【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年3月19日に刊行物「DAIKEN 2018 NEW PRODUCTS新製品ダイジェスト」にて発表。 〔刊行物等〕 平成30年4月20日に刊行物「DAIKEN 2018.6−19総合カタログ受発注用」にて発表。 〔刊行物等〕 平成30年5月11日にウェブサイト「https://www.daiken.jp/news/detail/20180510104347.html」にて発表。 〔刊行物等〕 平成30年5月17日に展示会「TDY リモデルコレクション2018」にて発表。 〔刊行物等〕 平成30年7月26日以降に複数の販売先(別紙「販売先一覧表」)への販売にて発表。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
左右一対の縦フレーム及び上下一対の横フレームが枠組みされ、かつ該縦フレーム間に複数の羽根板が間隔をあけて組み付けられてなるルーバーユニットと、該ルーバーユニットの四周に框組みされ、左右一対の縦枠及び少なくとも上下一対の横枠からなる框と、を備えるルーバー扉であって、
前記ルーバーユニットにおける各縦フレームの左右方向に対向する面には扉厚さ方向中間部に、前記羽根板の長手方向端部が嵌入可能な複数の羽根嵌入凹部が間隔をあけて設けられ、該羽根嵌入凹部に該羽根板の長手方向端部が嵌入されることにより、該羽根板が前記ルーバーユニットに固定され、
前記ルーバーユニットにおける各縦フレームの前記羽根嵌入凹部が設けられた面とは反対面である外側面には扉厚さ方向中間部に、嵌合凸部が長手方向に沿って設けられ、
前記框における各縦枠の内側面には扉厚さ方向中間部に、前記嵌合凸部に嵌合可能な嵌合凹部が長手方向に沿って設けられており、
前記縦枠の嵌合凹部に前記縦フレームの嵌合凸部が嵌合されることにより、前記ルーバーユニットが前記框の縦枠に固定されていることを特徴とするルーバー扉。
左右一対の縦フレーム及び上下一対の横フレームが枠組みされ、かつ該縦フレーム間に複数の羽根板が間隔をあけて組み付けられてなるルーバーユニットと、該ルーバーユニットの四周に框組みされ、左右一対の縦枠及び少なくとも上下一対の横枠からなる框と、を備えるルーバー扉であって、
前記ルーバーユニットにおける各縦フレームの外側面には扉厚さ方向中間部に、嵌合凸部が長手方向に沿って設けられ、
前記框における各縦枠の内側面には扉厚さ方向中間部に、前記嵌合凸部に嵌合可能な嵌合凹部が長手方向に沿って設けられ、
前記縦フレームの嵌合凸部における先端面に、接着剤を充填するための接着剤充填凹部が設けられ、
前記縦枠の嵌合凹部に前記縦フレームの嵌合凸部が嵌合されることにより、前記接着剤充填凹部に充填された前記接着剤で、前記ルーバーユニットが前記框の縦枠に接着固定されていることを特徴とするルーバー扉。
左右一対の縦フレーム及び上下一対の横フレームが枠組みされ、かつ該縦フレーム間に複数の羽根板が間隔をあけて組み付けられてなるルーバーユニットと、該ルーバーユニットの四周に框組みされ、左右一対の縦枠及び少なくとも上下一対の横枠からなる框と、を備えるルーバー扉であって、
前記ルーバーユニットにおける各縦フレームの外側面には扉厚さ方向中間部に、嵌合凸部が長手方向に沿って設けられ、
前記框における各縦枠の内側面には扉厚さ方向中間部に、前記嵌合凸部に嵌合可能な嵌合凹部が長手方向に沿って設けられ、
前記縦枠の嵌合凹部における扉表面側壁部又は扉裏面側壁部の少なくとも一方に、該縦枠と前記縦フレームとの境界部分が覆われて隠れるように扉中央に向かって延びる化粧片が長手方向に沿って該縦枠と一体に設けられており、
前記縦枠の嵌合凹部に前記縦フレームの嵌合凸部が嵌合されることにより、前記ルーバーユニットが前記框の縦枠に固定されていることを特徴とするルーバー扉。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2の第2図及び第5図に記載の嵌装方法では、開口部が狭められた溝型の受止部(縦桟)にガラリ戸単位体の羽根固定用部材が嵌装されているため、ガラリ戸単位体が縦桟に支持される支持強度が弱いという課題がある。
【0007】
一方、特許文献2の第6図に記載の嵌装方法では、羽根固定用部材に凹設された蟻溝に受止部の底面に突設された突起が嵌合されている。しかし、蟻溝は羽根固定用部材の羽根端部嵌入用溝が凹設された面の反対面に凹設されているため、羽根固定用部材に薄肉部が生じてその部分の強度が低くなり、上記支持強度が弱いという課題がある。
【0008】
また、上記支持強度を確保するために、例えば蟻溝を扉厚さ方向に厚く設けることが考えられるが、この場合、蟻溝の両側壁部分が薄くなり、その部分の強度が低くなる。そこで、両側壁部分の強度を確保するために、例えば両側壁部分を厚く設けることが考えられる。しかし、この場合、羽根固定用部材の厚さが大きくなり、それを嵌装させる縦桟の厚さも大きくなるため、ガラリ戸の扉厚さが厚くなる。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、羽根板が組み付けられた単位体(ユニット)と縦桟(框)との固定構造に工夫を加えることにより、ユニットが框に支持される支持強度を確保しつつ、扉厚さを薄くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明では、羽根板が組み付けられたルーバーユニットの縦フレームに嵌合凸部を設け、この嵌合凸部が框の縦枠に嵌合されるようにした。
【0011】
具体的には、第1の発明は、左右一対の縦フレーム及び上下一対の横フレームが枠組みされ、かつ該縦フレーム間に複数の羽根板が間隔をあけて組み付けられてなるルーバーユニットと、該ルーバーユニットの四周に框組みされ、左右一対の縦枠及び少なくとも上下一対の横枠からなる框と、を備えるルーバー扉である。
【0012】
前記ルーバーユニットにおける各縦フレームの
左右方向に対向する面には扉厚さ方向中間部に、前記羽根板の長手方向端部が嵌入可能な複数の羽根嵌入凹部が間隔をあけて設けられ、該羽根嵌入凹部に該羽根板の長手方向端部が嵌入されることにより、該羽根板が前記ルーバーユニットに固定されている。
【0013】
前記ルーバーユニットにおける各縦フレームの前記羽根嵌入凹部が設けられた面とは反対面である外側面には扉厚さ方向中間部に、嵌合凸部が長手方向に沿って設けられ、前記框における各縦枠の内側面には扉厚さ方向中間部に、前記嵌合凸部に嵌合可能な嵌合凹部が長手方向に沿って設けられている。
【0014】
そして、前記縦枠の嵌合凹部に前記縦フレームの嵌合凸部が嵌合されることにより、前記ルーバーユニットが前記框の縦枠に固定されていることを特徴とする。
【0015】
第1の発明では、ルーバーユニットにおける各縦フレームに、蟻溝(凹部)ではなく、嵌合凸部が設けられているため、縦フレームに薄肉部が生じず、ルーバーユニット自体の強度が確保される。また、框における各縦枠に設けられた嵌合凹部に、縦フレームの嵌合凸部が嵌合されることにより、ルーバーユニットの縦フレームが框の縦枠に固定されるため、ルーバーユニットが框に支持される支持強度(以下単に支持強度ともいう)が確保される。さらに、嵌合凸部の両側底部分を厚く設ける必要がないため、ルーバーユニットを薄く、即ち扉厚さを薄くすることができる。以上により、ルーバーユニットが框に支持される支持強度を確保しつつ、扉厚さを薄くすることができる。なお、框は四周に框組みされる扉枠であり、その縦枠及び横枠は一般的に剛性(強度)が高いものであるため、縦枠の嵌合凹部の両側壁部分が比較的薄くても支持強度は確保される。
【0016】
また、第1の発明では、羽根嵌入凹部に羽根板が嵌入されることにより、羽根板がルーバーユニットに固定されているため、羽根板のルーバーユニットへの組み立てが簡単である。また、羽根嵌入凹部に羽根板が嵌入されることで、羽根板がルーバーユニット(羽根嵌入凹部)から脱落するのを防止することができる。
【0017】
第2の発明は、左右一対の縦フレーム及び上下一対の横フレームが枠組みされ、かつ該縦フレーム間に複数の羽根板が間隔をあけて組み付けられてなるルーバーユニットと、該ルーバーユニットの四周に框組みされ、左右一対の縦枠及び少なくとも上下一対の横枠からなる框と、を備えるルーバー扉である。
【0018】
前記ルーバーユニットにおける各縦フレームの外側面には扉厚さ方向中間部に、嵌合凸部が長手方向に沿って設けられ、前記框における各縦枠の内側面には扉厚さ方向中間部に、前記嵌合凸部に嵌合可能な嵌合凹部が長手方向に沿って設けられている。また、前記縦フレームの嵌合凸部における先端
面に、接着剤を充填するための接着剤充填凹部が設けられている。そして、前記縦枠の嵌合凹部に前記縦フレームの嵌合凸部が嵌合されることにより、前記接着剤充填凹部に充填された前記接着剤で、前記ルーバーユニットが前記框の縦枠に接着固定されていることを特徴とする。
【0019】
第2の発明では、第1の発明と同様に、ルーバーユニットが框に支持される支持強度を確保しつつ、扉厚さを薄くすることができる。また、接着剤充填凹部に充填された接着剤により、ルーバーユニットの縦フレームが框の縦枠に接着固定されているため、支持強度がより一層向上する。
【0020】
第3の発明は、左右一対の縦フレーム及び上下一対の横フレームが枠組みされ、かつ該縦フレーム間に複数の羽根板が間隔をあけて組み付けられてなるルーバーユニットと、該ルーバーユニットの四周に框組みされ、左右一対の縦枠及び少なくとも上下一対の横枠からなる框と、を備えるルーバー扉である。
【0021】
前記ルーバーユニットにおける各縦フレームの外側面には扉厚さ方向中間部に、嵌合凸部が長手方向に沿って設けられ、前記框における各縦枠の内側面には扉厚さ方向中間部に、前記嵌合凸部に嵌合可能な嵌合凹部が長手方向に沿って設けられている。また、前記縦枠の嵌合凹部における扉表面側壁部又は扉裏面側壁部の少なくとも一方に、
該縦枠と前記縦フレームとの境界部分が覆われて隠れるように扉中央に向かって延びる化粧片が長手方向に沿って
該縦枠と一体に設けられている。そして、前記縦枠の嵌合凹部に前記縦フレームの嵌合凸部が嵌合されることにより、前記ルーバーユニットが前記框の縦枠に固定されていることを特徴とする。
【0022】
第3の発明では、第1の発明と同様に、ルーバーユニットが框に支持される支持強度を確保しつつ、扉厚さを薄くすることができる。また、框の縦枠とルーバーユニットの縦フレームとの境界部分が化粧片により覆われて隠れるため、ルーバー扉の意匠性の向上を図ることができる。
【0023】
第4の発明は、第1〜3の発明のいずれか1つにおいて、前記縦フレームの嵌合凸部、又は前記縦枠の嵌合凹部の少なくとも一方に、該嵌合凸部が該嵌合凹部から抜け出るのを阻止するための抜け止め部が長手方向に沿って設けられていることを特徴とする。
【0024】
第4の発明では、嵌合凸部又は嵌合凹部の少なくとも一方に抜け止め部が設けられているため、支持強度がさらに向上する。
【0025】
第5の発明は、第1〜3の発明のいずれか1つにおいて、前記ルーバーユニットにおける各横フレームの外側面には扉厚さ方向中間部に、フレーム雌実部が長手方向に沿って設けられ、前記框における各横枠の前記横フレームに対応する面には扉厚さ方向中間部に、枠雌実部が長手方向に沿って設けられており、前記フレーム雌実部及び前記枠雌実部に雄実部材の各端部が嵌合されることにより、前記ルーバーユニットが該雄実部材により前記框の横枠に固定されていることを特徴とする。
【0026】
第5の発明では、雄実部材によりルーバーユニットの横フレームが框の横枠に固定されるため、ルーバーユニットの框の横枠への固定が簡単である。
【0027】
第6の発明は、第1〜3の発明のいずれか1つにおいて、前記框における各横枠の長手方向両端部に、横連結凹部が設けられ、前記框における各縦枠の嵌合凹部の底面には前記横連結凹部に対応する位置に、縦連結凹部が設けられ、前記横連結凹部及び前記縦連結凹部に連結部材の各端部が嵌合されることにより、前記横枠と前記縦枠とが該連結部材により連結固定されていることを特徴とする。
【0028】
第6の発明では、連結部材により、ビスを用いることなく框の縦枠と横枠とが連結固定されて、框がルーバーユニットの四周に框組みされているため、ルーバー扉の意匠性がより一層向上する。
【0029】
第7の発明は、第1〜3の発明のいずれか1つにおいて、前記框における縦枠及び横枠は木質材からなることを特徴とする。
【0030】
第7の発明では、框における縦枠及び横枠は剛性(強度)が高い木質材からなるため、支持強度が確実に確保される。
【発明の効果】
【0031】
以上に説明したように、本発明によれば、ルーバーユニットが框に支持される支持強度を確保しつつ、扉厚さを薄くすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0034】
<実施形態1>
(ルーバー扉)
図1は、本発明の実施形態1に係るルーバー扉1を示す。このルーバー扉1は、収納庫内の換気が必要な例えば玄関収納等の扉として使用されるものである。ルーバー扉1は、長手方向に並列された2つのルーバーユニット2,2と、ルーバーユニット2,2間に介在され、かつルーバーユニット2,2が連結されたユニット全体の四周に框組みされる框3と、を備える。
【0035】
図2に示すように、ルーバーユニット2は、例えば低発泡ABS等の樹脂材からなる左右一対の縦フレーム20,20及び上下一対の横フレーム21,21が枠組みされている。また、縦フレーム20,20間に、例えば樹脂製、木製等の矩形状板材からなる複数の羽根板22,22,…が間隔をあけて組み付けられている。即ち、複数の羽根板22,22,…と、縦横フレーム20,21,…とが一体化されて、一つのルーバーユニット2が構成されている。
【0036】
より具体的には、
図3及び
図4に示すように、ルーバーユニット2における各縦フレーム20の
左右方向に対向する面(即ち内側面)には扉厚さ方向中間部に、縦フレーム長手方向に対して傾斜し、羽根板22の長手方向端部が嵌入可能な複数の羽根嵌入凹部23,23,…(
図3及び
図4のみに示す)が間隔をあけて設けられている。これにより、羽根嵌入凹部23に羽根板22の長手方向端部が嵌入された状態の縦フレーム20に横フレーム21が枠組み固定されることで、羽根板22がルーバーユニット2に組み付けられる。このように、ルーバーユニット2は、羽根嵌入凹部23に羽根板22を嵌入した縦フレーム20に横フレーム21を枠組み固定するだけで、簡単に組み立て可能に構成されている。なお、縦フレーム20と横フレーム21の固定方法は、例えばピンタッカーによりタッカー留めする方法等が挙げられる。
【0037】
このルーバーユニット2によれば、ルーバー扉1の幅のみならず、その高さ特注にも容易に対応することができる。具体的には、高さ特注のルーバー扉1は、例えば、標準サイズの各縦フレーム20の長手方向の寸法を特注サイズに調整して切断するだけで簡単に製造することができる。即ち、特注サイズに加工された各縦フレームを用い、上記と同様にして、羽根板22を組み付け、横フレーム21で枠組み固定することで、高さ特注のルーバー扉1を製造することができる。
【0038】
一方、幅特注のルーバー扉1は、例えば、標準サイズの羽根板22を長手方向の寸法が特注サイズに変更された羽根板に変更する方法、標準サイズの羽根板22の長手方向の寸法を特注サイズに調整して切断する方法等により簡単に製造することができる。
【0039】
図5及び
図6に示すように、ルーバーユニット2における各縦フレーム20の外側面(即ち羽根嵌入凹部23が設けられた面(羽根板22が配置された面)とは反対面)には扉厚さ方向中間部に、その長手方向に沿って全体にわたり、嵌合凸部24が設けられている。なお、
図5では、羽根板22及び上側の横フレーム21が省略されている(羽根板22及び上側の横フレーム21が縦フレーム20から取り外された状態が示されている)。
【0040】
この嵌合凸部24における先端面には、接着剤を充填するための接着剤充填凹部25が設けられている。
【0041】
また、嵌合凸部24の両側面端部には、その長手方向に沿って全体にわたり、嵌合凸部24が後述する嵌合凹部33から抜け出るのを阻止するための抜け止め部26が設けられている。この抜け止め部26は、嵌合凸部24を嵌合凹部33から引き抜くときに、嵌合凸部24の嵌合凹部33に対する抵抗が大きくなるようになっている。
【0042】
一方、
図3及び
図4に示すように、ルーバーユニット2における各横フレーム21の外側面(即ち羽根板22が配置された面とは反対面)には扉厚さ方向中間部に、その長手方向に沿って長手方向中間にフレーム雌実部27が設けられている(
図1も参照)。このフレーム雌実部27は、雄実部材として例えば樹脂製、木製等の矩形状板材からなるやとい実4が嵌合可能に設けられている。なお、やとい実4の表面の少なくとも一方に抜け止め構造が設けられていてもよい。
【0043】
また、各横フレーム21の内側面(即ち羽根板22が配置された面、フレーム雌実部27が設けられた面とは反対面)には、その長手方向に沿って全体にわたり、羽根板22の短手方向端部に干渉しないように切り欠かれた切欠き部28が設けられている。
【0044】
ルーバーユニット2の大きさは、例えば、高さが500mm〜1000mm、幅が200mm〜400mm、厚さが15mm〜25mm等である。
【0045】
縦フレーム20における嵌合凸部24の大きさは、例えば、縦フレーム(嵌合凸部24を含む)の幅が20mm、厚さが20mmの場合、突出寸法が8mm程度、厚さが10mm程度である。また、縦フレーム20における羽根嵌入凹部23の深さは、羽根板22の形状、材質、重さ等に応じて決定すればよいが、例えば、縦フレーム(嵌合凸部24を含む)の幅が20mmの場合、10mm程度である。
【0046】
羽根板22の大きさは、例えば、縦(短手寸法)が25mm〜45mm、横(長手寸法)が250mm〜350mm、厚さが2mm〜10mm等である。
【0047】
なお、ルーバーユニット2のデザインに応じて、縦フレーム20、横フレーム21及び羽根板22の表面全体又は一部に、表面化粧シートがラッピングマシン等により貼着一体化されていてもよい。また、縦フレーム20及び横フレーム21の材質は、樹脂材の他、例えば木材、框3と同じ材質等であってもよい。
【0048】
框3は、
図1に示すように、ルーバーユニット2(
図1では、後述する中横枠32を介して長手方向に並列された2つのルーバーユニット2,2が連結されたユニット全体)の四周に框組みされる扉枠である。
【0049】
この框3は、例えばMDF等の木質材からなる、左右一対の縦枠30,30と、上下一対の横枠31,31(以下単に上下横枠ともいう)と、2つのルーバーユニット2,2間に介在された中横枠32(以下、上下横枠と中横枠とを合わせて単に横枠ともいう)と、から構成される。なお、縦枠30及び横枠31の材質は、木質材の他、扉枠として十分な剛性を有するものであれば、例えば、金属材、樹脂材等であってもよい。
【0050】
図5及び
図7に示すように、框3における各縦枠30の内側面(即ちルーバーユニット2における各縦フレーム20の外側面に対応する面)には扉厚さ方向中間部に、その長手方向に沿って全体にわたり、縦フレーム20の嵌合凸部24に嵌合可能な嵌合凹部33が設けられている。この嵌合凹部33に嵌合凸部24が嵌合されることにより、ルーバーユニット2の縦フレーム20が框3の縦枠30に固定されている。
【0051】
このとき、上述のごとく、縦フレーム20の嵌合凸部24先端の接着剤充填凹部25には接着剤が充填され、かつ嵌合凸部両側面端部には抜け止め部26が設けられているため、嵌合凸部24(縦フレーム20)が抜け止め状態で嵌合凹部33(縦枠30)に嵌合されて接着固定されることになる。
【0052】
また、各縦枠30の嵌合凹部33における扉表面側壁部には、その長手方向に沿って全体にわたり、扉中央に向かって延びる化粧片34が設けられている。具体的には、化粧片34の先端は、平面視でルーバーユニット2における縦フレーム20の内側端縁近傍まで延びている。これにより、
図5に示すように、縦枠30(框3)と縦フレーム20(ルーバーユニット2)との境界部分が化粧片34で覆われて隠れるようになっている。なお、化粧片34により、縦フレーム20と羽根板22との組み付け境界部まで隠れるようにしてもよい。
【0053】
さらに、
図1、
図5及び
図7に示すように、各縦枠30の嵌合凹部33の底面には、後述する横連結凹部36に対応する位置に、複数(
図1では2つずつ)の縦連結凹部35,35が設けられている。
【0054】
一方、
図1、
図3〜
図5に示すように、各横枠31,32の長手方向両端部には、縦連結凹部35と同じ数だけ横連結凹部36,36が設けられている。この横連結凹部36及び縦連結凹部35に連結部材としての例えばダボ5等の各端部が嵌合されることにより、縦枠30と横枠31とがダボ5により連結固定される。このように、ルーバーユニット2の四周に框組み固定された框3の縦枠30と横枠31とがダボ5によりビスを用いることなく連結固定されている。なお、接着剤を用いて、ダボ5と接着剤により、縦枠30と横枠31とを接着固定してもよい。
【0055】
また、
図3及び
図4に示すように、各上下中横枠31,32の横フレーム21に対応する面(即ち内側面)には扉厚さ方向中間部に、フレーム雌実部27に対応し、かつやとい実4が嵌合可能な枠雌実部37が長手方向に沿って長手方向中間(
図1も参照)に設けられている。この枠雌実部37及びフレーム雌実部27にやとい実4の各端部が嵌合されることで、ルーバーユニット2の横フレーム21がやとい実4により框3の横枠31,32に固定されている。
【0056】
より具体的には、やとい実4を介して、
図3ではルーバー扉1の上下横枠31,31と横フレーム21,21とが、
図4では長手方向に並列された2つのルーバーユニット2,2における対向する各横フレーム21,21と、その間に挟まれた中横枠32とがそれぞれ連結固定されている。
【0057】
以上のようにして構成されるルーバー扉1の大きさは、例えば、高さが1600mm〜1800mm、幅が300mm〜500mm、厚さが20mm〜30mm等である。
【0058】
なお、ルーバー扉1のデザインに応じて、框3における縦枠30及び横枠31,32の表面全体又は一部に、表面化粧シートがラッピングマシン等により貼着一体化されていてもよい。
【0059】
(ルーバー扉の組み立て手順)
次に、
図3〜
図5を参照しながら、
図1に示すルーバー扉1の組み立て手順を以下に説明する。
【0060】
まず、
図2に示すルーバーユニット2を組み立てる。例えば、
図3及び
図4に示す、羽根板22の羽根嵌入凹部23への嵌入角度に合うように複数の羽根板22を並べることが可能な治具等を用い、その治具上に複数の羽根板22,22,…を配置する。
【0061】
この配置状態で、羽根板22をその長手方向両端から2つの縦フレーム20,20で挟むようにして、羽根板22の長手方向両端部を各羽根嵌入凹部23に嵌入させる。
【0062】
次いで、羽根板22が羽根嵌入凹部23に嵌入された状態の縦フレーム20,20を横フレーム21,21で枠組みし、縦フレーム20,20の長手方向両端部から内側(短手方向)に向かってタッカー留めすることにより、縦フレーム20,20及び横フレーム21,21を枠組み固定する。
【0063】
以上の手順により、
図2に示す、縦フレーム20,20及び横フレーム21,21が枠組みされ、かつ縦フレーム20,20間に複数の羽根板22,22,…が間隔をあけて組み付けられたルーバーユニット2を製造することができる。
【0064】
次に、上記で得られたルーバーユニット2に框3を組み付ける。まず、ルーバーユニット2における各横フレーム21のフレーム雌実部27に、やとい実4の一端を嵌入させる。
【0065】
次いで、
図4に示すように、2つのルーバーユニット2,2を長手方向に連続するように配置し、各フレーム雌実部27に嵌入されたやとい実4の他端を、框3における中横枠32の上下2つの枠雌実部37,37にそれぞれ嵌入させる。これにより、中横枠32を介して2つのルーバーユニット2,2が長手方向に連結固定される。
【0066】
同様にして、
図3に示すように、2つのルーバーユニット2,2が連結固定されたユニット全体の上下両端にある各フレーム雌実部27に嵌入されたやとい実4の他端を、框3における上下横枠31,31の枠雌実部37,37にそれぞれ嵌入させる。これにより、ルーバーユニット2,2が連結されたユニット全体の上下横フレーム21,21に上下横枠31,31が連結固定される。
【0067】
なお、やとい実4は、框3における各横枠31,32の枠雌実部37に予め嵌入させ、それをルーバーユニット2における各横フレーム21のフレーム雌実部27に嵌入させてもよい。また、横フレーム21と横枠31,32との組み付け順序は、特に限定されず、作業性に応じて適宜決定すればよい。
【0068】
最後に、
図5に示すように、各横枠31,32が框組みされたルーバーユニット2(上記ユニット全体)に、縦枠30を框組みする。
【0069】
具体的には、まず、各縦枠30の縦連結凹部35にダボ5を接着固定する。また、各縦フレーム20における嵌合凸部24先端の接着剤充填凹部25と、各横枠31,32の横連結凹部36とに接着剤を充填する。
【0070】
次いで、接着剤充填凹部25に接着剤が充填された縦フレーム20の嵌合凸部24を、縦枠30の嵌合凹部33に嵌合させるとともに、縦枠30の縦連結凹部35に接着固定されたダボ5を、横枠31,32の横連結凹部36にそれぞれ嵌入させる。なお、各横枠31,32の横連結凹部36にダボ5を接着固定し、各縦枠30の縦連結凹部35に接着剤を充填してもよい。
【0071】
以上の手順により、
図1に示す、中横枠32を介して2つのルーバーユニット2,2が長手方向に連結されたユニット全体の四周が框3(縦枠30,30及び上下横枠31,31)により框組みされたルーバー扉1が得られる。
【0072】
(効果)
以上のように構成されるルーバー扉1は、ルーバーユニット2における各縦フレーム20に、蟻溝(凹部)ではなく、嵌合凸部24が設けられているため、縦フレーム20に薄肉部が生じず、ルーバーユニット2自体の強度が確保される。また、框3における各縦枠30の嵌合凹部33に嵌合凸部24が嵌合されることにより、縦フレーム20が縦枠30に固定されるため、ルーバーユニット2が縦枠30(框3)に支持される支持強度が確保される。さらに、この支持強度を確保するために、嵌合凸部24の両側底部分を厚く設ける必要がないため、ルーバーユニット2を薄くすることができ、その結果、扉厚さを薄くすることができる。以上により、ルーバーユニット2が框3に支持される支持強度を確保しつつ、扉厚さを薄くすることができる。
【0073】
嵌合凸部24先端の接着剤充填凹部25に充填された接着剤により、縦フレーム20が縦枠30に接着固定されるため、上記支持強度がより一層向上する。
【0074】
嵌合凸部24両側面端部の抜け止め部26により、嵌合凸部24が嵌合凹部33から抜け出るのを阻止することができるため、上記支持強度がさらに向上する。
【0075】
縦枠30の化粧片34により、縦枠30と縦フレーム20との境界部分が覆われて隠れるため、ルーバー扉1の意匠性の向上を図ることができる。
【0076】
やとい実4により、ルーバーユニット2の横フレーム21が框3の横枠31,32に固定されるため、ルーバーユニット2の横枠31,32への固定が簡単である。
【0077】
この構造により、各縦フレーム20を特注サイズに加工するだけで高さ特注のルーバー扉1を簡単に製造することができるため、高さ特注にも容易に対応することができる。換言すると、本実施形態に係るルーバー扉1によれば、受注生産でも短納期が可能になる。
【0078】
ダボ5により、ビスを用いることなく縦枠30と横枠31,32とが連結固定されて、框3がルーバーユニット2の四周に框組みされるため、ルーバー扉1の意匠性がより一層向上する。
【0079】
また、上述のごとく、ルーバーユニット2が縦枠30に支持される支持強度が確保されているため、ダボ5により縦枠30と横枠31,32とが連結固定されたときには、ルーバーユニット2が横枠31,32に支持される支持強度も確保される。即ちルーバーユニット2が框3に支持される支持強度が確保される。
【0080】
縦フレーム20の羽根嵌入凹部23に羽根板22が嵌入されることにより、羽根板22がルーバーユニット2に固定されているため、羽根板22のルーバーユニット2への組み立てが簡単である。また、羽根嵌入凹部23に羽根板22が嵌入されることで、羽根板22がルーバーユニット2(羽根嵌入凹部23)から脱落するのを防止することができる。
【0081】
縦枠30及び横枠31,32は剛性(強度)が高い木質材からなるため、ルーバーユニット2が框3に支持される支持強度が確実に確保される。
【0082】
<その他の実施形態>
上記実施形態1では、接着剤充填凹部25は、ルーバーユニット2における各縦フレーム20の嵌合凸部24の先端面に設けられているが、これに限定されず、框3における各縦枠30の嵌合凹部33の底面に設けられていてもよい。
【0083】
上記実施形態1では、抜け止め部26は、ルーバーユニット2における縦フレーム20の嵌合凸部24の両側面端部に設けられているが、これに限定されず、框3における各縦枠30の嵌合凹部33の両側壁部に設けられていてもよい。
【0084】
上記実施形態1では、框3における横枠として、上下横枠31,31の他に、2つのルーバーユニット2,2間に介在された中横枠32が設けられているが、中横枠32は設けられていなくてもよく、また2つ以上設けられていてもよい。
【0085】
上記実施形態1では、化粧片34は、框3における各縦枠30の嵌合凹部33の扉表面側壁部のみに設けられているが、これに限定されず、扉表面側壁部及び扉裏面側壁部の両方に設けられていてもよい。
【0086】
上記実施形態1では、各縦フレーム20の羽根嵌入凹部23に羽根板22が嵌入される構造であるが、例えば、羽根嵌入凹部23の扉厚さ方向後ろ側端縁が開放されていて、その後ろ側端縁から羽根板22が挿入される構造であってもよい。但し、羽根嵌入凹部23は、羽根板22がルーバーユニット2(羽根嵌入凹部23)から脱落するのを防止する観点から、縦フレーム20に対して開放されずに埋設されていることが好ましい。