特許第6803435号(P6803435)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6803435
(24)【登録日】2020年12月2日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】成形体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B28B 7/44 20060101AFI20201214BHJP
   B29C 33/10 20060101ALI20201214BHJP
   B28B 1/24 20060101ALI20201214BHJP
   B22F 3/02 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   B28B7/44
   B29C33/10
   B28B1/24
   B22F3/02 L
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-159264(P2019-159264)
(22)【出願日】2019年9月2日
【審査請求日】2020年6月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】水木 一博
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 真司
(72)【発明者】
【氏名】大森 誠
【審査官】 谷本 怜美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/079729(WO,A1)
【文献】 実開平07−037608(JP,U)
【文献】 特開昭61−255805(JP,A)
【文献】 特開2006−82421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28B 7/00− 7/46
B29C 33/10
B28B 1/24
B22F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形空間と、前記成形空間上に配置され、前記成形空間に連なるベント空間とを内部に有する成形型を用いた成形体の製造方法であって、
前記成形空間に成形用原料を充填する充填工程を備え、
前記充填工程では、水平方向における前記成形空間の第1端部上に前記ベント空間の少なくとも一部が配置されるように前記成形型を側面視した場合において、前記成形空間の前記第1端部側に位置する前記成形用原料の液面の第1端前記成形空間の第2端部側に位置する前記液面の第2端とのうち前記第2端が前記成形空間の上辺に達するまで、前記第1端を前記第2端より低くする、
成形体の製造方法。
【請求項2】
前記充填工程において、前記液面の前記第2端が前記成形空間の上辺に達した後、前記成形空間に前記成形用原料が充填されるまで、前記液面の前記第1端を前記液面の前記第2端より低く保持する、
請求項に記載の成形体の製造方法。
【請求項3】
前記充填工程において、前記液面の前記第1及び前記第2端を結ぶ直線が水平方向に対して成す角は、前記成形空間の上辺が水平方向に対して成す角より大きい、
請求項1又は2に記載の成形体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、成形空間と、成形空間上に配置され、成形空間に連なるベント空間とを内部に有する成形型を用いた成形体の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。成形用原料は、成形空間に充填された後、ベント空間に流出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2009/044730号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、成形用原料を成形空間に充填する際、成形空間の上面と成形用原料との間に空気が取り残されやすい。そのため、成形空間からベント空間に空気をスムーズに排出可能な成形体の製造方法が望まれている。
【0005】
本発明の目的は、成形空間から空気をスムーズに排出可能な成形体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る成形体の製造方法では、成形空間と、成形空間上に配置され、成形空間に連なるベント空間とを内部に有する成形型が用いられる。本発明に係る成形体の製造方法は、成形空間に成形用原料を充填する充填工程を備える。充填工程では、水平方向における成形空間の第1端部上にベント空間の少なくとも一部が配置されるように成形型を側面視した場合において、成形用原料の液面のうち成形空間の第1端部側に位置する第1端を、液面のうち成形空間の第2端部側に位置する第2端より低くする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、成形空間から空気をスムーズに排出可能な成形体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る成形型の側面図である。
図2図1のA−A断面図である。
図3図1のB−B断面図である。
図4(A)】実施形態に係る成形体の製造方法を説明するための模式図である。
図4(B)】実施形態に係る成形体の製造方法を説明するための模式図である。
図4(C)】実施形態に係る成形体の製造方法を説明するための模式図である。
図5】実施形態の変形例1に係る成形型の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(成形型10の構成)
本実施形態に係る成形型10の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、成形型10の側面図である。図2は、図1のA−A断面図である。図3は、図1のB−B断面図である。
【0010】
成形型10は、例えば、金属(アルミニウム、アルミニウム合金、SUS鋼、ニッケル合金等など)によって構成される。成形型10は、内部に注入される液状又はゾル状の成形用原料を硬化(ゲル化)させて成形体を形成するために用いられる。成形型10は、例えば、鋳込み成形法の一種であるモールドキャスト法による成形体の形成に好適である。
【0011】
成形用原料は、流動性を有する自己硬化性のスラリーである。成形用原料は、所定の粉末、反応剤、ゲル化剤、溶媒、分散助剤、その他の添加剤(例えば、造孔剤など)を含む。
【0012】
所定の粉末は、成形体の基材である。所定の粉末としては、例えば、セラミック粉末、金属粉末、及びこれらの混合物が挙げられる。セラミック粉末としては、例えば、アルミナ粉末、ジルコニア粉末、窒化アルミニウム粉末、炭化珪素粉末などが挙げられるが、これに限定されない。金属粉末としては、白金粉末、タングステン粉末、モリブデン粉末などが挙げられるが、これに限定されない。所定の粉末の含有量は特に限られないが、例えば、20体積%以上60体積%以下とすることができる。
【0013】
反応剤は、ゲル化剤と反応して硬化反応(ゲル化反応)を引き起こす反応性官能基を含む。反応剤としては、多価アルコール(エチレングリコールのようなジオール類、グリセリンのようなトリオール類等)、多塩基酸(ジカルボン酸等)、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。反応剤の含有量は特に限られないが、例えば、0.05体積%以上5体積%以下とすることができる。
【0014】
ゲル化剤は、反応剤に含まれる反応性官能基と反応して硬化反応を引き起こす添加剤である。ゲル化剤としては、例えば、MDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート)、HDI(ヘキサメチレンジイソシアナート)、TDI(トリレンジイソシアナート)、IPDI(イソホロンジイソシアナート)などが挙げられる。ゲル化剤は、イソシアナート基(−N=C=O)及びイソチオシアナート基(−N=C=S)の少なくとも一方を有することが好ましい。これにより、ゲル化剤と反応剤との反応を促進することができる。ゲル化剤の含有量は特に限られないが、例えば、3体積%以上20体積%以下とすることができる。
【0015】
溶媒は、所定の粉末を分散させるための添加剤である。溶媒としては、多塩基酸エステル(グルタル酸ジメチル等)、多価アルコールの酸エステル(トリアセチン等)、脂肪族多価エステルなどの2以上のエステル基を有するエステル類などが挙げられる。溶媒の含有量は特に限られないが、例えば、30体積重量%以上70体積%以下とすることができる。
【0016】
分散助剤は、成形用原料の粘度を低減させるための添加剤である。分散助剤は、所望により添加される任意の添加剤である。分散助剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリカルボン酸系共重合体、重合体のリン酸エステル塩化合物、酸基を含む重合体のアルキルアンモニウム塩化合物、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。分散助剤の含有量は特に限られないが、例えば、0.5体積%以上10体積%以下とすることができる。
【0017】
触媒は、ゲル化剤と反応剤との反応を更に促進するための添加剤である。触媒は、所望により添加される任意の添加剤である。触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、ヘキサンジアミン、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノールなどが挙げられる。触媒の含有量は特に限られないが、例えば、0.01体積%以上3体積%以下とすることができる。
【0018】
このような成形用原料は、上記の各組成物を混合した時点から硬化し始めるため、例えば射出成形に用いられる熱可塑性樹脂とは異なり、急速に粘度が増大する。具体的には、成形用原料は、各組成物の混合から2分経過後の粘度をE1(せん断速度1sec−1)とし、各組成物の混合から12分経過後の粘度をE2(せん断速度1sec−1)としたとき、0.01Pa・sec≦E1≦3.0Pa・sec、2.0Pa・sec≦E2≦2000Pa・sec、E2/E1≧5.0の関係を満たすものである。
【0019】
図1に示すように、成形型10は、鉛直方向に沿って縦置きされた状態で使用される。図1乃至図3では、成形型10が一部材によって構成されているように描かれているが、成形型10は、複数の部材が連結されることによって構成されていてもよい。
【0020】
成形型10は、成形空間11と、ゲート空間12と、第1連通路13と、ベント空間14と、第2連通路15と、ランナー16とを内部に有する。
【0021】
成形空間11は、成形体を形成するための空間である。成形空間11は、いわゆるキャビティーである。成形空間11には、成形用原料が充填される。
【0022】
成形空間11は、ゲート空間12の上方に配置される。成形空間11とゲート空間12との間には、第1連通路13が配置される。成形空間11は、ベント空間14の下方に配置される。成形空間11とベント空間14との間には、第2連通路15が配置される。
【0023】
成形空間11は、成形体の外形に対応していればよく、その形状は特に限られない。図1に示すように、本実施形態では、成形空間11が、上辺11a、下辺11b、第1端辺11c及び第2端辺11dによって規定された略直方体状に形成されている。また、図2及び図3に示すように、本実施形態では、成形空間11の下端部が、第1連通路13に向かってテーパ状に形成され、成形空間11の上端部が、第2連通路15に向かってテーパ状に形成されている。
【0024】
なお、成形体に流路などの構造を設ける場合には、当該構造の形状に応じた物体(例えば、棒など)を成形空間11に配置してもよい。また、成形体に何らかの物体(例えば、導体、電子機器など)を埋設する場合には、当該物体を成形空間11に配置してもよい。
【0025】
ゲート空間12は、成形空間11の下方に配置される。ゲート空間12は、成形空間11に供給される成形用原料を貯留するための空間である。ゲート空間12の容積は、成形空間11の容積より小さくてもよい。ゲート空間12は、成形空間11に成形用原料をスムーズに供給できるように構成されていればよく、その形状は特に限られない。図1に示すように、本実施形態では、ゲート空間12が、成形空間11の下辺11bに沿って配置されている。また、図2及び図3に示すように、本実施形態では、ゲート空間12の上端部が、第1連通路13に向かってテーパ状に形成されている。
【0026】
第1連通路13は、成形空間11及びゲート空間12に連通する。第1連通路13は、ゲート空間12に充填された成形用原料を成形空間11に導くための流路である。第1連通路13は、図2及び図3に示すように、成形空間11及びゲート空間12よりも狭く形成されている。すなわち、第1連通路13は、成形空間11とゲート空間12との間を狭窄させている。これにより、ゲート空間12に成形用原料をスムーズに充填させることができるとともに、成形体の硬化後、成形空間11内で硬化した製品部とゲート空間12内で硬化した非製品部とを簡便に切除することができる。
【0027】
なお、水平方向における第1連通路13の幅、位置、及び数は、適宜変更可能である。また、第1連通路13は、水平方向において断続的に形成されていてもよい。
【0028】
ベント空間14は、成形空間11の上方に配置される。具体的には、ベント空間14は、水平方向における成形空間11の第1端部11S上に配置されている。第1端部11Sは、水平方向における成形空間11の第1端辺11cから水平方向に所定距離までの領域である。第1端部11Sは、水平方向における成形空間11の第2端部11Tの反対側に設けられる。第2端部11Tは、水平方向における成形空間11の第2端辺11dから水平方向に所定距離までの領域である。第1端部11S及び第2端部11Tのそれぞれを規定する所定距離は、例えば、水平方向における成形空間11の全幅の1/3程度に設定することができる。
【0029】
本実施形態では、水平方向において、ベント空間14の幅が第1端部11Sの幅より狭いが、ベント空間14の幅は、第1端部11Sの幅と同じであってもよいし、第1端部11Sの幅より広くてもよい。ベント空間14は、その少なくとも一部が第1端部11S上に配置されていればよい。
【0030】
ベント空間14は、成形空間11に供給された過充填分の成形用原料を貯留するための空間である。ベント空間14の容積は、成形空間11の容積より小さくてもよい。図1に示すように、ベント空間14は、成形型10の上面に形成された排出口14aに繋がる。ベント空間14における過貯留分の成形用原料は、排出口14aから外部に排出される。ベント空間14の形状は特に限られない。図1に示すように、本実施形態では、ベント空間14が、成形空間11の上辺11aに沿って配置されている。また、図3に示すように、本実施形態では、ベント空間14の下端部が、第2連通路15に向かってテーパ状に形成されている。
【0031】
なお、本実施形態では、第1端部11S上にベント空間14が1つだけ配置されているが、ベント空間14の数及び位置は適宜変更可能である。従って、ベント空間14は複数設けられていてもよく、この場合、少なくとも1つのベント空間14が第1端部11S上に配置されていればよい。
【0032】
第2連通路15は、成形空間11及びベント空間14に連通する。第2連通路15は、成形空間11に充填された成形用原料をベント空間14に導くための流路である。第2連通路15は、図3に示すように、成形空間11及びベント空間14よりも狭く形成されている。すなわち、第2連通路15は、成形空間11とベント空間14との間を狭窄させている。これにより、成形用原料を成形空間11に確実に充填させることができるとともに、成形体の硬化後、成形空間11内で硬化した製品部とベント空間14内で硬化した非製品部とを簡便に切除することができる。
【0033】
ランナー16は、ゲート空間12と成形型10の上面に形成された注入口16aとに連通する。ランナー16は、成形型10の外部から供給される成形用原料をゲート空間12に導くための流路である。成形用原料は、注入口16aからランナー16内に供給される。
【0034】
(成形体の製造方法)
次に、図面を参照しながら、成形体の製造方法について説明する。図4(A)〜図4(C)は、成形体の製造方法を説明するための模式図である。
【0035】
1.ゲート空間充填工程
まず、図4(A)に示すように、ゲート空間12に成形用原料を充填する。具体的には、成形型10の外部からランナー16を介してゲート空間12に成形用原料を供給することによって、ゲート空間12に成形用原料を充填する。この際、成形空間11とゲート空間12との間が第1連通路13によって狭窄されているため、ゲート空間12に成形用原料が充填される前にゲート空間12から成形空間11に成形用原料が流入してしまうことを抑制できる。
【0036】
2.成形空間充填工程(本発明に係る充填工程)
ゲート空間充填工程に続いて、成形空間11に成形用原料を充填する。具体的には、第1連通路13から成形空間11に成形用原料が流入した後、成形用原料が第2連通路15に達するまで、ゲート空間12への成形用原料の供給を継続する。
【0037】
ここで、成形空間充填工程では、水平方向における成形空間11の第1端部11S上にベント空間14が配置されるように成形型10を側面視した場合において、成形用原料の液面のうち成形空間11の第1端部11S側に位置する第1端P1を、液面のうち成形空間11の第2端部11T側に位置する第2端P2より低くする。
【0038】
具体的には、図4(B)に示すように、液面の第2端P2が成形空間11の上辺11bに達するまで、液面の第1端P1を第2端P2より低く保持することが好ましい。これによって、成形空間11内の空気を、成形空間11からベント空間14にスムーズに排出することができる。
【0039】
なお、図4(B)に示すように、液面の第2端P2が成形空間11の上辺11bに達するまでの間、液面の第1端P1は、成形空間11の第1端辺11cに沿って上方に移動し、液面の第2端P2は、成形空間11の第2端辺11dに沿って上方に移動する。この際、液面の第1端P1及び第2端P2を結ぶ直線L1が水平方向に対して成す角θ1は、成形空間11の上辺11bが水平方向に対して成す角(本実施形態では、略“0”)より大きいことが好ましい。これによって、成形空間11内の空気をよりスムーズに排出することができる。
【0040】
角θ1の値は特に限られないが、0.6°以上18°以下が好ましい。角θ1を0.6°以上とすることによって、成形空間11からベント空間14への空気の流れを作ることができる。角θ1を18°以下とすることによって、液面を安定させて気泡の巻き込みを抑制することができる。
【0041】
また、図4(C)に示すように、液面の第2端P2が成形空間11の上辺11bに達した後、成形空間11に成形用原料が充填されるまで、液面の第1端P1を第2端P2より低く保持することが好ましい。これによって、成形空間11内の空気を、成形空間11からベント空間14にスムーズに排出することができる。本明細書において、「成形用原料が充填される」とは、液面の第1端P1が成形空間11の第1端辺11cから離れることを意味する。
【0042】
なお、図4(C)に示すように、液面の第2端P2が成形空間11の上辺11bに達した後、成形空間11に成形用原料が充填されるまでの間、液面の第1端P1は、成形空間11の第1端辺11cに沿って上方に移動し、液面の第2端P2は、成形空間11の上辺11bに沿って第1端部11S側に向かって移動する。この際、液面の第1端P1及び第2端P2を結ぶ直線L2が水平方向に対して成す角θ2は、成形空間11の上辺11bが水平方向に対して成す角(本実施形態では、略“0”)より大きいことが好ましい。これによって、成形空間11内の空気をよりスムーズに排出することができる。
【0043】
角θ2の値は特に限られないが、0.3°以上12°以下が好ましい。角θ2を0.3°以上とすることによって、成形用原料の液面が揺れても、成形用原料に空気が混入することを抑制できる。角θ2を12°以下とすることによって、液面を安定させて気泡の巻き込みを抑制することができる。
【0044】
以上のように、成形空間充填工程において液面の第1端P1を第2端P2より低くする手法は特に制限されないが、例えば、単位時間当たりにおける成形用原料の供給量を大きくする手法、或いは、第1連通路13の幅W(図3参照)を広くする手法を用いることができる。
【0045】
3.流出工程
成形空間充填工程に続いて、成形空間11からベント空間14に成形用原料を流出させる。具体的には、成形空間11に成形用原料が充填された後、第2連通路15からベント空間14に成形用原料から流出するまで、ゲート空間12への成形用原料の供給を継続する。
【0046】
4.硬化工程
次に、一定時間(例えば、0.1〜24時間)放置して、成形用原料を硬化(ゲル化)させることによって成形体を形成する。その後、成形型10を適宜分解して成形体を取り出す。
【0047】
(実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0048】
[変形例1]
上記実施形態では、水平方向において、ベント空間14の幅は、第1端部11Sの幅より狭いこととしたが、第1端部11Sの幅より広くてもよい。例えば、図5に示すように、ベント空間14及び第2連通路15が、成形空間11の上辺11bに沿って、成形空間11の略全幅にわたって配置されていてもよい。図5に示す構成であっても、成形空間充填工程において、成形用原料の液面の第1端P1を第2端P2より低くすることによって、ベント空間14のうち成形空間11の第1端部11S上の領域を利用して、成形空間11から空気をスムーズに排出することができる。
【0049】
[変形例2]
上記実施形態において、成形型10は、成形空間11と、ゲート空間12と、第1連通路13と、ベント空間14と、第2連通路15と、ランナー16とを内部に有することとしたが、少なくとも成形空間11及びベント空間14を有していればよい。従って、成形型10は、ゲート空間12、第1連通路13、第2連通路15及びランナー16のうち少なくとも1つを有していなくてよい。
【符号の説明】
【0050】
10 成形型
11 成形空間
11S 第1端部
11T 第2端部
11a 下辺
11b 上辺
11c 第1端辺
11d 第2端辺
12 ゲート空間
13 第1連通路
14 ベント空間
14a 排出口
15 第2連通路
16 ランナー
16a 注入口
P1 液面の第1端
P2 液面の第2端
【要約】
【課題】成形空間から空気をスムーズに排出可能な成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】成形体の製造方法は、成形空間11に成形用原料を充填する充填工程を備える。成形空間充填工程では、水平方向における成形空間11の第1端部11S上にベント空間14が配置されるように成形型10を側面視した場合において、成形用原料の液面のうち成形空間11の第1端部11S側に位置する第1端P1を、液面のうち成形空間11の第2端部11T側に位置する第2端P2より低くする。
【選択図】図4(B)
図1
図2
図3
図4(A)】
図4(B)】
図4(C)】
図5