特許第6803450号(P6803450)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6803450
(24)【登録日】2020年12月2日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】発光表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20201214BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20201214BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20201214BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20201214BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   G09G3/3233
   H05B33/14 A
   H05B33/14 Z
   H05B33/12 B
   G09G3/20 611H
   G09G3/20 623C
   G09G3/20 670Q
   G09G3/20 621F
【請求項の数】13
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-224151(P2019-224151)
(22)【出願日】2019年12月12日
(65)【公開番号】特開2020-109502(P2020-109502A)
(43)【公開日】2020年7月16日
【審査請求日】2019年12月12日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0172030
(32)【優先日】2018年12月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】沈 柱 成
(72)【発明者】
【氏名】洪 茂 慶
【審査官】 斎藤 厚志
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2017−0136112(KR,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0345368(US,A1)
【文献】 特開2010−79255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/3233
G09G 3/20
H01L 51/50
H05B 33/12
H05B 33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光装置と前記発光装置を駆動する駆動トランジスタを含むピクセルを具備している発光表示パネル;
1フレーム期間で、第nピクセルを介して一般画像が表示された後に前記第nピクセルを介して表示されるブラック画像に対応するブラック画像データを前記発光表示パネルの特性値に基づいて設定する制御部;
前記発光表示パネルに対して生成された前記特性値を保存する保存部;
前記制御部から伝送されるブラック画像データをブラック画像データ電圧に変換して前記発光表示パネルに備えられたデータラインに出力するデータドライバ;および
前記制御部の制御に基づいて、前記発光表示パネルに備えられたゲートラインにゲート信号を出力するゲートドライバを含み、
前記特性値が、前記発光表示パネルに備えられたすべてのピクセルのうちの少なくとも一つのピクセルに備えられた駆動トランジスタの閾値電圧の変化量であり、
前記制御部は、前記閾値電圧の変化量を用いて前記第nピクセルに対応する前記ブラック画像データを生成する発光表示装置。
【請求項2】
前記第nピクセルに適用される前記閾値電圧の変化量が、第nピクセルに備えられた駆動トランジスタの閾値電圧の変化量である請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項3】
前記閾値電圧の変化量が、外部システムから装置オフ信号を受信した後に作成され、前記保存部に保存される請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項4】
前記保存部には、前記発光表示パネルの製造時、前記少なくとも一つのピクセルに対して測定された開始閾値電圧および装置オフ信号を受信した後、前記少なくとも一つのピクセルに対して測定された閾値電圧が保存され、
前記制御部は、前記開始閾値電圧および前記閾値電圧を用いて前記閾値電圧の変化量を算出する請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項5】
前記第nピクセルに対応するブラック画像データにより前記データドライバで生成されるブラック画像データ電圧が、前記発光表示パネルに備えられたピクセルのすべてに適用される基準ブラック画像データ電圧よりも、前記ピクセルの閾値電圧の変化量だけ変化した電圧である請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項6】
前記発光表示パネルに備えられたすべてのピクセルに対応するブラック画像データが、同一ではない請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項7】
前記第nピクセルに適用される前記閾値電圧の変化量が、前記発光表示パネルに備えられたすべての駆動トランジスタのうちの少なくとも二つの閾値電圧の変化量の平均である請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項8】
前記制御部が、
前記の平均を用いて、前記発光表示パネルに備えられたすべてのピクセルに対応する前記ブラック画像データを生成する請求項7に記載の発光表示装置。
【請求項9】
前記発光表示パネルに備えられたすべてのピクセルに対応するブラック画像データが、互いに同じ請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項10】
発光素子と前記発光素子を駆動する駆動トランジスタを含むピクセルを具備している発光表示パネル;
1フレーム期間で、第nピクセルを介して一般画像が出力された後に前記第nピクセルを介して出力されるブラック画像に対応するブラック画像データを発光表示パネルの特性値を考慮して設定する制御部;
前記発光表示パネルに対して生成された前記特性値を保存する保存部;
前記制御部から伝送されるブラック画像データをブラック画像データ電圧に変換して前記発光表示パネルに備えられたデータラインに出力するデータドライバ;および
前記制御部の制御によって、前記発光表示パネルに備えられたゲートラインにゲート信号を出力するゲートドライバを含み、
前記特性値が、前記ブラック画像データが出力される1フレーム期間に前記発光表示パネルのすべてのピクセルに出力される一般画像データ電圧のうちの最小値であり、
前記制御部は、前記最小値を用いて前記ブラック画像データを生成する発光表示装置。
【請求項11】
前記第nピクセルに対応するブラック画像データにより前記データドライバで生成されるブラック画像データ電圧が、前記発光表示パネルに備えられたピクセルのすべてに適用される基準ブラック画像データ電圧よりも大きく、前記最小値よりも小さい請求項10に記載の発光表示装置。
【請求項12】
前記第nピクセルに対応するブラック画像データにより前記データドライバで生成されるブラック画像データ電圧が、基準黒画像データ電圧よりも大きく、既設定された最高ブラック画像データ電圧より小さい請求項10に記載の発光表示装置。
【請求項13】
前記最小値が、前記最高ブラック画像データ電圧よりも大きければ、前記ブラック画像データ電圧は、前記最高ブラック画像データ電圧になる請求項12に記載の発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画応答時間(MPRT:Motion Picture Response Time)を改善するために、1フレーム期間で、画像を出力した後、ブラック画像を出力するブラック画像方式を用いる発光表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示(LCD: Liquid Crystal Display)装置だけでなく、発光ダイオードのような発光装置を用いる発光表示装置でも、動画応答時間(MPRT:Motion Picture Response Time)の遅延により、画像が鮮明に表示されないという問題が発生している。
【0003】
この問題を解決するために、1フレーム期間で画像を出力した後にブラック画像を出力するブラック画像方式が利用されている。
【0004】
しかし、従来の発光表示装置では、ブラック画像に対応する同一なブラック画像データ電圧がすべてのピクセルに供給されている。
【0005】
この場合、各ピクセルに含まれる駆動トランジスタの劣化の程度が異なるため、同一なブラック画像データ電圧がすべてのピクセルに供給されても、すべてのピクセルにおいて同一なブラック画像が出力されない。これにより、発光表示パネルの一部分でかすみ画像が発生し得る。
【0006】
また、データラインにブラック画像データ電圧が供給されると、各ピクセルにおけるデータラインと平行に配置されている基準電圧ラインを介して供給される基準電圧が、前記ブラック画像データ電圧に結合されて揺れるようになる。基準電圧が揺れると、駆動トランジスタのソースの電圧が揺れるようになり、このために正常な画像が表示されないことがあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、従来の技術の限界と欠点による一つ又は複数の問題を実質的に除去する発光表示装置を提供することである。
【0008】
本発明の一側面の目的は、一般画像が表示された後に表示されるブラック画像に対応するブラック画像データを、発光表示パネルの特性に基づいてピクセル各々に対して設定する発光表示装置を提供することである。
【0009】
本発明の追加の利点と特徴の一部はこれに続く明細書において明らかにされ、一部は以下の記述の審査によって当業者にとって明らかになり、あるいは本発明の実践から学ぶことができる。本発明の目的や他の利点は、明細書、特許請求の範囲及び図面において時に指摘される構造によって実現され、達成される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の、及び他の利点を達成するために、ならびにここで具現化され幅広く記載される目的に従って、本発明に係る発光表示装置は、発光装置と前記発光装置を駆動する駆動トランジスタを備えるピクセルを具備した発光表示パネルと、1フレーム期間において第nピクセルを介して一般画像が表示された後に前記第nピクセルを介して表示されるブラック画像に対応するブラック画像データを前記発光表示パネルの特性値に基づいて設定する制御部と、前記発光表示パネルから生成された前記特性値を保存する保存部と、前記制御部から伝送されるブラック画像データをブラック画像データ電圧に変換して前記発光表示パネルに備えられたデータラインに出力するデータドライバと、前記制御部の制御に基づいて前記発光表示パネルに備えられたゲートラインにゲート信号を出力するゲートドライバとを含む。
【0011】
上述の一般的な記載と以下の本発明の詳細な説明の両方が例示的ならびに説明的であり、請求された本発明の更なる説明を提供するように意図される。
【0012】
本発明の更なる理解を提供するために含まれ、本願の一部に組み込まれ構成する、添付の図面は、本発明の実施形態を示し、明細書とともに本発明の原理を説明するために供することを示す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る発光表示装置の構成を示す例示図である。
図2】本発明に係る発光表示装置の一つのピクセルの構成を示す例示図である。
図3】本発明に係る発光表示装置に適用される制御部の構成を示す例示図である。
図4】本発明に係る発光表示装置の駆動期間を示す例示図である。
図5】本発明に係る発光表示装置に印加されるデータ電圧を示す例示図である。
図6】本発明に係る発光表示装置に印加されるデータ電圧を示す、また別の例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は添付の図と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、異なる多様な形態で具現されるものであり、単に本実施例は、本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0015】
本明細書では、各図の構成要素に参照番号を付加する場合において同一の構成要素に限ってはたとえ他の図上に表示されていても、可能な限り同一の番号を有するようにしていることに留意しなければならない。
【0016】
本発明の実施例を説明するための図に開示した形状、大きさ、比率、角度、数などは例示的なものなので、本発明は、図に示した事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一参照符号は同一の構成要素を指す。また、本発明を説明するにおいて、関連する公知技術に対する詳細な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にし得る場合、その詳細な説明は省略される。本発明で言及した「含む」、「有する」、「からなる」などを使用している場合は、「〜だけ」を使用していない限り、他の部分が追加され得る。構成要素を単数表現の場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数が含まれる場合を含む。
【0017】
構成要素を解釈するに当たり、別途の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0018】
位置関係の説明である場合に、例えば、「〜の上に」、「〜の上部に」、「〜の下部に」、「〜の隣に」など2つの部分の位置関係を説明している場合、「すぐに」または「直接」を使用していない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0019】
時間の関係に対する説明である場合に、例えば、「〜の後」、「〜に続いて」、「〜次の」、「〜前に」などで時間的前後関係を説明している場合、「すぐに」または「直接」を使用していない限り、連続していない場合も含むことができる。
【0020】
「少なくとも一つ」の用語は、複数の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むものと理解されなければならない。例えば、「第1項目、第2項目及び第3項目のうち少なくとも一つ」の意味は、第1項目、第2項目または第3項目のそれぞれだけでなく、第1項目、第2項目及び第3項目の中の二つ以上から提示することができるすべての項目の組み合わせを意味することができる。
【0021】
第1、第2などが多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、ただ一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下に記載されている第1構成要素は、本明細書の技術的思想内で第2構成要素であることもある。
【0022】
本明細書のいくつかの例のそれぞれの特徴が部分的または全体的に互いに結合または組み合わせが可能であり、各例が互いに独立して実施可能であり得、関連した関係で一緒に実施することもできる。
【0023】
以下、添付した図を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明に係る発光表示装置の構成を示す例示図であり、図2は、本発明に係る発光表示装置の一つのピクセルの構成を示す例示図であり、図3は、本発明に係る発光表示装置に適用される制御部の構成を示す例示図である。特に、図2は、第nピクセル(P)の構成を示した例示図である。以下の説明の中で、図2に示された第nピクセル(P)は、特に必要な場合を除き、簡単にピクセル110とする。
【0025】
本発明に係る発光表示装置は、図1図3に示すように、発光素子(ED)と前記発光素子(ED)を駆動する駆動トランジスタ(Tdr)を含むピクセル110を備えた発光表示パネル100、1フレーム期間において、第nピクセル(P)を介して一般画像が出力された後に出力されるブラック画像に対応するブラック画像データを発光表示パネル100の特性値を考慮して設定する制御部400、前記特性値を保存する保存部450、前記制御部400から伝送されるブラック画像データをブラック画像データ電圧に変換して前記発光表示パネルに備えられたデータライン(DL1 to DLd)に出力するデータドライバ300および前記制御部400の制御によって、前記発光表示パネル100に備えられたゲートライン(GL1 to GLg)にゲート信号を出力するゲートドライバ200を含む。
【0026】
以下の説明で使用する用語を簡単に整理すると、以下の通りである。ブランク期間は、フレームとフレーム間の期間を意味し、フレームというのは、1つのイメージを意味する。したがって、ブランク期間は異なる2つのイメージが出力される期間の間の期間を意味する。
【0027】
1フレーム期間とは、一つのイメージが出力される期間を意味し、1フレーム期間とまた別の1フレーム期間には、1つのブランク期間が含まれる。以下の説明中、1フレーム期間に対して順序が必要な場合には、第1フレーム期間及び第2フレーム期間という用語を用い、それ以外の場合には、1フレーム期間という用語を用いる。
【0028】
1フレーム期間の間に、一般画像を出力した後にブラック画像を出力する方法は、ブラック画像方式とする。ブラック画像方式は動画応答時間(MPRT:Motion Picture Response Time)の遅延により、一般画像が鮮明に表示されない問題を解決するために利用される。ブラック画像方式では、例えば、1フレーム期間の最初の1/2期間には、使用者が希望する一般画像だけが出力され、残りの1/2期間には、ブラック画像と一般画像が両方出力される。
【0029】
一般画像とは、使用者の視聴のために提供される画像を意味し、特に、1つのピクセル110から出力される光によって表現されるものを意味する。ブラック画像とは、動画応答時間(MPRT)の遅延による問題を解決するために、前記制御部400によって任意に生成された画像を意味し、特に、一つのピクセル110から出力されるブラック光によって表現されるものを意味する。
【0030】
したがって、発光表示パネル100のすべてのピクセル110において出力される一般画像が集まって一つのイメージを形成する。
【0031】
すなわち、前記ブラック画像は、前記で説明したように、動画応答時間(MPRT)の遅延による問題を解決するために、前記制御部400で任意に生成されたものであり、前記一般画像は、外部システムから伝送されてきた入力画像データにより前記ピクセル110から出力されるものである。
【0032】
前記データライン(DL)を介して供給されるデータ電圧(Vdata)中の前記一般画像の出力のためのデータ電圧(Vdata)は、一般画像データ電圧とし、前記ブラック画像の出力のためのデータ電圧(Vdata)は、ブラック画像データ電圧とする。
【0033】
前記一般画像データ電圧は、一般画像データによって、前記データドライバ300で生成され、前記ブラック画像データ電圧は、ブラック画像データにより前記データドライバ300で生成される。
【0034】
前記一般画像データは、前記入力画像データと一般補正値によって生成され、前記ブラック画像データは、基準ブラック画像データとブラック補正値によって生成される。前記一般画像データと前記ブラック画像データを総称して画像データとする。
【0035】
前記基準ブラック画像データは、前記ブラック画像データを生成するために、前記発光表示パネルに備えられたピクセルのすべてに基本的適用される値を意味する。
【0036】
前記一般補正値は、閾値電圧および移動度の変化量を利用して生成され、前記ブラック補正値は、閾値電圧の変化量(以下、単に「閾値電圧変化量」とする)または1フレーム期間に出力される一般画像データ電圧のうちの最小値を利用して生成される。
【0037】
前記の閾値電圧の変化量は、前記電子装置がターンオンまたはターンオフされたときに算出することができ、前記移動度の変化量(以下、単に「移動度変化量」とする)は、前記ブランク期間に算出することができる。
【0038】
以下では、前記の構成を順に説明する。
【0039】
第一に、発光表示パネル100には、図2に示すように、前記発光素子(ED)およびピクセル駆動回路(PDC)を含むピクセル110が備えられる。また、前記発光表示パネル100には、前記ピクセル110が形成されるピクセル領域を定義し、前記ピクセル駆動回路(PDC)に駆動信号を供給する信号ラインが形成されている。
【0040】
前記発光素子(ED)は、第1電極、前記第1電極上に具備される発光層および前記発光層上に具備される第2電極を含む。前記発光層は、前記ピクセル110に設定された色と対応するカラーの光を放出するための、青色発光部、緑色発光部、および赤色発光部のいずれかを含むことができる。前記発光層は、有機発光層、無機発光層および量子ドット発光層のいずれかを含むか、前記有機発光層(または前記無機発光層)と、前記量子ドット発光層の積層または混合構造を含むことができる。
【0041】
前記の信号ラインは、ゲートライン(GL)、センシングパルスライン(SPL)、データライン(DL)、基準電圧ライン(SL)、第1駆動電源ライン(PLA)及び第2駆動電源ライン(PLB)を含むことができる。
【0042】
前記ゲートライン(GL)は、前記発光表示パネル100の第2方向、例えば、横方向に沿って一定の間隔を有するように並んで形成される。
【0043】
前記センシングパルスライン(SPL)は、前記ゲートライン(GL)と並ぶように一定の間隔で形成することができる。前記センシングパルスライン(SPL)には、センシングパルス(SP)が供給される。
【0044】
前記のデータライン(DL)は、前記ゲートライン(GL)及び前記センシングパルスライン(SPL)と交差するように、前記発光表示パネル100の第1方向、例えば、縦方向に沿って一定の間隔を有するように並んで形成することができる。しかし、前記のデータライン(DL)と前記ゲートライン(GL)の配置構造は、多様に変更することができる。
【0045】
前記の基準電圧ライン(SL)は、前記データライン(DL)と並ぶように一定の間隔で形成することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、少なくとも三つの前記ピクセル110は、一つの単位ピクセルを形成していて、この場合、前記の単位ピクセルには、1つの前記基準電圧ライン(SL)を形成することができる。
【0046】
さらに説明すると、前記発光表示パネル100の第1方向(例えば、図1の縦方向)には、前記データラインが形成されていて、前記データラインと並んで、前記基準電圧ライン(SL)が形成されていて、前記基準電圧ライン(SL)のそれぞれは、ひとつの水平ラインに形成されている単位ピクセルそれぞれを構成する少なくとも三つのピクセル110に接続することができる。
【0047】
前記の基準電圧ライン(SL)には、基準電圧(Vref)が供給される。
【0048】
前記基準電圧(Vref)は、前記駆動トランジスタ(Tdr)の移動度または閾値電圧をセンシングする場合にも使用することができ、画像が出力される期間には、前記駆動トランジスタ(Tdr)のソースに前記基準電圧(Vref)を供給する機能を実行することができる。
【0049】
前記第1駆動電源ライン(PLA)は、前記データライン(DL)及び前記基準電圧ライン(SL)と並んで一定の間隔で形成することもできる。前記第1駆動電源ライン(PLA)は、前記電源供給部に接続して前記電源供給部から供給される第1駆動電源(EVDD)を各ピクセル110に供給する。
【0050】
前記第2駆動電源ライン(PLB)は、前記電源供給部から供給される第2駆動電源(EVSS)を各ピクセル110に供給する。
【0051】
前記ピクセル駆動回路(PDC)には、前記発光素子(ED)に流れる電流の大きさを制御する駆動トランジスタ(Tdr)、前記データライン(DL)と駆動トランジスタ(Tdr)と前記ゲートライン(GL)の間に接続したスイッチングトランジスタ(Tsw1)、前記基準電圧(Vref)を駆動トランジスタ(Tdr)のソースに伝送するためのセンシングトランジスタ(Tsw2)およびコンデンサ(Cst)が備えられる。また、前記ピクセル110のそれぞれに備えられた前記ピクセル駆動回路(PDC)には、外部補償のためのトランジスタをさらに備えることもできる。
【0052】
すなわち、前記ピクセル駆動回路(PDC)は、外部補償を実行するために、多様な構造に変更することができ、前記ピクセル駆動回路(PDC)を駆動する方法も多様に変更することができる。
【0053】
外部補償とは、前記ピクセル110に形成されている駆動トランジスタ(Tdr)の閾値電圧または移動度の変化量を算出し、前記変化量によって、前記ピクセルに供給されるデータ電圧の大きさを可変させることを意味する。したがって、前記駆動トランジスタ(Tdr)の閾値電圧または移動度の変化量が算出されるように、前記ピクセル110の構造は、様々な形で変更することができる。
【0054】
さらに、外部補償のために、前記ピクセル110を用いて前記駆動トランジスタ(Tdr)の閾値電圧または移動度の変化量を算出する方法も、前記ピクセル110の構造により多様に変更することができる。
【0055】
この場合、前記外部補償のためのセンシングは、一つのブランク期間毎に、一つのゲートラインに対して行なうことができ、前記発光表示装置を含む電子機器(例えば、テレビ(TV)、モニター、スマートフォン、タブレットPCなど)がターンオフまたはターンオンされるときに行なうことができる。
【0056】
前記のブランク期間には、例えば、駆動トランジスタ(Tdr)の移動度の変化量が検出され得、前記電子装置がターンオフまたはターンオンになるときには、前記駆動トランジスタ(Tdr)の閾値電圧の変化量をセンシングすることができる。
【0057】
前記の電子デバイスが再びターンオンされると、前記制御部400は、前記駆動トランジスタ(Tdr)の閾値電圧の変化量を補正するための補正値を生成し、外部システムから入力される入力画像データを前記補正値を利用して補正して一般画像データを生成する。前記一般画像データは、前記データドライバ300に伝送される。
【0058】
前記ブランク期間に、前記移動度の変化量がセンシングされる間、前記基準電圧ライン(SL)には、前記基準電圧(Vref)または前記センシングのためのまた他の電圧が供給され得る。
【0059】
前記のセンシングが行われない間、前記基準電圧ライン(SL)には、前記基準電圧(Vref)が供給され、前記基準電圧(Vref)は、駆動トランジスタ(Tdr)のソースを一定の電圧に維持させる機能を実行する。したがって、前記基準電圧(Vref)は、一定の範囲内の値に維持されなければならない。
【0060】
すなわち、本発明は、外部補償を介して算出された閾値電圧を利用する発光表示装置に関するものであり、外部補償方法と直接関係するものではない。
【0061】
したがって、外部補償のためのピクセルの構造および外部補償を実行する方法は、現在の外部補償のために提供されているさまざまなピクセルの構造および様々な外部補償方法で構成することができる。
【0062】
すなわち、外部補償を行なうためのピクセルの具体的な構造および外部補償の具体的な方法は、本発明の範囲を外れるものである。したがって、外部補償のためのピクセルの一例を、図2を参照して簡単に説明し、外部補償方法も、以下に簡単に説明する。
【0063】
また、本発明は、内部補償のために前記の基準電圧ライン(SL)及び前記センシングトランジスタ(Tsw2)が備えられた発光表示装置にも適用することができる。内部補償のために前記の基準電圧ライン(SL)を有する前記ピクセル110の構造も様々な形に変更することができ、内部補償方法も、前記ピクセル110の構造によって多様に変更することができる。
【0064】
また、本発明は、前記で説明したように、ブラック画像方式が利用されている。前記ブラック画像方式が適用される前記ピクセル110の構造もまた、図2に示した構造以外に、ブラック画像方式にしたがって多様に変更することができる。
【0065】
すなわち、図2は、外部補償とブラック画像方式を実行するための最小限のピクセル110の構造を示しており、したがって、前記ピクセル110の構造は、図2に示した構造以外にも多様に変更することができる。
【0066】
以下では、図2に示したピクセル110を有する発光表示装置を、本発明の一例として説明する。
【0067】
第二に、前記第1ゲートドライバ200は、前記制御部400から伝送されてきたゲート制御信号(GCS)を用いて、前記発光表示パネル100に備えられたゲートライン(GL1 to GLg)にゲートオン信号(GP)を供給する。前記ゲート制御信号(GCS)には、n個のゲートクロック(GCLK)が含まれ得る。
【0068】
ここで、前記ゲートオン信号(GP)は、前記ゲートライン(GL1 to GLg)に接続している前記スイッチングトランジスタ(Tsw1)をターンオンさせることができる信号を意味する。前記スイッチングトランジスタ(Tsw1)をターンオフさせることができる信号は、ゲートオフ信号とする。前記ゲートオン信号(GP)と前記ゲートオフ信号を総称して、ゲート信号とする。
【0069】
前記ゲートドライバ200は、前記有機発光表示パネル100と独立するように形成されて、テープキャリアパッケージ(TCP)、チプオンフィルム(COF)またはフレキシブルプリント回路基板(FPCB)などを介して前記有機発光表示パネル100に接続することができる。しかし、前記ゲートドライバ200は、、ゲートインパネル(Gate In Panel:GIP)方式を用いて、前記ピクセル駆動回路(PDC)の製造工程を経て、前記有機発光表示パネル100の外郭に直接形成することもできる。
【0070】
第三に、前記電源供給部は、前記第1ゲートドライバ200、前記データドライバ300および前記制御部400に電源を供給する。
【0071】
第四に、前記データドライバ300は、前記制御部400から伝送された一般画像データ(Data)を一般データ電圧(Vdata)に変換した後、前記一般データ電圧を前記データライン(DL1 to DLd)に供給する。
【0072】
第五に、前記制御部400は、前記ゲートドライバ200と前記データドライバ300を制御する。
【0073】
前記制御部400は、図3に示すように、外部システムから入力するタイミング同期信号(TSS)を用いて、前記ゲートドライバ200の駆動を制御するためのゲート制御信号(GCS)と、前記データドライバ300の駆動を制御するためのデータ制御信号(DCS)をそれぞれ生成する。
【0074】
また、前記制御部400は、外部補償のためのセンシングが行われるセンシング期間では、外部補償が行なわれるゲートラインに接続しているピクセルに供給されるセンシング画像データを前記データドライバ300に伝送することができる。
【0075】
前記外部補償のためのセンシングは、様々なタイミングで行うことができる。例えば、駆動トランジスタ(Tdr)の移動度の変化量は、前記ブランク期間にセンシングすることができ、駆動トランジスタ(Tdr)の閾値電圧の変化量は、前記電子装置がターンオフされるとき、またはターンオンされるときにセンシングすることができる。
【0076】
前記制御部400は、前記のようなセンシング過程によって前記データドライバ300から提供されるセンシングデータ(Sdata)を基に、一般補正値を算出し、前記一般補正値を保存部450に保存する。
【0077】
前記制御部400は、画像が出力される表示期間に前記外部システムから伝送される入力画像データ(Ri、Gi、Bi)を前記一般補正値を用いて補正して、一般画像データに変換して出力する。前記データドライバ300は、前記一般画像データを一般画像データ電圧に変換した後、前記一般画像データ電圧を前記データライン(DL1 to DLd)に供給する。
【0078】
特に、前記制御部400は、ブラック画像が出力されなければならないタイミングには、前記センシングデータ(Sdata)を介して把握された閾値電圧の変化量または1フレーム期間に出力される一般画像データ電圧のうちの最小値に基づいて、ピクセルに出力されるブラック画像データを生成することができる。
【0079】
前記のような機能を実行するためには、前記制御部400は、図3に示すように、前記外部システムから伝送されてきたタイミング同期信号(TSS)を用いて、前記外部システムから伝送されてきた入力画像データ(Ri、Gi、Bi)を再整列して、再整列された一般画像データを前記データドライバ300に供給するためのデータ整列部430、前記タイミング同期信号(TSS)を利用して前記ゲート制御信号(GCS)と前記データ制御信号(DCS)を生成するための制御信号生成部420、前記データドライバ300から伝送されてきた前記センシングデータ(Sdata)を用いて前記ピクセル110それぞれに形成されている駆動トランジスタ(Tdr)の特性変化を補正するための一般補正値を算出するための前記算出部410、前記一般補正値を保存するための保存部450および、前記データの整列部430で生成された一般画像データ(Data)と前記制御信号生成部420で生成された前記制御信号(DCS、GCS)を前記データドライバ300または前記ゲートドライバ200に出力するための出力部440を含む。
【0080】
前記保存部450は、前記制御部400に含むことができるが、図3に示すように、前記制御部400とは独立して構成することもできる。
【0081】
前記の保存部には、前記発光表示パネルの製造時に発光表示パネル100のすべてのピクセル110に備えられた駆動トランジスタに対して測定した閾値電圧(以下、単に「開始閾値電圧」とする)及び前記電子装置がターンオフにされるときに行われるセンシングによって測定されたピクセルの閾値電圧が保存される。この場合、前記電子装置がターンオフされるときに行われるセンシングでは、前記発光表示パネルに備えられたすべてのピクセルに対する閾値電圧をセンシングすることもできるが、前記のすべてのピクセルのうちの少なくとも二つのピクセルに対する閾値電圧だけをセンシングすることもできる。
【0082】
前記制御部は、前記電子装置がターンオフまたはターンオンになるとき、前記開始閾値電圧および前記閾値電圧を用いて前記のすべてのピクセルのうち少なくとも一つのピクセルの閾値電圧の変化量を算出することができ、算出された閾値電圧変化量を、前記保存部450に保存することができる。
【0083】
特に、前記制御部400は、1フレーム期間において、前記ピクセルを介して一般画像が出力された後に出力されるブラック画像に対応するブラック画像データを発光表示パネルの特性値を考慮して設定することができる。
【0084】
この場合、前記制御部400は、前記ピクセルに対して、基本的に適用される基準ブラック画像データを、前記特性値を考慮して算出されたブラック補正値を用いて補正して前記ブラック画像データを生成する。
【0085】
前記ブラック補正値は、前記前記算出部410で生成することができ、前記ブラック補正値を用いて前記基準ブラック画像データを、前記ブラック画像データとして生成する過程は、前記データ整列部430で行なうことができる。
【0086】
以下では、図1図6を参照して、本発明に係る発光表示装置の駆動方法を説明する。
【0087】
図4は、本発明に係る発光表示装置の駆動期間を示す例示図であり、図5は、本発明に係る発光表示装置に印加されるデータ電圧を示す例示図である。以下の説明中、図1図3を参照して説明した内容と同一または類似の内容は省略されるか、あるいは簡潔に説明される。
【0088】
前記の発光表示装置の駆動方法を説明すると、次の通りである。
【0089】
まず、第1フレーム期間(1st Frame period)が開始されると、図4に示すように、前記制御部400は、前記外部システムから伝送された入力画像データを、前記一般補正値を用いて、一般画像データに変換する。
【0090】
前記制御部400は、前記画像データを、前記データドライバ300に伝送する。
【0091】
次に、前記データドライバ300は、前記一般画像データを一般画像データ電圧(Vdata_I)に変換して前記データライン(DL1 to DLd)に前記一般画像データ電圧(Vdata_I)を出力する。
【0092】
これにより、図4に示すように、ゲートラインを沿って順次に一般画像(I)が出力される。
【0093】
例えば、図2に示すように、第nピクセル(P)を構成するピクセル駆動回路(PDC)に備えられたNタイプの駆動トランジスタ(Tdr)の閾値電圧が正の方向にシフトした場合、前記閾値電圧がシフトされる前の輝度と同じ輝度を有する画像が、前記第nピクセル(P)から出力されるためには、図5に示すように、前記入力画像データに対応するデータ電圧(Vdata)に前記閾値電圧変化量(ΔVth)が追加された一般画像データ電圧(Vdata_I)が前記データラインに供給されなければならない。
【0094】
以下、第nピクセル(P)を介して前記一般画像データ電圧(Vdata_I)が出力された後、既設定された期間が経過すると、第nピクセル(P)から前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)が出力される。
【0095】
このため、前記制御部400は、基準黒画像データ電圧(Vdata_Bref)に前記閾値電圧変化量(ΔVth)が追加されたブラック画像データ電圧(Vdata_BI)に対応するブラック画像データを生成する。
【0096】
このため、前記制御部400は、前記第nピクセル(P)に備えられた前記駆動トランジスタ(Tdr)の前記閾値電圧変化量(ΔVth)を用いて前記ブラック補正値を生成する。
【0097】
前記制御部400は、前記ブラック補正値を用いて前記基準ブラック画像データを補正し、前記ブラック画像データを生成する。
【0098】
前記制御部400は、前記ブラック画像データを、前記データドライバ300に伝送する。
【0099】
すなわち、図5に示された実施例では、前記制御部400は、1フレーム期間において、第nピクセルを通じて一般画像が出力された後に出力されるブラック画像に対応するブラック画像データを、前記発光表示パネルの特性値を考慮して設定しており、特に、前記特性値に、前記第nピクセルに備えられた駆動トランジスタの閾値電圧の変化量を用いている。
【0100】
最後に、前記データドライバ300は、前記ブラック画像データを、前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)に変換した後、前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)を前記第nピクセル(P)と接続しているデータライン(DL)に供給する。
【0101】
前記第nピクセル(P)に対応する前記ブラック画像データにより前記データドライバ300で生成される前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)は、前記発光表示パネル100に備えられたピクセルのすべてに適用される前記基準ブラック画像データ電圧(Vdata_Bref)より、前記ピクセルの閾値電圧変化量(ΔVth)だけ増加した電圧である。この場合、前記駆動トランジスタを構成する半導体の種類および電流/電圧特性等によって、前記ブラック画像データ電圧は前記基準ブラック画像データ電圧より、前記ピクセルの閾値電圧の変化量だけ減少した電圧であることもある。
【0102】
以下では、前記ブラック画像データ電圧が前記基準ブラック画像データ電圧よりも、前記ピクセルの閾値電圧変化量だけ増加する特性を有する発光表示装置を、本発明の一例として説明する。
【0103】
この場合、前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)と前記一般画像データ電圧(Vdata_I)間の差(C)は、基準黒画像データ電圧(Vdata_Bref)と前記一般画像データ電圧(Vdata_I)間の差(D)よりも小さくなる。
【0104】
前記の基準電圧ライン(SL)に供給される前記基準電圧(Vref)は、前記一般画像データ電圧(Vdata_I)及び前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)が、前記データライン(DL)に出力されるとき、前記駆動トランジスタ(Tdr)のソースの電圧を一定に維持させる機能を実行する。
【0105】
しかし、前記基準電圧ライン(SL)が、前記データライン(DL)と隣接しているので、前記基準電圧ライン(SL)を介して供給される前記基準電圧(Vref)は、図5に示すように、前記データラインを介して供給されるデータ電圧にカップリングされて揺れる。
【0106】
この場合、前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)と前記一般画像データ電圧(Vdata_I)間の差(C)が、前記の基準ブラック画像データ電圧(Vdata_Bref)と前記一般画像データ電圧(Vdata_I)間の差(D)よりも小さいので、前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)が、前記データライン(DL)に供給されたときの前記基準電圧の変化量(Y1)は、前記基準ブラック画像データ電圧(Vdata_Bref)が、前記データライン(DL)に供給されたときの前記基準電圧の変化量(Y2)よりも小さくなる。
【0107】
したがって、前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)が出力された後、第2フレーム期間(2nd Frame period)に、前記第nピクセル(P)に、また別の一般画像データ電圧(Vdata_I)が出力されるとき、前記駆動トランジスタ(Tdr)のソースには、既設定され範囲内の基準電圧が供給され得る。
【0108】
これにより、前記第nピクセル(P)には、前記また別の一般画像データ電圧(Vdata_I)によって予想される明るさを有する画像が出力され得る。
【0109】
したがって、前記発光表示パネル100全体では、輝度不良が発生しない。
【0110】
また、前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)が供給される区間で、前記発光表示パネル100に配置されたそれぞれのピクセル110に印加されるブラック画像データ電圧(Vdata_BI)は、互いに異なる電圧であり得る。
【0111】
すなわち、前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)が供給される区間でピクセル110それぞれに供給される電圧は、ピクセル110の閾値電圧変化量(ΔVth)が反映されたブラック画像データ電圧(Vdata_BI)である。したがって、それぞれのピクセル110の閾値電圧変化量(ΔVth)が異なる場合、それぞれのピクセル110に印加されるブラック画像データ電圧(Vdata_BI)は、互いに異なる電圧であり得る。この場合、前記発光表示パネル100のピクセル別の特徴が反映された精細なブラック画像データ電圧(Vdata_BI)が印加され得る。
【0112】
しかし、前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)が供給される区間で、前記発光表示パネル100に配置されたピクセル110それぞれに印加されるブラック画像データ電圧(Vdata_BI)は、互いに同じ電圧であることもある。
【0113】
例えば、前記制御部400は、ピクセル110の閾値電圧変化量(ΔVth)の平均を計算し、計算された平均閾値電圧の変化量をブラック画像データ電圧(Vdata_BI)に反映することができる。この場合、ピクセル110に印加されるブラック画像データ電圧(Vdata_BI)は、互いに同じ電圧になり得る。
【0114】
この場合、それぞれのピクセル110に供給しなければならないブラック画像データ電圧(Vdata_BI)がそれぞれ計算されなくてもよい。したがって、ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)が供給されても、本発明に係る発光表示装置は、高速駆動することができる。
【0115】
ここで、前記の平均は、発光表示パネル100に備えられたすべてのピクセル110の閾値電圧の変化量の平均であることもあるが、前記のすべてのピクセル110のうちの少なくとも二つのピクセルの閾値電圧の変化量の平均であることもある。例えば、前記の閾値電圧の変化量が、前記発光表示パネル100に備えられたすべてのピクセル110の一部に対してのみ算出された場合、前記の平均は計算された閾値電圧の変化量の平均になり得る。
【0116】
図6は、本発明に係る発光表示装置に適用されるデータ電圧を示した、また別の例示図である。
【0117】
以下の説明中、図1図5を参照して説明した内容と同一または類似の内容はされるか、あるいは簡潔に説明される。
【0118】
前記の発光表示装置の駆動方法を説明すると、次の通りである。
【0119】
まず、第1フレーム期間(1st Frame period)が開始されると、図4に示すように、前記制御部400は、前記外部システムから伝送された入力画像データを、前記一般補正値を用いて、一般画像データに変換する。
【0120】
前記制御部400は、前記画像データを、前記データドライバ300に伝送する。
【0121】
次に、前記データドライバ300は、前記一般画像データを一般画像データ電圧(Vdata_I)に変換して前記データライン(DL1 to DLd)に前記一般画像データ電圧(Vdata_I)を出力する。
【0122】
これにより、図4に示すように、ゲートラインに沿って順に一般画像(I)が出力される。
【0123】
例えば、図2に示すように、第nピクセル(P)を構成するピクセル駆動回路(PDC)に備えられたNタイプの駆動トランジスタ(Tdr)の閾値電圧が正の方向にシフトした場合、前記閾値電圧がシフトする前の輝度と同じ輝度を有する画像が、前記第nピクセル(P)から出力されるためには、前記入力画像データに対応するデータ電圧(Vdata)に前記閾値電圧変化量(ΔVth)が追加された一般画像データ電圧(Vdata_I)が前記データラインに供給されなければならない。図5では、前記閾値電圧変化量(ΔVth)を、前記データ電圧(Vdata)を示したグラフ上に示したが、図6では、前記閾値電圧変化量(ΔVth)が追加された一般画像データ電圧(Vdata_I)を前記データ電圧(Vdata)として示している。
【0124】
次に、第nピクセル(P)を介して前記一般画像データ電圧(Vdata_I)が出力された後、既設定された期間が経過すると、第nピクセル(P)から前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)が出力される。
【0125】
このため、前記制御部400は、前記ブラック画像データが出力される1フレーム期間に発光表示パネルのすべてのピクセルに出力される一般画像データ電圧のうちの最小値を考慮して設定されたブラック画像データ電圧(Vdata_BI)に対応するブラック画像データを生成する。
【0126】
このため、前記制御部400は、前記ブラック画像データが出力される1フレーム期間に前記発光表示パネルのすべてのピクセルに出力される一般画像データ電圧のうちの最小値を用いて前記ブラック補正値を生成する。即ち、前記制御部400が前記ブラック補正値を生成するために用いる前記発光表示パネル100の特性値は、前記最小値である。
【0127】
前記制御部400は、前記ブラック補正値を用いて前記基準ブラック画像データを補正し、前記ブラック画像データを生成する。
【0128】
前記制御部400は、前記ブラック画像データを、前記データドライバ300に伝送する。
【0129】
最後に、前記データドライバ300は、前記ブラック画像データを、前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)に変換した後、前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)を前記第nピクセル(P)と接続しているデータライン(DL)に供給する。
【0130】
この場合、第nピクセル(P)に対応するブラック画像データにより前記データドライバ300で生成されるブラック画像データ電圧(Vdata_BI)は、前記発光表示パネル100に備えられたピクセル110のすべてに適用される基準ブラック画像データ電圧(Vdata_Bref)よりも大きく、前記最小値より小さい。
【0131】
また、前記第nピクセル(P)に対応するブラック画像データにより前記データドライバ300で生成される前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)は、前記基準ブラック画像データ電圧(Vdata_Bref)より大きく、既設定され、最高ブラック画像データ電圧(Vdata_H)より小さく、前記最小値が、前記最高ブラック画像データ電圧(Vdata_H)より大きければ、前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)は、前記最高ブラック画像データ電圧(Vdata_H)になる。
【0132】
例えば、前記最高ブラック画像データ電圧(Vdata_H)がブラックを表現することができるデータ電圧のうちの最高値を有するとするとき、1フレーム期間中に出力される一般画像データ電圧(Vdata_I)のうちの最小値が、前記最高ブラック画像データ電圧(Vdata_H)より大きいということは、前記最小値によって出力される画像がブラックを表現できないことを意味する。
【0133】
したがって、前記の最小値が、前記最高ブラック画像データ電圧(Vdata_H)よりも大きい場合には、前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)は、前記最高ブラック画像データ電圧(Vdata_H)となる。
【0134】
この場合、前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)と前記一般画像データ電圧(Vdata_I)間の差(E)は、前記基準ブラック画像データ電圧(Vdata_Bref)と前記一般画像データ電圧(Vdata_I)間の差(F)よりも小さくなる。
【0135】
前記基準電圧ライン(SL)に供給される前記基準電圧(Vref)は、前記一般画像データ電圧(Vdata_I)及び前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)が、前記データライン(DL)に出力されるとき、前記駆動トランジスタ(Tdr)のソースの電圧を一定に維持させる機能を実行する。
【0136】
しかし、前記基準電圧ライン(SL)が、前記データライン(DL)と隣接しているので、前記基準電圧ライン(SL)を介して供給される前記基準電圧(Vref)は、図6に示したように、前記データラインを介して供給されるデータ電圧にカップリングされて揺れる。
【0137】
この場合、前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)と前記一般画像データ電圧(Vdata_I)間の差(E)が、前記基準ブラック画像データ電圧(Vdata_Bref)と前記一般画像データ電圧(Vdata_I)間の差(F)より小さいので、前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)が、前記データライン(DL)に供給されるときの前記基準電圧の変化量(Y3)は、前記基準ブラック画像データ電圧(Vdata_Bref)が、前記データライン(DL)に供給されるときの前記基準電圧の変化量(Y4)よりも小さくなる。
【0138】
したがって、前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)が出力された後、第2フレーム期間(2nd Frame period)に、前記第nピクセル(P)に、また別の一般画像データ電圧(Vdata_I)が出力されるとき、前記駆動トランジスタ(Tdr)のソースには、既設定され範囲内の基準電圧が供給され得る。
【0139】
これにより、前記第nピクセル(P)では、前記また別の一般画像データ電圧(Vdata_I)によって予想される明るさを有する画像が出力され得る。
【0140】
したがって、前記発光表示パネル100全体では輝度不良が発生しない。
【0141】
すなわち、本発明は、前記一般画像データ電圧(Vdata_I)と前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)の差を減らすことによって、前記一般画像データ電圧(Vdata_I)と前記ブラック画像データ電圧(Vdata_BI)にカップリングされる前記基準電圧(Vref)の揺れを減少させることができる。
【0142】
前記基準電圧(Vref)の揺れが減少することで、前記基準電圧(Vref)が供給される前記駆動トランジスタ(Tdr)のソースに、一定範囲内の基準電圧(Vref)を供給することができ、これにより、前記駆動トランジスタ(Tdr)のゲートとソースの差電圧が前記一般画像データ電圧(Vdata_I)によって安定的に変化することができる。
【0143】
したがって、前記駆動トランジスタ(Tdr)を通過する電流が前記一般画像データ電圧(Vdata_I)によって変更され得、これにより、前記一般画像データ電圧(Vdata_I)に対応する明るさを有する画像を前記発光素子(ED)を介して出力することができる。
【0144】
本発明の属する技術分野の当業者は、本発明がその技術的思想や必須的特徴を変更せずに、他の具体的な形態で実施することができることを理解できるだろう。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないものと理解されなければならない。本発明の範囲は、前記の詳細な説明ではなく、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲そしてその等価概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0145】
100:パネル
200:ゲートドライバ
300:データドライバ
400:制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6