(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下は、本発明の実施の形態の説明である。
図1は実装システム1の構成の概略を示す構成図であり、
図2は実装システム1の電気的な接続関係を示すブロック図である。なお、本実施形態は、
図1の左右方向がX方向であり、前後方向がY方向であり、上下方向がZ方向である。実装システム1は、部品を基材S上に実装する複数の実装装置10と、実装装置10よりも基材搬送方向の下流側に設けられ、部品の実装状態を検査する検査装置70と、実装処理や検査処理に関する各種情報の管理を行う管理装置90とを備える。実装装置10は、部品を供給する部品供給装置として、部品を収容したテープリールから部品を供給する装置や、ウェハWが載置されるウェハパレットから部品(ダイD)を供給する装置などを備えており、本実施形態では、後者を説明する。
【0017】
実装装置10は、
図1に示すように、複数の部品(ダイD)に分割されたウェハWが載置されるウェハパレット13からダイDを供給する部品供給装置12と、平板状の基材Sを搬送する基材搬送装置20と、搬送された基材Sを保持する基材保持装置30と、部品供給装置12から供給されたダイDを吸着ノズル52で吸着することにより採取して基材S上に実装するヘッド50と、ヘッド50をXY方向に移動させる移動機構40と、基材Sの所定位置に付された基材IDを示すIDマークやウェハパレット13の所定位置に付されたウェハIDを示すIDマークなどを撮像可能なマークカメラ54と、吸着ノズル52に採取されたダイDを下方から撮像可能なパーツカメラ56と、実装装置10の全体の制御を司る実装制御装置60(
図2参照)とを備える。
【0018】
ウェハパレット13は、
図3に示すように、円形穴14aが開けられた矩形状のパレット本体14と、円形穴14aを塞ぐように伸張された状態でグリップリング16によりパレット本体14に固定された伸縮可能な粘着シート18とを備える。粘着シート18の上面には、多数の矩形状のダイDが形成されたウェハWが貼り付けられている。ダイDは、ウェハWを裁断する前にパターン印刷によって回路が形成され、その後、ウェハWを裁断することにより形成されたものである。また、ウェハパレット13の上面には、ウェハIDを示すIDマーク19が付されている。ウェハIDは、ウェハWの種類や製造番号などを示す。粘着シート18の下方には、図示しない突き上げピンが配置されている。突き上げピンは、ダイDが吸着ノズル52に吸着される際に、そのダイDを粘着シート18の下方から上方へ突き上げることにより粘着シート18からのダイDの剥離を容易にする。
【0019】
図4は、ウェハWから採取されるダイDの採取位置を示す説明図である。図示するように、ダイDの採取位置は、例えば、左上隅を基準位置(1,1)とし、ダイDのサイズに基づく座標間隔が定められたXY座標系における採取位置座標(X,Y)で示される。なお、図中「−」印は、ウェハWから外れた位置、あるいは、ウェハWの外縁付近でダイDの形状に欠けができる位置であり、ダイDが採取されないことを示す。ヘッド50(吸着ノズル52)は、例えば、
図4中の左から右へダイDを順に採取し、一ラインのダイDの採取が終了すると、一段下のラインに移って採取する処理を繰り返す。
【0020】
実装制御装置60は、
図2に示すように、CPU61を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPU61の他に、ROM62と、HDD63と、RAM64と、入出力インターフェース65とを備える。これらは、バス66を介して電気的に接続されている。実装制御装置60は、マークカメラ54からの画像信号やパーツカメラ56からの画像信号などが入出力インターフェース65を介して入力される。一方、実装制御装置60は、部品供給装置12への駆動信号や基材搬送装置20への駆動信号、基材保持装置30への駆動信号、移動機構40への駆動信号、ヘッド50への駆動信号などを入出力インターフェース65を介して出力する。また、実装制御装置60は、管理装置90と通信ネットワークを介して双方向通信可能に接続され、互いにデータや制御信号のやり取りを行う。また、実装制御装置60は、ウェハWの種類(ウェハWのサイズや裁断されたダイDのサイズ)に基づくダイDの採取位置座標マップをHDD63に記憶しており、ウェハWが供給されると、ウェハWの種類に応じた採取位置座標マップを読み出す。なお、採取位置座標マップは、オペレータにより入力されたものが記憶されている。
【0021】
検査装置70は、
図2に示すように、ダイDなどの部品が実装された基材Sを搬送する基材搬送装置72と、搬送された基材Sを保持する基材保持装置74と、ダイDなどの実装部品を検査するための検査用画像を撮像する検査カメラ78と、検査カメラ78をXY方向に移動させる移動機構76と、検査装置70の全体の制御を司る検査制御装置80とを備える。基材搬送装置72と基材保持装置74と移動機構76は、それぞれ、実装装置60の基材搬送装置20と基材保持装置30と移動機構40と同様に構成されている。
【0022】
検査制御装置80は、実装制御装置60と同様に構成されており、CPU81とROM82とHDD83とRAM84と入出力インターフェース85とを備える。これらは、バス86を介して電気的に接続されている。検査制御装置80は、検査カメラ78からの画像信号などが入出力インターフェース85を介して入力される。一方、検査制御装置80は、移動機構76への駆動信号や検査カメラ78への撮像信号などを入出力インターフェース85を介して出力する。また、検査制御装置80は、管理装置90と通信ネットワークを介して双方向通信可能に接続され、互いにデータや制御信号のやり取りを行う。
【0023】
管理装置90は、例えば、汎用のコンピュータであり、CPU91とROM92とHDD93とRAM94と入出力インターフェース95などを備える。これらは、バス96を介して電気的に接続されている。管理装置90は、マウスやキーボード等の入力デバイス97からの入力信号が入出力インターフェース95を介して入力される。一方、管理装置90は、ディスプレイ98への画像信号を入出力インターフェース95を介して出力する。HDD93は、基材Sの生産計画を記憶している。基材Sの生産計画は、実装装置10において基材Sの実装面のどの位置にどの部品(ダイD)をどの順番で実装するか、また、そのように部品を実装した基材Sを何枚作製するかなどを定めた計画をいう。また、生産計画は、基材Sの情報やウェハWの情報、部品(ダイD)の実装位置情報などが含まれる。これらは、オペレータの入力により取得される。また、管理装置90は、生産計画に従って部品が実装されるよう実装制御装置60に指令信号を出力したり、部品が実装された基材Sが検査されるよう検査制御装置80に指令信号を出力したりする。
【0024】
以下は、実装システム1の動作の説明である。まず、実装装置10が基材Sに部品(ダイD)を実装する部品実装処理を説明する。
図5は、実装制御装置60のCPU61により実行される部品実装処理の一例を示すフローチャートである。この部品実装処理では、CPU61は、まず、基材搬送装置20を制御して基材Sを基材保持装置30の上方まで搬入した後、基材保持装置30を制御して基材Sを保持する(S100)。次に、CPU61は、マークカメラ54で基材S上の所定位置にあるIDマークを撮像して基材IDを取得する(S105)。続いて、CPU61は、受信した指令信号に基づいて基材S上に部品を実装する実装位置情報を取得してから(S110)、吸着ノズル52に部品(ダイD)を吸着させることで部品を採取する部品採取処理を実行する(S115)。
【0025】
図6は、実装制御装置60のCPU61により実行される部品採取処理の一例を示すフローチャートである。部品採取処理では、CPU61は、まず、部品供給装置12から新たなウェハWが供給されたか否かを判定する(S200)。CPU61は、新たなウェハWが供給されたと判定すると、マークカメラ54でウェハパレット13上の所定位置にあるIDマーク19を撮像してウェハIDを取得する(S205)。そして、CPU61は、取得したウェハIDに基づくウェハ種に対応する採取位置座標をHDD63から読み出してダイDを採取するための座標系を更新し(S210)、HDD63から採取スキップ情報を読み出してスキップ位置を設定すると共に(S215)、採取位置座標(X,Y)を初期値に設定する(S220)。ここで、採取スキップ情報は、管理装置90からウェハWの種類と採取スキップ位置情報とを関連付けて送信される情報である。実装制御装置60のCPU61は、管理装置90から採取スキップ情報を受信すると、その採取スキップ情報をHDD63に記憶しておき、S215ではウェハ種に対応するスキップ情報の採取スキップ位置情報を読み出すものとした。なお、CPU61は、ウェハ種に対応する採取スキップ情報がHDD63に記憶されていなければ、S215をスキップする。また、CPU61は、S220では、ダイDを採取可能なウェハW上の座標のうち、最も左上となる採取位置座標を初期値に設定する。
【0026】
一方、CPU61は、S200で新たなウェハWではなく既にダイDを採取をしているウェハWが供給されていると判定すると、採取位置座標(X,Y)を次の採取位置に更新する(S225)。S225では、CPU61は、前回のダイDの採取位置座標に対し、X方向に値1だけインクリメントした隣接位置の採取位置座標が有効であれば、その位置に採取位置を更新し、隣接位置の採取位置座標が有効でなければ、Y方向に値1だけインクリメントすると共にX方向で部品を採取可能な最も左側の位置に採取位置を更新する。
【0027】
続いて、CPU61は、S220またはS225で設定した採取位置座標が、S215で読み出した採取スキップ位置に一致するか否かを判定し(S230)、一致すると判定すると、採取スキップ位置に一致しないと判定するまで、S225の採取位置座標(X,Y)の更新を繰り返す。これにより、CPU61は、管理装置90から送信された(HDD63に記憶された)採取スキップ情報が指定する採取スキップ位置から、吸着ノズル52がダイDを採取しないようにすることができる。このため、採取スキップ位置のダイDが基材Sに実装されるのを防止することができる。
【0028】
次に、CPU61は、マークカメラ54で今回の採取位置を含む所定範囲を撮像し(S235)、得られた画像を処理してダイDを採取可能であるか否かを判定する(S240)。CPU61は、ダイDが欠落していたり、ダイDに不良(割れ、欠け)が生じていたりするために、ダイDを採取可能でないと判定すると、再びS225に戻り、採取位置座標(X,Y)を更新する。一方、CPU61は、ダイDを採取可能であると判定すると、移動機構40を制御して吸着ノズル52が採取位置上に位置するようヘッド50を移動させ(S245)、ヘッド50を制御して吸着ノズル52でダイDを吸着することにより、採取位置座標(X,Y)のダイDを採取する(S250)。そして、CPU61は、S205で取得したウェハIDと、今回ダイDを採取した採取位置座標(X,Y)、即ち、S220またはS225で設定した最新の採取位置座標(X,Y)とを含む採取元情報を生成して(S255)、部品採取処理を終了する。
【0029】
図5の部品実装処理に戻って、CPU61は、次に、移動機構40を制御してヘッド50をパーツカメラ56の上方を経由して基材S上に移動させる(S120)。また、CPU61は、ヘッド50がパーツカメラ56の上方にあるときに、吸着ノズル52に吸着されているダイDをパーツカメラ56で撮像し、得られた画像を処理してダイD(吸着部品)の吸着状態を確認して(S125)、吸着部品に異常があるか否かを判定する(S130)。CPU61は、ダイDの姿勢不良や吸着ノズル52に対する位置ズレが許容範囲を超えているなどの異常があると判定すると、移動機構40を制御してヘッド50を所定の廃棄位置に移動させてダイDを廃棄し(S135)、S115に戻りダイDの採取をやり直してS120以降の処理を行う。
【0030】
一方、CPU61は、S130でダイDに異常がないと判定すると、ヘッド50を制御して吸着ノズル52で基材S上にダイDを実装する(S140)。続いて、CPU61は、S105で取得した基材IDと今回の実装位置情報とを含む実装先情報を生成して(S145)、採取元情報と実装先情報とを管理装置90に送信する(S150)。そして、CPU61は、基材S上に未実装のダイDがあるか否かを判定し(S155)、未実装のダイDがあれば、S115に戻りダイDを採取してS120以降の処理を行い、未実装のダイDがなければ、基材Sを搬出して(S160)、部品実装処理を終了する。
【0031】
次に、検査装置70が基材S上の実装部品(ダイD)の実装状態を検査する検査処理を説明する。
図7は、検査制御装置70のCPU71により実行される検査処理の一例を示すフローチャートである。この検査処理では、CPU71は、まず、基材搬送装置72を制御して基材Sを基材保持装置74の上方まで搬入した後、基材保持装置74を制御して基材Sを保持する(S300)。次に、CPU71は、検査カメラ78で基材S上のIDマークを撮像して基材IDを取得し(S305)、管理装置90から送信された指令信号に基づいて各部品の検査位置(実装位置情報)を取得する(S310)。
【0032】
そして、CPU71は、取得した検査位置に基づいて、検査カメラ78で基材S上の実装部品を撮像し、得られた画像を処理して実装部品の実装状態を検査する(S315)。続いて、CPU71は、検査結果に基づいて、検査結果が良好のダイDがあると判定すると(S320)、そのダイDの実装位置情報とS305で取得した基材IDと検査良好結果とを含むダイ検査情報を生成する(S325)。また、CPU71は、検査結果に基づいて、検査結果が不良のダイDがあると判定すると(S330)、そのダイDの実装位置情報とS305で取得した基材IDと検査不良結果とを含むダイ検査情報を生成する(S335)。そして、CPU71は、S325やS335で生成したダイ検査情報を管理装置90に送信して(S340)、検査処理を終了する。
【0033】
続いて、管理装置90が行う情報管理処理を説明する。
図8は、管理装置90のCPU91により実行される情報管理処理の一例を示すフローチャートである。この情報管理処理では、CPU91は、まず、
図5の部品実装処理のS150で実装装置10から送信される実装先情報および採取元情報を受信したか否かを判定する(S400)。実装先情報および採取元情報を受信したと判定すると、採取元情報のウェハIDと採取位置情報とを取得すると共に(S405)、実装先情報の基材IDと実装位置情報とを取得して(S410)、これらのウェハIDと採取位置情報と基材IDと実装位置情報とを互いに関連付けた実装実績情報をHDD93に記憶して(S415)、次の処理に進む。また、CPU91は、S400で実装先情報および採取元情報を受信してないと判定すると、S405〜S415をスキップして、次の処理に進む。
【0034】
ここで、
図9は、HDD93に記憶される実装実績情報の一例を示す説明図である。図示するように、ウェハIDが「W−A1−001」のウェハWから採取されたダイDの各採取位置と、実装先の情報(基材IDと実装位置情報)とが関連付けて記憶されている。このため、ダイDの実装先情報として基材IDと実装位置情報とが分かれば、ダイDの採取元情報、即ち、ダイDがどのウェハWのどの位置から採取されたかを特定することができる。なお、ウェハIDの「W−A1」は、ウェハ種を示し、「001」が製造番号を示す。また、実装位置情報の「C−0017」などは、基材S上の回路記号などを示すものであるが、採取位置と同様に、所定位置を基準とするXY座標で示すものとしてもよい。
【0035】
次に、CPU91は、
図7の検査処理のS340で検査装置70から送信されるダイ検査情報を受信したか否かを判定する(S420)。CPU91は、ダイ検査情報を受信したと判定すると、検査実績登録処理(S425)と、近傍ダイ情報出力処理(S430)と、統計情報出力処理(S435)と、採取スキップ情報出力処理(S440)とを実行して、情報管理処理を終了する。また、CPU91は、ダイ検査情報を受信してないと判定すると、S425〜S440をスキップして、情報管理処理を終了する。
【0036】
S425の検査実績登録処理は、検査結果を実装実績に関連付けて登録する処理であり、
図10のフローチャートに基づいて実行される。また、
図11は、検査結果情報が付加された実装実績情報の一例を示す説明図である。
図10の検査実績登録処理では、CPU91は、まず、受信したダイ検査情報の基材IDと実装位置情報と検査結果とを取得し(S500)、HDD93に記憶された実装実績情報を参照して基材IDと実装位置情報とに対応する採取元情報(ウェハIDと採取位置情報)とを読み出す(S505)。続いて、CPU91は、検査良好結果のダイDがあるか否かを判定し(S510)、検査良好結果のダイDがあると判定すると、そのダイDに対応するウェハIDと採取位置情報とを良好ダイ採取元位置情報として特定し(S515)、特定した良好ダイ採取元位置情報(ウェハIDと採取位置情報)に検査良好結果を関連付けて実装実績情報を更新して(S520)、次の処理に進む。
図11の例では、検査良好結果のダイDが、基材ID「B−001」の実装位置「C−0041」であれば、ウェハID「W−A1−001」の採取位置(7,2)が、良好ダイ採取元位置情報として特定されて、検査結果に「良好」が関連付けられる。なお、
図11で検査結果情報が空欄のものは、検査が未実行であることを示す。また、CPU91は、S510で検査良好結果のダイがないと判定すると、S515,S520をスキップして、次の処理に進む。
【0037】
次に、CPU91は、検査不良結果のダイDがあるか否かを判定し(S525)、検査不良結果のダイDがあると判定すると、そのダイDに対応するウェハIDと採取位置情報とを不良ダイ採取元位置情報として特定してディスプレイ98に表示し(S530)、特定した不良ダイ採取元位置情報(ウェハIDと採取位置情報)に検査不良結果を関連付けて実装実績情報を更新して(S535)、検査実績登録処理を終了する。
図11の例では、検査不良結果のダイDが、基材ID「B−001」の実装位置「C−0017」であれば、ウェハID「W−A1−001」の採取位置(6,2)が、不良ダイ採取元位置情報として特定されて、検査結果に「不良」が関連付けられる。なお、S530では、CPU91は、不良ダイ採取元位置情報をディスプレイ98に表示するものとしたが、不良ダイ採取元位置情報の特定に留めておき、作業者からの要求によってディスプレイ98に表示するものとしてもよい。また、CPU91は、S525で検査不良結果のダイがないと判定すると、S530,S535をスキップして、検査実績登録処理を終了する。
【0038】
S430の近傍ダイ情報出力処理は、検査結果が不良のダイDの近傍から採取された近傍ダイの情報を出力する処理であり、
図12のフローチャートに基づいて実行される。また、
図13は、近傍採取位置を選定する様子と近傍ダイ情報との一例を示す説明図である。
図12の近傍ダイ情報出力処理では、CPU91は、まず、
図10の検査実績登録処理で不良ダイ採取元情報が特定されたか否かを判定し(S600)、不良ダイ採取元情報が特定されてないと判定すると、そのまま近傍ダイ情報出力処理を終了する。一方、CPU91は、不良ダイ採取元情報が特定されたと判定すると、不良ダイ採取元情報として特定された採取位置に対し、所定の近傍範囲にある近傍採取位置を選定する(S605)。
図13(a)に示すように、近傍範囲は、例えば、不良ダイ採取元情報として特定された採取位置(Xi,Yj)を取り囲む8個の採取位置を含む範囲などとすることができる。
【0039】
CPU91は、近傍採取位置を選定すると、実装実績情報を参照して近傍採取位置に対応する基材IDと実装位置情報とを特定し(S610)、特定した基材IDと実装位置情報とを近傍ダイの実装先情報としてディスプレイ98に表示して(S615)、近傍ダイ情報出力処理を終了する。例えば、
図13(b)に示すように、不良ダイの採取位置情報(Xi,Yj)およびその実装先情報と共に、近傍ダイの採取位置情報およびその実装先情報(基材IDと実装位置情報)の一覧が表示される。
【0040】
ここで、ダイDの割れなどの不良は、ダイDの厚みや反りの影響などによって裁断時などに生じるダイDに起因するものと、実装装置10でダイDを採取(吸着)したり実装したりするときの吸着ノズル52の押し込み不良や突き上げピンの突き上げ不良などの設備に起因するものとがある。不良が生じたダイDと、近傍のダイDとは、厚みや反りが近似し、同時に裁断される。このため、ダイDを起因とする不良は、近傍のダイDにも同様に生じる可能性が高い。また、吸着ノズル52の押し込み不良や突き上げピンの突き上げ不良なども、ウェハWの全領域ではなく特定の領域に偏って生じることがある。このため、設備起因の不良も、近傍のダイDに同様に生じる可能性が高い。このように、ダイDに生じた不良は、近傍のダイDにも同様に生じている可能性が高いものといえる。また、これらの不良は、
図5の部品実装処理のS125,S130で発見されない可能性もある。このため、近傍ダイの実装先情報を出力することにより、近傍ダイに同様な不良が生じているか否かの追跡調査を可能として、品質向上や不良部品の流出防止を図ることができる。
【0041】
S435の統計情報出力処理は、検査結果の不良率を統計した統計情報を出力する処理であり、
図14のフローチャートに基づいて実行される。この統計情報出力処理では、CPU91は、まず、同種のウェハWについての統計情報をHDD93から読み出して(S700)、
図10の検査実績登録処理で良好ダイ採取元情報が特定されたか否かを判定する(S705)。CPU91は、良好ダイ採取元情報が特定されたと判定すると、良好ダイ採取元情報として特定された採取位置について統計情報における母数を値1だけインクリメントして更新し(S710)、次の処理に進む。また、CPU91は、良好ダイ採取元情報が特定されてないと判定すると、S710をスキップして、次の処理に進む。
【0042】
次に、CPU91は、検査実績登録処理で不良ダイ採取元情報が特定されたか否かを判定し(S715)、不良ダイ採取元情報が特定されたと判定すると、不良ダイ採取元情報として特定された採取位置について統計情報における母数と不良数とをそれぞれ値1だけインクリメントして更新し(S720)、次の処理に進む。また、CPU91は、不良ダイ採取元情報が特定されてないと判定すると、S720をスキップして、次の処理に進む。続いて、CPU91は、母数や不良数が更新された採取位置の不良率を算出し直すことで統計情報を更新してHDD93に記憶し(S725)、統計情報に基づく不良位置傾向マップをディスプレイ98に表示して(S730)、統計情報出力処理を終了する。
【0043】
図15は、不良統計情報と不良位置傾向マップとの一例を示す説明図である。
図15(a)の不良統計情報では、種類の同じ「W−A1」のウェハWの各採取位置におけるダイDの不良率を統計している。例えば、採取位置(6,2)から採取されたダイDは、母数300に対して不良数3であり、不良率が1.00%となっている。また、採取位置(7,2)から採取されたダイDは、母数280に対して不良数14であり、不良率が5.00%となっている。これらの統計情報は、検査実績が増えるにつれて順次更新される。また、
図15(b)に示すように、不良位置傾向マップは、ダイDの採取位置と、その位置における不良率とを示す。
図15(b)の例では、不良率を、高、中、低、値0(未集計含む)の4段階のレベルで示すことで、どの採取位置(採取範囲)から採取されたダイDの不良率が高いかという不良率の傾向を分かり易く示すことができる。
【0044】
S440の採取スキップ情報出力処理は、統計情報に基づいて不良率の高い採取位置からの部品(ダイD)の採取をスキップする指示を実装装置10に出力する処理であり、
図16のフローチャートに基づいて実行される。この採取スキップ情報出力処理では、CPU91は、まず、
図14の統計情報出力処理のS725で不良率が算出された採取位置を処理対象位置に設定し(S800)、処理対象位置の不良率が所定のスキップ閾値以上であるか否かを判定する(S805)。スキップ閾値は、例えば、
図15(b)の不良位置傾向マップで不良率が「高」と「中」との境に相当する不良率などとすることができる。こうすれば、不良率が「高」の採取位置から部品(ダイD)が採取されるのを防止することが可能となる。CPU91は、処理対象位置の不良率が所定のスキップ閾値以上であると判定すると、処理対象位置の母数が所定数以上であるか否か(S810)、処理対象位置が採取スキップ位置に設定済みであるか否か(S815)、をそれぞれ判定する。CPU91は、処理対象位置の母数が所定数以上であって、採取スキップ位置に設定していないと判定すると、処理対象位置を採取スキップ位置に設定し(S820)、ウェハ種と採取スキップ位置情報とを実装装置10に送信して(S825)、次の処理に進む。前述したように、実装装置10は、ウェハ種と採取スキップ位置情報とを含む採取スキップ情報をHDD93に登録しておき、同じウェハ種のウェハWが供給された場合には、
図6の部品採取処理のS215で読み出した採取スキップ位置からダイDを採取しないようにする。このため、管理装置90は、不良率が高い傾向にある採取位置からダイDが採取されないように指示することができるから、実装不良を低減させることができる。
【0045】
一方、CPU91は、処理対象位置の母数が所定数未満であると判定したり、処理対象位置が既に採取スキップ位置に設定されていると判定すると、S820,S825をスキップして、次の処理に進む。ここで、母数が所定数未満(例えば、数個〜十数個程度)などの場合、偶然に不良が1つ発見されただけでも、不良率が著しく高くなる。このため、不良率がスキップ閾値以上となり易く、不良位置の傾向を正確に反映した採取スキップができないことがある。したがって、CPU91は、不良率がスキップ閾値以上であっても、母数が所定数未満であれば、採取スキップ位置に設定しないのである。これにより、不良位置の傾向(統計情報)をより精度よく反映させて、不良が発生し易い採取位置からダイDの採取をスキップをすることができる。また、CPU91は、S805で処理対象位置の不良率がスキップ閾値以上でないと判定すると、S810〜S825をスキップして、次の処理に進む。CPU91は、これらの処理を、未処理の処理対象位置がないと判定するまで(S830)、繰り返してから、採取スキップ情報出力処理を終了する。
【0046】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の管理装置90が情報管理装置に相当し、
図8の情報管理処理のS405の処理を実行するCPU91が採取元情報取得手段に相当し、情報管理処理のS410の処理を実行するCPU91が実装先情報取得手段に相当し、情報管理処理のS415の処理を実行するCPU91と
図9の実装実績情報を記憶するHDD93とが記憶手段に相当する。
図10の検査実績登録処理のS500の処理(検査結果が不良の場合)を実行するCPU91が不良結果情報取得手段に相当し、検査実績登録処理のS530,S535の処理を実行するCPU91が採取元情報特定手段に相当する。
図12の近傍ダイ情報出力処理を実行するCPU91と
図13(b)の近傍ダイ情報を表示するディスプレイ98とが近傍部品情報出力手段に相当する。
図14の統計情報出力処理を実行するCPU91と
図15(b)の不良位置傾向マップを表示するディスプレイ98とが統計情報出力手段に相当する。
図16の採取スキップ情報出力処理を実行するCPU91が指示情報出力手段に相当する。なお、本実施形態は、管理装置90の動作を説明することにより本発明の情報管理方法の一例も明らかにしている。
【0047】
以上説明した本実施形態の管理装置90は、部品(ダイD)が基材Sに実装されると、実装部品の採取位置情報を含む採取元情報と、実装部品の実装位置情報を含む実装先情報とを取得して、両情報を関連付けた実装実績情報をHDD93に記憶するから、実装実績情報を参照して、実装部品の実装先情報から採取元情報をたどれば、実装部品が採取されたウェハWにおける採取位置を特定することができる。このため、例えば、実装部品に不良が生じた場合に、部品の採取位置と不良発生との関連の有無を調査するのに実装実績情報を用いることができる。
【0048】
また、管理装置90は、採取元情報には、ウェハWを識別するためのウェハIDを含み、実装先情報には、基材Sを識別するための基材IDを含み、部品(ダイD)が実装された基材Sの検査結果が不良結果の場合、不良とされた部品が実装された基材Sの基材IDと、不良とされた部品の実装位置情報とを含む検査情報を取得し、HDD93の実装実績情報を参照して、不良部品が採取された採取元のウェハWのウェハIDと、採取元のウェハWにおける不良部品の採取位置情報とを特定する。このため、不良部品が採取された採取元のウェハWと、採取元のウェハWにおける不良部品の採取位置情報とを特定することができるから、実装実績情報を不良原因の分析により役立つ情報とすることができる。
【0049】
また、管理装置90は、採取元のウェハWのウェハIDと、不良部品の採取位置情報とに基づいて、実装実績情報を参照して、採取元のウェハWにおける不良部品の採取位置に対し所定の近傍範囲となる近傍採取位置を選定し、近傍採取位置から採取された近傍部品(近傍ダイ)が実装された基材Sの基材IDと、基材における近傍部品の実装位置情報とを特定して近傍部品情報としてディスプレイ98に出力する。このため、近傍部品が実装された基材Sやその実装位置を特定することができるから、近傍部品の実装状態を追跡調査することができる。
【0050】
また、管理装置90は、採取元のウェハWのウェハIDと、不良部品の採取位置情報とに基づいて、同じ部品が採取される同種のウェハについて、採取位置毎の不良部品の発生に関する統計情報を作成してディスプレイ98に出力する。このため、発生した不良部品の採取位置の傾向を把握して、不良原因の分析や対策の検討などを行うことができる。
【0051】
また、管理装置90は、統計情報に基づいて同種のウェハにおける部品の採取位置のうち不良部品の発生率の高い採取位置を特定し、特定した採取位置から部品を採取しないよう指示する採取スキップ情報(指示情報)を実装装置に出力する。このため、不良部品の採取位置に一定の傾向が見られる場合、その採取位置を避けて部品を採取することができるから、不良部品が基材Sに実装されて不良基材が発生するのを抑制することができる。
【0052】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0053】
例えば、上述した実施形態では、不良のダイDの近傍範囲から採取された近傍ダイについて、近傍ダイの実装先情報を特定して出力するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、CPU91は、近傍ダイの実装が完了しているか否かを判定し、実装が完了していれば、近傍ダイの実装先情報を特定して出力し、実装が完了していなければ、近傍ダイの実装を中止するものなどとしてもよい。即ち、統計情報の不良率が所定のスキップ閾値以上となった採取位置をスキップ位置に設定するものに限られず、不良のダイDが検出されると、直ちにその周辺のダイDの採取をスキップするものとしてもよい。この場合、CPU91は、不良のダイDの近傍範囲の採取位置を採取スキップ位置に設定して、実装装置10に送信すればよい。また、不良のダイDが生じた場合に近傍ダイの実装中止を可能とするために、実施形態のように隣接するダイDを順次採取していくものに限られず、ダイDを所定数ずつ間隔を空けて採取していくものなどとしてもよい。
【0054】
上述した実施形態では、近傍ダイ情報を出力するためのダイDの検査結果として、検査装置70から送信されるダイ検査情報を用いるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、ダイDの検査結果として、ダイDが実装された基板Sが製品として出荷された後の製品出荷後の不良発生情報を用いるものとしてもよい。また、統計情報出力処理や採取スキップ情報出力処理でも、製品出荷後の不良発生情報を用いるものとしてもよい。
【0055】
上述した実施形態では、
図5の部品実装処理のS145では基材IDを実装先情報に含めたが、これに限られず、実装先情報に基材IDを含めずに実装位置情報のみを含めてもよい。また、
図6の部品採取処理のS255ではウェハIDを採取元情報に含めるものとしたが、これに限られず、採取元情報にウェハIDを含めずに採取位置情報のみを含めてもよい。このようにしても、例えば、実装直後に検査する場合など、ウェハWと基材Sとの対応が把握できる場合には、実装位置から採取位置を特定することができる。
【0056】
上述した実施形態では、
図8の情報管理処理でS425の検査実績登録処理を実行した後に、近傍ダイ情報出力処理と、統計情報出力処理と、採取スキップ情報出力処理との3つの処理を行うものとしたが、これに限られず、3つの処理のうちのいずれか1つまたは2つの処理、あるいは全ての処理を行わないものとしてもよい。なお、採取スキップ情報出力処理は、統計情報に基づいて行われるから、統計情報出力処理を行わない場合には、採取スキップ情報出力処理も行わないものとなる。その場合、
図6の部品採取処理のS215,S230を省略すればよい。