に格納されている全部又は一部の従業者属性情報とアドレス2に格納されている全部又は一部の使用者属性情報から、免責額を設定して主メモリのアドレス6に格納する。
【0169】
そして、その設定された免責額を設定免責額保持プログラムにしたがって、使用者及び従業者ごとにデータベース化して、HDDのアドレス6に記録する、という具合である。
【0170】
このようにして、例えば保証会社がその免責額データベースの免責額の一覧などを図示しないディスプレイに表示させるなどして、使用者への報告とすることができる。
<実施形態5の処理の流れ>
【0171】
図36は、本実施形態の従業者による損害補償システムにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0172】
この図にあるように、従業者属性情報から項目の全部又は一部を取得し(ステップS3601)、また、使用者属性情報から項目の全部又は一部を取得する(ステップS3602)。
【0173】
次いで、読み出されている免責額設定ルールに基づいて、選択しうる免責額の選択肢を提示する(ステップS3603)。
【0174】
そして、提示された複数選択肢に対する使用者の選択を受け付けする(ステップS3604)。
【0175】
そして、免責額設定ルールにおける使用者が選択した選択肢に基づいて、取得した従業者属性情報と使用者属性情報から免責額を設定する(ステップS3605)。そして、設定した免責額を、蓄積するため例えばHDDなどの記録媒体に記録する(ステップS3606)。
<実施形態5の効果の簡単な説明>
【0176】
以上のような構成をとる本発明によって、使用者のニーズに合わせた、従業者ごとの属性情報に基づく細分化された免責額設定により、多頻度少額損害に関わる損害補償実務の煩瑣を回避することができる。
<実施形態6>
<実施形態6の概要>
【0177】
実施形態6は、上記実施形態5を基本として、さらに、選択された免責額に応じて保証料を変更する機能を備えていることを特徴とする損害補償システムである。
【0178】
実施形態6の損害補償システムでは、使用者属性情報と従業者属性情報の組み合わせ及び複数の免責額から使用者が選択する一の免責額から、
図33(A)/(B)/(C)のような免責額設定ルールに基づいて、免責額が設定され、その選択された免責額に応じて保証料の変更処理をする。その結果、算出された周丹仁の保証料は220円/年となり(3806)、使用者及び従業者ごとに保持する。
【0179】
そして、その選択された免責額とそれに応じた保証料は、東西保証会社の端末から出力され、日比谷酒販チェーン株式会社に報告される、という具合である。
<実施形態6の構成>
【0180】
図37は、実施形態6の損害補償システムにおける機能ブロック図の一例を表す図である。この図にあるように、実施形態6の損害補償システム(3700)は、上記実施形態1を基本として、従業者属性情報保持部(3701)と、使用者属性情報保持部(3702)と、保証料算出ルール保持部(3703)と、保証料算出部(3704)と、保証料保持部(3705)と、免責額設定ルール保持部(3706)と、免責額設定部(3707)と、設定免責額保持部(3708)と、を有し、保証料変更ルール保持部(3709)と、保証料変更部(3710)と、をさらに有している。
【0181】
なお、これら従業者属性情報保持部と使用者属性情報保持部と保証料算出ルール保持部と保証料算出部と保証料保持部と免責額設定ルール保持部と免責額設定部と設定免責額保持部と、に関しては、上記実施形態5にて既に記載済みであるのでその説明は省略する。実施形態6の特徴点である保証料変更ルール保持部と保証料変更部とについて、以下説明する。
<実施形態6の構成の説明:保証料変更ルール保持部>
【0182】
「保証料変更ルール保持部」(3709)は、保証料変更ルールを保持する機能を有し、例えばHDDやフラッシュメモリ、可搬型記録ディスクなどの記録媒体によって実現することができる。また、その保持されている「保証料変更ルール」とは、使用者の業種であって従業者が従事する業種と、複数の免責額から使用者が選択する一の免責額と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報に応じて保証会社が支払う損害補償額に対する保証料を変更するためのルールをいう。
【0183】
図38(A)/(B)/(C)は、この保証料変更ルール保持部に保持されている保証料変更ルールの一例を表す概念図である。この図にあるように、保証料変更ルールは、例えば、使用者の業種(3801)であって従業者が従事する業種(3802)と、割り当てる又は割り当てている職種(3803)と、過去又は現在の使用者に対しての損害関係経歴の回数(3804)と、複数の免責額から使用者が選択する一の免責額(3805)と、に応じて、東西保証会社にて設定したテーブル化したデータ(3806)として保持することができる。
【0184】
図38(A)/(B)/(C)において、使用者の業種にかかわらずに従業者が従事する業種で簡素化したテーブルを採用してもよいし、過去又は現在の使用者に対しての損害関係経歴の回数を過去の使用者に対しての損害関係経歴の回数と、現在の使用者に対しての損害関係経歴の回数と、にテーブルを分割してもよい。また、損害関係経歴の回数を、1回の損害額によって階層化した層別回数に分割してもよい。さらに、過去10年を超える損害関係経歴をクリアすることにしてもよい。あるいは、使用者が選択する複数の免責額は例にある2とおり以外であってもよい。
<実施形態6の構成の説明:保証料変更部>
【0185】
「保証料変更部」(3710)は、使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報と免責額と、に基づいて保証料を変更する機能を有する。この保証料変更部は、例えばCPU(中央演算装置)や主メモリなどの演算回路によって実現することができる。
【0186】
具体的には、例えばCPUの論理演算処理などによって、
図38(A)/(B)/(C)で示すようなテーブル化したデータで保持されている保証料変更ルールを、使用者の業種であって従業者が従事する業種と、使用者が雇用している従業者の従業者属性情報と、複数の免責額から使用者が選択する一の免責額とから、合致するテーブル内のデータを検索することによって変更後の保証料が算出される。
【0187】
例えば、
図38(A)/(B)/(C)で示すような保証料変更ルールの場合で、使用者の業種が酒販チェーン(3801)であって従業者が従事する業種が飲食店(3802)とし、割り当てる又は割り当てている職種が接客係(3803)とし、過去又は現在の使用者に対しての損害関係経歴の回数が無し(3804)とし、2とおりの免責額から使用者が低免責額を選択(3805)した場合は、保証料220円/年(3807)と求めることができる。
<実施形態6のハードウェア構成>
【0188】
図39は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、従業者による損害補償システムにおける構成の一例を表す概略図である。この図を利用して保証料を変更する処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0189】
この図にあるように、この従業者による損害補償システムは上記実施形態5を基本として、CPU(3901)と主メモリ(3902)や、UI(3903)やI/O(3904)、そしてHDD(3905)を備え、システムバスなどで接続されている。
【0190】
ここで、例えば保証会社によるUIでの入力操作によって保証料変更のためのアプリケーションの起動命令が受け付けられる。すると、まず、HDDに格納されている全部又は一部のプログラムが主メモリのワーク領域に読み出される。
【0191】
そして、保証料変更ルール保持プログラムにしたがって、CPUは既にHDDに格納されている保証料変更ルールを主メモリのアドレス7に格納する。
【0192】
つづいて、保証料変更プログラムにしたがって、主メモリのアドレス7に格納されている保証料変更ルールに基づいて、アドレス1に格納されている全部又は一部の従業者属性情報と、アドレス2に格納されている全部又は一部の使用者属性情報と、アドレス6に格納されている免責額と、から変更後の保証料を算出して、主メモリのアドレス4に格納する。
【0193】
そして、その変更後の保証料を保証料保持プログラムにしたがって、使用者及び従業者ごとにデータベース化して、HDDのアドレス4に記録する、という具合である。
【0194】
このようにして、例えば保証会社がその保証料データベースの保証料の一覧などを図示しない「ディスプレイ」に表示させるなどして、使用者への報告とすることができる。
<実施形態6の処理の流れ>
【0195】
図40は、本実施形態の従業者による損害補償システムにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、保証料変更ルールを主メモリに読み出す(ステップS4001)。
【0196】
その後、従業者属性情報から項目の全部又は一部を取得し(ステップS4002)、また、使用者属性情報から項目の全部又は一部を取得する(ステップS4003)。
【0197】
次いで、読み出されている免責額設定ルールに基づいて、選択しうる免責額の選択肢を提示する(ステップS4004)。
【0198】
そして、提示された複数選択肢に対する使用者の選択を受け付けする(ステップS4005)。
【0199】
そして、免責額設定ルールにおける使用者が選択した選択肢に基づいて、取得した従業者属性情報と使用者属性情報から免責額を設定する(ステップS4006)。そして、設定した免責額を、蓄積するため例えばHDDなどの記録媒体に記録する(ステップS4007)。
【0200】
そして、読み出されている保証料変更ルールに基づいて、取得した従業者属性情報と使用者属性情報と免責額から変更後の保証料を算出する(ステップS4008)。そして、算出した保証料を、蓄積するため例えばHDDなどの記録媒体に記録する(ステップS4009)。
<実施形態6の効果の簡単な説明>
【0201】
以上のような構成をとる本発明によって、使用者のニーズに合わせた、従業者ごとの属性情報に基づく細分化された免責額設定により、多頻度少額損害に関わる損害補償実務の煩瑣を回避することができるとともに、リスク実態を反映した低廉な保証料を算出できる。
<実施形態7>
<実施形態7の概要>
【0202】
実施形態7は、上記実施形態1から実施形態6までを基本として、さらに、使用者に与えた損害の損害事由が免責事由に合致する場合は補償額の全部又は一部を免責とする機能を備えていることを特徴とする損害補償システムである。
【0203】
実施形態7の損害補償システムでは、
図41のような免責事由一覧に基づいて、免責事由に該当するか否かを判断する。例えば、保証契約締結時に使用者(法人であれば、その取締役や理事など)が、既に発生している又はその準備がされていることを知っていた損害事故は免責事由に該当するので免責であり、損害関係経歴から削除する、という具合である。なお、
図41は免責事由の一例を示すに過ぎない。
<実施形態7の構成>
【0204】
図42は、実施形態7の損害補償システムにおける機能ブロック図の一例を表す図である。この図にあるように、実施形態7の損害補償システム(4200)は、上記実施形態1を基本として、従業者属性情報保持部(4201)と、使用者属性情報保持部(4202)と、保証料算出ルール保持部(4203)と、保証料算出部(4204)と、保証料保持部(4205)と、を有し、損害事由取得部(4206)と、免責判断部(4207)と、経歴変更部(4208)と、をさらに有している。
【0205】
なお、これら従業者属性情報保持部と使用者属性情報保持部と保証料算出ルール保持部と保証料算出部と保証料保持部と、に関しては、上記実施形態1にて既に記載済みであるのでその説明は省略する。実施形態7の特徴点である損害事由取得部と免責判断部と経歴変更部とについて、以下説明する。
<実施形態7の構成の説明:損害事由取得部>
【0206】
「損害事由取得部」(4206)は、損害事由を取得する機能を有し、例えば記憶装置やGUI(グラフィカル・ユーザーインターフェース)/CUI(コマンドライン・ユーザーインターフェース)や入力デバイスなどのユーザーインターフェース、あるいは通信ネットワーク機器などのインプット/アウトプットなどの組み合わせによって実現することができる。
【0207】
図43は、この損害事由取得部で取得される損害事由の一例を表す概念図である。この図にあるように、事故発生日(4301)、事故発見日(4302)、事故概要(4303)、事故類型(4304)、損害額(4305)、使用者などの責任(4306)、保証期間(4307)及びその他の特段の事項(4308)は損害が免責事由に該当するか否かを判断するための項目のほんの一例であり、これ以外にも業種や割り当てる職種などに応じて適切な項目が考えられる。
<実施形態7の構成の説明:免責判断部>
【0208】
「免責判断部」(4207)は、損害事由と、免責事由一覧と、に基づいて免責か否かを判断する機能を有する。この免責判断部は、例えばCPU(中央演算装置)や主メモリなどの演算回路によって実現することができる。
【0209】
図41は、免責判断部によって保持され、例えばCPUの論理演算処理などによって、使用される免責事由の一例を表す概念図である。この図にあるよう免責事由はほんの一例であり、これ以外にも業種や割り当てる職種などに応じて適切な項目が考えられる。このように、一覧表化したデータで保持されている免責事由一覧を、損害事由の各項目から照合して、免責事由一覧に合致するものがある場合に免責と判断する。
【0210】
例えば、
図43で示すような損害事由の場合は、事故発生日(4301)が保証期間(4307)内であるが、仮に事故発生日(4301)が2016年3月30日であったとしたら、保証期間外の損害事故として免責と判断できる。
<実施形態7の構成の説明:経歴変更部>
【0211】
「経歴変更部」(4208)は、損害事故が免責と判断された場合に従業者属性情報の内の該当する損害関係経歴を削除する機能を有する。この経歴変更部は、例えばCPU(中央演算装置)や主メモリなどの演算回路によって実現することができる。
【0212】
図19における損害関係経歴1(1912)には、1回という値が保持されているが、この損害事故が免責と判断された場合は、経歴変更部の機能によって、
図19左のように損害関係経歴1は空欄となる。
<実施形態7のハードウェア構成>
【0213】
図44は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、従業者による損害補償システムにおける構成の一例を表す概略図である。この図を利用して免責を判断する処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0214】
この図にあるように、この従業者による損害補償システムは上記実施形態1を基本として、CPU(4401)と主メモリ(4402)や、UI(4403)やI/O(4404)、そしてHDD(4405)を備え、システムバスなどで接続されている。
【0215】
ここで、例えば保証会社によるUIでの入力操作によって免責判断のためのアプリケーションの起動命令が受け付けられる。すると、まず、HDDに格納されている全部又は一部のプログラムが主メモリのワーク領域に読み出される。そして、その損害事由取得プログラムに従い、損害事由を入力するためのGUIが図示しないディスプレイに表示される。
【0216】
そして保証会社などはそのディスプレイに表示されたGUIに、使用者より受け取った損害事由を項目ごとに入力していく。または、ネットワークを介して従業者又は/及び使用者が直接端末に入力したそれら損害事由を、I/Oにて受信することで、項目ごとの損害事由を取得する。
【0217】
そして、損害事由取得プログラムにしたがって、取得した損害事由を主メモリのアドレス5に格納する。
【0218】
そして、免責判断プログラムにしたがって、CPUは既にHDDに格納されている免責事由一覧を主メモリのアドレス6に格納する。
【0219】
つづいて、免責判断プログラムにしたがって、主メモリのアドレス6に格納されている免責判断一覧と、アドレス5に格納されている損害事由と、から免責か否かを判断する。免責と判断された場合は、経歴変更プログラムにしたがって、CPUはHDDに格納されている従業者属性情報を主メモリのアドレス1に読み出し、アドレス5に格納されている損害事由と合致する損害関係経歴を削除することによって、従業者属性情報を更新し、主メモリのアドレス1に格納する。
【0220】
そして、その更新後の従業者属性情報を経歴変更プログラムにしたがって、HDDのアドレス1に記録する、という具合である。
【0221】
このようにして、例えば保証会社がその保証料データベースの保証料の一覧などを図示しない「ディスプレイ」に表示させるなどして、使用者への報告とすることができる。
<実施形態7の処理の流れ>
【0222】
図45は、本実施形態の従業者による損害補償システムにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、保証料算出ルールを主メモリに読み出す(ステップS4501)。
【0223】
その後、損害事由を取得し(ステップS4502)、また、免責事由一覧を取得する(ステップS4503)。
【0224】
そして、取得されている損害事由を取得されている免責事由一覧と照合する(ステップS4504)。
【0225】
合致するものがあれば免責と判断する(ステップS4505)。合致するものがなければ終了。
【0226】
そして、合致するものがあれば、該当する従業者属性情報を読み出す(ステップS4506)。
【0227】
該当する損害関係経歴を削除し、従業者属性情報を更新する(ステップS4507)。
【0228】
そして、読み出されている保証料変更ルールに基づいて、取得した従業者属性情報と使用者属性情報から保証料を算出する(ステップS4508)。
【0229】
そして、算出した保証料を、蓄積するため例えばHDDなどの記録媒体に記録する(ステップS4509)。
<実施形態7の効果の簡単な説明>
【0230】
以上のような構成をとる本発明によって、免責事由の設定により、便乗リスクを含むモラルリスクなどを排除することができ、リスク実態を反映した適正な保証料を算出できる。