(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6803441
(24)【登録日】2020年12月2日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】デュアルオープン式暗証番号錠
(51)【国際特許分類】
E05B 37/02 20060101AFI20201214BHJP
【FI】
E05B37/02 Z
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-188718(P2019-188718)
(22)【出願日】2019年10月15日
【審査請求日】2019年10月15日
(31)【優先権主張番号】201910843823.3
(32)【優先日】2019年9月6日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519370740
【氏名又は名称】徐 正
【氏名又は名称原語表記】Zheng Xu
(73)【特許権者】
【識別番号】519370751
【氏名又は名称】李 柏
【氏名又は名称原語表記】Bo Li
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】李 柏
(72)【発明者】
【氏名】鍾 洪亮
(72)【発明者】
【氏名】薛 鶴飛
(72)【発明者】
【氏名】徐 雨莎
(72)【発明者】
【氏名】徐 文韜
【審査官】
藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−138720(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3095264(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0102475(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 − 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュアルオープン式暗証番号錠であって、錠筐体、ダイヤルモジュール、駆動モジュール及び物件を施錠するためのデッドボルトを含み、前記デッドボルト、前記駆動モジュール及び前記ダイヤルモジュールは錠筐体に取り付けられ、前記デッドボルトは前記駆動モジュールに制御され、前記駆動モジュールは前記ダイヤルモジュールに制御されて錠を開閉し、
前記ダイヤルモジュールはブラケット、センターロッド及び2つ以上のダイヤルを含み、各前記ダイヤルにはインナースリーブが貫設されており、且つ前記ダイヤルは対応する前記インナースリーブと共に回転し、前記インナースリーブには前記センターロッドが通されており、前記ブラケットの底部には弾性部材が設けられており、前記ダイヤルに正確な暗証番号を入力すると、前記弾性部材が前記ブラケットを押し上げて前記駆動モジュールに対する制限を解除し、
前記ブラケットの頂部には係合突起が設けられており、前記ダイヤルには第1位置合わせ溝が設けられており、前記係合突起が前記第1位置合わせ溝の位置と合って嵌入されると第1コレクト暗証番号が形成され、
前記インナースリーブには第2位置合わせ溝が設けられており、前記デュアルオープン式暗証番号錠はさらに暗証番号切替ボタンを含み、前記暗証番号切替ボタンを操作すると前記ブラケットの前記係合突起が連動して前記インナースリーブと位置を合わせることができ、前記係合突起が前記第2位置合わせ溝の位置と合って嵌入されると第2コレクト暗証番号が形成されることを特徴とする、デュアルオープン式暗証番号錠。
【請求項2】
前記デュアルオープン式暗証番号錠には識別子が設けられており、モバイル端末が前記識別子の情報を読み取ってプロセッサに送信し、前記プロセッサが受信した情報に基づいて前記第2コレクト暗証番号を前記モバイル端末に送信することを特徴とする、請求項1に記載のデュアルオープン式暗証番号錠。
【請求項3】
前記暗証番号切替ボタンには傾斜した押進用当接部が設けられており、前記ブラケットには傾斜した受力部が設けられており、前記押進用当接部が前記受力部に当接することで前記ブラケットを連動して横方向に移動させることを特徴とする、請求項1に記載のデュアルオープン式暗証番号錠。
【請求項4】
前記弾性部材は昇降ブロック及び支持バネを含み、前記昇降ブロックは前記ブラケットを押さえており、前記支持バネは前記昇降ブロックを押し上げており、前記昇降ブロックには前記駆動モジュールを押さえるためのリミット部が設けられており、前記ダイヤルに正確な暗証番号を入力すると、前記支持バネが前記昇降ブロックを押動して前記ブラケットが上方向に移動し、前記リミット部と前記駆動モジュールがずれることで解錠させることを特徴とする、請求項1に記載のデュアルオープン式暗証番号錠。
【請求項5】
前記ブラケットの片側には前記錠筐体にヒンジ接続された回転軸が設けられており、前記昇降ブロックは前記ブラケットのもう一方の側を押さえており、前記回転軸には前記ブラケットに横方向の復元力を加える戻しバネが環装されていることを特徴とする、請求項4に記載のデュアルオープン式暗証番号錠。
【請求項6】
前記駆動モジュールは駆動板及び開錠ボタンを含み、前記駆動板の一端は前記デッドボルトを押さえており、もう一端は前記昇降ブロックからの制限を受けることができ、前記ダイヤルに正確な暗証番号を入力すると、前記開錠ボタンが前記駆動板を連動して移動することができ、それによって開錠され、前記駆動モジュールはさらに、前記駆動板に対して前記デッドボルトの方向に付勢力を加えるための戻しバネを含むことを特徴とする、請求項4に記載のデュアルオープン式暗証番号錠。
【請求項7】
前記デュアルオープン式暗証番号錠はさらにガイドストッパー及び位置規制用バネを含み、前記ストッパーと前記昇降ブロックとの間は斜面により係合しており、前記ガイドストッパーは前記位置規制用バネによって前記昇降ブロックに弾性的に当接していることを特徴とする、請求項6に記載のデュアルオープン式暗証番号錠。
【請求項8】
前記デュアルオープン式暗証番号錠はさらに前記錠筐体に固定された固定成形体を含み、前記ブラケットは前記固定成形体に取り付けられ、前記駆動板は一定方向で前記固定成形体に通されており、前記昇降ブロックは前記固定成形体中に嵌め込まれていることを特徴とする、請求項6に記載のデュアルオープン式暗証番号錠。
【請求項9】
前記錠筐体は共に内部空洞を形成する錠底板及び筐体本体を含み、前記錠底板と前記筐体本体との間はねじで固定接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のデュアルオープン式暗証番号錠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は施錠具の技術分野に関し、具体的にはデュアルオープン式暗証番号錠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
暗証番号錠には一般的にダイヤルモジュールが設けられており、ユーザーがダイヤルモジュールのダイヤルを正確な暗証番号の位置まで回転させると暗証番号錠が解錠される。暗証番号錠は、鍵の携帯を不要とし、且つ開錠番号はいつでも変更可能であり、非常に便利で秘密保持性が高く、安全性に優れている。従来の暗証番号錠のダイヤルモジュールでは、暗証番号を再設定していない場合、1組の暗証番号でしか開錠できず、その暗証番号を忘れると開錠できなくなり、鍵全体の使用ができなくなることさえある。また従来の暗証番号錠は、施錠対象物件を二人の管理者が単独で管理する場合など、特殊な状況における使用条件に応えることができない。つまり、1つの錠を二人が共同で単独に使用しており、そのうちの一人が暗証番号を再設定した場合、もう一人は新しい暗証番号を知らなければ開錠することができない。また市場では、ダイヤルモジュールとキーシリンダーの開錠機能を同時に有する錠も存在するが、キーシリンダーは安全性が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、以上のような従来技術に存在する技術的課題に鑑み、2組の暗証番号の各々が1つのダイヤルモジュールを通して単独に開錠することができる、デュアルオープン式暗証番号錠を提供することを目的としている。
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術案を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
デュアルオープン式暗証番号錠であって、錠筐体、ダイヤルモジュール、駆動モジュール及び物件を施錠するためのデッドボルトを含み、デッドボルト、駆動モジュール及びダイヤルモジュールは錠筐体に取り付けられ、デッドボルトは駆動モジュールに制御され、駆動モジュールはダイヤルモジュールに制御されて錠を開閉する。ダイヤルモジュールはブラケット、センターロッド及び2つ以上のダイヤルを含み、各ダイヤルにはインナースリーブが貫設されており、且つダイヤルは対応するインナースリーブと共に回転し、インナースリーブにはセンターロッドが通されており、ブラケットの底部には弾性部材が設けられており、ダイヤルに正確な暗証番号を入力すると、弾性部材がブラケットを押し上げて駆動モジュールに対する制限を解除する。ブラケットの頂部には係合突起が設けられており、ダイヤルには第1位置合わせ溝が設けられており、係合突起が第1位置合わせ溝の位置と合って嵌入されると第1コレクト暗証番号が形成され、インナースリーブには第2位置合わせ溝が設けられており、デュアルオープン式暗証番号錠はさらに暗証番号切替ボタンを含み、暗証番号切替ボタンを操作するとブラケットの係合突起が連動してインナースリーブと位置を合わせることができ、係合突起が第2位置合わせ溝の位置と合って嵌入されると第2コレクト暗証番号が形成される。
【0006】
本発明のデュアルオープン式暗証番号錠のさらなる改善点として、デュアルオープン式暗証番号錠には識別子が設けられており、モバイル端末が識別子の情報を読み取ってプロセッサに送信し、プロセッサが受信した情報に基づいて第2コレクト暗証番号をモバイル端末に送信する。
【0007】
本発明のデュアルオープン式暗証番号錠のさらなる改善点として、暗証番号切替ボタンには傾斜した押進用当接部が設けられており、ブラケットには傾斜した受力部が設けられており、押進用当接部が受力部に当接することでブラケットを連動して横方向に移動させる。
【0008】
本発明のデュアルオープン式暗証番号錠のさらなる改善点として、弾性部材は昇降ブロック及び支持バネを含んでいる。昇降ブロックはブラケットを押さえており、支持バネは昇降ブロックを押し上げて、昇降ブロックには駆動モジュールを押さえるためのリミット部が設けられている。ダイヤルが正確な暗証番号を入力すると、支持バネが昇降ブロックを押動してブラケットが上方向に移動し、リミット部と駆動モジュールがずれることで解錠させる。
【0009】
本発明のデュアルオープン式暗証番号錠のさらなる改善点として、ブラケットの片側には錠筐体にヒンジ接続された回転軸が設けられており、昇降ブロックはブラケットのもう一方の側を押さえて、回転軸にはブラケットに横方向の復元力を加える戻しバネが環装されている。
【0010】
本発明のデュアルオープン式暗証番号錠のさらなる改善点として、駆動モジュールは駆動板及び開錠ボタンを含み、駆動板の一端はデッドボルトを押さえており、もう一端は昇降ブロックからの制限を受けることができる。ダイヤルが正確な暗証番号を入力すると、開錠ボタンが駆動板を連動して移動することができ、それによって開錠され、駆動モジュールはさらに、駆動板に対してデッドボルトの方向に付勢力を加えるための戻しバネを含む。
【0011】
本発明のデュアルオープン式暗証番号錠のさらなる改善点として、デュアルオープン式暗証番号錠はさらにガイドストッパー及び位置規制用バネを含み、ストッパーと昇降ブロックとの間は斜面により係合しており、ガイドストッパーは位置規制用バネによって昇降ブロックに弾性的に当接している。
【0012】
本発明のデュアルオープン式暗証番号錠のさらなる改善点として、デュアルオープン式暗証番号錠はさらに錠筐体に固定された固定成形体を含み、ブラケットは固定成形体に取り付けられ、駆動板は一定方向で固定成形体に通されており、昇降ブロックは固定成形体中に嵌め込まれている。
【0013】
本発明のデュアルオープン式暗証番号錠のさらなる改善として、錠筐体は共に内部空洞を形成する錠底板及び筐体本体を含み、錠底板と筐体本体との間はねじで固定接続されている。
【発明の効果】
【0014】
従来技術と比較した場合、本発明のデュアルオープン式暗証番号錠は、ブラケットの頂部に係合突起を設けており、ダイヤルに第1位置合わせ溝を設けており、インナースリーブに第2位置合わせ溝を設けており、係合突起が第1位置合わせ溝の位置と合って嵌入されると第1コレクト暗証番号が形成され、係合突起が第2位置合わせ溝の位置と合って嵌入されると第2コレクト暗証番号が形成され、暗証番号切替ボタンを操作すればブラケットの係合突起が連動し、インナースリーブの位置に合わせるか又はダイヤルの位置に合わせることができる。実際の使用においては、第1コレクト暗証番号及び第2コレクト暗証番号は単独で使用することができ、暗証番号切替ボタンを操作してブラケットを対応する位置まで連動させて、ダイヤルに対応する正確な暗証番号を入力すると、弾性部材がブラケットを押し上げて駆動モジュールに対する制限を解除することで解錠され、2組の暗証番号の各々が1つのダイヤルモジュールを通して単独に開錠するという条件を適えることができるので、適応範囲がより広くなる。
【0015】
また、そのうちの第1コレクト暗証番号は通常の使用者が設定して使用する常用暗証番号のようなものとする。第2コレクト暗証番号は固定番号であり、指定の人員がモバイル端末で走査して錠本体の固有識別子を取得することで開錠の目的が達成され、遠隔保守や遠隔開錠の目的を実現し、指定の人員が開錠した時にバックグラウンド管理の機能を果たすことができ、従来のキーシリンダーに暗証番号を追加した組み合わせにおける、キーシリンダーの安全性が低いという欠点が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】実施例における暗証番号錠の筐体本体を見えなくした後の立体図である。
【
図3】
図2の固定成形体を見えなくした後の立体図である。
【
図4】実施例における1つのダイヤルに1つのインナースリーブを嵌め込んだ立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施例及び図に基づいて詳しく説明する。
【0018】
図1〜
図5に示す通り、本実施例のデュアルオープン式暗証番号錠は、錠筐体1、ダイヤルモジュール2、駆動モジュール4及び物件を施錠するための2つのデッドボルト5を含み、錠筐体1は共に内部空洞を形成する錠底板11及び筐体本体12を含み、錠底板11と筐体本体12との間はねじで固定接続され、デッドボルト5、駆動モジュール4及びダイヤルモジュール2は錠筐体1に取り付けられ、デッドボルト5は駆動モジュール4に制御され、駆動モジュール4はダイヤルモジュール2に制御されて錠を開閉する。具体的には、ダイヤルモジュール2はブラケット21、センターロッド23及び3つのダイヤル24を含み、ダイヤル24の一部分は錠筐体1から外部に露出しており、使用者が操作して正確な暗証番号を入力する。各ダイヤル24にはインナースリーブ25が貫設されており、且つダイヤル24は対応するインナースリーブ25と共に回転し、センターロッド23はインナースリーブ25に可動的に通されており、センターロッド23は3つのインナースリーブ25を繋げるためのみに用いられ、錠の開閉機能は果たさない。ブラケット21の片側には錠筐体1にヒンジ接続された回転軸211が設けられており、回転軸211にはブラケット21に横方向の復元力を加える戻しバネ22が環装されている。ブラケット21のもう一方の側の底部には弾性部材3が設けられており、ダイヤル24に正確な暗証番号を入力すると、弾性部材3がブラケット21を押し上げて駆動モジュール4に対する制限を解除する。ブラケット21には4本の横梁212が設けられており、各横梁212の頂部にはV字形の係合突起213が設けられており、ダイヤル24の側部には環状突起241が設けられており、環状突起241の外側にはV字形の第1位置合わせ溝2411が設けられており、係合突起213が第1位置合わせ溝2411の位置と合って嵌入されると第1コレクト暗証番号が形成される。インナースリーブ25にはV字形の第2位置合わせ溝251が設けられており、デュアルオープン式暗証番号錠はさらに暗証番号切替ボタン6を含み、暗証番号切替ボタン6を操作するとブラケット21の係合突起213が連動してインナースリーブ25の位置に合わせることができ、係合突起213が第2位置合わせ溝251の位置と合って嵌入されると第2コレクト暗証番号が形成される。
【0019】
実際の使用においては、第1コレクト暗証番号及び第2コレクト暗証番号は単独で使用することができ、第1コレクト暗証番号を用いて開錠したい場合には、暗証番号切替ボタン6を操作してブラケット21の係合突起213を連動させてダイヤル24の環状突起241の位置に合わせてから、ダイヤル24を第1コレクト暗証番号まで回転させ、ブラケット21の係合突起213を第1位置合わせ溝2411の位置と合わせて嵌入させると、ブラケット21が上方向に移動し、弾性部材3を上の空いたスペースに移動させて駆動モジュール4に対する制限を解除することで解錠される。第2コレクト暗証番号を用いて開錠したい場合には、暗証番号切替ボタン6を操作してブラケット21の係合突起213を連動させてインナースリーブ25の位置に合わせてから、ダイヤル24を第2コレクト暗証番号まで回転させて、ブラケット21の係合突起213をインナースリーブ25の第2位置合わせ溝251の位置と合わせて嵌入させると、同様の原理で弾性部材3がブラケット21を押し上げて駆動モジュール4に対する制限を解除し、デッドボルト5及び駆動モジュール4が右方向に移動して解錠することができる。要約すると、本実施例の暗証番号錠は、2組の正確な暗証番号の各々が1つのダイヤルモジュール2を通して単独に開錠するという条件を適えることができるので、適応範囲がより広くなり、例えば施錠対象物件を二人の管理者が単独で管理しており、1つの錠を二人が共同で単独に使用している場合、二人の管理者は単独で暗証番号を設定して管理することができる。
【0020】
具体的には、暗証番号切替ボタン6には二次元コードが設けられており、その二次元コードを走査した場合のみ第2コレクト暗証番号を取得することができる。使用者が第1コレクト暗証番号を忘れた場合には、二次元コードを走査することでプロセッサから第2コレクト暗証番号を取得することができる。又は、税関を通る場合などの特殊な環境においては、二次元コードを走査して暗証番号を取得することで開錠することもでき、管理面で都合が良い。実際、二次元コードはバーコード又は電子タグなどの他の識別子に変更することもでき、モバイル端末が識別子の情報を読み取ってプロセッサに送信し、プロセッサが受信した情報に基づいて第2コレクト暗証番号をモバイル端末に送信する。そのうち、第1コレクト暗証番号は通常の使用者のために設定して使用する常用暗証番号のようなものとする。第2コレクト暗証番号は固定番号であり、指定の人員がモバイル端末で走査して錠本体の固有識別子を取得することで開錠の目的が達成され、遠隔保守や遠隔開錠の目的を実現し、指定の人員が開錠した時にバックグラウンド管理の機能を果たすことができ、従来のキーシリンダーに暗証番号を追加した組み合わせにおける、キーシリンダーの安全性が低いという欠点が解決される。
【0021】
具体的には、暗証番号切替ボタン6には傾斜したV字形の押進用当接部61が設けられており、ブラケット21には傾斜したV字形の受力部214が設けられており、押進用当接部61は受力部214に当接している。暗証番号切替ボタン6を操作してブラケット21が連動し、左方向に横移動したとき、ブラケット21がダイヤル24か又はインナースリーブ25から横方向に押さえられている場合には、暗証番号切替ボタン6が引き続きブラケット21の受力部214へ左向きに加力して、ブラケット21が下向きに移動するよう付勢する。これにより、ブラケット21が横方向に動かなくなるのを防ぎ、暗証番号の切り換えがスムーズに行えるように確保することができる。
【0022】
具体的には、弾性部材3は昇降ブロック31及び支持バネ32を含み、昇降ブロック31はブラケット21の片側の底部を押さえており、支持バネ32は昇降ブロック31を押し上げており、昇降ブロック31には駆動モジュール4を押さえるためのリミット部311が設けられており、ダイヤル24に正確な暗証番号を入力すると、支持バネ32が昇降ブロック31を押動してブラケット21が上方向に移動し、リミット部311と駆動モジュール4がずれることで解錠させる。
【0023】
具体的には、駆動モジュール4は駆動板41及び開錠ボタン42を含み、駆動板41の一端はデッドボルト5を押さえており、もう一端は昇降ブロック31からの制限を受けることができ、ダイヤル24に正確な暗証番号を入力すると、開錠ボタン42が駆動板41を連動して移動することができ、それによって開錠され、駆動モジュール4はさらに、駆動板41に対してデッドボルト5の方向に付勢力を加えるための戻しバネ43を含み、開錠ボタン42を離すとデッドボルト5を復帰させることができる。
【0024】
具体的には、暗証番号錠はさらにガイドストッパー8及び位置規制用バネ9を含み、ストッパーと昇降ブロック31との間は斜面により係合しており、ガイドストッパー8は位置規制用バネ9によって昇降ブロック31に弾性的に当接しており、その作用は、昇降ブロック31が上下にだけ移動することができ、横方向には移動できないように補助するものである。
【0025】
具体的には、デュアルオープン式暗証番号錠はさらに錠筐体1に固定された固定成形体7を含み、ブラケットは固定成形体7に取り付けられ、駆動板41は一定方向で固定成形体7に通されており、昇降ブロック31は固定成形体7中に嵌め込まれており、組み立て易く、構造がよりコンパクトになる。
【0026】
なお、以上の実施例は本発明の技術案を説明したものに過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。好ましい実施例を参照して本発明の詳細な説明を行ったとしても、当業者であれば、本発明の技術案の本質及び範囲から逸脱することなく、本発明の技術案に対する修正を行うか、又は均等物による置換を行うことができる。
【符号の説明】
【0027】
1 錠筐体
11 錠底板
12 筐体本体
2 ダイヤルモジュール
21 ブラケット
211 回転軸
212 横梁
213 係合突起
214 受力部
22 戻しバネ
23 センターロッド
24 ダイヤル
241 環状突起
2411 第1位置合わせ溝
25 インナースリーブ
251 第2位置合わせ溝
3 弾性部材
31 昇降ブロック
311 リミット部
32 支持バネ
4 駆動モジュール
41 駆動板
42 開錠ボタン
43 戻しバネ
5 デッドボルト
6 暗証番号切替ボタン
61 押進用当接部
7 固定成形体
8 ガイドストッパー
9 位置規制用バネ
【要約】 (修正有)
【課題】2組の暗証番号の各々が1つのダイヤルモジュールを通して単独に開錠可能なデュアルオープン式暗証番号錠を提供する。
【解決手段】錠筐体、ダイヤルモジュール、駆動モジュール及びデッドボルト5からなり、ダイヤル24を操作して第1コレクト暗証番号を入力すると、ブラケット21の係合突起をダイヤル24の側部の環状突起の第1位置合わせ溝位置に合わせることができ、弾性部材がブラケット21を押し上げ、駆動モジュールに対する制限を解除して解錠する。また、暗証番号切替ボタン6を操作するとブラケット21の係合突起をインナースリーブ25の位置に合わせることができ、第2コレクト暗証番号を入力すると、前記係合突起がインナースリーブ25の第2位置合わせ溝の位置と合って嵌入され、弾性部材がブラケット21を押し上げ、駆動モジュールに対する制限を解除して解錠する。
【選択図】
図2