(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の不正開封防止キャップでは、外キャップを例えば握りながら回転操作するときに、操作片を指先等で押さえてしまった場合には、外キャップ及び内キャップが一体に回転して開封に繋がってしまう。従って、開封に直接関係する本操作、すなわち外キャップの回転操作を行うときに、意図しなくても操作片を押さえてしまうことがある。そのため、非対象者であっても開封できてしまう場合があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、対象者による開封を許容しつつ、非対象者による意図しない開封を防止することができる不正開封防止キャップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る不正開封防止キャップは、容器本体の口部に装着され、前記口部に対するキャップ軸回りの回転に伴って前記口部から離脱可能とされた内キャップと、前記内キャップを覆うと共に、前記内キャップに対して前記キャップ軸回りに回転可能に組み合わされた外キャップと、前記内キャップと前記外キャップとの間に、前記内キャップ及び前記外キャップに対して相対移動可能に配設された操作部材と、を備え、前記操作部材は、前記内キャップに形成された第1係止部に対して前記キャップ軸回りの周方向に係止可能な内側係止部を備え、前記操作部材は、前記第1係止部に対して前記内側係止部が非係止状態で配置され、前記内キャップに対して前記外キャップを前記キャップ軸回りに回転可能な状態に維持する非係止位置と、前記第1係止部に対して前記内側係止部が係止され、前記内キャップに対して前記外キャップを前記キャップ軸回りに回転不能に連結する係止位置と、の間を移動可能とされ、前記操作部材には、前記外キャップよりも外側に配置された操作片が設けられている。
【0009】
本発明に係る不正開封防止キャップによれば、操作部材を非係止位置から係止位置に移動させる予備操作を行うことで、開封に直接関係する本操作(すなわち外キャップ及び内キャップを開封方向に向けて一体的にキャップ軸回りに回転させる操作)を可能とすることができる。従って、予備操作を経由してからでないと本操作を行うことができない。よって、予備操作を、本操作を行う前の事前操作(準備操作)とすることができる。
【0010】
操作部材が非係止位置に位置している場合には、内キャップの第1係止部に対して、操作部材の内側係止部が非係止状態で配置され、内キャップに対して外キャップがキャップ軸回りに回転可能な状態に維持されている。従って、外キャップをキャップ軸回りに回転させたとしても、操作部材を介して内キャップに回転力を伝えることができない。これにより、内キャップ及び外キャップを一体的に開封方向に回転させることができず、本操作を行うことができない。従って、操作部材が非係止位置に位置している場合には、予備操作を経由せずに本操作が行われることを防止することができる。
【0011】
次に、予備操作を行って、操作部材を内キャップ及び外キャップに対して相対移動させて、操作部材を非係止位置から係止位置に位置させた場合には、内キャップの第1係止部に対して、操作部材の内側係止部を周方向に係止させることができる。このとき、操作片が外キャップよりも外側に配置されているので、外キャップに影響されることなく操作片を利用して操作部材を移動させることができ、予備操作を容易に行える。操作部材を係止位置に移動させることで、内キャップと外キャップとを操作部材を介して回転不能に連結することができるので、予備操作を行った後、続けて本操作を行うことができる。従って、容器本体の口部から不正開封防止キャップの全体を取り外して、容器本体を開封することができる。
上述のように、操作部材を非係止位置から係止位置に移動させる予備操作を事前に行わなければ、本操作を行うことができないので、従来とは異なり、非対象者が本操作を行うことで偶然に開封が可能となるような不都合が生じ難い。従って、事前に予備操作を行うことを認識している対象者による開封を許容しつつ、非対象者による意図しない開封を防止することができる。従って、不正開封防止に対する信頼性が高い高品質なキャップとすることができる。
【0012】
(2)前記操作部材は、前記非係止位置から前記係止位置に向けて前記キャップ軸方向に沿って移動可能とされても良い。
【0013】
この場合には、操作部材をキャップ軸方向に移動させるという予備操作での操作と、外キャップをキャップ軸回りに回転させるという本操作での操作と、を明確に異ならせることができるので、非対象者による意図しない開封をより効果的に防止し易い。
【0014】
(3)前記操作部材は、前記外キャップに形成された第2係止部に対して前記周方向に係止可能な外側係止部を備え、前記外側係止部は、少なくとも前記操作部材が前記係止位置に位置したときに、前記第2係止部に対して係止されても良い。
【0015】
この場合には、予備操作を行って、操作部材を非係止位置から係止位置に移動させたときに、内キャップの第1係止部及び外キャップの第2係止部に対して、操作部材の内側係止部及び外側係止部をそれぞれ周方向に係止させることができる。従って、内キャップと外キャップとを、操作部材を介してより確実に回転不能に連結することができ、操作部材を介して外キャップからの回転力を内キャップに伝え易い。そのため、本操作をスムーズに行うことができ、容器本体の開封を行い易い。
【0016】
(4)前記第1係止部及び前記第2係止部は、前記周方向に間隔をあけてそれぞれ複数形成され、前記操作部材は、前記内キャップ及び前記外キャップの全周に亘って環状に形成され、前記内側係止部及び前記外側係止部は、前記周方向に間隔をあけてそれぞれ複数形成されると共に、前記係止位置において前記第1係止部及び前記第2係止部に対して各別に係止されても良い。
【0017】
この場合には、操作部材が内キャップ及び外キャップに対応して環状に形成されているうえ、操作部材を係止位置に移動させたときに、第1係止部及び第2係止部に対する内側係止部及び外側係止部の係止を、周方向の複数個所で行うことができる。従って、外キャップの回転力を、操作部材を介して内キャップにバランスよく伝えることができ、本操作をより安定して行うことができる。
【0018】
(5)前記内キャップ及び前記外キャップのうちの少なくともいずれか一方のキャップと、前記操作部材との間には、前記操作部材を前記係止位置から前記非係止位置に向けて付勢する付勢部材が形成されても良い。
【0019】
この場合には、例えば非対象者が意図せずに予備操作を行って、操作部材を非係止位置から係止位置に移動させてしまったとしても、非対象者が操作部材を離した時点で、付勢部材によって操作部材を係止位置から元の非係止位置に復帰させることができる。これにより、非対象者が意図せずに本操作を続けて行ってしまうことを防止することができる。従って、非対象者による意図しない開封をより効果的に防止することができる。
【0020】
(6)前記内キャップと前記外キャップとの間には、前記口部に対する締め込み方向に向けて前記外キャップを前記キャップ軸回りに回転させたときに、前記内キャップと前記外キャップとの相対回転を規制し、且つ前記口部に対する緩み方向に向けて前記外キャップを前記キャップ軸回りに回転させたときに、前記内キャップと前記外キャップとの相対回転を許容するラチェット機構が設けられても良い。
【0021】
この場合には、容器本体の口部に対して不正開封防止キャップを装着するときに、操作部材が非係止位置に位置している状態であっても、口部に対する不正開封防止キャップの装着を行うことができる。つまり、内キャップと外キャップとの間にラチェット機構が設けられているので、口部に対して外キャップを締め込み方向(開封方向とは反対方向)に向けてキャップ軸回りに回転させると、内キャップを外キャップと共に締め込み方向に回転させることができる。これにより、口部に対して不正開封防止キャップの全体を締め込むことができ、口部に対する装着を行うことができる。
【0022】
なお、口部に対して外キャップを緩み方向(すなわち開封方向)に向けてキャップ軸回りに回転させた場合には、ラチェット機構によって外キャップが空回りするので、外キャップの回転力が内キャップに伝わることを防止することができる。従って、先に述べたように、予備操作を経由せずに本操作が行われてしまうことを防止することができる。
【0023】
(7)前記係止位置に前記操作部材を位置させた状態で、前記操作片と前記外キャップとを一体に連結する連結部材を備え、前記連結材は、前記操作片及び前記外キャップのうちいずれか一方の部材に対して離脱可能に係合しても良い。
【0024】
この場合には、例えば非対象者による意図しない開封を考慮する必要がないときに、連結部材を利用して操作部材を係止位置に位置させた状態に維持することができる。従って、予備操作を省略することができ、対象者による開封を速やかに行うことができ、使い易い。そして、非対象者による意図しない開封を考慮する必要性が生じたときに、上記一方の部材に対する連結部材の係合を解除して、一方の部材から連結部材を離脱させることで、操作部材を非係止位置に位置させることができる。これにより、非対象者を考慮した使い方に移行することができる。
【0025】
(8)前記連結部材は、前記操作片及び前記外キャップのうちの他方の部材に対して、破断可能な弱化部を介して接続されても良い。
【0026】
この場合には、非対象者による意図しない開封を考慮する必要性が生じたときに、一方の部材に対する連結部材の係合を解除しつつ、弱化部を破断しながら連結部材を他方の部材から毟り取るように除去することができる。これにより、連結部材を気にすることなく予備操作及び本操作を行うことができるので、これらの各操作を行い易くなる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る不正開封防止キャップによれば、対象者による開封を許容しつつ、非対象者による意図しない開封を防止することができ、不正開封防止に対する信頼性が高い高品質なキャップとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る不正開封防止キャップの第1実施形態について図面を参照して説明する。
【0030】
図1に示すように、本実施形態の不正開封防止キャップ10は、内容物が収容される容器本体2の口部3に装着されることで使用され、対象者による開封を許容しつつ、子供等の非対象者による意図しない開封を防止するためのキャップとされている。
なお、不正開封防止キャップ10及び容器本体2は、不正開封防止容器1を構成する。
【0031】
不正開封防止キャップ10は、容器本体2の口部3に装着される有頂筒状の内キャップ11と、内キャップ11を覆う有頂筒状の外キャップ12と、内キャップ11と外キャップ12との間に配設された筒状の操作部材13と、を備えている。
【0032】
内キャップ11、外キャップ12及び操作部材13は、それぞれの中心軸が共通軸上に位置された状態で配設されている。本実施形態ではこの共通軸をキャップ軸Oという。
不正開封防止容器1において、キャップ軸Oに沿った不正開封防止キャップ10側を上側といい、容器本体2の底部側を下側という。また、キャップ軸O方向から見た平面視において、キャップ軸Oに直交する方向を径方向といい、キャップ軸O回りに周回する方向を周方向という。さらに、周方向のうち、不正開封防止容器1の上面視でキャップ軸Oを時計回りに周回する方向を第1回転方向M1、その反対側を第2回転方向M2という。
【0033】
容器本体2は、内部に内容物が収容される有底筒状に形成され、キャップ軸Oと同軸に配置されている。内容物としては、特に限定されるものではないが、例えば誤飲、誤食を防止する必要がある薬剤等が挙げられる。
図示の例では、容器本体2として単層のボトル容器としているが、この場合に限定されるものではなく、例えば二重容器等の積層型ボトル容器であっても構わないし、パウチ容器等であっても構わない。容器本体2における胴部の形状としては、例えば横断面視円形状、楕円状或いは六角形等の角形状であっても良く、特定の形状に限定されるものではない。
【0034】
図1及び
図2に示すように、容器本体2の口部3には、内キャップ11が螺着される雄ねじ部4が形成されている。
雄ねじ部4は、容器本体2に対して内キャップ11を第1回転方向M1に回転させた際に、内キャップ11が締め込まれるように螺旋状に形成されている。そのため、第1回転方向M1が締め込み方向となり、第2回転方向M2が内キャップ11の緩み方向(すなわち開封方向)となる。
【0035】
図1〜
図3に示すように、内キャップ11は、容器本体2の口部3を径方向外側から囲む装着筒20と、装着筒20の上端部からさらに上方に向けて延びたガイド筒21と、ガイド筒21の上方開口部を閉塞する平面視円形状の頂壁部22と、を備えている。
【0036】
装着筒20の内周面には、容器本体2の口部3に形成された雄ねじ部4に螺着する雌ねじ部23が形成されている。これにより、内キャップ11は、雄ねじ部4と雌ねじ部23との螺合によって、容器本体2の口部3に装着されている。
【0037】
装着筒20は、上端部側に位置する上側装着筒20a、及び下端部側に位置する下側装着筒20bで構成されている。下側装着筒20bの外径は、上側装着筒20aの外径よりも小さく形成されている。これにより、装着筒20の外周面は段付き状に形成されている。上側装着筒20aの外周面には、その全周に亘って径方向外側に向けて僅かに膨らむように突出した第1環状突部24が形成されている。第1環状突部24は、内キャップ11に対して操作部材13が下方に脱落することを防止する抜け止め突起として機能する。
【0038】
下側装着筒20bの外周面には、キャップ軸O方向に沿って延びると共に、径方向外側に向けて突出した第1係止リブ(第1係止部)25が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
第1係止リブ25は、その上端部が上側装着筒20aの下端部に一体に接続され、その下端部が下側装着筒20bにおけるキャップ軸O方向の中央部分に位置するように形成されている。また、第1係止リブ25は、上側装着筒20aの外周面よりも径方向外側に突出しない程度の突出量で、径方向外側に向けて突出している。
【0039】
図示の例では、第1係止リブ25は、キャップ軸Oを中心として周方向に15度の間隔をあけて等間隔に配置されている。ただし、第1係止リブ25の数は、この場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
【0040】
ガイド筒21は、その外径が下側装着筒20bの外径よりも僅かに小さく形成されている。ガイド筒21の外周面には、その全周に亘って径方向外側に向けて僅かに膨らむように突出した第2環状突部26が形成されている。第2環状突部26は、内キャップ11に対して外キャップ12が上方に抜けることを防止する抜け止め突起として機能する。
【0041】
頂壁部22は、容器本体2の口部3よりも僅かに上方に位置するように配置され、パッキン27を介して口部3の上方開口端縁上に接触している。これにより、頂壁部22はパッキン27を介して容器本体2の口部3を上方から閉塞している。
なお、パッキン27は必須なものではなく具備しなくても構わない。この場合には、例えば頂壁部22をガイド筒21の下端部に形成し、頂壁部22を容器本体2の口部3の上方開口端縁上に接触させれば良い。さらにこの場合において、容器本体2の口部3の内側に密に嵌合するシール筒を、頂壁部22から下方に向けて延びるように形成しても良い。
【0042】
外キャップ12は、内キャップ11の装着筒20及びガイド筒21を径方向外側から囲む外装筒30と、外装筒30の上端開口部を閉塞する天壁部31と、を備え、内キャップ11に対してキャップ軸O回りに回転可能に組み合わされている。
【0043】
外装筒30は、内キャップ11の装着筒20及びガイド筒21との間に一定の隙間(環状の隙間)をあけた状態で、これら装着筒20及びガイド筒21を径方向外側から囲んでいる。外装筒30は、上端部側に位置する上側外装筒30a、及び下端部側に位置する下側外装筒30bで構成されている。下側外装筒30bの内径は、上側外装筒30aの内径よりも大きく形成されている。これにより、外装筒30の内周面は段付き状に形成されている。
【0044】
なお、上側外装筒30aは、内キャップ11の上側装着筒20aに対して径方向に対向しており、上側装着筒20aを径方向外側から囲んでいる。下側外装筒30bは、内キャップ11の下側装着筒20bに対して径方向に対向しており、下側装着筒20bを径方向外側から囲んでいる。さらに、下側外装筒30bは、内キャップ11の下側装着筒20bよりも下方に延びている。
【0045】
下側外装筒30bの内周面には、キャップ軸O方向に沿って延びると共に、径方向内側に向けて突出した第2係止リブ(第2係止部)32が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
第2係止リブ32は、その上端部が上側外装筒30aの下端部に一体に接続され、その下端部が下側外装筒30bにおけるキャップ軸O方向の中央部分に位置するように形成されている。また、第2係止リブ32は、上側外装筒30aの内周面よりも径方向内側に突出しない程度の突出量で、径方向内側に向けて突出している。
【0046】
図示の例では、第2係止リブ32は、第1係止リブ25に対応してキャップ軸Oを中心として周方向に15度の間隔をあけて等間隔に配置されている。これにより、第2係止リブ32は、第1係止リブ25に対して径方向に対向するように各別に配置されている。
【0047】
天壁部31は、内キャップ11の頂壁部22に対して上方から接触している。天壁部31には、下方に向けて延びると共に、内キャップ11のガイド筒21を径方向外側から囲む連結筒33が形成されている。連結筒33の内周面には、その全周に亘って径方向内側に向けて僅かに膨らむように突出した第3環状突部34が形成されている。
第3環状突部34は、ガイド筒21に形成された第2環状突部26に対して下方から係合している。これにより、外キャップ12は、上方への抜け止めがされた状態で、内キャップ11に対してキャップ軸O回りに回転可能に組み合わされている。この際、外キャップ12は、ガイド筒21でガイドされることで、がたつき少なく安定して回転することが可能とされている。
【0048】
図2に示すように、操作部材13は、内キャップ11と外キャップ12との間に内キャップ11及び外キャップ12に対してキャップ軸O方向に移動可能に配設されている。
図2〜
図5に示すように、操作部材13は、内キャップ11の装着筒20と外キャップ12の外装筒30との間に下方から配置された操作筒40と、操作筒40の下端部から該操作筒40の全周に亘って径方向外側に向けて突出した環状の操作片41と、を備えている。
【0049】
操作筒40は、主に内キャップ11の装着筒20を径方向外側から囲む上側操作筒40aと、上側操作筒40aよりも下方に位置すると共に外キャップ12よりも下方に向けて延びた下側操作筒40bと、上側操作筒40aの下端部と下側操作筒40bの上端部とを一体に接続する接続リング40cと、を備えている。
【0050】
接続リング40cは、その内周面が内キャップ11における下側装着筒20bの外周面に対して近接或いは当接していると共に、その外周面が外キャップ12における下側外装筒30bの内周面に対して近接或いは当接している。
【0051】
上側操作筒40aは、接続リング40cよりも内径が大きく、且つ外径が小さい円筒状に形成され、内キャップ11における上側装着筒20aと外キャップ12における上側外装筒30aとの間に配置されている。図示の例では、上側操作筒40aは、内キャップ11における上側装着筒20aよりも上方に突出している。
【0052】
上側操作筒40aの内周面には、その全周に亘って径方向内側に向けて僅かに膨らむように突出した第4環状突部42が形成されている。第4環状突部42は、上側装着筒20aに形成された第1環状突部24に対して上方から係合している。これにより、先に述べたように、操作部材13は内キャップ11に対して下方に脱落することが防止された状態で、内キャップ11と外キャップ12との間に配置されている。
【0053】
下側操作筒40bは、接続リング40cと外径が同等され、且つ接続リング40cよりも内径が大きい円筒状に形成されている。上記操作片41は、外キャップ12よりも下方に延びている下側操作筒40bの下端部に形成されている。そのため、操作片41は、外キャップ12よりもキャップ軸O方向の外側、すなわち下方に配置されている。
【0054】
なお、上側操作筒40aと天壁部31との間には、キャップ軸O方向に一定の隙間が確保されている。同様に、操作片41と外キャップ12の下側外装筒30bとの間にも、キャップ軸O方向に上記隙間と同等の隙間が確保されている。操作部材13は、この隙間分だけ内キャップ11及び外キャップ12に対して上方移動可能とされている。
【0055】
上述のように構成された操作部材13には、内キャップ11に形成された第1係止リブ25に対して周方向から係止可能な内側係止リブ(内側係止部)45と、外キャップ12に形成された第2係止リブ32に対して周方向から係止可能な外側係止リブ(外側係止部)46と、が形成されている。
【0056】
操作部材13は、第1係止リブ25及び第2係止リブ32に対して内側係止リブ45及び外側係止リブ46がキャップ軸O方向に離間して配置され、内キャップ11に対して外キャップ12をキャップ軸O回りに回転可能な状態に維持する非係止位置P1(
図1及び
図2参照)と、第1係止リブ25及び第2係止リブ32に対して内側係止リブ45及び外側係止リブ46を係止させ、内キャップ11に対して外キャップ12をキャップ軸O回りに回転不能に連結する係止位置P2(
図6参照)と、の間をキャップ軸O方向に移動可能とされている。
【0057】
内側係止リブ45及び外側係止リブ46について、詳細に説明する。
内側係止リブ45は、キャップ軸O方向に沿って延びると共に、上側操作筒40aの下端部における内周面から径方向内側に向けて突出し、且つ周方向に間隔をあけて複数形成されている。内側係止リブ45は、その下端部が接続リング40cに一体に接続され、その上端部が第1係止リブ25よりも下方に位置するように形成されている。
なお、内側係止リブ45は、接続リング40cの内周面よりも径方向内側に突出しない程度の突出量で、径方向内側に向けて突出している。
【0058】
図示の例では、内側係止リブ45は、キャップ軸Oを中心として周方向に30度の間隔をあけて等間隔に配置されていると共に、キャップ軸O方向から見た平面視で、周方向に隣接する第1係止リブ25同士の間に位置するように配置されている。
ただし、内側係止リブ45の数は、上述した場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
【0059】
外側係止リブ46は、キャップ軸O方向に沿って延びると共に、上側外装筒30aの下端部における外周面から径方向外側に向けて突出し、周方向に間隔をあけて複数形成されている。外側係止リブ46は、その下端部が接続リング40cに一体に接続され、その上端部が第2係止リブ32よりも下方に位置するように形成されている。
なお、外側係止リブ46は、接続リング40cの外周面よりも径方向外側に突出しない程度の突出量で、径方向外側に向けて突出している。
【0060】
図示の例では、外側係止リブ46は、内側係止リブ45に対応してキャップ軸Oを中心として周方向に30度の間隔をあけて等間隔に配置されていると共に、キャップ軸O方向から見た平面視で、周方向に隣接する第2係止リブ32同士の間に位置するように配置されている。
ただし、外側係止リブ46の数は、上述した場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。また、外側係止リブ46の数は、内側係止リブ45の数と同じ、或いは異なっていても構わない。
【0061】
上述したように、内側係止リブ45及び外側係止リブ46は、第1係止リブ25及び第2係止リブ32に対して下方に離れて配置されている。従って、
図1及び
図2に示すように、内側係止リブ45及び外側係止リブ46が第1係止リブ25及び第2係止リブ32に対して下方に離れて配置されている状態の操作部材13の位置が、非係止位置P1とされている。
【0062】
これに対して、
図6に示すように、非係止位置P1から操作部材13を上方移動させた場合には、内側係止リブ45が周方向に隣接する第1係止リブ25同士の間に配置されて、第1係止リブ25に対して内側係止リブ45が周方向から係止された状態となる。同様に、外側係止リブ46が周方向に隣接する第2係止リブ32同士の間に配置されて、第2係止リブ32に対して外側係止リブ46が周方向から係止された状態となる。
従って、
図6に示すように、内側係止リブ45及び外側係止リブ46が第1係止リブ25及び第2係止リブ32に対して周方向から係止されている状態の操作部材13の位置が、係止位置P2とされている。
【0063】
図1、
図4及び
図5に示すように、操作部材13と外キャップ12との間には、操作部材13を係止位置P2から非係止位置P1に向けて付勢する弾性片(付勢部材)50が形成されている。本実施形態では、弾性片50は操作部材13に一体に形成され、操作部材13と外キャップ12の天壁部31との間に配置されている。
【0064】
弾性片50は、上側操作筒40aと同等の厚みとされた板ばねであって、キャップ軸O方向から見た平面視で、上側操作筒40aに対応するように周方向に沿って延びた状態で、上側操作筒40aと一体に形成されている。これにより、弾性片50は、内キャップ11及び外キャップ12に対して非接触状態で形成されている。また、弾性片50は、上側操作筒40aとの接続部分である下端部50aから上方に向けて延びると共に、下端部50aから自由端である上端部50bに向かうにしたがって漸次第2回転方向M2側に向けて延びるように傾斜している。
図示の例では、弾性片50はキャップ軸Oを挟んで径方向に向かい合うように一対形成されている。ただし、弾性片50の数は、一対に限定されるものではなく、1つだけ形成されていても構わないし、周方向に間隔をあけて3つ以上形成されていても構わない。
【0065】
上述のように構成された弾性片50は、上端部50bが外キャップ12の天壁部31に対して下方から接触している。従って、弾性片50は、操作部材13を非係止位置P1から係止位置P2に移動させることに伴って、主に下端部50aを基点として下方に傾倒するように弾性変形する。従って、弾性片50は、自身の弾性復元力を利用して係止位置P2から非係止位置P1に向けて操作部材13を付勢することが可能とされている。
【0066】
なお、弾性片50は、上側操作筒40aに形成された開口部51の内側に配置されている。開口部51は、弾性片50に対応して一対設けられ、上側操作筒40aを径方向に貫通すると共に上方に向けて開口するように形成されている。そして、弾性片50は、開口部50の内側に配置された状態で、下端部50aが開口部51を画成する下端縁に接続されることで、上側操作筒40aと一体に形成されている。弾性片50の上端部50bは、上側操作筒40aよりも上方に突出している。
このように開口部51の内側に弾性片50が配置されていることで、弾性片50の下方への傾倒に伴う弾性変形を可能としつつ、上側操作筒40aからの弾性片40の上方への突出量を抑制して操作部材13の小型化を図ることが可能とされている。
ただし、上記開口部51は必須なものではなく、例えば上側操作筒40aの上端開口縁に弾性片50を一体に形成しても構わない。
【0067】
(不正開封防止キャップの作用)
次に、上述したように構成された不正開封防止キャップ10を利用して、不正開封防止容器1を開封する場合について説明する。
【0068】
本実施形態の不正開封防止容器1では、操作部材13を非係止位置P1から係止位置P2に移動させる予備操作を行うことで、開封に直接関係する本操作(すなわち外キャップ12及び内キャップ11を開封方向である第2回転方向M2に向けて一体的にキャップ軸O回りに回転させる操作)を可能とすることができる。従って、予備操作を行ってからでないと、本操作を行うことができない。よって、予備操作を、本操作を行う前の事前操作(準備操作)とすることができる。
【0069】
詳細に説明する。
図1及び
図2に示すように、操作部材13が非係止位置P1に位置している場合には、内キャップ11の第1係止リブ25及び外キャップ12の第2係止リブ32に対して、操作部材13の内側係止リブ45及び外側係止リブ46が下方に配置され、内キャップ11に対して外キャップ12がキャップ軸O回りに回転可能な状態に維持されている。
【0070】
従って、外キャップ12を開封方向である第2回転方向M2、或いはその逆の第1回転方向M1に回転させたとしても、内キャップ11に回転力を伝えることができず、外キャップ12だけが空回りする。これにより、内キャップ11及び外キャップ12を一体的に回転させることができず、本操作自体を行うことができない。その結果、操作部材13が非係止位置P1に位置している場合には、予備操作を経由せずに本操作が行われることを防止することができる。
【0071】
次に、予備操作を行って、
図6に示すように操作部材13を非係止位置P1から上方移動させて係止位置P2に位置させた場合には、内キャップ11の第1係止リブ25及び外キャップ12の第2係止リブ32に対して、操作部材13の内側係止リブ45及び外側係止リブ46をそれぞれ周方向に係止させることができる。
このとき、操作片41が外キャップ12よりも下方に位置しているので、例えば操作片41を指先等で把持しながら操作部材13を上方に引き上げるように上方移動させることができる。従って、外キャップ12に影響されることなく、予備操作を容易且つ確実に行い易い。
【0072】
なお、操作部材13の上方移動に伴って、
図1に示す弾性片50が操作部材13と外キャップ12の天壁部31との間でキャップ軸O方向に圧縮されるので、弾性片50は下端部50aを基点として傾倒するように弾性変形する。そのため、弾性片50は、自身の弾性復元力を利用して操作部材13の全体を下方に向けて付勢しはじめる。
【0073】
そして、弾性片50による弾性復元力に抗して操作部材13を係止位置P2に移動させることで、内キャップ11と外キャップ12とを操作部材13を介して回転不能に連結することができる。従って、予備操作によって操作部材13を係止位置P2に移動させた後、
図6に示すように、続けて外キャップ12を第2回転方向M2に向けて回転させることで、外キャップ12及び内キャップ11を一体的に第2回転方向M2に向けて回転させる操作、すなわち本操作を行うことができる。
その結果、容器本体2の口部3から不正開封防止キャップ10の全体を取り外して、容器本体2を開封することができる。
【0074】
以上説明したように、本実施形態の不正開封防止キャップ10を有する不正開封防止容器1では、操作部材13を非係止位置P1から係止位置P2に移動させる予備操作を事前に行わなければ、本操作を行うことができないので、従来のように非対象者が本操作を行うことで偶然に開封が可能となるような不都合が生じ難い。
従って、事前に予備操作を行うことを認識している対象者による開封操作を許容しつつ、非対象者による意図しない開封を防止することができる。その結果、不正開封防止に対する信頼性が高い高品質な不正開封防止キャップ10とすることができる。
【0075】
特に、操作部材13をキャップ軸O方向に移動させるという予備操作での操作と、外キャップ12をキャップ軸O回りに回転させるという本操作での操作と、を明確に異ならせることができるので、非対象者による意図しない開封をより効果的に防止し易い。
【0076】
また、操作部材13が内キャップ11及び外キャップ12に対応して環状に形成されているうえ、操作部材13を係止位置P2に移動させたときに、第1係止リブ25及び第2係止リブ32に対する内側係止リブ45及び外側係止リブ46の係止を、周方向の複数個所で行うことができる。従って、外キャップ12の回転力を、操作部材13を介して内キャップ11にバランスよく伝えることができ、本操作をより安定して行うことができる。
【0077】
さらに、弾性片50を具備しているので、例えば非対象者が意図せずに予備操作を行って、操作部材13を非係止位置P1から係止位置P2に移動させてしまったとしても、非対象者が操作部材13を離した時点で、弾性片50による弾性復元力を利用して操作部材13を係止位置P2から元の非係止位置P1に復帰させることができる。従って、非対象者が意図せずに本操作を続けて行ってしまうことを防止することができ、非対象者による意図しない開封をより効果的に防止することができる。
【0078】
ところで、本実施形態の不正開封防止容器1において、容器本体2の口部3から不正開封防止キャップ10を取り外し、内容物を使用した後、再び不正開封防止キャップ10を装着する場合、或いは不正開封防止容器1の製造時において内容物を充填した容器本体2の口部3に対して不正開封防止キャップ10を装着する場合について、簡単に説明する。
【0079】
これらの場合、内キャップ11及び外キャップ12を一体的に回転させる必要があるので、操作部材13を係止位置P2に位置させた状態で該操作部材13を保持しておく。そして、この状態を維持しながら、不正開封防止キャップ10を容器本体2の口部3に組み合わせ、容器本体2の口部3に対して不正開封防止キャップ10を締め込み方向である第1回転方向M1に向けてキャップ軸O回りに回転させる。そして、容器本体2の雄ねじ部4に対して内キャップ11の雌ねじ部23を最後まで締め込んだ後、操作部材13の保持を解除する。
【0080】
これにより、弾性片50による弾性復元力を利用して、操作部材13を係止位置P2から非係止位置P1に移動させることができる。その結果、
図1に示す状態に移行することができ、非対象者による意図しない不正を防止できる不正開封防止容器1とすることができる。
【0081】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る不正開封防止キャップの第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0082】
図7に示すように、本実施形態の不正開封防止キャップ60を有する不正開封防止容器1は、内キャップ11と外キャップ12との間にラチェット機構61を具備している。
ラチェット機構61は、口部3に対して外キャップ12を締め込み方向である第1回転方向M1に回転させたときに内キャップ11と外キャップ12との相対回転を規制し、且つ口部3にして開封方向である第2回転方向M2に向けて外キャップ12を回転させたときに、内キャップ11と外キャップ12との相対回転を許容する。
本実施形態のラチェット機構61は、外キャップ12に形成された第1係止突起62と、内キャップ11に形成された第2係止突起63と、を備えている。
【0083】
第1係止突起62は、外キャップ12の天壁部31の下面から下方に向けて突出し、周方向に間隔をあけて複数形成されている。図示の例では、第1係止突起62は、キャップ軸Oを中心として90度の間隔をあけて4つ形成されている。第1係止突起62のうち第1回転方向M1側を向く周端面は、垂直な第1係止面62aとされている。そして、第1係止突起62の下端面は、第1係止面62aから第2回転方向M2に向かうにしたがって漸次に上方に向けて傾斜した第1傾斜面62bとされている。
【0084】
第2係止突起63は、内キャップ11の頂壁部22の上面から上方に向けて突出し、周方向に間隔をあけて複数形成されている。図示の例では、第2係止突起63は、第1係止突起62と同じ数だけ形成され、且つ第1係止突起62と同じ周方向ピッチで形成されている。ただし、この場合に限定されるものではない。
【0085】
第2係止突起63は、第2回転方向M2側を向く周端面が垂直な第2係止面63aとされ、第1係止突起62の第1係止面62aに対して周方向に向かい合っている。そのため、内キャップ11に対して外キャップ12を第1回転方向M1に向けて回転させたときに、第1係止突起62の第1係止面62aを第2係止突起63の第2係止面63aに係止させて、外キャップ12の回転力を内キャップ11に伝えることが可能とされている。
【0086】
また、第2係止突起63の上面は、第2係止面63aから第1回転方向M1に向かうにしたがって漸次に下方に向けて傾斜した第2傾斜面63bとされている。そのため、内キャップ11に対して外キャップ12を第2回転方向M2に向けて回転させたときに、第1係止突起62の第1傾斜面62bを第2係止突起63の第2傾斜面63bに対して滑らせながら、第2係止突起63を乗り越えるように第1係止突起62を第2回転方向M2に移動させることが可能とされている。
これにより、外キャップ12の回転力を内キャップ11に伝えることなく、外キャップ12だけを第2回転方向M2に回転させることが可能とされている。
【0087】
(不正開封防止キャップの作用)
次に、上述したように構成された本実施形態の不正開封防止キャップ60を利用して、不正開封防止容器1を開封する場合について説明する。
【0088】
本実施形態の不正開封防止容器1であっても、操作部材13を非係止位置P1から係止位置P2に移動させる予備操作を行ってからでないと、本操作、すなわち外キャップ12及び内キャップ11を開封方向である第2回転方向M2に向けて一体的にキャップ軸O回りに回転させる操作を行うことができないので、第1実施形態と同様の作用効果を奏効することができる。
【0089】
それに加え、本実施形態の場合には、容器本体2の口部3に対して不正開封防止キャップ60を装着するときに、操作部材13が非係止位置P1に位置している状態であっても、口部3に対する不正開封防止キャップ60の装着を行うことができる。
【0090】
すなわち内キャップ11と外キャップ12との間にラチェット機構61が設けられているので、口部3に対して外キャップ12を締め込み方向である第1回転方向M1に向けてキャップ軸O回りに回転させると、第1係止突起62の第1係止面62aを第2係止突起63の第2係止面63aに係止させることができるので、外キャップ12の回転力を内キャップ11に伝えることができる。従って、内キャップ11及び外キャップ12を一体的に第1回転方向M1に回転させることができ、口部3に対して不正開封防止キャップ60の全体を締め込むことができる。
その結果、操作部材13が非係止位置P1に位置している状態であっても、口部3に対する不正開封防止キャップ60の装着を行うことができる。
【0091】
なお、本実施形態の場合であっても、口部3に対して外キャップ12を開封方向である第2回転方向M2に向けて回転させた場合には、ラチェット機構61によって外キャップ12が空回りするので、外キャップ12の回転力が内キャップ11に伝わることを防止することができる。従って、第1実施形態と同様に、予備操作を経由せずに本操作が行われてしまうことを防止することができる。
【0092】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る不正開封防止キャップの第3実施形態について説明する。なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0093】
図8及び
図9に示すように、本実施形態の不正開封防止キャップ70を有する不正開封防止容器1は、係止位置P2に操作部材13を位置させた状態で、操作片41と外キャップ12とを一体に連結する連結リング(連結部材)71を備えている。
【0094】
本実施形態の外キャップ12における下側外装筒30bの下端部には、その全周に亘って径方向外側に向けて突出した環状のフランジ片72が形成されている。
連結リング71は、外キャップ12のフランジ片72を径方向外側から囲むように形成されていると共に、フランジ片72に対して上方から離脱可能に係合している。これにより、例えば連結リング71を径方向に捩じる等して変形させることで、フランジ片72に対する連結リング71の係合を解除することができ、連結リング71をフランジ片72から離脱させることが可能とされている。
【0095】
連結リング71の下端部と操作片41とは、破断可能な弱化部73を介して接続されている。図示の例では、弱化部73は、連結リング71の下端部と操作片41とを径方向に接続する細長いブリッジ状に形成され、周方向に間隔をあけて複数形成されている。
ただし、この場合に限定されるものではなく、例えば連結リング71の下端部と操作片41とをミシン目状に接続するように弱化部73を形成しても構わない。
【0096】
なお、連結リング71には取手74が一体的に形成されている。これにより、例えば指先で取手74を把持しながら捻るように外力を加えることで、取手74を介して連結リング71を捩じるように変形させ易い。
【0097】
(不正開封防止キャップの作用)
次に、上述したように構成された本実施形態の不正開封防止キャップ70を利用して、不正開封防止容器1を開封する場合について説明する。
【0098】
本実施形態の不正開封防止容器1によれば、例えば非対象者による意図しない開封を考慮する必要がないときに、
図8及び
図9に示すように、連結リング71を利用して操作部材13を係止位置P2に位置させた状態に維持することができる。従って、予備操作を省略することができ、対象者による開封を速やかに行うことができるので、利便性を向上することができる。
【0099】
そして、非対象者による意図しない開封を考慮する必要性が生じた場合には、フランジ片72に対する連結リング71の係合を解除することで、フランジ片72から連結リング71を離脱させることができる。これにより、例えば連結リング71が接続されたまま操作部材13を非係止位置P1に位置させることができる。従って、非対象者を考慮した使い方に移行することができ、第1実施形態と同様の作用効果を奏効することができる。
【0100】
さらに、非対象者による意図しない開封を考慮する必要性が生じたときに、フランジ片72に対する連結リング71の係合を解除しつつ、さらに弱化部73を破断しながら連結リング71を操作片41から毟り取るように除去することもできる。従って、この場合には、連結リング71を気にすることなく予備操作及び本操作を行うことができるので、これらの各操作を行い易くなる。
【0101】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。各実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが可能である。さらに、これら実施形態には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
【0102】
例えば、上記各実施形態では、内キャップ11及び外キャップ12に対して操作部材13を上方移動させることで非係止位置P1から係止位置P2に移動させたが、これとは逆に操作部材13を下方移動させることで非係止位置P1から係止位置P2に移動させるように構成しても構わない。
この場合には、例えば外キャップ12の天壁部31に貫通孔を形成し、この貫通孔を通じて操作部材13の上端部を天壁部31よりも上方に突出させ、上端部に操作片41を形成すれば良い。さらに操作部材13を下方移動させたときに、第1係止リブ25及び第2係止リブ32に対して、内側係止リブ45及び外側係止リブ46が周方向に係止されるように構成すれば良い。
【0103】
また、内キャップ11及び外キャップ12に対する操作部材13の移動方向は、キャップ軸O方向に限定されるものではない。例えば、内キャップ11及び外キャップ12に対して操作部材13を周方向に移動させることで、非係止位置P1から係止位置P2に移動させても構わない。いずれにしても、内キャップ11及び外キャップ12に対する相対移動によって、操作部材13を非係止位置P1から係止位置P2に移動できれば構わない。
【0104】
また、上記各実施形態では、操作部材13を係止位置P2に位置させたときに、外キャップ12に形成された第2係止リブ32に対して外側係止リブ46が係止されるように構成したが、この場合に限定されるものではない。例えば、操作部材13が非係止位置P1に位置している場合であっても、第2係止リブ32に対して外側係止リブ46が係止していても構わない。つまり、外キャップ12の第2係止リブ32と、操作部材13の外側係止リブ46とが、常時係止されていても構わない。
【0105】
この場合であっても、操作部材13が非係止位置P1に位置しているときに、内キャップ11の第1係止リブ25と操作部材13の内側係止リブ45とが非係止状態であるので、外キャップ12からの回転力を、操作部材13を介して内キャップ11に伝わることを防止することができる。従って、各実施形態と同様の作用効果を奏効することができる。
従って、外キャップ12の第2係止リブ32と、操作部材13の外側係止リブ46とは、少なくとも操作部材13が係止位置P2に位置したときに係止するように構成されていれば良い。
【0106】
また、上記各実施形態では、操作部材13と外キャップ12の天壁部31との間に位置するように弾性片50を設けたが、この場合に限定されるものではなく、例えば操作部材13と内キャップ11との間に弾性片50を配置させても構わない。
この場合には、例えば外キャップ12の頂壁部22の一部を径方向外側に向けてさらに延ばし、操作部材13の上方に位置させれば良い。
【0107】
また、上記第2実施形態では、第1係止突起62及び第2係止突起63でラチェット機構61を構成したが、ラチェット機構61としてはこの場合に限定されるものではなく、その他の公知の機構を採用しても構わない。
また、上記第3実施形態では、フランジ片72に対して連結リング71を離脱可能に係合させ、且つ操作片41に対して弱化部73を介して連結リング71を接続させたが、これとは逆に、フランジ片72に対して弱化部73を介して連結リング71を接続させ、且つ操作片41に対して連結リング71を離脱可能に係合させても構わない。