特許第6803408号(P6803408)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6803408
(24)【登録日】2020年12月2日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/06 20060101AFI20201214BHJP
【FI】
   B25J15/06 N
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-566684(P2018-566684)
(86)(22)【出願日】2017年2月8日
(86)【国際出願番号】JP2017004498
(87)【国際公開番号】WO2018146740
(87)【国際公開日】20180816
【審査請求日】2019年6月4日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】松本 達
【審査官】 中田 善邦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−270088(JP,A)
【文献】 特開2011−056646(JP,A)
【文献】 実開平02−047045(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0052297(US,A1)
【文献】 特開2011−093014(JP,A)
【文献】 特開2003−103481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J1/00−21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を保持する保持具と、前記保持具を軸心周りに自転させる自転装置と、前記保持具の先端部が下方を向いた姿勢である第1姿勢と側方を向いた姿勢である第2姿勢との間で前記保持具を旋回させる旋回装置とを有する作業ヘッドと、
前記作業ヘッドを移動させる移動装置と、
前記作業ヘッドと前記移動装置との作動を制御する制御装置と
を備えた作業機であって、
前記制御装置が、
前記第1姿勢の前記保持具により部品が保持された後に目標位置まで前記作業ヘッドを移動させる際に、前記第1姿勢から前記第2姿勢に前記保持具を旋回させるとともに、部品を保持する際の前記保持具の自転角度である保持時角度から目標角度まで前記保持具を自転させる作動制御部を有し、
前記作動制御部が、
前記第1姿勢から前記第2姿勢に前記保持具を旋回させるとともに、前記保持時角度から前記目標角度まで前記保持具を自転させる際に、前記保持具に保持された部品が前記作業機の一部に接触する場合に、前記保持具に保持された部品の前記作業機の一部への接触を回避するように、前記保持時角度から前記目標角度までの自転角度が少なくなる方向と反対方向であっても、前記作業機の一部から離れる方向に前記保持具を自転させる作業機。
【請求項2】
前記作動制御部が、
前記第1姿勢から前記第2姿勢に前記保持具を旋回させるとともに、前記保持時角度から前記目標角度まで前記保持具を自転させる際に、前記保持具に保持された部品が前記作業機の一部に接触しない場合に、前記保持時角度から前記目標角度までの自転角度が少なくなる方向に前記保持具を自転させる請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記作動制御部が、
前記移動装置による前記作業ヘッドの移動開始のタイミングと同じタイミングで、前記自転装置と前記旋回装置との各々の作動を開始させる請求項1または請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記作動制御部が、
前記第1姿勢から前記第2姿勢に前記保持具を旋回させるとともに、前記保持時角度から前記目標角度まで前記保持具を自転させる際に、前記保持具に保持された部品が前記作業機の一部に接触する場合に、前記移動装置による前記作業ヘッドの移動開始のタイミングから遅れて、前記自転装置と前記旋回装置との少なくとも一方の作動を開始させる請求項1または請求項2に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を保持する保持具を有する作業ヘッドと、その作業ヘッドを移動させる移動装置とを備える作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業機には、下記特許文献に記載されているように、散在された部品を保持し、作業を行うものがある。このような作業機では、部品を保持するための作業機が、保持具を軸心周りに自転させる自転装置と、保持具の先端部が下方を向いた姿勢と側方を向いた姿勢との間で保持具を旋回させる旋回装置とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−331480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自転装置と旋回装置とを有する作業ヘッドでは、保持具が様々な姿勢に変化するため、保持具に保持された部品が作業機の一部と接触する虞がある。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、保持具に保持された部品の作業機の一部への接触を回避することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本明細書は、部品を保持する保持具と、前記保持具を軸心周りに自転させる自転装置と、前記保持具の先端部が下方を向いた姿勢である第1姿勢と側方を向いた姿勢である第2姿勢との間で前記保持具を旋回させる旋回装置とを有する作業ヘッドと、前記作業ヘッドを移動させる移動装置と、前記作業ヘッドと前記移動装置との作動を制御する制御装置とを備えた作業機であって、前記制御装置が、前記第1姿勢の前記保持具により部品が保持された後に目標位置まで前記作業ヘッドを移動させる際に、前記第1姿勢から前記第2姿勢に前記保持具を旋回させるとともに、部品を保持する際の前記保持具の自転角度である保持時角度から目標角度まで前記保持具を自転させる作動制御部を有し、前記作動制御部が、前記第1姿勢から前記第2姿勢に前記保持具を旋回させるとともに、前記保持時角度から前記目標角度まで前記保持具を自転させる際に、前記保持具に保持された部品が前記作業機の一部に接触する場合に、前記保持具に保持された部品の前記作業機の一部への接触を回避するように、前記保持時角度から前記目標角度までの自転角度が少なくなる方向と反対方向であっても、前記作業機の一部から離れる方向に前記保持具を自転させる作業機を開示する
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、自転装置と旋回装置との少なくとも一方の作動を制御することで、保持具に保持された部品の作業機の一部への接触を回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】部品実装機を示す斜視図である。
図2】部品実装機の部品装着装置を示す斜視図である。
図3】ばら部品供給装置を示す斜視図である。
図4】部品供給ユニットを示す斜視図である。
図5】部品供給ユニットを示す透過図である。
図6】部品供給ユニットを示す透過図である。
図7】部品保持ヘッドを示す斜視図である。
図8】リード部品が収納された状態の部品受け部材を示す図である。
図9】部品実装機の制御装置を示すブロック図である。
図10】リード部品を保持する際の部品保持ヘッドの拡大図である。
図11】部品が側壁に接触する虞の無い場合における部品保持ヘッドの作動状態を示す概略図である。
図12】部品が側壁に接触する虞の有る場合における部品保持ヘッドの作動状態を示す概略図である。
図13】部品が側壁に接触する虞の有る場合における部品保持ヘッドの作動状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0009】
(A)部品実装機の構成
図1に、部品実装機10を示す。部品実装機10は、回路基材12に対する部品の実装作業を実行するための装置である。部品実装機10は、装置本体20、基材搬送保持装置22、部品装着装置24、撮像装置26,28、部品供給装置30、ばら部品供給装置32、制御装置(図9参照)34を備えている。なお、回路基材12として、回路基板、三次元構造の基材等が挙げられ、回路基板として、プリント配線板、プリント回路板等が挙げられる。
【0010】
装置本体20は、フレーム部40と、そのフレーム部40に上架されたビーム部42とによって構成されている。基材搬送保持装置22は、フレーム部40の前後方向の中央に配設されており、搬送装置50とクランプ装置52とを有している。搬送装置50は、回路基材12を搬送する装置であり、クランプ装置52は、回路基材12を保持する装置である。これにより、基材搬送保持装置22は、回路基材12を搬送するとともに、所定の位置において、回路基材12を固定的に保持する。なお、以下の説明において、回路基材12の搬送方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する。つまり、部品実装機10の幅方向は、X方向であり、前後方向は、Y方向である。
【0011】
部品装着装置24は、ビーム部42に配設されており、2台の作業ヘッド60,62と作業ヘッド移動装置64とを有している。各作業ヘッド60,62は、吸着ノズル(図2参照)66を有しており、吸着ノズル66によって部品を保持する。また、作業ヘッド移動装置64は、X方向移動装置68とY方向移動装置70とZ方向移動装置72とを有している。そして、X方向移動装置68とY方向移動装置70とによって、2台の作業ヘッド60,62は、一体的にフレーム部40上の任意の位置に移動させられる。また、各作業ヘッド60,62は、図2に示すように、スライダ74,76に着脱可能に装着されており、Z方向移動装置72は、スライダ74,76を個別に上下方向に移動させる。つまり、作業ヘッド60,62は、Z方向移動装置72によって、個別に上下方向に移動させられる。
【0012】
撮像装置26は、下方を向いた状態でスライダ74に取り付けられており、作業ヘッド60とともに、X方向,Y方向およびZ方向に移動させられる。これにより、撮像装置26は、フレーム部40上の任意の位置を撮像する。撮像装置28は、図1に示すように、フレーム部40上の基材搬送保持装置22と部品供給装置30との間に、上を向いた状態で配設されている。これにより、撮像装置28は、作業ヘッド60,62の吸着ノズル66に保持された部品を撮像する。
【0013】
部品供給装置30は、フレーム部40の前後方向での一方側の端部に配設されている。部品供給装置30は、トレイ型部品供給装置78とフィーダ型部品供給装置(図示省略)とを有している。トレイ型部品供給装置78は、トレイ上に載置された状態の部品を供給する装置である。フィーダ型部品供給装置は、テープフィーダ(図示省略)、スティックフィーダ(図示省略)によって部品を供給する装置である。
【0014】
ばら部品供給装置32は、フレーム部40の前後方向での他方側の端部に配設されている。ばら部品供給装置32は、ばらばらに散在された状態の複数の部品を整列させて、整列させた状態で部品を供給する装置である。つまり、任意の姿勢の複数の部品を、所定の姿勢に整列させて、所定の姿勢の部品を供給する装置である。以下に、部品供給装置32の構成について詳しく説明する。なお、部品供給装置30および、ばら部品供給装置32によって供給される部品として、電子回路部品,太陽電池の構成部品,パワーモジュールの構成部品等が挙げられる。また、電子回路部品には、リードを有する部品,リードを有さない部品等が有る。
【0015】
ばら部品供給装置32は、図3に示すように、本体80と、部品供給ユニット82と、撮像装置84と、部品引渡し装置86とを有している。
【0016】
(a)部品供給ユニット
部品供給ユニット82は、部品供給器88と部品散在装置(図4参照)90とを含み、それら部品供給器88と部品散在装置90とが一体的に構成されたものである。部品供給ユニット82は、本体80のベース96に着脱可能に組み付けられており、ばら部品供給装置32では、5台の部品供給ユニット82が、X方向に1列に並んで配設されている。
【0017】
部品供給器88は、概して直方体の箱形状をなし、図4及び図5に示すように、Y方向に延びるように配設されている。なお、Y方向を部品供給器88の前後方向と記載し、図5での左方向を前方と、図5での右方向を後方と記載する場合がある。つまり、部品供給ユニット82において、部品散在装置90が配設されている側に向かう方向を、前方と記載し、部品供給器88が配設されている側に向かう方向を、後方と記載する場合がある。
【0018】
部品供給器88は、上面と前面とにおいて開口しており、上面の開口は、部品の投入口97とされ、前面の開口は部品の排出口98とされている。部品供給器88では、投入口97の下方に、傾斜板104が配設されている。傾斜板104は、部品供給器88の後方側の端面から中央方向に向かって、部品供給器88の幅方向(X方向)の全体に配設されており、前方側の端部が下方に位置するように傾斜している。
【0019】
また、傾斜板104の前方側には、図5に示すように、コンベア装置106が配設されている。コンベア装置106は、1対のローラ108,110とコンベアベルト112とを有している。1対のローラ108,110の各々は、部品供給器88の内部において、部品供給器88の幅方向に延びるように配設されており、部品供給器88の幅方向の全体に架け渡されている。ローラ108は、傾斜板104の前方側の端部、つまり、傾斜板104の最も下方に位置する端部とクリアランスのある状態で対向している。ローラ110は、ローラ108の前方側の斜め上方に配設されている。そして、コンベアベルト112が、1対のローラ108,110に巻き掛けられている。
【0020】
また、1対のローラ108,110は軸心周りに回転可能とされており、回転装置114の作動により制御可能に回転する。なお、各ローラ108,110の回転方向は、図5での反時計回りの方向とされている。これにより、コンベアベルト112が、1対のローラ108,110の間において、図5での反時計回りに回転する。つまり、コンベアベルト112による搬送方向は、傾斜板104の前端部から前方に向かって斜め上方とされている。
【0021】
また、コンベア装置106のローラ110の前方側の斜め下方には、傾斜板126が配設されている。傾斜板126は、部品供給器88の前方側の端面からローラ110の下方に向かって、部品供給器88の幅方向の全体に配設されており、後方側の端部が下方に位置するように傾斜している。さらに、その傾斜板126の下方にも、傾斜板128が配設されている。傾斜板128は、コンベア装置106の中央部の下方から部品供給器88の排出口98に向かって、部品供給器88の幅方向の全体に配設されており、前方側の端部が下方に位置するように傾斜している。
【0022】
また、ベース96には、図4に示すように、1対のサイドフレーム部130が組み付けられている。1対のサイドフレーム部130は、対向した状態で互いに平行且つ、Y方向に延びるように立設されている。そして、1対のサイドフレーム部130の間の距離は、部品供給器88の幅方向の寸法より僅かに大きくされており、1対のサイドフレーム部130の間に、部品供給器88が着脱可能に装着されている。
【0023】
また、部品散在装置90は、部品支持部材150と部品支持部材移動装置152とを含む。部品支持部材150は、ステージ156と1対の側壁部158とによって構成されている。ステージ156は、概して長手形状の板形状をなし、1対のサイドフレーム部130の間に装着された部品供給器88の下方から前方に延び出すように、配設されている。なお、ステージ156の上面は、概して水平とされており、図5に示すように、部品供給器88の傾斜板128の屈曲された前方側の端部と僅かなクリアランスのある状態で配設されている。また、1対の側壁部158は、図4に示すように、ステージ156の長手方向の両側部に立設された状態で固定されており、各側壁部158の上端は、ステージ156の上面より上方に延び出している。
【0024】
また、部品支持部材移動装置152は、図5に示すように、ガイドレール160とスライダ162とを含む。ガイドレール160は、部品支持部材150の下方において、ステージ156の長手方向に延びるように配設されている。スライダ162は、ガイドレール160にスライド可能に取り付けられており、電磁モータ(図9参照)166の作動により、任意の位置にスライドする。また、部品支持部材150のステージ156は、連結機構168を介してスライダ162に連結されている。これにより、部品支持部材150は、部品支持部材移動装置152の作動によりY方向に移動し、部品供給器88の下方に格納された格納状態(図6参照)と、部品供給器88の下方から露出した露出状態(図5参照)との間で移動する。
【0025】
(b)撮像装置
撮像装置84は、図3に示すように、カメラ290とカメラ移動装置292とを含む。カメラ移動装置292は、ガイドレール296とスライダ298とを含む。ガイドレール296は、部品供給器88の上方において、ばら部品供給装置32の幅方向(X方向)に延びるように、本体80に固定されている。スライダ298は、ガイドレール296にスライド可能に取り付けられており、電磁モータ(図9参照)299の作動により、任意の位置にスライドする。また、カメラ290は、下方を向いた状態でスライダ298に装着されている。
【0026】
(c)部品引渡し装置
部品引渡し装置86は、図3に示すように、部品保持ヘッド移動装置300と部品保持ヘッド302と2台のシャトル装置304とを含む。
【0027】
部品保持ヘッド移動装置300は、X方向移動装置310とY方向移動装置312とZ方向移動装置314とを含む。Y方向移動装置312は、X方向に延びるように、部品供給ユニット82の上方に配設されたYスライダ316を有しており、Yスライダ316は、電磁モータ(図9参照)319の駆動により、Y方向の任意の位置に移動する。X方向移動装置310は、Yスライダ316の側面に配設されたXスライダ320を有しており、Xスライダ320は、電磁モータ(図9参照)321の駆動により、X方向の任意の位置に移動する。Z方向移動装置314は、Xスライダ320の側面に配設されたZスライダ322を有しており、Zスライダ322は、電磁モータ(図9参照)323の駆動により、Z方向の任意の位置に移動する。
【0028】
部品保持ヘッド302は、図7に示すように、ヘッド本体330と吸着ノズル332とノズル旋回装置334とノズル自転装置335とを含む。ヘッド本体330は、Zスライダ322と一体的に形成されている。吸着ノズル332は、部品を保持するものであり、ホルダ340の下端部に着脱可能に装着されている。ホルダ340は、ホルダ支持部342の下端部において、支持軸344によって搖動可能に保持されており、ノズル旋回装置334の作動により、ホルダ340が上方向に90度屈曲する。これにより、ホルダ340の下端部に装着されている吸着ノズル332は、90度旋回し、旋回位置に位置する。つまり、吸着ノズル332は、ノズル旋回装置334の作動により、吸着ノズル332の先端が下方を向いた姿勢と、側方を向いた姿勢との間で吸着ノズル332の姿勢を変化させ、非旋回位置と旋回位置との間で旋回する。また、ノズル自転装置335は、ホルダ支持部342を軸心周りに自転させる。これにより、吸着ノズル332が、軸心周りに自転する。
【0029】
また、2台のシャトル装置304の各々は、図3に示すように、部品キャリヤ388と部品キャリヤ移動装置390とを含み、部品供給ユニット82の前方側に横方向に並んで、本体80に固定されている。部品キャリヤ388には、5個の部品受け部材392が、横方向に一列に並んだ状態で装着されており、各部品受け部材392に、部品が載置される。
【0030】
詳しくは、ばら部品供給装置32で供給される部品は、図8に示すように、リードを有する電子回路部品(以下、「リード部品」と略す場合がある)410であり、リード部品410は、ブロック状の部品本体412と、部品本体412の底面から突出する2本のリード414とから構成されている。また、部品受け部材392には、リード部品410に応じた形状の部品受容凹部416が形成されている。部品受容凹部416は、段付き形状の凹部であり、部品受け部材392の上面に開口する本体部受容凹部418と、その本体部受容凹部418の底面に開口するリード受容凹部420とから構成されている。そして、リード部品410は、リード414が下方を向く姿勢で、部品受容凹部416の内部に挿入される。これにより、リード414がリード受容凹部420に挿入されるとともに、部品本体412が本体部受容凹部418に挿入された状態で、リード部品410が部品受容凹部416の内部に載置される。
【0031】
また、部品キャリヤ移動装置390は、図3に示すように、板状の長手部材であり、前後方向に延びるように、部品供給ユニット82の前方側に配設されている。部品キャリヤ移動装置390の上面には、部品キャリヤ388が前後方向にスライド可能に配設されており、電磁モータ(図9参照)430の駆動により、前後方向の任意の位置にスライドする。なお、部品キャリヤ388が、部品供給ユニット82に接近する方向にスライドした際には、部品保持ヘッド移動装置300による部品保持ヘッド302の移動範囲内に位置する部品受取位置までスライドする。一方、部品キャリヤ388が、部品供給ユニット82から離れる方向にスライドした際には、作業ヘッド移動装置64による作業ヘッド60,62の移動範囲内に位置する部品供給位置までスライドする。
【0032】
また、制御装置34は、図9に示すように、統括制御装置450と、複数の個別制御装置(図では1つのみ図示されている)452と、画像処理装置454とを含む。統括制御装置450は、コンピュータを主体として構成されたものであり、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32に接続されている。これにより、統括制御装置450は、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32を統括して制御する。複数の個別制御装置452は、コンピュータを主体として構成されたものであり、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32に対応して設けられている(図では、ばら部品供給装置32に対応する個別制御装置452のみが図示されている)。ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、部品散在装置90,カメラ移動装置292,部品保持ヘッド移動装置300,部品保持ヘッド302,シャトル装置304に接続されている。これにより、ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、部品散在装置90,カメラ移動装置292,部品保持ヘッド移動装置300,部品保持ヘッド302,シャトル装置304を制御する。また、画像処理装置454は、撮像装置84に接続されており、撮像装置84により撮像された撮像データを処理する。その画像処理装置454は、ばら部品供給装置32の個別制御装置452に接続されている。これにより、ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、撮像装置84により撮像された撮像データを取得する。
【0033】
(B)部品実装機の作動
部品実装機10は、上述した構成によって、基材搬送保持装置22に保持された回路基材12に対して部品の装着作業が行われる。具体的には、回路基材12が、作業位置まで搬送され、その位置において、クランプ装置52によって固定的に保持される。次に、撮像装置26が、回路基材12の上方に移動し、回路基材12を撮像する。これにより、回路基材12の保持位置の誤差に関する情報が得られる。また、部品供給装置30若しくは、ばら部品供給装置32は、所定の供給位置において、部品を供給する。なお、ばら部品供給装置32による部品の供給に関しては、後で詳しく説明する。そして、作業ヘッド60,62の何れかが、部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル66によって部品を保持する。続いて、部品を保持した作業ヘッド60,62が、撮像装置28の上方に移動し、撮像装置28によって、吸着ノズル66に保持された部品が撮像される。これにより、部品の保持位置の誤差に関する情報が得られる。そして、部品を保持した作業ヘッド60,62が、回路基材12の上方に移動し、保持している部品を、回路基材12の保持位置の誤差,部品の保持位置の誤差等を補正し、回路基材12上に装着する。
【0034】
(C)ばら部品供給装置の作動
ばら部品供給装置32では、リード部品410が、作業者によって部品供給器88の投入口97から投入され、その投入されたリード部品410が、部品供給ユニット82,部品引渡し装置86の作動により、部品キャリヤ388の部品受け部材392に載置された状態で供給される。詳しくは、作業者は、部品供給器88の上面の投入口97から、リード部品410を投入する。この際、部品支持部材150は、部品支持部材移動装置152の作動により、部品供給器88の下方に移動しており、格納状態とされる(図6参照)。
【0035】
部品供給器88の投入口97から投入されたリード部品410は、部品供給器88の傾斜板104の上に落下し、傾斜板104の前方側の下端まで転がり落ちる。この際、傾斜板104の前方側の下端まで転がり落ちたリード部品410は、傾斜板104の前方側の下端と、コンベア装置106の後方側の下端との間に山積される。そして、コンベア装置106の回転装置114が作動されることで、コンベア装置106のコンベアベルト112が図6での反時計回りに周回する。これにより、収容部100に山積されたリード部品410が、コンベアベルト112によって前方側の斜め上方に向かって搬送される。
【0036】
そして、コンベアベルト112によって斜め上方に向かって搬送されたリード部品410は、コンベアベルト112の上端から傾斜板126の上に落下する。その傾斜板126の上に落下したリード部品410は、傾斜板126の上を後方に向かって転がり落ち、傾斜板126の下方に配設された傾斜板128の上に落下する。その傾斜板128の上に落下したリード部品410は前方に向かって転がり落ち、部品供給器88の前方側の排出口98から排出される。
【0037】
また、部品支持部材150は、部品供給器88の排出口98からリード部品410が排出されるタイミングに合わせて、部品支持部材移動装置152の作動により、部品供給器88の下方から前方に向かって移動させられる。これにより、部品供給器88の排出口98から排出されたリード部品410が、部品支持部材150のステージ156の上面に排出される。
【0038】
そして、部品支持部材150が、格納状態から前方に向かって移動させられ、露出状態に至ると、部品支持部材150の移動が停止される。これにより、ステージ156の上面全体にリード部品410が散在される。なお、部品供給器88では、部品支持部材150の移動が停止するタイミングに合わせて、部品供給器88からリード部品410が最後に排出されるように、コンベア装置106の作動が停止される。
【0039】
上述した手順に従って、部品供給器88から部品支持部材150のステージ156の上にリード部品410が散在されると、撮像装置84のカメラ290が、カメラ移動装置292の作動により、部品支持部材150の上方に移動させられ、リード部品410を撮像する。そして、撮像データに基づいて、部品支持部材150上でのリード部品410の位置、リード部品410の姿勢等の情報が取得される。
【0040】
次に、取得されたリード部品410の位置情報に基づいて、保持対象のリード部品410の上方に、部品保持ヘッド302が、部品保持ヘッド移動装置300の作動により移動させられる。この際、吸着ノズル332は、ノズル旋回装置334によって下方を向いた姿勢とされており、非旋回位置に位置している。また、吸着ノズル332は、保持対象のリード部品410の姿勢に基づいて、自転させられる。詳しくは、図10に示すように、保持対象のリード部品410のリード414の延び出す方向が、部品保持ヘッド302のホルダ340の旋回方向と反対方向になるように、吸着ノズル332の装着されたホルダ支持部342がノズル自転装置335によって自転させられる。なお、この際のノズル自転装置335による自転角度を、保持時角度と記載する場合がある。
【0041】
そして、部品保持ヘッド302が下降され、吸着ノズル332によって、保持対象のリード部品410が吸着保持される。続いて、部品保持ヘッド302が、部品キャリヤ388の上方を目標位置として、部品保持ヘッド移動装置300によって移動させられる。この際、部品キャリヤ388は、部品キャリヤ移動装置390の作動により、部品受取位置に移動している。また、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動する際に、吸着ノズル332は、ノズル旋回装置334によって旋回位置に旋回される。これにより、図10に示すように、旋回位置に位置する吸着ノズル332は、先端を側方に向けた姿勢となり、吸着ノズル332に保持されたリード部品410のリード414は、鉛直方向での下方を向く。
【0042】
また、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動する際に、吸着ノズル332に保持されたリード部品410を、部品キャリヤ388において、部品受け部材392の部品受容凹部416に挿入できるように、吸着ノズル332の装着されたホルダ支持部342が自転させられる。詳しくは、部品受容凹部416は、リード部品410に応じた形状とされており、吸着ノズル332に保持されたリード部品410を、部品受容凹部416の開口に応じた姿勢にしなければ、リード部品410を部品受容凹部416に挿入できない。このため、例えば、吸着ノズル332に保持されたリード部品410の幅方向と、部品受容凹部416の開口の幅方向とが一致するように、リード部品410の姿勢を変更する必要がある。
【0043】
そこで、図11に示すように、吸着ノズル332に保持されたリード部品410の幅方向と、部品受容凹部416の開口の幅方向とが一致するように、吸着ノズル332の装着されたホルダ支持部342が自転させられる(一点鎖線の部品保持ヘッド302)。これにより、吸着ノズル332に保持されたリード部品410を、部品受容凹部416に挿入することが可能となる。なお、リード部品410を部品受容凹部416に挿入することが可能な吸着ノズル332の自転角度、つまり、ホルダ支持部342の自転角度を、目標角度と記載する場合がある。
【0044】
つまり、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動する際に、吸着ノズル332の装着されたホルダ支持部342は、保持時角度(実線の部品保持ヘッド302)から目標角度(点線の部品保持ヘッド302)まで、ノズル自転装置335によって自転させられる。ちなみに、自転方向は、保持時角度から目標角度までの自転角度が少なくなる方向とされている。つまり、図11に示すような場合には、自転方向は、時計回りの方向とされている。これにより、吸着ノズル332の自転に要する時間を短縮することが可能となる。
【0045】
このように、吸着ノズル332によってリード部品410が保持された後に、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動する際に、吸着ノズル332は非旋回位置から旋回位置に旋回されるとともに、保持時角度から目標角度まで自転させられる。ちなみに、吸着ノズル332の旋回開始のタイミング及び、自転開始のタイミングは、部品保持ヘッド302の移動開始のタイミングと同じとされている。つまり、部品保持ヘッド移動装置300による部品保持ヘッド302の移動開始のタイミングと同じタイミングで、ノズル旋回装置334とノズル自転装置335との各々の作動が開始する。これにより、部品保持ヘッド302の移動時間を、最大限に利用して、吸着ノズル332の旋回及び自転を行うことが可能となる。
【0046】
そして、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動すると、吸着ノズル332に保持されたリード部品410は、リード414を鉛直方向での下方を向けるとともに、部品受容凹部416の開口に応じた姿勢とされている。これにより、部品保持ヘッド302が下降し、吸着ノズル332がリード部品410を離脱することで、リード部品410が部品受け部材392に載置される。
【0047】
リード部品410が部品受け部材392に載置されると、部品キャリヤ388は、部品キャリヤ移動装置390の作動により、部品供給位置に移動する。部品供給位置に移動した部品キャリヤ388は、作業ヘッド60,62の移動範囲に位置しているため、ばら部品供給装置32では、この位置においてリード部品410が供給される。このように、ばら部品供給装置32では、リード414が下方を向き、リード414が接続された底面と対向する上面が上方を向いた状態で、リード部品410が供給される。このため、作業ヘッド60,62の吸着ノズル66は、適切にリード部品410を保持することが可能となる。
【0048】
このように、ばら部品供給装置32では、吸着ノズル332によりリード部品410が保持された後に、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動する際に、吸着ノズル332の旋回及び自転が実行される。これにより、吸着ノズル332に保持されたリード部品410が、部品受け部材392の部品受容凹部416に載置され、リード部品410を適切に供給することが可能とされている。しかしながら、吸着ノズル332の旋回及び自転に伴って、吸着ノズル332に保持されたリード部品410が、ばら部品供給装置32の一部に接触する虞がある。
【0049】
具体的には、ばら部品供給装置32の内部には、図3に示すように、5台の部品供給ユニット82がX方向に一列に並んで配設されており、図3では省略されているが、ばら部品供給装置32の内部は、ハウジングによって覆われている。このため、5台の部品供給ユニット82のうちのX方向における両端に配設されている部品供給ユニット82は、ハウジングの側壁(図12参照)470と隣接している。この側壁470と隣接する部品供給ユニット82では、部品支持部材150からリード部品410が吸着ノズル332により保持され、部品受け部材392の上方まで移動される際に、吸着ノズル332に保持されたリード部品410が側壁470に接触する虞がある。
【0050】
詳しくは、部品支持部材150の上面において、側壁470に近い箇所にリード部品410が散在されている場合には、図12に示すように、部品保持ヘッド302は、側壁470に比較的近い箇所まで移動する。そして、部品支持部材150の上に散在されているリード部品410が、吸着ノズル332により保持される。リード部品410が吸着ノズル332により保持されると、部品保持ヘッド302は、部品受け部材392の上方を目的位置として移動し、吸着ノズル332の旋回及び自転が実行される。また、部品保持ヘッド302を移動させる部品保持ヘッド移動装置300と、吸着ノズル332を旋回させるノズル旋回装置334と、吸着ノズル332を自転させるノズル自転装置335とは、同じタイミングで作動を開始する。そして、ノズル自転装置335による自転方向は、上述したように、保持時角度から目標角度までの自転角度が少なくなる方向とされているため、図12に示すような場合において、時計回りの方向とされる。
【0051】
しかしながら、吸着ノズル332により保持されたリード部品410の稼働範囲472に側壁470が存在している。このため、ノズル旋回装置334,ノズル自転装置335等を上述した手法に従って作動させると、吸着ノズル332に保持されたリード部品410が側壁470に接触する虞がある。なお、吸着ノズル332に保持されたリード部品410が側壁470に接触するか否かの判断は、保持対象のリード部品410の位置,寸法,ホルダ340の長さ寸法,部品保持ヘッド302の移動経路,部品保持ヘッド移動装置300及び部品保持ヘッド302の性能等に基づいて実行される。部品保持ヘッド移動装置300の性能としては、電磁モータ319,321,323の性能であり、部品保持ヘッド302の移動時の速度,加速度である。また、部品保持ヘッド302の性能としては、ノズル旋回装置334,ノズル自転装置335の性能であり、吸着ノズル332の旋回時及び自転時の速度,加速度である。
【0052】
このように、吸着ノズル332に保持されたリード部品410が側壁470に接触する虞がある場合には、部品保持ヘッド302を側壁470から離れた個所まで移動させた後に、吸着ノズル332の旋回と自転との少なくとも一方を実行する手法が考えられる。つまり、部品保持ヘッド移動装置300による部品保持ヘッド302の移動開始のタイミングから遅れて、ノズル旋回装置334とノズル自転装置335との少なくとも一方の作動を開始する手法が考えられる。しかしながら、ノズル旋回装置334とノズル自転装置335との少なくとも一方の作動を遅らせることで、タクトタイムが遅延する虞がある。
【0053】
また、例えば、リード部品410が散在される部品支持部材150と、側壁470とのクリアランスを大きくすることで、吸着ノズル332に保持されたリード部品410の側壁470への接触を回避することが可能となる。しかしながら、部品支持部材150と側壁470とのクリアランスを大きくすれば、ばら部品供給装置32が大型化する。
【0054】
そこで、吸着ノズル332に保持されたリード部品410が側壁470に接触する虞がある場合には、ノズル自転装置335による自転方向が、保持時角度から目標角度までの自転角度が少なくなる方向と反対の方向となるが、側壁470から離れる方向とされる。このように、自転方向を側壁470から離れる方向とすることで、部品保持ヘッド移動装置300とノズル旋回装置334とノズル自転装置335とを同時に作動させても、リード部品410の側壁470への接触を回避することが可能となる。これにより、タクトタイムの遅延及び、ばら部品供給装置32の大型化を防止しつつ、吸着ノズル332に保持されたリード部品410の側壁470への接触を回避することが可能となる。
【0055】
ただし、ノズル自転装置335による自転方向を側壁470から離れる方向にしても、吸着ノズル332に保持されたリード部品410が側壁470に接触する場合がある。詳しくは、例えば、図13に示すように、保持対象のリード部品410が、側壁470に非常に近い箇所に位置している場合について、説明する。このような場合に、ノズル自転装置335による自転方向を、時計回りと反時計回りとの何れの方向にしても、部品保持ヘッド移動装置300とノズル旋回装置334とノズル自転装置335とを同時に作動させた場合に、リード部品410が側壁470に接触する。
【0056】
そこで、このような場合には、部品保持ヘッド302を側壁470から離れた個所まで移動させた後に、吸着ノズル332の旋回が実行される。ただし、ホルダ支持部342の自転は、部品保持ヘッド302の移動と同時に実行される。つまり、部品保持ヘッド移動装置300とノズル自転装置335とは、同じタイミングで作動を開始し、それら部品保持ヘッド移動装置300及びノズル自転装置335の作動開始のタイミングから遅れて、ノズル旋回装置334は作動を開始する。
【0057】
ちなみに、ノズル旋回装置334が遅れて作動を開始する場合において、ノズル自転装置335による自転方向は、保持時角度から目標角度までの自転角度が少なくなる方向とされる。また、ノズル旋回装置334の作動開始のタイミングは、保持対象のリード部品410の位置,寸法,ホルダ340の長さ寸法,部品保持ヘッド移動装置300及び部品保持ヘッド302の性能等に基づいて演算される。
【0058】
また、吸着ノズル332に保持されたリード部品410が側壁470に接触する虞がない場合には、ノズル自転装置335による自転方向は従来の方向、つまり、保持時角度から目標角度までの自転角度が少なくなる方向とされている。そして、部品保持ヘッド移動装置300とノズル旋回装置334とノズル自転装置335とは、同じタイミングで作動を開始する。
【0059】
なお、個別制御装置452は、図9に示すように、作動制御部500を有している。作動制御部500は、上記手法により部品保持ヘッド移動装置300,ノズル旋回装置334,ノズル自転装置335の作動を制御し、吸着ノズル332に保持されたリード部品410の側壁470への接触を回避するための機能部である。
【0060】
ちなみに、ばら部品供給装置32は、作業機の一例である。部品保持ヘッド移動装置300は、移動装置の一例である。部品保持ヘッド302は、作業ヘッドの一例である。吸着ノズル332は、保持具の一例である。ノズル旋回装置334は、旋回装置の一例である。ノズル自転装置335は、自転装置の一例である。個別制御装置452は、制御装置の一例である。作動制御部500は、作動制御部の一例である。
【0061】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、ノズル自転装置335による自転方向を何れの方向にしても、リード部品410が側壁470に接触する場合には、ノズル旋回装置334だけを遅れて作動させているが、ノズル旋回装置334とノズル自転装置335とを遅れて作動させてもよい。また、ノズル自転装置335だけを遅れて作動させてもよい。つまり、部品保持ヘッド移動装置300による部品保持ヘッド302の移動開始のタイミングから遅れて、ノズル旋回装置334とノズル自転装置335との少なくとも一方の作動を開始させてもよい。
【0062】
また、上記実施例では、リードを有する部品に本発明が適用されているが、種々の種類の部品に本発明を適用することが可能である。具体的には、例えば、太陽電池の構成部品,パワーモジュールの構成部品,リードを有さない電子回路部品等に、本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0063】
32:ばら部品供給装置(作業機) 300:部品保持ヘッド移動装置(移動装置) 302:部品保持ヘッド(作業ヘッド) 332:吸着ノズル(保持具) 334:ノズル旋回装置(旋回装置) 335:ノズル自転装置(自転装置) 452:個別制御装置(制御装置) 500:作動制御部
図1
図2
図3
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図5
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