(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
天井壁面又は側壁面に1つ又は複数のフィルタを設けて、外部環境との間で清浄空気の給気又は排気を行う作業室において、当該フィルタのリーク検査をする際に使用されるリーク検査支援装置であって、
前記作業室の床面に直接又は間接に載置される投影装置を有し、
前記投影装置が具備する投影補正手段が、当該投影装置の投影窓から前記フィルタの表面に投影される投影画像の走査線の外周部の輪郭の各角部を前記フィルタの外周部の輪郭の各角部の位置まで移動するように位置関係を補正することにより、前記投影画像が示す走査線の外周部の輪郭が前記フィルタの外周部の輪郭に適合して投影された状態となり、
前記投影装置が、前記フィルタの表面に対して、リーク検査を行うリーク検査装置に付属する吸引プローブの吸引ポイントを前記フィルタの表面に沿って互いに直交するX−Y軸方向に一定の間隔及び一定の速度で移動するように前記位置関係の補正を基に前記吸引ポイントの移動速度を補正して投影すると共に、前記リーク検査装置に付属する微粒子検出器が検出したリーク情報を前記フィルタの表面に投影することを特徴とするリーク検査支援装置。
天井壁面又は側壁面に1つ又は複数のフィルタを設けて、外部環境との間で清浄空気の給気又は排気を行う作業室において、リーク検査装置を用いて当該フィルタのリーク検査をするリーク検査方法であって、
前記リーク検査装置は、微粒子検出器と当該微粒子検出器に接続された吸引プローブとを有しており、
当該吸引プローブで前記フィルタの表面を走査するにあたり、請求項1〜3のいずれか1つに記載のリーク検査支援装置を使用することにより、
前記フィルタの表面に沿って互いに直交するX−Y軸方向に一定の間隔及び一定の速度で移動するように投影される吸引ポイントを前記吸引プローブで追跡するように走査することを特徴とするリーク検査方法。
【背景技術】
【0002】
清浄な雰囲気で行われる作業、例えば、医薬品の製造段階の作業、或いは、半導体や電子部品の製造段階の作業においては、外部環境から汚染物質が入り込まないように内部を無塵・無菌状態に保った清浄な作業環境で作業が行われる。このような作業環境としては、一般にはクリーンルームが使用される。このクリーンルーム内では、無塵衣を身に付けた作業者が作業を行う。
【0003】
このクリーンルームの内部には、空気供給装置からHEPAフィルタやULPAフィルタなど(以下、単に「フィルタ」ともいう)を介して清浄空気が供給される。このことにより、クリーンルームの内部は、医薬品製造などで求められるグレードA(厚生労働省・無菌医薬品製造指針)或いはこれに準ずる清浄度を保証している。これらの清浄度を維持するために、クリーンルーム内に設置されたフィルタに対して、定期的にリーク検査が行われる。
【0004】
一般に、リーク検査は、フィルタの上流側にPAO(ポリアルファオレフィン)などの微粒子含有エアロゾルを投入し、フィルタの下流側に漏洩(以下「リーク」という)した微粒子をリーク検査装置で検出する。このリーク検査装置は、微粒子を捕捉する吸引プローブと補足した微粒子を検出するパーティクルカウンタなどの微粒子検出器とを備えている。実際のリーク検査の作業は、1人の作業者が吸引プローブを手で保持してフィルタ面に沿ってX−Y軸方向に走査させる。これに合わせて、他の作業者が微粒子検出器による微粒子検出と検出数を確認する(
図3参照)。そして、微粒子検出器が微粒子を検出したときに、微粒子検出器を確認している作業者が吸引プローブを走査している作業者に合図する。そして、その部分を再度確認してフィルタのリーク箇所を特定する。
【0005】
このようなリーク検査の方向では、吸引プローブの走査スピードや走査間隔を一定に維持することが困難なため、リーク検査の精度にばらつきが生じ、リークを見落とす可能性も大きかった。また、作業者として少なくとも2人或いはそれ以上の人数を必要とし、複数人による大掛かりな作業となる。これに対して、下記特許文献1においては、吸引プローブを一定スピードでX−Y軸方向に移動させるスキャンニング・ロボットをフィルタの下流側に配置した自動リーク・テスト装置が提案されている。また、下記特許文献2においては、下記特許文献1の自動リーク・テスト装置を改良発展させたリーク検査装置が提案されている。更に、下記特許文献3及び下記特許文献4においては、クリーンルームの天井面全体に予めスキャンニング・ロボットを固定しておくリーク検査システム及び自動リーク試験システムが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献1及び特許文献2に提案されている自動リーク・テスト装置及びリーク検査装置においては、いずれも走査スピードや走査間隔を一定に維持することができる。また、スキャンニング・ロボットを操作する作業者1人で対応できるという利点がある。しかし、スキャンニング・ロボットを予め準備しておく必要があり大きな費用負担となる。また、リーク検査するクリーンルームのフィルタの位置・サイズに合わせて設計或いは調整する必要がある。また、リーク検査の際にクリーンルーム内の各フィルタにスキャンニング・ロボットを配置する作業が必要である。
【0008】
また、上記特許文献3及び特許文献4に提案されているリーク検査システム及び自動リーク試験システムにおいては、天井面全体に予めスキャンニング装置を固定しているのでリーク検査の際にクリーンルーム内の各フィルタにスキャンニング・ロボットを配置する作業が必要でない。しかし、これらのシステムは、大掛かりな装置とクリーンルーム内の付帯工事を必要とし、更に大きな費用負担となる。
【0009】
そこで、本発明は、上記の諸問題に対処して、クリーンルーム内のフィルタのリーク検査の際に通常のリーク検査装置を使用することができ、スキャンニング・ロボットや大掛かりな装置及び付帯工事などを必要としないので費用負担が小さく、且つ、少ない作業者で正確なリーク検査を行うことのできるリーク検査支援装置及びこれを用いたリーク検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、リーク検査にプロジェクションマッピングの技術を利用することにより、上記の諸問題に対処できることを見出して本発明の完成に至った。
【0011】
即ち、本発明に係るリーク検査支援装置は、請求項1の記載によれば、
天井壁面又は側壁面に1つ又は複数のフィルタ(20)を設けて、外部環境との間で清浄空気の給気又は排気を行う作業室において、当該フィルタのリーク検査をする際に使用されるリーク検査支援装置(50)であって、
前記作業室の床面に直接又は間接に載置される投影装置(51)を有し、
前記投影装置が具備する投影補正手段が、当該投影装置の投影窓(51b)から前記フィルタの表面に投影される投影画像(53)の走査線の外周部の輪郭(33b)の各角部を前記フィルタの外周部の輪郭(23)の各角部の位置まで移動するように位置関係を補正することにより、前記投影画像が示す走査線の外周部の輪郭が前記フィルタの外周部の輪郭に適合して投影された状態となり、
前記投影装置が、前記フィルタの表面に対して、リーク検査を行うリーク検査装置(30)に付属する吸引プローブ(31)の吸引ポイント(54)を前記フィルタの表面に沿って互いに直交するX−Y軸方向に一定の間隔及び一定の速度で移動するように
前記位置関係の補正を基に前記吸引ポイントの移動速度を補正して投影する
と共に、前記リーク検査装置に付属する微粒子検出器(32)が検出したリーク情報(55)を前記フィルタの表面に投影することを特徴とする。
【0012】
また、本発明
に係るリーク検査支援装置は、請求項2の記載によれば、
天井壁面又は側壁面に1つ又は複数のフィルタ(20)を設けて、外部環境との間で清浄空気の給気又は排気を行う作業室において、当該フィルタのリーク検査をする際に使用されるリーク検査支援装置(50)であって、
前記作業室の床面に直接又は間接に載置される投影装置(51)と、フィルタ位置検出装置(56)と、情報処理装置(52)とを有し、
前記フィルタ位置検出装置が、前記投影装置の投影窓(51b)から前記フィルタの外周部の輪郭(23)の各角部の位置までの距離とその垂直方向角及び水平方向角を位置関係として検出し、
前記情報処理装置が、検出された前記位置関係から、前記投影装置の投影窓から前記フィルタの外周部の輪郭の各角部の位置までの方向と距離とを算出して投影画像(53)が示す走査線の外周部の輪郭(33b)を補正することにより、前記投影画像が示す走査線の外周部の輪郭が前記フィルタの外周部の輪郭に適合して投影された状態となり、
前記投影装置が、前記フィルタの表面に対して、リーク検査を行うリーク検査装置(30)に付属する吸引プローブ(31)の吸引ポイント(54)を前記フィルタの表面に沿って互いに直交するX−Y軸方向に一定の間隔及び一定の速度で移動するように前記外周部の輪郭の補正を基に前記吸引ポイントの移動速度を補正して投影すると共に、前記リーク検査装置に付属する微粒子検出器(32)が検出したリーク情報(55)を前記フィルタの表面に投影することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項1又は2に記載のリーク検査支援装置であって、
前記微粒子検出器が検出したリーク情報を検出した微粒子の数として前記フィルタの表面にリアルタイムに投影すると共に、当該検出した微粒子の数が所定の基準を上回った場合には、異常警告を発することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るリーク検査方法は、
請求項4の記載によれば、
天井壁面又は側壁面に1つ又は複数のフィルタを設けて、外部環境との間で清浄空気の給気又は排気を行う作業室において、リーク検査装置を用いて当該フィルタのリーク検査をするリーク検査方法であって、
前記リーク検査装置は、微粒子検出器と当該微粒子検出器に接続された吸引プローブとを有しており、
当該吸引プローブで前記フィルタの表面を走査するにあたり、
請求項1〜3のいずれか1つに記載のリーク検査支援装置を使用することにより、
前記フィルタの表面に沿って互いに直交するX−Y軸方向に一定の間隔及び一定の速度で移動するように投影される吸引ポイントを前記吸引プローブで追跡するように走査することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
上記構成によれば、本発明に係るリーク検査支援装置は、投影装置を有している。この投影装置は、作業室の壁面に設けられたフィルタの表面に対して吸引プローブの吸引ポイントを投影する。フィルタの表面に投影される吸引ポイントは、フィルタの表面に沿って互いに直交するX−Y軸方向に一定の間隔及び一定の速度で移動する。このとき、リーク検査を実施する作業者は、吸引ポイントの移動に合わせて吸引プローブを走行させるようにすればよい。
【0017】
このことにより、吸引プローブをフィルタの表面に沿って一定の間隔及び一定の速度で移動させることができ、フィルタのリーク検査を正確に行うことができる。また、このリーク検査支援装置を用いれば、通常のリーク検査装置を使用することができ、スキャンニング・ロボットや大掛かりな装置及び付帯工事などを必要とせずリーク検査の費用負担が小さくなる。
【0018】
また、上記構成によれば、本発明に係るリーク検査支援装置において、投影装置を介してリーク検査装置に付属する微粒子検出器が検出したリーク情報をフィルタの表面に投影するようにしてもよい。リーク情報がフィルタの表面に投影されると、同一の作業者が吸引プローブを走査させながらリーク情報を確認することができ、リーク位置を正確に特定することができる。このことにより、上記効果に加え、少ない作業者で正確なリーク検査を行うことができる。
【0019】
よって、上記各構成によれば、クリーンルーム内のフィルタのリーク検査の際に通常のリーク検査装置を使用することができ、スキャンニング・ロボットや大掛かりな装置及び付帯工事などを必要としないので費用負担が小さく、且つ、少ない作業者で正確なリーク検査を行うことのできるリーク検査支援装置を提供することができる。
【0020】
また、上記構成によれば、本発明に係るリーク検査支援装置において、投影装置は、投影補正手段を有している。この投影補正手段は、作業室の床面に直接又は間接に載置された投影装置の位置とフィルタの表面との位置関係を補正するように作用する。この投影補正手段は、投影装置の投影窓からフィルタの表面に投影される投影画像が示す走査線の輪郭が当該フィルタの輪郭に適合して投影されるように補正する。
【0021】
このように、投影画像が示す走査線の輪郭とフィルタの輪郭とが適合することにより、投影される吸引ポイントがフィルタの表面に沿って一定の間隔及び一定の速度で移動することができる。このことにより、作業室の床面に直接又は間接に載置された投影装置の位置が、フィルタの真下からずれた位置にあっても正確なリーク検査を行うことができる。よって、上記各効果をより具体的に発揮することができる。
【0022】
また、上記構成によれば、本発明に係るリーク検査支援装置は、フィルタ位置検出装置と情報処理装置とを有している。フィルタ位置検出装置は、作業室の床面に直接又は間接に載置された投影装置と天井壁面又は側壁面に設けられたフィルタの表面との位置関係を検出する。一方、情報処理装置は、フィルタ位置検出装置により検出された位置関係から、投影装置の投影窓からフィルタの輪郭の各位置までの方向と距離とを算出して投影画像が示す走査線の輪郭が当該フィルタの輪郭に適合して投影されるように補正する。
【0023】
このように、投影画像が示す走査線の輪郭とフィルタの輪郭とが適合することにより、投影される吸引ポイントがフィルタの表面に沿って一定の間隔及び一定の速度で移動することができる。このことにより、作業室の床面に直接又は間接に載置された投影装置の位置が、作業室内のどのような位置にあっても正確なリーク検査を行うことができる。よって、上記各効果をより具体的に発揮することができる。
【0024】
また、上記構成によれば、本発明に係るリーク検査方法には、微粒子検出器と当該微粒子検出器に接続された吸引プローブとを有するリーク検査装置を用いる。また、このリーク検査方法には、請求項1〜4のいずれか1つに記載のリーク検査支援装置を使用する。このことにより、通常のリーク検査装置を使用することができ、スキャンニング・ロボットや大掛かりな装置及び付帯工事などを必要としないので費用負担が小さく、且つ、少ない作業者で正確なリーク検査を行うことのできるリーク検査方法を提供することができる。
【0025】
よって、上記構成によれば、クリーンルーム内のフィルタのリーク検査の際に通常のリーク検査装置を使用することができ、スキャンニング・ロボットや大掛かりな装置及び付帯工事などを必要としないので費用負担が小さく、且つ、少ない作業者で正確なリーク検査を行うことのできるリーク検査方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
まず、リーク検査方法について説明する。なお、ここで説明するのは、最も簡単かつ一般に広く採用されているマニュアル操作によるリーク検査方法である。なお、ここでは上記特許文献1〜特許文献4のようなスキャンニング・ロボットや大掛かりな装置及び付帯工事などを必要とする特殊なリーク検査方法については言及しない。
【0028】
図1は、一般のリーク検査方法を示す概要図である。
図1においては、クリーンルーム(図示しない)の天井壁面11に配置されたHEPAフィルタ20のリーク検査を行う。なお、
図1においてはHEPAフィルタを使用するが、ULPAフィルタなど他のフィルタであってもよい。
図1において、HEPAフィルタ20の下側がクリーンルームの内部である。リーク検査においては、まず、給気装置(図示しない)を作動させた状態で、HEPAフィルタ20の下流側12(図示下側)にリーク検査装置30の吸引プローブ31を配置する。この吸引プローブ31の上部に開口した吸引口から吸引した微粒子(フィルタからリークした微粒子)は、リーク検査装置の微粒子検出器であるパーティクルカウンタ32によって個数が検出される。
【0029】
次に、HEPAフィルタ20の上流側13(図示上側)に検出用微粒子、例えば、PAO(ポリアルファオレフィン)の微粒子含有エアロゾル40を投入してリーク検査を開始する。リーク検査は、クリーンルーム内の作業者(図示しない)が吸引プローブ31を一定の間隔及び一定の速度で走査する。
図1において、片矢印33は吸引プローブ31の操作方向を示しており、両矢印34は吸引プローブ31の吸引口とHEPAフィルタ20との維持間隔を示している。
【0030】
ここで、
図2は、フィルタの排気側表面の濾材面で吸引プローブを走査させる方向を示す概要図である。
図2において、HEPAフィルタ20は、長方形の取付け枠21とその内側に張られた濾材22とから構成されている。クリーンルームの天井壁面等に設置されているHEPAフィルタ20の数個は、クリーンルームの大きさによって設計されているが、多くの場合は天井壁面に複数個のHEPAフィルタ20が並べて設置されている。従って、HEPAフィルタ20の取付け枠21と隣接するHEPAフィルタ或いは天井壁面との気密性(リークの有無)も検査する必要がある。
【0031】
そこで、
図2に示すように、作業者は、吸引プローブ31を濾材22の表面の走査線33a及び取付け枠21の外周部(フィルタの輪郭)の走査線33b上を矢印方向に移動させてリーク検査を行う。なお、隣接する各操作線33a、33bの間隔は、吸引プローブ31の吸引口(
図1参照)が少し重なるように走査することが必要である。
【0032】
このようなフィルタのリーク検査においては、各種規格が厳格に定められている。これらの規格としては、米国環境科学技術協会(IEST:Institute of Environmental Sciences and Technology)による規格(IEST‐RP‐CC006.2)、国際標準化機構による規格(ISO 29463)、日本工業規格(JIS B9917‐3)などがある。本発明においても、これらの規格に基づいたリーク検査を行えることが前提である。
【0033】
例えば、IESTの規格においては、上流側パーティクルカウンタは、吸引量0.1又は0.2cft/min.(キュービックフィート/分)であって、粒径0.3μm以上の微粒子を検出できる。一方、下流側パーティクルカウンタは、吸引量1.0cft/minであって、粒径0.3μm以上の微粒子を検出できる。また、上流側の微粒子発生量は、0.5μm以上の微粒子が1,000,000個/cf以上とする。
【0034】
また、吸引プローブは、測定面(フィルタ表面)より25mm(1 inch)以内に近づけ、走査速度を5cm/sec.(10ft/min.)以内として全面走査する。走査中に0.5μm以上の微粒子が連続して計測された場合には、その位置で連続測定を行う。継続して検出がなければ付着塵であったと判断し、先へ走査する。なお、IESTの規格においても、上述のように、吸引プローブの吸引口が必ず重なるように走査することが要求される。
【0035】
IESTの規格において、HEPAフィルタの判定基準は、上流側微粒子数の0.01%を超えるリークを示す継続検出部位(継続カウントポイント)がないこととされる。例えば、上流側微粒子数が1,000,000個/cfの場合、その0.01%は、100個/cfとなる。この場合の許容微粒子数は、100個(0.5μm以上)となる。
【0036】
ここで、リーク検査装置を使用したリーク検査の作業について説明する。
図3は、従来のリーク検査の作業状況を示す概要図である。
図3において、クリーンルーム内10には2人の作業者W1、W2がおり、天井壁面11に配置されたHEPAフィルタ20のリーク検査をしている。また、HEPAフィルタ20の下流側12には、ビニールシート14による養生が成されている。
【0037】
図3においては、給気装置Fを作動させた状態で、HEPAフィルタ20の上流側13を1次側として、PAO(ポリアルファオレフィン)の微粒子含有エアロゾル40を投入する。一方、HEPAフィルタ20の下流側12を2次側として、リークした微粒子を検出する。リーク検査には、リーク検査装置30を使用する。リーク検査装置30は、1次側と2次側の空気中に含まれる微粒子を吸引して個数を検出する2つのパーティクルカウンタ32、36から構成されている。
【0038】
1次側のパーティクルカウンタ36は、1次側(上流側13)に開口した吸引口35と当該吸引口35とパーティクルカウンタ36とを連結する配管35aとを備えている。吸引口35から吸引した1次側の微粒子は、配管35aを介してパーティクルカウンタ36に送られ、単位容量当たりの微粒子の数を検出する。検出された微粒子の数は、パーティクルカウンタ36のモニターに表示され、作業者W2が1次側に所定量の微粒子含有エアロゾル40が放出されていることを確認する。
【0039】
2次側のパーティクルカウンタ32は、2次側(下流側12)を走査する吸引プローブ31と当該吸引プローブ31とパーティクルカウンタ32とを連結する配管31aとを備えている。吸引プローブ31は、作業者W1よって手動でフィルタ面に沿ってX−Y軸方向に走査させる。この作業は、上述のように、IESTの規格などに準拠して一定の間隔及び一定の速度で走査させることが重要であり、リーク検査の精度は作業者W1の経験に大きく依存する。吸引プローブ31から吸引した2次側の微粒子(フィルタからリークした微粒子)は、配管31aを介してパーティクルカウンタ32に送られ、単位容量当たりの微粒子の数を検出する。検出された微粒子の数は、パーティクルカウンタ32のモニターに表示され、作業者W2が2次側にリークした微粒子の検出を確認する。
【0040】
パーティクルカウンタ32のモニターに表示された微粒子の数が所定の基準を上回った場合には、これを確認した作業者W2が吸引プローブ31を走査する作業者W1に通知する。通知された作業者W1は、現在の吸引プローブ31の位置で連続測定を行い、継続して検出がなければ付着塵と判断し、先へ走査する。一方、連続測定で継続して検出があれば、現在の吸引プローブ31の位置がリーク箇所であることを特定する。このように、従来のリーク検査の作業では少なくとも2人の作業者W1、W2が必要であり、特に吸引プローブ31を走査する作業者W1には豊富な経験が必要とされる。
【0041】
これに対して、リーク検査装置と共に本実施形態に係るリーク検査支援装置を使用したリーク検査の作業について説明する。
図4は、本実施形態に係るリーク検査支援装置を使用したリーク検査の作業状況を示す概要図である。
図4において、クリーンルーム内10には1人の作業者W1がおり、天井壁面11に配置されたHEPAフィルタ20のリーク検査をしている。また、HEPAフィルタ20の下流側12には、ビニールシート14による養生が成されている。
【0042】
図4においては、給気装置Fを作動させた状態で、HEPAフィルタ20の上流側13を1次側として、PAO(ポリアルファオレフィン)の微粒子含有エアロゾル40を投入する。一方、HEPAフィルタ20の下流側12を2次側として、リークした微粒子を検出する。リーク検査には、リーク検査装置30及びリーク検査支援装置50を使用する。リーク検査装置30は、1次側と2次側の空気中に含まれる微粒子を吸引して個数を検出する2つのパーティクルカウンタ32、36から構成されている。
【0043】
1次側のパーティクルカウンタ36は、1次側(上流側13)に開口した吸引口35と当該吸引口35とパーティクルカウンタ36とを連結する配管35aとを備えている。吸引口35から吸引した1次側の微粒子は、配管35aを介してパーティクルカウンタ36に送られ、単位容量当たりの微粒子の数を検出する。検出された微粒子の数は、パーティクルカウンタ36のモニターに表示されると共に、接続回線52aを介してパーソナルコンピュータ52(後述する)に電子情報として送信される。
【0044】
2次側のパーティクルカウンタ32は、2次側(下流側12)を走査する吸引プローブ31と当該吸引プローブ31とパーティクルカウンタ32とを連結する配管31aとを備えている。吸引プローブ31は、上述のように、作業者W1よって手動でフィルタ面に沿ってX−Y軸方向に走査させる(
図2参照)。吸引プローブ31から吸引した2次側の微粒子(フィルタからリークした微粒子)は、配管31aを介してパーティクルカウンタ32に送られ、単位容量当たりの微粒子の数を検出する。検出された微粒子の数は、パーティクルカウンタ32のモニターに表示されると共に、接続回線52aを介してパーソナルコンピュータ52(後述する)に電子情報として送信される。
【0045】
一方、リーク検査支援装置50は、投影装置であるプロジェクタ51と情報処理装置であるパーソナルコンピュータ52とから構成されている。なお、プロジェクタ51は、情報処理装置を内蔵したものであってもよい。
図4においては、プロジェクタ51は、接続回線51aを介してパーソナルコンピュータ52に接続されている。このプロジェクタ51は、投影窓51bからHEPAフィルタ20の表面に投影画像53を投影する。なお、投影画像53としてHEPAフィルタ20の表面に投影される内容は、予めプログラミングされてパーソナルコンピュータ52に搭載されている。
【0046】
次に、
図4の状態においてHEPAフィルタ20の表面に投影される投影画像53について説明する。パーソナルコンピュータ52にプログラミングされた投影画像53と、この投影画像53が投影されるHEPAフィルタ20の表面との関係は、プロジェクションマッピングによる動画投影の基本技術を応用する。ここで、プロジェクションマッピングとは、パーソナルコンピュータで作成したCG(コンピュータグラフィックス)とプロジェクタの様な投影装置を用い、建物や物体、あるいは空間などに対して映像を映し出す技術の総称をいう。プロジェクションという単純投影ではなく、マッピングという言葉が加わった言葉で、ここには投影する対象に映像を張り合わせるという意味合いがあり、対象と映像がぴたりと重なり合うことで意味を持ってくる投影方法である。
【0047】
本実施形態においては、投影する対象はHEPAフィルタ20の表面であって、投影される映像は吸引プローブ31の吸引位置と微粒子検出情報である。
図5は、本実施形態に係るリーク検査支援装置からフィルタの排気側表面に投影される投影画像を示す概要図である。
図5において、HEPAフィルタ20の排気側表面(クリーンルームの内側)には、長方形の取付け枠21とその内側に張られた濾材22が現れている。また取付け枠21の外周部23は、隣接するHEPAフィルタ或いは天井壁面との境界を表している。また、濾材22の表面には、吸引プローブ(図示しない)の吸引ポイント54と微粒子検出情報55とが投影されている。
【0048】
吸引ポイント54は、取付け枠21に平行又は直交するX−Y軸方向にIESTの規格などに準拠して一定の間隔及び一定の速度で移動するように投影される(
図2参照)。なお、
図5においては、吸引ポイント54が移動する走査線(
図2における33a及び33b)の一部を表示する。
【0049】
微粒子検出情報55は、HEPAフィルタ20の表面において作業者W1から視認し易い位置に投影される。従って、吸引ポイント54の移動に伴って微粒子検出情報55の投影位置を変化させるようにしてもよい。微粒子検出情報55に表示される情報としては、現在の吸引ポイント54においてパーティクルカウンタ32が検出した2次側の微粒子の数55bが逐次表示される。その他の情報としては、現在リーク検査中のフィルタの番号55a、パーティクルカウンタ36が検出した1次側の微粒子の数(図示しない)などを表示するようにしてもよい。
図5においては、フィルタの番号及び検出した2次側の微粒子の数が粒径毎に表示されている。
【0050】
また、パーティクルカウンタ32で検出された微粒子の数が所定の基準を上回った場合には、パーソナルコンピュータ52を介して微粒子検出情報55に異常警告が表示されるようにしてもよい。一方、パーティクルカウンタ36の検出によって、1次側に放出されている微粒子の数に変化が生じた場合にも、パーソナルコンピュータ52を介して微粒子検出情報55に異常警告が表示されるようにしてもよい。なお、これらの警告は、微粒子検出情報55への表示に加えて又は表示に替えて、警報など他の手段で表すようにしてもよい。
【0051】
このように、従来から使用されるリーク検査装置30に本実施形態に係るリーク検査支援装置50を併用することにより、1人の作業者W1が吸引プローブ31をIESTの規格などに準拠した正確な走査をすることができる。このことにより、フィルタの表面及び取り付け部分のリーク位置を正確に特定することができる。また、リーク検査の作業者には、特別な技術や豊富な経験を必要とすることがない。
【0052】
次に、プロジェクタ51の投影窓51bから投影される投影画像53をHEPAフィルタ20の表面に適合させる方法について説明する。具体的には、投影画像53が示す走査線の輪郭(
図2における走査線33b)がHEPAフィルタ20の輪郭(
図5における外周部23)に適合して投影されるようにする。本発明においては、これらの適合方法について特に限定するものではなく、プロジェクタが有する投影補正方法を利用するようにしてもよい。また、プロジェクションマッピングによる基本技術を利用するようにしてもよい。それらの例として、以下の各実施例で説明する。
【実施例1】
【0053】
本実施例1においては、
図4に示したリーク検査装置30及びリーク検査支援装置50の構成において、リーク検査支援装置50が具備する投影補正機能を使用して投影画像53をHEPAフィルタ20の表面に適合させる方法について説明する。
【0054】
リーク検査支援装置50には、プロジェクタ51から投影する投影画像53が予めプログラミングされてパーソナルコンピュータ52に搭載されている。このプログラムに、リーク検査するHEPAフィルタの番号、縦横サイズ、取付け枠のサイズ、吸引プローブの吸引口のサイズなどの情報を入力することにより、投影画像53の走査線33a、33bの設定と配置及び吸引ポイント54の速度などが設定される。
【0055】
図6は、本実施例1において投影補正機能によって投影装置とフィルタの表面との位置関係を補正する様子を示す概略図である。
図6は、クリーンルームの天井壁面に配置されたHEPAフィルタ20の排気側表面をクリーンルームの床面側(HEPAフィルタ20の真下)から見た様子を表している。なお、
図6においては、1つのHEPAフィルタ20のみを表示するが、このHEPAフィルタ20の周囲(図示上下左右)に隣接するHEPAフィルタ又は天井壁面が省略されている。従って、1つのHEPAフィルタ20は、取付け枠21の外周部23において隣接するHEPAフィルタ又は天井壁面と接しており、この境界がHEPAフィルタ20の取付け部分であり、この部分においてもリーク検査の必要がある。
【0056】
また、
図6においては、HEPAフィルタ20の表面と重なるように投影画像53が投影されている。この投影画像53は、フィルタ表面より大きな略台形をしておりHEPAフィルタ20の表面に適合していない。仮に、プロジェクタ51の投影窓51bがHEPAフィルタ20の真下にある場合には、投影画像53が長方形となりHEPAフィルタ20の表面と適合させることも可能であるが、現実的には難しい。
図6においては、プロジェクタ51は、図に対して手前下側に位置している。
【0057】
従って、プロジェクタ51の位置がHEPAフィルタ20の真下にはなく、ずれていることにより、投影画像53が台形或いは単なる四辺形となりHEPAフィルタ20の表面に適合していない。そこで、クリーンルームの天井壁面に投影される投影画像53をHEPAフィルタ20の表面に適合させる必要がある。
【0058】
ここで、クリーンルームの天井壁面に投影される投影画像53には、HEPAフィルタ20の取付け枠21の外周部23(隣接するHEPAフィルタ又は天井壁面との境界)をリーク検査するための走査線33b(
図2参照)が設定されている。
図6においては、この走査線33bも投影画像53の外周枠53aに沿って略台形をしている。そこで、リーク検査支援装置50が具備する投影補正機能を使用して、クリーンルームの天井壁面に配置されたHEPAフィルタ20の輪郭(取付け枠21の外周部23)と投影画像53が示す走査線の輪郭(走査線33b)とを適合させるように補正する。
【0059】
具体的には、
図6において、投影画像53を補正して走査線33bの4点の角部d1、d2、d3、d4をHEPAフィルタ20の外周部23の4点の角部P1、P2、P3、P4の位置まで移動させる。この移動機構は、プロジェクタ51が具備する補正機能を使用するようにしてもよく、或いは、パーソナルコンピュータ52に搭載されたプログラムのプロジェクションマッピングの機能を使用するようにしてもよい。
【0060】
このようにして、プロジェクタ51の投影窓51bからHEPAフィルタ20の表面に投影される投影画像53が示す走査線の輪郭(走査線33b)がHEPAフィルタ20の輪郭(取付け枠21の外周部23)に適合して投影された状態において、吸引プローブ31の吸引ポイント54は、HEPAフィルタ20の表面を取付け枠21に平行又は直交するX−Y軸方向に一定の間隔及び一定の速度で移動するように投影される(
図2参照)。
【0061】
また、略台形の投影画像53を長方形の補正したことにより、リーク検査支援装置50は、プロジェクタ51の位置がHEPAフィルタ20の真下からどの程度ずれているかを検出することができる。このずれの程度に合わせて、HEPAフィルタ20の表面に投影される吸引ポイント54の走査速度が一定になるように投影画像53を補正するようにしてもよい。なお、プロジェクタ51の位置がHEPAフィルタ20の位置とのずれによる吸引ポイント54の走査速度が、設定値±10%以内のずれであれば、投影画像53を補正することを要しない。
【実施例2】
【0062】
本実施例2においては、
図4に示したリーク検査装置30及びリーク検査支援装置50の構成において、リーク検査支援装置50が有するフィルタ位置検出装置を使用して投影画像53をHEPAフィルタ20の表面に適合させる方法について説明する。
【0063】
リーク検査支援装置50には、プロジェクタ51から投影する投影画像53が予めプログラミングされてパーソナルコンピュータ52に搭載されている。このプログラムに、リーク検査するHEPAフィルタの番号、縦横サイズ、取付け枠のサイズ、吸引プローブの吸引口のサイズなどの情報を入力することにより、投影画像53の走査線33a、33bの設定と配置及び吸引ポイント54の速度などが設定される。
【0064】
図7は、本実施例2においてフィルタ位置検出装置によって投影装置とフィルタの各部位との位置関係を検出する様子を示す概略図である。
図7は、クリーンルームの天井壁面に配置されたHEPAフィルタ20と床面に載置されたプロジェクタ51との位置関係を側面から見た様子を表している。なお、
図7においては、プロジェクタ51の位置がHEPAフィルタ20の真下にはなく、ずれていることによりプロジェクタ51からの投影画像53が台形或いは単なる四辺形となりHEPAフィルタ20の表面に適合していない(図示しない)。そこで、クリーンルームの天井壁面に投影される投影画像53をHEPAフィルタ20の表面に適合させる必要がある。
【0065】
図7において、プロジェクタ51は、フィルタ位置検出装置56を内蔵してその一部を投影窓51bに接する位置に配置している。フィルタ位置検出装置56は、投影窓51bからHEPAフィルタ20の外周部23の4点の角部P1、P2、P3、P4(
図6参照)の位置までの距離と方向角(垂直方向角と水平方向角)とを検出する。距離と方向角とを検出する方法は、どのようなものであってもよいが、各種センサー又はプロジェクションマッピングの機能を使用するようにしてもよい。
【0066】
具体的には、
図7において、投影窓51bからHEPAフィルタ20の1点の角部P1までの距離L1とその垂直方向角θ1及び水平方向角(図示せず)を検出する。また、投影窓51bからHEPAフィルタ20の他の1点の角部P2までの距離L2とその垂直方向角θ2及び水平方向角(図示せず)を検出する。同様にして、投影窓51bからHEPAフィルタ20の他の2点の角部P3、P4までの距離とその垂直方向角及び水平方向角(いずれも図示せず)を検出する。
【0067】
このようにして、プロジェクタ51の投影窓51bからHEPAフィルタ20の外周部23の4点の角部P1、P2、P3、P4(
図6参照)の位置までの距離とその垂直方向角及び水平方向角が決まる。これらの検出値から、パーソナルコンピュータ52に搭載されたプログラムによって、プロジェクタ51からHEPAフィルタ20の表面に投影される投影画像53が補正される。このようにして、プロジェクタ51の投影窓51bからHEPAフィルタ20の表面に投影される投影画像53が示す走査線の輪郭(走査線33b)がHEPAフィルタ20の輪郭(取付け枠21の外周部23)に適合して投影された状態において、吸引プローブ31の吸引ポイント54は、HEPAフィルタ20の表面を取付け枠21に平行又は直交するX−Y軸方向に一定の間隔及び一定の速度で移動するように投影される(
図2参照)。
【0068】
また、投影画像53が補正されたことにより、パーソナルコンピュータ52に搭載されたプログラムによって、HEPAフィルタ20の表面に投影される吸引ポイント54の走査速度が一定になるように投影画像53を補正するようにしてもよい。なお、プロジェクタ51の位置がHEPAフィルタ20の位置とのずれによる吸引ポイント54の走査速度が、設定値±10%以内のずれであれば、投影画像53を補正することを要しない。
【0069】
以上説明したように、本実施形態によれば、クリーンルーム内のフィルタのリーク検査の際に通常のリーク検査装置を使用することができ、スキャンニング・ロボットや大掛かりな装置及び付帯工事などを必要としないので費用負担が小さく、且つ、少ない作業者で正確なリーク検査を行うことのできるリーク検査支援装置及びこれを用いたリーク検査方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0070】
10…クリーンルーム内、11…天井壁面、12…下流側、13…上流側、
14…ビニールシート、
20…HEPAフィルタ、21…取付け枠、22…濾材、23…外周部、
30…リーク検査装置、31…吸引プローブ、32、36…パーティクルカウンタ、
33…片矢印(操作方向)、34…両矢印(維持間隔)、
33a、33b…走査線、35…吸引口、31a、35a…配管、
40…微粒子含有エアロゾル、50…リーク検査支援装置、51…プロジェクタ、
51a、52a…接続回線、51b…投影窓、52…パーソナルコンピュータ、
53…投影画像、53a…外周枠、54…吸引ポイント、55…微粒子検出情報、
55a…フィルタの番号、55b…微粒子の数、56…フィルタ位置検出装置、
L1、L2…距離、θ1、θ2…方向角、P1〜P4…フィルタの外周部の角部、
d1〜d4…走査線の角部、F…給気装置、W1、W2…作業者。