(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6803517
(24)【登録日】2020年12月3日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】扇風機
(51)【国際特許分類】
F04D 25/08 20060101AFI20201214BHJP
【FI】
F04D25/08 306H
F04D25/08 307Z
F04D25/08 307A
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-189083(P2016-189083)
(22)【出願日】2016年9月28日
(65)【公開番号】特開2018-53763(P2018-53763A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100115554
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 幸一
(72)【発明者】
【氏名】前刀 大輝
(72)【発明者】
【氏名】常峰 豊彦
(72)【発明者】
【氏名】山田 一規
【審査官】
大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭63−230995(JP,A)
【文献】
特開平06−249188(JP,A)
【文献】
特開2010−203243(JP,A)
【文献】
実開昭58−177593(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座部と、
前記台座部から延びた支柱部と、
前記支柱部に設けた送風部と、
前記台座部内に設けた検知部と、
前記検知部の検知値によって送風部を制御する制御部とを備え、
前記台座部は、
底面に開口を有し、
側面に切り欠きを有し、
前記開口と前記切り欠きとは連通し、
前記開口から前記台座部内へ延びた空間部を備え、
前記空間部の側壁面にセンサー開口を有し、
前記検知部は前記センサー開口と前記開口と前記切り欠きとを介して検知することを特徴とする扇風機。
【請求項2】
前記空間部は前記開口から前記台座部の中央へ延び、
前記センサー開口は前記空間部における中央側に配置したことを特徴とする請求項1に記載の扇風機。
【請求項3】
前記空間部の前記側壁面は、前記開口の周縁部より外方に配置され、
前記開口の周縁部から前記空間部の前記側壁面までは所定の距離を有することを特徴とする請求項1または2に記載の扇風機。
【請求項4】
前記空間部の前記側壁面から電源コードが延びることを特徴とする請求項3に記載の扇風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的な家庭において、室内の状態をセンサーで検知し、その値によって風量を変化させながら、室内の空気を攪拌して温度ムラをなくしたりするのに使用される扇風機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の扇風機は、室温によって風量を変化させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、その扇風機について
図7を参照しながら説明する。
【0004】
扇風機は、基台部101と、基台部101から上方に延びた支柱部102と、支柱部102の上部に設けた送風部103とを備えている。基台部101には、制御部104とセンサー開口部105とを備え、センサー部の検知温度によって制御部が送風部の風量を制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−86865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の扇風機においては、基台部の外面には、センサー開口を設け、センサー部を基台部内に配置している。センサー開口は、基台部内と基台部外とを連通し、センサー部は、センサー開口を介して室内の温度を検知する。基台部の外面にセンサー開口が見えるので、デザイン性が低下するという課題を有していた。
【0007】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、基台部の外面にセンサー開口が見えないようにすることで、デザイン性を向上することができる扇風機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、この目的を達成するために、本発明は、台座部と、前記台座部から延びた支柱部と、前記支柱部に設けた送風部と、前記台座部内に設けた検知部と、前記検知部の検知値によって送風部を制御する制御部とを備え、前記台座部は、底面に開口を有し、側面に切り欠きを有し、前記開口と前記切り欠きとは連通し、前記開口から前記台座部内へ延びた空間部を備え、前記空間部の側壁面にセンサー開口を有し、前記検知部は前記センサー開口と前記開口と前記切り欠きとを介して検知するものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、台座部と、前記台座部から延びた支柱部と、前記支柱部に設けた送風部と、前記台座部内に設けた検知部と、前記検知部の検知値によって送風部を制御する制御部とを備え、前記台座部は、底面に開口を有し、側面に切り欠きを有し、前記開口と前記切り欠きとは連通し、前記開口から前記台座部内へ延びた空間部を備え、前記空間部の側壁面にセンサー開口を有し、前記検知部は前記センサー開口と前記開口と前記切り欠きとを介して検知する。検知部を台座部内部へ延びた空間部の側壁面にセンサー開口を設けることで、センサー開口が外観部へ露出することなく、検知部から室内の状態を検知することができるという効果を得る。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の扇風機の側面図であり、扇風機を右側から見た図である。
図2は、本発明の実施の形態1の扇風機の台座部の断面図であり、台座部を上方から見た図である。
図2における左側が、扇風機における前側である。
【0013】
図1および
図2に示すように、扇風機は、台座部1と、支柱部2と、送風部3と、検知部4と、制御部5を備えている。
【0014】
台座部1は、床等の上に置かれ、中空の略円盤形状であり、上面の中央部から上方へ支柱部2が延びている。支柱部2は、略円筒形状であり、支柱部2の上端部には、送風部3が固定されている。送風部3は、支柱部2の上端部に固定されたファン用モータ部分6と、ファン用モータ部分6の回転軸(図示せず)に固定された羽根部分7と、羽根部分7を覆うガード部分8とを備えている。ファン用モータ部分6が駆動すると、ファン用モータ部分6の回転軸に固定された羽根部分7が回転し、空気が送出される。
【0015】
台座部1内には、検知部4と、制御部5とを備えている。検知部4の一例は、温度センサーである。検知部4は、後述するセンサー開口9を介して室内の温度を検知する。
【0016】
制御部5は、検知部4の検知値によって送風部3の風量を制御する。具体的には、検知値が高い場合には、風量が大きくなるよう制御し、検知値が小さい場合には、風量が小さくなるよう制御する。
【0017】
図3は、本発明の実施の形態1の扇風機の台座部の斜視図であり、台座部を下側から見た図である。
図4は、本発明の実施の形態1の扇風機の台座部の断面図であり、台座部を右側から見た図である。
図4における左側が、扇風機における前側である。
図5は、本発明の実施の形態1の扇風機の台座部の空間部の断面斜視図であり、台座部を右側から見た図である。
図5における右側が、扇風機における後側である。
【0018】
図3、4、5に示すように、台座部1は、台座部1における後側の底面に略四角形状の開口10を有し、台座部1における後側の側面に下方が開口した切り欠きである切り欠き11を有し、開口10と切り欠き11とは連通している。台座部1は、開口10から台座部1内、支柱部2方向へ延びた空間部12を備えている。
【0019】
本実施形態における特徴は、センサー開口9が設けられた位置である。センサー開口9は、空間部12の側壁面13に設けられ、空間部12と台座部1内とを連通している。
検知部4は、センサー開口9と、空間部12と、開口10と切り欠き11とを介して、室内の状態を検知する。空間部12が、開口10とセンサー開口9とを連通する通路である。なお、矢印は、空気の流れを示している。
【0020】
検知部4を台座部1内へ配置し、空間部12の側壁面13にセンサー開口9を設けることで、センサー開口9が外観部へ露出することなく、検知部4から台座部1外の温度を検知することができる。
【0021】
また、空間部12は、開口10から台座部1の中央へ延び、センサー開口9は、開口10より台座部1の中心側、つまり、センサー開口9は空間部12における奥側に配置されている。センサー開口9が、奥側に配置されたことで、台座部1外からの埃等の進入を抑制することができる。
【0022】
また、開口10の周縁部14から空間部12の側壁面13までは所定の距離を有し、空間部12の水平面積は、開口10の開口面積よりも広い。空間部12の側壁面13は、開口10の周縁部14より外方に配置されている。空間部12の側壁面13の下部から開口10の周縁部14まで台座部1の底面が延びている。
【0023】
これにより、開口10の周縁部14から空間部12の側壁面13までは所定の距離を有することで、運転時は検知部4の外気を取り込むための空間として用いることができ、台座部1外からの埃等の進入を抑制することができる。
【0024】
図6は、本発明の実施の形態1の扇風機の台座部の斜視図であり、台座部を下側から見た図である。
【0025】
図5、6に示すように、空間部12の側壁面13から電源コード15が延びる。これにより、空間部12は、空間部12の側壁面13の下部から開口10の周縁部14まで台座部1の底面が延びているので、扇風機を不使用時には、電源コード15の収納空間として用いることができる。なお、切り欠き11における上下方向の寸法は、電源コード15が通る高さである。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明にかかる扇風機は、一般家庭などにおいて、送出される風を浴びて涼感を得たり、室内の空気を攪拌して温度ムラをなくしたりするのに使用される扇風機等として有用である。
【符号の説明】
【0027】
1 台座部
2 支柱部
3 送風部
4 検知部
5 制御部
6 ファン用モータ部分
7 羽根部分
8 ガード部分
9 センサー開口
10 開口
11 切り欠き
12 空間部
13 側壁面
14 周縁部
15 電源コード