(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コマンド制御手段は、前記第2コマンドが生成された場合に、生成されたすべての前記第2コマンドを前記第2コマンド記憶領域に格納させ、前記第2コマンド記憶領域に格納させた前記第2コマンドを前記第1コマンド記憶領域に転送する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
前記コマンド制御手段は、前記演出制御手段によって前記第1コマンド記憶領域から前記コマンドが読み出されるまでに前記第1コマンド記憶領域に前記第2コマンドを格納する量を、所定の量以下に制限する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略するとともに、本発明に直接関係のない要素については、図示を省略する。
【0025】
1.構成
図1は、本実施形態の遊技機であるパチンコ機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。
図1に示すように、パチンコ機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、中枠104にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
【0026】
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されている。パチンコ機1では、中枠104の囲繞空間に遊技盤108を保持している。また、前枠106には、ガラス製又は樹脂製の透過板110が保持されている。そして、パチンコ機100では、中枠104及び前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、パチンコ機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
【0027】
図2は、本実施形態におけるパチンコ機100の正面図である。
図2に示すように、前枠106の下部には、パチンコ機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。操作ハンドル112は、遊技者によって回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることになる。
【0028】
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下又は転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
【0029】
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域116a及び第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、パチンコ機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、パチンコ機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。パチンコ機100では、レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球が第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球が第2遊技領域116bに進入することになる。
【0030】
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122が設けられており、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。なお、パチンコ機100において、賞球数は、1個以上であれば何個でもよく、また、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。パチンコ機100では、第1始動口120に遊技球が入球して払い出す賞球数を、第2始動口122に遊技球が入球して払い出す賞球数よりも少なく設定することも可能である。
【0031】
本実施形態のパチンコ機100では、第1始動口120内に第1始動領域が設けられ、第2始動口122内に第2始動領域が設けられている。そして、パチンコ機100では、所定の契機として、第1始動口120又は第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域又は第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1つの特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の特典(遊技利益)が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120又は第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の特典を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
【0032】
また、第2始動口122には、可動片122bが開閉可能に設けられており、可動片122bの状態に応じて、第2始動口122への遊技球の進入容易性が変化するように構成されている。具体的には、可動片122bが閉状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の入球が不可能となり、可動片122bが開き遊技球の直径よりも開いた状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の入球が可能となっている。
【0033】
パチンコ機100では、遊技領域116に設けられたゲート124内の進入領域を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われ、抽選によって当たりに当選すると、可動片122bが所定時間、開状態に制御される。可動片122bが開状態に制御されることで、本実施形態のパチンコ機100では、可動片122bが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。なお、パチンコ機100は、可動片122bが閉状態にあるときに、第2始動口122への遊技球の入球が不可能となるように構成されているが、第2始動口122が閉状態にある場合にも一定の頻度で遊技球が入球可能となるように構成されていてもよい。
【0034】
遊技領域116には、遊技球が入球可能な大入賞口128が設けられている。大入賞口128には、開閉扉128bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉128bが大入賞口128を閉鎖して、大入賞口128への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、パチンコ機100では、大役遊技が実行されると、開閉扉128bが開放されて、大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。そして、パチンコ機100では、大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0035】
遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口130が設けられている。
【0036】
パチンコ機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、駆動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる楽曲出力装置206、遊技者の演出に関する操作を受け付ける演出操作装置208が設けられている。
【0037】
演出表示装置200は、遊技盤108の略中央部分において、パチンコ機100の正面側から視認可能な位置に画像を表示する画像表示部を備えている。演出表示装置200は、
図2に示すように、画像表示部に演出図柄210a〜210cが変動表示され、演出図柄210a〜210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。
【0038】
演出役物装置202は、演出表示装置200よりも前方に配置され、通常、遊技盤108の背面側に退避しているが、演出図柄210a〜210cの変動表示中などに、演出表示装置200の前方まで移動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
【0039】
演出照明装置204は、例えばLED(Light Emitting Diode)から構成され、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、演出表示装置200に表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
【0040】
楽曲出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、演出表示装置200に表示される画像等に合わせて、パチンコ機100の正面側に向けてさまざまな楽曲を出力する。なお、楽曲とは、楽音、噪音、音声、擬音等、音に関するすべての概念を含む。
【0041】
演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付けるボタンと、遊技者の回転操作を受け付ける回転操作部(例えば、ジョグダイヤル)で構成され、パチンコ機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110よりも下方位置に設けられている。演出操作装置208は、演出表示装置200に表示される画像等に合わせて有効化され、操作有効期間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、様々な演出が実行される。
【0042】
また、演出操作装置208の後方には、パチンコ機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿132が設けられ、上皿132の下方に下皿134が設けられている。パチンコ機100では、上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球が下皿134に導かれることとなる。また、下皿134の底面には、下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
【0043】
遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、遊技に係る種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170及び右打ち報知表示器172が設けられている。
【0044】
図3は、本実施形態のパチンコ機100の機能ブロック図である。主制御部300は、遊技の進行を制御し、メインCPU300aと、メインROM300bと、メインRAM300cと、を備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の制御部に主制御部300で生成したコマンドである第1コマンドを送信したりすることで、遊技の進行に係る制御処理を実行する。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0045】
主制御部300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118sと、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120sと、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122sと、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124sと、大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ128sと、が接続されており、各検出スイッチから出力される検出信号が主制御部300に入力されるよう構成されている。
【0046】
メインCPU300aは、メインROM300bに格納されたプログラムに基づき、メインRAM300cと協働して、第1コマンド変換手段430aと、第1コマンド送信手段430bと、として機能する。第1コマンド変換手段430aは、各検出スイッチから入力された検出信号を第1コマンドに変換する。第1コマンド送信手段430bは、第1コマンド変換手段430aが変換した第1コマンドを、払出・発射制御部310や副制御部330に送信する。
【0047】
また、主制御部300には、第2始動口122の可動片122bを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する大入賞口ソレノイド128cと、が接続されており、主制御部300によって、第2始動口122及び大入賞口128の開閉制御が実行されるよう構成されている。
【0048】
また、主制御部300には、第1特別図柄表示器160と、第2特別図柄表示器162と、第1特別図柄保留表示器164と、第2特別図柄保留表示器166と、普通図柄表示器168と、普通図柄保留表示器170と、右打ち報知表示器172と、が接続されており、主制御部300によって、これら各表示器の表示制御が実行される。
【0049】
本実施形態のパチンコ機100では、主に第1始動口120又は第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技と、に遊技の種別が大別される。そして、主制御部300のメインROM300bには、特別遊技及び普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0050】
メインCPU300aでは、例えば、発生させた乱数を用いて実行する特別図柄の当否に係る抽選、普通電動役物ソレノイド122cに信号を出力し可動片122bを作動させる制御、大入賞口ソレノイド128cに信号を出力し開閉扉128bを作動させる制御等、遊技の進行に係る制御を実行する。メインCPU300aは、各制御の結果や、各検出スイッチから入力された検出信号を第1コマンド変換手段430aが第1コマンドに変換し、払出・発射制御部310や副制御部330に送信する。
【0051】
また、主制御部300には、払出・発射制御部310及び副制御部330が接続されている。パチンコ機1は、それぞれ独立した制御基板として、主制御部300と、払出・発射制御部310と、副制御部330と、を有している。なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給が実行されている。
【0052】
払出・発射制御部310は、遊技球を発射させるための制御及び賞球を払い出すための制御を行う。払出・発射制御部310も、主制御部300と略同様に、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御部300に対して双方向に通信可能に接続されている。払出・発射制御部310には、遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御部300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出・発射制御部310及び遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
【0053】
また、払出・発射制御部310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出・発射制御部310は、主制御部300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、パチンコ機100では、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるように構成されている。
【0054】
また、払出・発射制御部310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号を払出・発射制御部310に出力するように構成されている。
【0055】
そして、皿満タン検出スイッチ318sは、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留された状態である満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留することで、払出・発射制御部310に向けて遊技球検出信号を連続的に出力する。払出・発射制御部310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御部300に送信する。払出・発射制御部310は、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御部300に送信する。
【0056】
なお、皿満タンコマンド及び皿満タン解除コマンドについて、主制御部300は、第1コマンドとして副制御部330に送信するように構成されている。これにより、パチンコ機100では、下皿134が満タン状態となった場合に、演出表示装置200や楽曲出力装置206等を用いて遊技者に下皿134が満タン状態となったことを報知できるとともに、下皿134の満タン状態が解除されたことも演出表示装置200や楽曲出力装置206等を用いて遊技者に報知することができる。
【0057】
また、払出・発射制御部310には、遊技球の発射制御を行う払出・発射制御回路320が設けられている。払出・発射制御部310には、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112s及び操作ボリューム112aから信号が入力されると、払出・発射制御回路320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御が実行される。
【0058】
次に、副制御部330の詳細について、
図3、
図4を用いて説明する。
図4は、副制御部330におけるサブCPU330aと、サブRAM330cと、の詳細を説明するためのブロック図である。
【0059】
副制御部330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御し、サブCPU330aと、サブROM330bと、サブRAM330cと、を備えている。また、副制御部330は、画像に係る制御を実行する画像IC340a、画像ROM340b及び画像RAM340cと、演出役物装置202を動作させる役物ドライバ342と、演出照明装置204を点灯及び消灯させる照明ドライバ344と、楽曲に係る制御を実行する楽曲IC346a及び楽曲ROM346bと、を備えている。パチンコ機100においては、主制御部300に対して、不正防止の観点により、当該主制御部300から副制御部330への一方向にのみ通信可能に接続されている。
【0060】
副制御部330においては、サブCPU330a、サブRAM330c、画像IC340a、画像ROM340b、画像RAM340c、楽曲IC346a、楽曲ROM346b等の一連の機能部が、SoC(System−on−a−Chip)として1個の集積回路に集積されている。ただし、SoCにいずれの機能部を集積するかは任意に設定することができる。また、サブCPU330a、サブRAM330c、画像IC340a、画像ROM340b、画像RAM340c、楽曲IC346a、楽曲ROM346b等の各機能部がそれぞれ異なる集積回路として集積され、電気的に接続されているとしてもよい。
【0061】
サブCPU330aは、主制御部300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出表示装置200に画像を表示させる制御である画像表示制御や、演出役物装置202を駆動させる駆動制御、演出照明装置204を点灯させる点灯制御、楽曲出力装置206から楽曲を出力させる楽曲出力制御等の演出に係る制御を実行する。サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0062】
また、副制御部330には、演出操作装置208への遊技者の操作を検出する押下検出スイッチ208sと回転検出スイッチ209sと、の副操作信号出力手段220が接続されている。押下検出スイッチ208sは、遊技者が演出操作装置208のボタンを押下操作した場合に、遊技者の押下操作を検出し、演出押下操作検出信号を副制御部330に出力する。回転検出スイッチ209sは、遊技者が演出操作装置208の回転操作部を回転操作した場合に、遊技者の回転操作を検出し、演出回転操作検出信号を副制御部330に出力する。
【0063】
サブCPU330aは、サブROM330bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM330cと協働して、第1コマンド受信手段400a、第1コマンド判別手段400b及び第2コマンド変換手段400cを含むコマンド制御手段400と、演出制御手段410と、として機能する。
【0064】
第1コマンド受信手段400aは、主制御部300の第1コマンド送信手段430b(
図3参照)から送信された第1コマンドを受信する。第1コマンド判別手段400bは、第1コマンド受信手段400aが受信した第1コマンドを判別する判別処理を実行する。判別処理において、第1コマンド判別手段400bは、例えば、コマンドが適正な構成であるか、伝送時にエラーが生じていないか等を判別する。判別処理によって第1コマンド受信手段400aが受信した第1コマンドに問題がないと判別された場合、コマンド制御手段400は、サブRAM330cに設けられた第1コマンド記憶領域としての第1コマンドバッファ420aに第1コマンドを格納する。
【0065】
第2コマンド変換手段400cは、押下検出スイッチ208sから出力される演出押下操作信号や、回転検出スイッチ209sから出力される演出回転操作信号が入力された場合に、入力された操作信号を第2コマンドに変換する。
【0066】
コマンド制御手段400は、第2コマンド変換手段400cによって副制御部330に入力された操作信号が第2コマンドに変換された場合に、サブRAM330cに設けられた第2コマンド記憶領域としての第2コマンドバッファ420bに第2コマンドを格納する。また、コマンド制御手段400は、第2コマンドバッファ420bに格納した第2コマンドを、第1コマンドバッファ420aに転送するコマンド転送処理も実行可能に構成されている。コマンド制御手段400が実行するコマンド転送処理の詳細については、後述する。
【0067】
演出制御手段410は、第1コマンドと第2コマンドとを含むコマンドに基づき演出を制御する。本実施形態の演出制御手段410は、第1コマンドバッファ420aに格納されたコマンドを読み出して、コマンドに基づく演出を実行する。具体的には、演出制御手段410は、第1コマンドバッファ420aから読み出したコマンドを解読することで、解読したコマンドに基づく演出パターン(演出内容)を決定する。そして、演出制御手段410は、決定した演出パターンに基づく演出コマンドを生成し、画像IC340a、役物ドライバ342、照明ドライバ344、楽曲IC346aのうち生成した演出コマンドに対応する構成に演出コマンドを送信する。
【0068】
演出制御手段410は、演出パターンとして画像、つまり演出表示装置200を用いた演出パターンに決定した場合、決定した演出パターンに基づいた画像データを決定し、画像IC340aに対して、演出コマンドとして画像データを特定可能な画像コマンドを送信する。画像IC340aは、VDP(Video Display Processor)とも呼ばれ、画像コマンドによって特定される画像データを画像ROM340bから画像RAM(VRAM)340cに読み出し、画像データを、順次、演出表示部200aに出力する。
【0069】
なお、画像RAM340cは、それぞれ異なるレイヤを有し、各レイヤに異なる画像データを保持させることができる。そして、画像IC340aは、複数のレイヤに保持された画像データを重畳し、重畳された画像データが演出表示装置200に出力される。
【0070】
また、演出制御手段410は、演出パターンとして演出役物装置202を用いた演出パターンに決定した場合、決定した演出パターンに基づいた役物パターンを決定し、決定した役物パターンに従って、役物ドライバ342に所定時間間隔で1(ON)又は0(OFF)のデータから構成される演出コマンドである役物コマンドを送信する。役物ドライバ342は、演出制御手段410から送信される役物コマンドに従い、演出役物装置202を駆動するFET(Field Effect Transistor)をON又はOFFにする。
【0071】
また、演出制御手段410は、演出パターンとして演出照明装置204を用いた演出パターンに決定した場合、決定した演出パターンに基づいた照明パターンを決定し、決定した照明パターンに従って、照明ドライバ(LEDドライバ)344に所定時間間隔で1(ON)又は0(OFF)のデータから構成される演出コマンドである照明コマンドを送信する。照明ドライバ344は、演出制御手段410から送信される照明コマンドに従い、演出照明装置204を駆動するFETをON又はOFFにする。
【0072】
また、演出制御手段410は、演出パターンとして楽曲出力装置206を用いた演出パターンに決定した場合、決定した演出パターンに基づいた楽曲データを決定し、楽曲IC346aに対して、演出コマンドとして楽曲データを特定可能な楽曲コマンドを送信する。楽曲IC346aは、楽曲コマンドによって特定される楽曲データを楽曲ROM346bから楽曲IC346aに読み出し、楽曲データを、順次、楽曲出力装置206に出力する。
【0073】
なお、楽曲IC346aは、複数の楽曲バッファ(バッファ)を有し、各楽曲バッファに異なる楽曲データを保持させることができる。そして、楽曲IC346aは、複数の楽曲バッファに保持された楽曲データを重畳し、重畳された楽曲データが楽曲出力装置206に出力される。
【0074】
サブRAM330cに設けられた第1コマンドバッファ420aと第2コマンドバッファ420bとは、いずれも格納された順に読み出される先入先出メモリ(FIFO:First−in First−out)となっている。このため、演出制御手段410は、第1コマンドバッファ420aからコマンドを読み出す場合に、第1コマンドバッファ420aに格納された順にコマンドを呼び出すため、読み出す前の時点では第1コマンドと第2コマンドとのいずれのコマンドを読み出すかを予測することができない構成となっている。
【0075】
2.コマンド制御手段が実行する制御処理の詳細
次に、
図5、
図6を参照して、本実施形態に係るパチンコ機100において、コマンド制御手段400が実行する制御処理の詳細について説明する。
【0076】
<コマンド送信系統>
図5は、本実施形態に係るパチンコ機100において、主制御部300から副制御部330に送信される第1コマンドと、副制御部330に入力される副入力信号から生成される第2コマンドと、のコマンド送信系統を示すブロック図である。
【0077】
本実施形態のパチンコ機100では、主制御部300に接続された一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124s及び大入賞口検出スイッチ128sの主検出スイッチが検出した情報や、各検出スイッチが検出した情報に基づき実行された各種抽選の結果に係る情報、可動片122bや開閉扉128bの作動に係る情報等が、主制御部300に主入力信号として入力され、副制御部330に接続された押下検出スイッチ208s及び回転検出スイッチ209sの副検出スイッチが検出した情報が、副制御部330に副入力信号として入力される。なお、本実施形態のパチンコ機100では、主入力信号と副入力信号とについて、いずれも各検出スイッチが情報を検出した場合に出力され、出力された信号が有効な信号であるか否かについては、演出制御手段410が判断するように構成されている。
【0078】
まず、主入力信号が主制御部300に入力された場合について説明する。主入力信号が主制御部300に入力された場合、主制御部300の第1コマンド変換手段430aは、入力された主入力信号を、予め定められた形式の第1コマンド(例えば2バイト)に変換する。第1コマンド送信手段430bは、第1コマンド変換手段430aによって変換された第1コマンドを、予め定められた周期である第1周期(例えば4ms)で主制御部300のメインCPU300aが実行するタイマ割り込み処理の実行時に、副制御部330に送信する。
【0079】
副制御部330のサブCPU330aでは、第1周期よりも短い間隔の周期である第2周期(例えば512μs)で、第1コマンド送信手段430bからの第1コマンドの送信の有無を監視するポーリング処理と、受信した第1コマンドを判別する判別処理と、判別処理で問題がないと判別された第1コマンドを第1コマンドバッファ420aに格納する第1コマンド格納処理を含むコマンド転送処理と、が実行される。
【0080】
ポーリング処理において、サブCPU330aのうち第1コマンド受信手段400aが、第1コマンド送信手段430bからの第1コマンドの送信の有無を監視している。第1周期よりも短い間隔の第2周期でポーリング処理が実行されることで、第1コマンド受信手段400aは、第1コマンド送信手段430bから送信される第1コマンドを確実に受信する。
【0081】
第1コマンド受信手段400aは、サブCPU330aに設けられた一時記憶領域である受信領域(不図示)に第1コマンドを一時的に記憶させることで、第1コマンド送信手段430bから送信される第1コマンドを受信する。第1コマンドを受信した場合、サブCPU330aの第1コマンド判別手段400bは、受信領域に記憶された第1コマンドを、サブCPU330aに設けられた一時記憶領域である判別領域(不図示)に一時的に記憶させ、判別領域に記憶させた第1コマンドが適正な構成であるか、主制御部300から副制御部330への伝送時にエラーが生じていないか等を判別する判別処理を実行する。
【0082】
判別処理によって判別領域に一時的に記憶された第1コマンドに問題がないと判別された場合、コマンド制御手段400は、サブRAM330cに設けられた第1コマンドバッファ420aにコマンドを格納する処理であるコマンド転送処理に含まれる処理であり、判別領域に記憶された第1コマンドを第1コマンドバッファ420aに格納する処理である第1コマンド格納処理を実行する。
【0083】
このようにして、本実施形態のパチンコ機100では、主入力信号が主制御部300に入力された場合に、主制御部300から副制御部330へ第1コマンドとして送信され、副制御部330に受信された第1コマンドが、コマンド制御手段400によって第1コマンドバッファ420aに格納される。
【0084】
次に、副入力信号が副制御部330に入力された場合について説明する。副入力信号が副制御部330に入力された場合、副制御部330の第2コマンド変換手段400cは、入力された副入力信号を、第1コマンドと同じデータ容量(例えば2バイト)の第2コマンドに変換する。そして、コマンド制御手段400は、第2コマンド変換手段400cによって変換された第2コマンドを、サブRAM330cに設けられ、第1コマンドバッファ420aとは異なるバッファである第2コマンドバッファ420bに格納する。
【0085】
第2コマンドを第2コマンドバッファ420bに格納した場合、コマンド制御手段400は、コマンド転送処理の実行時において、第1コマンド格納処理の実行後に第2コマンドバッファ420bに格納された第2コマンドを第1コマンドバッファ420aに転送する第2コマンド転送処理を実行可能に構成されている。本実施形態のコマンド制御手段400は、第1コマンドバッファ420aが第2コマンドを格納可能である場合に、第2コマンド転送処理を実行し、1回の第2コマンド転送処理の実行時において、第2コマンドバッファ420bに格納されている第2コマンドを最大で10コマンド分第1コマンドバッファ420aに転送する。コマンド制御手段400は、上述した通り、第2コマンドバッファ420bがFIFOであることから、第2コマンドバッファ420bに格納された順に、第2コマンドを第1コマンドバッファ420aに転送する。
【0086】
ここで、転送とは、サブRAM330c内において、第2コマンドバッファ420bに格納されている第2コマンドの格納先のアドレスを移動することを意味する。コマンド制御手段400は、第2コマンドバッファ420bに格納されている第2コマンドを転送することにより、第1コマンドバッファ420aに格納するとともに、第2コマンドバッファ420bから削除する。
【0087】
このようにして、本実施形態のパチンコ機100では、副入力信号が副制御部330に入力された場合に、第2コマンド変換手段400cによって第2コマンドに変換され、コマンド制御手段400によって、第2コマンドバッファ420bに一度格納された後に、第1コマンドバッファ420aに格納される。
【0088】
そして、演出制御手段410は、予め定められた周期である第3周期(例えば33ms)ごとに、第1コマンドバッファ420aに格納されたコマンドを格納された順に読み出し、演出に係る制御処理を実行する。演出制御手段410は、1回の演出に係る制御処理の実行時において、第1コマンドバッファ420aに格納されているコマンドを1コマンドずつすべて読み出して解読し、読み出したコマンドに基づく演出パターンの決定又は読み出したコマンドの破棄を実行する。
【0089】
このように、本実施形態のパチンコ機100では、遊技者が演出操作装置208を操作した際に押下検出スイッチ208s又は回転検出スイッチ209sから副制御部330に入力される副入力信号を、第2コマンド変換手段400cが主制御部300の第1コマンド送信手段430bから送信される第1コマンドと同じデータ容量の第2コマンドに変換するとともに、コマンド制御手段400が第2コマンドバッファ420bに格納された第2コマンドを第1コマンドバッファ420aに転送することで、副入力信号に基づく第2コマンドが、第1コマンドバッファ420aに転送された後に第1コマンドバッファ420aから演出制御手段410に読み出されるため、演出制御手段410がコマンドを読み出す際に参照するバッファが、主制御部300から送信される第1コマンドが格納される第1コマンドバッファ420aに限られることで、第1コマンドと副入力信号とが同時に演出制御手段410に入力されてしまうことがなく、主制御部300からの第1コマンドを確実に受信しつつ、副制御部330における制御処理にかかる負荷の増大を防ぐことができる。
【0090】
この、押下検出スイッチ208sが遊技者の演出操作装置208への押下操作を検出したことに基づき出力される信号と、回転検出スイッチ209sが遊技者の演出操作装置208への回転操作を検出したことに基づき出力される信号と、を含む副入力信号が、本実施形態における操作信号を構成する。
【0091】
<コマンド転送処理>
図6は、本実施形態のパチンコ機100において、コマンド制御手段400が実行するコマンド転送処理を示すフローチャートである。
図6においては、第2コマンドバッファ420bに第2コマンドが格納された状態におけるコマンド制御手段400によるコマンド転送処理を示している。本実施形態のコマンド制御手段400は、第2コマンドバッファ420bに第2コマンドが格納されていない場合、判別領域に記憶されている第1コマンドを第1コマンドバッファ420aに格納した後に、コマンド転送処理を終了するように構成されている。
【0092】
第2コマンドバッファ420bに第2コマンドが格納されている場合、まず、コマンド制御手段400は、第1コマンドを第1コマンドバッファ420aに格納する(S1)。この処理において、コマンド制御手段400は、判別領域に記憶されているすべての第1コマンドを第1コマンドバッファ420aに格納する第1コマンド格納処理を実行する。なお、判別領域に第1コマンドが格納されていない場合、コマンド制御手段400は、速やかにステップS2に処理を進める。
【0093】
次に、コマンド制御手段400は、第1コマンドバッファ420aに第2コマンドを格納できるか否かを判定する(S2)。この処理において、コマンド制御手段400は、第1コマンドバッファ420aの空き容量を参照し、第1コマンドバッファ420aの空き容量が20バイト、つまり1回のコマンド転送処理で転送可能な第2コマンドの上限数である10コマンド分以上であるか否かを判定することで、第2コマンドバッファ420bに格納されている第2コマンドを格納できるか否かを判定している。
【0094】
この構成により、本実施形態のパチンコ機100は、仮に、第2コマンドバッファ420bに11コマンド以上の第2コマンドが格納されており、かつ第1コマンドバッファ420aに格納可能な第2コマンドの量が10コマンド以下と、第2コマンドバッファ420bに格納されている第2コマンドの量よりも少ない量である場合に、11コマンド以上の第2コマンドのすべてを第1コマンドバッファ420aに転送しようとすることで、第1コマンドバッファ420aにすべての第2コマンドを格納することができず、格納することができなかった第2コマンドが消失する等のエラーが発生してしまうことを防ぐことができる。この、ステップS2の処理が、本実施形態における判定処理を構成する。
【0095】
第1コマンドバッファ420aに第2コマンドを格納できないと判定した場合には(NO)、コマンド制御手段400は、ステップS3以降の処理を実行することなくコマンド転送処理を終了する。一方、第1コマンドバッファ420aに第2コマンドを格納できると判定した場合には(YES)、コマンド制御手段400は、第2コマンドバッファ420bに格納されている第2コマンドが11コマンド以上あるか否かを判定する(S3)。
【0096】
ステップS3の処理において、第2コマンドバッファ420bに格納されている第2コマンドが11コマンド未満であると判定した場合には(NO)、コマンド制御手段400は、第2コマンドバッファ420bに格納されているすべての第2コマンドを第1コマンドバッファ420aに転送し(S4)、コマンド転送処理を終了する。一方、第2コマンドバッファ420bに格納されている第2コマンドが11コマンド以上であると判定した場合には(YES)、コマンド制御手段400は、第2コマンドバッファ420bに格納されている第2コマンドについて、第2コマンドバッファ420bに格納された順に10コマンド分を第1コマンドバッファ420aに転送し(S5)、コマンド転送処理を終了する。
【0097】
このように、本実施形態のコマンド制御手段400は、コマンド転送処理において、第2コマンドバッファ420bから第1コマンドバッファ420aに転送する第2コマンドの量について、10コマンド以下に制限するように構成されている。上述した通り、演出制御手段410は、第3周期(例えば33ms)ごとに実行する演出に係る制御処理において、第1コマンドバッファ420aに格納されたすべてのコマンドを読み出すように構成されている。また、コマンド制御手段400は、第2周期(例えば512μs)ごとに実行するコマンド転送処理において、第2コマンドバッファ420bに格納されている第2コマンドを、最大で10コマンドの第2コマンドを第2コマンドバッファ420bから第1コマンドバッファ420aに格納するように構成されている。
【0098】
つまり、本実施形態のコマンド制御手段400は、演出制御手段410による1回の演出に係る制御処理が実行されてから次回の演出に係る制御処理が実行されるまでに、33msの期間があり、その間に最大で64回(33ms/512μs)のコマンド転送処理を実行可能であることから、第2コマンドバッファ420bから第1コマンドバッファ420aに格納する第2コマンドの量について、所定の量として、64回のコマンド転送処理で毎回10コマンド転送した場合の最大値である640コマンド以下に制限するように構成されている。
【0099】
この構成により、本実施形態のパチンコ機100は、第1コマンドバッファ420aからコマンドが読み出されるまでに第1コマンドバッファ420aに第2コマンドを格納する量を、640コマンド以下に制限することで、第1コマンドバッファ420aに多量の第2コマンドが格納されてしまい、新たに第1コマンドを格納することができなくなってしまうことを防ぐことができ、格納することができなかった第1コマンドが消失する等のエラーの発生を防止できるとともに、主制御部300からの第1コマンドを確実に受信することができる。また、本実施形態のパチンコ機100は、1回のコマンド転送処理において転送する第2コマンドの量を10コマンド、つまり20バイトに制限することで、第2周期ごとに実行されるコマンド転送処理における処理の負荷を軽減できるため、副制御部330における制御処理にかかる負荷の増大を防ぐことができる。
【0100】
以上のように、本実施形態のパチンコ機100は、副制御部330において生成され第2コマンドバッファ420bに格納された第2コマンドについて、コマンド制御手段400が第1コマンドバッファ420aに転送した後に、演出制御手段410によって第1コマンドバッファ420aから読み出されるため、演出制御手段410がコマンドを読み出す際に参照するバッファが、主制御部300から送信される第1コマンドが格納される第1コマンドバッファ420aに限られることで、第1コマンドと第2コマンドとが同時に演出制御手段410に入力されてしまうことがなく、主制御部300からの第1コマンドを確実に受信しつつ、副制御部330における制御処理にかかる負荷の増大を防ぐことができる。
【0101】
3.変形例
なお、本実施形態において、コマンド制御手段400は、副入力信号を第2コマンドに変換するように構成されているが、これに限らず、例えば、演出制御手段410によって出力された信号を第2コマンドに変換し、第2コマンドバッファ420bに格納するように構成されていてもよい。つまり、コマンド制御手段400は、演出操作装置208への遊技者の操作を検出する副操作信号出力手段220からの副入力信号に限らず、いずれの信号であっても第2コマンドに変更するように構成されていてもよい。また、コマンド制御手段によって所定の信号がコマンドに変換され、該変換されたコマンドをコマンド記憶領域に記憶させる構成であれば、本発明は適用できる。
【0102】
また、本実施形態において、コマンド制御手段400は、すべての副入力信号を第2コマンドに変換した後に第2コマンドバッファ420bに格納するように構成されているが、これに限らず、例えば変換した第2コマンドのうち通常第2コマンドについては、第2コマンドバッファ420bに格納した後に第1コマンドバッファ420aに転送し、通常第2コマンドとは異なる特定第2コマンドについては、第2コマンドバッファ420bを介することなく第1コマンドバッファ420aに格納するように構成されていてもよい。
【0103】
また、本実施形態において、コマンド制御手段400は、第2コマンドバッファ420bに格納されている第2コマンドを第1コマンドバッファ420aに格納する場合に、1回のコマンド転送処理の実行時に格納する第2コマンドの量を10コマンド以下に制限しているが、これに限定されない。コマンド制御手段400は、1回のコマンド転送処理の実行時に11コマンド以上の第2コマンドを第2コマンドバッファ420bから第1コマンドバッファ420aに転送可能に構成されていてもよい。
【0104】
また、本実施形態において、コマンド制御手段400は、判定処理において、1回のコマンド転送処理で転送可能な第2コマンドの上限数である10コマンド分以上であるか否かを判定することで、第2コマンドバッファ420bに格納されている第2コマンドを格納できるか否かを判定しているが、これに限定されない。コマンド制御手段400は、第1コマンドバッファ420aの空き容量について、例えば第2コマンド100コマンド分以上の容量が空いているか否かを判定してもよく、そのデータ容量については、本実施形態に限定されるものではない。
【0105】
特に、パチンコ機100では、第1コマンドバッファ420aの空き容量の判定について、第2コマンドバッファ420bからの第2コマンドの転送が過度に抑制されない範囲で、大きい容量が空いているか否かを判定するように構成されることで、第1コマンドバッファ420aの空き容量が足らず第1コマンドを格納不能になることを確実に防ぐことができるため、主制御部300からの第1コマンドを副制御部330が確実に受信できるようになる。
【0106】
また、本実施形態において、副制御部330は、サブRAM330cに第1コマンドバッファ420aと第2コマンドバッファ420bとを有しているが、これに限定されない。副制御部330は、例えば、サブRAM330cに第1コマンドと第2コマンドとが格納される単一のコマンドバッファを有するように構成されていてもよい。このように構成された場合、コマンド制御手段400は、演出制御手段410によってコマンドバッファからコマンドが読み出されるまでにコマンドバッファに第2コマンドを格納する量を、所定の量以下に制限するように構成される。
【0107】
このように構成されることで、パチンコ機は、コマンドバッファからコマンドが読み出されるまでにコマンドバッファにコマンドを格納する量を、所定の量以下に制限することで、コマンドバッファに多量の第2コマンドが格納されてしまい、新たに第1コマンドを格納することができなくなってしまうことを防ぐことができ、格納することができなかった第1コマンドが消失する等のエラーの発生を防止できるとともに、主制御部300からの第1コマンドを確実に受信しつつ、副制御部330における制御処理にかかる負荷の増大を防ぐことができる。
【0108】
また、本実施形態において、コマンド制御手段400は、コマンド転送処理の実行時に判定処理を実行するように構成されているが、これに限定されない。コマンド制御手段400は、例えば第1コマンドバッファ420aが十分な容量を有し、第1コマンドを第1コマンドバッファ420aに格納する際に第1コマンドバッファ420aの空き容量が不足してしまう虞が防止されている場合には、判定処理を実行することなく第2コマンドバッファ420bに格納されている第2コマンドを第1コマンドバッファ420aに転送するように構成されていてもよい。
【0109】
また、本実施形態において、副制御部330は、第1コマンドバッファ420aと第2コマンドバッファ420bとについて、同一のサブRAM330c内に設けているが、これに限らず、例えば、それぞれ独立した第1サブRAMと第2サブRAMとを有し、第1コマンドバッファ420aを第1サブRAMに設け、第2コマンドバッファ420bを第2サブRAMに設けていてもよい。
【0110】
また、本実施形態においては、遊技機として、大当たり図柄を含む複数種類の図柄の中からいずれかを決定する図柄決定手段と、図柄が決定されてから所定の変動時間が経過すると、図柄表示部に図柄を表示させる図柄表示手段と、図柄表示部に大当たり図柄が表示されると、複数回のラウンド遊技で構成される大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、大役遊技におけるラウンド遊技のうち予め設定された特定ラウンド遊技中に、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入すると、所定の遊技利益を付与する遊技利益付与手段と、大役遊技中の演出を実行する演出実行手段と、を備えるいわゆる第一種遊技を可能なパチンコ機100を例示したが、これに限らず、例えば、小当たり遊技中に所定の領域に遊技球が侵入することで大役遊技を開始可能な第二種遊技を可能なパチンコ機であっても本発明は適用し得る。また、例えば、外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、遊技者による開始操作を検出するスタートスイッチと、複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出するストップスイッチと、遊技の進行を制御する主制御部と、コマンドに基づき演出を制御する演出制御手段を有する副制御部を備え、主制御部が、複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、スタートスイッチによる開始操作の検出に基づいて、複数のリールを回転させ、ストップスイッチによる停止操作の検出及び内部抽選手段により決定された内部抽選の結果に基づいて、回転中のリールを停止させるリール停止制御を行うリール制御手段と、複数のリールが停止した状態で、役ごとに予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段と、有するスロットマシンにも、本発明は適用できる。以下、スロットマシン1について詳述する。
【0111】
<スロットマシンの機械的構成>
図7は、スロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。スロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0112】
スロットマシン1は、収納箱BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての第1リールR1〜第3リールR3からなるリールユニットが収められている。また、筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット920(
図9参照)が収められている。また、スロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
【0113】
図7に示すように第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに
図8に示す複数種類の図柄のいずれかが配列されている。
【0114】
図8は、スロットマシン1における第1リールR1〜第3リールR3の周面に配列された各図柄を示す図である。
図8に示すように、第1リールR1〜第3リールR3の外周面に、赤7図柄「赤7」、白7図柄「白7」、青7図柄「青7」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄「BL」、チェリー図柄「CH」、スイカ図柄A「WMA」、スイカ図柄B「WMB」、及びブランク図柄「BLK」が配列されている。また、第1リールR1〜第3リールR3の周面には、それぞれ20コマの図柄が配列されており、それぞれ停止番号0番〜停止番号19番のいずれかの停止番号が割り当てられている。
【0115】
第1リールR1〜第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータ(図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち、スロットマシン1では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
【0116】
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0117】
また、スロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインL1が設定されている。なお、スロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が、遊技状態に応じてそれぞれ2枚(第2規定投入数)又は3枚(第1規定投入数)に設定されており、各遊技状態に設定された規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1〜第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0118】
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット920からメダルの払い出し等が行われる。
【0119】
前面上扉UDには、主制御表示装置500を含む遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1〜ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。主制御表示装置500には、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選コマンドに対応する表示である報知表示が表示される。また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、後述する有利期間制御手段610によって有利期間が開始されている場合に点灯し、有利期間が開始されていない、つまり非有利期間が開始されている場合に消灯することで有利期間が開始されているか否かを報知する有利期間報知部500Aが設けられている。
【0120】
また、前面上扉UDには、演出を行うための演出表示装置930が設けられている。演出表示装置930は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像や画像が表示される。また、スロットマシン1では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。スピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0121】
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1〜ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBS、遊技者の演出に関する操作を受け付ける演出操作装置JGも設けられている。
【0122】
演出操作装置JGは、左右に回転可能なリング状の回転操作部JGDと、回転操作部JGDの回転中心に設けられ押下操作することができるボタンJGBとから構成されている。回転操作部JGDは、回転方向及び回転量(角度)を検知し、検知した情報を出力することで遊技者の回転操作を受け付けることができる。ボタンJGBは、押下操作された場合に副制御部20(
図9参照)へ信号を出力することで遊技者の押下操作を受け付ける。演出操作装置JGは、演出表示装置930に表示される画像等に合わせて有効化され、操作有効期間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、様々な演出が実行される。
【0123】
スロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを押下するシングルベット操作又はマックスベットボタンMBを押下するマックスベット操作を行うことで、規定投入数のメダルが投入状態に設定され、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1〜ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
【0124】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下(以下、「押下タイミング」と記載)していくと、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ840がON動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をOFF状態からON状態へ変化させる。
【0125】
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜ストップボタンB3を解放すると、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに対応するストップスイッチがOFF動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をON状態からOFF状態に変化させる。そして、制御基板は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のOFF状態からON状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
【0126】
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット920からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
【0127】
<スロットマシンの電気的構成>
図9は、スロットマシン1の機能ブロック図である。スロットマシン1は、それぞれ独立した制御基板である主制御部10と副制御部20とによって制御される。主制御部10は、複数の主操作検出手段としてのメダル投入スイッチ810、ベットスイッチ820、スタートスイッチ830、ストップスイッチ840、設定変更スイッチ850及びリセットスイッチ860の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット910、ホッパーユニット920、遊技情報表示部DS等の出力手段の動作を制御する。また、スロットマシン1においては、主制御部10と副制御部20とについて、主制御部10から副制御部20への短方向通信のみを可能に構成され、主制御部10から副制御部20へ各種信号を送信可能であるものの、副制御部20から主制御部10へ各種信号を送信することができないように通信接続されている。
【0128】
主制御部10は、遊技の進行を制御し、メインCPU11と、メインROM12と、メインRAM13と、を備えている。メインCPU11は、各入力手段からの入力信号に基づいて、メインROM12に格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の制御部に主制御部10で生成したコマンドである第1コマンドを送信したりすることで、遊技の進行に係る制御処理を実行する。メインRAM13は、メインCPU11の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0129】
メインCPU11は、メインROM12に格納されたプログラムに基づき、メインRAM13と協働して、設定変更手段601、投入受付手段602、乱数生成手段603、内部抽選手段604、リール制御手段605、入賞判定手段606、払出制御手段607、リプレイ処理手段608、遊技状態移行制御手段609、有利期間制御手段610、指示機能状態制御手段611、第1コマンド変換手段612及び第1コマンド送信手段613として機能する。
【0130】
設定変更手段601は、メインRAM13に記憶されている設定値を変更する制御を行う。スロットマシン1では、収納箱BX内に収められた電源装置に設けられている設定変更スイッチ850から出力される信号である設定信号が入力されることで、設定変更が実行される。スロットマシン1では、設定変更手段601によって確定された設定値に応じて、内部抽選手段604による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。
【0131】
投入受付手段602は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間において、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ810が作動することに伴って、投入受付手段602が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段602は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ820が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【0132】
なお、スロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段604が内部抽選を実行する契機となっている。
【0133】
乱数生成手段603は、抽選用の乱数を発生させる手段である。乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0134】
内部抽選手段604は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ830が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
【0135】
抽選テーブル選択処理では、メインROM12に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0〜65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応付けられている。
【0136】
乱数判定処理では、スタートスイッチ830から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段603が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
【0137】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。スロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。なお、抽選フラグの設定情報は、メインRAM13に格納される。
【0138】
リール制御手段605は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ830から、スタート信号が出力されたことに基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始する。また、リール制御手段605は、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作されることでストップスイッチ840によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段605は、停止操作の検出に基づきストップスイッチ840からリール停止信号が出力された場合に、リールユニット910のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。このとき、リール制御手段605は、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態、すなわち内部抽選の結果に応じた態様で停止させる制御を行う。つまり、リール制御手段605は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の各ボタンが押下されるごとに、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたストップボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。
【0139】
また、スロットマシン1では、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。リール制御手段605は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ラインL1上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄を有効ラインL1上の表示位置に表示するように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
【0140】
リール制御手段605は、スタートスイッチ830が開始操作を検出することで出力されるスタート信号を受信し、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始して1回の遊技を開始した場合に、一般にウェイト(又はウェイト時間)と称される待機時間(約4.1秒)を設定するように構成されている。そして、リール制御手段605は、待機時間の設定から待機時間が経過するまでの期間内にスタート信号をスタートスイッチ830から受信した場合に、待機時間が経過した後に第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始するように構成されている。この構成により、リール制御手段605は、1回の遊技の開始から次の遊技の開始までに一定の時間として最小遊技時間(約4.1秒)を経過してから遊技を開始させることができる。
【0141】
入賞判定手段606は、第1リールR1〜第3リールR3のすべてが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せ(第1リールR1〜第3リールR3の停止態様)が、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する入賞判定処理を行う。スロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段606の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段607にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合には、リプレイ処理手段608に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態移行制御手段609に入賞したボーナスを作動させる処理が行われる。
【0142】
払出制御手段607は、入賞判定手段606による入賞判定処理の結果に基づき、払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット920に払い出させる払出制御を行う。ホッパーユニット920には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ925が備えられている。払出制御手段607は、払出メダル検出スイッチ925からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット920から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット920によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、メインRAM13のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0143】
リプレイ処理手段608は、入賞判定手段606により有効ラインL1上に複数種類のリプレイのうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、スロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
【0144】
遊技状態移行制御手段609は、リプレイの当選態様がそれぞれ異なる複数の遊技状態の間での遊技状態の移行と、内部抽選手段604による内部抽選で、抽選フラグが成立状態に設定された場合に、入賞するまで成立状態が維持されるボーナスに当選した場合に、現在の遊技状態からボーナス成立状態への遊技状態の移行と、入賞したボーナスを作動させるとともに作動させたボーナスに対応する遊技状態であるボーナス状態への遊技状態の移行と、の遊技状態移行制御を行う。
【0145】
有利期間制御手段610は、特定役の入賞を補助する入賞補助制御を実行可能な遊技が実行される期間である有利期間(有利区間)と、入賞補助制御が実行されない遊技が実行される期間である非有利期間(非有利区間)と、の間での移行に係る制御を実行する。有利期間制御手段610は、有利期間と非有利期間との間での移行に係る制御として、非有利期間内における遊技において、ボーナスが非成立状態であり、かつボーナスの非作動中である場合に設定差がない当選エリアに当選した場合に、非有利期間を終了し有利期間を開始するか否かを決定する抽選である有利期間抽選を実行する。
【0146】
有利期間制御手段610は、予め設定された有利期間を終了する条件が成立した場合や、有利期間を開始してから所定の遊技回数の遊技(例えば1500ゲーム)の遊技が実行された場合に、有利期間を終了し次ゲームから非有利期間を開始するとともに、有利期間中に使用した指示機能に係る全パラメータを初期化する処理である終了処理を実行する。また、有利期間制御手段610は、有利期間を開始した場合に有利期間報知部500Aを点灯させ、非有利期間を開始した場合に有利期間報知部500Aを消灯させる。
【0147】
指示機能状態制御手段611は、有利期間制御手段610によって有利期間が開始されている場合に、入賞補助制御を実行可能な状態であるAT状態を含む複数の指示機能状態の間での指示機能状態の移行に係る制御を含む指示機能に係る制御(アシストタイム制御)を行う。指示機能状態制御手段611は、指示機能状態が入賞補助制御を実行可能な状態である場合に、特定役が入賞する確率を上げるための制御として、内部抽選手段604に当選した当選エリアに応じてそれぞれ異なる当選コマンドを作成させ、作成させた当選コマンドを主制御表示装置500に送信させることで、内部抽選で当選した当選エリアがいずれの当選エリアであるかを報知し、遊技者にストップボタンB1〜ストップボタンB3の操作方法を指示する機能(指示機能)である報知表示が主制御表示装置500に実行される制御である入賞補助制御を実行可能となるように構成されている。
【0148】
第1コマンド変換手段612は、各入力手段から入力された入力信号に基づく各手段による演算処理の結果を、予め定められた形式の第1コマンド(例えば5バイト)に変換する。第1コマンド送信手段613は、第1コマンド変換手段612が変換した第1コマンドを、予め定められた周期である第1周期(例えば1.49ms)で実行するタイマ割り込み処理の実行2回ごとに、1コマンドずつ副制御部20に送信する。
【0149】
副制御部20は、主制御部10から送信される第1コマンドに基づき演出を制御し、サブCPU21と、サブROM22と、サブRAM23と、を備えている。サブCPU21は、主制御部10から送信された第1コマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM22に格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出表示装置930や音響装置940を含む演出装置900に演出を実行させる演出に係る制御を実行する。サブRAM23は、サブCPU21の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0150】
サブCPU21は、サブROM22に格納されたプログラムに基づき、サブRAM23と協働して、第1コマンド受信手段701a、第1コマンド判別手段701b及び第2コマンド変換手段701cを含むコマンド制御手段701と、演出制御手段702と、として機能する。
【0151】
副制御部20のサブCPU21では、第1周期よりも短い間隔の周期である第2周期(例えば512μs)で、第1コマンド送信手段613からの第1コマンドの送信の有無を監視する第1コマンド受信手段701aによるポーリング処理と、受信した第1コマンドを判別する第1コマンド判別手段701bによる判別処理と、判別処理で問題がないと判別された第1コマンドを第1コマンドバッファ703aに格納するコマンド制御手段701による第1コマンド格納処理を含むコマンド転送処理と、が実行される。
【0152】
また、サブCPU21では、演出操作装置JGのボタンJGBへの遊技者の押下操作を検出する押下検出スイッチ870や演出操作装置JGの回転操作部JGDへの遊技者の回転操作を検出する回転検出スイッチ880を含む副操作信号出力手段800から副入力信号(操作信号)が入力された場合に、第2コマンド変換手段701cによって、入力された副入力信号が、第1コマンドと同じデータ容量(例えば5バイト)の第2コマンドに変換され、コマンド制御手段701によって、第2コマンド変換手段701cによって変換された第2コマンドが、サブRAM23に設けられ、第1コマンドバッファ703aとは異なるバッファである第2コマンドバッファ703bに格納される。また、第2コマンドバッファ703bに格納された第2コマンドは、コマンド制御手段701によるコマンド転送処理によって、第2コマンドバッファ703bから第1コマンドバッファ703aに転送される。
【0153】
演出制御手段702は、第1コマンドと第2コマンドとを含むコマンドに基づき演出を制御する。演出制御手段702は、予め定められた周期である第3周期(例えば16ms)ごとに、第1コマンドバッファ703aに格納されたコマンドを格納された順に読み出し、演出に係る制御処理を実行する。演出制御手段702は、1回の演出に係る制御処理の実行時において、第1コマンドバッファ703aに格納されているコマンドを1コマンドずつすべて読み出して解読することで、読み出したコマンドに基づく演出パターン(演出内容)の決定又は読み出したコマンドの破棄を実行し、演出装置900に演出を実行させる。
【0154】
サブRAM23に設けられた第1コマンドバッファ703aと第2コマンドバッファ703bとは、いずれも格納された順に読み出される先入先出メモリ(FIFO:First−in First−out)となっている。このため、演出制御手段702は、第1コマンドバッファ703aからコマンドを読み出す場合に、第1コマンドバッファ703aに格納された順にコマンドを呼び出すため、読み出す前の時点では第1コマンドと第2コマンドとのいずれのコマンドを読み出すかを予測することができない構成となっている。
【0155】
副制御部20では、主制御部10から第1コマンドが送信された場合、コマンド制御手段701が受信した第1コマンドを第1コマンドバッファ703aに格納する。また、副制御部20では、副入力信号が入力された場合、コマンド制御手段701が入力された副入力信号を第2コマンドに変換して第2コマンドバッファ703bに格納する。そして、コマンド制御手段701は、第1コマンドバッファ703aに第1コマンドを格納した後に、第2コマンドバッファ703bに格納されている第2コマンドを、第1コマンドバッファ703aに転送するコマンド転送処理を実行する。コマンド転送処理の実行時において、コマンド制御手段701は、1回のコマンド転送処理の実行時に、第2コマンドバッファ703bに格納されている第2コマンドを最大で10コマンド分第1コマンドバッファ703aに転送するように構成されている。
【0156】
なお、上述したパチンコ機100における第1コマンド受信手段400a、第1コマンド判別手段400b及び第2コマンド変換手段400cを含むコマンド制御手段400と、演出制御手段410と、第1コマンドバッファ420aと、第2コマンドバッファ420bと、は、それぞれスロットマシン1における第1コマンド受信手段701a、第1コマンド判別手段701b及び第2コマンド変換手段701cを含むコマンド制御手段701と、演出制御手段702と、第1コマンドバッファ703aと、第2コマンドバッファ703bと、において機能する。