(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記電源線から供給された直流電力の電圧を示す入力電圧が所定の電圧閾値以上、且つ、前記負荷電流が前記所定の電流閾値以下である場合に、前記制御スイッチを導通させて、前記アクティブ抵抗を有効にする
ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチング電源装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態によるスイッチング電源装置について、図面を参照して説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態によるスイッチング電源装置1の一例を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、スイッチング電源装置1は、直流電源11と、抵抗12と、インダクタンス13と、平滑コンデンサ(14、24)と、スイッチング部15と、トランスTR1と、共振部16と、整流部21と、制御スイッチ22と、アクティブ抵抗23と、電圧検出部25と、電流検出部26と、制御部40とを備えている。スイッチング電源装置1は、例えば、LLC方式のDC/DCコンバータである。スイッチング電源装置1は、例えば、定格48Vの直流電圧を定格電圧160Vに昇圧し、インバータ部30(負荷部の一例)に供給する。
【0018】
直流電源11は、スイッチング電源装置1に直流電力を供給する電源であり、例えば、定格48Vのバッテリなどである。直流電源11は、抵抗12及びインダクタンス13を介した電源線L11と、電源線L12とにより、スイッチング部15に直流電力を供給する。
【0019】
抵抗12及びインダクタンス13は、電源線L11に直列に接続され、例えば、抵抗12及びインダクタンス13と後述する平滑コンデンサ14とによりローパスフィルタを構成する。
平滑コンデンサ14は、電源線L11と、電源線L12との間に接続され、直流電源11から供給される直流電圧(入力電圧)を平滑化する。
【0020】
スイッチング部15は、後述するトランスTR1の一次側コイルTR11に接続され、電源線L11から供給された直流電力をスイッチングして一次側コイルTR11に電力を供給する。スイッチング部15は、例えば、フルブリッジ方式のスイッチング部であり、MOSトランジスタ(151、152、153、154)と、PFM(パルス周波数変調)信号生成部155とを備えている。
【0021】
MOSトランジスタ(151、152、153、154)は、例えば、NMOSFET(N-Channel Metal-Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、フルブリッジ回路を構成する。MOSトランジスタ(151、152、153、154)は、スイッチング素子の一例である。
【0022】
MOSトランジスタ151は、ドレイン端子が電源線L11に、ソース端子がノードN1に、ゲート端子がPFM信号G1の信号線に、それぞれ接続されている。
MOSトランジスタ152は、ドレイン端子がノードN1に、ソース端子が電源線L12に、ゲート端子がPFM信号G2の信号線に、それぞれ接続されている。
MOSトランジスタ153は、ドレイン端子が電源線L11に、ソース端子がノードN2に、ゲート端子がPFM信号G3の信号線に、それぞれ接続されている。
MOSトランジスタ154は、ドレイン端子がノードN2に、ソース端子が電源線L12に、ゲート端子がPFM信号G4の信号線に、それぞれ接続されている。
【0023】
PFM信号生成部155は、制御部40による制御に基づいて、スイッチング部15をPFM制御するための、PFM信号(G1、G2、G3、G4)を生成し、上述したMOSトランジスタ(151、152、153、154)の各ゲート端子に供給する。
【0024】
トランスTR1は、一次側コイルTR11と、二次側コイルTR12とを有する。トランスTR1は、一次側コイルTR11にスイッチング部15によって供給される交流信号を、一次側コイルTR11と二次側コイルTR12との巻き数比に応じて、変換した交流信号を二次側コイルTR12に出力する。
【0025】
一次側コイルTR11は、共振部16を介してスイッチング部15に接続されている。すなわち、一次側コイルTR11は、共振部16を介して、第1端がノードN1に、第2端がノードN2に、それぞれ接続されている。
二次側コイルTR12は、整流部21に接続されている。すなわち、二次側コイルTR12は、第1端がノードN3に、第2端がノードN4に、それぞれ接続されている。
【0026】
共振部16は、トランスTR1に接続され、所定の共振周波数で共振する共振回路である。共振部16は、共振リアクトル161と、励磁インダクタンス162と、共振コンデンサ163とを備えている。共振部16は、例えば、共振リアクトル161と、励磁インダクタンス162と、共振コンデンサ163とによって、LLC共振回路を構成する。
【0027】
共振リアクトル161は、一次側コイルTR11に直列に接続されている。すなわち、共振リアクトル161は、ノードN1と、一次側コイルTR11の第1端との間に接続されている。なお、共振リアクトル161は、トランスTR1の寄生要素である一次側の漏れインダクタンスであってもよい。
【0028】
励磁インダクタンス162は、トランスTR1の寄生要素である一次側の励磁インダクタンスである。
共振コンデンサ163は、ノードN2と、一次側コイルTR11の第2端との間に接続されている。
【0029】
整流部21は、二次側コイルTR12に接続され、二次側コイルTR12が出力する電力を整流し、インバータ部30に直流電力を供給する。整流部21は、電源線L21と、電流検出部26を介した電源線L22とにより、インバータ部30に直流電力を供給する。整流部21は、ダイオード(211、212、213、214)を有するダイオードブリッジ回路を備えている。ここで、ダイオード(211、212、213、214)は、整流素子の一例である。
【0030】
ダイオード211は、アノード端子がノードN3に、カソード端子が電源線L21に、それぞれ接続されている。
ダイオード212は、アノード端子が電流検出部26を介した電源線L22に、カソード端子がノードN3それぞれ接続されている。
ダイオード213は、アノード端子がノードN4に、カソード端子が電源線L21に、それぞれ接続されている。
ダイオード214は、アノード端子が電流検出部26を介した電源線L22に、カソード端子がノードN4それぞれ接続されている。
【0031】
ダイオード211と、ダイオード212と、ダイオード213と、ダイオード214とは、ダイオードブリッジ回路を構成し、二次側コイルTR12から出力される交流信号を全波整流した直流電力を、電源線L21と電源線L22との間に出力する。
【0032】
制御スイッチ22は、電源線L21と電源線L22との間にアクティブ抵抗23に直列に接続され、アクティブ抵抗23を有効にするか否かを制御する。制御スイッチ22は、制御部40から出力される制御信号に基づいて、オン(ON)状態(導通状態)、又はオフ(OFF)状態(非導通情報)に制御される。
なお、以下の説明において、「アクティブ抵抗23を有効にする」とは、制御スイッチ22がオン状態になることにより、アクティブ抵抗23に電流が流れる状態にすることである。また、「アクティブ抵抗23を無効にする」とは、制御スイッチ22がオフ状態になることにより、アクティブ抵抗23に電流が流れない状態にすることである。
【0033】
アクティブ抵抗23は、インバータ部30と並列に接続された抵抗素子である。アクティブ抵抗23は、制御スイッチ22を介して、電源線L21と電源線L22との間に接続されている。また、アクティブ抵抗23は、電源線L21と電源線L22との間に、インバータ部30及び整流部21(ダイオード(211、212、213、214))に並列して接続されている。すなわち、アクティブ抵抗23は、ダイオード(211、212、213、214)の寄生容量と並列に接続されている。
【0034】
平滑コンデンサ24は、電源線L21と、電源線L22との間に接続され、整流部21から出力される直流電圧(出力電圧)を平滑化する。
電圧検出部25は、電源線L21と電源線L22との間のである、整流部21から出力される出力電圧Voutを検出する。電圧検出部25は、検出した出力電圧Voutを制御部40に出力する。
電流検出部26は、電源線L22に流れる電流である、インバータ部30に流れる負荷電流Idcを検出する。電流検出部26は、検出した負荷電流Idcを制御部40に出力する。
【0035】
制御部40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含むプロセッサであり、スイッチング電源装置1を統括的に制御する。制御部40は、例えば、スイッチング部15をパルス周波数変調(PFM)によって制御する。すなわち、制御部40は、電圧検出部25によって検出された出力電圧Voutに基づいて、所定の電圧範囲(例えば、出力電圧の定格電圧の範囲)に収まるように、PFM信号生成部155に制御信号を出力して、スイッチング部15をパルス周波数変調させる。
また、制御部40は、制御スイッチ22をオン(導通)又はオフ(非導通)にさせる制御を行い、アクティブ抵抗23を有効又は無効にする。
制御部40は、定電圧制御部41と、オンオフ制御部42とを備えている。
【0036】
定電圧制御部41は、電圧検出部25によって検出された出力電圧Voutが、所定の電圧範囲(例えば、出力電圧の定格電圧の範囲)に収まるように、PFM信号生成部155に制御信号を出力して、スイッチング部15をパルス周波数変調させる。ここで、定電圧制御部41は、出力電圧Voutが、例えば、定格電圧より高い場合に、出力電圧Voutが定格電圧になるように、PFM信号の周波数を高める制御を行う。また、定電圧制御部41は、出力電圧Voutが、例えば、定格電圧より低い場合に、出力電圧Voutが定格電圧になるように、PFM信号の周波数を低める制御を行う。
【0037】
オンオフ制御部42は、インバータ部30に流れる負荷電流Idcが所定の電流閾値以下である場合に、制御スイッチ22をオン(導通)させて、アクティブ抵抗23を有効にする。ここで、所定の電流閾値は、第1の電流閾値Ith1(例えば、1A(アンペア))であり、オンオフ制御部42は、電流検出部26によって検出された負荷電流Idcが第1の電流閾値Ith1以下(例えば、1A以下)である場合に、制御スイッチ22をオン(導通)させて、アクティブ抵抗23を有効にする。
【0038】
また、オンオフ制御部42は、電流検出部26によって検出された負荷電流Idcが第2の電流閾値Ith2以上(例えば、2A以上)になった場合に、制御スイッチ22をオフ(非導通)にさせて、アクティブ抵抗23を無効にする。ここで、第2の電流閾値Ith2(例えば、2A)は、第1の電流閾値Ith1より大きい電流値であり、第2の電流閾値Ith2以上の状態は、スイッチング電源装置1が軽負荷時でない通常状態(例えば、定格負荷時の状態)を示している。また、第1の電流閾値Ith1以下の状態は、スイッチング電源装置1が軽負荷時の状態を示している。
【0039】
インバータ部30(負荷部の一例)は、例えば、定格電圧160Vの直流電力から、定格電圧が交流(AC)100Vの交流電力を生成する。
【0040】
次に、図面を参照して、本実施形態によるスイッチング電源装置1の動作について説明する。
図2は、本実施形態によるスイッチング電源装置1の制御スイッチ22の制御の一例を示すフローチャートである。
【0041】
図2に示すように、制御スイッチ22によりアクティブ抵抗23を有効又は無効にする場合に、スイッチング電源装置1の制御部40は、まず、負荷電流Idcが電流閾値Ith1以下であるか否かを判定する(ステップS101)。制御部40のオンオフ制御部42は、電流検出部26によって検出された負荷電流Idcが第1の電流閾値Ith1以下(例えば、1A以下)であるか否かを判定する。オンオフ制御部42は、負荷電流Idcが第1の電流閾値Ith1以下である場合(ステップS101:YES、Idc≦Ith1)に、処理をステップS102に進める。また、オンオフ制御部42は、負荷電流Idcが第1の電流閾値Ith1より大きい場合(ステップS101:NO、Idc>Ith1)に、処理をステップS103に進める。
【0042】
ステップS102において、オンオフ制御部42は、制御スイッチ22をオンし、アクティブ抵抗23を有効にする。すなわち、オンオフ制御部42は、制御スイッチ22をオンにする制御信号を制御スイッチ22に出力して、制御スイッチ22をオン(導通)させる。これにより、アクティブ抵抗23に電流が流れて、電源線L21から電源線L22に、アクティブ抵抗23による所定の電流が流れる。このように、オンオフ制御部42は、軽負荷時に、制御スイッチ22をオン(導通)させて、アクティブ抵抗23を有効にさせる。ステップS102の処理後に、オンオフ制御部42は、処理をステップS101に戻す。
【0043】
また、ステップS103において、オンオフ制御部42は、負荷電流Idcが電流閾値Ith2以上であるか否かを判定する。オンオフ制御部42は、電流検出部26によって検出された負荷電流Idcが第2の電流閾値Ith2以上(例えば、2A以上)であるか否かを判定する。オンオフ制御部42は、負荷電流Idcが第2の電流閾値Ith2以上である場合(ステップS103:YES、Idc≧Ith2)に、処理をステップS104に進める。また、オンオフ制御部42は、負荷電流Idcが第2の電流閾値Ith2より小さい場合(ステップS103:NO、Ith1<Idc<Ith2)に、処理をステップS101に戻す。
【0044】
ステップS104において、オンオフ制御部42は、制御スイッチ22をオフし、アクティブ抵抗23を無効にする。すなわち、オンオフ制御部42は、制御スイッチ22をオフにする制御信号を制御スイッチ22に出力して、制御スイッチ22をオフ(非導通)にさせる。これにより、アクティブ抵抗23に電流が流れずに、電源線L21から電源線L22に、アクティブ抵抗23による電流が流れない状態になる。このように、オンオフ制御部42は、定格負荷時に、制御スイッチ22をオフ(非導通)にして、アクティブ抵抗23を無効にさせる。ステップS104の処理後に、オンオフ制御部42は、処理をステップS101に戻す。
【0045】
以上説明したように、本実施形態によるスイッチング電源装置1は、トランスTR1と、スイッチング部15と、整流部21と、アクティブ抵抗23と、制御スイッチ22と、制御部40とを備えている。トランスTR1は、一次側コイルTR11と、二次側コイルTR12とを有している。スイッチング部15は、一次側コイルTR11に接続され、電源線L11から供給された直流電力をスイッチングして一次側コイルTR11に電力を供給する。整流部21は、二次側コイルTR12に接続され、二次側コイルTR12が出力する電力を整流し、インバータ部30(負荷部)に直流電力を供給する。アクティブ抵抗23は、インバータ部30と並列に接続されている。制御部40は、インバータ部30に流れる負荷電流Idcが所定の電流閾値以下(Ith1以下)である場合に、制御スイッチ22をオン(導通)させて、アクティブ抵抗23を有効にする。
【0046】
これにより、本実施形態によるスイッチング電源装置1は、軽負荷時(例えば、負荷電流Idcが所定の電流閾値以下の場合)に、制御スイッチ22をオン(導通)させて、アクティブ抵抗23を有効にするため、例えば、整流部21のダイオード(211、212、213、214)の寄生容量による共振が抑制される。すなわち、本実施形態によるスイッチング電源装置1は、軽負荷時に、例えば、二次側の整流部21に用いたダイオード(211、212、213、214)の寄生容量と、共振リアクトルとの共振によって、出力電圧Voutが上昇することを抑制することができ、出力電圧Voutを適切に制御することができる。また、本実施形態によるスイッチング電源装置1は、例えば、定格負荷時に制御スイッチ22をオフ(非導通)にしてアクティブ抵抗23を無効にすることが可能であるため、定格負荷時の損失が低減される。よって、本実施形態によるスイッチング電源装置1は、定格負荷時の変換効率を低下させずに、軽負荷時に出力電圧を適切に制御することができる。
【0047】
また、本実施形態では、所定の電流閾値は、第1の電流閾値Ith1(例えば、1A)であり、制御部40は、負荷電流Idcが第1の電流閾値Ith1以下(例えば、1A以下)である場合に、制御スイッチ22をオン(導通)させて、アクティブ抵抗23を有効にする。制御部40は、負荷電流Idcが第1の電流閾値Ith1より大きい第2の電流閾値Ith2以上(例えば、2A以上)になった場合に、制御スイッチ22をオフ(非導通)にさせて、アクティブ抵抗23を無効にする。
これにより、本実施形態によるスイッチング電源装置1は、定格負荷時(例えば、負荷電流Idcが第2の電流閾値Ith2以上の場合)に、制御スイッチ22をオフ(非導通)させて、アクティブ抵抗23を無効にするため、アクティブ抵抗23による変換効率の低下を適切に抑制することができる。
【0048】
また、本実施形態によるスイッチング電源装置1は、トランスTR1に接続され、所定の共振周波数で共振する共振部16を備える。共振部16は、LLC共振回路であり、制御部40は、スイッチング部15をパルス周波数変調(PFM)によって制御する。
これにより、本実施形態によるスイッチング電源装置1は、パルス周波数変調(PFM)によって、出力電圧Voutを適切に制御することができる。
【0049】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態によるスイッチング電源装置1aについて説明する。上述した第1の実施形態では、負荷電流Idcに基づいて、制御スイッチ22を制御する例を説明したが、本実施形態によるスイッチング電源装置1aは、負荷電流Idcと、入力電圧Vinとに基づいて制御スイッチ22を制御する一例について説明する。
【0050】
図3は、第2の実施形態によるスイッチング電源装置1aの一例を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、スイッチング電源装置1aは、直流電源11と、抵抗12と、インダクタンス13と、平滑コンデンサ(14、24)と、スイッチング部15と、トランスTR1と、共振部16と、整流部21と、制御スイッチ22と、アクティブ抵抗23と、電圧検出部(17、25)と、電流検出部26と、制御部40aとを備えている。スイッチング電源装置1aは、第1の実施形態のスイッチング電源装置1と同様に、例えば、LLC方式のDC/DCコンバータである。
【0051】
本実施形態では、スイッチング電源装置1aが電圧検出部17を備える点が、第1の実施形態と異なるとともに、制御部40aによる制御スイッチ22の制御処理が第1の実施形態と異なる。その他の構成及び処理は、第1の実施形態と同様である。
なお、
図3において、
図1に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0052】
電圧検出部17は、直流電源11(電源線L11)から供給される直流電力の電圧を示す入力電圧Vinを検出する。ここで、入力電圧Vinは、電源線L11と電源線L12との間の電圧である。電圧検出部17は、検出した入力電圧Vinを制御部40aに出力する。
【0053】
制御部40aは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、スイッチング電源装置1aを統括的に制御する。制御部40aは、例えば、スイッチング部15をパルス周波数変調(PFM)によって制御する。また、制御部40aは、電源線L11から供給された直流電力の電圧を示す入力電圧Vinと、上述した負荷電流Idcとに基づいて、制御スイッチ22をオン(導通)又はオフ(非導通)にさせる制御を行い、アクティブ抵抗23を有効又は無効にする。
制御部40aは、定電圧制御部41と、オンオフ制御部42aとを備えている。
【0054】
オンオフ制御部42aは、電源線L11から供給された直流電力の電圧を示す入力電圧Vinが所定の電圧閾値以上、且つ、負荷電流Idcが所定の電流閾値以下である場合に、制御スイッチ22をオンさせて、アクティブ抵抗23を有効にする。ここで、所定の電圧閾値は、電圧閾値Vmax1(例えば、57V)であり、所定の電流閾値は、第1の電流閾値Ith1(例えば、1A)である。オンオフ制御部42aは、電圧検出部17によって検出された入力電圧Vinが電圧閾値Vmax1以上(例えば、57V以上)、且つ、電流検出部26によって検出された負荷電流Idcが第1の電流閾値Ith1以下(例えば、1A以下)である場合に、制御スイッチ22をオン(導通)させて、アクティブ抵抗23を有効にする。
【0055】
また、オンオフ制御部42aは、電流検出部26によって検出された負荷電流Idcが第2の電流閾値Ith2以上(例えば、2A以上)になった場合に、制御スイッチ22をオフ(非導通)にさせて、アクティブ抵抗23を無効にする。
【0056】
次に、図面を参照して、本実施形態によるスイッチング電源装置1aの動作について説明する。
図4は、本実施形態によるスイッチング電源装置1aの制御スイッチ22の制御の一例を示すフローチャートである。
【0057】
図4に示すように、制御スイッチ22によりアクティブ抵抗23を有効又は無効にする場合に、スイッチング電源装置1aの制御部40aは、まず、負荷電流Idcが電流閾値Ith1以下、且つ、入力電圧Vinが電圧閾値Vmax1以上であるか否かを判定する(ステップS201)。制御部40aのオンオフ制御部42aは、電流検出部26によって検出された負荷電流Idcと、電圧検出部17によって検出された入力電圧Vinとを取得する。そして、オンオフ制御部42aは、取得した負荷電流Idcが第1の電流閾値Ith1以下(例えば、1A以下)、且つ、取得した入力電圧Vinが電圧閾値Vmax1以上(例えば、57V以上)あるか否かを判定する。
【0058】
オンオフ制御部42aは、負荷電流Idcが第1の電流閾値Ith1以下、且つ、入力電圧Vinが電圧閾値Vmax1以上あるである場合(ステップS201:YES、Idc≦Ith1 AND Vin≧Vmax1)に、処理をステップS202に進める。また、オンオフ制御部42aは、負荷電流Idcが第1の電流閾値Ith1以下、且つ、入力電圧Vinが電圧閾値Vmax1以上でない場合(ステップS201:NO、Idc>Ith1 OR Vin<Vmax1)に、処理をステップS203に進める。すなわち、オンオフ制御部42aは、負荷電流Idcが第1の電流閾値Ith1より大きい、又は、入力電圧Vinが電圧閾値Vmax1より小さい場合に、処理をステップS203に進める。
【0059】
ステップS202の処理は、上述した
図2に示すステップS102の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。ステップS202の処理後に、オンオフ制御部42aは、処理をステップS201に戻す。
【0060】
また、ステップS203及びステップS204の処理は、上述した
図2に示すステップS103及びステップS104の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。ステップS203において、負荷電流Idcが第2の電流閾値Ith2より小さい場合(ステップS203:NO、Ith1<Idc<Ith2)、及びステップS204の処理後に、オンオフ制御部42aは、処理をステップS201に戻す。
【0061】
以上説明したように、本実施形態によるスイッチング電源装置1aは、トランスTR1と、スイッチング部15と、共振部16と、整流部21と、アクティブ抵抗23と、制御スイッチ22と、制御部40aとを備えている。制御部40aは、電源線L11から供給された直流電力の電圧を示す入力電圧Vinが所定の電圧閾値以上(Vmax1以上)、且つ、負荷電流Idcが所定の電流閾値以下(Ith1以下)である場合に、制御スイッチ22をオン(導通)させて、アクティブ抵抗23を有効にする。
【0062】
これにより、本実施形態によるスイッチング電源装置1aは、第1の実施形態と同様の効果を奏し、定格負荷時の変換効率を低下させずに、軽負荷時に出力電圧を適切に制御することができる。
また、本実施形態によるスイッチング電源装置1aは、入力電圧Vinが所定の電圧閾値以上、且つ、負荷電流Idcが所定の電流閾値以下である場合に、制御スイッチ22をオン(導通)させることにより、アクティブ抵抗23をさらに適切に有効にすることができる。
【0063】
[第3の実施形態]
次に、図面を参照して、第3の実施形態によるスイッチング電源装置1bについて説明する。上述した第1の実施形態では、負荷電流Idcに基づいて、制御スイッチ22を制御する例を説明したが、本実施形態によるスイッチング電源装置1bは、出力電圧Voutに基づいて制御スイッチ22を制御する一例について説明する。
【0064】
図5は、第3の実施形態によるスイッチング電源装置1bの一例を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、スイッチング電源装置1bは、直流電源11と、抵抗12と、インダクタンス13と、平滑コンデンサ(14、24)と、スイッチング部15と、トランスTR1と、共振部16と、整流部21と、制御スイッチ22と、アクティブ抵抗23と、電圧検出部25と、電流検出部26と、制御部40bとを備えている。スイッチング電源装置1bは、第1の実施形態のスイッチング電源装置1と同様に、例えば、LLC方式のDC/DCコンバータである。
【0065】
本実施形態では、制御部40bによる制御スイッチ22の制御処理が第1の実施形態と異なり、その他の構成及び処理は、第1の実施形態と同様である。
なお、
図5において、
図1に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0066】
制御部40bは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、スイッチング電源装置1bを統括的に制御する。制御部40bは、例えば、スイッチング部15をパルス周波数変調(PFM)によって制御する。また、制御部40bは、上述した整流部21から出力される出力電圧Voutと、上述した負荷電流Idcとに基づいて、制御スイッチ22をオン(導通)又はオフ(非導通)にさせる制御を行い、アクティブ抵抗23を有効又は無効にする。
制御部40bは、定電圧制御部41と、オンオフ制御部42bとを備えている。
【0067】
オンオフ制御部42bは、整流部21から出力される出力電圧Voutが所定の電圧閾値以上である場合に、制御スイッチ22をオンさせて、アクティブ抵抗23を有効にする。ここで、所定の電圧閾値は、電圧閾値Vth1(例えば、170V)であり、所定の電流閾値は、第1の電流閾値Ith1(例えば、1A)である。オンオフ制御部42bは、電圧検出部25によって検出された出力電圧Voutが電圧閾値Vth1以上(例えば、170V以上)である場合に、制御スイッチ22をオン(導通)させて、アクティブ抵抗23を有効にする。
【0068】
なお、所定の電圧閾値である電圧閾値Vth1(例えば、170V)は、例えば、出力電圧Voutが過電圧値OV(例えば、180V)に達しないように定められている。
【0069】
次に、図面を参照して、本実施形態によるスイッチング電源装置1bの動作について説明する。
図6は、本実施形態によるスイッチング電源装置1bの制御スイッチ22の制御の一例を示すフローチャートである。
【0070】
図6に示すように、制御スイッチ22によりアクティブ抵抗23を有効又は無効にする場合に、スイッチング電源装置1bの制御部40bは、まず、出力電圧Voutが電圧閾値Vth1以上であるか否かを判定する(ステップS301)。制御部40bのオンオフ制御部42bは、電圧検出部25によって検出された出力電圧Voutとを取得する。そして、オンオフ制御部42bは、取得した出力電圧Voutが電圧閾値Vth1以上(例えば、170V以上)あるか否かを判定する。
【0071】
オンオフ制御部42bは、出力電圧Voutが電圧閾値Vth1以上あるである場合(ステップS301:YES、Idc≦Ith1 AND Vout≧Vth1)に、処理をステップS302に進める。また、オンオフ制御部42bは、出力電圧Voutが電圧閾値Vth1以上でない場合(ステップS301:NO、Idc>Ith1 OR Vout<Vth1)に、処理をステップS303に進める。すなわち、オンオフ制御部42bは、出力電圧Voutが電圧閾値Vth1より小さい場合に、処理をステップS303に進める。
【0072】
ステップS302の処理は、上述した
図2に示すステップS102の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。ステップS302の処理後に、オンオフ制御部42bは、処理をステップS301に戻す。
【0073】
また、ステップS303の処理は、上述した
図2に示すステップS104の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。ステップS303において、オンオフ制御部42bは、制御スイッチ22をオフし、アクティブ抵抗23を無効にする。ステップS303の処理後に、オンオフ制御部42bは、処理をステップS301に戻す。
【0074】
以上説明したように、本実施形態によるスイッチング電源装置1bは、トランスTR1と、スイッチング部15と、共振部16と、整流部21と、アクティブ抵抗23と、制御スイッチ22と、制御部40bとを備えている。制御部40bは、整流部21から出力される出力電圧Voutが所定の電圧閾値以上(Vth1以上)である場合に、制御スイッチ22をオン(導通)させて、アクティブ抵抗23を有効にする。
【0075】
これにより、本実施形態によるスイッチング電源装置1bは、第1の実施形態と同様の効果を奏し、定格負荷時の変換効率を低下させずに、例えば、出力電圧Voutが上昇する軽負荷時に出力電圧を適切に制御することができる。また、本実施形態によるスイッチング電源装置1bは、1つの閾値(例えば、所定の電圧閾値Vth1)により、出力電圧を適切に制御することができる。
【0076】
なお、上述した本実施形態では、出力電圧Voutに基づいて、制御スイッチ22をオン(導通)させて、アクティブ抵抗23を有効にする一例を説明したが、上述した第1、の実施形態と組み合わせて、負荷電流Idcと、出力電圧Voutとに基づいて制御スイッチ22を制御するようにしてもよい。すなわち、制御部40bは、整流部21から出力される出力電圧Voutが所定の電圧閾値以上(Vth1以上)、且つ、負荷電流Idcが所定の電流閾値以下(Ith1以下)である場合に、制御スイッチ22をオン(導通)させて、アクティブ抵抗23を有効にするようにしてもよい。
【0077】
これにより、本実施形態によるスイッチング電源装置1bは、出力電圧Voutと負荷電流Idcとに基づいて、軽負荷時に適切に制御できずに出力電圧Voutが上昇している状態を、正確に判定することができる。よって、本実施形態によるスイッチング電源装置1bは、上述した第1の実施形態に比べて、軽負荷時に出力電圧をさらに適切に制御することができる。
【0078】
[第4の実施形態]
次に、図面を参照して、第3の実施形態によるスイッチング電源装置1cについて説明する。上述した第1の実施形態では、負荷電流Idcに基づいて、制御スイッチ22を制御する例を説明したが、本実施形態によるスイッチング電源装置1cは、さらに出力電圧Voutに基づいて、スイッチング部15aを間欠動作させる場合の一例について説明する。
【0079】
図7は、第4の実施形態によるスイッチング電源装置1cの一例を示す機能ブロック図である。
図7に示すように、スイッチング電源装置1cは、直流電源11と、抵抗12と、インダクタンス13と、平滑コンデンサ(14、24)と、スイッチング部15aと、トランスTR1と、共振部16と、整流部21と、制御スイッチ22と、アクティブ抵抗23と、電圧検出部25と、電流検出部26と、制御部40cとを備えている。スイッチング電源装置1cは、第1の実施形態のスイッチング電源装置1と同様に、例えば、LLC方式のDC/DCコンバータである。
【0080】
本実施形態では、制御部40cによるスイッチング部15aの制御処理が追加されている点が、第1の実施形態と異なり、その他の構成及び処理は、第1の実施形態と同様である。
なお、
図7において、
図1に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0081】
スイッチング部15aは、例えば、フルブリッジ方式のスイッチング部であり、MOSトランジスタ(151、152、153、154)と、PFM信号生成部155aとを備えている。
PFM信号生成部155aは、制御部40による制御に基づいて、スイッチング部15aをPFM制御するための、PFM信号(G1、G2、G3、G4)を生成し、上述したMOSトランジスタ(151、152、153、154)の各ゲート端子に供給する。また、PFM信号生成部155aは、制御部40による制御に基づいて、スイッチング部15aのスイッチングの停止、及びスイッチングの再開を行い、スイッチング部15aを間欠動作させる。
【0082】
制御部40cは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、スイッチング電源装置1cを統括的に制御する。制御部40cは、例えば、スイッチング部15aをパルス周波数変調(PFM)によって制御するとともに、出力電圧Voutに基づいて、スイッチング部15aを間欠動作させる。また、制御部40cは、上述した負荷電流Idcに基づいて、制御スイッチ22をオン(導通)又はオフ(非導通)にさせる制御を行い、アクティブ抵抗23を有効又は無効にする。
制御部40cは、定電圧制御部41aと、オンオフ制御部42とを備えている。
【0083】
定電圧制御部41aは、電圧検出部25によって検出された出力電圧Voutが、所定の電圧範囲(例えば、出力電圧の定格電圧の範囲)に収まるように、PFM信号生成部155aに制御信号を出力して、スイッチング部15aをパルス周波数変調させる。ここで、定電圧制御部41aは、出力電圧Voutが、例えば、定格電圧より高い場合に、出力電圧Voutが定格電圧になるように、PFM信号の周波数を高める制御を行う。また、定電圧制御部41aは、出力電圧Voutが、例えば、定格電圧より低い場合に、出力電圧Voutが定格電圧になるように、PFM信号の周波数を低める制御を行う。
【0084】
また、定電圧制御部41aは、出力電圧Voutが第1の電圧閾値Vth1以上になった場合に、スイッチング部15aによるスイッチングを停止させる。また、定電圧制御部41aは、出力電圧Voutが第2の電圧閾値Vth2以下になった場合に、スイッチング部15aによるスイッチングを再開させて、スイッチング部15aを間欠動作させる。ここで、第1の電圧閾値Vth1は、例えば、170Vであり、第2の電圧閾値Vth2は、第1の電圧閾値Vth1より小さい、例えば、160Vである。定電圧制御部41aは、例えば、制御スイッチ22がオンオフ制御部42によって導通されており、且つ、出力電圧Voutが第1の電圧閾値Vth1以上(例えば、170V以上)になった場合に、スイッチング部15aによるスイッチングを停止させる。
【0085】
次に、図面を参照して、本実施形態によるスイッチング電源装置1cの動作について説明する。
本実施形態において、スイッチング電源装置1cの制御スイッチ22の制御処理は、
図2に示す第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0086】
図8は、本実施形態によるスイッチング電源装置1cのスイッチング部15aの間欠制御の一例を示すフローチャートである。
【0087】
図8に示すように、スイッチング部15aの間欠制御する場合に、スイッチング電源装置1cの制御部40cは、まず、制御スイッチ22がオン(導通)であり、且つ、出力電圧Voutが電圧閾値Vth1以上であるか否かを判定する(ステップS401)。制御部40cの定電圧制御部41aは、電圧検出部25によって検出された出力電圧Voutを取得する。そして、定電圧制御部41aは、制御スイッチ22がオン(導通)であり、且つ、取得した出力電圧Voutが電圧閾値Vth1以上(例えば、170V以上)あるか否かを判定する。
【0088】
定電圧制御部41aは、制御スイッチ22がオン(導通)であり、且つ、出力電圧Voutが電圧閾値Vth1以上あるである場合(ステップS401:YES、制御スイッチ22がオン AND Vout≧Vth1)に、処理をステップS402に進める。また、定電圧制御部41aは、制御スイッチ22がオン(導通)であり、且つ、出力電圧Voutが電圧閾値Vth1以上でない場合(ステップS401:NO、制御スイッチ22がオフ OR Vout<Vth1)に、処理をステップS403に進める。すなわち、定電圧制御部41aは、制御スイッチ22がオフ(非導通)である、又は、出力電圧Voutが電圧閾値Vth1より小さい場合に、処理をステップS403に進める。
【0089】
ステップS402において、定電圧制御部41aは、スイッチングを停止する。すなわち、定電圧制御部41aは、PFM信号生成部155aによるPFM信号(G1、G2、G3、G4)の出力を停止させる制御信号をスイッチング部15a(PFM信号生成部155a)に出力して、スイッチングを停止させる。ステップS402の処理後に、定電圧制御部41aは、処理をステップS401に戻す。
【0090】
また、ステップS403において、定電圧制御部41aは、出力電圧Voutが電圧閾値Vth2以下であるか否かを判定する。定電圧制御部41aは、電圧検出部25によって検出された出力電圧Voutが第2の電圧閾値Vth2以下(例えば、160V以下)であるか否かを判定する。定電圧制御部41aは、出力電圧Voutが第2の電圧閾値Vth2以下である場合(ステップS403:YES、Vout≦Vth2)に、処理をステップS404に進める。また、定電圧制御部41aは、出力電圧Voutが第2の電圧閾値Vth2より大きい場合(ステップS403:NO、Vth1>Vout>Vth2)に、処理をステップS401に戻す。
【0091】
また、ステップS404において、定電圧制御部41aは、スイッチングを再開する。すなわち、定電圧制御部41aは、PFM信号生成部155aによるPFM信号(G1、G2、G3、G4)の出力を再開させる制御信号をスイッチング部15a(PFM信号生成部155a)に出力して、スイッチングを再開させる。ステップS404の処理後に、定電圧制御部41aは、処理をステップS401に戻す。
【0092】
図9は、本実施形態によるスイッチング電源装置1cのスイッチング部15aの間欠制御の一例を示すタイムチャートである。
図9において、各グラフの縦軸は、電圧を示し、横軸は、時間を示している。また、波形W1は、出力電圧Voutの電圧波形を示し、波形W2は、PFM信号生成部155aが出力するPFM信号(G1、G2、G3、G4)の電圧波形を示している。
【0093】
なお、この図において、制御スイッチ22は、既にオンして、アクティブ抵抗23が有効にされているものとする。すなわち、時刻T0の初期状態において、制御スイッチ22がオンであり、PFM信号生成部155aが、PFM信号を出力しているものとする。
この例では、出力電圧Voutが徐々に上昇して行き、時刻T1において、出力電圧Voutが第1の電圧閾値Vth1に達すると、制御部40cの定電圧制御部41aは、PFM信号の出力を停止させる。
【0094】
これにより、スイッチング部15aからトランスTR1に供給される交流電力が停止し、出力電圧Voutが徐々に低下する。
次に、時刻T2において、出力電圧Voutが第2の電圧閾値Vth2に達すると、定電圧制御部41aは、PFM信号の出力を再開させる。このように、定電圧制御部41aは、スイッチング部15aを間欠動作させる。
【0095】
続く、時刻T2から時刻T4の期間、及び時刻T4から時刻T5の期間では、定電圧制御部41aは、時刻T0から時刻T2の期間と同様の処理を実行して、スイッチング部15aを間欠動作させる。
【0096】
以上説明したように、本実施形態によるスイッチング電源装置1cは、トランスTR1と、スイッチング部15aと、共振部16と、整流部21と、アクティブ抵抗23と、制御スイッチ22と、制御部40cとを備えている。制御部40cは、負荷電流Idcが第1の電流閾値Ith1以下(例えば、1A以下)である場合に、制御スイッチ22をオン(導通)させて、アクティブ抵抗23を有効にする。また、制御部40cは、負荷電流Idcが第2の電流閾値Ith2以上(例えば、2A以上)になった場合に、制御スイッチ22をオフ(非導通)にさせて、アクティブ抵抗23を無効にする。
【0097】
これにより、本実施形態によるスイッチング電源装置1cは、第1の実施形態と同様の効果を奏し、定格負荷時の変換効率を低下させずに、軽負荷時に出力電圧を適切に制御することができる。
【0098】
また、本実施形態では、制御部40c(定電圧制御部41a)は、整流部21から出力される出力電圧Voutが第1の電圧閾値Vth1以上(例えば、170V以上)になった場合に、スイッチング部15aによるスイッチングを停止させる。また、制御部40c(定電圧制御部41a)は、出力電圧Voutが第1の電圧閾値Vth1より小さい第2の電圧閾値Vth2以下(例えば、160V以下)になった場合に、スイッチング部15aによるスイッチングを再開させて、スイッチング部15aを間欠動作させる。
これにより、本実施形態によるスイッチング電源装置1cは、スイッチング部15aを間欠動作させることによって、定格負荷時の変換効率を低下させずに、軽負荷時に出力電圧をさらに適切に制御することができる。
【0099】
また、本実施形態では、制御部40c(定電圧制御部41a)は、制御スイッチ22がオン(導通)されており、且つ、出力電圧Voutが第1の電圧閾値Vth1以上(例えば、170V以上)になった場合に、スイッチング部15aによるスイッチングを停止させる。
これにより、本実施形態によるスイッチング電源装置1cは、アクティブ抵抗23及び制御スイッチ22により、軽負荷時に出力電圧を上手く制御できない場合に、スイッチング部15aを間欠動作させるため、軽負荷時に出力電圧を効率良く、且つ適切に制御することができる。
【0100】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、インバータ部30に流れる負荷電流IdcをトランスTR1の二次側で検出する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、トランスTR1の一次側で検出するようにしてもよい。また、この場合、トランスTR1の一次側に、電流検出部26と同様の検出部を備えるようにしてもよい。
【0101】
また、上記の各実施形態において、スイッチング電源装置1(1a〜1c)は、共振部16を備える例を説明したが、これに限定されるものではなく、共振部16を備えない形態であってもよい。
【0102】
また、上記の各実施形態において、制御部40(40a〜40c)は、PFM制御によってスイッチング部15(15a)を制御する例を説明したが、これに限定されるものではない。制御部40(40a〜40c)は、例えば、位相シフト方式によって、スイッチング部15(15a)を制御するようにしてもよいし、他の制御方式によって、スイッチング部15(15a)を制御するようにしてもよい。
【0103】
また、上記の各実施形態において、共振部16は、LLC共振回路である例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の共振回路であってもよい。
また、上記の各実施形態において、負荷部の一例として、インバータ部30が接続されるスイッチング電源装置1(1a〜1c)について説明したが、これに限定されるものではない。スイッチング電源装置1(1a〜1c)は、負荷部として他の構成が接続されてもよい。
【0104】
また、上記の各実施形態において、直流電源11として、定格48Vのバッテリを用いる例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の直流電源を用いてもよい。直流電源11は、例えば、交流電源を整流して直流電力に変換したものであってもよい。
【0105】
また、上記の各実施形態において、スイッチング部15(15a)が、フルブリッジ方式のスイッチング部である例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ハーフブリッジ方式のスイッチング部であってもよいし、他の方式のスイッチング部であってもよい。
【0106】
また、上記の第4の実施形態において、第1の実施形態の制御スイッチ22の制御に、スイッチング部15aの間欠動作の制御を組み合わせる例を説明したが、第2及び第3の実施形態の制御スイッチ22の制御に、スイッチング部15aの間欠動作の制御を組み合わせてもよい。
【0107】
また、上記の第4の実施形態において、二次側の電圧(例えば、出力電圧Vout)に基づいて、スイッチング部15aを間欠動作させる例を説明したが、一次側の電圧(例えば、一次側コイルTR11の両端の電圧など)に基づいて、スイッチング部15aを間欠動作させるようにしてもよい。
【0108】
上述のスイッチング電源装置1(1a〜1c)の制御部40(40a〜40c)は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した制御部40(40a〜40c)による処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。