(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6803367
(24)【登録日】2020年12月2日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】飲料調製マシン
(51)【国際特許分類】
A47J 31/00 20060101AFI20201214BHJP
A47J 31/54 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
A47J31/00 302
A47J31/54 115
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-500420(P2018-500420)
(86)(22)【出願日】2016年7月7日
(65)【公表番号】特表2018-519126(P2018-519126A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】EP2016066069
(87)【国際公開番号】WO2017005831
(87)【国際公開日】20170112
【審査請求日】2019年6月20日
(31)【優先権主張番号】15176167.3
(32)【優先日】2015年7月9日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511248548
【氏名又は名称】キュー・ビー・オー・コーヒー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】QBO COFFEE GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティーデマン,トルステン
(72)【発明者】
【氏名】テルニテ,リュディガー
【審査官】
河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−096354(JP,A)
【文献】
特表2013−543783(JP,A)
【文献】
特表2008−518700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00−31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一人分のパッケージ(10)に含まれる抽出材料から淹出飲料を調製するための飲料調製マシンであって、水タンク(7)と、ポンプ(11)と、水加熱手段(12)と、前記一人分のパッケージを収容するための淹出チャンバ(16)とを備え、前記ポンプ(11)は、流路によって前記水タンク(7)から前記水加熱手段(12)を介して前記淹出チャンバ(16)内へ水を送るように設計されており、前記流路に沿って温度を測定するための少なくとも1つの温度センサ(15)を備えることを特徴とし、かつ、前記飲料調製マシンは、スイッチオン手順または起動手順の後であってかつ前記水加熱手段の行ない得る加熱手順の前に少なくとも1つの操作状態にある前記温度センサ(15)の場所において初期温度(TA)を測定し、前記水加熱手段(12)が操作温度に達した後に、前記測定された初期温度(TA)が特定の状態に対応する場合にのみ前記淹出チャンバのすすぎ手順を前記水加熱手段からの水で行ない、その後初めて前記一人分のパッケージの前記淹出チャンバ内への導入を行なうように設計されていることを特徴とする、飲料調製マシン。
【請求項2】
前記状態は前記初期温度(TA)が閾値(TS)を下回る状態である、請求項1に記載の飲料調製マシン。
【請求項3】
前記閾値(TS)は35℃〜50℃の間の規定値である、請求項2に記載の飲料調製マシン。
【請求項4】
前記閾値(TS)は操作状態に応じて決まる、請求項2または3に記載の飲料調製マシン。
【請求項5】
前記飲料調製マシンは、規定のまたは特定可能な時間の後にスタンバイモードに自動的に切り替わるように設計されており、前記スタンバイモードでは、前記水加熱手段(12)が停止しており、前記起動手順が前記スタンバイモードからの起動手順である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の飲料調製マシン。
【請求項6】
前記温度センサ(15)は、前記水加熱手段(12)の中またはその上に取付けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の飲料調製マシン。
【請求項7】
前記温度センサ(15)は、前記水加熱手段(12)の下流に配置された流路上に取付けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の飲料調製マシン。
【請求項8】
前記水加熱手段(12)と前記淹出チャンバ(16)との間に配置されたバルブ(18)を備え、前記温度センサ(15)は前記バルブ(18)の下流に配置されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の飲料調製マシン。
【請求項9】
一人分のパッケージ(10)に含まれる抽出材料から淹出飲料を調製するために、請求項1〜8のいずれか1項に記載の飲料調製マシンを操作する方法であって、前記飲料調製マシンは、水タンク(7)と、ポンプ(11)と、水加熱手段(12)と、前記一人分のパッケージを収容するための淹出チャンバ(16)とを備え、前記ポンプ(11)は、流路によって前記水タンク(7)から前記水加熱手段(12)を介して前記淹出チャンバ(16)内へ水を送るように設計されており、
スタンバイモードからの起動に続いてまたは前記飲料調製マシンのスイッチオンに続いて、初期温度として前記流路に沿って温度を測定するステップと、
前記温度を測定するステップの後に、前記水加熱手段内の水を操作温度に加熱するステップと、
前記初期温度が閾値より低い場合にのみ、前記水加熱手段からの加熱された水で前記淹出チャンバのすすぎを行なうステップと、
前記一人分のパッケージ(10)を導入し、淹出されるべき前記飲料を淹出するステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一人分のパッケージング(たとえば、カプセル)と内部に含まれる抽出材料(たとえば、コーヒー)とを有する一人分のパッケージから、飲料などを調製するための飲料調製マシンに関する。特に、本発明は、飲料調製マシンおよび飲料調製マシンを操作するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一人分のパッケージ内の抽出材料から飲料などを調製するための飲料調製マシンは、たとえば、コーヒーマシンまたはエスプレッソマシンとして知られている。対応する多くのシステムでは、一人分のパッケージングはカプセルとして設計され、カプセルでは、抽出材料がたとえば気密状態で密封されている。抽出のために、カプセルには、たとえば互いに反対側である両側に穴があけられている。通常熱水である抽出流体は、第1の側で導入される。抽出品は、第2の側でカプセルから排出される。これは、いわゆる淹出モジュールにおいて行なわれる。そのようなモジュールは、カプセルが淹出プロセスのために収容される淹出チャンバを備える。カプセルに加えて、いわゆるパッドも知られている。これらのパッドに関しては、一人分のパッケージングは透水性フィルタペーパーから構成されているため、必ずしも穴をあける必要がない。
【0003】
ここで述べる種類の飲料調製マシンは、水タンクおよびポンプに加えて、水加熱手段(連続ヒータ、または場合によってはボイラ)を備える。水は水加熱手段から淹出チャンバ内へ入り、そこで淹出プロセスが行なわれる。
【0004】
淹出プロセスにおいて生成された淹出飲料の品質は、淹出温度にきわめて依存している。水加熱手段の出口側における温度は、この目的のために正確に調節可能である。これにもかかわらず、実際には、淹出温度の変動およびその結果生じる淹出飲料の品質の変動が観察されてきた。これの重要な理由は、次の問題にあるであろう。マシンがしばらくの間使われていない場合、淹出チャンバの構成要素は冷たくなる。そこで飲料、特に少量の飲料(たとえば、エスプレッソまたはリステロット)が淹出されると、その結果、飲料も淹出チャンバを通る経路上でいくぶん冷たくなる。
【0005】
このような背景で、EP 0 935 938は、電気加熱要素および加熱要素内の温度を調節(閉ループ制御)するための制御ループを有するエスプレッソマシーンを教示している。エスプレッソマシーンのスイッチを入れた後の最初の淹出の場合に、飲料が冷却されて所望の飲料温度より低くなるのを防ぐために、加熱要素の所望の温度を加熱要素(サーモブロック)の出口温度に依存させることが示唆されている。たとえば、出口温度が室温に対応している場合、所望の温度を加熱要素が既に温かくなっている場合より約10度高くすることができ、その結果、飲料が最終的に同じ温度になる。しかしながら、この解決策では、必然的に水温は抽出材料(コーヒーパウダ)と最初に接触した際に常に同じにならないため、アロマなどの飲料特性に影響を及ぼす。これは、淹出温度に関連するアロマ特性を考慮すると不利になり得、したがって、飲料品質が変動するという、概略説明された問題は解決されない。
【0006】
WO2014/195842はコーヒーマシンに関し、これについて、連続ヒータの流量は、その出口側の温度が規定値に対応するように、温度に依存して調節される。しかしながら、これは最初に概略説明された問題の解決策を示していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服し、特に、それ以前の状態に関係なく可能な限り一定の淹出温度および飲料温度を確保する飲料調製マシンを提供することである。飲料調製マシンは、できる限り多くの資源の保存を可能にするべきであることが好ましく、操作および取り扱いにおいてユーザにとって快適な解決策の障害とならないようにしなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様によると、一人分のパッケージング内の抽出材料を有する一人分のパッケージから淹出飲料を調製するための飲料調製マシンを提供する。飲料調製マシンは、水タンクと、ポンプと、水加熱手段と、一人分のパッケージを収容するための淹出チャンバとを備え、ポンプは、流路によって水タンクから水加熱手段を介して淹出チャンバ内へ水を送るように構成されている。飲料調製マシンは、流路に沿って(流体加熱手段の場所またはこの下流に配置された場所において)温度を測定するための少なくとも1つの温度センサを備えることを特徴とする。また、飲料調製マシンは、スイッチオン手順または起動手順の後であってかつ水加熱手段の行ない得る加熱手順の前に少なくとも1つの操作状態(たとえば、調整可能な操作状態または各操作で想定される状態)にある温度センサの場所において初期温度を測定し、水加熱手段が操作温度に達した後に、具体的には、測定された初期温度が特定の状態に対応する場合にのみ、淹出チャンバのすすぎ手順を水加熱手段からの水で行なうように構成されていることを特徴とする。一人分のパッケージの淹出チャンバ内への導入は、そのような実行可能なすすぎ手順が終わるまでは行なわれない。
【0009】
すすぎ手順が実行されるように初期温度が対応しなければならない状態は、特に固定閾値を下回ることがある。25℃〜85℃の間または30℃〜60℃の間、特に35℃〜50℃の間の閾値がこの目的のために有効であることが分かっている。最適な閾値は、状況、たとえば、淹出チャンバ部品の全熱容量と比較して水で満たされた水加熱手段の全熱容量、それぞれの熱伝導率特性などによって決まる。特定の種類の飲料調製マシンのために数字計算によっておよび/または実験的に最適な閾値を決めることもでき、その後、ソフトウェアによって、または可能であればさらにハードウェアによって(たとえば、バイメタル板の形で)飲料調製マシンにおいて設定可能である。ユーザによってまたはサービススタッフによって影響され得ることを除外できない。
【0010】
固定閾値の代わりに、他の状態、たとえば、状況(たとえば、あらかじめ設定された流体量)に依存する閾値が考えられる。あらかじめ設定された流体量が小さい場合、すすぎは低い温度よりも高い温度で実行しておく。
【0011】
飲料調製マシンは、各起動手順(および場合によってはスイッチオン手順)の後で、または、マシンがユーザによって選択可能な操作状態の場合(たとえば、「自動スタンバイ」または「エスプレッソ/リステロット」など)、初期温度に依存するすすぎ手順を実行するように構成可能である。
【0012】
特に起動手順は、水加熱手段にエネルギーが供給されないスタンバイモードからの起動を含み得る。ここで、(スタンバイモードからの)起動手順の後でのみ、またはスイッチオン手順および起動手順の後で、測定された初期温度に応じて行なわれる、または行なわれないすすぎ手順を一連の動作に設け得る。第1の場合(起動手順の後でのみ)、たとえば、初期温度とは関係なくスイッチオン手順の後にすすぎ手順が常に行なわれることが考えられる。
【0013】
本発明に係る手順は、たとえば、自動スタンバイ操作に結合される。この操作については、飲料調製マシンが規定の条件を満たした後、たとえば淹出することなく特定の時間間隔が経過した後、たとえば1分または数分後にスタンバイモードになる。本発明に係る手順は、そのような自動スタンバイ操作の文脈ではきわめて特に有利である。なぜなら、この手順は、特にスタンバイモードが短い期間後に想定されている場合、操作快適性および飲料の品質を大幅に損なうことなく、エネルギーの節約に関してこのモードの利点を利用可能だからである。
【0014】
本発明に係る手順の他のエネルギー節約効果は、すすぎ手順を毎回実行するのではなく、確かに規定の条件が満たされた場合にのみ、したがって淹出チャンバが十分に温かくないと予想された場合に実行することによって達成される。
【0015】
一人分のパッケージの淹出チャンバ内への導入は、たとえば、以下によって実行可能である。
【0016】
‐ 中間位置、たとえばカプセル認識位置で保持されている、または店で保持されていることもある一人分のパッケージの淹出チャンバ内への搬送、または、中間位置で保持されている一人分のパッケージの淹出チャンバ内への落下を可能にする。
【0017】
‐ 次に、ユーザに一人分のパッケージを挿入するように要求する(測定された初期温度が閾値よりも低かった場合、すすぎ手順が終わった後で初めて、他の態様ではたとえば、スイッチオンもしくは起動手順の直後または加熱の後で)。
【0018】
‐ たとえば挿入開口部を塞ぐことによって、すすぎ手順がおそらく完了するまでは防止されていた、ユーザへの対応する信号に結合されていた可能性のある一人分のパッケージの導入を可能にする。
【0019】
本発明は、完成した淹出飲料の淹出温度の変動および温度の不均一性が特に淹出チャンバ自体が依然として温かいか温かくないかによって決まるという認識に基づいている。最後に淹出プロセスが行なわれてから時間が経過している場合、特定の状況にある淹出チャンバはすでに冷たくなっており、最初の淹出では不十分な結果になる。この状況は、スタンバイモードへの遷移までの時間をそれに応じて依存する態様で(すなわち、スタンバイモードへの切り替えにかかる時間と、淹出チャンバの冷却が持続する時間がほぼ同程度である)選択することによって、および/または、飲料調製マシンが各スイッチオン手順または起動手順後に熱水で短時間のすすぎ手順を行なうようにプログラムされていることによって、対処可能である。しかしながら、前者の場合は消費エネルギーが増加するという欠点があり、後者の場合は、特定の状況では、特にコーヒーマシンがエネルギー節約の理由から使用後に急速にスタンバイモードになる場合、すすぎ手順を実質的に各淹出の前に行なわなければならないという欠点がある。これは、消費者によって不快で無駄だと認識されている。
【0020】
本発明によると、初期温度はおそらく加熱の前に測定されるが、これにもかかわらず、すすぎ手順による淹出チャンバの予備加熱は必要に応じて実施可能であるため、スタンバイモードへの遷移は、任意の急速な態様で実行可能である。考えられる環境に関する影響、特に周囲温度は、何ら制限なしで考慮される。
【0021】
特に、温度センサは、流路に沿った要素の中もしくはその上に、具体的には、水加熱手段の中もしくはその上に、または水加熱手段の下流に配置された要素上に、たとえば、淹出チャンバへの流体管または淹出チャンバ自体の要素上に取付けられている。特定の状況で、上記温度センサが水加熱手段自体の中またはその上に取付けられている場合、特に有利であることが分かった。これは第1に、温度センサがいずれにしてもそこに存在している場合が多く、水加熱手段の調節のために使用され、したがって追加的なハードウェアの手間が必要でないという事実に起因する。第2に、一方の淹出チャンバの部品の温度と他方の水加熱手段の温度との間には相関関係が存在するため、水加熱手段の場所で測定が可能である。この場合、汚染に部分的にさらされやすい可動部を有する淹出チャンバの中にある場合と比べてよりシンプルであり、これにもかかわらず重要性を有している。しかしながら、温度センサが淹出チャンバ、たとえば、熱水が一人分のパッケージ内に導入されるインジェクタと直接接触して取付けられているということを除外しない。
【0022】
同様に、本発明の主題は、特に上述の種類の飲料調製マシンを操作するための方法であって、以下のステップを有する。
【0023】
‐ スタンバイモードからの起動のための信号に続いて、または飲料調製マシンのスイッチオンに続いて、特にユーザによって好適な操作要素(ボタンなど)を起動することによって、初期温度として流路(特に、水加熱手段の中またはその上)に沿って温度を測定すること。
【0024】
‐ 温度を測定後、水加熱手段内の水を操作温度まで加熱すること。
‐ 初期温度が閾値を下回る場合にのみ、水加熱手段からの加熱された水で淹出チャンバをすすぐこと。
【0025】
‐ 一人分のパッケージを導入すること、および淹出されるべき飲料を淹出すること。
本発明の実施形態例を、以降図面によって説明する。図面では、同じ参照番号は同じまたは類似の構成要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に係る飲料調製マシンの例としてのコーヒーマシンを示す図である。
【
図5】飲料調製マシンが実行する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1の飲料調製マシン1は、たとえば、水平淹出モジュールを有する、それ自体が知られている種類の一人分のカプセルコーヒーマシンである。
【0028】
コーヒーマシン1は、筐体2に加えて、飲料容器のための載置面3を備える。ここでは、載置面3は、排水格子およびその下方に位置する、流体のしずくのための捕捉容器を有している(図では覆われている)。飲料出口5は載置面の上方に位置しており、これを通って、たとえばコーヒーなどの飲料が飲料容器の中へ入る。図示された実施形態例では、水容器7を充填および清掃のために前方に引き出すことができる。使用済みの飲料カプセルのための捕捉容器9は、水容器7の隣に位置している。水平淹出モジュールを有する飲料調製マシンについてそれ自体が知られているように、カプセルは、飲料プロセスのために飲料調製マシン内側に配置された淹出チャンバ内に入った後に捕捉容器9に入り、淹出プロセスの後に落下する。
【0029】
淹出チャンバを開放可能な操作レバー8も、
図1に示されており、カプセルを淹出チャンバ内に挿入するための挿入開口部または中間位置は、図では折り曲げられて示されている操作レバーの状態で、まっすぐに覆われている。
【0030】
図2は、そのような飲料調製マシン1の模式図である。このマシンは、水タンク7に加えて、淹出水を淹出チャンバに供給するためのポンプ11と、水加熱手段12(たとえば、連続ヒータまたはボイラ)とを備える。コントローラ13は、必要に応じてポンプ11および水加熱手段12を作動させるように構成されており、そのために、図示されていないユーザ入力手段と接触している。さらに、付加的な要素、たとえば流量計をそれ自体知られている態様で流路に沿って設けることができ、そのような流量計は、水加熱手段の上流に配置されていることが好ましい。
【0031】
温度センサ15が水加熱手段に取付けられている(または代替的に、温度センサは、水加熱手段の内部まで達し水と直接接触するプローブを備え得る)。コントローラ13は、温度センサを読み取るように構成されている。これは、たとえば水加熱手段の温度を調節するために使用される。温度センサ15は、以下でさらに説明するように、本発明に係る手順のために付加的に使用される。
【0032】
通常の操作の場合、カプセルの設計が本発明に係る手順に何も影響を及ぼさない、WO2010/118543に記載の図示された実施形態例において、一人分のカプセル10は淹出チャンバ16内に上から挿入される。たとえば、未公開のヨーロッパ特許出願14195680.5に説明されているように、そのような挿入をまず淹出チャンバ外側の中間位置で行なうことが考えられる。カプセル認識ステップを、中間位置で任意に実行することも可能である。淹出チャンバ16内へのカプセルの前方への移動は、そのような場合、マシンによって制御される。補助的にまたは代替的に、カプセルが淹出チャンバ内に入る時点に影響を及ぼすための他の手段が存在し得る。そのような他の手段は、可能であればカラーコードの助けを借りて、挿入を妨げること、および/またはユーザのために対応する表示を行なうことを含み得る。
【0033】
ポンプによって送られた、加熱された淹出水は、淹出チャンバ16内のカプセルを流れる。飲料出口を通って載置面上で飲料出口の下方に配置された飲料容器30に入る淹出飲料は、抽出プロセスによって生じる。一人分のカプセルは、淹出プロセスの後に、下方に捕捉容器9内へと排出される。
【0034】
図3は飲料調製マシンの模式図である。これに関して、ここで説明される手順のために使用される温度センサは水加熱手段12上にまたはその中に配置されておらず、水加熱手段の下流に配置された流体管上またはその中に配置されている。
【0035】
ここで説明される種類の飲料調製マシンにおいて、少なくとも1つのバルブ18が、一方の水加熱手段12と他方の淹出チャンバ16との間に配置されていることが多い。これを、
図4の実施形態によって模式的に示す。とりわけ、そのようなバルブ18は、たとえば、ここではさらに説明されないミルクモジュール用に、たとえば加熱された水を選択的に淹出チャンバまたは別の流体管、たとえば飲料調製マシンの熱水接続部、蒸気接続部および/または清掃路に供給するように機能することが可能である。
【0036】
そのようなバルブ18は、熱的に分離した態様で、または、熱を放散可能な方法によって、冷却するような態様で機能する効果を有し得る。そのような場合、実施形態において、温度センサ15は
図4に同様に示す水加熱手段の下流に配置されていると便利であり得る。
【0037】
当然のことながら、組合せも可能である。たとえば、温度センサは水加熱手段の中および/または水加熱手段の上に位置し得、温度センサはまた、水加熱手段の下流の流路上またはその中に、可能であればバルブの下流に位置し得る。コントローラは、温度センサのうちの特定の1つの読み取りを考慮するように、ユーザ設定に依存する値を考慮するように、または異なる測定値の組合せから計算によって生じる値を考慮するように構成可能である。
【0038】
飲料調製マシンは、淹出チャンバが依然として淹出プロセスのために十分に温かいかどうかを判断するために、初期設定の後に(特に、スタンバイモードからの起動後に)最初に温度センサ15によって温度を測定するように構成されている。
図5は、ステップの順序を模式的に示す図である。初期温度T
Aの測定22は、初期設定21(ユーザによるマシーンのスイッチオンまたは起動)の後に温度センサ15によって行なわれる。次に、水加熱手段12は加熱される。次に、測定済みの初期温度T
Aに応じて、すすぎ手順25が実行される、または実行されない。初期温度T
Aがたとえば40℃の閾値T
Sよりも小さい場合に、すすぎ手順は行なわれる。
図5の参照番号24は、ステップの順序における分岐ポイントを示し、破線矢印29は、前のステップ(測定22)で決定された値T
Aが比較されることを示す。
【0039】
一人分のパッケージ、特にカプセル、たとえばコーヒーカプセルの挿入26は、すすぎが行なわれた場合はその後に続いて、または加熱に続いて行なわれる。初期温度が閾値よりも高い場合、一人分のパッケージの挿入は、加熱手順と同時にすでに完了しておくことも可能である。次に、淹出手順27は、それ自体知られているように行なわれ、その後、方法は、たとえば一人分のパッケージを捕捉容器9内に排出することによって終了する(完了28)。
【0040】
加えて、飲料調製マシンが既にスイッチオンになっていないまたは起動されていない場合、淹出プロセス前に上述の手順(すすぎ、読出しに応じた態様での測定)も行なうように構成可能である。