特許第6803670号(P6803670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6803670
(24)【登録日】2020年12月3日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】頭皮保護剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20201214BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20201214BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20201214BHJP
   A61K 8/84 20060101ALI20201214BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20201214BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   A61K8/31
   A61K8/37
   A61K8/73
   A61K8/84
   A61K8/36
   A61Q19/00
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-54487(P2016-54487)
(22)【出願日】2016年3月1日
(65)【公開番号】特開2017-155028(P2017-155028A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2019年2月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】595029222
【氏名又は名称】有限会社岡田技研
(74)【代理人】
【識別番号】100085202
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 博
(72)【発明者】
【氏名】岡田 徹
(72)【発明者】
【氏名】松岡 一之
【審査官】 星 浩臣
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2008−0070334(KR,A)
【文献】 特開2014−129295(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/116450(WO,A1)
【文献】 特開2008−133224(JP,A)
【文献】 特開2004−256411(JP,A)
【文献】 特開2012−250970(JP,A)
【文献】 特開2005−232075(JP,A)
【文献】 特開2004−339113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)炭化水素油およびトリグリセリドから選ばれた少なくとも1種の油成分(B)水溶性高分子(C)PH調整剤及び(D)β−グルカンを含有し、PHが3以上7未満である頭皮保護剤。
【請求項2】
水溶性高分子が、キサンタンガム、ポリアクリルアミド、無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体から選ばれた少なくとも1種である請求項の頭皮保護剤。
【請求項3】
PH調整剤が、オキシカルボン酸またはその塩から選ばれた少なくとも1種である請求項の頭皮保護剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪処理剤を施術する前に頭皮の保護を目的として、使用する頭皮保護剤に関する。
【背景技術】
【0002】
染毛等の前処理として、染毛剤から頭皮の保護を目的に、染毛剤の使用前に頭皮に塗布される薬剤が頭皮保護剤である。このような頭皮保護剤としては、流動パラフィンを主成分とするもの(特許文献1,2)や、植物油(特許文献3)、ポリシロキサン類(特許文献4)、流動パラフィンとポリグリセリン脂肪酸エステルの混合物(特許文献5)が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
染毛剤から頭皮を保護する保護剤としては、薬品による頭皮のヒリヒリ感、炎症を防止する機能を有する事は必須であるが、染髪阻害なく、また、頭皮が染髪剤により染着しない、加熱時に液だれしない、染髪処理剤塗布後の洗浄が容易である事等が望まれている。これらの要求の全てを満たすものがないという問題がある。
本発明は、上記、問題点を、解決した頭皮保護剤を提供することを技術課題とする。
【解決するための手段】
【0004】
本発明は、(A)油成分(B)水溶性高分子(C)PH調整剤からなる頭皮保護剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明の頭皮保護剤は、染毛時の前処理剤として使用することで、薬品による頭皮のヒリヒリ感、炎症を防止する機能を有し、また、染着がなく、染髪処理剤塗布後の洗浄が容易である優れた頭皮保護剤である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の頭皮保護剤は、(A)油成分(B)水溶性高分子(C)PH調整剤が含有される。さらに好ましくはβ−グルカンが含有される。頭皮保護剤は染毛等の毛髪処理剤による施術前に頭皮に塗布される。
【0007】
本発明に用いられる油成分とは、水と相分離する疎水性物質であり、1気圧下、25℃の環境下において液状であれば特に限定されない。具体的には、α−オレフィンオリゴマー、流動イソパラフィン、流動パラフィン、イソヘキサデカン、水添ポリイソブテン、スクワラン等の炭化水素油、トリオクタン酸グリセリル、アボカド油、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、ダイズ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマシ油、綿実油、ミンク油等のトリグリセリド、オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ジオレイン酸プロピレングリコール、オレイン酸イソデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、イソステアリン酸プロピレングリコール等のエステル油、2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等の分岐又は不飽和の高級アルコール、ジメチルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーン油を挙げることができる。これらの中からI種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、炭化水素油、トリグリセリドが好ましい。
【0008】
油成分の含有量は、特に限定するものではないが、好ましい範囲としては0.1〜5%である。0.1%より少ない場合は保護剤としての機能が小さくなる。5%よりも多くても、その効果の向上は小さく経済的に得策ではない。
【0009】
本発明に用いられる水溶性高分子化合物は天然高分子、半合成高分子、合成高分子のいずれを用いてもよい。天然系はデンプン、セルロースガム、マンナン、マルメロ種子、ペクチン、グアガム、キサンタンガム、アルギン酸、アラビアガム、カラギーナ、トラガンガム、カラヤゴム、アカシヤゴム、ジュランガム、デキストラン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、クインスシード、アイリシュモス、タラガム、ガラクタン、ファーセレラン、トロロアオイ、プルラン、キチン、キトサン、寒天、カゼイン、ゼラチン、カチオン化グアガム、アニオン化グアガム。半合成系では、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化セルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸ナトリウムル、カルボキシメチルキトサンサクシナミド等が挙げられる。合成高分子としては、ポリアクリルアミド、カルボキシビニルポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VPコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ジアルキルポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンジオレイン酸メチルグルコシド、ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、無水マレイン酸―メチルビニルエーテル共重合体、合成スメクタイト等が例示できる。これらの中からI種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、キサンタンガム、ポリアクリルアミド、無水マレイン酸―メチルビニルエーテル共重合体が好ましい。
【0010】
水溶性高分子の含有量は、特に限定するものではないが、好ましい範囲としては0.1〜5%である。より好ましくは0.5〜3%である。この範囲より少ない場合は被膜効果が充分ではなく保護剤としての機能が小さくなる。5%よりも多いと操作性が悪くなるおそれがある。
【0011】
本発明の、頭皮保護剤は弱酸性であり、PH調整剤により弱酸性に調整される。PH調整剤は、特に限定されず、種々の無機酸、有機酸、無機アルカリ、有機アルカリが例示できる。好ましくは、リンゴ酸、グリコール酸、クエン酸、乳酸及びグルコン酸などのオキシカルボン酸又はその塩、クエン酸―クエン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム―リン酸二ナトリウム、リン酸―カリウム―リン酸二ナトリウム、酢酸―酢酸ナトリウム、フタル酸水素カリウム―水酸化ナトリウム、クエン酸―リン酸ニナトリウム等の緩衝作用を有するものが挙げられる。より好ましくは、オキシカルボン酸又はその塩である。これらのPH調整剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0012】
本発明の、弱酸とはPHが3以上〜7未満の範囲である事が好ましい。この範囲を外れると、頭皮が炎症する等の悪影響が出てくる。ここで、本発明の頭皮保護剤のPHは25℃にて測定したときの値とする。
【0013】
本発明に用いられるβ−グルカンとは、グルコースがβ1,3−型で結合した多糖類であり、任意の植物、菌類、細菌由来であってもよいし、合成されたもの、例えばβ−グルカン合成酵素を用いて合成されたものであってもよい。β−グルカンの由来元は、例えばアガリクス、霊芝などのキノコ類、パン酵母、ビール酵母などの酵母が挙げられる。任意の植物、菌類、細菌に由来するβ−グルカンは、天然物であるため全ての結合がβ1,3型で結合していないものも含まれる。例えば酵母由来のβ−グルカンでは、β1,6型の結合が含まれることがあるが、そのようなものにおいても、主な結合がβ1,3型で結合されていれば、本発明のβ−グルカンに該当するものとする。また、カルボキシメチルβ−グルカンの様な誘導体も、本発明のβ−グルカンとして含む。
【0014】
β−グルカンの含有量は、特に限定するものではないが、好ましい範囲としては0.001〜1%である。この範囲より少ない場合は保護剤としての機能が小さくなる。1%よりも多くてもその効果の向上は小さく経済的に得策ではない。
【0015】
頭皮保護剤には、本発明の効果を阻害しない範囲において、更にその他の成分として、抗炎症剤、増粘剤、保湿剤、界面活性剤、ビタミンE等のビタミン類、防腐剤、キレート剤、香料、植物抽出物等の公知の添加剤が配合されてもよい。
【0016】
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール等のサリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン、インドメタシン、イブプロフェン、塩化リゾチーム、グアイアズレン、γ−オリザノール、酢酸トコフェロール、ビタミンB及びその誘導体、イオウ及びその誘導体、ウコン抽出物、キハダ(オウバク)抽出物、オトギリソウ抽出物、コンフリー(ヒレハリソウ)抽出物、クレソン抽出物、ワレモコウ(ジユ)抽出物、ニワトコ抽出物、ガマ(ホオウ)抽出物、ムクロジ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨモギ抽出物等が挙げられる。これらの抗炎症剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0017】
増粘剤としては、水溶性の増粘剤であればよく、例えば、カチオン性増粘タイプの水性ゲル化剤、アルカリ増粘タイプの水性ゲル化剤やセルロース系増粘剤が挙げられる。具体的には、カチオン性増粘タイプの水性ゲル化剤として、4級化ポリビニルピロリドン共重合体等の合成高分子、例えばポリクオタニウム−86(ビニルピロリドン、塩化1−メチル−3−ビニルイミダゾリン、ビニルイミダゾール及びメタクリル酸の共重合体)が挙げられる。アルカリ増粘タイプの水性ゲル化剤として、カルボキシビニルポリマーやアルキル変性カルボキシビニルポリマー等の合成高分子が挙げられる。これらの増粘剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0018】
保湿剤としては、セラミド類、植物エキス、ヒアルロン酸ナトリウム、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンとその誘導体、ソルビトールとその誘導体、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、カルビトール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、糖アルコール(例えば、マルチトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、ラクチトールなど)、中鎖脂肪酸トリグリセライド、及び尿素等が挙げられる。これらの保湿剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0019】
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤等が挙げられるが、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が望ましい。非イオン界面活性剤としてはグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪アルコールエトキシレート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルグリコシド、両性界面活性としてはベタイン型、スルホベタイン型、アルキルベタイン型が挙げられる。
【0020】
本発明の頭皮保護剤の剤型としては特に限定されないが、使用性の点から、液状又はゲル状であることが好ましい。
【0021】
頭皮保護剤は、酸化染毛剤、毛髪脱色剤、酸性染毛料、一時着色料等の染毛剤やパーマネントウェーブ用剤、縮毛矯正剤等の毛髪処理剤による処理前において、頭皮に適量塗布される。毛髪処理剤による処理後においては、毛髪処理剤と共にシャンプー等により洗い流しても、水道水のみで洗い流してもよい。
【実施例】
【0022】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
[実施例1、2][比較例1、2]
表1に示す組成の頭皮保護剤を調製し、頭皮に調整した頭皮保護剤を塗布した。染毛剤として有効成分がアミノフェノール、トルエンジアミン、レゾルシンを含有したアルカリ溶液1剤と、過酸化水素を有効成分として含有する2剤とを混合した。混合した染毛剤をコームブラシにより毛髪に塗布し20分間放置後水洗した。表1に示す評価項目について、下記に示す方法で評価した。表中の数値は重量%を表す。
【0024】
〈使用後のヒリヒリ感〉
10名のパネラーの頭皮のヒリヒリ感を比較した。
評価基準
「5」 ヒリヒリ感がないと回答したパネラーが9名以上
「4」 ヒリヒリ感がないと回答したパネラーが7〜8名
「3」 ヒリヒリ感がないと回答したパネラーが4〜6名
「2」 ヒリヒリ感がないと回答したパネラーが2〜3名
「1」 ヒリヒリ感がないと回答したパネラーが1名以下
【0025】
〈使用後の頭皮の炎症〉
10名のパネラーの頭皮の炎症を比較した。
評価基準
「5」 炎症していないと回答したパネラーが9名以上
「4」 炎症していないと回答したパネラーが7〜8名
「3」 炎症していないと回答したパネラーが4〜6名
「2」 炎症していないと回答したパネラーが2〜3名
「1」 炎症していないと回答したパネラーが1名以下
【0026】
〈染毛後の洗い流し性〉
染毛後の水洗がしやすいか否かを10名のパネラーで評価した。
評価基準
「5」 水洗がしやすいと回答したパネラーが9名以上
「4」 水洗がしやすいと回答したパネラーが7〜8名
「3」 水洗がしやすいと回答したパネラーが4〜6名
「2」 水洗がしやすいと回答したパネラーが2〜3名
「1」 水洗がしやすいと回答したパネラーが1名以下
【0027】
〈染着防止効果〉
染毛後10名のパネラーの頭皮に染毛剤が染着しているか評価した。
評価基準
「5」 染着がほとんど無く、ほぼ完全に染着防止効果が認められたと回答したパネラ ーが9名以上
「4」 染着がほとんど無く、ほぼ完全に染着防止効果が認められたと回答したパネラ ーが7〜8名
「3」 染着がほとんど無く、ほぼ完全に染着防止効果が認められたと回答したパネラ ーが4〜6名
「2」 染着がほとんど無く、ほぼ完全に染着防止効果が認められたと回答したパネラ ーが2〜3名
「1」 染着がほとんど無く、ほぼ完全に染着防止効果が認められたと回答したパネラ ーが1名以下
【0028】
【表1】
【0029】
[実施例3〜9、比較例3]
表2に示す組成の頭皮保護剤を調整した。なお、頭皮保護剤のPHはPH調整剤として、実施例3,4、比較例3はグルコン酸―グルコン酸塩、実施例5〜7はクエン酸―クエン酸塩、実施例8はリンゴ酸により、表2に記載した値に調整した。得られた頭皮保護剤のヒリヒリ感、炎症緩和効果を、染毛剤のパッチテストに準拠して評価した。評価結果を表2に示す。
【0030】
<ヒリヒリ感、炎症緩和効果テスト方法>
10名のパネラーの腕の内側に6cm×6cmの処理区内を設定し、実施例、および比較例のいずれかの頭皮保護剤(0.05g)を均一に塗布した。その後、各処理区内に実施例1で使用した染毛剤と同一の染毛剤を10円硬貨大にうすくぬり、頭皮保護剤によるヒリヒリ感の緩和効果、48時間放置後の炎症緩和効果を比較した。
【0031】
〈使用後のヒリヒリ感〉
10名のパネラーにより染毛剤塗布区内のヒリヒリ感を比較した。
評価基準
「5」 ヒリヒリ感がないと回答したパネラーが9名以上
「4」 ヒリヒリ感がないと回答したパネラーが7〜8名
「3」 ヒリヒリ感がないと回答したパネラーが4〜6名
「2」 ヒリヒリ感がないと回答したパネラーが2〜3名
「1」 ヒリヒリ感がないと回答したパネラーが1名以下
【0032】
〈使用後の炎症〉
10名のパネラーにより染毛剤塗布区内の炎症を比較した。
評価基準
「5」 炎症していないと回答したパネラーが9名以上
「4」 炎症していないと回答したパネラーが7〜8名
「3」 炎症していないと回答したパネラーが4〜6名
「2」 炎症していないと回答したパネラーが2〜3名
「1」 炎症していないと回答したパネラーが1名以下
【0033】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の頭皮保護剤を、染毛等の前処理剤として使用する事により、染毛時のヒリヒリ感、頭皮の炎症が緩和され、洗髪後の水洗が容易であり、頭皮への染着がなく染毛処理剤から頭皮の保護が格段に向上した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【特許文献1】特開2004−99515号公報
【特許文献2】特開2004−99516号公報
【特許文献3】特開2001−316236号公報
【特許文献4】特開2006−56848号公報
【特許文献5】特開2011−26258号公報