(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6803383
(24)【登録日】2020年12月2日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】テーパーヘッドを備えたクリンチ式ファスナー装置
(51)【国際特許分類】
F16B 19/04 20060101AFI20201214BHJP
F16B 5/06 20060101ALI20201214BHJP
F16B 17/00 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
F16B19/04
F16B5/06 A
F16B17/00 A
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-525519(P2018-525519)
(86)(22)【出願日】2016年7月28日
(65)【公表番号】特表2018-523802(P2018-523802A)
(43)【公表日】2018年8月23日
(86)【国際出願番号】US2016044582
(87)【国際公開番号】WO2017019912
(87)【国際公開日】20170202
【審査請求日】2019年7月16日
(31)【優先権主張番号】62/197,850
(32)【優先日】2015年7月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518030139
【氏名又は名称】ペン エンジニアリング アンド マニュファクチュアリング コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】PENN ENGINEERING & MANUFACTURING CORP.
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】マロニー,マイケル,ジェイ.
【審査官】
杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−508643(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02671654(EP,A1)
【文献】
特開2010−261578(JP,A)
【文献】
米国特許第04004483(US,A)
【文献】
特表2014−525018(JP,A)
【文献】
特開2006−226302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 19/04
F16B 5/06
F16B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリンチ式のファスナー装置であって、
このファスナー装置の中心垂直軸線に対して略直交する底面を有しており且つテーパー形状による戻り止め締め付けに用いる円錐台形状のヘッドであって、下向きに収斂する単一テーパー形状の外周側面を有する円錐台形で画定された円錐台状ヘッド、
このファスナー装置を取り付ける部材の嵌め込みに適合するアンダーカットであって、前記円錐台状ヘッドの真下に設けられた前記アンダーカット、および
このファスナー装置の底部になる軸部であって、前記アンダーカットの真下に設けられた前記軸部が在って、
前記円錐台状ヘッドと前記アンダーカットと前記軸部とが、上から下にかけて配列されていることを特徴とするクリンチ式ファスナー装置。
【請求項2】
前記ヘッドが平面状の上面を有し、この上面が前記底面に対して実質的に平行である請求項1に記載のファスナー装置。
【請求項3】
横方向横断面が全ての点において円形で、前記軸線に関して対称である請求項2に記載のファスナー装置。
【請求項4】
前記軸部の遠位端がテーパー状になっている請求項1に記載のファスナー装置。
【請求項5】
前記軸部がバレル状である請求項4に記載のファスナー装置。
【請求項6】
下向きに収斂するテーパー形状の上部穴を均一直径の下部穴に続けて繋げる構造で2つの同心円を複合して設ける第1の穴が予め備えられた第1パネル、および、
この第1パネルに対接する位置に設けた第2パネルであって、前記第1の穴の前記下部穴に整列する円形の第2の穴を有する前記第2パネルが在って、
テーパー形状による戻り止め締め付けに用いる円錐台形状のヘッドによって、前記第1パネルを変形させることなく前記第1の穴の前記テーパー形状の部分内に摩擦嵌合することのみで前記第1パネルに強固に接合し且つ前記第1パネルと前記第2パネルとを接合する前記円錐台形状のヘッドを備えたクリンチ式ファスナー装置を有することを特徴とするパネル体。
【請求項7】
前記ファスナー装置のヘッドの上面が、前記第1パネルの上面と同じ高さである請求項6に記載のパネル体。
【請求項8】
前記ファスナー装置が、前記第2パネルから金属の冷間流れを受け取るアンダーカットを有する請求項7に記載のパネル体。
【請求項9】
両パネルが金属製である請求項6に記載のパネル体。
【請求項10】
前記ファスナー装置のヘッドが、かじり作用によって前記第1パネルに接合した請求項6に記載のパネル体。
【請求項11】
前記ファスナー装置および前記第1パネルがステンレス鋼製である請求項10に記載のパネル体。
【請求項12】
下向きに収斂するテーパー形状の上部穴を均一直径の下部穴に続けて繋げる構造で2つの同心円を複合して設ける円形穴が備えられた第1パネルが在って、
前記第1パネルを変形させることなく前記円形穴の前記テーパー形状の上部穴内に摩擦嵌合することのみで前記第1パネルに強固に接合し且つ下向きに収斂する形状の円錐台形状のヘッドを備えたクリンチ式ファスナー装置を有することを特徴とするパネル体。
【請求項13】
前記ヘッドの外面が連続面である請求項1に記載のファスナー装置。
【請求項14】
前記ファスナー装置が、前記ヘッドの真下に設けられたアンダーカットを有する請求項6に記載のパネル体。
【請求項15】
前記ファスナー装置のヘッドが、前記第1パネルの下方に延在し、前記第2パネルの材料を前記アンダーカットに変位させるようになった底面を有する請求項14に記載のパネル体。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、2016年7月28日を出願日とし、“テーパーヘッドをもつタックピン”を発明の名称とする米国仮特許出願第62/197,850号の優先権を主張する出願である。
【技術分野】
【0002】
本発明は、金属パネルを直接接続するファスナー装置に関する。
【背景技術】
【0003】
第1パネルの開口に延在するファスナー装置を使用して第1パネルと第2パネルとを接続するためには、通常、このファスナー装置は第1パネルに当接するか、あるいは取り付けられるヘッドを備える必要がある。一部の構成の場合、ファスナー装置のヘッドは高さが第1パネルと同じか、あるいは低い。この構成では、通常、ファスナーヘッドが十分柔らかいため、パネルに埋設し、高さが同じになる。ところが、第1パネルがきわめて硬い材料からなる場合にはこの選択肢は取ることができない。従って、上下のパネルを接合し、上部パネルの高さに一致するファスナー装置が望まれている。また、きわめて硬い材料からなるパネルに同じ高さで装着できるフラッシュマウント式ファスナー装置も求められている。
【0004】
かじり(galling)は、装着が摩擦と接着の結果である滑り面間の摩耗の一つの形態である。滑り面を圧縮する大きな力が存在すると、両面からの材料が接触面で引っ張られるためかじりが発生する。かじりの原因は、両面間の摩擦と接着であり、その後のパネル材料の結晶構造の引裂である。従って、係合する金属パネル体であって、パネル材料組成および装着法について、かじりを一時的な、あるいは二次的な装着機構として利用できるように特定的に選択した金属パネル体を実現することも望まれている。
【発明の概要】
【0005】
板金打ち抜き(パンチング、punching)時、シートをダイ(die)に支持する。このダイはパンチよりもわずかに大きな開口を有しているため、パンチおよびスラグが通り抜けるクリアランスが生じる。開口の打ち抜き時に、ダイの一部が引き裂かれ、シートの反対側にある支持ダイの直径が大きくなる。この状態を
図2に示す。図示のように、ファスナーとの一体化が容易になる。この結果として、開口の一部がダイの方向に末広化(半径方向に膨張)する。
【0006】
本発明の好適な実施態様は、上下のパネルを装着し、一旦装着した後は、上部パネルと高さが同じになるクリンチ式ファスナー装置を提供するものである。本発明の別な好適な実施態様は、硬い材料からなる第1パネルをアルミなどの比較的柔らかい材料からなる第2パネルに同じ高さで装着するクリンチ式ファスナー装置を提供するものである。このファスナー装置のテーパーヘッドは、打ち抜きシートの上記テーパー開口に摩擦係合する。ダイ側部を上にした状態で打ち抜きシートを回転し、テーパー開口のダイ側にファスナー装置を装着することによって、ファスナー装置のヘッドがパネル上部と同じ高さにある状態で、摩擦装着を実現できる。同じプレス工程時に、柔らかい材料の第2パネルを第1パネルの後ろ側の下で、これに対して設けると、ファスナー装置の軸に作用する締め付け作用が第2パネルに加わり、2枚のシートを直接装着できる。テーパーヘッドを上部パネルに装着すると、異なる2つの装着現象、即ち締め付けテーパーおよび、材料の選択にもよるが、かじりを利用できる。
【0007】
本発明の一つの好適な実施態様は、クリンチ式ファスナー装置であって、上から下にかけて、このファスナー装置の中心垂直軸線に対して実質的に垂直な底面を有する円錐台状ヘッド、このヘッドの真下に設けられたアンダーカット(切り欠き)、およびこのアンダーカットの真下に設けられたファスナー装置底面の軸部を有するクリンチ式ファスナー装置を提供するものである。ファスナー装置のヘッドについては、底面に対して実質的に平行な平面状の上面を有するのが好ましく、またファスナー装置の横方向の横断面については、円形で垂直軸線に関して対称であることが好ましい。ファスナー装置の軸部については、バレル形で、遠位底部端部をテーパー化できる。
【0008】
本発明の別な好適な実施態様は、第1の上部パネルおよび第2の底部パネルを有するパネル体を提供するものである。第1の上部パネルは、2つの同心円部分、即ち直径が同一の連続的な下部部分との接続部に対して下向きに収斂する上部テーパー部分を備えた第1の複合的な円形開口を有する。第2の底部パネルは第1パネルに対して直接装着し、第1開口の下部部分に整合する第2円形開口を有する。円錐台状のヘッドをもつクリンチ式ファスナー装置が第1パネルと第2パネルとを接合する。ファスナー装置のヘッドについては、第1パネルの上面と高さが同じで、かじりによって第1上部パネルに接合するのが好ましい。ファスナー装置は、さらに、下部パネルからの金属の冷間流れを受け取るアンダーカットを有する。一つの実施態様では、ファスナー装置および上部パネルはステンレス鋼製である。
【0009】
さらに本発明の別な実施態様は、かじりを一次的な、あるいは二次的な取り付けまたは装着機構として利用できるように、パネル材料組成および取り付け方法を特定的に選択した係合金属パネルからなるパネル体を提供するものである。この実施態様では、パネル体は本発明のコネクタを使用し、締め付けテーパーおよび/またはかじりの装着現象を利用して、金属パネルを直接接合する。
【0010】
以上の、およびその他の目的および作用効果については、好適な実施態様を示す添付図面およびその説明から明らかになるはずである。以下、本発明のいくつかの実施態様を説明するが、本発明はその用途において、以下に説明し、かつ添付図面に示す細部に限定されるものではない。これら以外の実施態様も可能であり、各種の態様で本発明は実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の好適な実施態様によるファスナー装置を示す底面正面斜視図である。
【
図2】パンチ、ダイおよび金属パネルを示す断面図であり、本発明の別な実施態様によるパネル体の金属パネルの打ち抜き開口の形状を示す。
【
図3】2枚の金属パネルを接続する
図1のファスナー装置を示す拡大断面図である。
【
図4A】装着時の
図1のファスナー装置の締め付けテーパー力を示す拡大正面図である。
【
図4B】装着時の
図1のファスナー装置の締め付けテーパー力を示す拡大正面図である。
【
図5A】本発明のさらに別な実施態様による2枚の金属パネルを締め付ける方法およびパネル体を示す一連の拡大断面図である。
【
図5B】本発明のさらに別な実施態様による2枚の金属パネルを締め付ける方法およびパネル体を示す一連の拡大断面図である。
【
図5C】本発明のさらに別な実施態様による2枚の金属パネルを締め付ける方法およびパネル体を示す一連の拡大断面図である。
【
図5D】本発明のさらに別な実施態様による2枚の金属パネルを締め付ける方法およびパネル体を示す一連の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の好適な実施態様によるファスナー装置を
図1に示す。参照符号は10である。この実施態様の場合、ファスナー装置10はクリンチ式ファスナー装置であり、テーパー化した円錐台状ヘッド11を有し、このヘッド11は底面15、アンダーカット13およびバレル状軸部17を有する。底面15は、受け取りパネル(下部パネル)34の材料のディスプレーサとして機能する。アンダーカット13は、底面15から延在し、下部パネル34の押し退けられた材料を受け取る。バレル状軸部17は、ファスナー装置を金属パネルの受け取り開口に案内するテーパー化遠位端部を有する。底部ディスプレーサ面15の向きは、中心垂直軸線Aに対して実質的に垂直である。
【0013】
図2は、ファスナー装置10を挿入した金属パネル24に受け取り開口を形成するパンチ20およびダイ22を示す図である。パンチ20は一般に望みのサイズに合わせて設け、ダイについては、パンチ20およびスラグが通過できるクリアランス開口25を設ける必要がある。打ち抜き後のパネル24の開口形状は、上部の真っ直ぐな壁部分23、およびこの上部よりも大きな直径26をもつ下部のテーパー化折り畳み部分26を有する。
図2に示すパネルの向きに関して上部部分および下部部分と記述するが、
図3および
図5の場合、図示のパネルは(
図2と比較して)反転し、真っ直ぐな壁部は開口の下部にあり、そしてテーパー部分は開口の上部にある。
【0014】
図3に、上記ファスナー装置10を使用して接続し、かつ本発明の装着方法に従って装着した2枚のパネル32、34の拡大断面を示す。この実施態様では、ファスナー装置10のヘッド11は、全体として上部パネル32の開口形状に対して補完的な形状を有する。また、ファスナー装置10のヘッド11の寸法については、上部パネル32の上面30と同じ高さで装着されるようになっている。このテーパーヘッド11によって、上部パネル32をファスナー装置10に対して上向き方向に取り付ける機械的能力を維持する。
図3に示すパネル体では、底部パネル34はファスナー装置10よりも柔らかい材料から構成しているため、クリンチ式アンダーカット13を使用することが可能になる。ディスプレーサ面15が金属を下部パネル34から軸部の真上に位置するアンダーカット13に押し込むため、ファスナー装置10を下部パネル34に保持できる。好適な実施態様の場合、上部パネル32の硬度はファスナー装置10とほぼ同じである。
【0015】
ファスナー装置10の締め付けテーパー作用を
図4Aおよび
図4Bに示す。
図4Aおよび
図4Bには、
図1および
図3に示したファスナー装置10の装着および静止状態を示す。即ち、
図4Aおよび
図4Bは、戻り止めに必要な最小テーパー作用を決定するために必要な力およびスキーム(方式/機構)を図示するものである。均一に分配されるテーパーFnの垂直力を円錐断面Dmの中線においてモデル化する。全く単純なことであるが、テーパーの締め付け作用によって、摩擦力の垂直成分が正常力の垂直成分以上になった時に、かつ装着力が取り除かれ、ゼロになった時にファスナー装置のテーパー部分が上部パネルに保持されることになる。摩擦力は、ファスナー装置が押されている方向とは逆の方向に作用する。装着力が取り除かれた時に、正常力の垂直成分が作用し、上部パネルからファスナー装置を押し出す。このさい、摩擦力によってファスナー装置を逆方向の所定位置に保持する。
【0016】
静止状態を示す
図4Aおよび
図4Bについて説明すると、テーパーコネクタFeを取り外すために必要な理論的な力は、以下のように計算することができる。
Y方向の力の合計については、次式が成立する。
ここで、摩擦係数μ=tan(ψ)(ただしψは間接的な滑り角度である)が成立する。
締め付け状態では、Fe=0が成立する。従って、
ψ−α/2=0
α=2ψ
α=2*arctan(μ)
が成立する。
締め付け角度については、摩擦係数を用いると、次のように定義できる。
α=2*arctan(.06)
従って、α=6.87°が成立する。
この締め付けテーパー力Feについては、潤滑油処理した0.06金属/金属の保存的な摩擦係数を使用して計算した。
【0017】
別な好適な実施態様では、締め付けテーパー力Fe、テーパー開口の寸法およびテーパーヘッドの寸法について、係合シート間のもう一つの締め付け貢献要因である締め付け機構である“かじり”を考慮することによって計算する。このかじりは、滑り面間の摩耗の一形態である。
図1〜
図5に示すファスナー装置およびパネル体の場合、滑り面は、ファスナー装置のテーパーヘッド11とより硬いパネル24の打ち抜き開口との界面である。滑り面を圧縮する大きな力が存在すると、両面からの材料が接触面で引っ張られている間にかじりが発生する。かじりの原因は、両面間の摩擦と接着であり、その後のパネル材料の結晶構造の引裂である。かじり面により係合面に材料が付着するため、摩擦または冷間溶接が有効に発生する。かじり傾向が強い通常の材料はチタン、ステンレス鋼およびアルミである。
【0018】
図5A〜
図5Dに、本発明の一つの好適な実施態様による2枚の係合パネルからなるパネル体およびパネル装着方法を示す。
図5Aについて説明すると、テーパー面の適正整合状態で、図示の向きで上部パネル32の開口内にファスナー装置10をまず設定する。次に、
図2に示すように、底部パネル34をアンビル54によって支持した状態で、プレス金型53によってファスナー装置10を開口のテーパー側から上部パネル32に押し込む。次に、
図5Cおよび
図5Dに示すように、十分な力でプレス金型53によってファスナー装置10をアンビル54に押し付けると、両パネルからの材料がわずかに流れ出し、両パネル間に均一な境界を形成し、ファスナー装置10とパネル32、34との間に高圧力できわめてタイトな嵌合を作り出す。この構成では、ファスナー装置10は、装着方法とは逆の方向にのみ取り外すことができる。さらに、ファスナー装置のテーパーヘッド11は、上記の締め付けテーパー力および/またはかじりによって上部パネル32に締め付けられる。
【0019】
図5Aに、打ち抜き開口の形状を示す。図示のように、この開口は真っ直ぐな壁部をもつ第1部分および円錐形で上向きになっている第2部分を有する。ファスナー装置の装着が進む間に、ファスナー装置と硬い上部パネルとの間の界面が共通の形状にどのように一体化するかを
図5Bおよび
図5Cに示す。圧力によって、上部パネルがわずかに流れ、完全な円錐形になり、ファスナー装置10に完全に係合する。テーパーヘッドをもつ、締め付けファスナー装置は係合するテーパー面間に強い力を作用させるだけでなく、装着時に強い摩擦を作用させる。本発明の一つの例示的な実施態様では、ステンレス鋼製ファスナー装置を硬いステンレス鋼製上部パネルにプレス嵌めすると、かじりが発生し、ファスナー装置の保持に寄与する。同じことは、かじり傾向のある金属の組み合わせについてもいえる。
図5Dに、完全に装着されたファスナー装置が柔らかい底部パネル54に締め付けられ、2枚のパネルを取り付けることができたことを示す。
【0020】
以上は、本発明の原理および考えられる実施態様を例示したものに過ぎない。当業者にとっては、多数の一部改変や変更は自明と考えられるため、本発明を図示し、かつ説明してきた構成および動作/作用に限定することは望ましくない。即ち、好適な一部変更および等価物については、いずれも特許請求の範囲に記載された態様や等価な態様によってのみ特定される発明の範囲に包含されるものである。
【符号の説明】
【0021】
10:ファスナー装置
11:円錐台状ヘッド、テーパーヘッド、ヘッド
13:クリンチ式アンダーカット、アンダーカット
15:底部ディスプレーサ面、ディスプレーサ面、底面
17:バレル状軸部
20:パンチ
22:ダイ
23:壁部分
24:金属パネル、パネル
25:クリアランス開口
26:直径、テーパー化折り畳み部分
30:上面
32:上部パネル、パネル
34:受け取りパネル(下部パネル)、下部パネル、底部パネル、パネル
53:プレス金型
54:アンビル、底部パネル
A:中心垂直軸線
Dm:円錐断面
Fe:テーパーコネクタ、締め付けテーパー力
Fn:テーパー