【文献】
Blood Detection of Alzheimer's Diseases with Multimer Detection System-Ad,Alzheimer's and Dementia,2010年 7月,Vol.6, No.4 Supplement,e43
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記凝集形−形成ポリペプチドは、Aβペプチド、tauタンパク質、プリオン、α−シヌクレイン、Ig軽鎖、血清アミロイドA、トランスサイレチン、シスタチンC、β2−マイクログロブリン、ハンチンチン、スーパーオキシドディスムターゼ、セルピン及びアミリンからなる群から選択されたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
前記凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型は、配列番号1のアミノ酸配列からなるAβペプチドまたは配列番号2のアミノ酸配列からなるα−シヌクレインであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
前記段階(b)の凝集形−形成ポリペプチドの凝集形の追加的な形成は、前記段階(a)の結果物を温度1〜50℃でインキュベーションして行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
前記段階(b)の凝集形−形成ポリペプチドの凝集形の追加的な形成は、前記段階(a)の結果物を1日〜12日間インキュベーションして行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
前記検出抗体は、前記段階(c−1)のエピトープと同一なまたはオーバーラップされたエピトープを認識する検出抗体であることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
前記検出抗体に結合された標識は、化合物標識、酵素標識、放射能標識、蛍光標識、発光標識、化学発光標識又はFRET標識であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
前記キットは、凝集形−形成ポリペプチド上のエピトープを認識する捕獲抗体と、前記捕獲抗体が認識する前記エピトープを認識する検出抗体とをさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載のキット。
前記検出抗体は、前記捕獲抗体が認識する前記エピトープと同一なまたはオーバーラップされたエピトープを認識する検出抗体であることを特徴とする、請求項22に記載のキット。
前記検出抗体に結合された標識は、化合物標識、酵素標識、放射能標識、蛍光標識、発光標識、化学発光標識又はFRET標識であることを特徴とする、請求項25に記載のキット。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書において、用語‘凝集形−形成ポリペプチド’は、マルチマー型(オリゴマー型)を形成することができるか、モノマーとの疎水性相互作用による凝集形を形成することができるポリペプチドを意味する。特に、下記構造的変化は、様々な疾患を誘発する。例えば、アルツハイマー病、クロイツフェルト−ヤコブ病、スポンジフォーム脳疾患(Spongiform encephalopathies)、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis)、セルピン欠乏症(Serpin deficiency)、肺気腫(emphysema)、肝硬変(cirrhosis)、第II型糖尿病、一次全身性アミロイドーシス、二次全身性アミロイドーシス、前頭側頭葉性痴呆(Fronto−temporal dementias)、老人性全身性アミロイドーシス、家族性アミロイドポリニューロパチー(familial amyloid polyneuropathy)、遺伝性大脳アミロイド血管症(hereditary cerebral amyloid angiopathy)及び血透析関連アミロイドーシスを含む。
【0019】
一般に、前記凝集形−形成ポリペプチドの非凝集形は、正常であり、凝集形は、疾患、特にアルツハイマー病、クロイツフェルト−ヤコブ病またはパーキンソン病のような退行性神経疾患を誘発する。
【0020】
本発明の一具現例によると、前記スパイクした(i)、(ii)または(iii)をマルチマー化させる前記生試料は、前記凝集形−形成ポリペプチドのマルチマー型の係わった疾患を有する人間の生試料であり、より好ましくは、前記生試料によってマルチマー化できるほど十分なインキュベーション時間は、凝集形−形成ポリペプチドのマルチマー型の係わった疾患を有する人間の生試料を利用して発生したシグナルを、正常の人間の生試料を利用して発生したシグナルより1.5〜20倍大きくするに十分な時間である。
【0021】
以下、生試料(biosample)の凝集形−形成ポリペプチドの凝集形を検出するための本発明の方法を段階的に詳細に説明すると、以下のようである。
【0022】
(a)
スパイクする段階
まず、本発明の方法は、分析対象の生試料に、(i)前記凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型またはマルチマー型(オリゴマー型)、(ii)前記凝集形−形成ポリペプチドの疎水性欠失体(hydrophobic deleted derivative of aggregate−forming polypeptide)、または(iii)前記凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型またはマルチマー型(オリゴマー型)と前記凝集形−形成ポリペプチドの疎水性欠失体とをスパイク(spiking)する段階を含む。
【0023】
本明細書において、用語‘生試料(biosample)’は、分析しようとする有機体由来の試料を意味する。前記生試料は、生物源の細胞、組織、または生体液、または本発明によって分析できる他のミディアム(medium)を意味し、これは、人間から採取した試料、動物から採取した試料、人間または動物のための食品から採取した試料を含む。好ましくは、分析対象の生試料は、血液、血清、血漿、リンパ、牛乳、尿、便、涙、唾液、精液、脳抽出物(例えば、脳均質液)、脊髄液(SCF)、虫垂、脾臓、および扁桃組織抽出物を含む、体内流体試料である。より好ましくは、前記生試料は、血液であり、最も好ましくは、血漿である。
【0024】
本発明の他の具現例によると、前記凝集形−形成ポリペプチドは、アルツハイマー病に関与するAβペプチドとtauタンパク質、クロイツフェルト−ヤコブ病及びスポンジフォーム脳疾患に関与するプリオン、パーキンソン病に関与するα−シヌクレイン、一次全身性アミロイドーシスに関与するIg軽鎖、二次全身性アミロイドーシスに関与する血清アミロイドA、前頭側頭葉性痴呆に関与するtauタンパク質、老人性全身性アミロイドーシスに関与するトランスサイレチン、家族性アミロイドポリニューロパシーに関与するトランスサイレチン、遺伝性大脳アミロイド血管症に関与するシスタチンC、血透析関連アミロイドーシスに関与するβ2−マイクログロブリン、ハンチントン病に関与するハンチンチン、筋萎縮性側索硬化症に関与するスーパーオキシドディスムターゼ、セルピン欠乏症、肺気腫、および肝硬変に関与するセルピン、及び第II型糖尿病に関与するアミリンを含む。より好ましくは、前記凝集形−形成ポリペプチドは、アルツハイマー病に関与するAβペプチドまたはtauタンパク質、またはパーキンソン病に関与するα−シヌクレインであり、最も好ましくは、Aβペプチドまたはα−シヌクレインである。
【0025】
本明細書において、用語‘スパイク(spiking)’は、分析対象の生試料に、凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型(またはマルチマー型)および/または凝集形−形成ポリペプチドの疎水性欠失体を添加、または添加後混合する過程を意味する。
【0026】
本明細書において、用語‘マルチマー’は、二つ以上のモノマーが結合して形成されるものであって、これはオリゴマーも含む。
【0027】
本発明によると、分析対象の生試料に(i)前記凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型またはマルチマー型をスパイクする場合は、凝集形−形成ポリペプチドの凝集形の形成を抑制する防衛システム(clearing system)の違いを利用して、患者と正常人間の診断シグナルの違い(differentiation)を極大化する、すなわち患者の生試料は、防衛システム(clearing system)の程度が低く、凝集形−形成ポリペプチドの凝集形形成が促進されるのに対し、正常人の生試料では、防衛システム(clearing system)の程度が高く、凝集形−形成ポリペプチドの凝集形形成が減少され、診断シグナルの違い(differentiation)が極大化される。
【0028】
本発明のまた他の具現例によると、前記凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型は、配列番号1のアミノ酸配列からなるAβペプチドまたは配列番号2のアミノ酸配列からなるα−シヌクレインである。
【0029】
本発明によると、分析対象の生試料に(ii)前記凝集形−形成ポリペプチドの疎水性欠失体(hydrophobic deleted derivative of aggregate−forming polypeptide)をスパイク(spiking)する場合は、疎水性(hydrophobic)を有するアミノ酸残基を含む凝集形−形成ポリペプチドの疎水性欠失体と生試料に存在する凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型またはマルチマー型(オリゴマー型)との疎水性相互作用(hydrophobic interaction)の違いを利用して、患者と正常人間の診断シグナルの違い(differentiation)を極大化する、すなわち患者の生試料に存在する凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型またはマルチマー型(オリゴマー型)と凝集形−形成ポリペプチドの疎水性欠失体は、疎水性相互作用によって凝集形を多量形成するが、正常人の生試料に存在する凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型と凝集形−形成ポリペプチドの疎水性欠失体は、疎水性相互作用によって凝集形を形成してはいるが、患者の場合よりは少なくて、患者と正常人間の診断シグナルの違い(differentiation)が極大化される。
【0030】
本明細書において、用語‘凝集形−形成ポリペプチドの疎水性欠失体(hydrophobic deleted derivative of aggregate−forming polypeptide)’は、凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型またはマルチマー型(オリゴマー型)と疎水性相互作用によって凝集形が形成できるように、凝集形−形成ポリペプチドのアミノ酸配列から、疎水性アミノ酸残基を多数含むように、アミノ酸残基を欠失させた誘導体である。
【0031】
凝集形−形成ポリペプチドの疎水性欠失体は、凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型またはマルチマー型(オリゴマー型)と疎水性相互作用のために、長さ(分子量)および/または疎水性アミノ酸残基を考慮して選択することができ、好ましくは、前記凝集形−形成ポリペプチドの疎水性欠失体(hydrophobic deleted derivative of aggregate−forming polypeptide)は、配列番号1のアミノ酸配列の37番目アミノ酸残基乃至42番目アミノ酸残基を含むAβ
deleteペプチドであり、より好ましくは、前記Aβ
deleteペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列の29番目アミノ酸残基乃至42番目アミノ酸残基を含むペプチドであって、さらに好ましくは、前記Aβ
deleteペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列の17番目アミノ酸残基乃至42番目アミノ酸残基を含むペプチドであり、最も好ましくは、前記Aβ
deleteペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列の9番目アミノ酸残基乃至42番目アミノ酸残基を含むペプチドである。
【0032】
本発明によると、分析対象の生試料に(iii)前記凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型またはマルチマー型と前記凝集形−形成ポリペプチドの疎水性欠失体をスパイク(spiking)する場合は、上述の(i)前記凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型またはマルチマー型及び(ii)前記凝集形−形成ポリペプチドの疎水性欠失体をそれぞれスパイクして達成される効果を両方とも利用するために、すなわち、ポリペプチドの凝集形形成を抑制する防御システム(clearing system)及び疎水性相互作用(hydrophobic interaction)の違いを利用して、患者と正常人間の診断シグナルの違い(differentiation)を極大化する。
【0033】
本発明の他の具現例によると、前記段階(a)の結果物に緩衝液をさらに添加する。より好ましくは、前記緩衝液は、生試料に対して3〜15倍(v/v)に添加され、さらに好ましくは、5〜13倍(v/v)に添加されて、よりさらに好ましくは、7〜11倍(v/v)、最も好ましくは、8〜10倍(v/v)に添加される。
【0034】
本発明に用いられる緩衝液は、当業界に公知された様々な緩衝液を利用することができるが、好ましくは、前記緩衝液は、非イオン性界面活性剤含有リン酸塩緩衝液である。
【0035】
本発明に用いられるリン酸塩緩衝液に含有される非イオン性界面活性剤は、当業界に公知された様々な非イオン性界面活性剤を利用することができて、好ましくは、アルコキシル化アルキルエーテル、アルコキシル化アルキルエステル、アルキルポリグリコシド、ポリグリセリルエステル、ポリソルベート類及びシュガーエステルを含む。より好ましくは、Tween−20またはTriton X−100が使用されて、最も好ましくは、Tween−20が使用される。
【0036】
(b)
凝集形−形成ポリペプチドの凝集形を追加的に形成させる段階
本発明の方法は、(b)前記段階(a)の結果物をインキュベーションし、前記凝集形−形成ポリペプチドの凝集形を追加的に形成させる段階を含む。
【0037】
本発明の最大の特徴の一つは、生試料中の測定しようとする凝集形−形成ポリペプチドの凝集形(抗原)の量が非常に少ないか、その大きさが非常に小さくて、測定することが難しいか、あるいは人体内凝集形−形成ポリペプチドの凝集形(抗原)の量と生試料中の凝集形−形成ポリペプチドの凝集形(抗原)の量が比例していない場合に、上述の(i)前記凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型またはマルチマー型、(ii)前記凝集形−形成ポリペプチドの疎水性欠失体(hydrophobic deleted derivative of aggregate−forming polypeptide)、または(iii)前記凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型またはマルチマー型と前記凝集形−形成ポリペプチドの疎水性欠失体とを生試料にスパイク(spiking)して、凝集形−形成ポリペプチドの凝集形を追加的に形成させることにより、疾病または疾患の有無や進行程度を測定することができるということである。
【0038】
本発明の他の具現例によると、前記段階(b)の凝集形−形成ポリペプチドの凝集形の追加的な形成は、前記の段階(a)の結果物を温度1〜50℃でインキュベーション(incubation)して行い、より好ましくは、温度25〜50℃でインキュベーション(incubation)して行って、さらに好ましくは、温度25〜45℃で行い、よりさらに好ましくは、温度25〜40℃で行って、最も好ましくは、温度25〜38℃で行う。
【0039】
本発明において、前記段階(b)のインキュベーションは、前記スパイクした(i)、(ii)または(iii)が前記生試料によってマルチマー化できるほど十分な時間行って、より好ましくは、前記生試料によってマルチマー化できるほど十分なインキュベーション時間は、凝集形−形成ポリペプチドのマルチマー型が関与した疾患を有する人間の生試料を用いて発生した信号を、正常人の生試料を用いて発生したシグナルより1.5〜20倍大きくするに十分な時間である。
【0040】
本発明のまた他の具現例によると、患者の生試料を用いて発生された信号が正常人の生試料を用いて発生された信号よりも1.5〜20倍大きくするに十分な時間実施するための、前記段階(b)の凝集形−形成ポリペプチドの凝集形の追加的な形成は、前記段階(a)の結果物を1日〜12日間インキュベーション(incubation)して実施し、好ましくは30時間(hr)〜10日間実施して、より好ましくは2日〜8日間実施し、さらに好ましくは2日〜6日間実施して、よりさらに好ましくは3日〜6日間実施し、最も好ましくは4日〜6日間実施し、さらに最も好ましくは5日〜6日間に実施する。
【0041】
本明細書において、用語‘インキュベーション’は、分析対象の生試料を所定の温度で一定期間スタンディングすること(kept to stand)またはシェイク(shaking)することを意味し、シェイクする場合は、好ましくは、マイルドシェイク(mildshaking)することを意味する。
【0042】
本発明の最大の特徴の他の一つは、生試料を所定の温度で一定期間スタンディング(つまり、インキュベーション)することにより、生試料に存在するスパイクされた凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型(またはマルチマー型)及び/または前記凝集形−形成ポリペプチドの疎水性欠失体と凝集形−形成ポリペプチドとが互いによく凝集(aggregation)されるようにして、患者と正常人間の診断シグナルの違い(differentiation)を極大化したことである。
【0043】
(c)
前記段階(b)の結果物に前記凝集形−形成ポリペプチドの凝集形に結合する結合剤−標識の接触
本発明の方法は、(c)前記段階(b)の結果物に、前記凝集形−形成ポリペプチドの凝集形に結合する結合剤にシグナル発生標識が結合された結合剤−標識を接触させる段階を経る。
【0044】
本発明において、前記凝集形−形成ポリペプチドの凝集形に結合する結合剤は、抗体、ペプチドアプタマー、アドネクチン(AdNectin)、affibody(米国特許第5,831,012号)、Avimer(Silverman、J.et al、Nature Biotechnology 23(12):1556(2005))、またはKunitz domain(Arnoux B et al.、Acta Crystallogr.D Biol.Crystallogr.58(Pt7):12524(2002))、およびNixon、AE、Current opinion in drug discovery&development9(2):2618(2006))である。
【0045】
本発明において、前記凝集形−形成ポリペプチドの凝集形に結合する結合剤に結合されるシグナル発生標識は、化合物標識(例えば、ビオチン)、酵素標識(例えば、アルカリンホスファターゼ、ペロキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ及びβ−グルコシダーゼ)、放射能標識(例えば、I
125、及びC
14)、蛍光標識(例えば、フルオレセイン)、発光標識、化学発光標識、およびFRET(蛍光共鳴エネルギー移動; fluorescence resonance energy transfer)標識を含むが、これらに限定されるものではない。
【0046】
(d)
前記凝集形−形成ポリペプチドの凝集形に結合された結合剤 − 標識から発生するシグナルの検出
最後に、本発明の方法は、(d)前記凝集形−形成ポリペプチドの凝集形に結合された結合剤−標識から発生するシグナルを検出する段階を含む。
【0047】
前記凝集形−形成ポリペプチドの凝集形に結合された結合剤−標識から発生するシグナルの検出は、当業界に公知された様々な方法で実施することができ、例えば、抗原−抗体反応に係わる免疫分析法を利用して実施することができる。
【0048】
本発明のまた他の具現例によると、前記段階(c)及び(c)は、以下の段階を含む方法で実施される:(c−1)前記凝集形を捕獲(capturing)する前記凝集形−形成ポリペプチド上のエピトープを認識する捕獲抗体に、前記段階(b)の結果物を接触させる段階と、(c−2)前記凝集形−形成ポリペプチド上のエピトープを認識する検出抗体に、前記捕獲された凝集形を接触させる段階と、(c−3)凝集形−検出抗体複合体を検出する段階。
【0049】
このような検出方法は、二つの形態の抗体、すなわち、捕獲抗体及び検出抗体を利用する。本明細書において、用語、‘捕獲抗体’は、生試料から検出しようとする凝集形−形成ポリペプチドに結合できる抗体を意味する。用語、‘検出抗体’は、前記捕獲抗体によって捕獲された凝集形−形成ポリペプチドに結合できる抗体を意味する。‘抗体’は、抗原に結合できる免疫グロブリンタンパク質を意味する。本明細書に利用された抗体は、検出しようとするエピトープ、抗原または抗原断片に結合できる全体抗体だけでなく、抗体断片(例えば、F(ab’)2、Fab’、Fab、Fv)を含む。
【0050】
前記検出方法は、凝集形−形成ポリペプチド上のエピトープを特異的に認識する一セットの捕獲抗体と検出抗体を利用するものであって、前記捕獲抗体と検出抗体が特異的に認識する前記エピトープは、互いに同一であるか、オーバーラップされている。
【0051】
捕獲抗体及び検出抗体に対するエピトープを言及しながら使用される用語、‘オーバーラップ(overlapped with)’は、完全にまたは部分的にオーバーラップされたアミノ酸配列を含むエピトープを包括する。たとえば、6E10およびWO2抗体に対するエピトープは、ヒトAβペプチド配列のそれぞれ、アミノ酸3−8及び4−10からなるアミノ酸配列を有して、6E10及びFF51抗体に対するエピトープは、ヒトAβペプチド配列のそれぞれ、アミノ酸3−8及び1−4からなるアミノ酸配列を有し、1E11及びWO2抗体に対するエピトープは、ヒトAβペプチド配列のそれぞれ、アミノ酸1−8及び4−10からなるアミノ酸配列を有して、1E11及びFF51抗体に対するエピトープは、ヒトAβペプチド配列のそれぞれ、アミノ酸1−8及び1−4からなるアミノ酸配列を有する。これらのエピトープは、完全にオーバーラップされたエピトープと説明することができる。
【0052】
また、3B6及び3B6 biotin抗体に対するエピトープは、α−シヌクレインタンパク質配列の119−140からなる配列である。
【0053】
本発明の他の具現例によると、ヒトAβペプチド配列を言及しながら表現する場合、前記エピトープは、アミノ酸1−8、3−8、1−4または4−10からなるアミノ酸配列を有して、α−シヌクレインタンパク質配列を言及しながら表現する場合、前記エピトープは、アミノ酸119−140からなるアミノ酸配列を有する。
【0054】
本発明のまた他の具現例によると、前記捕獲抗体が認識するエピトープは、前記凝集形−形成ポリペプチドで繰り返されない配列であり、前記検出抗体が認識するエピトープは、前記凝集形−形成ポリペプチドで繰り返されない配列である。本発明の検出方法によると、捕獲抗体に結合された凝集形−形成ポリペプチドは、検出抗体とそれ以上結合することができず、これは、検出抗体が認識する追加的なエピトープが存在しないからである。
【0055】
本発明の他の具現例によると、前記捕獲抗体及び検出抗体は、互いに同一である。すなわち、捕獲抗体及び検出抗体に特異的に結合されるエピトープは、同一であることが好ましい。
【0056】
本発明のまた他の具現例によると、前記捕獲抗体は、固体基質に結合される。このような形態の公知の物質は、ポリスチレン及びポリプロピレン、ガラス、金属、及びゲルのような炭化水素重合体を含む。前記固体基質は、ディップスティック、マイクロタイタープレート、粒子(例えば、ビーズ)、親和性カラム及びイムノブロット膜(例えば、ポリフッ化ビニリデン膜)の形態でありえる(参照:米国特許第5,143,825号、第5,374,530号、第4,908,305号及び第5,498,551号)。
【0057】
本発明の他の具現例によると、前記検出抗体は、検出可能な信号を生成させる標識を有する。前記標識は、化合物標識(例えば、ビオチン)、酵素標識(例えば、アルカリンホスファターゼ、ペロキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ及びβ−グルコシダーゼ)、放射能標識(例えば、I
125、及びC
14)、蛍光標識(例えば、フルオレセイン)、発光標識、化学発光標識、およびFRET(蛍光共鳴エネルギー移動; fluorescence resonance energy transfer)標識を含むが、これらに限定されるものではない。抗体を標識するための様々なカバーおよび方法は、当業界に公知されている(Harlow and Lane、eds.Antibodies:A Laboratory Manual(1988)Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.)。
【0058】
本発明において、凝集形−形成ポリペプチドに結合できる抗体を融合方法(Kohler and Milstein、European Journal of Immunology、6:511−519(1976))、組換えDNA方法(米国特許第4,816,56号)またはファージ抗体ライブラリー(Clackson et al、Nature、352:624−628(1991);およびMarks et al、J. Mol。Biol.、222:58、1−597(1991))のような従来技術にしたがって、免疫原として従来に記載されエピトープを利用して準備することができる。前記抗体の製造のための一般的な方法は、Harlow、E. and Lane、D.、Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press、New York、1988;Zola、H.、Monoclonal Antibodies:A Manual of Techniques、CRC Press、Inc.、Boca Raton、Florida、1984;及びColigan、CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY、Wiley/ Greene、NY、1991に記載されている。
【0059】
モノクローナル抗体の製造のためのハイブリドーマ細胞株の準備は、不滅細胞株(immortal cell line)と抗体を生産するリンパ球の融合で行われる。前記モノクローナル抗体の製造は、当業界に公知された技術を用いて実施することができる。ポリクローナる抗体は、上述の抗原を適切な動物に注入し、抗体を含む抗血清を収集し、公知の親和性技術により抗体を分離する方法によって製造することができる。
【0060】
凝集形−検出抗体複合体の検出は、当業界に公知の様々な方法で実施することができる。凝集形−検出抗体複合体の形成は、生試料に凝集形の存在を示す。前記段階は、従来の方法にしたがって、例えば、Enzyme Immunoassay、E. T. Maggio、ed.、CRC Press、Boca Raton、Florida、1980、及びHarlow and Lane、eds.Antibodies:A Laboratory Manual(1988)Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Yに記載されているように、多様な検出可能な標識/基質対を用いて、定量的にまたは定性的に実施することができる。
【0061】
前記検出抗体をアルカリンホスファターゼで標識する場合は、ブロモクロロインドイルフォスフェート(BCIP)、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)及びECFを、発色反応のための基質として利用することができる。ホースラディッシュペルオキシダーゼで標識する場合は、基質として、クロロナフトール、アミノエチルカルバゾール、ジアミノベンジジン、D−ルシフェリン、ルシゲニン(ビス−N−メチルアクリジニウム硝酸塩)、レゾルフィンベンジルエーテル、ルミノール、アンプレックスレッド試薬(10−アセチル−3,7−ジヒドロキシフェノキサジン)、TMB(3,3,5,5−テトラメチルベンジジン)、ECL(enhanced chemiluminescence)及びABTS(2,2−アジン−ジ[3−エチルベンゾチアゾリンスルホネート])などが用いられる。
【0062】
このような方法で、凝集形−形成ポリペプチドのマルチマー型が関与した疾患を有する人間の生試料を用いて発生された信号を、正常人の生試料を用いて発生された信号よりも1.5〜20倍大きくすることができ、より好ましくは1.5〜10倍、より好ましくは1.6倍〜10倍大きくすることができる。
【0063】
本発明の他の態様によると、本発明は、以下を含む生試料(biosample)の凝集形−形成ポリペプチドの凝集形を検出するためのキットを提供する:(i)前記凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型またはマルチマー型、(ii)前記凝集形−形成ポリペプチドの疎水性欠失体(hydrophobic deleted derivative of aggregate−forming polypeptide)、または(iii)前記凝集形−形成ポリペプチドのモノマー型またはマルチマー型と前記凝集形−形成ポリペプチドの疎水性欠失体。
【0064】
本発明のキットは、上述の本発明の生試料(biosample)の凝集形−形成ポリペプチドの凝集形を検出する方法を利用するものであって、その共通する内容は、本明細書の過度なる複雑性を避けるために、その記載を省く。
【0065】
本発明の他の具現例によると、前記キットは、凝集形−形成ポリペプチド上のエピトープを認識する捕獲抗体と前記捕獲抗体が認識する前記エピトープを認識する検出抗体とをさらに含む。
【0066】
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明するが、これら実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれら実施例に限定されないことは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者にとっては自明なことであろう。
【実施例】
【0067】
実施例1:実験材料の準備
コーティングバッファー(Carbonate−Bicarbonate Buffer)、PBST、TBST及びPBSは、Sigma社から購入した。Block Aceは、Bio−rad社から購入した。バッファAは、TBSTにBlock Aceを0.4%に希釈して製造した。ブロッキング(blocking)バッファは、D.Wに1%Block Aceが希釈されるように製造した。6E10抗体は、Biolegend社から購入した。3B6抗体は、Novus Biologicals社から購入した。3B6−biotin抗体は、Novus Biologicals社から購入した抗体をPeoplebio社でビオチン化(biotinylation)した。ストレプトアビジン(streptavidin)−HRPは、Thermo Scientific社から購入した。HBR1は、Scantibodies Laboratory社から購入した。FF51−HRPは、(株)The H labから購入した。組換え(recombinant)Aβ1−42は、Biolegend社から購入した。組換えAβ9−42 biotinは、Anaspec社から購入した。組換えAβ9−42は、Anaspec社から購入した。組換えα−シヌクレインは、Milipore社から購入した。血漿(plasma)サンプルは、ブンダンソウル大学病院及び中央大学病院から入手した。ECL溶液は、Rockland社から購入した。プレートは、Nunc社から購入した。6E10及びFF51抗体に対するエピトープは、ヒトAβペプチド配列のそれぞれ、アミノ酸3−8と1−4からなるアミノ酸配列を有する。3B6及び3B6 biotin抗体に対するエピトープは、α−シヌクレインタンパク質配列の119−140からなる配列である。
【0068】
実施例2:6E10プレートの製造
6E10抗体(抗Aβタンパク質、Biolegend)30μgをコーティングバッファー(sigma)10mlに希釈して、プレート(Nunc)に100μlを各ウェルに分注した後、4℃の冷蔵庫で一日間反応した。前記プレートをPBSで3回洗浄し、D.Wに1%Block Aceが溶いてあるブロッキングバッファー240μlを分注した後、室温で2時間反応した。前記プレートは、PBSで3回洗浄し、室温で30分間乾燥した後、使用した。
【0069】
実施例3:3B6プレートの製造
3B6抗体(抗α−シヌクレインタンパク質、Novus Biologicals)20μgをコーティングバッファー(sigma)10mlに希釈して、プレート(Nunc)に100μlを各ウェルに分注後、4℃の冷蔵庫で一日間反応した。前記プレートをPBSで3回洗浄し、D.Wに1%Block Aceが溶いてあるブロッキングバッファー240μlを分注した後、室温で2時間反応した。前記プレートは、PBSで3回洗浄し、室温で30分間乾燥した後、使用した。
【0070】
実施例4:対照群の準備
陽性対照群(positive control)は、組換えAβ1−42(rec.Aβ)(1μg/ml)10μlにPBST990μlを添加し、100μlを使用した。陽性対照群(positive control)は、組換えα−シヌクレイン(1mg/ml)10μlにPBST990μlを添加し、100μlを使用した。陰性対照群(negative control)は、PBS100μlを使用した。
【0071】
実施例5:サンプルの準備
サンプルは、2サンプルを基準にして準備した。凍結された血漿サンプルを、37℃ヒートブロック(heat block)に15分間解かした後、30秒間ボルテックス(vortexing)後使用した。rec.Aβ1−42 1ngがスパイク(spiking)されたサンプルは、血漿20μlにHBR1(0.123mg/ml)8.08μlとPBST 180μl、rec.Aβ1−42(1ng/10μl)20μlを混合して、全体228.08μlになるように準備した。rec.Aβ9−42ビオチン 1ngがスパイクされたサンプルは、血漿20μlにHBR1(0.123mg/ml)8.08μlとPBST 180μl、rec.Aβ9−42ビオチン(1ng/10μl)20μlを混合して、全体228.08μlになるように準備した。rec.Aβ9−42 1ngがスパイクされたサンプルは、血漿20μlにHBR1(0.123mg/ml)8.08μlとPBST 180μl、rec.Aβ9−42(1ng/10μl)20μlを混合して、全体228.08μlになるように準備した。組換えα−シヌクレイン1μgがスパイクされたサンプルは、血漿20μlにHBR1(0.123mg/ml)8.08μlとPBST 180μl、組換えα−シヌクレイン(1μg/10μl)20μlを混合して、全体228.08μlになるように準備した。また、組換えペプチドをスパイクしなかったサンプルは、血漿20μlにHBR1(0.123mg/ml)8.08μlとPBST 200μlを混合して、全体228.08μlになるように準備した。
【0072】
実施例6:インキュベーション(incubation)
前記実施例5でrec.Aβ1−42を処理して用意したサンプルは、37℃のインキュベーターで各4日と6日間インキュベーションした。前記実施例5でrec.Aβ1−42を処理して用意したサンプルは、37℃インキュベーターで各2日、3日、4日、5日間インキュベーションした。rec.Aβ1−42を処理しなかったサンプルは、37℃インキュベーターで各0日、5日間インキュベーションした。そして、前記実施例5でrec.Aβ9−42ビオチンを処理して用意したサンプルは、6日間インキュベーションした。前記実施例5でrec.Aβ9−42を処理して用意したサンプルは、各2日、3日、4日間インキュベーションした。また、前記実施例5で組換えα−シヌクレインを処理して用意したサンプルは、各0日、2日、4日、6日インキュベーションした。
【0073】
実施例7:rec.Aβ1−42を処理した後、4日と6日間インキュベーションしたサンプルから、MDS(multimer detection system)を用いてのAβオリゴマー(oligomer)の検出
6E10コーティングプレート(3μg/ml)に、陽性対照群、陰性対照群及びrec.Aβ1−42を処理して4日と6日間インキュベーションしたサンプルを、それぞれ100μlずつ分注した後、室温で1時間反応した。前記プレートをTBSTで3回洗浄し、FF51−HRP抗体を、バッファAに1/1000希釈して100μlずつ分注した後、室温で1時間反応した。前記プレートをTBSTで3回洗浄した後、ECL溶液を100μl分注した。ECLと反応したプレートは、ルミノメーター機器(perkinelmer)に挿入し、発光(luminescent)シグナルを測定した。その結果は、下記
図1aのようである。
【0074】
図1a及び1bは、rec.Aβ1−42添加後、インキュベーション時間によって、ADサンプルのシグナルがNon ADサンプルのシグナルに比べて増加していることを示している。4日と6日間インキュベーションされた各条件において、ADとNon AD間の差を示す。
【0075】
図1a及び1bからみて、Non AD患者サンプルと比較時、AD患者のサンプルにおけるAβオリゴマーのシグナルが高く出るのは、AD患者サンプルにおいて、Aβオリゴマーの形成を抑制させる防御システムが、Non AD患者ほど活性化しないからであると判断される。
【0076】
実施例8:rec.Aβ1−42を処理した後、各2日、3日、4日、5日間インキュベーションしたサンプルから、MDS(multimer detection system)を用いてのAβオリゴマー(oligomer)の検出
6E10コーティングプレート(3μg/ml)に、陽性対照群、陰性対照群及びrec.Aβ1−42を処理して各2日、3日、4日、5日間インキュベーションしたサンプルをそれぞれ100μlずつ分注した後、27℃インキュベーターで静置状態で1時間反応した。前記プレートをTBSTで3回洗浄し、FF51−HRP抗体をバッファAに10ng/mlになるように製造後、100μlずつ分注した。前記プレートを27℃インキュベーターで静置状態で1時間反応し、TBSTで3回洗浄した後、ECL溶液を100μl分注した。ECLと反応したプレートは、ルミノメーター機器(perkinelmer)に挿入し、発光(luminescent)シグナルを測定した。その結果は、下記
図1cのようである。
【0077】
図1cは、rec.Aβ1−42添加後、2日、3日、4日、5日間インキュベーション時間によって、ADサンプルのシグナルがNon ADサンプルのシグナルに比べて1.15倍、1.34倍、1.65倍、1.84倍に増加していることを示している。インキュベーション日数が増えるにつれて、ADとNon AD間に差がますます広がることを示す。
【0078】
図1cからみて、Non AD患者サンプルと比較時、AD患者のサンプルにおけるAβオリゴマーのシグナルが高く出たのは、AD患者サンプルにおいて、Aβオリゴマーの形成を抑制させる防御システムが、Non AD患者ほど活性化しないからであると判断される。
【0079】
実施例9:rec.Aβ1−42を処理して5日間、rec.Aβ1−42を無処理して0日、5日間インキュベーションしたサンプルから、MDS(multimer detection system)を用いてのAβオリゴマー(oligomer)の検出
6E10コーティングプレート(3μg/ml)に、陽性対照群、陰性対照群及びrec.Aβ1−42を処理して5日間、rec.Aβ1−42を無処理して各0日、5日間インキュベーションしたサンプルをそれぞれ100μlずつ分注した後、27℃インキュベーターで静置状態で1時間反応した。前記プレートをTBSTで3回洗浄し、FF51−HRP抗体をバッファAに10ng/mlになるように製造後、100μlずつ分注した。前記プレートを27℃インキュベーターで静置状態で1時間反応し、TBSTで3回洗浄した後、ECL溶液を100μl分注した。ECLと反応したプレートは、ルミノメーター機器(perkinelmer)に挿入し、発光(luminescent)シグナルを測定した。その結果は、下記
図1dのようである。
【0080】
図1dは、rec.Aβ1−42添加後5日間インキュベーション、rec.Aβ1−42を添加せずに0日、5日間インキュベーションしたサンプルからAβオリゴマーを測定したデータであって、Aβ1−42をスパイク(spiking)した時とスパイクしなかった時、経時によるADサンプルのシグナルとNon ADサンプルのシグナルの増加状態を示したもので、rec.Aβ1−42添加後5日間インキュベーションしたサンプルでのみ、ADとNon AD間に差を示す。
【0081】
図1dからみて、AD患者のサンプルからAβオリゴマーのシグナルが高く出るのは、AD患者のサンプルにおいて、Aβオリゴマーの形成を抑制させる防御システムが、Non AD患者ほど活性化しないからであると判断されて、Aβ1−42をスパイクしたとき、Aβオリゴマーの形成を抑制させる防御システムに対する効果を示すと判断される。
【0082】
実施例10:rec.Aβ9−42ビオチンを処理した後、6日間インキュベーションしたサンプルから、MDS(multimer detection system)を用いてのAβオリゴマーの検出
6E10コーティングプレート(3μg/ml)に、陽性対照群、陰性対照群、rec.Aβ9−42ビオチンを処理して6日間インキュベーションしたサンプルをそれぞれ100μlずつ分注した後、室温で1時間反応した。前記プレートをTBSTで3回洗浄し、FF51−HRP抗体をバッファAに1/1000希釈し、100μlずつ分注した後、室温で1時間反応した。前記プレートをTBSTで3回洗浄した後、ECL溶液を100μl分注した。ECLと反応したプレートは、ルミノメーター機器(perkinelmer)に挿入し、発光シグナルを測定して、その結果は、下記
図2aにまとめた。
【0083】
図2aは、Aβとバインディングするrec.Aβ9−42ビオチンをスパイクして、6日間インキュベーションしたとき、AD患者群のシグナルが正常群のシグナルより高いことを示す。
【0084】
図2aからみて、rec.Aβ9−42ビオチンがAβにバインディングして凝集(aggregation)を促進し、抗原の量的な部分と大きさ的な部分の変化によって区分がされると判断された。
【0085】
実施例11:rec.Aβ9−42ビオチンを処理した後、2日、3日、4日間インキュベーションしたサンプルから、MDS(multimer detection system)を用いてのAβオリゴマーの検出
6E10コーティングプレート(3μg/ml)に、陽性対照群、陰性対照群、rec.Aβ9−42を処理して2日、3日、4日間インキュベーションしたサンプルをそれぞれ100μlずつ分注した後、27℃インキュベーターで静置状態で1時間反応した。前記プレートをTBSTで3回洗浄し、FF51−HRP抗体をバッファAに10ng/mlになるようにように製造後、100μlずつ分注した。前記プレートを27℃インキュベーターで静置状態で1時間反応し、TBSTで3回洗浄した後、ECL溶液を100μl分注した。ECLと反応したプレートは、ルミノメーター機器(perkinelmer)に挿入し、発光シグナルを測定して、その結果は、下記
図2bにまとめた。
【0086】
図2bは、Aβとバインディングするrec.Aβ9−42をスパイクし、2日、3日、4日間インキュベーションしたとき、経時によって、AD患者群のシグナルが、正常群のシグナルより、1.1倍、1.52倍、1.84倍高まることを示す。
【0087】
図2bからみて、rec.Aβ9−42ビオチンがAβにバインディングして凝集(aggregation)を促進し、抗原の量的な部分と大きさ的な部分の変化によって、区別がされると判断された。
【0088】
実施例12:組換えα−シヌクレインを処理した後、0日、2日、4日、6日間インキュベーションしたサンプルから、MDS(multimer detection system)を用いてのα−シヌクレインオリゴマーの検出
3B6コーティングプレート(2μg/ml)に、陽性対照群、陰性対照群、組換えα−シヌクレインを処理して0日、2日、4日、6日間インキュベーションしたサンプルを、それぞれ100μlずつ分注した後、27℃インキュベーターで静置状態で1時間反応した。前記プレートをTBSTで3回洗浄し、3B6−biotin抗体をバッファAに2μg/mlになるように製造した後、100μlずつ分注した。前記プレートを27℃インキュベーターで静置状態で1時間反応し、TBSTで3回洗浄した。ストレプトアビジン(streptavidin)−HRPをバッファAに1/5000倍に希釈し、100μlずつ分注した後、前記プレートを27℃インキュベーターで静置状態で1時間反応し、TBSTで3回洗浄した。 ECL溶液を100μl分注した。ECLと反応したプレートは、ルミノメーター機器(perkinelmer)に挿入し、発光シグナルを測定して、その結果は、下記
図3にまとめた。
【0089】
図3は、組換えα−シヌクレインを添加した後、インキュベーション0日、2日、4日、6日間、経時によって、PDサンプルのシグナルとNon PDサンプルのシグナルの変化を示したデータであって、0日のとき、Non PDシグナルに対し、PDサンプルのシグナルratioが0.92倍を示していたものが、2日、4日、6日間インキュベーション時、1.34倍、1.76倍、1.78倍に増加していることを示した。
【0090】
図3からみて、Non PD患者のサンプルと比較時、PD患者のサンプルからα−シヌクレインのシグナルが高く出たのは、PD患者サンプルにおいて、α−シヌクレインオリゴマーの形成を抑制させる防御システムが、Non PD患者ほど活性化しないからであると判断される。
【0091】
以上、本発明の特定な部分を詳細に記述したが、当業界の通常の知識を有する者にとっては、このような具体的な記述はただ望ましい具現例に過ぎなく、これに本発明の範囲が限定されないことは明らかである。従って、本発明の実質的な範囲は、添付の請求項とその等価物により定義されると言える。