(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6803391
(24)【登録日】2020年12月2日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】ヘッドライト装置
(51)【国際特許分類】
F21S 41/39 20180101AFI20201214BHJP
F21S 41/148 20180101ALI20201214BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20201214BHJP
F21S 41/33 20180101ALI20201214BHJP
F21S 41/19 20180101ALI20201214BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20201214BHJP
F21W 107/17 20180101ALN20201214BHJP
【FI】
F21S41/39
F21S41/148
F21S41/143
F21S41/33
F21S41/19
F21W102:13
F21W107:17
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-539617(P2018-539617)
(86)(22)【出願日】2017年8月30日
(86)【国際出願番号】JP2017031176
(87)【国際公開番号】WO2018051791
(87)【国際公開日】20180322
【審査請求日】2019年1月11日
(31)【優先権主張番号】特願2016-178810(P2016-178810)
(32)【優先日】2016年9月13日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】特許業務法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木▲崎▼ 徳次郎
【審査官】
飯塚 向日子
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第01357761(US,A)
【文献】
米国特許第01451893(US,A)
【文献】
特開2016−062828(JP,A)
【文献】
特開2015−037033(JP,A)
【文献】
特開2014−093285(JP,A)
【文献】
特開2011−014300(JP,A)
【文献】
特開2015−176859(JP,A)
【文献】
特許第5969218(JP,B2)
【文献】
特開2002−216509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/39
F21S 41/143
F21S 41/148
F21S 41/19
F21S 41/33
F21W 102/13
F21W 107/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(37)と、
前記ハウジング(37)の前方に設けられる透過性のレンズ(35)と、
それ自身の光を反射するリフレクターを周りに配置することなく前記ハウジング(37)内に配置されると共に車体前方に向けた指向性を有する第1光源(63、65)と、
前記ハウジング(37)内に配置される第2光源(58、59)と、
前記ハウジング(37)内に配置されて、前記第2光源(58、59)の光の反射を行うリフレクター(42、44)と、
前記ハウジング(37)および前記レンズ(35)間に設けられ、前記第1光源(63、65)からの光の照光範囲を規定する照光口(52、53)を有するフレーム(41)と、を備え、
前記リフレクター(42、44)が前記第1光源(63、65)の光路(63a、65a)上に配置されて、前記第1光源(63、65)からの光を遮蔽することを特徴とするヘッドライト装置。
【請求項2】
ハウジング(37)と、
前記ハウジング(37)の前方に設けられる透過性のレンズ(35)と、
それ自身の光を反射するリフレクターを周りに配置することなく前記ハウジング(37)内に配置されると共に車体前方に向けた指向性を有する第1光源(63、65)と、
前記ハウジング(37)内に配置される第2光源(58、59)と、
前記ハウジング(37)内に配置されて、前記第2光源(58、59)の光の反射を行うリフレクター(42、44)と、
前記ハウジング(37)および前記レンズ(35)間に設けられ、前記第1光源(63、65)からの光の照光範囲を規定する照光口(52、53)並びに遮蔽部を有するフレーム(41)と、を備え、
車体正面視において、前記第1光源(63、65)の光路(63a、65a)は前記リフレクター(42、44)の端部よりも外側にあり、前記遮蔽部は前記光路(63a、65a)上に配置されて前記第1光源(63、65)からの光を遮蔽することを特徴とするヘッドライト装置。
【請求項3】
前記ハウジング(37)の後方に前記第2光源(58、59)を実装した実装基板(56、57)と接続される接続部(68)を備え、
前記第1光源(63、65)は前記ハウジング(37)の後端に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のヘッドライト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主光源および補助光源を備えるヘッドライト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は自動二輪車に搭載されるヘッドライト装置を開示する。ヘッドライト装置は主光源および補助光源を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本特許第5969218号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
補助光源が直接に外部に出光することから、視認者にとって眩しいことが懸念される。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、補助光源を備えても眩しさを軽減できるヘッドライト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1側面によれば、ハウジングと、前記ハウジングの前方に設けられる透過性のレンズと、
それ自身の光を反射するリフレクターを周りに配置することなく前記ハウジング内に配置される
と共に車体前方に向けた指向性を有する第1光源
と、前記ハウジング内に配置される第2光源と、前記ハウジング内に配置されて、前記第2光源の光の反射を行うリフレクターと、前記ハウジングおよび前記レンズ間に設けられ、前記第1光源からの光の照光範囲を規定する照光口を有するフレームとを備え、前記リフレクターが前記第1光源の光路上に配置されて、前記第1光源からの光を遮蔽するヘッドライト装置は提供される。
【0007】
第2側面によれば、ハウジングと、前記ハウジングの前方に設けられる透過性のレンズと、
それ自身の光を反射するリフレクターを周りに配置することなく前記ハウジング内に配置される
と共に車体前方に向けた指向性を有する第1光源
と、前記ハウジング内に配置される第2光源と、前記ハウジング内に配置されて、前記第2光源の光の反射を行うリフレクターと、前記ハウジングおよび前記レンズ間に設けられ、前記第1光源からの光の照光範囲を規定する照光口並びに遮蔽部を有するフレームとを備え、車体正面視において、前記第1光源の光路は前記リフレクターの端部よりも外側にあり、前記遮蔽部は前記光路上に配置されて前記第1光源からの光を遮蔽する
ヘッドライト装置は提供される。
【0008】
第3側面によれば、第1側面または第2側面の構成に加えて、前記ハウジングの後方に前記光源
を実装した実装基板と接続される接続部を備え、前記第1光源は前記ハウジングの後端に設けられている。
【発明の効果】
【0009】
第1側面によれば、ハウジングと、前記ハウジングの前方に設けられる透過性のレンズと、
それ自身の光を反射するリフレクターを周りに配置することなく前記ハウジング内に配置される
と共に車体前方に向けた指向性を有する第1光源
と、前記ハウジング内に配置される第2光源と、前記ハウジング内に配置されて、前記第2光源の光の反射を行うリフレクターと、前記ハウジングおよび前記レンズ間に設けられ、前記第1光源からの光の照光範囲を規定する照光口を有するフレームとを備え、前記リフレクターが前記第1光源の光路上に配置されて、前記第1光源からの光を遮蔽するので、眩しさを軽減することが可能となる。
【0010】
第2側面によれば、ハウジングと、前記ハウジングの前方に設けられる透過性のレンズと、
それ自身の光を反射するリフレクターを周りに配置することなく前記ハウジング内に配置される
と共に車体前方に向けた指向性を有する第1光源
と、前記ハウジング内に配置される第2光源と、前記ハウジング内に配置されて、前記第2光源の光の反射を行うリフレクターと、前記ハウジングおよび前記レンズ間に設けられ、前記第1光源からの光の照光範囲を規定する照光口並びに遮蔽部を有するフレームとを備え、車体正面視において、前記第1光源の光路が前記リフレクターの端部よりも外側にあり、前記遮蔽部が前記光路上に配置されて、前記第1光源からの光を遮蔽するので、眩しさを軽減することが可能となる。
【0011】
第3側面によれば、
ハウジングの後方に第2光源を実装した実装基板と接続される接続部を備え、第1光源はハウジングの後端に設けられるので、第1光源の配線の短縮化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は一実施形態に係る鞍乗り型車両すなわち自動二輪車の全体像を概略的に示す側面図である。(第1の実施の形態)
【
図2】
図2はヘッドライト装置の外観を示す拡大正面図である。(第1の実施の形態)
【
図3】
図3はレンズ内側のフレームの構造を概略的に示す拡大正面図である。(第1の実施の形態)
【
図4】
図4は
図3の4−4線に沿った断面図である。(第1の実施の形態)
【
図5】
図5は
図4の5−5線に沿った断面図である。(第1の実施の形態)
【
図6】
図6は
図4の6−6線に沿った断面図である。(第1の実施の形態)
【
図7】
図7はハイビーム点灯時のレンズの照光領域を概略的に示すヘッドライト装置の正面図である。(第1の実施の形態)
【
図8】
図8はロービーム点灯時のレンズの照光領域を概略的に示すヘッドライト装置の正面図である。(第1の実施の形態)
【
図9】
図9は他の実施形態に係るヘッドライト装置の構成を概略的に示す断面図である。(第1の実施の形態)
【符号の説明】
【0013】
25…ヘッドライト装置
35…レンズ
37…ハウジング
41…フレーム
42…遮蔽部(第1リフレクター)
44…遮蔽部(第2リフレクター)
52…照光口(第1補助照光口)
53…照光口(第2補助照光口)
58…第2光源(第1主光源)
59…第2光源(第2主光源)
63…第1光源(第1補助光源)
65…第1光源(第2補助光源)
63a・・・第1光源(第1補助光源)の光路
65a・・・第1光源(第2補助光源)の光路
68…接続部(カプラー)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
【0015】
図1は一実施形態に係る鞍乗り型車両すなわち自動二輪車の全体像を概略的に示す。自動二輪車11は、車体フレーム12と、車体フレーム12に部分的に覆い被さる車体カバー13とを備える。車体フレーム12は、ヘッドパイプ14と、該ヘッドパイプ14から後ろ下がりに延びる左右1対のメインフレーム15と、メインフレーム15の下方でヘッドパイプ14から後下がりに延びる左右1対のダウンフレーム16と、個々のメインフレーム15の後端に結合され、下方に向かって延びる左右1対のピボットフレーム17と、個々のメインフレーム15から後上がりに延びる左右1対のシートフレーム18とを有する。燃料タンク19の後方でシートフレーム18上には乗員シート21が搭載される。燃料タンク19は車体カバー13で覆われる。車体カバー13は例えば樹脂材から成型される。
【0016】
ヘッドパイプ14には操向自在にフロントフォーク22が支持される。フロントフォーク22には車軸23回りで回転自在に前輪WFが支持される。フロントフォーク22の上端には操向ハンドル24が連結される。ヘッドパイプ14の前方で操向ハンドル24にはヘッドライト装置25が固定される。
【0017】
車両の後方で車体フレーム12にはピボット27回りで上下に揺動自在にスイングアーム28が連結される。スイングアーム28の後端に車軸29回りで回転自在に後輪WRが支持される。前輪WFと後輪WRとの間で車体フレーム12には内燃機関ユニット31が搭載される。内燃機関ユニット31は、後輪WRに伝達される駆動力を生成する内燃機関32を備える。
【0018】
メインフレーム15の下端は内燃機関32の後側に連結され、ダウンフレーム16の下端は内燃機関32の前側に連結される。こうしてメインフレーム15およびダウンフレーム16に加えて内燃機関32で剛体構造が確立される。左右のピボットフレーム17は水平方向に延びるクロスチューブ33で相互に連結される。ピボットフレーム17にピボット27は支持される。
【0019】
図2に示されるように、ヘッドライト装置25は、透過性のレンズ35の外周を囲んでレンズ35を支持する枠体36を備える。ここでは、レンズ35の輪郭は円形に形成される。枠体36は、レンズ35の外周を受け止める環状体に形成される。レンズ35と枠体36とは同軸に配置される。枠体36はハウジング37にレンズ35を固定する。ハウジング37には操向ハンドル24に連結されるブラケット38が一体に設けられる。
【0020】
図3に示されるように、レンズ35の内側でハウジング37の円筒体には光不透過性のフレーム41が収容される。フレーム41はハウジング37の開口に嵌め合わせられる。フレーム41は例えば金属材料から成形される。フレーム41は、ロービーム用の第1リフレクター42からの光の照光範囲を規定する第1照光口43と、ハイビーム用の第2リフレクター44からの光の照光範囲を規定する第2照光口45とを区画する。第1照光口43と第2照光口45とは、1直径線46に沿って延びる長尺の中央フレーム47で相互に隔てられる。ここでは、中央フレーム47は水平な1直径線46に平行な輪郭線47a、47bで仕切られる。中央フレーム47の両端は円筒体の内周に沿って連続する環状体48に連結される。
【0021】
第1照光口43の下縁は中央フレーム47の輪郭線47aで仕切られる。第1照光口43の上縁は1直径線46に平行な線分49で仕切られる。上縁の両端と下縁の両端とはそれぞれ環状体48の内縁48aで相互に接続される。環状体48の内縁48aはレンズ35の輪郭に同心の部分円で仕切られる。
【0022】
同様に、第2照光口45の上縁は中央フレーム47の輪郭線47bで仕切られる。第2照光口45の下縁は1直径線46に平行な線分51で仕切られる。下縁の両端と上縁の両端とはそれぞれ環状体48の内縁48aで相互に接続される。環状体48の内縁48aはレンズ35の輪郭に同心の部分円で仕切られる。
【0023】
フレーム41は、第1照光口43よりも上方で環状体48の内縁48aに沿って延びる第1補助照光口52と、第2照光口45よりも下方で環状体48の内縁48aに沿って延びる第2補助照光口53とを区画する。第1補助照光口52は、第1リフレクター42の背後に隠れる補助光源からの光の照光範囲を規定する。第2補助照光口53は、第2リフレクター44の背後に隠れる補助光源からの光の照光範囲を規定する。ここでは、第1補助照光口52の上縁は環状体48の内縁48aで仕切られ、第1補助照光口52の下縁は環状体48に同心の円弧54aで仕切られる。したがって、第1補助照光口52は均一幅で円弧状に延びる。同様に、第2補助照光口53の下縁は環状体48の内縁48aで仕切られ、第2補助照光口53の上縁は環状体48に同心の円弧54bで仕切られる。したがって、第2補助照光口53は均一幅で円弧状に延びる。
【0024】
図4に示されるように、中央フレーム47の裏側でハウジング37には水平姿勢の第1基板56および第2基板57が固定される。第1基板56の下面は第2リフレクター44に向き合わせられる。第1基板56の下面には第1主光源58が実装される。第1主光源58は例えば基板の垂直方向に指向性を有する面発光のLED素子から構成される。第2リフレクター44は第2照光口45に向かって第1主光源58の光を反射する。光は第2照光口45から前方に向かって放出される。同様に、第2基板57の上面は第1リフレクター42に向き合わせられる。第2基板57の上面には第2主光源59が実装される。第2主光源59は例えば基板の垂直方向に指向性を有する面発光のLED素子から構成される。第1リフレクター42は第1照光口43に向かって第2主光源59の光を反射する。光は第1照光口43から前方に向かって放出される。
【0025】
第1基板56および第2基板57は部分的に囲い61に収容される。囲い61は光不透過性の材料から成形される。囲い61の後縁61aは、第1照光口43および第2照光口45側で、第1主光源58および第2主光源59それぞれから垂直方向に規定される光路で仕切られる。第1主光源58から第2照光口45に向かって垂直方向から傾斜する光は囲い61で遮られる。同様に、第2主光源59から第1照光口43に向かって垂直方向から傾斜する光は囲い61で遮られる。
【0026】
第2リフレクター44の後方でハウジング37には垂直姿勢の第3基板62が固定される。第3基板62の表面には第1補助光源63が実装される。第1補助光源63は例えば基板の垂直方向に指向性を有する面発光のLED素子から構成される。第1補助光源63の光路63aは第2リフレクター44に交差する。すなわち、ヘッドライト装置25は、車体正面視において第1補助光源63の前方に遮蔽部としての第2リフレクター44を備える。第1補助光源63から基板の垂直方向に放たれる光は第2リフレクター44で遮られる。光はハウジング37内で乱反射する。乱反射した光は第2補助照光口53から前方に漏れ出る。
【0027】
同様に、第1リフレクター42の後方でハウジング37には垂直姿勢の第4基板64が固定される。第4基板64の表面にはロービーム用の第2補助光源65が実装される。第2補助光源65は例えば基板の垂直方向に指向性を有する面発光のLED素子から構成される。第2補助光源65の光路65aは第1リフレクター42に交差する。すなわち、ヘッドライト装置25は、車体正面視において第2補助光源65の前方に遮蔽部としての第1リフレクター42を備える。第2補助光源65から基板の垂直方向に放たれる光は第1リフレクター42で遮られる。光はハウジング37内で乱反射する。乱反射した光は第1補助照光口52から前方に漏れ出る。
【0028】
ハウジング37内でハウジング37の後壁66には垂直姿勢の第5基板67が固定される。ハウジング37の外側でハウジング37の後壁66にはカプラー(接続部)68が固定される。カプラー68は例えば第5基板67に実装される。カプラー68は第5基板67に電気的に接続される。カプラー68から第5基板67に電気信号は供給される。
【0029】
図5に示されるように、本実施形態では第1基板56に3つの第1主光源58が実装される。第1主光源58は車体の車幅方向に並べられる。個々の第1主光源58ごとに第2リフレクター44の反射面は調整される。同様に、第2基板57には3つの第2主光源59が実装される。第2主光源59は車体の車幅方向に並べられる。個々の第2主光源59ごとに第1リフレクター42の反射面は調整される。中央の第1主光源58に対応する第2リフレクター44の背後に単一の第1補助光源63は配置される。同様に、中央の第2主光源59に対応する第1リフレクター42の背後に単一の第2補助光源65は配置される。
【0030】
図6に示されるように、第5基板67にはコネクター71が実装される。コネクター71には複数の第1配線72が結合される。第1配線72は第1基板56に接続される。第1基板56と第2基板57とは第2配線73で相互に電気的に接続される。こうしてカプラー68は第5基板67経由で第1基板56および第2基板57に電気的に接続される。第5基板67は例えばねじ74といった結合具でハウジング37の後壁66に結合される。
【0031】
第5基板67には第3配線75を通じて第3基板62が電気的に接続される。第3基板62は例えばねじ76といった結合具でハウジング37の後壁66に結合される。第5基板67および第3基板62はともにハウジング37の後壁66に固定されることから、第3配線75は短縮されることができる。
【0032】
第5基板67には第4配線77を通じて第4基板64が電気的に接続される。第4基板64は例えばねじ78といった結合具でハウジング37の後壁66に結合される。第5基板67および第4基板64はともにハウジング37の後壁66に固定されることから、第4配線77は短縮されることができる。
【0033】
次にヘッドライト装置25の動作を説明する。ヘッドライト装置25がハイビームで点灯すると、第1主光源58、第2主光源59、第1補助光源63および第2補助光源65は発光する。第1主光源58の出射光は第2リフレクター44で反射してフレーム41の第2照光口45に導かれる。
図7に示されるように、第2照光口45から放出される光はレンズ35の第1区画81の照光域を通過する。同様に、第2主光源59の出射光は第1リフレクター42で反射してフレーム41の第1照光口43に導かれる。第1照光口43から放出される光はレンズ35の第2区画82の照光域を通過する。第1補助光源63の出射光は第2リフレクター44で遮られる。遮られた光はハウジング37内で乱反射する。乱反射した光はフレーム41の第2補助照光口53から漏れ出る。漏れ出た光はレンズ35の第3区画83の照光域を通過する。同様に、第2補助光源65の出射光は第1リフレクター42で遮られる。遮られた光はハウジング37内で乱反射する。乱反射した光はフレーム41の第1補助照光口52から漏れ出る。漏れ出た光はレンズ35の第4区画84の照光域を通過する。第1照光口43、第2照光口45、第1補助照光口52および第2補助照光口53はフレーム41の環状体48に沿って縁を区画することから、第1〜第4光源58、59、63、65は円形に近い照光域を確立することができる。こうしてヘッドライト全体を明るく見せることができる。
【0034】
ヘッドライト装置25がロービームで点灯すると、第2主光源59、第1補助光源63および第2補助光源65は発光する。
図8に示されるように、レンズ35の表面では第2区画82、第3区画83および第4区画84の照光域が確立される。第3区画83の照光域は第1区画81で隔てられて第2区画82の照光域から離れることから、単一の照光域で光が認識される場合に比べて、レンズ35の表面では広い照光面積は確保される。できる限り広い範囲が明るい照光領域として認識されることができる。
【0035】
本実施形態では第1および第2補助光源63、65の前方に遮蔽部としての第2リフレクター44および第1リフレクター42が配置されるので、ヘッドライト装置25の観察者に対して眩しさを軽減することが可能となる。しかも、個々のリフレクター42、44が遮蔽部として機能するので、車体正面視においてヘッドライト装置25の小型化が可能となる。少ない部品点数で補助光源の遮蔽が可能となる。
【0036】
ヘッドライト装置25は、ハウジング37の後方に第1基板56および第2基板57に接続されるカプラー68を備え、しかも、ハウジング37の後端(後壁66)に第1および第2補助光源63、65の第3基板62および第4基板64が固定されるので、補助光源63、65の配線75、77は短縮されることができる。
【0037】
図9は他の実施形態に係るヘッドライト装置25aの構成を概略的に示す。この実施形態では、ハウジング37とレンズ35との間に設けられるフレーム41が遮蔽部として機能する。すなわち、第1補助光源63の光路63a上にフレーム41は配置される。第1補助光源63の光路63aは第2照光口45や第2補助照光口53からずれる。あるいは、第2補助光源65の光路65a上にフレーム41は配置される。第2補助光源65の光路65aは第1照光口43や第1補助照光口52からずれる。このとき、車体正面視において、第2補助照光口53では、フレーム41の下端L2は第2リフレクター44の下端L1よりも下方に配置される。第1補助照光口52では、フレーム41の上端L2は第1リフレクター42の上端L1よりも上方に配置される。その他の構成は前述のヘッドライト装置25と同様である。
【0038】
いずれの本実施形態でも、ヘッドライト装置25、25aは、透過性のレンズ35の外周を囲んでレンズ35を支持する枠体36を有するハウジング37と、ハウジング37に収容されて、レンズ35を通過する光路を有する主光源58、59と、ハウジング37に収容されて、遮蔽体(リフレクター42、44)で遮られる光路63a、65aを有する補助光源63、65とを備える。補助光源63、65の出射光はリフレクター42、44で反射してハウジング37内で乱反射する。ハウジング37内に籠もった光はレンズ35を通過して漏れ出る。漏れ出た光で主光源58、59の光量は補助される。ヘッドライト装置25の観察者は直接に補助光源を見ることはない。眩しさは軽減されることができる。