(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態にかかる空気調和機1を説明する。
図1は、実施の形態にかかる空気調和機1のブロック図である。
【0016】
[空気調和機]
空気調和機1は、室外機10と、室内機20とを有している。
室外機10と室内機20とは、圧縮機15を介して配管51と52により接続されている。
【0017】
[室外機]
室外機10は、筐体11と、室外ファン12と、室外熱交換器13と、外気温度センサ14と、圧縮機15と、四方弁16とを有している。
【0018】
筐体11は、箱形状の基本形状をなしており、この筐体11内に、室外ファン12と、室外熱交換器13と、外気温度センサ14と、圧縮機15と、四方弁16とが収容されている。筐体11における室外ファン12側(筐体11における送風方向の下流側)の壁部と、室外熱交換器13側(筐体11における送風方向の上流側)の壁部には、筐体11を厚み方向に貫通する穴(図示せず)が設けられており、この穴が、空気30の通流路となっている。
【0019】
室外ファン12は、モータ120の軸部材121に、基部122が取り付けられており、軸部材121と基部122とは、軸部材121の回転軸X1回りに一体的に回転するようになっている。基部122には、回転軸X1回りの周方向に沿って複数の羽部材123が設けられている。
【0020】
モータ120の軸部材121の回転数N1と回転速度は、回転数検出装置125により検出される。回転数検出装置125は、ロータリエンコーダなどの光学式センサ又はホール素子などの磁気式センサなどにより構成される。
【0021】
回転数検出装置125で検出された軸部材121の回転数N1などは、この回転数検出装置125に接続された室外ファン制御装置124に出力され、室外ファン制御装置124は、この回転数N1などに基づいて、モータ120を制御する。
【0022】
室外ファン12では、羽部材123が、回転軸X1回りに回転することにより、空気30が送風される。室外ファン12の送風方向における上流側には、室外熱交換器13が設けられている。
【0023】
室外熱交換器13は、配管50を介して室内機20側の室内熱交換器22に接続されている。室外熱交換器13内では、配管50が複数折り返して配置されており、この配管50を通流する冷媒(図示せず)と、室外熱交換器13を通流する空気30との間で熱交換が行われる。
【0024】
この室外熱交換器13の近傍には、外気温度センサ14が設けられている。外気温度センサ14は、室外熱交換器13よりも送風方向の上流側に設けられている。外気温度センサ14は、サーミスタなどの公知の温度センサを用いることができる。この外気温度センサ14により、室外機10の周囲の外気温度T1を測定することができる。
【0025】
外気温度センサ14は、室外ファン制御装置124に接続されており、外気温度センサ14で測定された外気温度T1の情報は、室外ファン制御装置124に出力される。
【0026】
ここで、圧縮機15には、室外機10の室外熱交換器13に接続された配管51と、室内機20の室内熱交換器22に接続された配管52とが接続されている。この圧縮機15に、室内熱交換器22での空気30(室内の空気)との熱交換により暖められた冷媒(図示せず)が、配管52を介して供給される。
【0027】
圧縮機15では、供給された冷媒を圧縮して、高温高圧のガス状態とした後、この高温高圧の冷媒(ガス)を、配管51を介して室外熱交換器13に対して出力する。この圧縮機15の制御は、圧縮機制御装置151により行われる。
【0028】
圧縮機制御装置151は、室外ファン制御装置124に接続されており、室外ファン制御装置124の制御信号に基づいて、圧縮機15の回転数などの制御が行われる。
【0029】
ここで、圧縮機15の出力先は、四方弁16により、室外熱交換器13と、室内熱交換器22との間で切り換えられるようになっている。
【0030】
図1に示すように、四方弁16は、圧縮機15の出力側に接続されており、四方弁16を切り換えることで、圧縮機15の出力先が、室外熱交換器13と、室内熱交換器22との間で切り替えられる。
【0031】
冷房運転の場合には、四方弁16により、圧縮機15の出力先を室外熱交換器13にする(圧縮機15の出力先を配管51にする)ことにより、圧縮機15で高温圧縮された冷媒(ガス)が、配管51を介して室外熱交換器13に供給される。
【0032】
これにより、室外熱交換器13では、高温の冷媒(ガス)と、室外熱交換器13を通流する空気30との間で熱交換が行われ、空気30が暖められると共に、冷媒が冷やされて凝縮する。
【0033】
冷やされて凝縮された冷媒(液体)は、配管50の途中位置に設けられた膨張弁(図示せず)により、さらに低温低圧となり、室内熱交換器22に供給される。
【0034】
そして、室内熱交換器22では、低温の冷媒(液体)と、室内熱交換器22を通流する室内の空気30との間で熱交換が行われ、室内の空気30が冷やされる。冷媒(図示せず)は、暖められて圧縮機15に供給される。
【0035】
一方、暖房運転の場合には、四方弁16により、圧縮機15の出力先を室内熱交換器22にする(圧縮機15の出力先を配管52にする)ことにより、圧縮機15で高温圧縮された冷媒(ガス)が、室内熱交換器22に供給される。
【0036】
これにより、室内熱交換器22では、高温の冷媒(ガス)と、室内熱交換器22を通流する空気30との間で熱交換が行われ、室内の空気30が暖められる。冷媒は冷やされて凝縮する。
【0037】
冷やされて凝縮された冷媒(液体)は、配管50の途中位置に設けられた膨張弁(図示せず)により、さらに低温低圧となり、室外熱交換器13に供給されるされる。
【0038】
そして、室外熱交換器13では、低温の冷媒(液体)と、室外熱交換器13を通流する外気の空気30との間で熱交換が行われ、冷媒が暖められる。暖められた冷媒は、圧縮機15の入力側に供給され、圧縮機15で高温圧縮された冷媒は、再び室内熱交換器22に供給される。
【0039】
この四方弁16は、室外ファン制御装置124に接続されており、室外ファン制御装置124の制御信号に基づいて、四方弁16の切り替えが行われる。
【0040】
[室内機]
次に、
図1に示すように、室内機20は、筐体21と、室内熱交換器22と、室内ファン23と、室内ファン制御装置24と、室内温度センサ25と、モータ26とを有している。
【0041】
筐体21は、箱形状の基本形状をなしており、この筐体21に、室内熱交換器22と、室内ファン23と、室内ファン制御装置24と、室内温度センサ25と、モータ26とが収容されている。筐体21における室内ファン23側(筐体21における送風方向の下流側)の壁部と、室内熱交換器22側(筐体21における送風方向の上流側)の壁部には、筐体21を厚み方向に貫通する穴(図示せず)が設けられており、この穴が空気30の通流路となっている。
【0042】
室内熱交換器22は、前述した配管50を介して室外熱交換器13と接続されている。室内熱交換器22内では、配管50が複数折り返して配置されており、この配管50を通流する冷媒(図示せず)と、室内熱交換器22を通流する空気30との間で熱交換が行われる。
【0043】
室内ファン23は、クロスフローファンであり、モータ26により回転駆動される。モータ26は、室内ファン制御装置24に接続されており、モータ26(室内ファン23)の回転数N2や回転速度は、室内ファン制御装置24により制御される。
【0044】
室内ファン制御装置24は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、室内ファン23の制御プログラムなどが記憶された記憶装置、室内ファン23を駆動する駆動回路などを有している。室内ファン制御装置24では、CPU(図示せず)が記憶装置に記憶された制御プログラム(図示せず)を読み込んで実行することで、駆動回路(図示せず)により室内ファン23が回転駆動される。
【0045】
室内温度センサ25は、室内熱交換器22における送風方向の下流側に配置されており、室内温度T2を測定する。この室内温度センサ25は、室外機10の室外ファン制御装置124に接続されており、測定した室内温度T2を、室外ファン制御装置124に出力する。
【0046】
[室外ファン制御装置]
ここで、前述した室外機10の室外ファン制御装置124の機能を説明する。
図2は、室外ファン制御装置124の機能ブロック図である。
【0047】
室外ファン制御装置124は、回転数比較部124aと、回転数制御部124bと、記憶部124cと、疑似外気温度出力部124dと、制御部124eとを有している。
【0048】
回転数比較部124aは、回転数検出装置125に接続されている。回転数比較部124aは、回転数検出装置125で測定された室外ファン12(軸部材121)の回転数N1を取得する。
【0049】
回転数比較部124aは、取得した室外ファン12の回転数N1と、予め設定された基準回転数Ntとを比較し、取得した回転数N1が基準回転数Nt以上(N1≧Nt)であるか否かを判定する。そして、回転数比較部124aは、判定結果を、回転数制御部124bに対して出力する。
【0050】
回転数比較部124aで、回転数N1が基準回転数Nt以上(N1≧Nt)でないと判定された場合、回転数制御部124bは、室外ファン12の回転数N1が、基準回転数Nt以上となるように、室外ファン12のモータ120を制御する。
【0051】
一方、回転数比較部124aで、回転数N1が基準回転数Nt以上(N1≧Nt)であると判定された場合、回転数制御部124bは、室外ファン12の回転数N1が、現状の制御における回転数となるように、室外ファン12のモータ120を制御する。
【0052】
記憶部124cは、外気温度センサ14に接続されており、外気温度センサ14で測定した外気温度T1を取得して記憶する。
【0053】
記憶部124cは、回転数制御部124bにより、室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上(N1≧Nt)となるように、回転数N1を増加する制御を行った後、外気温度センサ14で測定した外気温度T1を取得して記憶する。記憶部124cは、疑似外気温度出力部124dに接続されている。
【0054】
疑似外気温度出力部124dは、記憶部124cから、室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上となった後に測定された外気温度T1を取得し、この外気温度T1を疑似外気温度Tpとして、制御部124eに対して一定時間出力する。
【0055】
制御部124eは、室内ファン23の制御を行う室内ファン制御装置24、及び圧縮機15の制御を行う圧縮機制御装置151に接続されている。制御部124eは、疑似外気温度出力部124dから取得した疑似外気温度Tpに基づいて、室内ファン23(室内ファン制御装置24)及び圧縮機15(圧縮機制御装置151)の制御を行う。
なお、制御部124eには、室内機20の室内温度センサ25が接続されており、室内温度センサ25で測定した室内温度T2を取得できるようになっている。
【0056】
[空気調和機の動作]
次に、空気調和機1の動作を説明する。
図3は、空気調和機1の動作を説明するフローチャートである。
【0057】
始めに、ステップS101において、室外ファン制御装置124の制御部124eは、室外機10(又は空気調和機1)の運転が開始されているか否かの判定を行う。制御部124eの室外機10の運転開始の判定は、室外機10(空気調和機1)の電源のON/OFFに基づいて行われる。
【0058】
制御部124eは、室外機10の運転が開始されていると判定した場合(ステップS101:Yes)、ステップS102に進む。一方、制御部124eは、室外機10の運転が開始されていないと判定した場合(ステップS101:No)、室外機10の運転が開始されたと判定するまで、ステップS101の処理を繰り返す。
【0059】
ステップS102において、室外ファン制御装置124の回転数比較部124aは、室外ファン12(軸部材121)の回転数N1が、予め設定された基準回転数Nt以上(N1≧Nt)であるか否かの判定を行う。
【0060】
回転数比較部124aは、室外ファン12の回転数N1が、基準回転数Nt以上でないと判定した場合(ステップS102:No)、ステップS103に進む。一方、回転数比較部124aは、室外ファン12の回転数N1が、基準回転数Nt以上であると判定した場合(ステップS102:Yes)、ステップS113に進み、外気温度センサ14で測定した外気温度T1を、室外ファン制御装置124の制御部124eにそのまま出力する。そして、制御部124eは、取得した外気温度T1に基づいて、室内ファン23及び圧縮機15などの制御を行う。
【0061】
ここで、室外ファン12の回転数N1が、基準回転数Nt以上でない場合の一例として、室内機20での冷房運転時又は除湿運転時(再熱除湿運転時)に、室外機10の室外熱交換器13が凝縮器として機能する場合において、室内温度を上昇させるために、室外ファン12の回転数N1を下げる制御を行った場合が挙げられるが、もちろん、その他の場合も含む。
【0062】
ステップS103において、室外ファン制御装置124の回転数制御部124bは、室外ファン12(軸部材121)の回転数N1を、基準回転数Nt以上の回転数に一時的に上げる制御を行う。
【0063】
ステップS104において、室外ファン制御装置124の制御部124eは、圧縮機15の回転数を、室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上となるように制御された時点での圧縮機の回転数よりも一時的に下げるように、圧縮機制御装置151に対して指示を行う。圧縮機制御装置151では、制御部124eの指示に基づいて圧縮機15の回転数を一時的に下げる制御を行い、圧縮機15の運転を抑える。
【0064】
ステップS105において、室外ファン制御装置124の制御部124eは、室内ファン23の回転数N2を、室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上となるように制御された時点での室内ファン23の回転数よりも一時的に下げるように、室内ファン制御装置24に対して指示を行う。室内ファン制御装置24では、制御部124eの指示に基づいて室内ファン23の回転数を一時的に下げる制御を行う。
【0065】
ステップS106において、外気温度センサ14は、室外機10の外気温度T1を測定する。
【0066】
ステップS107において、室外ファン制御装置124の記憶部124cでは、室外ファン12の回転数N1が基準回転数Ntまで増加した後に、外気温度センサ14で測定された外気温度T1を記憶する。
【0067】
ステップS108において、室外ファン制御装置124の疑似外気温度出力部124dは、記憶部124cに記憶された外気温度T1を読み出して、この外気温度T1を疑似外気温度Tpとして、制御部124eに対して一定時間出力する。
【0068】
ステップS109において、室外ファン制御装置124の制御部124eは、取得した疑似外気温度Tpに基づいて、室内ファン23及び圧縮機15などの制御を行う。
具体的には、制御部124eは、疑似外気温度Tpに基づいて室内機20が適切に制御されるように、室内ファン制御装置24及び圧縮機制御装置151に対して、制御信号を出力する。
【0069】
ステップS110において、ステップS103〜S105で制御を行った圧縮機15の回転数と、室内ファン23の回転数と、室外ファン12の回転数とを制御前の回転数に戻す制御を行う。
【0070】
ステップS111において、室外ファン制御装置124の制御部124eは、所定時間(例えば、2〜3分)経過したか否の判定を行い、所定時間を経過したと判定した場合(ステップS111:Yes)、ステップS112に進む。一方、制御部124eは、所定時間経過していないと判定した場合(ステップS111:No)、所定時間が経過したと判定するまで、ステップS111の処理を繰り返す。
【0071】
このように、制御部124eは、所定時間経過するまで待つことで、室外ファン12の回転数N1を基準回転数Nt以上に一時的に増加させた時刻が終わった後も、疑似外気温度Tpを確実に出力することができ、疑似外気温度Tpに基づく空気調和機1の制御を適切に行うことができる。
また、室外ファン12の回転数N1を増加した後、所定時間待つことで、室外熱交換器13周囲の外気温度が下がって安定し、外気温度センサ14による外気温度の測定が安定して行える。
【0072】
室外ファン制御装置124の制御部124eは、室外機10(空気調和機1)の運転が停止状態か否かの判定を行い、運転が停止状態であると判定した場合(ステップS112:Yes)、処理を終了し、運転が停止状態でないと判定した場合(ステップS112:No)、ステップS102に進み、室外ファン12(軸部材121)の回転数N1が、基準回転数Nt未満(N1<Nt)であるか否かの判定を行い、以下、ステップS103〜ステップS112の処理を繰り返し行う。
【0073】
前述した実施の形態では、室外ファン制御装置124は、回転数検出装置125により室外ファン12の回転数N1を取得し、この回転数N1と基準回転数Ntとの比較を行う場合(ステップS102)を例示して説明したが、これに限定されるものではない。
【0074】
例えば、室外ファン12の回転数N1と室外ファン12の送風量は比例関係にある。そのため、回転数N1から算出された風量と基準送風量とを比較するようにしてもよい。また、回転数検出装置125に代わって送風量を測定するための送風量センサを設けてもよい。
【0075】
また、前述した実施の形態では、室外機10側の室外ファン制御装置124により、室外ファン12(室外ファン制御装置124)、室内ファン23(室内ファン制御装置24)、圧縮機15(圧縮機制御装置151)の制御を行う場合を例示して説明したが、これらの制御を行う制御部はどこに設けられていてもよい。
例えば、室外ファン12、室内ファン23、圧縮機15の制御を行う制御部を、室内ファン23側の制御装置や、圧縮機15側の制御装置に設けてもよく、また空気調和機1の全体制御を行う制御装置に設けてもよい。
【0076】
以上説明した通り、実施の形態では、
(1)室外機10と室内機20とを有する空気調和機1であって、室外機10は、軸部材121の回転軸X1回りに回転することにより送風する室外ファン12と、この室外ファン12による送風方向の上流側に設けられた室外熱交換器13と、室外熱交換器13よりも送風方向の上流側に設けられた外気温度センサ14と、室外ファン12を制御する室外ファン制御装置124と、を有し、室外ファン制御装置124は、室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上であるときにおける外気温度センサ14で測定された外気温度T1を記憶する記憶部124cと、室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上でないとき、記憶部124cに記憶された外気温度T1(疑似外気温度Tp)に基づいて空気調和機1の制御を行う構成とした。
【0077】
このように構成すると、室外ファン制御部124は、室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上でない場合でも、室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上のときに測定した精度のよい外気温度T1(疑似外気温度Tp)に基づいて、空気調和機1(室内機20、圧縮機30)を制御することで、空気調和機1の制御を適切に行うことができる。
【0078】
(2)室外機10と室内機20とを有する空気調和機1であって、室外機10は、軸部材121の回転軸X1回りに回転することにより送風する室外ファン12と、室外ファン12による送風方向の上流側に設けられた室外熱交換器13と、室外熱交換器13よりも送風方向の上流側であって、室外熱交換器13の近傍に設けられた外気温度センサ14と、室外ファン12の回転数N1(送風量)を測定する回転数検出装置125(送風量測定装置)と、室外ファン12を制御する室外ファン制御装置124と、を有し、室外ファン制御装置124は、回転数検出装置125で測定された回転数N1と基準回転数Nt(基準送風量)とを比較して、当該回転数N1(送風量)が基準回転数Nt以上であるか否かを判定する回転数比較部124a(送風量比較部)と、この回転数比較部124aにより、回転数N1(送風量)が基準回転数Nt(基準送風量)以上でないと判定された場合、室外ファン12の回転数N1(送風量)を基準回転数Nt(基準送風量)となるように制御する回転数制御部124b(送風量制御部)と、この回転数制御部124b(送風量制御部)により制御された回転数N1(送風量)が基準回転数Nt(基準送風量)以上となった後に、外気温度センサ14で測定された外気温度T1を記憶する記憶部124cと、回転数比較部124a(送風量比較部)により、回転数N1(送風量)が基準回転数Nt(基準送風量)以上でないと判定された場合、記憶部124cに記憶された外気温度T1を、疑似外気温度Tpとして出力する疑似外気温度出力部124dと、疑似外気温度出力部124dから出力された疑似外気温度Tpに基づいて空気調和機1(室内機20及び圧縮機15)の制御を行う制御部124e(室内ファン制御装置24及び圧縮機制御装置151などの空気調和機制御部)と、を有する構成とした。
【0079】
室外機10では、室外ファン12の回転数N1が、予め設定された基準回転数Nt以上でない場合、外気温度センサ14の測定精度が悪化する。よって、そのような精度の悪い外気温度センサ14の測定結果に基づいて空気調和機1の制御を行うと、室内機20による室内の温度制御を適切に行えない。
【0080】
このように構成すると、室外ファン12の回転数N1が、予め設定された基準回転数Nt以上でない場合、室外ファン制御装置124は、室外ファン12の回転数N1を基準回転数Nt以上となるように制御すると共に、回転数N1が基準回転数Nt以上となった後に、外気温度センサ14で測定した外気温度T1を記憶部124cに記憶する。
そのため、記憶部124cに記憶された外気温度T1は、室外ファン12の回転数N1を基準回転数Nt以上となった後に外気温度センサ14により測定されたものであるため、外気温度センサ14の測定精度が適切な範囲にある状態で測定された値である。
よって、室外ファン制御装置124は、記憶部124cに記憶した外気温度T1を疑似外気温度Tpとして、この疑似外気温度Tpに基づいて、空気調和機1の制御を適切に行うことができる。
【0081】
また、空気調和機1では、室内機20側の室内温度に影響を与えることなく、室外機10側の外気温度T1を、開発コストを抑えつつ、正確に測定することができる。
【0082】
(3)室外ファン制御装置124は、室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上でないとき、室外ファン12の回転数N1を基準回転数Nt以上となるように制御すると共に、室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上となったときにおける外気温度センサ14で測定された外気温度T1を記憶部124cに記憶する構成とした。
【0083】
このように構成すると、室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上となったときの外気温度T1を外気温度センサ14で測定することで、外気温度センサ14による外気温度T1の測定を精度よく行うことができる。
よって、室外ファン制御装置124では、室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上となったときの外気温度T1(疑似外気温度Tp)を記憶部124cに記憶すると共に、この記憶した外気温度T1(疑似外気温度Tp)に基づいて空気調和機1(室内機20、圧縮機30)を制御することで、空気調和機1の制御を適切に行うことができる。
【0084】
(4)また、室内機20の室内ファン23を制御する室内ファン制御装置24を、さらに有し、室内ファン制御装置24は、室外機10の回転数制御部124b(送風量制御部)により、室外ファン12の回転数N1(送風量)が基準回転数Nt(基準送風量)以上となるように制御されている間は、室内ファン23の回転を停止し、または室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上となるように制御された時点での室内ファン23の回転数よりも一時的に下げるように制御する構成とした。
【0085】
回転数制御部124bにより、室外ファン12の回転数N1を基準回転数Nt以上となるように増加させ、室内機20の室内ファン23がそのままの回転数である場合には、室内機20により室内の温度が冷やされ過ぎることがある。
【0086】
このように構成すると、室外ファン12の回転数N1を増加させた場合、室内ファン制御装置24は、室内ファン23の回転を停止し、または室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上となるように制御された時点での室内ファン23の回転数よりも一時的に下げるように制御するので、室内ファン23の回転停止、又は回転数N2が下がった分、室内機20による室内温度が下がり過ぎるのを防止することができる。
【0087】
(5)また、室外熱交換器13に供給される冷媒を圧縮する圧縮機15を、さらに有し、室外ファン制御装置124は、回転数制御部124b(送風量制御部)により、室外ファン12の回転数N1(送風量)が基準回転数Nt(基準送風量)以上となるように制御されている間は、圧縮機15の回転を停止し、または室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上となるように制御された時点での圧縮機15の回転数よりも一時的に下げるように制御する構成とした。
【0088】
回転数制御部124bにより、室外ファン12の回転数N1を基準回転数Nt以上となるまで増加させ、圧縮機15がそのままの状態で運転されている場合には、室外熱交換器13において、冷媒(図示せず)の温度が下がり過ぎることがある。その結果、室内機20の室内熱交換器22に供給される冷媒(図示せず)の温度が予想以上に低下し、室内温度T2が下がり過ぎてしまうことがある。
【0089】
このように構成すると、室外ファン12の回転数N1を増加させた場合、圧縮機15の回転を停止し、または室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上となるように制御された時点での圧縮機15の回転数よりも一時的に下げるように制御するので、圧縮機15の回転停止、又は回転数が下がった分、室内機20による室内温度T2が下がり過ぎるのを防止することができる。
【0090】
(6)室外機10と室内機20とを有する空気調和機1の制御方法であって、室外機10の回転数N1(送風量)と基準回転数Nt(基準送風量)とを比較して、当該回転数N1(送風量)が基準回転数Nt(基準送風量)以上であるか否かを判定する工程(ステップS102)と、ステップS102の工程により、回転数N1(送風量)が基準回転数Nt(基準送風量)以上でないと判定された場合、室外ファン12による回転数N1(送風量)を基準回転数Nt(基準送風量)以上となるように制御する工程(ステップS103)と、ステップS103の工程により制御された回転数N1(送風量)が基準回転数Nt(基準送付量)以上となった後に、外気温度センサ14で測定された外気温度T1を記憶する工程(ステップS107)と、ステップS102により、回転数N1(送風量)が基準回転数Nt(基準送風量)以上でないと判定された場合、ステップS107の工程で記憶された外気温度T1(疑似外気温度Tp)を出力する工程(ステップS108)と、ステップS108の工程で出力された外気温度t1(疑似外気温度Tp)に基づいて空気調和機1の制御を行う工程(ステップS109)と、を有する構成とした。
【0091】
このように構成すると、ステップS102の工程にて、室外ファン12の回転数N1が、予め設定された基準回転数Nt以上でないと判定した場合、ステップS103の工程にて、室外ファン12の回転数N1を基準回転数Nt以上となるように制御したのち、ステップS107の工程にて、回転数N1が基準回転数Nt以上となった後に外気温度センサ14で測定した外気温度T1を記憶部124cに記憶する。そして、ステップS108の工程にて、記憶部124cに記憶した外気温度T1(疑似外気温度Tp)を出力し、ステップS109の工程にて、この外気温度T1(疑似外気温度Tp)に基づいて空気調和機1の制御を適切に行うことができる。
【0092】
また、空気調和機1では、室内機20側の室内温度に影響を与えることなく、室外機10側の外気温度T1を、開発コストを抑えつつ、正確に測定することができる。
【0093】
(7)室内機20の室内ファン23を制御する室内ファン制御装置24を、さらに有し、ステップS105の工程において、室内ファン制御装置24は、ステップS103の工程により、室外ファン12の回転数N1(送風量)が基準回転数Nt(基準送風量)以上となるように制御されている間は、室内ファン23の回転を停止し、または室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上となるように制御された時点での室内ファン23の回転数よりも一時的に下げるように制御する構成とした。
【0094】
このように構成すると、ステップS103の工程にて、室外ファン12の回転数N1を増加させた場合、ステップS105の工程にて、室内ファン制御装置24は、室内ファン23の回転を停止し、または室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上となるように制御された時点での室内ファン23の回転数よりも一時的に下げるように制御するので、室内ファン23の回転停止、又は回転数が下がった分、室内機20による室内温度T2が下がり過ぎるのを防止することができる。
【0095】
(8)室外機10の室外熱交換器13に供給される冷媒(図示せず)を圧縮する圧縮機15を、さらに有し、ステップS103の工程により、室外ファン12による回転数N1(送風量)が基準回転数Nt(基準送風量)以上となるように制御されている間は、圧縮機15の回転を停止し、または室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上となるように制御された時点での圧縮機15の回転数よりも一時的に下げるように制御する構成とした。
【0096】
このように構成すると、ステップS103の工程では、室外ファン12の回転数N1を増加させた場合、圧縮機15の運転を停止し、または室外ファン12の回転数N1が基準回転数Nt以上となるように制御された時点での圧縮機15の回転数よりも一時的に下げるように制御するので、圧縮機15の回転停止、又は回転数が下がった分、室内機20による室内温度T2が下がり過ぎるのを防止することができる。
【0097】
なお、前述した実施の形態では、室外ファン12の回転数N1が基準回転数Ntよりも下がった場合、ステップS103〜S105において、室内ファン23の回転を停止又は回転数N2を下げるように制御し、又は圧縮機15の運転を停止又は運転を抑制するように制御する場合を提示して説明したが、これに限定されるものではない。
【0098】
例えば、室内機20は、室内温度T2を測定する室内温度センサ25を有し、室外ファン制御装置124は、室内温度センサ25により測定された室内温度T2が所定の設定温度Tf以上であると判定した場合(T2≧Tf)、室内ファン23の回転を停止または回転数を抑える制御、または圧縮機15の運転を停止または運転を抑える制御を行わない構成としてもよい。
【0099】
この場合の処理を説明する。
図4は、他の実施の形態にかかる室外ファン制御装置124の処理のフローチャートである。
【0100】
ステップS201において、前述したステップS101及びステップS102の処理を実施して、ステップS202に進む。
【0101】
ステップS202において、室外ファン制御装置124の制御部124eは、室内温度センサ25で測定された室内温度T2を取得する。
【0102】
ステップS203において、制御部124eは、取得した室内温度T2が、所定の設定温度Tf以上(T2≧Tf)であるか否かを判定し、室内温度T2が設定温度Tf以上であると判定した場合(ステップS203:Yes)、ステップS204に進む。一方、制御部124eは、室内温度T2が設定温度Tf未満であると判定した場合(ステップS203:No)、ステップS206に進み、室外ファン制御装置124による、前述したステップS103〜S105の処理を行った後、ステップS106〜S112の処理を行う(ステップS205)。
【0103】
ステップS204において、制御部124eは、前述したステップS103での圧縮機15の回転を停止又は回転数を下げる制御、またはステップS104での室内ファン23の回転を停止、又は回転数N2を下げる制御を行わないように、圧縮機制御装置151又は室内ファン制御装置24に対して制御信号を送信する。
【0104】
ステップS205において、制御部124eは、前述したステップS106〜S112の処理を実施する。具体的には、制御部124eは、室外ファン12の回転数N1が基準回転数Ntよりも下がった場合、室外ファン12の回転数N1を一時的に基準回転数Nt以上に増加させた後に測定した外気温度T1を疑似外気温度Tpとして出力し、この疑似外気温度Tpに基づいて室内ファン23及び圧縮機15を制御する処理を行い、処理を終了する。
【0105】
このように構成すると、室外機10の室外ファン制御装置124の制御部124eは、室内温度センサ25により測定された室内温度T2が、予め設定された設定温度Tf以上である場合、室内温度T2がさらに下がっても問題ないので、室内ファン23の回転停止または回転数を抑える制御、または圧縮機15の運転停止または運転を抑える制御を行わない。よって、室外ファン12の回転数N1を増加させて外気温度センサ14による外気温度T1の測定を確実に行いつつ、室内機20での室内温度T2を設定温度Tfにより迅速に近づけることができる。
【0106】
また、本発明は、前述した実施の形態の全ての構成を備えているものに限定されるものではなく、前述した実施の形態の構成の一部を、他の実施の形態の構成に置き換えてもよく、また、前述した実施の形態の構成を、他の実施の形態の構成に置き換えてもよい。
【0107】
また、前述した実施の形態の一部の構成について、他の実施の形態の構成に追加、削除、置換をしてもよい。
【0108】
また、上記した実施の形態の構成、機能、処理、手段は、それの一部又は全部を、例えば、集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよい。また、前述した構成、機能は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムの実行により実現できるものであってもよい。
このプログラム等の情報は、メモリなどの記憶装置に記憶しておくことができる。