(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
吸込口及び吹出口を開口する筐体と、前記吸込口と前記吹出口とを連結する空気通路と、前記空気通路内に配される送風機と、前記吸込口に面して配されるフィルタと、前記フィルタを清掃する清掃装置と、空気中の汚れ度を検知する汚れセンサとを備えた空気清浄機において、
所定の第1周期毎の第1清掃時期に前記清掃装置を駆動させる自動清掃モードを設け、
前記第1清掃時期の直前の所定期間内で空気中の汚れ度が所定値よりも大きい停止条件を満たした時に前記清掃装置の駆動を禁止し、
前記停止条件が、前記第1清掃時期の直前の所定期間内で所定の操作が行われた場合を含むことを特徴とする空気清浄機。
前記汚れセンサは空気中の塵埃の濃度を検知する塵埃センサ及び空気中の臭気成分の濃度を検知するニオイセンサの一方または両方から成ることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の空気清浄機。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1実施形態>
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1及び
図2は第1実施形態の空気清浄機の正面図及び側面断面図を示している。なお、矢印Sは空気の流れを示している。空気清浄機1は吸込口3及び吹出口4、5を開口して居室内の床面等に設置される筐体2を有する。筐体2は本体部20及びカバー部21を有する。カバー部21は本体部20の背面に対して着脱可能に配され、吸込口3を開口する。本体部20は吹出口4、5をそれぞれ前面上部及び上面に開口する。
【0021】
吹出口4、5には風向を可変する風向板14、15がそれぞれ設けられる。風向板14は平板から成り、風向板14に設けられた回動軸部(不図示)により上下方向に回動可能に支持される。風向板14の下面には複数の縦ルーバ14aが左右方向に並んで垂設される。両側端部の縦ルーバ14aは前方へ行くほど左右方向の外方に傾斜している。
【0022】
風向板15は平板から成り、風向板15の前部に設けられた回動軸部15bにより上下方向に回動可能に支持される。風向板15の下面には複数の縦ルーバ15aが左右方向に並んで垂設される。両側端部の縦ルーバ15aは後方へ行くほど左右方向の外方に傾斜している。
【0023】
風向板14、15は空気清浄機1の運転停止時にそれぞれ吹出口4、5を閉じ、運転時に吹出口4、5を開く。
【0024】
筐体2内には吸込口3と吹出口4、5とを連結する空気通路8が設けられる。空気通路8内には吸込口3から吹出口4、5に向かって(気流の上流から下流に向かって)順にプレフィルタ6(フィルタ)、脱臭フィルタ7、集塵フィルタ9、加湿部200、送風機10、イオン発生装置11及びダンパ12が設けられる。
【0025】
空気通路8はイオン発生装置11の下流で分岐する第1分岐通路8a及び第2分岐通路8bを有する。第1分岐通路8a及び第2分岐通路8bはそれぞれ吹出口4、5に連通し、第1分岐通路8aの空気の流路の断面積は第2分岐通路8bの空気の流路の断面積よりも小さくなっている。
【0026】
ダンパ12は薄板状に形成され、回動軸部12aにより上下方向に回動可能に支持される。ダンパ12は第1分岐通路8aを閉じた位置(
図2参照)から開く方向(
図2において、反時計回り方向)に回動することができる。ダンパ12により第1分岐通路8a及び第2分岐通路8bの風量バランスが可変される。
【0027】
送風機10はモータ10aにより駆動されるシロッコファン等の遠心ファンにより形成され、軸方向に吸気して周方向に排気する。
【0028】
プレフィルタ6はポリプロピレン等のシート状のメッシュにより形成され、吸込口3に面してカバー部21に配される。プレフィルタ6によって吸気中の大きな塵埃を捕集することができる。
【0029】
脱臭フィルタ7はハニカム状に形成され、空気中の臭気成分を吸着して空気を脱臭することができる。
【0030】
集塵フィルタ9はHEPAフィルタから成り、濾材(不図示)を覆うように枠材(不図示)がホットメルトにより溶着される。集塵フィルタ9によって空気中の微細な塵埃や所定粒径(例えば3μm)よりも小さい粒径のPM2.5等の微小粒子を捕集することができる。
【0031】
加湿部200は、トレイ201内の水に加湿フィルタ202の下部を浸漬し、加湿フィルタ202を通過する空気を加湿する。これにより、吹出口4、5から加湿空気が送出される。
【0032】
イオン発生装置11は高圧電圧の印加によりイオンを発生するイオン発生面11aを有し、イオン発生面11aは空気通路8内に面している。イオン発生面11aには交流波形またはインパルス波形から成る電圧が印加される。イオン発生面11aの印加電圧が正電圧の場合は主としてH
+(H
2O)mから成るプラスイオンを発生し、負電圧の場合は主としてO
2−(H
2O)nから成るマイナスイオンを発生する。ここで、m、nは整数である。H
+(H
2O)m及びO
2−(H
2O)nは空気中の浮遊菌や臭気成分の表面で凝集してこれらを取り囲む。
【0033】
そして、式(1)〜(3)に示すように、衝突により活性種である[・OH](水酸基ラジカル)やH
2O
2(過酸化水素)を微生物等の表面上で凝集生成して浮遊菌等を破壊する。ここで、m’、n’は整数である。したがって、プラスイオン及びマイナスイオンを発生して吹出口4、5から送出することにより居室内の除菌及び臭い除去を行うことができる。
【0034】
H
+(H
2O)m+O
2−(H
2O)n→・OH+1/2O
2+(m+n)H
2O ・・・(1)
H
+(H
2O)m+H
+(H
2O)m’+O
2−(H
2O)n+O
2−(H
2O)n’
→ 2・OH+O
2+(m+m'+n+n')H
2O ・・・(2)
H
+(H
2O)m+H
+(H
2O)m’+O
2−(H
2O)n+O
2−(H
2O)n’
→ H
2O
2+O
2+(m+m'+n+n')H
2O ・・・(3)
【0035】
また、カバー部21にはプレフィルタ6を清掃する清掃装置30が設けられる。
図3は清掃装置30の分解斜視図を示している。清掃装置30は供給ロール40、巻取ロール50、ギアユニット60、付勢部70、ブラシ体80、集塵部90及び駆動モータ100(
図2参照)を有する。
【0036】
供給ロール40及び巻取ロール50はカバー部21の上部及び下部にそれぞれ配され、プレフィルタ6の両端を保持する。プレフィルタ6は清掃装置30の停止時に供給ロール40に巻回され、清掃装置30の駆動時に供給ロール40から送り出されて巻取ロール50に巻き取られる。
【0037】
供給ロール40は左右方向に延びるシャフト41を有し、シャフト41の両端部にはキャップ48が被嵌される。キャップ48はカバー部21の内面の上端部に配した支持部材49により回転可能に支持される。これにより、供給ロール40は左右方向に延びる回転軸で回転可能に配される。また、供給ロール40の一端(右端)はキャップ48を介して付勢部70に連結される。
【0038】
巻取ロール50は左右方向に延びるシャフト51を有し、シャフト51の両端部にはキャップ58が被嵌される。左右のキャップ58はカバー部21の内面の下端部に配した支持部材59及びギアユニット60によりそれぞれ回転可能に支持される。これにより、巻取ロール50は左右方向に延びる回転軸で回転可能に配される。
【0039】
図4はプレフィルタ6の平面図を示している。プレフィルタ6は巻取方向Wの両端部に左右方向に延びて供給ロール40及び巻取ロール50に保持されるバー材6aを有する。また、プレフィルタ6は清掃装置30の停止時に吸込口3に面して配される通気部6bと、清掃装置30の駆動時に供給ロール40から送り出される収納部6cとを有する。
【0040】
収納部6c上には通気部6bと区別して吸込口3から視認可能な図柄6gが設けられる。本実施形態では、図柄6gとして「お掃除中です」と赤い文字を用いている。なお、図柄6gに特に限定はなく、例えば、通気部6bと異なる色の縞模様等でもよい。
【0041】
図5は供給ロール40の側面断面図を示している。なお、巻取ロール50の構成は供給ロール40と同様の構成であるため、供給ロール40を代表して説明する。供給ロール40の軸部を形成するシャフト41は芯材41a及びスリーブ41dを有する。
【0042】
芯材41aは断面C字状のアルミニウム等の金属の押出し成形品から成り、周面上に軸方向に延びた溝部41bを有する。溝部41bの対向する内壁面41cは傾斜し、溝部41bの周方向の幅は内周側よりも外周側が広くなっている。溝部41bの内壁面41cによってプレフィルタ6のバー材6aの周面が支持される。
【0043】
スリーブ41dは軸方向に延びる開口部41eを有した断面C字状の樹脂成形品により形成され、芯材41aに外嵌される。溝部41b上にバー材6aを支持されるプレフィルタ6は開口部41eに挿通される。スリーブ41dの開口部41eの幅はバー材6aの直径よりも小さく、芯材41aに支持されるバー材6aが抜け止めされる。この時、スリーブ41dの周方向の両端部は弾性によりバー材6aを押圧し、芯材41aの溝部41b及びスリーブ41dによってバー材6aが弾性挟持される。
【0044】
また、スリーブ41dの開口部41eを広げる方向(
図5において、左右方向)に力を加えると、スリーブ41dが弾性変形する。広げられた開口部41eを介してプレフィルタ6のバー材6aをシャフト41に対して着脱することができる。同様に、プレフィルタ6の下端部のバー材6aをシャフト51に対して着脱することができる。これにより、プレフィルタ6を清掃装置30から容易に取り外してプレフィルタ6の交換等を行うことができる。
【0045】
図3において、ブラシ体80はカバー部21に着脱可能に取り付けられた集塵部90に配される。ブラシ体80は集塵部90に軸方向の両端部を支持されるシャフト81を有し、後述のように清掃装置30の駆動時に回転してプレフィルタ6上の塵埃を除去する。シャフト81の一端(右端)には平歯車68が設けられ、シャフト81の周面にはブラシ毛束82が螺旋状に所定間隔で植設される。
【0046】
集塵部90は蓋部91、容器92及び櫛部93を有し、カバー部21に対して着脱可能に配される。容器92は透明な樹脂により形成され、上面を開口して両側部でブラシ体80を支持する。蓋部91は左右端にわたって開口する開口部91aを開口し、容器92の上面を覆う。ブラシ体80のブラシ毛束82は開口部91aから外部に露出する。櫛部93は左右方向に延びて形成され、歯先を上方に向けて容器92内に配される。回転するブラシ体80のブラシ毛束82は櫛部93の歯先に当接する。櫛部93によってブラシ毛束82に付着した塵埃がブラシ毛束82から除去される。
【0047】
ブラシ体80によってプレフィルタ6から除去された塵埃及び櫛部93によってブラシ体80から除去された塵埃は容器92内に溜められる。この時、容器92は透明な樹脂により形成されるため、使用者は容器92内の塵埃量を容易に把握することができる。
【0048】
駆動モータ100(
図2参照)は筐体2の本体部20内に配され、駆動モータ100の回転軸(不図示)は本体部20の背面から後方に向かって突出している。
【0049】
また、プレフィルタ6の前方には所定の隙間を有して押え部材22が配される。押え部材22はカバー部21に対して着脱可能に取り付けられる。押え部材22はABS等の合成樹脂で形成された矩形の枠22aを有する。枠22a内には上下方向に延びるリブ22bと、左右方向に延びて上下方向に並設される複数(本実施形態では3本)のリブ22cとが設けられる。これにより、押え部材22は複数段複数列の窓を有する。押え部材22によってプレフィルタ6を吸込口3に沿って安定して配置し、吸込気流によるプレフィルタ6の弛みを防止することができる。
【0050】
押え部材22の枠22aの右側端部の中央部には磁石23が設けられる。本体部20の磁石23に対向する位置にはホール素子(不図示)が設けられる。空気清浄機1は、カバー部21が本体部20に取り付けられているか否かをホール素子により判断することができる。そして、空気清浄機1は、カバー部21が本体部20に取り付けられていないと判断した場合は送風機10の動作を禁止する。これにより、カバー部21が本体部20に取り付けられていない状態での空気清浄機1の送風動作が回避される。
【0051】
また、ギアユニット60及び付勢部70はカバー部21の一端部(右端部)に配置される。このため、カバー部21の内面上にはギアユニット60と付勢部70との間にスペースSPが形成される。スペースSPには空気清浄機1の取扱説明に関する情報を記載したテープ状部材300が貼着される。上記情報にはプレフィルタ6の清掃装置30からの取り外し方法に関する情報、及び後述の付勢部70のハンドル73の操作方法に関する情報が含まれる。
【0052】
これにより、使用者はカバー部21を本体部20から取り外した際に上記情報を視認して、プレフィルタ6の清掃装置30からの取り外し方法及び付勢部70のハンドル73の操作方法を容易に認識することができる。したがって、空気清浄機1の利便性を向上させることができる。
【0053】
図6は清掃装置30の巻取ロール50、集塵部90及びギアユニット60の内部を示す斜視図である。
図7はギアユニット60の内部の拡大斜視図である。ギアユニット60は、傘歯車61(第1交差軸歯車)、傘歯車62(第2交差軸歯車)、平歯車63(第1平行軸歯車)、平歯車64(第2平行軸歯車)、内歯車65、平歯車66、平歯車67をハウジング60a(
図3参照)内に有する。ハウジング60aはカバー部21(
図3参照)にネジ止めされる。
【0054】
傘歯車61は軸方向を前後方向に配され、駆動モータ100(
図2参照)の回転軸(不図示)に嵌合する嵌合孔61aを軸上に有する。傘歯車62は軸方向を左右方向に配され、傘歯車61に噛合する。平歯車63は傘歯車62と同心に一体形成される。
【0055】
平歯車63の軸部63aはキャップ58の凸部58a(
図3参照)が嵌合する嵌合孔(不図示)を有する。これにより、平歯車63及び傘歯車62は巻取ロール50に連結される。
【0056】
平歯車64は平歯車63の下方に配置され、平歯車63に噛合する。内歯車65は平歯車64と一体に設けられる。平歯車66は内歯車65に噛合する。平歯車67は平歯車66と同心に一体形成される。ブラシ体80の一端に設けられる平歯車68は平歯車67に噛合する。
【0057】
駆動モータ100の駆動により傘歯車61、傘歯車62を介して巻取ロール50が回転する。また、傘歯車62と一体の平歯車63の回転により平歯車64、内歯車65、平歯車66、平歯車67、平歯車68を介してブラシ体80が回転する。傘歯車62と一体の平歯車63と、ブラシ体80に連結される平歯車64とが噛合するため、巻取ロール50に平行に配されるブラシ体80を容易に回転させることができる。
【0058】
この時、平歯車64と一体の内歯車65が設けられるため、ブラシ体80の回転軸上の平歯車68を平歯車63の回転軸(軸部63a)と平歯車64の回転軸との間に配置することができる。これにより、巻取ロール50上のプレフィルタ6に摺動するブラシ体80を容易に巻取ロール50に接近して配置することができる。
【0059】
なお、傘歯車61、62は交差軸歯車であればよい。また、各平歯車は平行軸歯車であればよく、はすば歯車等を用いてもよい。
【0060】
図8は清掃装置30の付勢部70の分解斜視図を示している。付勢部70は互いにネジ止めされるハウジング78、79内に収納される回転体71(第1回転体)及び回転体72(第2回転体)を有する。回転体71の軸方向の一端面から挟持部71aが突設されるとともに他端面には溝部71bが設けられる。溝部71bにはキャップ48に設けられた係止部48aが嵌合する。これにより、回転体71が供給ロール40の軸部を係止し、供給ロール40が付勢部70に接続される。
【0061】
回転体72は回転体71側の内部にゼンマイ75を収納する。ゼンマイ75の一端(内端)は回転体71の挟持部71aにより挟持され、他端(外端)は回転体72の内周面上に取り付けられる。右側面から見て(矢印A方向から見て)回転体71が回転体72に対して時計回りに回転するとゼンマイ75の付勢力が大きくなる。すなわち、矢印A方向から見て回転体72が回転体71に対して時計回りに回転するとゼンマイ75の付勢力が小さくなる。
【0062】
回転体72の軸方向の外側(右側)の外周面には、複数の爪72aが所定間隔で設けられる。ハウジング78内にはストッパ77が軸支され、ストッパ77は回転体72を押圧する方向にねじりコイルばね77aによって付勢される。これにより、回転体72はストッパ77と爪72aとの係合によって矢印A方向から見てゼンマイ75の付勢力を小さくする時計回りの回転が規制される。
【0063】
ハウジング78の右側面には開口部78aが開口し、開口部78aを覆うように円筒形状のハンドル73が配される。ハウジング78内には開口部78aよりも大径の鍔部73aが配される。開口部78aを介してハンドル73と鍔部73aとがハウジング78の外壁に対して軸方向に所定の隙間を有してネジ止めされる。これにより、ハンドル73がハウジング78に回転可能に取り付けられる。
【0064】
ハウジング78内には鍔部73aの軸方向の内側(左側)に連結部材74が配される。回転体72と連結部材74との間には圧縮バネ76が配され、連結部材74が軸方向の外側(右側)に付勢される。連結部材74の周面には複数の切欠き部74cが所定間隔で形成される。回転体72の軸方向の外端部には切欠き部74cに嵌合する放射状に延びた複数のリブ72cが形成される。これにより、連結部材74は回転体72と一体に回転する。
【0065】
連結部材74は鍔部73a及び開口部78aよりも大径に形成される。連結部材74の軸方向の外側(右側)の面には複数の傾斜部74a及び複数のリブ74bが所定間隔で設けられる。傾斜部74aは矢印A方向から見て反時計回りに漸次高く形成される。リブ74bは傾斜部74aの頂部に隣接して放射状に延び、頂部よりも高く形成される。
【0066】
また、鍔部73aの軸方向の内側の面(左側面)にはリブ74bに係合する放射状に延びた複数のリブ73bが設けられる。ハウジング78の内壁面にはリブ74bに係合する突起部(不図示)が設けられる。
【0067】
ハンドル73を矢印A方向から見て時計回りに回転させると、リブ74bがリブ73bに係合するとともにハウジング78の突起部に係合する。これにより、ハンドル73の回転が規制される。
【0068】
一方、ハンドル73を矢印A方向から見て反時計回りに回転させると、リブ73bが傾斜部74a上を摺動する。このため、連結部材74が圧縮バネ76の付勢力に抗して軸方向内側に移動し、リブ74bがハウジング78の突起部から軸方向に離れる。これにより、ハンドル73を回転させることができ、リブ74bがリブ73bに係合して回転体72がゼンマイ75の付勢力を大きくする方向に回転する。すなわち、ハンドル73によって回転体72が回転操作される。
【0069】
また、本体部20の上面前部には操作部19が設けられる。
図9は操作部19の平面図を示している。操作部19は複数のボタン19a〜19dを有し、使用者の操作によって空気清浄機1の動作設定を行う。ボタン19aの操作により、清掃装置30の駆動開始及び駆動停止が指示される。ボタン19bの操作により吹出口4、5から送出される空気の風量の変更が指示される。ボタン19cの操作により吹出口4、5から送出される空気の吹き出し方向が変更される。ボタン19dの操作により空気清浄機1の運転開始及び運転停止が指示される。
【0070】
また、空気清浄機1の運転停止中に使用者がボタン19a〜19dを所定の順序で操作することにより、空気清浄機1は自動清掃モードと強制清掃モードとを択一的に選択可能になっている。自動清掃モードは所定の第1周期(本実施形態では48時間)毎の第1清掃時期に清掃装置30を駆動させる。強制清掃モードは第1周期よりも長い第2周期(本実施形態では720時間)毎の第2清掃時期に強制的に清掃装置30を駆動させる。
【0071】
本体部20には塵埃センサ(不図示)及びニオイセンサ(不図示)が設けられる。塵埃センサは本体部20の背面上部に配置され、空気中の塵埃の濃度を検知する。ニオイセンサは空気中の臭気成分の濃度を検知する。また、本体部20の上面には居室内の照度を検知する照度センサ18(
図9参照)が設けられる。
【0072】
表1は、塵埃ランク及び臭気ランクに基づく総合ランク(空気中の汚れ度D)を示している。塵埃ランクは塵埃センサで検知した空気中の塵埃の濃度に応じて0〜3の4段階にランク分けされる。臭気ランクはニオイセンサで検知した空気中の臭気成分の濃度に応じて0〜3の4段階にランク分けされる。総合ランクは塵埃ランクと臭気ランクとの和から導出され、0〜6の7段階にランク分けされる。塵埃ランク、臭気ランク及び総合ランクが高いほど居室内の空気が汚れていることを示す。
【0074】
また、空気清浄機1は運転時間を計時する2つのタイマーを備えている。後述するように、一のタイマーによる積算時間T1及び他のタイマーによる積算時間T2に基づいて清掃装置30が駆動される。
【0075】
上記構成の空気清浄機1において、操作部19の操作により運転が開始されると、カバー部21が本体部20に取り付けられているか否かが判断される。カバー部21が本体部20に取り付けられていると判断されると、送風機10及びイオン発生装置11が駆動される。これにより、吸込口3から居室内の空気が吸い込まれて空気通路8を流通する。この時、プレフィルタ6により空気中に大きな塵埃が捕集される。また、脱臭フィルタ7により空気が脱臭され、集塵フィルタ9により空気中の微細な塵埃やPM2.5等の微小粒子が捕集される。
【0076】
そして、イオン発生装置11により発生したイオンが空気に含まれる。イオンを含んだ空気は吹出口4、5の一方または両方から居室内に吹き出される。これにより、空気清浄機1の送風動作が行われ、居室内の空気清浄が行われる。
【0077】
図10は空気清浄機1の清掃装置30の清掃時期を判定する判定動作を示すフローチャートである。判定動作は空気清浄機1の送風動作と並行して行われる。ステップ#11では操作部19の所定操作により自動清掃モードに設定されているか否かが判断される。自動清掃モードに設定されている場合にはステップ#12に移行し、自動清掃モードに設定されていない場合(強制清掃モードに設定されている場合)にはステップ#21に移行する。
【0078】
ステップ#12では、自動清掃モードでの空気清浄機1の運転時間の積算時間T2が720時間以上になったか否かが判断される。本実施形態において、空気清浄機1の運転時間とは送風機10の駆動時間を示す。なお、空気清浄機1の電源オンの時間を空気清浄機1の運転時間としてもよい。積算時間T2が720時間以上になった場合にはステップ#22に移行し、積算時間T2が720時間以上になっていない場合にはステップ#13に移行する。ステップ#13では積算時間T1が48時間(第1周期)以上になるまで待機する。
【0079】
ステップ#14では、48時間毎の第1清掃時期の直前の所定期間(判定期間、例えば10分間)内で総合ランク(空気中の汚れ度D)が所定値Dt(例えば、ランク「2」)よりも低くなるまで待機する。ステップ#15では、第1清掃時期の直前の所定期間(判定期間、例えば10分間)内で居室内の照度Lが所定の上限照度Ltよりも高いか否かが判断される。上限照度Ltは例えば夜間に室内照明装置(不図示)を消灯した場合の居室内の照度に設定することができる。居室内の照度Lが上限照度Ltよりも高い場合にはステップ#16に移行し、高くない場合にはステップ#14に戻り、ステップ#14及びステップ#15が繰り返される。
【0080】
ステップ#16では、第1清掃時期の直前の所定期間(判定期間、例えば5分間)内で操作部19の所定操作(例えばボタン19b、19cの操作)が行われたか否かが判断される。操作部19の所定操作が行われなかった場合はステップ#17に移行し、行われた場合はステップ#14に戻り、ステップ#14〜ステップ#16が繰り返される。
【0081】
すなわち、ステップ#14〜ステップ#16において、清掃装置30の駆動は停止条件を満たした時に禁止される。停止条件は、48時間毎の第1清掃時期の直前の所定期間内で空気中の汚れ度Dが所定値Dtよりも大きいことである。また、停止条件は、第1清掃時期の直前の所定期間内で、居室内の照度Lが上限照度Ltよりも低い場合及び操作部19の所定操作が行われた場合を含む。なお、各判定期間の長さは互いに同じでも異なってもよい。
【0082】
ステップ#17では清掃装置30が駆動され、清掃動作が行われる。ステップ#18では積算時間T1がリセットされてステップ#11に戻り、ステップ#11〜ステップ#18が繰り返される。
【0083】
ステップ#21では、強制清掃モードでの空気清浄機1の運転時間の積算時間T2が720時間以上になるまで待機する。ステップ#22では停止条件に拘わらず清掃装置30が強制駆動され、清掃動作が行われる。ステップ#23では清掃装置30によるプレフィルタ6の清掃が正常に終了したか否かが判断される。清掃装置30によるプレフィルタ6の清掃が正常に終了した場合にはステップ#25に移行し、清掃が正常に終了していない場合(例えば操作部19の操作により清掃動作が途中でキャンセルされた場合)にはステップ#24に移行する。
【0084】
ステップ#24では第1周期(48時間)よりも短い所定時間(例えば4時間)経過するまで待機する。所定時間経過後にステップ#22に移行し、清掃装置30が駆動される。
【0085】
ステップ#25では積算時間T1、T2がリセットされる。ステップ#25の後はステップ#11に戻り、ステップ#11〜ステップ#18、及びステップ#21〜ステップ#25が繰り返される。
【0086】
次に、清掃装置30の動作について説明する。
図10のステップ#17及びステップ#22において、清掃装置30が駆動されて清掃装置30による清掃動作が開始される。清掃装置30の駆動時に送風機10は停止される。
【0087】
清掃装置30が駆動されると駆動モータ100が回転し、傘歯車61(
図6、
図7参照)が正面から見て反時計回りに回転する。傘歯車62及び平歯車63は右側面から見て(矢印A方向から見て)時計回りに回転する。これにより、巻取ロール50は右側面から見て時計回りに回転し、供給ロール40からプレフィルタ6を引き出して巻き取る。
【0088】
平歯車64、内歯車65、平歯車66及び平歯車67は右側面から見て反時計回りに回転し、平歯車68は右側面から見て時計回りに回転する。これにより、ブラシ体80は右側面から見て時計回りに回転する。この時、ブラシ体80のブラシ毛束82は巻取ロール50上のプレフィルタ6に摺動する。これにより、プレフィルタ6上の塵埃が除去され、塵埃は容器92内に集塵される。
【0089】
この時、巻取ロール50の回転方向とブラシ体80の回転方向とが同じ方向になる。このため、ブラシ体80のブラシ毛束82はプレフィルタ6の進行方向と逆方向からプレフィルタ6に摺動する。したがって、ブラシ体80はプレフィルタ6上の塵埃を確実に除去することができる。
【0090】
また、ブラシ体80の周速は巻取ロール50の周速よりも大きいと望ましい。これにより、プレフィルタ6上でブラシ毛束82の周方向の接触長さをブラシ毛束82の接触する周期よりも長くし、プレフィルタ6上にブラシ毛束82を隙間なく接触させることができる。
【0091】
回転するシャフト81上のブラシ毛束82は櫛部93で梳かれ、ブラシ毛束82に付着した塵埃が容器92内に落下する。
【0092】
プレフィルタ6が巻取ロール50に巻き取られる時、供給ロール40に接続される付勢部70の回転体71(
図8参照)は右側面から見て(矢印A方向から見て)時計回りに回転する。これにより、ゼンマイ75が巻かれ、ゼンマイ75の付勢力が大きくなる。
【0093】
この時、プレフィルタ6の収納部6c上の図柄6g(
図4参照)が下方に移動し、吸込口3を介して視認される。これにより、使用者は清掃装置30の駆動中であること容易に認識することができる。このため、使用者が故障によって送風機10が停止したと誤認することを防止できる。なお、清掃装置30の駆動時に送風機10を低速運転してもよい。
【0094】
この時、プレフィルタ6の移動速度は約4mm/秒であると望ましい。これにより、駆動モータ100のトルクを抑えることができるとともに、ブラシ体80によりプレフィルタ6上の塵埃を確実に除去することができる。
【0095】
駆動モータ100の回転量が所定値に到達すると、駆動モータ100が反転する。これにより、傘歯車61が巻取時とは反対方向(本実施形態では時計回り方向)に回転する。この時、巻取ロール50及びブラシ体80は右側面から見て反時計回りに回転する。
【0096】
巻取ロール50によるプレフィルタ6の巻取が終わった時にゼンマイ75の付勢力は巻取前よりも大きくなっている。このため、駆動モータ100を反転させると、ゼンマイ75の復元力によって回転体71が右側面から見て反時計回りに回転する。これにより、プレフィルタ6が供給ロール40に巻回される。
【0097】
駆動モータ100の回転量が所定値に到達すると、駆動モータ100が停止される。以上により、清掃装置30による清掃動作が終了する。
【0098】
なお、巻取ロール50の外径を検知するセンサを設けてもよい。これにより、プレフィルタ6を巻き取った状態の巻取ロール50の外径が所定の外径よりも大きくなったことを検知して駆動モータ100を反転させることができる。また、巻取ロール50の外径が所定の外径よりも小さくなったことを検知して駆動モータ100を停止させることができる。
【0099】
清掃装置30による清掃動作の終了後に、使用者は集塵部90をカバー部21から取り外し、容器92に溜まった塵埃を廃棄することができる。
【0100】
また、プレフィルタ6は交換時にプレフィルタ6の一端を取り付けられた供給ロール40がカバー部21に装着される。そして、プレフィルタ6の下端が巻取ロール50に取り付けられる。
【0101】
この時、供給ロール40と巻取ロール50との間のプレフィルタ6に弛みが生じている場合がある。この場合に使用者が付勢部70のハンドル73を右側面から見て(矢印A方向から見て)反時計回りに回すと、回転体71、72が右側面から見て反時計回りに回転する。これにより、プレフィルタ6が供給ロール40に巻き取られ、プレフィルタ6の弛みを解消することができる。したがって、送風機10を駆動させた際に吸込口3から吸い込まれた空気がプレフィルタ6を確実に通過することができる。
【0102】
本実施形態によると、所定の第1周期毎の第1清掃時期に清掃装置30を駆動させる自動清掃モードを設け、第1清掃時期の直前の所定期間内で総合ランク(空気中の汚れ度D)が所定値Dtよりも大きい停止条件を満たした時に清掃装置30の駆動を禁止する。これにより、居室内の空気が汚れている場合には送風機10を駆動して空気清浄をプレフィルタ6の清掃よりも優先して行うことができる。したがって、空気清浄機1の清浄効果を向上させることができる。
【0103】
なお、空気清浄機1に塵埃センサのみを設け、塵埃ランクを空気中の汚れ度Dとしてもよい。また、空気清浄機1にニオイセンサのみを設け、臭気ランクを空気中の汚れ度Dとしてもよい。
【0104】
また、停止条件が、第1清掃時期の直前の所定期間内で居室内の照度Lが所定の上限照度Ltよりも低い場合を含む。これにより、自動清掃モードにおいて、夜間に使用者が睡眠中の場合には清掃装置30の駆動が禁止される。したがって、使用者の睡眠を妨げず、空気清浄機1の快適性を向上させることができる。
【0105】
また、停止条件が、第1清掃時期の直前の所定期間内で所定の操作が行われた場合を含む。これにより、自動清掃モードにおいて、操作部19の操作中には清掃装置30の駆動が禁止される。したがって、使用者による空気清浄機1への指示が妨げられず、空気清浄機1の使用性を向上させることができる。
【0106】
また、自動清掃モードの継続中に前回の清掃装置30の駆動から第1周期よりも長い所定時間が経過した時に停止条件に拘わらず清掃装置30を強制駆動する。これにより、自動清掃モードにおいて、停止条件を満たしてプレフィルタ6の清掃が行われなかった場合でもプレフィルタ6への過剰の塵埃の蓄積を確実に防止することができる。
【0107】
また、第1周期よりも長い第2周期毎の第2清掃時期に清掃装置30を強制駆動させる強制清掃モードを自動清掃モードと択一的に選択可能に設けている。これにより、自動清掃モードが設定されていない場合でも強制清掃モードで清掃装置30が駆動される。したがって、プレフィルタ6への過剰の塵埃の蓄積を確実に防止することができる。
【0108】
また、清掃装置30の強制駆動時に停止の指示があった際に清掃装置30を停止し、第1周期よりも短い所定時間経過後に清掃装置30を駆動する。これにより、清掃装置30の強制駆動時に清掃装置30の清掃動作がキャンセルされた場合でも所定時間経過後には清掃装置30によるプレフィルタ6の清掃が行われる。したがって、プレフィルタ6への過剰の塵埃の蓄積を確実に防止することができる。
【0109】
また、ブラシ体80が巻取ロール50を回転駆動する駆動モータ100に連結され、巻取ロール50の回転時に回転するとともに巻取ロール50上のプレフィルタ6(フィルタ)に摺動する。これにより、ブラシ体80を回転させる従来例のブラシ体用モータを駆動モータ100と別途設ける必要がなくなる。したがって、空気清浄機1の製造コストを削減することができる。
【0110】
また、巻取ロール50の回転方向とブラシ体80の回転方向とが同方向である。これにより、ブラシ体80はプレフィルタ6の進行方向と逆方向からプレフィルタ6に摺動する。したがって、ブラシ体80はプレフィルタ6上の塵埃を確実に除去することができる。
【0111】
また、ブラシ体80の周速は巻取ロール50の周速よりも大きいと望ましい。これにより、プレフィルタ6上でブラシ毛束82の周方向の接触長さをブラシ毛束82の接触する周期よりも長くし、プレフィルタ6上にブラシ毛束82を隙間なく接触させることができる。したがって、プレフィルタ6上の塵埃をより確実に除去することができる。
【0112】
また、駆動モータ100が筐体2の本体部20に配されるとともに供給ロール40及び巻取ロール50がカバー部21に配される。これにより、カバー部21を本体部20から取り外してプレフィルタ6を容易に交換することができる。なお、空気清浄機1は清掃装置30を備えているが、空気清浄機1の設置場所(例えば、台所のように油汚れが多い場所など)によってはプレフィルタ6の目詰まりが生じる場合がある。この場合でも、プレフィルタ6を容易に取り外して念入りに清掃することができる。
【0113】
また、駆動モータ100の回転軸に嵌合する嵌合孔61aを有した傘歯車61(第1交差軸歯車)と、傘歯車61に噛合する傘歯車62(第2交差軸歯車)と、傘歯車62と一体に回転して巻取ロール50に連結される平歯車63(第1平行軸歯車)と、平歯車63に噛合してブラシ体80に連結される平歯車64(第2平行軸歯車)とを備える。これにより、一の駆動モータ100による巻取ロール50及びブラシ体80の回転を容易に実現することができる。
【0114】
また、巻取ロール50に連結される平歯車63がブラシ体80に連結される平歯車64よりも駆動モータ100側に配置されるため、巻取ロール50に伝達される駆動力の減衰を抑制できる。これにより、プレフィルタ6を介して付勢部70により付勢される巻取ロール50を付勢力に抗して駆動モータ100により確実に回転駆動することができる。
【0115】
また、ブラシ体80と平歯車64との間に、平歯車64と一体に設けられる内歯車65と、内歯車65に噛合する平歯車66(第3平行軸歯車)とを設け、ブラシ体80の回転軸が平歯車63の回転軸と平歯車64の回転軸との間に配される。これにより、巻取ロール50上のプレフィルタ6に摺動するブラシ体80を容易に巻取ロール50に接近して配置することができる。
【0116】
また、プレフィルタ6が清掃装置30の停止時に吸込口3に面して配される通気部6bと、清掃装置30の駆動時に供給ロール40から送り出される収納部6cとを有する。そして、収納部6c上には通気部6bと区別して吸込口3から視認可能な図柄6gが設けられる。これにより、プレフィルタ6の移動が容易に視認され、使用者は清掃装置30によるプレフィルタ6の清掃を容易に認識することができる。
【0117】
また、清掃装置30の駆動時に送風機10を停止する。これにより、プレフィルタ6から除去された直後の塵埃のプレフィルタ6の下流側への吸い込みを防止することができる。また、図柄6gによって使用者が故障によって送風機10が停止したと誤認することを防止できる。
【0118】
また、清掃装置30の付勢部70は、巻取ロール50のプレフィルタ6の巻き取り時に供給ロール40の回転軸を巻取方向の逆方向に付勢するゼンマイ75を有する。これにより、巻取ロール50の巻取が終了した後に駆動モータ100を反転させると、ゼンマイ75の復元力によってプレフィルタ6が供給ロール40に巻回される。したがって、供給ロール40を巻取ロール50の巻取方向Wと反対方向に回転させるためのモータを駆動モータ100と別途に設ける必要がない。その結果、空気清浄機1の製造コストをより削減することができる。また、ゼンマイ75を用いるため、付勢しながらプレフィルタ6を長い距離で巻取ロール50に巻き取ることができる。これにより、プレフィルタ6の大きさの設計の自由度を高めることができる。
【0119】
また、付勢部70が、供給ロール40の軸部を係止してゼンマイ75の一端が取り付けられる回転体71(第1回転体)と、ゼンマイ75の他端が取り付けられるとともにゼンマイ75の付勢力を小さくする方向の回転が規制される回転体72(第2回転体)と、回転体72を回転操作するハンドル73とを有する。これにより、供給ロール40をカバー部21に装着してハンドル73を操作すると、プレフィルタ6は巻取方向Wと逆方向に巻回される。したがって、プレフィルタ6の弛みを低減し、塵埃を含んだ空気がプレフィルタ6を確実に通過することができる。
【0120】
また、付勢部70は、ハンドル73と回転体72との間に配されてゼンマイ75の付勢力を小さくする方向へのハンドル73の回転を規制する連結部材74を備え、連結部材74は回転体72と一体に回転する。これにより、ゼンマイ75の付勢力を小さくする方向への回転体72の回転を確実に防止することができる。
【0121】
また、供給ロール40のシャフト41が溝部41bを有する芯材41aと、芯材41aに外嵌する断面C字状の弾性体から成るスリーブ41dとを有し、スリーブ41d及び溝部41bによりプレフィルタ6のバー材6aを弾性挟持する。これにより、スリーブ41dの開口部41eを広げると、バー材6aをシャフト41から容易に取り外すことができる。また、スリーブ41dによりバー材6aのシャフト41からの脱落を防止することができる。巻取ロール50についても同様である。
【0122】
また、供給ロール40の芯材41aが金属から成り、スリーブ41dが樹脂成形品から成る。巻取ロール50についても同様である。これにより、シャフト41、51の強度を十分確保しながらバー材6aをシャフト41、51に対して容易に着脱することができる。
【0123】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図11は本実施形態の空気清浄機のカバー部の支持部材の側面図を示している。説明の便宜上、前述の
図1〜
図10に示した第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態では、カバー部21の支持部材49の構成が第1実施形態とは異なっている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
【0124】
カバー部21の供給ロール40の右方の支持部材49(
図3参照)の前端部には上下方向に回動する樹脂製の回動板400が設けられる。回動板400の軸部401は回動板400の前後方向の中央よりも後方に偏って配される。これにより、
図11に示すように、支持部材49上に供給ロール40が取付けられていない場合には回動板400の前端部が支持部材49よりも前方に突出する。このため、供給ロール40がカバー部21に取付けられていない状態でカバー部21を本体部20に取り付けようとすると、回動板400の前端部が本体部20と干渉する。したがって、カバー部21への供給ロール40の取付忘れを容易に防止することができる。
【0125】
一方、
図12に示すように、供給ロール40を支持部材49上に取り付けると、供給ロール40が回動板400の後端部に衝突し、回動板400は上方に回動する。これにより、回動板400の前端部が後方に退避し、カバー部21を本体部20に取付ける際に回動板400と本体部20との干渉が防止される。
【0126】
なお、本実施形態でも第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0127】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図13は本実施形態の空気清浄機のカバー部の支持部材の側面図を示している。説明の便宜上、前述の
図1〜
図10に示した第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態では、カバー部21の支持部材49の構成が第1実施形態とは異なっている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
【0128】
支持部材49は固定部49a及び移動部49bを有する。移動部49bの後端部にはバネ49cが設けられ、バネ49cの一端はカバー部21の前面に取付けられる。この時、バネ49cが伸びた状態で移動部49bの前端部は固定部49aよりも前方に突出するように構成される。これにより、
図13に示すように、支持部材49上に供給ロール40が取付けられていない場合には移動部49bの前端部が固定部49aよりも前方に突出する。このため、供給ロール40がカバー部21に取付けられていない状態でカバー部21を本体部20に取り付けようとすると、移動部49bの前端部が本体部20と干渉する。したがって、カバー部21への供給ロール40の取付忘れを容易に防止することができる。
【0129】
一方、
図14に示すように、供給ロール40を支持部材49上に取り付けると、固定部49aに当接した供給ロール40が移動部49bを後方へ移動させる。これにより、移動部49bの前端部が後方に退避し、カバー部21を本体部20に取付ける際に移動部49bと本体部20との干渉が防止される。
【0130】
本実施形態でも第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0131】
なお、第2実施形態及び第3実施形態において、第1実施形態の磁石23及びホール素子に替えて、フォトインタラプタ(不図示)を設けてもよい。フォトインタラプタは対向する発光部及び受光部を有する。発光部から受光部へ向かう光が、支持部材49よりも前方に突出した第2実施形態の回動板400や第3実施形態の移動部49bによって遮られたことを受光部で検出した場合に、送風機10の駆動を禁止する。これにより、カバー部21が本体部20に取り付けられていない状態での空気清浄機1の送風動作を防止することができる。
【0132】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図15は本実施形態の空気清浄機のプレフィルタの平面図を示している。説明の便宜上、前述の
図1〜
図10に示した第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態ではプレフィルタ6の構成が第1実施形態とは異なっている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
【0133】
シート状のプレフィルタ6は巻取方向Wに第1領域A1〜第4領域A4が並べて形成される。第1領域A1はメッシュの密度が低い領域、第2領域A2はメッシュの密度が高い領域、第3領域A3はメッシュに活性炭が付着された領域、第4領域A4はメッシュに芳香剤が付着された領域になっている。
【0134】
上記構成の空気清浄機1において、例えば塵埃センサの検知結果により空気中の塵埃濃度が低いと判断された場合には駆動モータ100が駆動して巻取ロール50が回転し、第1領域A1が吸込口3に面して配される。これにより、空気清浄機1の送風効率を向上させることができる。また、例えば塵埃センサの検知結果により空気中の塵埃濃度が高いと判断された場合には駆動モータ100が駆動して巻取ロール50が回転し、第2領域A2が吸込口3に面して配される。なお、第1領域A1〜第4領域A4の巻取方向Wの長さ及び駆動モータ100の回転量に基づいて、吸込口3に面して配される領域を決定することができる。
【0135】
ニオイセンサの検知結果により空気中の臭気成分の濃度が高いと判断された場合には駆動モータ100が駆動して巻取ロール50が回転し、第3領域A3または第4領域A4が吸込口3に面して配される。
【0136】
以上により、居室内の空気の状態に適したプレフィルタ6の領域が吸込口3に面して配されるため、空気清浄機1の使用性を向上させることができる。
【0137】
本実施形態でも第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、プレフィルタ6は巻取方向Wに第1領域A1〜第4領域A4が並んで形成される。これにより、居室内の空気の状態に適したプレフィルタ6の領域が吸込口3に面して配されるため、空気清浄機1の使用性を向上させることができる。
【0138】
なお、使用者が操作部19を操作することにより、第1領域A1〜第4領域A4を選択してもよい。
【0139】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
図16は本実施形態の空気清浄機のプレフィルタの押え部材の斜視図を示している。説明の便宜上、前述の
図1〜
図10に示した第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態では押え部材22の構成が第1実施形態とは異なっている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
【0140】
本実施形態の押え部材22はプレフィルタ6の巻取方向W(本実施形態では上下方向)に延びるリブ22bのみを有し、巻取方向Wに直交する方向(本実施形態では左右方向)に延びるリブを有さない。これにより、巻取方向Wに直交する方向に延びるリブがプレフィルタ6上を摺動することによる塵埃の落下を防止することができる。
【0141】
なお、本実施形態でも第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0142】
第1実施形態〜第5実施形態において、供給ロール40及び巻取ロール50をカバー部21に配しているが、これに替えて、本体部20に配してもよい。
【0143】
第1実施形態〜第5実施形態の空気清浄機1の清掃動作において、巻取ロール50の巻取速度と供給ロール40への巻戻速度とは同じでも異なってもよい。例えば、巻取ロール50の巻取速度を供給ロール40への巻戻速度よりも小さくすると、プレフィルタ6上の塵埃を除去しながら巻戻速度を大きくして清掃動作の時間を短縮することができる。