【課題を解決するための手段】
【0020】
従来からの芳香剤は効力の及ぶ範囲が狭いが、これは芳香成分が発生する面積が小さいためである。また、従来からの芳香剤の効果が長時間持続しないのは、いわゆる徐効性が担保できないからである。そこで、大面積を確保できる床(フロアー)を利用し、芳香性を低く抑える成分を利用することにより、上記課題を解決できる手段を提供する。具体的には、賃貸住宅のクリーニングに通常行われるフロアー処理を以下に述べるようなフロアーポリッシュを用いて行うことにより、上記課題を解決する。
【0021】
一般に、フロアーポリッシュには、油性フロアーポリッシュ、乳化性フロアーポリッシュ、水性フロアーポリッシュ等がある。芳香剤の徐効性が担保できる限りは、これらいずれのフロアーポリッシュを用いても同様に上記課題を解決することができる。油性フロアーポリッシュ及び乳化性フロアーポリッシュには、ワックスが用いられることが多い。水性フロアーポリッシュには、ワックスタイプ及びポリマータイプがある。そして、ポリマータイプには、アクリル系樹脂やウレタン系樹脂等のエマルションを主原料にしたものがある。皮膜の硬さを調節するための可塑剤、造膜性を向上させる為の融合剤が用いられることがある。ここで、水性フロアーポリッシュの多くは、アクリル樹脂を主成分とている。しかしながら、本発明の芳香性フロアーポリッシュは、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂等種々の樹脂に対しても、アクリル系樹脂をこれらに置換することにより、或いは、これらの樹脂を単に加えることにより、適用することができる。上述したように、従来のフロアーポリッシュは、形成される皮膜が芳香性を備えるように設計されていない。従来のフロアーポリッシュに芳香成分を添加すると、芳香成分は分子量が小さいので、フロアーポリッシュの主成分により形成される皮膜の機械的強度を低下させ、光沢度、耐ブラックヒールマーク性、耐スカッフ性、耐水性、再塗布性等フロアーポリッシュとしての性能が低下する。そこで、フロアーポリッシュのコア成分の分子量を高くすることにより、芳香成分を添加しても、皮膜の機械的強度を維持できるようにする。
【0022】
本発明においては、上記の事情に鑑みて、床材に塗布し乾燥することにより、形成された樹脂皮膜が強靭であり、広い住空間全体に特別な容器や資材を使わず、広い住空間に芳香を長期間漂わせる床材に塗布するフロアーポリッシュ又はその組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0023】
本発明の第1の側面では、アクリル樹脂を含有するエマルションを含むフロアーポリッシュにおいて、上記アクリル樹脂の重量平均分子量は10万以上であり、芳香成分を含有することを特徴とする。
【0024】
本発明の第2の側面では、アクリル樹脂を含有するエマルションを含むフロアーポリッシュにおいて、上記アクリル樹脂の重量平均分子量は10万以上であり、上記フロアーポリッシュを100重量%とした場合に、0.05〜5.0重量%の芳香成分を含むことを特徴とする。
【0025】
本発明の第3の側面では、アクリル樹脂を含有するエマルションを含むフロアーポリッシュにおいて、上記アクリル樹脂の重量平均分子量が10万以上であり、芳香成分、およびグリコール系融合剤を含有することを特徴とする。
【0026】
本発明の第4の側面では、アクリル樹脂を含有するエマルションを含むフロアーポリッシュにおいて、上記アクリル樹脂の重量平均分子量が10万以上であり、上記フロアーポリッシュを100重量%とした場合に、0.05〜5重量%の芳香成分、および2〜10重量%のグリコール系融合剤を含むことを特徴とする。
【0027】
上記アクリル樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、ならびにアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸エチル等のアクリル酸エステルなどの単独重合体又は2種以上のモノマーからなる共重合体が挙げられる。また、上記のアクリル系モノマーにスチレン等のビニル系モノマーを共重合させた樹脂を使用することもできる。エマルションとは、分散質・分散媒が共に液体である分散系溶液のことで、乳濁液或いは乳剤ともいう。そして、アクリル樹脂を含有するエマルションは、固形成分となり得るアクリル樹脂を含む乳濁液であってもよい。含有する上記エマルションとしては、上記の各種モノマーを使用し、常法の乳化重合で合成されたものを使用することが出来る。また、アクリル樹脂系のエマルションのメーカーで製造されたエマルションを1種又は2種以上混合して使用することが出来る。
【0028】
以下、「重量平均分子量」(「質量平均分子量」ともいう。)は、平均分子量ともいう。ここで、アクリル樹脂の平均分子量については、耐久性の重要性に鑑みて、より高い平均分子量が好ましいが、耐久性があまり要求されない場合は3万以上が好ましく、5万以上がより好ましく、8万以上が更に好ましい。特に、9万、そして10万以上が好ましい。一方、通常の乳化重合の製造方法により得られる分子量は最大でも200万であり、さらにこの平均分子量が200万を超えた場合は樹脂皮膜の除去性が著しく低下する。フロアーポリッシュの取り扱いの容易さを考慮すると、100万未満が好ましく、現実的には50万未満が好ましい。取り扱いの容易性が特に重要であれば、20万未満が好ましい。このアクリル樹脂の平均分子量が10万未満では、得られる「芳香性フロアーポリッシュ」(以下フロアーポリッシュということもある。)により形成される樹脂皮膜の光沢度、耐ブラックヒールマーク性、耐スカッフ性、耐水性、再塗布性が、必ずしも十分とは言えず、8万未満では著しく低下する。
【0029】
常法の乳化重合方法で合成されたエマルション中のアクリル樹脂の含有量(或いは、固形分量とも言える)が、エマルション100重量%中、30重量%以上が好ましく、35重量%以上が好ましい。また、エマルションの懸濁性を考慮すると、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましい。或いは、30〜40重量%、特に、本発明の第5の側面では、35〜40重量%程度に合成することが好ましい。アクリル樹脂の含有量が30〜40重量%の範囲で合成すれば、反応、操作が容易であり、安定したエマルションを得ることができる。
【0030】
また、上記フロアーポリッシュは、アクリル樹脂若しくはアクリル樹脂系エマルションと、芳香成分とを含む。更に、可塑剤及び/又は融合剤を含んでもよい。上記のエマルションは、フロアーポリッシュの一成分として、フロアーポリッシュを100重量%とした場合に、10重量%以上含むのが好ましく、15重量%以上含むのがより好ましい。また、フロアーポリッシュの塗布等の施工の容易さを考慮すれば、70重量%以下が好ましく、60重量%以下がより好ましい。上記のエマルションは、15〜60重量%、特に、本発明の第6の側面では、「20〜55重量%」配合することが好ましい。この配合量が10重量%未満であると、樹脂皮膜の形成が十分でないおそれがあり、また、15重量%未満では、エマルション中のアクリル樹脂の含有量が多い場合であっても、形成される樹脂皮膜が薄く、フロアーポリッシュ本来の床の保護等の機能が不十分になることがあり、また、芳香成分を保持する能力も悪くなるおそれがある。一方、配合量が60重量%を越える場合は、フロアーポリッシュの取り扱いの容易さが低下するおそれがあり、70重量%を越えると、エマルション中のアクリル樹脂の含有量が少ない場合であっても、フロアーポリッシュの粘度が高くなり、取り扱い難くなり、床へ塗布する際の作業性も低下することがある。
【0031】
この芳香性成分は、本発明の第2及び第4の側面で、フロアーポリッシュを100重量%とした場合に、0.01重量%以上配合させることが好ましく、0.02重量%以上がより好ましく、0.05重量%以上が実用的に好ましい。一方、40.0重量%以下が好ましく、30.0重量%以下が好ましく、10.0重量%以下が好ましく、8.0重量%以下がより好ましい。そして、5.0重量%以下が実用的に好ましい。芳香性成分は、0.05〜5.0重量%配合させることが好ましい。即ち、前記芳香成分の含有割合が、少なすぎると(例えば、0.01重量%未満、0.02重量%未満、又は0.05重量%未満)、広い住空間に芳香を漂わせる効果が劣り、生活臭や内装材からによる新建材の臭いと言われる悪臭を隠ぺいする効果が十分には得られないおそれがある。一方、多すぎると(例えば、40.0重量%超、30.0重量%超、10.0重量%超、8.0重量%超、又は5.0重量%超)、芳香成分が高価なことから経済的に不利である。また、添加する量の割には、得られる芳香効果が十分ではないおそれがある。また、多く配合しすぎると、すなわち塗りムラが著しくなるおそれがあり、重ね塗りができず水性フロアーポリッシュ組成物としての機能が著しく低下するおそれがある。さらに乾燥後のポリッシュ皮膜に芳香成分がブリードし皮膜を膨潤させ、滑り、べたつきによる床の汚染現象が起きてしまい、本来の水溶性フロアーポリッシュとしての光沢度、耐ブラックヒールマーク性、耐スカッフ性、耐水性、再塗布性が劣りフロアーポリッシュとしての機能が著しく劣るおそれがある。
【0032】
上記「芳香性成分」としては、芳香剤として使用できるものであれば特に制限されない。例えば、「Perfume and Flavor Chemicals 」,Vol.Iand II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994);「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996);「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989);「周知・慣用技術集(香料)第I部」(平成11年1月29日、特許庁発行)などの文献に記載されている公知の合成香料及び天然香料を挙げることができる。
【0033】
具体的には、エステル類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アセタール類、フェノール類、エーテル類、ラクトン類、フラン類、炭化水素類、酸類、及び天然香料などを使用できる。
【0034】
エステル類としては、例えば、アクリル酸エステル(メチル、エチル等)、アセト酢酸エステル(メチル、エチル等)、アニス酸エステル(メチル、エチル等)、安息香酸エステル(アリル、イソアミル、エチル、ゲラニル、リナリル、フェニルエチル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、ベンジル、メチル等)、アントラニル酸エステル(シンナミル、シス−3−ヘキセニル、メチル、エチル、リナリル、イソブチル等)、N−メチルアントラニル酸エステル(メチル、エチル等)、イソ吉草酸エステル(アミル、アリル、イソアミル、イソブチル、イソプロピル、エチル、オクチル、ゲラニル、シクロヘキシル、シトロネリル、テルペニル、リナリル、シンナミル、フェニルエチル、ブチル、プロピル、ヘキシル、ベンジル、メチル、ロジニル等)、イソ酪酸エステル(イソアミル、ゲラニル、シトロネリル、テルペニル、シンナミル、オクチル、ネリル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェノキシエチル、ブチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、ベンジル、メチル、エチル、リナリル、ロジニル等)、ウンデシレン酸エステル(アリル、イソアミル、ブチル、エチル、メチル等)、オクタン酸エステル(アリル、イソアミル、エチル、オクチル、ヘキシル、ブチル、メチル、リナリル等)、オクテン酸エステル(メチル、エチル、等)、オクチンカルボン酸エステル(メチル、エチル等)、カプロン酸エステル(アリル、アミル、イソアミル、メチル、エチル、イソブチル、プロピル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、トランス−2−ヘキセニル、リナリル、ゲラニル、シクロヘキシル等)、ヘキセン酸エステル(メチル、エチル等)、吉草酸エステル(アミル、イソプロピル、イソブチル、エチル、シス−3−ヘキセニル、トランス−2−ヘキセニル、シンナミル、フェニルエチル、メチル等)、ギ酸エステル(アニシル、イソアミル、イソプロピル、エチル、オクチル、ゲラニル、シトロネリル、シンナミル、シクロヘキシル、テルペニル、フェニルエチル、ブチル、プロピル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、ベンジル、リナリル、ロジニル等)、クロトン酸エステル(イソブチル、エチル、シクロヘキシル等)、ケイ皮酸エステル(アリル、エチル、メチル、イソプロピル、プロピル、3−フェニルプロピル、ベンジル、シクロヘキシル、メチル等)、コハク酸エステル(モノメンチル、ジエチル、ジメチル等)、酢酸エステル(アニシル、アミル、α−アミルシンナミル、イソアミル、イソブチル、イソプロピル、イソボルニル、イソオイゲニル、オイゲニル、2−エチルブチル、エチル、3−オクチル、p−クレジル、o−クレジル、ゲラニル、α−又はβ−サンタリル、シクロヘキシル、シクロネリル、ジヒドロクミニル、ジメチルベンジルカルビニル、シンナミル、スチラリル、デシル、ドデシル、テルペニル、グアイニル、ネリル、ノニル、フェニルエチル、フェニルプロピル、ブチル、フルフリル、プロピル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、トランス−2−ヘキセニル、シス−3−ノネニル、シス−6−ノネニル、シス−3,シス−6−ノナジエニル、3−メチル−2−ブテニル、ヘプチル、ベンジル、ボルニル、ミルセニル、ジヒドロミルセニル、ミルテニル、メチル、2−メチルブチル、メンチル、リナリル、ロジニル等)、サリチル酸エステル(アリル、イソアミル、フェニル、フェニルエチル、ベンジル、エチル、メチル等)、シクロヘキシルアルカン酸エステル(シクロヘキシル酢酸エチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シクロヘキシル酪酸アリル、シクロヘキシルへキサン酸アリル、シクロヘキシルデカン酸アリル、シクロヘキシル吉草酸アリル等)、ステアリン酸エステル(エチル、プロピル、ブチル等)、セバシン酸エステル(ジエチル、ジメチル等)、デカン酸エステル(イソアミル、エチル、ブチル、メチル等)、ドデカン酸エステル(イソアミル、エチル、ブチル等)、乳酸エステル(イソアミル、エチル、ブチル等)、ノナン酸エステル(エチル、フェニルエチル、メチル等)、ノネン酸エステル(アリル、エチル、メチル等)、ヒドロキシヘキサン酸エステル(エチル、メチル等)、フェニル酢酸エステル(イソアミル、イソブチル、エチル、ゲラニル、シトロネリル、シス−3−ヘキセニル、メチル等)、フェノキシ酢酸エステル(アリル、エチル、メチル等)、フランカルボン酸エステル(フランカルボン酸エチル、フランカルボン酸メチル、フランカルボン酸ヘキシル、フランプロピオン酸イソブチル等)、プロピオン酸エステル(アニシル、アリル、エチル、アミル、イソアミル、プロピル、ブチル、イソブチル、イソプロピル、ベンジル、ゲラニル、シクロヘキシル、シトロネリル、シンナミル、テトラヒドロフルフリル、トリシクロデセニル、ヘプチル、ボルニル、メチル、メンチル、リナリル、テルペニル、α−メチルプロピオニル、β−メチルプロピオニル等)、ヘプタン酸エステル(アリル、エチル、オクチル、プロピル、メチル等)、ヘプチンカルボン酸エステル(アリル、エチル、プロピル、メチル等)、ミルスチン酸エステル(イソプロピル、エチル、メチル等)、フェニルグリシド酸エステル(フェニルグリシド酸エチル、3−メチルフェニルグリシド酸エチル、p−メチル−β−フェニルグリシド酸エチル等)、2−メチル酪酸エステル(メチル、エチル、オクチル、フェニルエチル、ブチル、ヘキシル、ベンジル等)、3−メチル酪酸エステル(メチル、エチル等)、酪酸エステル(アニシル、アミル、アリル、イソアミル、メチル、エチル、プロピル、オクチル、グアイニル、リナリル、ゲラニル、シクロヘキシル、シトロネリル、シンナミル、ネリル、テルペニル、フェニルプロピル、β−フェニルエチル、ブチル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、トランス−2−ヘキセニル、ベンジル、ロジニル等)、ヒドロキシ酪酸エステル(3−ヒドロキシ酪酸のメチル、エチル、メンチル等)などを使用できる。
【0035】
アルコール類としては、例えば、脂肪族アルコール(イソアミルアルコール 、2−エチルヘキサノール、1−オクタノール、3−オクタノール、1−オクテン−3−オール、1−デカノール、1−ドデカノール、2,6−ノナジエノール、ノナノール、2−ノナノール、シス−6−ノネノール、トランス−2,シス−6−ノナジエノール、シス−3,シス−6−ノナジエノール、ブタノール、ヘキサノール、シス−3−ヘキセノール、トランス−2−ヘキセノール、1−ウンデカノール、ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−メチル−1−ペンタノール等);テルペンアルコール(ボルネオール、イソボルネオール、カルベオール、ゲラニオール、α−又はβ−サンタロール、シトロネロール、4−ツヤノール、テルピネオール、4−テルピネオール、ネロール、ミルセノール、ミルテノール、ジヒドロミルセノール、テトラヒドロミルセノール、ネロリドール、ヒドロキシシトロネロール、ファルネソール、ペリラアルコール、ロジノール、リナロール等);芳香族アルコール(アニスアルコール、α−アミルシンナミックアルコール、イソプロピルベンジルカルビノール、カルバクロール、クミンアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、シンナミックアルコール、フェニルアリルアルコール、フェニルエチルカルビノール、β−フェニルエチルアルコール、3−フェニルプロピルアルコール、ベンジルアルコール等)などを使用できる。
【0036】
アルデヒド類としては、例えば、脂肪族アルデヒド(アセトアルデヒド、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、3,5,5−トリメチルヘキサナール,シス−3,シス−6−ノナジエナール、トランス−2,シス−6−ノナジエナール、バレルアルデヒド、プロパナール、イソプロパナール、ヘキサナール、トランス−2−ヘキセナール、シス−3−ヘキセナール、2−ペンテナール、ドデカナール、テトラデカナール、トランス−4−デセナール、トランス−2−トリデセナール、トランス−2−ドデセナール、トランス−2−ウンデセナール、2,4−ヘキサジエナール、シス−6−ノネナール、トランス−2−ノネナール、2−メチルブタナール、等);芳香族アルデヒド(アニスアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、α−メチルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、p−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、エチルバニリン、クミンアルデヒド、サリチルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、o−,m−またはp−トリルアルデヒド、バニリン、ピペロナール、フェニルアセトアルデヒド、ヘリオトロピン、ベンズアルデヒド、4−メチル−2−フェニル−2−ペンテナール、p−メトキシシンナミックアルデヒド、p−メトキシベンズアルデヒド等);テルペンアルデヒド(ゲラニアール、シトラール、シトロネラール、α−シネンサール、β−シネンサール、ペリラアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、テトラハイドロシトラール、ミルテナール、シクロシトラール、イソシクロシトラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、ネラール、α−メチレンシトロネラール、マイラックアルデヒド、ベルンアルデヒド、サフラナール等)などを使用できる。
【0037】
ケトン類としては、例えば、環式ケトン(1−アセチル−3,3−ジメチル−1−シクロヘキセン、シスージャスモン、α−,β−又はγ−イロン、エチルマルトール、シクロテン、ジヒドロヌートカトン、3,4−ジメチル−1,2−シクロペンタジオン、ソトロン、α−,β−,γ−又はδ−ダマスコン、α−,β−又はγ−ダマセノン、ヌートカトン、2−sec−ブチルシクロヘキサノン、マルトール、α−,β−又はγ−ヨノン、α−,β−又はγ−メチルヨノン、α―,β−又はγ−イソメチルヨノン、フラネオール、カンファ等);芳香族ケトン(アセトナフトン、アセトフェノン、アニシリデンアセトン、ラズベリーケトン、p−メチルアセトフェノン、アニシルアセトン、p−メトキシアセトフェノン等);鎖式ケトン(ジアセチル、2−ノナノン、ジアセチル、2−ヘプタノン、2,3−ヘプタンジオン、2−ペンタノン、メチルアミルケトン、メチルノニルケトン、β−メチルナフチルケトン、メチルヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、3−オクタノン、2,3−ヘキサンジオン、2−ウンデカノン、ジメチルオクテノン、6一メチル−5−ヘプテン−2−オン等)などを使用できる。
【0038】
アセタール類としては、例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタール、アセトアルデヒドジアミルアセタール、アセトアルデヒドジヘキシルアセタール、アセトアルデヒドプロピレシグリコールアセタール、アセトアルデヒドエチル シス−3−ヘキセニルアセタール、ベンズアルデヒドグリセリンアセタール、ベンズアルデヒドプロピレングリコールアセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、シトラールプロピレングリコールアセタール、シトラールエチレングリコールアセタール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、シトロネリルメチルアセタール、アセトアルデヒドフェニルエチルプロピルアセタール、ヘキサナールジメチルアセタール、ヘキサナールジヘキシルアセタール、ヘキサナールプロピレングリコールアセタール、トランス−2−ヘキセナールジエチルアセタール、トランス−2−ヘキセナールプロピレングリコールアセタール、シス−3−ヘキセナールジエチルアセタール、ヘプタナールジエチルアセタール、ヘプタナールエチレングリコールアセタール、オクタナールジメチルアセタール、ノナナールジメチルアセタール、デカナールジメチルアセタール、デカナールジエチルアセタール、2−メチルウンデカナールジメチルアセタール、シトロネラールジメチルアセタール、アンバーセージ(Givaudan社製)、アセト酢酸エチルエチレングリコールアセタールおよび2−フェニルプロパナールジメチルアセタールなどを使用できる。
【0039】
フェノール類としては、例えば、オイゲノール、イソオイゲノール、2−メトキシ−4−ビニルフェノール、チモール、カルバクロール、グアヤコールおよびチャビコールなどを使用できる。
【0040】
エーテル類としては、例えば、アネトール、1,4−シネオール、ジベンジルエーテル、リナロールオキシド、リモネンオキシド、ネロールオキシド、ローズオキシド、メチルイソオイゲノール、メチルチャビコール、イソアミルフェニルエチルエーテル、β−ナフチルメチルエーテル、フェニルプロピルエーテル、p−クレジルメチルエーテル、バニリルブチルエーテル、α−テルピニルメチルエーテル、シトロネリルエチルエーテル、ゲラニルエチルエーテル、ローズフラン、テアスピラン、デシルメチルエーテルおよびメチルフェニルメチルエーテルなどを使用できる。
【0041】
ラクトン類としては、例えば、γ−又はδ−デカラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−又はδ−ヘキサラクトン、γ−又はδ−オクタラクトン、γ−又はδ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトン、δ−2−デセノラクトン、メチルラクトン、5−ヒドロキシ−8−ウンデセン酸δ−ラクトン、ジャスミンラクトン、メンタラクトン、ジヒドロクマリン、オクタヒドロクマリンおよび6−メチルクマリンなどを使用できる。
【0042】
フラン類としては、例えば、フラン、2−メチルフラン、3−メチルフラン、2−エチルフラン、2,5−ジエチルテトラヒドロフラン、3−ヒドロキシ−2−メチルテトラヒドロフラン、2−(メトキシメチル)フラン、2,3−ジヒドロフラン、フルフラール、5−メチルフルフラール、3−(2−フリル)−2−メチル−2−プロペナール、5−(ヒドロキシメチル)フルフラール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン(フラネオール)、4,5−ジメチル−3−ヒドロキシ−2(5H)−フラノン(ソトロン)、2−エチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−3(2H)−フラノン(ホモフラノオール)、5−エチル−3−ヒドロキシ−4−メチル−2(5H)フラノン(ホモソトロン)、3−メチル−1,2−シクロペンタンジオン(シクロテン)、2(5H)−フラノン、4−メチル−2(5H)−フラノン、5−メチル−2(5H)−フラノン、2−メチル−3(2H)−フラノン、5−メチル−3(2H)−フラノン、2−アセチルフラノン、2−アセチル−5−メチルフラン、フルフリルアルコール、2−フランカルボン酸メチル、2−フランカルボン酸エチル及び酢酸フルフリルなどを使用できる。
【0043】
炭化水素類としては、例えば、α−又はβ−ビザボレン、β−カリオフィレン、p−サイメン、テルピネン、テルピノーレン、カジネン、ファルネセン、リモネン、オシメン、ミルセン、α−又はβ−ピネン、1,3,5−ウンデカトリエン及びバレンセンなどを使用できる。
【0044】
酸類としては、例えば、ゲラン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、乳酸、フェニル酢酸、ピルビン酸、トランス−2−メチル−2−ペンテン酸、2−メチル−シス−3−ペンテン酸、2−メチル−4−ペンテン酸及びシクロヘキサンカルボン酸などを使用できる。
【0045】
天然香料としては、例えば、アニス、オレンジ、レモン、ライム、マンダリン、プチグレイン、ベルガモット、レモンバーム、グレープフルーツ、エレミ、オリバナム、レモングラス、ネロリ、マジョラム、アンゲリカルート、スターアニス、バジル、ベイ、カラムス、カモミール、キャラウエイ、カルダモン、カッシャ、シナモン、ペッパー、シソ、サイプレス、オレガノ、カスカリラ、ジンジャー、パセリ、パインニードル、セージ、ヒソップ、ティートリー、マスタード、ホースラディッシュ、クラリセージ、クローブ、コニャック、コリアンダー、エストラゴン、ユーカリ、フェンネル、グアヤックウッド、ディル、カヤプテ、ワームシード、ピメント、ジュニパー、フェネグリーク、ガーリック、ローレル、メース、ミル、ナツメグ、スプルース、ゼラニウム、シトロネラ、ラベンダー、ラバンジン、パルマローザ、ローズ、ローズマリー、サンダルウッド、オークモス、シダーウッド、ベチバー、リナロエ、ボアドローズ、パチョリ、ラブダナム、クミン、タイム、イランイラン、バーチ、カプシカム、セロリ、トルーバルサム、ジェネ、インモルテル、ベンゾイン、ジャスミン、カッシー、チュベローズ、レセダ、マリーゴールド、ミモザ、オポポナックス、オリス、バニラ及びリコリスなどを使用できる。また、これらの天然香料に含有されている芳香成分を抽出して使用することもできる。
【0046】
これらの芳香成分は1種単独で使用してもよく、2種以上を任意に組み合わせて調香して使用することもできる。本発明の芳香成分の含有量は、使用する素材の種類等により異なるので一概にはいえないが、通常は0.1〜30質量%が好ましい。芳香成分の含有量が少なすぎると満足のいく香りの強さが得られない場合がある。また、芳香成分の含有量が多すぎると、芳香成分を可溶化するための界面活性剤の含有量が多くなり、使用時における芳香成分の揮散を阻害してしまう場合がある。芳香成分の含有量は、これらの点も考慮し、使用する芳香成分の種類等に応じて適宜選択することが望ましい。
【0047】
例えば、新築を感じさせる樹木の香りが望ましい場合は、α−ピネン、β−ピネン、サビネン及びα−テルピネンを含むテルペン系芳香成分を用いることができ、新鮮でさわやかな香りが好ましい場合には、リモネン、サイメン、シトラール、及びゲラニルニトリルを含む柑橘系の芳香成分を用いることができる。また、草や緑の葉を思わせる香りが望ましい場合は、青葉アルコール、青葉アルデヒド、ヘキサノール、及びヘキサナールを含むグリーンノートと言われる芳香成分を用いることができ、フレッシュで清涼感を与える香りが好ましい場合は、l(エル)−メントール、l(エル)−メントン、酢酸メンチル、及びプレゴンを含むミンティノートと言われる芳香成分を用いることができる。従来の芳香剤のようにトイレや車内のような狭い空間に芳香を漂わせるのとは異なり、広い室内全体を芳香で満たす為、どちらかというとフローラルノートと呼ばれる花の香りのような甘い香りや、化粧品等に使われているパウダリーノートと言われる白粉のような甘い粉っぽい香りよりもさっぱりしたタイプの香調の方が好ましい。
【0048】
ここで、調香のための一般的な匂いの分類について述べる。分類の方法は、調香を行う会社等において異なるが、例えば、以下の9つのカテゴリで構成されてもよい。
1.フローラル
2.フルーティ
3.ウッディ
4.ハーバル
5.スパイシー
6.スウィーティー
7.アニマリック
8.マリン
9.ミネラル
ここで、2.フルーティは、更に、柑橘類系、果樹系、赤い果物系の3つのグループに分かれる。また、柑橘類系には、レモン、ベルガモット、オレンジ、カボス、カヤ、グレープフルーツ、シトロネラ、タンジェリン、マンダリン、ユズ、ライム、レモングラス等のエッセンシャル・オイルの匂いのグループを含んでよい。
【0049】
例えば、レモンのエッセンシャルオイルでは、モノテルペン炭化水素類である、d−リモネン(60〜70%)、α−ピネン(〜3%)、β−ピネン(10〜15%)、γ−テルピネン(5〜15%)を、アルデヒド類である、シトラール(微量)を主な芳香成分として含む。ベルガモットのエッセンシャルオイルでは、モノテルペン炭化水素類である、リモネン(30〜40%)、γ−テルピネン(〜10%)を、エステル類である酢酸リナリル(20〜30%)を、モノテルペンアルコール類であるリナロール(10〜15%)を、フロクマリン類であるベルガプテン(〜5%)を、主な芳香成分として含む。オレンジのエッセンシャルオイルでは、モノテルペン炭化水素類である、リモネン(95〜96%)を、アルデヒド類である、シトラール(微量)を、主な芳香成分として含む。カボスのエッセンシャルオイルでは、モノテルペン炭化水素類である、リモネン、γ−テルピネン、α−ピネン、β−ファルネセン、β−カリオフィレンを、モノテルペンアルコール類である、ゲラニオールを、主な芳香成分として含む。カヤのエッセンシャルオイルでは、モノテルペン炭化水素類である、リモネン、α−ピネン、α−テルピネンを主な芳香成分として含む。グレープフルーツのエッセンシャルオイルでは、モノテルペン炭化水素類である、リモネン(95%〜)、ミルセン(〜2%)、α−ピネン(微量)、サビネン(微量)を、アルデヒド類である、シトラール(微量)、シトロネラール(微量)を、ケトン類である、ヌートカトン(微量)を、フロクマリン類である、ベルガモッチン(微量)、ベルガプテン(微量)を、主な芳香成分として含む。尚、グレープフルーツの香気の特徴は、ヌートカトンで、果汁中に約20ppm含まれる。シトロネラのエッセンシャルオイルでは、モノテルペンアルコール類である、ゲラニオール(15〜25%)、シトロネロール(5〜15%)を、アルデヒド類である、シトロネラール(5〜30%)を、モノテルペン炭化水素類である、リモネン(〜10%)、カンフェン(〜10%)を、主な芳香成分として含む。タンジェリンのエッセンシャルオイルでは、モノテルペン炭化水素類である、リモネンを、モノテルペンアルコール類である、リナロールを、主な芳香成分として含む。マンダリンのエッセンシャルオイルでは、モノテルペン炭化水素類である、d−リモネン(60〜80%)、γ−テルピネン(15〜20%)、α−ピネン(〜3%)、ミルセン(微量)、β−ピネン(微量)を主な芳香成分として含む。ユズのエッセンシャルオイルでは、モノテルペン炭化水素類である、リモネン(70〜80%)、α−ピネン(微量)、γ−テルピネン(〜10%)を、フェノール類である、チモール(微量)を、アルデヒド類である、シトラール(微量)を、主な芳香成分として含む。ライムのエッセンシャルオイルでは、モノテルペン炭化水素類である、リモネン、γ−テルピネンを主な芳香成分として含む。レモングラスのエッセンシャルオイルでは、アルデヒド類である、シトラール(70〜80%)を、モノテルペン炭化水素類である、リモネン(〜5%)を、モノテルペンアルコール類である、シトロネロール(〜10%)、ゲラニオール(〜5%)を、主な芳香成分として含む。上述のオイルをそれぞれ単品で又は複数組み合わせて適宜芳香成分として用いることができる。また、各オイル中の芳香成分を単種で又は種の組合せで適宜芳香成分として用いることができる。
【0050】
樹木系のオイルには、イニュラ、カユプテ、クロモジ、コウヤマキ、コパイバ、サイプレス、シダーウッド・アトラス、シベリアモミ、ジュニパーベリー、スギ、ティートリー、ニアウリ・シネオール、パイン、ヒノキ、ヒバ、プチグレイン、ブルーサイプレス、ホーリーフ、マートル、マヌカ、モミ、ユーカリ・グロブルス、ユーカリ・シトリオドラ、ユーカリ・ラディアータ、レモンマートル、ローズウッド等のオイルを含んでよい。ヒノキのオイルでは、モノテルペン炭化水素類であるα−ピネン(50〜60%)を、セスキテルペン炭化水素類であるカジネン(10〜20%)を、モノテルペンアルコール類であるボルネオール(微量)を、セスキテルペンアルコール類であるα−カジノール(5〜10%)を、主な芳香成分として含む。上述のオイルをそれぞれ単品で又は複数組み合わせて適宜芳香成分として用いることができる。また、各オイル中の芳香成分を単種で又は種の組合せで適宜芳香成分として用いることができる。
【0051】
界面活性剤の濃度が高まることによる使用時の芳香成分の揮散への悪影響、さらには香り立ちや香りの持続性への影響を抑えるため、芳香成分1重量部あたりの陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤の配合量はできるだけ少ないことが望ましい。芳香成分1重量部あたりの陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤の含有量の合計が0.3〜1.4重量部であることが好ましい。芳香成分1重量部あたりの陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤の合計含有量は少なければ少ないほど好ましく、芳香成分の種類又は含有量によっても異なるので一概にはいえないが、1.2重量部以下がより好ましく、1重量部以下がさらに好ましい。
【0052】
芳香成分1重量部あたりの陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤界面活性剤の合計含有量を上記範囲に調整することで使用している間に可溶化組成物の外観が損なわれることがない。芳香成分1重量部あたりの陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤の合計含有量が0.3重量部未満では芳香成分を透明な状態で可溶化できない場合がある。また、1.4重量部より多いと、界面活性剤の低減量が少なすぎて、界面活性剤を低減することによる効果を十分に得ることができない場合がある。
【0053】
可溶化組成物には、上記成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、他の成分を配合してもよい。
【0054】
例えば、必要に応じて、油溶性有機溶剤を配合してもよい。油溶性有機溶剤としては、イソパラフィン、パラフィン、リモネン、ピネン、トリエチルシトレート、安息香酸ベンジル、ミリスチン酸イソプロピル、トリアセチン、シリコン等が挙げられる。
【0055】
本発明の第7の側面に従う、芳香性フロアーポリッシュの製造方法は、アクリル樹脂を含有するエマルションを含むフロアーポリッシュの製造方法において、グリコール系融合剤に芳香成分を溶解して、その後得られる溶液を上記エマルションに配合することを特徴とする。上記グリコール系融合剤を使用せず、芳香成分のみを配合した場合は、フロアーポリッシュの貯蔵安定性が低下することがある。また、芳香成分を可溶化して添加せず、芳香成分とグリコール系融合剤を別々にエマルション等他の成分に配合した場合は、床面に塗布後の樹脂皮膜形成が著しく劣悪になり、フロアーポリッシュの本来の目的である床面の保護効果が著しく阻害される。
【0056】
上記グリコール系融合剤としては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル等のグリコール類を一種又は二種以上混合して使用することができる。芳香成分はこのグリコール系融合剤に比較的容易に溶解させることができ、この溶液は安定であって、予め適量を調製し、適宜エマルション等の他成分に配合すればよい。
【0057】
本発明の芳香性フロアーポリッシュは、フローリング等の木質系床材、ビニル床タイルやビニル床シート等のプラスチック系床材、および大理石や御影石等の石質系床材など各種の床材に適用することが出来る。使用に際しては床面に1回乃至数回塗布し、乾燥させるだけで光沢及び耐ブラックヒールマーク性、耐スカッフ性、再塗布性に優れた強靱な樹脂皮膜が形成される。また、形成された皮膜は好ましい芳香を放ち不快なタバコやスパイス等の生活臭、建材から発する可塑剤やモノマー等のいわゆる新建材の臭いに対して高いマスキング効果を示し、且つその芳香効果は長期に渡って維持される。