特許第6803687号(P6803687)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6803687車両用灯具の点灯制御装置、車両用灯具システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6803687
(24)【登録日】2020年12月3日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】車両用灯具の点灯制御装置、車両用灯具システム
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/34 20060101AFI20201214BHJP
【FI】
   B60Q1/34 A
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-118567(P2016-118567)
(22)【出願日】2016年6月15日
(65)【公開番号】特開2017-222259(P2017-222259A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2019年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】特許業務法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】四方 作刀志
(72)【発明者】
【氏名】吉田 篤史
【審査官】 當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−287476(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/019945(WO,A1)
【文献】 特開2008−189216(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第1594346(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体発光素子を有しており車両用灯具として用いられる光源の点消灯状態を制御するための装置であって、
前記光源から出射される光の光度を指示する制御信号を生成し出力する制御部と、
前記制御部から与えられる前記制御信号に基づいて前記光源を駆動する光源駆動部と、
を含み、
前記制御信号に基づいて前記光源駆動部により駆動されて前記光源から出射する光は、一定の光度変化パターンを一定の周期で繰り返すものであり、
前記光度変化パターンは、第1区間では実質的に瞬時に前記光度が最低値から最高値へ変化し、前記第1区間に続く第2区間では前記光度が前記最高値の状態を保ち、前記第2区間に続く第3区間では前記光度が前記最高値から前記最低値へ向けて漸減し、前記第3区間に続く第4区間では前記光度が前記最低値の状態を保つものであり
前記第3区間の時間は、前記第1区間と前記第2区間の合計時間よりも長い、
車両用灯具の点灯制御装置。
【請求項2】
前記第4区間の時間は、前記第1区間と前記第2区間の合計時間よりも長く、かつ前記第3区間の時間よりも短い、
請求項1に記載の車両用灯具の点灯制御装置。
【請求項3】
前記光度変化パターンは、前記第1区間において前記周期の長さの少なくとも1/500以下の時間で前記光度が最低値から最高値へ変化する、
請求項1又は2に記載の車両用灯具の点灯制御装置。
【請求項4】
前記光度変化パターンは、前記第1区間において1ミリ秒間以下の時間で前記光度が最低値から最高値へ変化する、
請求項1又は2に記載の車両用灯具の点灯制御装置。
【請求項5】
前記第1区間と前記第2区間の合計時間を少なくとも40ミリ秒間以上に設定する、
請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用灯具の点灯制御装置。
【請求項6】
前記第3区間の時間を少なくとも120ミリ秒間以上に設定する、
請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用灯具の点灯制御装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の車両用灯具の点灯制御装置と、
当該点灯制御装置によって制御される光源と、を備える
車両用灯具システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方向指示器などの用途で用いられる車両用灯具の点消灯を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
方向指示器(ウインカー)の用途として用いられる車両用灯具の従来例は、例えば特開2014−139941号公報(特許文献1)に開示されている。この従来例は、LEDを用いてヘッドライトやウィンカーなどを構成した場合において、それ以前のバルブランプを用いていた場合との輝度変化特性の相違によりユーザが感じる違和感を軽減することを意図したものである。具体的には、バルブランプを用いた灯具では、発光の立ち上がりに鈍りがあるとともに発光の立ち下がりでは穏やかな尾を引くという輝度変化特性を有するのに対して、LEDを用いた灯具はそのような輝度変化特性を有していないことから上記したユーザの違和感が発生する。このため、特許文献1に開示の従来例では、バルブランプの発光の立ち上がりおよび立ち下がりを模した光エネルギー変化で点滅を行うようにLEDを制御している(特許文献1の段落0014、0015等参照)。
【0003】
ところで、LEDなど半導体発光素子は、本来的に急峻な輝度変化特性を有しているのであるから、当該特性を上手く活用すれば、方向指示器等として用いる場合における視認性の向上に寄与し得ると考えられる。しかしながら、特許文献1に開示の従来例では、バルブランプを模した輝度変化特性を達成するに留まるため、視認性の向上という観点ではバルブランプを用いる場合と変わりがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−139941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明に係る具体的態様は、LED等を用いて構成される車両用灯具の発光時における視認性の向上と違和感の軽減を両立し得る技術を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る一態様の点灯制御装置は、半導体発光素子を有しており車両用灯具として用いられる光源の点消灯状態を制御するための装置であって、(a)前記光源から出射される光の光度を指示する制御信号を生成し出力する制御部と、(b)前記制御部から与えられる前記制御信号に基づいて前記光源を駆動する光源駆動部と、を含み、(c)前記制御信号に基づいて前記光源駆動部により駆動されて前記光源から出射する光は、一定の光度変化パターンを一定の周期で繰り返すものであり、(d)前記光度変化パターンは、第1区間では実質的に瞬時に前記光度が最低値から最高値へ変化し、前記第1区間に続く第2区間では前記光度が前記最高値の状態を保ち、前記第2区間に続く第3区間では前記光度が前記最高値から前記最低値へ向けて漸減し、前記第3区間に続く第4区間では前記光度が前記最低値の状態を保つものであり、(e)前記第3区間の時間は、前記第1区間と前記第2区間の合計時間よりも長い、車両用灯具の点灯制御装置である。
【発明の効果】
【0007】
上記構成によれば、LED等を用いて構成される車両用灯具の発光時における視認性の向上と違和感の軽減を両立し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態の車両用灯具システムの構成を示す図である。
図2図2は、点消灯指示部による点消灯制御の方法について説明するための図である。
図3図3は、光源から出射する光の光度の時間変化を示す図である。
図4図4は、光度変化の各区間の長さの好適値についての官能評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、一実施形態の車両用灯具システムの構成を示す図である。図示の車両用灯具システムは、車両の方向指示器(ターンランプ)として用いられるものであり、点灯制御装置1と、この点灯制御装置1によって点灯制御される光源2を含んで構成されている。
【0010】
点灯制御装置1は、制御部10、LED駆動回路13、レギュレータ14、入力電圧検知部15、保護回路16、電圧変換部17を含んで構成されている。また、光源2は、1つ以上のLED(半導体発光素子)を含んで構成されている。
【0011】
制御部10は、例えばマイクロコンピュータに所定の動作プログラムを実行させることによって実現され、点灯制御装置1の全体動作を制御するものであり、機能ブロックとしての点消灯指示部11、断線検知部12を有する。
【0012】
点消灯指示部11は、LED駆動回路13に対して、光源2の点消灯状態を制御するための制御信号を出力する。具体的には、例えばLED駆動回路13が光源2の光度を電流の大きさによって制御する場合であれば、点消灯指示部11は、所望の光度に応じた電流を指示する制御信号を出力する。
【0013】
断線検知部12は、光源2の回路上に断線が生じた場合にそれを検知し、断線検知信号を点消灯指示部11へ出力する。この断線検知信号を受けた場合に、点消灯指示部11は、例えば光源2への電力供給を停止させるための制御信号をLED駆動回路13へ出力する。
【0014】
LED駆動回路13は、高電位端子30および基準電位端子31を介して供給される電圧(例えば車両バッテリから供給される電圧)を用い、点消灯指示部11から出力される制御信号に基づいて光源2の各LEDを所望の光度で点消灯させるための駆動電力を光源2へ供給する。
【0015】
レギュレータ14は、高電位端子30および基準電位端子31を介して供給される電圧を制御部10の動作に適した低電位電圧(例えば+5V)に変換して制御部10へ供給する。このレギュレータ14には、制御部10の異常動作を監視するためのウォッチドッグタイマが内蔵されている。
【0016】
入力電圧検知部15は、高電位端子30および基準電位端子31を介して供給される電圧が所定の大きさよりも低下した場合にそれを検知し、検知信号を制御部10へ出力する。
【0017】
保護回路16は、高電位端子30および基準電位端子31と接続されており、光源2が逆接続された際の保護を行い、あるいは点灯制御装置1や光源2へサージ電圧が入力されることを防ぐ。
【0018】
電圧変換部17は、断線検知部12から断線検知信号が出力された場合に、この断線検知信号の電圧を所定の大きさに変換して端子32へ出力する。端子32へ出力された断線検知信号は、例えば車両のインストルメントパネルに備わった警告灯を点灯させるために用いられる。
【0019】
図2は、点消灯指示部による点消灯制御の方法について説明するための図である。例えば、LED駆動回路13が光源2を電流制御可能なものであれば、点消灯指示部11は、図2(A)に示すように、LED駆動回路13の電流制御端子に対して所望の光度に対応した電流値を示す可変電圧の制御信号を与える。それにより、LED駆動回路13は、制御信号に応じた大きさの電流で光源2を駆動する。他方で、例えばLED駆動回路13が光源2をPWM(Pulse Width Modulation)制御可能なものであれば、点消灯指示部11は、図2(B)に示すように、LED駆動回路13のPWM制御端子に対して所望の光度に対応した電流値を示す可変パルス幅の制御信号を与える。それにより、LED駆動回路13は、制御信号に応じてPWM制御された電流で光源2を駆動する。
【0020】
図3は、光源から出射する光の光度の時間変化を示す図である。本実施形態では、LED駆動回路13によって光源2を駆動することにより、光源2から周期的に点滅を繰り返すように光を出射させている。そして、図3では周期的な点滅を繰り返す光の1周期分の光度変化を示している。図示のように、1周期の光度変化パターンは、A、B、C、Dの4つの区間を含んで構成されている。
【0021】
区間Aは、1周期中の始点(0秒時)から実質的に瞬時に光度が0%から100%へ変化する区間である。詳細には、区間Aとは、回路動作上のタイムラグなどの要因で、光源2の出射光の光度が0%から100%へ達するまでの間に必然的に発生する立ち上がり時間に対応している。
【0022】
区間Aに要する時間は、主に光源2に含まれるLEDの発光時の立ち上がり時間に対応した時間であるため、1周期に対応する時間よりも極めて短い。具体的には、本実施形態では、例えば光の繰り返し周波数として1Hz〜2Hzの範囲を想定しており、この場合における1周期は0.5秒間〜1秒間(500ミリ秒間〜1000ミリ秒間)となる。これに対して、区間Aの時間は、例えば数百マイクロ秒間〜1ミリ秒間程度となる。すなわち、区間Aの時間は、周期に対して少なくとも周期の1/500以下の長さに設定される。
【0023】
ここで、本明細書において「光度100%」とは、光源2の通常の点消灯動作時において最大値と設定している光度が出射している状態をいい、例えば光源2の各LEDの定格における最大光度が出射している状態をいう。また、本明細書において「光度0%」とは、光源2の点消灯動作時において消灯している状態をいい、例えば光源2の各LEDの光度が0となっている状態をいうが、これ以外にも人間の目で点灯を感得できない程度に光度が低くなった状態であってもよい。
【0024】
区間Bは、区間Aに続く区間であり、光源の出射光の光度が100%へ達した後、その状態(光度100%の状態)が維持される区間である。区間Bは、1周期の始点である時刻0から始まり区間Aを挟んで予め定めた終点である時刻t1まで継続する。なお、光度については、実際には電源電圧の増減などの影響により光度が増減する場合も考えられるが、そのような本来意図していない光度の増減がある場合も含めて光度100%の状態が維持されているものとみなす。具体的には、例えば、光源2の点消灯動作時において最大値と設定している光度を基準に±10%の範囲内で光度が保たれている場合には、光度100%の状態が維持されているものとする。
【0025】
区間Cは、区間Bに続く期間であり、光源の出射光の光度が100%から0%へ漸減する区間である。区間Cは、区間Bの終点である時刻t1を始点とし、予め定めた終点である時刻t2まで継続する。図示のように、この区間Cは区間A,Bの合計時間よりも時間が長いことが好ましく、例えば区間A,Bの合計時間よりも区間Cの時間を3倍以上とすることが好ましい。なお、図示の例では、区間Cにおける光度変化は、区間Cの始点からの光度の減少率が大きく、区間Cの終点に向かうにつれて光度の減少率が小さくなる曲線状の変化であるが、これに限定されない。例えば、区間Cの始点からの光度の減少率が小さく、区間Cの終点に向かうにつれて光度の減少率が大きくなる曲線状の変化であってもよいし、光度が一定割合で減少する直線状の変化であってもよい。
【0026】
区間Dは、区間Cに続く期間であり、光源の出射光が0%に達した後、その状態(光度0%の状態)が維持される区間である。区間Dは、区間Cの終点である時刻t2を始点とし、1周期の終わりまで継続する。この区間Dが終了した後は、次の1周期の区間Aへ続く。
【0027】
上記した本実施形態の車両用灯具システムにおける1周期の光度変化の特徴は以下の通りである。まず、区間A〜Bでは、光源2に含まれる各LEDの本来的な特徴である発光の立ち上がりの急峻さを活かして、速やかに光度100%の状態とし、その状態が維持される。それにより、従来の一般的なLEDを用いたターンランプと同等の視認性を得られるようにすることができる。すなわち他者がターンランプにより早く気づくことができるようにすることができる。
【0028】
ここで、単純な矩形波を用いた駆動方法によってLEDを駆動するターンランプでは、光度100%の状態が点灯時から消灯時まで継続するため、1周期内での全体的な光量(積分値としての光量)が大きくなり、観察者へ鋭い眩しさを感じさせてしまう。これに対して、区間Cでは、光度を100%から0%へ漸減させているので、眩しさが低減される。さらに、区間Dとして光度を0%の状態で維持する期間を設けているので、次周期の区間A(瞬時に点灯が開始される区間)がより際だち、点滅が分かりやすくなる。これらにより、観察者の目に優しい点滅状態を実現することができる。
【0029】
また、区間A〜Dの全体として見れば、光度が急峻に立ち上がった後、相対的に長い時間をかけて光度が漸減するので、従来の単純にLEDを用いたターンランプの光度変化とは異なり、またバルブランプを用いたターンランプやそれを模したターンランプの光度変化とも異なる新規な点滅発光表現が実現される。
【0030】
図4は、光度変化の各区間の長さの好適値についての官能評価結果を示す図である。ここでは、7人の被験者を対象として、各区間の長さの好適値を評価した。なお、評価においては10ミリ秒間を最小単位として各区間の長さを可変に設定した。また、平均を求める際には、各被験者から得られたデータのうち最大値と最小値を除いた5つのデータを用いて計算した。また、光度変化における時刻t1、t2の基準値をそれぞれ100ミリ秒、460ミリ秒に設定した。また、区間Aに要する時間は約0.2ミリ秒間であった。また、以下の評価では1周期を667ミリ秒間(周波数1.5Hzに対応)に設定した。
【0031】
t1minは、区間B(第2区間)の終点t1の最小値として好適な値を評価した結果である。ここでは、時刻t1を100ミリ秒から10ミリ秒ごとに減少し、7人の被験者による評価を行った。ここでの評価基準は、区間A,Bでの光について各被験者が「明らかに暗い、あるいは気づき難い」と感じたことである。各被験者の評価結果を平均すると、t1min=40ミリ秒という値が得られた。この結果から、区間A,Bの合計時間T1、すなわち時刻0から時刻t1までの時間T1の最小値として好適な値は40ミリ秒間であることが分かる。
【0032】
t2maxは、時刻t1を100ミリ秒で固定し、区間C(第3区間)の終点t2の最大値として好適な値を評価した結果を示している。ここでは、時刻t2を460ミリ秒から10ミリ秒ごとに増加し、7人の被験者による評価を行った。ここでの評価基準は、区間Cでの光について各被験者が「明らかに点滅が分かりづらい」と感じたことである。各被験者の評価結果を平均すると、t2max=596ミリ秒という値が得られた。この結果から、区間Cの時間T2、すなわち時刻t1から時刻t2までの時間T2の最大値として好適な値は496ミリ秒間(=596ミリ秒−100ミリ秒)であることが分かる。
【0033】
t1maxは、時刻t2を460ミリ秒で固定し、区間Bの終点t1の最大値として好適な値を評価した結果である。ここでは、時刻t1を100ミリ秒から10ミリ秒ごとに増加し、7人の被験者による評価を行った。ここでの評価基準は時刻t1の増加に伴って相対的に短くなる区間Cでの光について各被験者が「徐々に消える(漸減する)ように見えない」と感じたことである。各被験者の評価結果を平均すると、t1max=340ミリ秒という値が得られた。この結果から、区間Cの時間T2、すなわち時刻t1から時刻t2までの時間T2の最小値として好適な値は120ミリ秒間(=460ミリ秒−340ミリ秒)であることが分かる。別言すると、この結果からは、区間Cの時間T2の最小値は、区間A,Bの合計時間T1の最小値の3倍以上であることが好ましいといえる。
【0034】
t2minは、時刻t1を100ミリ秒で固定し、区間Cの終点t2の最小値として好適な値を評価した結果である。ここでは、時刻t2を460ミリ秒から10ミリ秒ごとに減少し、7人の被験者による評価を行った。ここでの評価基準は時刻t2の減少に伴って相対的に短くなる区間Cでの光について各被験者が「徐々に消える(漸減する)ように見えない」と感じたことである。各被験者の評価結果を平均すると、t2min=260ミリ秒という値が得られた。この結果から、区間Cの時間T2、すなわち時刻t1から時刻t2までの時間T2の最小値として好適な値は160ミリ秒間(=260ミリ秒−100ミリ秒)であることが分かる。別言すると、この結果からは、区間Cの時間T2の最小値は、区間A,Bの合計時間T1の最小値の4倍以上であることが好ましいといえる。
【0035】
なお、上記評価では1周期を667ミリ秒間(周波数1.5Hzに対応)に設定したが、1周期の長さは、500ミリ秒間(周波数2Hzに対応)から1000ミリ秒間(周波数1Hzに対応)の間で設定することが可能であり、当該範囲においては上記した好適値が有効である。1周期の長さが変化しても、当該周期と区間A〜Cの合計時間(T1+T2)との差分に相当する時間を区間D(第4区間)の時間T3の長さとして設定することができるからである。
【0036】
以上のような実施形態によれば、光度が急峻に立ち上がりその後の一定期間は最高値に保たれることで観測者による視認性の向上が図られ、かつ、その後は光度が一定期間で漸減してから最低値で保たれることで観測者による違和感の軽減が図られる。したがって、LED等を用いて構成される車両用灯具の発光時における視認性の向上と違和感の軽減を両立し得る。
【0037】
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば上記実施形態では、車両用灯具の一例として方向指示器として用いられるものを示していたが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。
【符号の説明】
【0038】
1:点灯制御装置
2:光源
10:制御部
11:点消灯指示部
12:断線検知部
13:LED駆動回路
14:レギュレータ
15:入力電圧検知部
16:保護回路
17:電圧変換部
図1
図2
図3
図4