【課題を解決するための手段】
【0016】
この課題は、主要請求項において記載される接着テープによって解決される。その際、従属請求項の主題は、接着テープの有利な変形形態および接着テープの使用方法である。
【0017】
それによると、本発明は、好ましくは織物支持体と、その支持体の少なくとも片面に塗布された、乾燥させた架橋剤不含ポリマー分散液の形態の感圧接着剤とからなる、特に、ケーブルをラッピングするための接着テープであって、ポリマーが、
(a)97.0〜98.0質量%のn−ブチルアクリレートおよび/または2−エチルへキシルアクリレート
(b)2.0〜3.0質量%の、酸官能基または酸無水物官能基を有するエチレン性不飽和モノマー
から構成されている、接着テープに関する。
【0018】
好ましくは、ポリマーが、97.2〜97.7質量%のn−ブチルアクリレートおよび/または2−エチルへキシルアクリレートならびに2.3〜2.8質量%の、酸官能基または酸無水物官能基を有するエチレン性不飽和モノマーからなる。
【0019】
本発明の趣旨での「架橋剤不含」とは、感圧接着剤に、架橋性のある化合物を添加しないということを意味する。
ここで使用されるように、架橋剤という用語は、分子内架橋の形成を介して二次元構造から三次元架橋構造を形成できるように、分子鎖を互いに結合できる化学化合物を意味する。
架橋剤は、選択した架橋条件下において、架橋されるべきポリマーの適切な基、特に官能基と反応できるため、2つまたは複数のポリマーまたはポリマー部位を互いに結合し(「架橋」を形成する)、例えば架橋されるべきポリマーからなる網目構造を生み出すような、特に二官能性または多官能性の、たいていの場合、低分子の化合物である。それにより、通常は、凝集上昇が起こる。
【0020】
架橋剤の典型的な例は、分子内または分子の両末端部において2つ以上の同一または異なる官能基を有するため、同一構造の分子、さらには異なる構造の分子も互いに架橋できる化学化合物である。さらに、架橋剤は、反応性モノマーまたは反応性樹脂と、上記の定義のように反応でき、その際、本来の趣旨での重合は起こらない。なぜなら、活性化剤とは異なり、架橋剤は、上記のように、ポリマー網目構造内に組み込まれ得るからである。
【0021】
列挙したアクリレートポリマーに加えて、感圧接着剤には、場合によっては存在する残留モノマーの他に、さらに、後記の粘着付与剤および/または添加剤(Zuschlagstoff)、例えば、遮光剤または老朽化防止剤を、同じく後記される量で添加してもよい。
特に、感圧接着剤中にはさらなるポリマー、例えばエラストマーが含有されず、つまり、感圧接着剤のポリマーは、記載した量比のモノマー(a)および(b)のみからなる。
【0022】
好ましくは、n−ブチルアクリレートはモノマー(a)を形成する。
【0023】
モノマー(b)として有利に考慮に値するのは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、および/または無水マレイン酸である。
【0024】
好ましいのは、式I
【0025】
【化1】
【0026】
の(メタ)アクリル酸であり、ただし、R
3=HまたはCH
3であり、場合によっては、アクリル酸またはメタクリル酸からなる混合物を使用するのが好ましい。特に好ましいのはアクリル酸である。
【0027】
特に好ましい一変形形態によると、ポリマーは、以下の組成
(a)97.0〜98.0質量%、好ましくは97.2〜97.7質量%のn−ブチルアクリレート、および
(b)2.0〜3.0質量%、好ましくは2.3〜2.8質量%のアクリル酸
を有する。
【0028】
ポリマー分散液は、前記の成分の乳化重合法によって製造される。その方法の記載は、例えば、Peter A. LovellとMohamed S. El−Aasser「Emulsion Polymerization and Emulsion Polymers」、Wiley−VCH、1997年、ISBN 0−471−96746−7(非特許文献1)または欧州特許第1378527号(特許文献1)に見られる。
【0029】
重合の際、すべてのモノマーがポリマーに変換されるのではないことを排除できない。その際、残留モノマー含有量はできるだけ少量であるべきことが自明である。
好ましくは、1質量%以下、特に0.5質量%以下(乾燥させたポリマー分散液の質量に対して)の残留モノマーを有するポリマー分散液を含む接着剤を提供する。
【0030】
接着剤は、感圧接着剤、つまり、比較的弱い加圧下にすでに、ほぼすべての被着材との持続的な結合を可能にし、かつ使用後には本質的に糊残りなく被着材から再び剥離できる接着剤である。感圧接着剤は、室温において持続的に感圧接着性に作用し、つまり、十分に低い粘性、および高い初期接着性を有するため、わずかな加圧ですでに各接着基材の表面を濡らす。接着剤の接着性は、その接着特性に基づき、再剥離性はその凝集特性に基づく。
【0031】
感圧接着特性を達成するためには、接着剤が、粘弾性特性を有するように、加工温度においてそのガラス温度を上回っている必要がある。ケーブルセットラッピングは、通常の周囲温度(およそ15℃〜25℃の間)において行うため、感圧接着剤処方のガラス転移温度は、好ましくは+15℃未満である(DIN 53 765に準拠し、10K/分の加熱速度において、DSC(Differential Scanning Calorimetry)を用いて算出)。
【0032】
アクリレートコポリマーのガラス転移温度は、Fox式に基づいて、ホモポリマーのガラス転移温度およびその相対量比から見積もれる)。
望みのガラス転移温度を有する、ポリマー、例えば、感圧接着剤またはヒートシール材を達成するためには、モノマー混合物の量的な組成を、有利には、Fox式(T.G. Fox、Bull. Am. Phys. Soc.、1956年、1、123(非特許文献2)を参照)と類似する方程式(G1)により、ポリマーの望みのT
G値がもたらされるように選択する。
【0033】
【数1】
【0034】
場合によっては粘着付与剤を添加することにより、添加量、適合性、および軟化温度に応じて、ガラス転移温度が必然的におよそ5K〜40Kだけ上昇する。
したがって、最大限0℃のガラス転移温度を有するアクリレートコポリマーが好ましい。
【0035】
本発明によるポリマーは、ASTM D3330に準拠して、少なくとも1.0N/cmの、鋼上での接着力を有する(支持体としての23μmポリエステルフィルム上での30g/cm
2の接着剤の目付け量において)。
【0036】
「接着樹脂」とは、一般的な当業者の理解に相応して、接着樹脂を含有しないが、その他の点では同一の感圧接着剤と比べて、感圧接着剤の自己接着(タック、自己接着性)を高めるオリゴマー樹脂またはポリマー樹脂と理解される。
【0037】
感圧接着剤の接着力を高めるための粘着付与剤の使用は、基本的に公知である。その効果は、接着剤に、15質量部まで(<15質量部に相当)、ないしは5〜15質量部の粘着付与剤(乾燥させたポリマー分散液の質量に対して)を添加した場合も生じる。好ましくは5〜12、さらに好ましくは6〜10質量部の粘着付与剤(乾燥させたポリマー分散液の質量に対して)を添加する。
【0038】
接着樹脂とも呼ばれる粘着付与剤としては、原則的にすべての公知の物質群が適切である。粘着付与剤は、いくつかを挙げるのみだが、例えば、炭化水素樹脂(例えば、不飽和C
5−またはC
9−モノマーベースのポリマー)、テルペンフェノール樹脂、原料、例えばα−ピネンまたはβ−ピネンをベースとするポリテルペン樹脂、芳香族樹脂、例えばクマロン・インデン樹脂、またはスチレンもしくはα−メチルスチレンベースの樹脂、例えばコロホニウムおよびその反応生成物、例えば、不均化コロホニウム、二量化コロホニウム、またはエステル化コロホニウム、例えば、グリコール、グリセロール、もしくはペンタエリトリトールとの反応生成物である。好ましいのは、易酸化性の二重結合を有さない樹脂、例えば、テルペンフェノール樹脂、芳香族樹脂であり、特に好ましいのは、水素化によって製造される樹脂、例えば、水素化芳香族樹脂、水素化ポリシクロペンタジエン樹脂、水素化コロホニウム誘導体、または水素化ポリテルペン樹脂である。テルペンフェノールおよびコロホニウムエステルをベースとする樹脂が好ましい。ASTM E28−99(2009)に準拠して、80℃を上回る軟化温度を有する接着樹脂も同じく好ましい。特に好ましいのは、ASTM E28−99(2009)に準拠して、90℃を上回る軟化温度を有する、テルペンフェノールおよびコロホニウムエステルをベースとする樹脂である。実用的には、樹脂を、分散液形態で使用する。それにより、その樹脂を、問題なく、微細分散された状態でポリマー分散液と混合できる。
【0039】
感圧接着剤にいかなる接着樹脂も添加ない、本発明の変形形態が特に好ましい。
当業者にとっては驚くべきかつ予測できなかったことに、接着樹脂の不在は、本発明による接着テープにおいて、当業者が期待したであろうように、不十分な接着力をもたらすことはない。その上、驚くべきことにフラッギング挙動も悪化しない。
【0040】
特に、感圧接着剤に添加されないのは、次の物質である。
・炭化水素樹脂(例えば、不飽和C
5−モノマーまたはC
9−モノマーベースのポリマー)
・テルペンフェノール樹脂
・原料、例えばα−ピネンまたはβ−ピネンをベースとするポリテルペン樹脂
・芳香族樹脂、例えばクマロン・インデン樹脂、またはスチレンもしくはα−メチルスチレンベースの樹脂、例えばコロホニウムおよびその反応生成物、例えば、不均化コロホニウム、二量化コロホニウム、またはエステル化コロホニウム、例えば、グリコール、グリセロール、もしくはペンタエリトリトールとの反応生成物
【0041】
ケーブル適合性をさらに改善するためには、接着剤処方に、任意選択で遮光剤または一次老朽化防止剤および/もしくは二次老朽化防止剤を混合してもよい。
老朽化防止剤としては、立体障害フェノールベースの生成物、亜リン酸塩、チオ相乗剤、立体障害アミン、またはUV吸収剤を使用してもよい。
好ましくは、一次酸化防止剤、例えば、Irganox 1010またはIrganox 254を単独で、または二次酸化防止剤、例えば、Irgafos TNPPまたはIrgafos 168と併用して使用する。
その際、老朽化防止剤は、互いを任意に組み合わせて使用することができ、一次酸化防止剤と二次酸化防止剤とからなる混合物を、遮光剤、例えば、Tinuvin 213と併用すると、特に優れた老朽化防止作用を示す。
【0042】
一分子内において一次酸化防止剤が二次酸化防止剤と一体化した老朽化防止剤が特に有利であると判明した。それらの老朽化防止剤はクレゾール誘導体であり、その芳香環の任意の異なる2つの部位、好ましくはOH基に対するオルト位およびメタ位において、チオアルキル鎖で置換されており、イオウ原子がさらに、1つまたは複数のアルキル鎖を介して、クレゾールブロックの芳香環に結合されていてもよい。芳香族化合物とイオウ原子との間の炭素原子数は、1〜10の間、好ましくは1〜4の間にあり得る。アルキル側鎖の炭素原子数は、1〜25の間、好ましくは6〜16の間にあり得る。その際、特に好ましいのは、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(ウンデシルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(デシルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(ノニルチオメチル)−o−クレゾールまたは4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール型の化合物である。その種の老朽化防止剤は、例えば、Ciba Geigy社から、Irganox 1726またはIrganox 1520の名称で提供される。
【0043】
添加される老朽化防止剤ないしは老朽化防止剤パッケージの量は、乾燥させたポリマー分散液の質量に対して0.1〜10質量部の範囲、乾燥させたポリマー分散液の質量に対して好ましくは0.2〜5質量部の範囲、乾燥させたポリマー分散液の質量に対して特に好ましくは0.5〜3質量部の範囲にあるべきである。
【0044】
接着剤分散液と特に簡単に混合できるように、分散液形態での表示形が好ましい。別法として、液状老朽化防止剤を、分散液に直接に混合することも可能であり、分散液中での均質な分散、または老朽化防止剤の、分散液粒子への取込みを可能にするためには、混合ステップにさらに、数時間にわたる静置時間が続くべきである。さらなる一別法は、分散液への、老朽化防止剤の有機溶液の添加である。適切な濃度は、乾燥させたポリマー分散液の質量に対して0.1〜8質量部、好ましくは0.1〜5質量部の範囲にある。
【0045】
加工特性を改善するためには、接着剤処方に、さらに、通常の加工助剤、例えば、レオロジー添加剤(増粘剤)、消泡剤、脱気剤、湿潤剤、または流れ調整剤を混合してもよい。適切な濃度は、乾燥させたポリマー分散液の質量に対して0.1〜5質量部までの範囲にある。
【0046】
基本的に、有機レオロジー添加剤と無機レオロジー添加剤との間で区別する。
有機増粘剤は、それも同様に、2つの作用機序に分類され、つまり(i)水性相の増粘、つまり非会合性、および(ii)部分的には安定化剤(乳化剤)を包含する、増粘剤分子と粒子との間での会合体形成である。最初の(i)物質群の代表物質は、塩基性媒体中において、流体力学的体積の大きい高分子電解質を形成する水溶性のポリアクリル酸およびポリコアクリル酸である。当業者は、それらの物質を、短くASE(alkali swellable emulsion(アルカリ膨潤性エマルジョン))とも呼ぶ。これらの物質は、高い静止ずり粘度(Ruhescherviskositaet)および著しいずり流動化で傑出している。別の物質群は、修飾多糖類、特にセルロースエーテル、例えば、カルボキシメチルセルロース、2−ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル−2−ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、2−ヒドロキシエチルメチルセルロース、2−ヒドロキシエチルエチルセルロース、2−ヒドロキシプロピルセルロース、2−ヒドロキシプロピルメチルセルロース、2−ヒドロキシブチルメチルセルロースである。さらに、この物質群に数えられるのは、あまり普及していない多糖類、例えば、デンプン誘導体および特殊ポリエーテルである。
(ii)会合性増粘剤の活性基は、原則的には、水溶性中間ブロックおよび疎水性末端ブロックを有するブロックコポリマーであり、末端ブロックが、粒子またはそれ自身と相互作用することにより、粒子を包含しながら三次元網目構造を形成する。典型的な代表物質は、HASE(hydrophobically modified alkali swellable emulsion(疎水性改質アルカリ膨潤性エマルジョン))、HEUR(hydrophobically modified ethyleneoxide urethane(疎水性改質エチレンオキシドウレタン))またはHMHEC(hydrophobically modified hydroxyethyl cellulose(疎水性改質ヒドロキシエチルセルロース))として当業者には周知である。HASE増粘剤では、中間ブロックはASEであり、末端ブロックは、たいていの場合、ポリエチレンオキシド結合を介して結合された長い疎水性アルキル鎖である。HEURでは、水溶性中間ブロックがポリウレタンであり、HMHECでは、2−ヒドロキシエチルセルロースである。特に、非イオン性のHEURおよびHMHECは、十分にpH非感受性である。
【0047】
構造に応じて、会合性増粘剤は、おおよそニュートン性(せん断速度に依存しない)流動挙動または偽塑性(せん断液状化(scherverfluessigend))流動挙動をもたらす。会合性増粘剤は、時には、チキソトロピー性も示し、つまり、粘度のせん断力依存性に加えて、時間依存性も示す。
【0048】
無機増粘剤は、たいていの場合、天然起源または合成起源の層状ケイ酸塩であり、例えば、ヘクトライトおよびスメクタイトである。水に触れると、個々の層が互いから離れる。小片の表面およびエッジにおける異なる電荷に起因し、それらの小片が、静止時に、空間充填トランプタワー構造を形成し、その結果、高い静止ずり粘度から液性限界までをもたらす。せん断時に、トランプタワー構造が崩壊し、ずり粘度の明らかな低下が認められる。小片の電荷、濃度、および幾何次元に応じて、構造の構築にいくぶん時間がかかり得るため、そのような無機増粘剤を用いて、チキソトロピーを達成することもできる。
【0049】
増粘剤は、部分的には、接着材料分散液中に直接混ぜ入れることができるか、または部分的にはあらかじめ、有利には水中で予備希釈ないしは予備分散する。増粘剤の供給者は、例えば、OMG Borchers、Omya、Byk Chemie、Dow Chemical Company、Evonik、RockwoodまたはMuenzing Chemieである。
【0050】
充填剤(補強性または非補強性)、例えば、二酸化ケイ素(球状、針状、小片状、または不規則、例えば熱分解シリカ)、中実球または中空球としてのガラス、マイクロバルーン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化アルミニウム、または水酸化酸化アルミニウムは、加工性の調整同様に接着技術上の特性の調整にも利用できる。適切な濃度は、乾燥させたポリマー分散液の質量に対して0.1〜20質量部までの範囲にある。
【0051】
好ましい一実施形態では、本発明による接着剤処方が、ASTM D3330に準拠して、少なくとも2.0N/cmの、鋼上での接着力を有する(例に基づき、支持体としてのポリエステル布上でのおよそ100g/cm
2の接着剤の目付け量において)。
【0052】
支持体としては、原則的にすべての支持体材料が適切であり、好ましいのは織物支持体であり、特に好ましいのは布地、特にポリエステル布である。
【0053】
接着テープ用の支持体材料としては、公知のすべての織物支持体、例えば、編物、スクリム、テープ、ブレード編み、タフテッド織物、フェルト、布地(平織、綾織、朱子織を含む)、ニット布(経編製品およびニット製品を含む)、または不織布を使用でき、「不織布」とは、少なくとも、EN 29092(1988)に準拠する織物面状体(Flaechengebilde)ならびにステッチ式不織布および類似の系と理解される。
【0054】
同じく、ラミネートされたスペーサ布およびスペーサニット布も使用できる。その種のスペーサ布は、欧州特許第0071212号(特許文献2)に開示される。スペーサ布は、繊維不織布またはフィラメント不織布製の上層、下層、およびそれらの層間に存在する個々の保持繊維または保持繊維束を有するマット状の層構造体であり、保持繊維は、層構造体の平面にわたって分布し、粒子層を貫いてニードリングされ、上層と下層とを互いに結合する。追加的な、必須ではない特徴としては、欧州特許第0071212号(特許文献2)によると、保持繊維中に、不活性鉱物、例えば、砂、砂利、または類似物からなる粒子が存在する。
粒子層を貫いてニードリングされた保持繊維は、上層と下層との互いの間隔を保ち、自身は、上層および下層と結合している。
【0055】
不織布としては、特に、結合強化された短繊維不織布が考慮の対象になるが、たいていは追加的に結合強化する必要のあるフィラメント不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド不織布も考慮の対象になる。可能な結合強化法としては、不織布の場合、機械的結合強化、熱的結合強化、ならびに化学的結合強化が公知である。機械的結合強化においてたいていは、単繊維の乱雑な絡み合わせ、繊維束のステッチ、または追加の糸の縫付けにより繊維を純粋に機械的に結合するが、熱的方法と同様に化学的方法によっても、接着性(バインダ使用)または凝集性(バインダ不使用)の繊維/繊維間結合が達成される。これらの結合は、処方および実施方法を適切にすれば、例外なく、または少なくとも大部分が、繊維の結節点に限定されるので、不織布内にゆるやかな開放的な構造を維持しながら、安定的な3次元網目構造が形成される。
【0056】
特に、別の糸での仕上げ縫いか、またはステッチにより結合強化された不織布が特に有利であると判明した。
【0057】
この種の結合強化した不織布は、例えば、Karl Mayer(前Malimo)社の型式「Malimo」のステッチボンド機で製造され、とりわけTechtex GmbH社から入手できる。マリフリースは、横配向繊維不織布を、不織布の繊維でステッチを形成することによって結合強化することを特徴とする。支持体としてさらに、クニット(Kunit)型不織布あるいはマルチニット(Multiknit)型不織布を使用できる。クニット型不織布は、縦方向に配向した繊維不織布を加工して、一方の面にはステッチが、他方の面にはステッチの結合部またはパイル繊維の折り目があるが、糸も既成の面状体も有さない面状体をもたらすことを特徴とする。その種の不織布も、例えばKarl Mayer社の型式「Malimo」のステッチボンド機で、すでに長年にわたり製造されている。この不織布のもう1つの識別的特徴は、縦配向繊維不織布として、縦方向の大きな引張り力を吸収できることにある。マルチニット型不織布は、クニット型不織布に比べ、両面から針を刺すことで、上面も下面も結合強化されることを特徴とする。マルチニット用の出発生成物として利用されるのは、通常、クニット法により製造された、片面にステッチされた、1つないしは2つのパイル繊維不織布である。最終製品では、両方ともの不織布上面が、繊維ステッチによって閉鎖表面を形成し、ほぼ垂直に並ぶ繊維によって互いに結合されている。さらなる刺通し可能な面状体および/または散布可能な媒体を追加的に導入する可能性が存在する。最後に、糸縫い不織布も、本発明による被覆および本発明による接着テープを形成する中間製品として適切である。糸縫い不織布は、多数の互いに平行に並んだ縫い目を有する不織布材料から形成される。この縫い目は、連続した繊維の糸による縫込みまたはステッチボンドで作られる。この型の不織布に対しては、Karl Mayer社の型式「Malimo」のステッチボンド機が公知である。
【0058】
ニードルパンチ不織布も特に適切である。ニードルパンチ不織布では、鉤付きの針を使って、繊維ウェブを面状体にする。交互する針の突刺しと引抜きにより、材料が針棒上で結合強化され、単繊維が、じょうぶな面状体へと絡み合う。ニードリング点の数および実施形態(針形状、侵入深さ、両面ニードリング)が、通常は軽く、通気性および弾性である繊維構造体の厚さおよび強度を決定する。
【0059】
さらに、第1の工程で機械的加工により予備的に結合強化される短繊維不織布か、または水力学的に製反された湿式不織布である短繊維不織布が特に有利であって、不織布の繊維の2質量%〜50質量%の間、特に不織布の繊維の5質量%〜40質量%の間が溶融性繊維である。
この種の不織布は、繊維が湿式で製反されるか、または、例えば、不織布の繊維でのステッチ形成、ニードリング、縫付け、空気噴射処理および/または水噴射処理により、短繊維不織布を予備的結合強化することを特徴とする。
第2の工程で、熱的固定を行い、溶融性繊維を溶着するか、または部分溶融し、不織布の強度を再度高める。
【0060】
不織布の本発明による利用にとっては、特に、機械的に予備的結合強化された不織布または湿式製反された不織布の接着性結合強化が興味を引き、それは、固体形態、液状、発泡形態、またはペースト形態のバインダの添加により行い得る。原則的な表示形は多彩に可能であり、例えば、さらさらと流し込むための粉末として、フィルムとして、またはグリッドとして、または結合繊維形態での固体バインダである。液状バインダは、水中もしくは有機液体中に溶解するか、または分散液として塗布できる。主に、接着性結合強化のために結合分散液(Bindedispersion)を選択する。つまり、フェノール樹脂分散液もしくはメラミン樹脂分散液の形態のDuroplast(熱硬化性樹脂)、天然ゴムもしくは合成ゴムの分散液としてのエラストマー、またはたいていの場合、熱可塑性物質、例えば、アクリレート、酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン・ブタジエン系、PVC等々、ならびにそれらのコポリマーの分散液である。通常は、アニオン性分散液または非イオン形成性に安定化させた分散液であるが、特殊な場合にはカチオン性分散液も有利であるかもしれない。
【0061】
バインダ塗布方式は、従来技術によって行うことが可能であり、例えば、コーティングまたは不織布技術の定評ある参考文献、例えば、「不織布」(Georg Thieme出版、シュトゥットガルト、1982年)(非特許文献3)または「織物技術−不織布製造」(Arbeitgeberkreis Gesamttextil、エシュボルン、1996年)(非特許文献4)を読み返せる。
【0062】
すでに十分な複合材強度を有する、機械的に予備的結合強化された不織布の場合、表面特性を適切に変化させるためには、バインダの片側噴霧散布が考慮に値する。
バインダの経済的な取扱いに加えて、その種の作業方式では、乾燥に必要なエネルギー量も明らかに低下する。スクイズロールが必要とされず、分散液は主に不織布の上側領域にとどまるため、不織布の望ましくない硬化およびこわばりが大幅に妨げられる。
不織布支持体の十分な接着性結合強化のためには、一般的には、繊維不織布の重量に対して、1%〜50%、特に3%〜20%の範囲でバインダを添加すべきである。
【0063】
バインダの添加は、すでに不織布製造時に、機械的な予備的結合強化時に、さらには別個の工程ステップにおいて行うことができ、そのステップは、インラインまたはオフラインで実施できる。バインダ添加後に、一時的に、バインダが粘着性になり繊維を接着結合する状態が生み出される必要があり、それは、例えば分散液が乾燥中に、さらには加熱によって達成可能であり、平面的または部分的な加圧により、さらなる変形形態の可能性が存在する。バインダの活性化は、公知の乾燥路で行えるが、バインダを適切に選択すると、赤外線放射、UV放射、超音波、高周波放射等々を利用しても行える。後の最終用途にとっては、不織布製造工程の終了後にバインダがその接着性を失うと有効であるが、必ずしも必要ではない。有利であるのは、熱処理によって揮発性成分、例えば、繊維助剤を除去することにより好都合なフォギング値を有する不織布が生じることであり、その結果、低フォギング接着剤を使用した場合、特に好都合なフォギング値を有する接着テープが生産可能となり、それゆえ、被覆も同じくきわめて低いフォギング値を示す。
フォギング(DIN 75201 Aを参照)とは、不都合な状況下に低分子化合物が接着テープからガス放出することがあり低温部分で凝縮する作用と理解される。それにより、例えば、フロントガラスを通す視界が損なわれかねない。
【0064】
接着性結合強化のさらなる一特殊形態は、バインダの活性化が、部分的溶解または部分的膨潤によって起こることにある。原則的には、その際、繊維それ自体または混合された特殊繊維も、バインダの機能を担い得る。しかしながら、たいていのポリマー繊維にとっては、その種の溶媒は、環境の観点から、その取扱いの点で懸念すべきであるないしは問題を抱えるため、この方法は、むしろまれに使用される。
【0065】
有利かつ少なくとも部分的には、支持体の片面または両面が平滑研磨面を有してもよく、それぞれ1つの全面的な平滑研磨面が好ましい。平滑研磨面は、例えば、欧州特許出願公開第1448744号(特許文献3)に詳細に述べられるように、チンツ加工されていてもよい。
【0066】
さらに、支持体を圧縮するために圧延機でカレンダ加工してもよい。好ましくは、2つのロールが、逆方向に同一周速度で走行するため、支持体が加圧され圧縮されることになる。
ロールの周速度が異なる場合、支持体が付加的に平滑研磨される。
【0067】
支持体は、好ましくは布地、さらに好ましくはポリエステル布である。
特に好ましい布地は、次のように構成されている。
・経糸のスレッド数が10〜60/cmである
・緯糸のスレッド数が10〜40/cmである
・経糸が、40〜400dtexの間、特に44〜330dtexの間、特に好ましくは167dtexの糸重量を有する
・緯糸が、40〜660dtexの間、特に44〜400dtexの間、特に好ましくは167dtexの糸重量を有する
【0068】
本発明のさらなる好ましい一実施形態によると、経糸のスレッド数が、40〜50/cm、好ましくは44/cmである。
本発明のさらなる好ましい一実施形態によると、緯糸のスレッド数が、18〜22/cm、好ましくは20/cmである。
【0069】
本発明のさらなる好ましい一実施形態によると、布地がポリエステル布である。さらなる可能性は、ポリアミド布、ビスコース布、および/または挙げた材料の混紡布である。
【0070】
さらに好ましくは、布地の厚さが、最大限300μm、特に好ましくは170〜230μm、とりわけ好ましくは190〜210μmである。
支持体は、本発明のさらなる有利な一実施形態によると、200g/m
2まで、好ましくは100〜150g/m
2の目付け量を有する。
【0071】
接着テープ用の支持体材料の出発原料としては、特に、合成繊維とも呼ばれる、合成ポリマー製の(化学)繊維(短繊維または連続フィラメント)、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、ポリオレフィン、ポリアクリルニトリル製の繊維、またはガラス、天然ポリマー製の(化学)繊維、例えば、セルロース系繊維(ビスコース、モダール、リヨセル、キュプラ、アセテート、トリアセテート、セルロン)、例えばゴム繊維、例えば植物タンパク質繊維、および/または例えば動物タンパク質繊維、および/または木綿、サイザル麻、フラックス、絹、大麻、リネン、ココヤシ、または羊毛製の天然繊維が想定される。しかしながら本発明は上記の材料に限定されることはなく、当業者が発明活動を必要とすることなく知り得る、他の多くの繊維を、支持体の製造に使用することが可能である。
さらに、前記の繊維から製作された紡ぎ糸も同じく適切である。
【0072】
布地またはスクリムの場合、個々の糸を、混紡糸から製造することができ、つまり合成成分と天然成分とを有し得る。しかしながら、通常、経糸および緯糸は、それぞれ単一種類から形成されている。
その際、経糸および/または緯糸は、それぞれ合成糸のみからなるか、または天然原料製の糸のみからなり得る、つまり単一種類であり得る。
【0073】
布地の紡ぎ糸または糸は、フィラメントとして存在してもよい。本発明の趣旨で、フィラメントとは、平行な、直線の単繊維/単フィラメントの束と理解され、文献中ではよくマルチフィラメントとも呼ばれる。場合によっては、この繊維束を、ねじって、内在性に結合強化してもよく、その場合、延伸フィラメントまたは撚り合わせ(gezwirnt)フィラメントと呼ぶ。別法として、繊維束を、圧縮空気または水噴射を用いて絡み合わせることで内在性に結合強化させてもよい。以下では、これらすべての実施形態に対して、一般化して、フィラメントという用語のみを使用する。
フィラメントは、特有の質感をつけるか、または平滑であってもよく、点状に結合強化された状態または結合強化されずに存在してもよい。
【0074】
紙、ラミネート、フィルム(例えば、PP、PE、PET、PA、PU)、発泡体、または発泡フィルムからなる支持体材料も接着テープ用に適切である。
【0075】
それらの非織物平面材料は、特に、特殊な要件が、本発明のそのような修飾を要求する場合に考慮に値する。フィルムは、例えば、織物と比べてたいていの場合は薄く、閉鎖層ゆえ、化学物質および作業物質(Betriebsmittel)、例えば、油、ガソリン、不凍液等々の、本来のケーブル領域への侵入に対する追加的な保護を提供し、材料の適切な選択によって、要件に対して十分に適合させることができる。つまり、ポリウレタン、ポリオレフィンコポリマーによって、例えば、可撓性かつ弾性のジャケットを生み出すことができ、ポリエステルおよびポリアミドによって、優れた耐摩耗性および温度安定性を達成する。
【0076】
それに対して、発泡体または発泡フィルムは、より大きな空間充填および優れたノイズ抑制の特性を含み、ケーブルハーネスを、例えば、車両内のダクト状またはトンネル状の領域に敷設する場合、厚さおよび抑制の点で適切なジャケッティングテープにより、不快なガタガタ音および振動を最初から妨げることができる。
【0077】
織物支持体とその織物支持体の少なくとも片面に塗布されたフィルムまたはプラスチック層とからなるラミネートが好ましい。さらに、織物支持体の上面および下面には、フィルムないしはプラスチック層が塗布されていてもよい。
塗布は、ラミネート加工または押出成形によって行うことができる。
不織布の下面にフィルムが施されており、そのフィルムの他方の面に感圧接着剤が施されている一変形形態が好ましい。
【0078】
フィルム材料ないしはプラスチック材料として適切であるのは、例えば、PP、PE、ポリエステル、PA、PUまたはPVCのようなフィルムである。フィルムそれ自体は、他方で、複数の単層からなり得て、例えば、フィルムへと共押出成形された層からなり得る。
ポリオレフィンが好ましいが、エチレンと極性モノマー、例えば、スチレン、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、またはアクリル酸とからなるコポリマーも含まれる。ホモポリマー、例えば、HDPE、LDPE、MDPE、またはエチレンとさらなるオレフィン、例えば、プロペン、ブテン、ヘキセン、またはオクテンとからなるコポリマー(例えば、LLDPE、VLDPE)であり得る。ポリプロピレン(例えば、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、またはポリプロピレンブロックコポリマー)も適切である。
【0079】
フィルムは、好ましくは12μm〜100μm、さらに好ましくは28〜50μm、特に35μmの厚さを有する。
フィルムは、多色および/または透明であってもよい。
【0080】
最終的に、接着テープは、使用前まで、1つまたは2つの接着剤層を被覆している被覆材料を有してもよい。被覆材料としては、詳細に上記したすべての材料も適切である。
好ましくは、糸くずの出ない材料、例えば、プラスチックフィルムまたは良好に固着させた長繊維紙を使用する。
【0081】
記載の接着テープの難燃性が望ましければ、それは、支持体および/または接着剤に難燃剤を添加することで達成できる。その難燃剤は、必要に応じて相乗剤、例えば、三酸化アンチモンを加えた有機臭素化合物であり得て、接着テープのハロゲンフリー性を顧慮すると、好ましくは、赤リン、有機リン化合物、ミネラル化合物、または膨張性化合物、例えば、ポリリン酸アンモニウムを、単独または相乗剤と共に使用する。
【0082】
接着剤塗布量は、接着テープ面積に対して、好ましくは40〜160g/m
2の間、好ましくは60〜130g/m
2の間、さらに好ましくは80〜100g/m
2の間にある。
【0083】
一般的な表現「接着テープ」は、本発明の趣旨で、すべての面状体、例えば、二次元に広がったフィルムまたはフィルム断片、延びた長さと限定的な幅を有するテープ、テープ断片等々を含み、最終的にはダイカットまたはラベルも含む。
したがって、接着テープは、縦方向の広がりおよび横方向の広がりを有する。接着テープは、両方の広がりに対して垂直に延在する厚さも有し、横方向の広がりおよび縦方向の広がりは、厚さよりも何倍も大きい。厚さは、接着テープの、長さと幅によって定められる平面の広がり全体にわたってできるだけ同じ、好ましくはちょうど同じである。
【0084】
接着テープは、特にシート状で存在する。シートとは、その長さが幅よりも何倍も大きく、かつ幅が、全長に沿っておよそ同じ、好ましくはちょうど同じままに形成されている物体と理解される。接着テープは、ロール形状で、つまりアルキメデスの螺旋の形状でそれ自身へと巻き付きて製造され得る。
アルキメデスの螺旋へと巻き付けられた接着テープの巻戻し特性に都合よく影響を及ぼすために、接着テープの裏面には、裏面ワニスを塗布してもよい。その裏面ワニスは、そのためには、シリコーン化合物またはフルオロシリコーン化合物、ならびにポリビニルステアリルカルバメート、ポリエチレンイミンステアリルカルバミドが施されていてよく、または接着作用物質としての有機フッ素化合物が施されていてもよい。
【0085】
接着剤は、接着テープの縦方向に、接着テープの支持体よりもわずかな幅を有するストリップ形態で塗布されていてもよい。使用ケースに応じて、接着剤の、平行する複数のストリップも、支持体材料上にコーティング可能である。
【0086】
支持体上でのストリップの位置は、自由に選択可能であり、支持体のエッジの1つに直接する配置が好ましい。
好ましくは、支持体上の全面に接着剤を塗布する。
【0087】
支持体の接着コーティング上には、少なくとも1つの被覆ストリップが想定可能であり、そのストリップは、接着テープの縦方向に延在し、接着コーティングの20%〜90%の間を被覆する。
好ましくは、ストリップが、全体として、接着コーティングの50%〜80%の間を被覆する。被覆度は、用途およびケーブルセットの直径に応じて選択される。
記載の百分率は、支持体の幅に対する、被覆ストリップの幅である。
【0088】
本発明の好ましい一実施形態によると、接着コーティング上にちょうど1つの被覆ストリップが存在する。
【0089】
接着コーティング上のストリップの位置は、自由に選択可能であり、支持体の縦エッジの1つに直接する配置が好ましい。このやり方で、接着テープの縦方向に延在する、支持体の他方の縦エッジで終了する接着ストリップがもたらされる。
ケーブルハーネスを回る螺旋運動により接着テープを案内することで、ケーブルハーネスをジャケッティングするために接着テープを使用すると、ケーブルハーネスのラッピングは、接着テープの接着剤が、接着テープそれ自体にしか接着されず、材料は接着剤と接触しないように行うことができる。
そのようにジャケッティングされたケーブルハーネスは、いずれかの接着剤によってケーブルが固定されることがないため、非常に高い可撓性を有する。そのため、挿設の際のケーブルの曲げ性が、まさに狭い通路または鋭い屈折部においても明らかに上昇する。
【0090】
材料上でのある種の、接着テープの固定が望まれる場合、接着ストリップの一部分が接着テープそれ自体に、他の部分が材料に接着するようにジャケッティングを行うことが可能である。
【0091】
別の有利な一実施形態によると、接着コーティングの中心にストリップを塗布するため、支持体の縦エッジに沿って、接着テープの縦方向に延在する2つの接着ストリップが生じることになる。
上記のケーブルハーネスを回る螺旋運動において接着テープを確実かつ経済的に塗布するため、および生じる保護ラッピングがずれないように、それぞれが接着テープの縦エッジ上に存在する2つの接着ストリップが有利であり、特に、たいていは第2のストリップよりも細い1つのストリップが固定補助として利用され、幅の広い方の第2のストリップが密封に利用されると有利である。このやり方で、接着テープは、ケーブルセットがずれに対して固定されているものの可撓性であるようにケーブル上に貼り付いている。
【0092】
その他に、1つを超える複数の被覆ストリップが接着コーティング上に塗布される実施形態がある。単にストリップと呼ぶ場合、当業者は、同時に複数のストリップが接着コーティングを被覆し得ることも着想して一緒に読み取る。
【0093】
本発明による接着テープの製造工程は、1つまたは複数の順々に行う作業工程での、分散液による直接的な支持体のコーティングにほかならない。織物支持体の場合、未処理の織物を、直接または転写法でコーティングできる。別法として、織物をコーティングで前処理してから(溶液、分散液、溶融液からなる任意のフィルム形成物質を使用、および/または放射線硬化)、後続の作業ステップにおいて直接または転写法で感圧接着剤を施してもよい。
塗布ユニットとしては、通常のユニット、つまりワイヤロッド、コーティングバー、ロールアプリケータ、ノズルコーティング、ツインチャンバドクターブレード、マルチカスケードノズル(Mehrfachkaskadenduese)を使用する。
【0094】
上述の有利な特性ゆえ、接着テープは、ワイヤまたはケーブルを絶縁およびラッピングするためにきわめて良好に使用できる。
【0095】
さらに、接着テープは、長尺材料、例えば、特に自動車のケーブルセットをジャケッティングするために有利に適しており、長尺材料を回って螺旋形に接着テープを案内できるか、または長尺材料を、テープによって軸方向にラッピングできる。
最終的には、発明着想は、本発明による接着テープでジャケッティングされた長尺材料も含む。好ましくは、長尺材料が、ケーブルセットである。
【0096】
その抜群の適性ゆえ、接着テープは、被覆の少なくとも1つのエッジ領域に自己接着式の接着テープが存在する被覆からなるジャケットにおいて使用でき、その接着テープは、被覆の縦エッジの1つにわたって延在するように、詳しく言うと、好ましくは被覆の幅と比べて細いエッジ領域に延在するように被覆上に貼り付いている。
その種の製品、ならびにその製品の最適化された実施形態は、欧州特許出願公開第1312097号(特許文献4)に開示されている。欧州特許出願公開第1300452号(特許文献5)、独国特許出願公開第10229527号(特許文献6)、ならびに国際公開第2006108871号(特許文献7)には、さらなる発展が述べられており、そのためにも本発明の接着テープは同じく非常によく適する。同じく、本発明による接着テープは、欧州特許出願公開第1367608号(特許文献8)が開示する一方法においても使用できる。最終的には、欧州特許出願公開第1315781号(特許文献9)ならびに独国特許出願公開第10329994号(特許文献10)が、本発明による接着テープに対しても可能である、接着テープの実施形態を記載する。
【0097】
さらに好ましくは、PVCジャケットを有するケーブル上およびポリオレフィンジャケットを有するケーブル上に貼り付けた場合、この接着テープは、ケーブルと接着テープとからなる複合材を、LV 312に準拠して100℃超の温度において3000hまで保管してから、続いてケーブルを軸に巻いて曲げてもジャケットを有するケーブルを破壊しない。
【0098】
本発明による接着テープは、ケーブルのラッピングに抜群に適しており、容易な加工に向けて簡単に繰出し可能であり、フラッギングを示さないか、またはわずかなフラッギングしか示さず、3000hにわたる高い温度クラスT3およびT4においてもケーブルの脆化を示さない。
【0099】
以下では、複数の図を手がかりに、接着テープを詳細に説明するが、それによっていかなる制限も招く意図はない。