(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6803822
(24)【登録日】2020年12月3日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】3次元物体プリンタにおける押出機ヘッドのためのフィラメントの熱処理を容易とするように構成されたフィラメントヒータ
(51)【国際特許分類】
B29C 64/118 20170101AFI20201214BHJP
B29C 64/209 20170101ALI20201214BHJP
B29C 64/295 20170101ALI20201214BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20201214BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20201214BHJP
【FI】
B29C64/118
B29C64/209
B29C64/295
B33Y10/00
B33Y30/00
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-196486(P2017-196486)
(22)【出願日】2017年10月10日
(65)【公開番号】特開2018-69731(P2018-69731A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2020年10月7日
(31)【優先権主張番号】15/334,851
(32)【優先日】2016年10月26日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディヴィッド・エイ・マンテル
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ジェイ・ニストロム
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ジー・リン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・マ
(72)【発明者】
【氏名】マーク・エイ・セルラ
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・ディー・レディング
【審査官】
正 知晃
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2016/0325498(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0291886(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0314954(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0263822(US,A1)
【文献】
特開平3−158228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B33Y 10/00
B33Y 30/00
B29C 64/00−64/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層造形システムにおいて、
ハウジング及び前記ハウジング内のマニホルドを有する押出機ヘッドであって、前記マニホルドは、溶融した押出材料を貯蔵するように構成され、前記溶融した押出材料を前記マニホルドから放出できる2つ以上のノズルに流体的に接続され、前記押出機ヘッドの前記ハウジングは、当該ハウジングの表面にポートを有し、前記ポートは、前記ハウジング内で前記マニホルドと流体的に接続される、押出機ヘッドと、
経路に沿って押出材料の供給源から第1の断面形状を有する押出材料を移動させるように構成された機械的可動子と、
チャネルによって互いに流体的に接続された入口及び出口を備えるヒータであって、前記入口は、前記押出材料の前記供給源から前記機械的可動子によって移動された前記押出材料を受け取って前記チャネル内に送るように前記押出材料の前記経路と整列され、前記ヒータは、前記チャネルの前記入口と前記チャネルの前記出口との間の前記チャネル内で前記押出材料を溶融させて、前記チャネル内に前記溶融した押出材料を形成するように構成された少なくとも1つの加熱素子を有し、前記ヒータ内の前記チャネルの前記出口は、前記チャネル内に成形された前記溶融した押出材料を前記チャネルの前記出口から前記ポートを介して前記マニホルド内に送るように、前記押出機ヘッドの前記ハウジングの前記ポートに流体的に接続され、前記ヒータにおける前記チャネルが、前記入口において前記第1の断面形状を有し且つ前記入口と前記出口の間の位置において第2の断面形状を有して構成され、前記第1の断面形状が第1の高さ及び第1の幅を有し、前記第2の断面形状が第2の高さ及び第2の幅を有し、前記第2の断面形状の前記第2の高さが前記第1の断面形状の前記第1の高さよりも低く、前記第2の断面形状の前記第2の幅が前記第1の断面形状の前記第1の幅より大きい、ヒータと、
を備える、積層造形システム。
【請求項2】
前記入口における前記チャネルの前記第1の断面形状が円形であり、前記チャネルの前記第2の断面形状が多角形断面形状である、請求項1に記載の積層造形システム。
【請求項3】
前記入口における前記チャネルの前記第1の断面形状が円形であり、前記チャネルの前記第2の断面形状が非円形湾曲断面形状である、請求項1に記載の積層造形システム。
【請求項4】
前記入口における前記チャネルの前記第1の断面形状が円形であり、前記チャネルの前記第2の断面形状が1対の非円形湾曲断面形状であり、前記第2の断面形状の前記第2の高さは、前記円形の断面形状の高さより低く、前記1対の非円形湾曲断面形状間の接合部に位置する、請求項1に記載の積層造形システム。
【請求項5】
前記1対の非円形湾曲断面形状間の前記接合部は、各非円形湾曲断面形状の中央部に生じる、請求項4に記載の積層造形システム。
【請求項6】
前記チャネルの前記入口における第1の壁は、前記第2の断面形状が始まる位置までの所定の長さにおいて、フィラメントの1つの表面と平行であり、前記入口から延びる第2の壁は、前記所定の長さにおいて、前記第2の壁が前記チャンネル内で前記フィラメントの前記1つの表面に近づく又は離れるように所定の角度で傾斜している、請求項1に記載の積層造形システム。
【請求項7】
前記ヒータは一体ユニットであり、前記ヒータ内の前記チャネルは、前記チャネルの前記入口から前記チャネルの前記出口までの前記チャネルの長さの少なくとも一部に沿って曲率が変化する、請求項1に記載の積層造形システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、3次元物体プリンタにおいて使用される押出機に関し、より具体的には、3次元物体プリンタにおける押出のためにフィラメントを溶融するヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
積層造形としても知られている3次元印刷は、実質的に任意形状のディジタルモデルから3次元立体物体を製造するプロセスである。多くの3次元印刷技術は、積層造形装置が前に堆積された層の上部に部品の連続層を形成する積層プロセスを使用する。これらの技術の一部は、ABS樹脂などの押出材料を熱可塑性材料へと軟化又は溶融した後に所定パターンで熱可塑性材料を放出する押出機ヘッドを使用する。プリンタは、典型的には、様々な形状及び構造を有する3次元印刷物体を形成する熱可塑性材料の連続層を形成するように押出機ヘッドを動作させる。3次元印刷物体の各層が形成された後、熱可塑性材料は冷却され、3次元印刷物体の下地層に層を接着するように硬化する。この積層造形方法は、切断又は穿孔などの減法プロセスによるワークピースからの材料の除去にほとんど依拠する従来の物体形成技術とは区別される。
【0003】
これらの積層造形装置は、高度に機能的な3次元(3D)部品を製造することができるが、典型的には製造時間が非常に長くなる可能性がある。製造プロセスを高速化する1つの改善点は、マルチチャネル押出機の開発であった。この種の押出機において、押出材料のフィラメントは、熱可塑性材料の押出のためにノズルのアレイに流体的に接続されたマニホルドに流入する熱可塑性材料を形成するようにフィラメントを溶融又は軟化するヒータに供給される。マニホルドからノズルのうちの1つへの熱可塑性流体の流れを制御するために、各ノズルとマニホルドとの間に弁が介在される。この構成は、弁が選択的に活性化されるのを可能とし、そのため、熱可塑性材料は、単一のノズル、ノズルの群、又はマニホルドに流体的に接続された全てのノズルから押し出されることができる。弁が動作するときに必要に応じて熱可塑性材料を供給するために、マニホルド内で高圧を必要とし、標準押出機用のヒータから利用可能であるよりもはるかに速い熱可塑性材料の製造を必要とする。押出機ヘッド用に製造された熱可塑性材料の体積は、より大きな直径のフィラメントを処理することによって増加させることができるが、より厚いフィラメントを熱処理するのに必要とされる時間もまた増加する。熱処理時間の長さを延長することなく押出機ヘッド用の熱可塑性材料の製造を増加させることができるフィラメントヒータが有益である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
新たな積層造形システムは、フィラメントを熱処理するのに必要とされる時間を延長することなく押出材料フィラメントが熱処理されるのを可能とするように構成されたヒータを組み込む。積層造形システムは、熱可塑性材料を貯蔵するように構成されたマニホルド及びマニホルドからの熱可塑性材料が放出されることができる少なくとも1つのノズルを有する押出機ヘッドと、経路に沿って押出材料の供給源から第1の断面形状を有する押出材料を移動させるように構成された機械的可動子と、押出材料を受けるように押出材料の経路に沿って位置決めされたチャネル及び熱可塑性材料を形成するようにチャネル内の押出材料を溶融するように構成された少なくとも1つの加熱素子を有するヒータとを含み、ヒータにおけるチャネルが、熱可塑性材料がマニホルドに入るのを可能とするように押出機ヘッドにおけるマニホルドに流体的に接続され、ヒータにおけるチャネルが、第1の位置において第1の断面形状を有し且つ第2の位置において第2の断面形状を有して構成され、ヒータにおけるチャネルがフィラメントの表面積を増加させるのを可能とするように第2の断面形状が第1の断面形状とは異なる。
【0005】
ヒータは、フィラメントを熱処理するのに必要とされる時間を延長することなく押出材料フィラメントが熱処理されるのを可能とするように構成されている。ヒータは、チャネルを有する本体であって、ヒータ本体におけるチャネルが、第1の位置において第1の断面形状を有し且つ第2の位置において第2の断面形状を有して構成され、ヒータにおけるチャネルが第1の位置から第2の位置へとチャネルを通過する押出材料の表面積を増加させるのを可能とするように第2の断面形状が第1の断面形状とは異なる本体と、チャネル内で熱を発生させて熱可塑性材料を形成するために押出材料を溶融するように本体内に位置決めされた少なくとも1つの加熱素子とを含む。
【0006】
フィラメントを押出機ヘッドのために熱可塑性材料へと熱処理するヒータの前述の態様及び他の特徴は、添付図面と関連して以下の詳細な説明において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、押出機ヘッドのマニホルドへの熱可塑性材料の供給のためにフィラメントの熱処理を改善するヒータを含む積層造形システムを示している。
【
図2A】
図2Aは、線2A−2Aに沿った、
図1の押出機ヘッドのマニホルドへの熱可塑性材料の供給のためにフィラメントの熱処理を改善する
図1のヒータの断面図である。
【
図3B】
図3Bは、ヒータの幅を削減する
図3Aと同じ位置におけるヒータの代替実施形態の端面図である。
【
図3C】
図3Cは、ヒータの幅を削減する
図3Aと同じ位置におけるヒータの代替実施形態の端面図である。
【
図4】
図4は、
図1のシステムにおいて使用可能な押出機ヘッドのマニホルドへの熱可塑性材料の供給のためにフィラメントの熱処理を改善するヒータの代替実施形態の長手方向断面の側面図である。
【
図5】
図5は、
図1のシステムにおいて使用可能な押出機ヘッドのマニホルドへの熱可塑性材料の供給のためにフィラメントの熱処理を改善するヒータの他の代替実施形態の長手方向断面の側面図である。
【
図6】
図6は、チャネルに沿った異なる位置におけるヒータを通るチャネルの断面図を有する積層造形又は鋳造プロセスによって形成されることができるヒータの側断面図である。
【
図7】
図7は、
図1の固体押出材料供給システムを有していないマルチノズル押出印刷ヘッドを有する従来技術の3次元物体プリンタの図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願明細書に開示された装置の環境及び装置の詳細の一般的な理解のために、図面が参照される。図面において、同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【0009】
本願明細書において使用される場合、用語「押出材料」は、積層造形システムにおける押出機ヘッドによって放出されることになる熱可塑性材料を形成するように軟化又は溶融される材料を指す。押出材料は、厳密に限定されるものではないが、3次元印刷物体の永久部を形成する「造形材料」と、印刷プロセス中に造形材料の部分を支持するために一時的構造を形成した後に印刷プロセスの完了後に必要に応じて除去される「支持材料」との双方を含む。造形材料の例は、限定されるものではないが、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチック、ポリ乳酸(PLA)、脂肪族又は半芳香族ポリアミド(ナイロン)、懸濁炭素繊維又は他の骨材材料を含むプラスチック、導電性ポリマー、及び押出機ヘッドを介した放出に適した熱可塑性材料を生成するために熱処理されることができる任意の他の形態の材料を含む。支持材料の例は、限定されるものではないが、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリビニルアルコール(PVA)、及び熱処理された後に押出可能な他の材料を含む。いくつかの押出プリンタにおいて、押出材料は、一般に「フィラメント」として知られている材料の連続した細長ストランドとして供給される。このフィラメントは、スプール又は他の供給源から押出材料フィラメントを引っ張って押出機ヘッド内のマニホルドに流体的に接続されたヒータにフィラメントを供給する1つ以上のローラによって固体形態で供給される。ヒータは、マニホルド内に流入する熱可塑性材料を形成するように押出材料フィラメントを軟化又は溶融する。ノズルとマニホルドとの間に位置する弁が開放したとき、熱可塑性材料の一部は、ノズルを介してマニホルドから流出して熱可塑性材料の流れとして放出される。本願明細書において使用される場合、押出材料に適用される用語「溶融」は、3次元物体プリンタの動作中に印刷ヘッドにおける1つ以上のノズルを介した熱可塑性材料の押出を可能とするように押出材料を軟化させるか又は押出材料を相変化させる押出材料についての温度の任意の上昇を指す。溶融した押出材料はまた、この文書において「熱可塑性材料」として示される。当業者が認識するように、特定のアモルファス押出材料は、プリンタの動作中に純液体状態に遷移しない。
【0010】
本願明細書において使用される場合、用語「マニホルド」は、3次元物体印刷動作中に印刷ヘッドにおける1つ以上のノズルに送達するための熱可塑性材料の供給源を保持する押出機ヘッドのハウジング内に形成された空洞を指す。本願明細書において使用される場合、用語「押出機ヘッド」は、1つ以上のノズルを介してマニホルドから受けた、溶融した押出材料を押し出すプリンタの要素を指す。いくつかの押出機ヘッドは、熱可塑性材料がノズルを選択的に流れるのを可能とするように電子的に動作させることができる弁アセンブリを含む。弁アセンブリは、熱可塑性材料を押し出すようにマニホルドに対する1つ以上のノズルの独立した接続を可能とする。本願明細書において使用される場合、用語「ノズル」は、押出機ヘッドにおけるマニホルドに流体的に接続され且つ熱可塑性材料が受像面に向けて放出される押出機ヘッドにおけるオリフィスを指す。動作中において、ノズルは、押出機ヘッドのプロセス経路に沿って熱可塑性材料の略連続した直線配置を押し出す。コントローラは、弁アセンブリに接続されたノズルが熱可塑性材料を押し出すのを制御するように弁アセンブリにおける弁を動作させる。ノズルの直径は、押し出された熱可塑性材料のライン幅に影響を与える。異なる押出機ヘッドの実施形態は、より狭いオリフィスによって生成されるリボン幅よりも大きい幅を有する熱可塑性材料のリボンを生成するより広いオリフィスを有するオリフィスサイズの範囲を有するノズルを含む。
【0011】
本願明細書において使用される場合、用語「押出材料の配置」は、押出機ヘッドが3次元物体印刷動作中に受像面上に形成する熱可塑性材料の任意のパターンを指す。熱可塑性材料の一般的な配置は、熱可塑性材料の直線配置及び熱可塑性材料の湾曲配置を含む。いくつかの構成において、押出機ヘッドは、熱可塑性材料の連続的な塊を有する配置を形成するように連続的に熱可塑性材料を押し出す一方で、他の構成において、押出機ヘッドは、直線又は曲線経路に沿って配置された熱可塑性材料の小さな群を形成するように間欠的に動作する。3次元物体プリンタは、熱可塑性材料の異なる配置の組み合わせを使用して様々な構造を形成する。さらに、3次元物体プリンタにおけるコントローラは、押出機ヘッドを動作させて押出材料の各配置を形成するように熱可塑性材料の異なる配置に対応する物体画像データ及び押出機ヘッド経路データを使用する。以下に記載されるように、コントローラは、必要に応じて、3次元印刷動作中に1つ以上のノズルを介して熱可塑性材料の複数の配置を形成するように弁アセンブリの動作を調整する。
【0012】
本願明細書において使用される場合、用語「プロセス方向」は、押出機ヘッドとヘッドにおける1つ以上のノズルから押し出された熱可塑性材料を受ける受像面との間の相対運動の方向を指す。受像面は、積層造形プロセス中に3次元印刷物体又は部分的に形成された3次元物体の表面を保持する支持部材のいずれかである。本願明細書に記載された例示的な実施形態において、1つ以上のアクチュエータは、支持部材まわりに押出機ヘッドを移動させるが、他のシステムの実施形態は、押出機ヘッドが静止したままプロセス方向における相対運動を生み出すように支持部材を移動させる。
【0013】
本願明細書において使用される場合、用語「クロスプロセス方向」は、プロセス方向の平面内のプロセス方向に対して垂直であり、また、製造される3次元物体の表面に対しても垂直な軸を指す。プロセス方向及びクロスプロセス方向は、押出機ヘッド及び熱可塑性材料を受ける面の移動の相対経路を指す。いくつかの構成において、押出機ヘッドは、クロスプロセス方向に沿って延在するノズルのアレイを含む。押出機ヘッド内の隣接ノズルは、クロスプロセス方向に所定距離だけ離れている。いくつかの構成において、システムは、押出機ヘッドにおけるノズルから押し出される熱可塑性材料の配置間の対応するクロスプロセス方向距離を調整するために、押出機ヘッドにおける隣接ノズル間の有効クロスプロセス方向距離を調整するように押出機ヘッドを回転させる。
【0014】
積層造形システムの動作中において、押出機ヘッドは、3次元物体印刷処理中に熱可塑性材料を受ける面に対して直線及び曲線経路の双方に沿ってプロセス方向に移動する。さらに、システムにおけるアクチュエータは、必要に応じて、押出機ヘッドが熱可塑性材料の各配置間において所定距離を有する熱可塑性材料の2つ以上の配置を形成するのを可能とするために、押出機ヘッドにおけるノズルを分離する有効クロスプロセス距離を調整するようにZ軸まわりに押出機ヘッドを回転させる。押出機ヘッドは、印刷物体の層に領域の外壁を形成するように外周に沿って且つ熱可塑性材料を有する領域の全て又は一部を満たすように周囲内を移動する。配置を形成する押出機ヘッドは、3次元物体についての画像データの処理が押出機ヘッドを動作させるためのデータを生成するのに十分であれば、任意の平面的又は回転的自由度で移動することができる。
【0015】
図7は、3次元印刷物体140を形成するために押出機ヘッド108を動作させるように構成された従来技術の3次元物体積層造形システム又はプリンタ100を示している。プリンタ100は、物体を形成するために平面運動を使用するプリンタとして示されているが、この文書に記載された押出機ヘッド及び押出材料の機械的可動子を有する他のプリンタアーキテクチャが使用可能である。これらのアーキテクチャは、デルタ・ボット、選択的コンプライアンス・アセンブリ・ロボットアーム(SCARA)、多軸プリンタ、非デカルトプリンタなどを含む。プリンタ100は、支持部材102と、マルチノズル押出機ヘッド108と、押出機ヘッド支持アーム112と、コントローラ128と、メモリ132と、X/Yアクチュエータ150と、任意のZθアクチュエータ154と、Zアクチュエータ158とを含む。プリンタ100において、X/Yアクチュエータ150は、
図7に示されている物体140などの3次元印刷物体における1つの層を形成する熱可塑性材料の配置を押し出すようにX及びY軸に沿って2次元平面(「X−Y平面」)内の異なる位置に押出機ヘッド108を移動させる。例えば、
図7において、X/Yアクチュエータ150は、Y軸に沿って移動させるようにガイドレール113に沿って支持アーム112及び押出機ヘッド108を並進させるとともに、X/Yアクチュエータ150は、X軸に沿って印刷ヘッドを移動させるように支持アーム112の長さに沿って押出機ヘッド108を並進させる。押し出されたパターンは、層内の1つ以上の領域及び熱可塑性材料パターンの輪郭内の領域を埋める熱可塑性材料の領域の双方の輪郭を含む。Zアクチュエータ158は、物体が印刷プロセス中に形成されるのにともない、押出機ヘッド108におけるノズルが物体140の上に熱可塑性材料を押し出すのに適切な高さのままであるのを確実にするために、Z軸に沿って押出機ヘッド108と支持部材102との間の距離を制御する。Zθアクチュエータ154は、Z軸まわりに回転する押出機ヘッド108のいくつかの実施形態についてのZ軸まわりの押出機ヘッド108の回転角度(
図7におけるZθとして参照)を制御する。この移動は、押出機ヘッド108におけるノズル間の分離を制御するが、いくつかの押出機ヘッドは、製造プロセス中に回転を必要としない。システム100において、X/Yアクチュエータ150、Zθアクチュエータ154及びZアクチュエータ158は、電動モータ、ステッピングモータ、又は任意の他の適切な電気機械装置などの電気機械アクチュエータとして具現化される。
図7の例示的な実施形態において、3次元物体プリンタ100は、熱可塑性材料の複数の層から形成される3次元印刷物体140の形成中に示されている。
【0016】
支持部材102は、製造プロセス中に3次元印刷物体140を支持するガラス板、ポリマー板、又は発泡体面などの平面部材である。
図7の実施形態において、Zアクチュエータ158はまた、押出機ヘッド108が物体140の上面から所定距離を維持するのを確実にするために、熱可塑性材料の各層の塗布後に押出機ヘッド108から離れてZ方向に支持部材102を移動させる。押出機ヘッド108は、複数のノズルを含み、各ノズルは、支持部材102の表面又は物体140のような部分的に形成された物体の表面上に熱可塑性材料を押し出す。
図7の例において、押出材料は、ABSプラスチックのスプールである押出材料供給源110からのフィラメント又は押出機ヘッド108に押出材料を供給するためにスプールから剥がす他の適切な押出材料フィラメントとして供給される。
【0017】
支持アーム112は、支持部材と、印刷動作中に押出機ヘッド108を移動させる1つ以上のアクチュエータとを含む。システム100において、1つ以上のアクチュエータ150は、印刷動作中にX及びY軸に沿って支持アーム112及び押出機ヘッド108を移動させる。例えば、アクチュエータ150のうちの1つは、Y軸に沿って支持アーム112及び押出機ヘッド108を移動させる一方で、他のアクチュエータは、X軸に沿って移動させるように支持アーム112の長さに沿って押出機ヘッド108を移動させる。システム100において、X/Yアクチュエータ150は、必要に応じて、直線又は曲線経路のいずれかに沿って同時にX及びY軸の双方に沿って押出機ヘッド108を移動させる。コントローラ128は、押出機ヘッド108におけるノズルが支持部材102上に又は物体140の前に形成された層上に熱可塑性材料を押し出すのを可能とする直線及び曲線経路の双方における押出機ヘッド108の移動を制御する。コントローラ128は、必要に応じて、X軸又はY軸に沿ったラスタライズ動作において押出機ヘッド108を移動させるが、X/Yアクチュエータ150はまた、X−Y平面内の任意の直線又は曲線経路に沿って押出機ヘッド108を移動させることができる。
【0018】
コントローラ128は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)又はプリンタ100を動作させるように構成された他のディジタルロジックなどのディジタルロジックデバイスである。プリンタ100において、コントローラ128は、支持部材102及び支持アーム112の移動を制御する1つ以上のアクチュエータに動作可能に接続されている。コントローラ128はまた、メモリ132に動作可能に接続されている。プリンタ100の実施形態において、メモリ132はランダムアクセスメモリ(RAM)デバイスなどの揮発性データ記憶装置と、固体データ記憶装置、磁気ディスク、光ディスク又は任意の他の適切なデータ記憶装置などの不揮発性データ記憶装置とを含む。メモリ132は、プログラミングされた命令データ134及び3次元(3D)物体画像データ136を記憶する。コントローラ128は、3次元印刷物体140を形成し且つ物体140の1つ以上の表面上に2次元画像を印刷するためにプリンタ100における要素を動作させるように記憶されたプログラム命令134を実行する。3D物体画像データ136は、例えば、プリンタ100が3次元物体印刷プロセス中に形成する熱可塑性材料の各層に対応する複数の2次元画像データパターンを含む。押出機ヘッド経路制御データ138は、コントローラ128がX/Yアクチュエータ150を使用して押出機ヘッド108の移動の経路を制御し且つZθアクチュエータ154を使用して押出機ヘッド108の向きを制御するように処理する幾何学的データのセット又はアクチュエータ制御コマンドを含む。コントローラ128は、押出機ヘッド108を移動させるようにアクチュエータを動作させる。
【0019】
図1は、弁の動作及び押出機ヘッド108における複数のノズルから放出される材料を制御するのを可能とするようにコントローラ128に動作可能に接続された押出機ヘッド108における弁アセンブリ204を含む積層造形システム100’を示している。具体的には、コントローラ128は、熱可塑性材料を放出して3次元印刷物体140の各層に熱可塑性材料の配置を形成するように、押出機ヘッド108におけるノズルに接続された弁アセンブリ204における異なる弁を活性化及び非活性化する。システム100’はまた、システム100’の動作中にマニホルド216内の熱可塑性材料の圧力を所定範囲内に維持する速度で供給源110からヒータ208にフィラメントを供給する押出材料分配システム212を含む。分配システム212は、マニホルド内の熱可塑性材料の圧力の調整に適している1つの実施形態である。さらに、コントローラ128は、分配システム212がヒータ208に固体フィラメントを送達する速度を制御するように分配システム212におけるアクチュエータに動作可能に接続されている。ヒータ208は、駆動ローラ224を介してヒータ208に供給される押出材料フィラメント220を溶融する。アクチュエータ240は、ローラ224を駆動し、コントローラ128に動作可能に接続されており、そのため、コントローラは、アクチュエータがローラ224を駆動する速度を調整することができる。ローラ224に対向する他のローラは、フリーホイールであり、そのため、ローラ224が駆動される回転速度にしたがう。
図1は、ヒータ208にフィラメント220を移動させるための機械的可動子として電気機械アクチュエータ及び駆動ローラ224を使用する供給システムを示しているが、代替実施形態は、回転オーガ又はスクリュの形態で機械的可動子を動作させるために1つ以上のアクチュエータを使用する。オーガ又はスクリュは、押出材料粉末又はペレットの形態で固相押出材料をヒータ208へと移動させる。
【0020】
図1の実施形態において、ヒータ208は、ステンレス鋼から形成され且つ電気抵抗加熱素子などの1つ以上の加熱素子228がチャネル232のまわりに位置決めされた本体を有する。加熱素子228は、コントローラ128に動作可能に接続されており、そのため、コントローラ128は、ヒータ208内のチャネル232における押出材料220のフィラメントを溶融するように選択的に電流に加熱素子228を接続することができる。
図1は、固体フィラメント220として固相で押出材料を受けるヒータ208を示しているが、代替実施形態においては、粉末状又はペレット状押出材料として固相で押出材料を受ける。冷却フィン236は、ヒータ208から上流のチャネル232内の熱を減衰する。冷却フィン236において又は冷却フィン236の付近においてチャネル232内で固体のままである押出材料の一部は、熱可塑性材料がマニホルド216に対する接続部以外の任意の他の開口からのヒータから出るのを防止するチャネル232内のシールを形成する。押出機ヘッド108はまた、マニホルド216内の熱可塑性材料について高温を維持するために追加の加熱素子を含むことができる。いくつかの実施形態において、マニホルド216内の温度を維持するために断熱材が押出機ヘッド108の外側部分を被覆している。
【0021】
マニホルド216内の熱可塑性材料の流体圧力を所定範囲内に維持し、押出材料への損傷を回避し、ノズルを通る押出速度を制御するために、スリップクラッチ244がアクチュエータ240の駆動軸に動作可能に接続されている。この文書において使用される場合、用語「スリップクラッチ」は、所定の設定ポイントまで物体を移動させるように物体に摩擦力を印加する装置を指す。摩擦力についての所定の設定ポイントについての範囲を超えた場合、装置はスリップし、そのため、もはや物体に摩擦力を印加しない。スリップクラッチは、フィラメント220に及ぼされる力がいくら多くの弁が開放されても又はいくら高速にアクチュエータ240がローラ224を駆動しても一定のままであるのを可能とする。この一定の力は、フィラメント駆動ローラ224の最速予想回転速度よりも高速でアクチュエータ240を駆動することによって又はローラ224上にエンコーダホイール248を配置してセンサ252によって回転速度を検知することによって維持されることができる。
【0022】
センサ252によって生成された信号は、ローラ224の回転角度を示し、コントローラ128は、ローラ224の速度を特定するためにこの信号を受信する。コントローラ128は、さらに、アクチュエータの速度を制御するためにアクチュエータ240に供給される信号を調整するように構成されている。コントローラがアクチュエータ240の速度を制御するように構成されている場合、コントローラ128は、アクチュエータ240を動作させ、そのため、その速度は、ローラ224の回転よりも僅かに高速である。この動作は、駆動ローラ224上のトルクが常にスリップクラッチトルクの関数であるのを確実にする。1つの弁/ノズルの組み合わせが開放されている場合、フィラメント220は、ゆっくりと移動する。アセンブリ204における全てのアクチュエータ/弁の組み合わせが開放されている場合、フィラメントは、より迅速に移動を開始し、コントローラ128は、アクチュエータの出力軸がセンサ252によって示されるローラ224の速度よりも高速に回転しているのを確実にするために、その速度を増加させるようにアクチュエータ240を直ちに動作させる。遅延は、本質的に、フィラメントに印加される力と押出機ヘッダのノズル領域における熱可塑性材料の圧力との間に存在する。これらの遅延の経験的データは、スリップクラッチが押出機ヘッドのノズル領域において熱可塑性材料のより均一な圧力を提供するように動作するのを可能とするスリップクラッチについての設定ポイントが定義されるのを可能とする。
【0023】
図2Aは、冷却フィン236を通過した位置から熱可塑性材料の出口位置までのヒータ208の縦断面図である。
図2Aから
図2C及び
図3Aから
図3Cに示される実施形態は、ファスナによって組み立てられた2部品構成として示されているが、ヒータは、一体ユニットとして形成されることができる。例えば、ヒータは、ダイレクトメタルレーザ焼結(DMLS)システムなどの積層造形システムを使用する一体ユニットとして、又は既知の鋳造プロセスによって形成されることができる。
図2Aは、加熱素子228のうちの1つの上方にあるチャネル232の下半分を示している。フィラメントは、図における矢印によって示されるように、チャネル232を通って移動する。図に示されるように、チャネル232は、フィラメントがヒータ208の加熱領域に入る場所でより狭く、入口を通過した位置においてより広い。
図2Bに示されるように、加熱素子228のうちの1つは、ヒータ208の上半分が図に示される下半分に接合されたときに、チャネル232への入口において円形であるチャネル232の下半分の下方に位置決めされている。
図2Cに示されるように、加熱素子228は、チャネル232の下方に残るが、チャネルは、その高さが低減されつつ、幅が増加している。このチャネル232の構成の変化は、加熱素子228によって発生される熱にさらされるフィラメントの表面積を増加させる。チャネル232の上半分に関しても同様である。この表面積の増加は、加熱素子228がフィラメントをより効率的に熱処理するのを可能とし、そのため、より多くのフィラメントの断面が熱処理されることができ、フィラメントを熱処理するために以前必要とされた時間量を削減する。ファスナ230は、ヒータ208の2つの半体を接合する。
【0024】
図3Aは、
図2Cに示された位置において組み立てられたヒータ208を示している。同様に、チャネル232におけるこの位置の矩形形状は、円形入口の直径よりも小さい高さ及び円形入口の直径よりも大きい幅を有する。それゆえに、
図3Aの矩形チャネル形状は、それが入口にあるためにチャネルが円形のままである場合に生じるフィラメントの熱曝露にわたって加熱するためにフィラメントの露出を増加させるようにチャネル232におけるフィラメントの表面積を増大させる。
図3Aの形状は、矩形で描かれているが、多角形の高さが円形入口の直径よりも小さく且つ多角形の幅が円形入口の直径よりも大きい限り、任意の多角形形状とすることができる。ヒータ208の寸法をさらに低減させるために、チャネル232は、
図3Bに示されるようなその位置においてチャネル232を拡大するように、
図3Aに示された位置に示された半円形形状などの非円形湾曲形状を有して構成されている。この文書において使用される場合、用語「非円形湾曲形状」は、長さが変化し且つチャネルの長手軸に対して垂直なヒータにおけるチャネルの中心からの半径によって形成された任意形状を意味する。ヒータの高さは同じままであるが、半円形形状チャネルの一端から半円形形状チャネルの他端までの距離は、
図3Aに示される矩形チャネルの端部から端部までの距離よりも小さいことから、
図3Bにおけるヒータ208は、
図3Aにおけるヒータよりも少ない空間しか消費しない。
図3Cは、ヒータ208の幅をさらに低減しつつ、フィラメントの表面積をさらに増加させ且つ2つの加熱素子228によって供給される熱に対するフィラメントの増加した表面領域の曝露を強化するために、チャネル232が1対の半円形形状チャネルによって構成された他の代替実施形態を示している。2つの半円形形状チャネルは、押出材料が各半円形形状チャネル内に拡散するのを可能とするように交点236において接合されている。
【0025】
図6は、積層造形又は鋳造プロセスによって一体ユニットとして形成されたヒータ208の実施形態の側断面図を示している。これらのプロセスは、様々な曲率を有する壁を有するチャネルを形成することができる。
図6におけるヒータの側面断面図の下方は、チャネルに沿った異なる位置A−AからG−Gにおけるヒータを通るチャネル232の断面図である。それゆえに、一体ユニットとして形成されたヒータ208は、ヒータ内のフィラメントの熱処理をさらに改善するように、チャネルの一端からチャネルの他端までのチャネルの長さの少なくとも一部に沿って曲率が変化するチャネル232を有することができる。この文書において使用される場合、用語「一体ユニット」は、ヒータを組み立てるためにファスナを必要としない単一品構造によって形成されたヒータを指す。また、この文書において使用される場合、「曲率が変化する」は、長手方向若しくはクロス長手方向のいずれか又は同時に双方の方向においてヒータにおけるチャネルの壁又は複数の壁の傾きが変化することを意味する。
【0026】
図6に示される描写は、積層造形又は鋳造プロセスによって形成されることができる様々なチャネル断面を示している。読者は、チャネルが、一般に、押出材料フィラメントを受ける円形断面領域から始まることに留意すべきである。熱可塑性材料の製造のためのフィラメントへの熱の移動を容易とするために、チャネルの断面積は、表面積を増大させるようにその後に変化する。ほとんどの実施形態において、チャネルの断面領域は、熱可塑性材料を受けてそれをヘッドにおけるマニホルドに導く押出機ヘッドにおけるポートと適合する断面領域形状及びサイズにその後に戻る。この構成は、ヒータ208の出力が介在調整なしに押出機ヘッド108に直接結合されるのを可能とする。
【0027】
ヒータにおけるチャネル構成の他の代替実施形態が
図4に示されている。同様に、チャネル232は、フィラメントが図における矢印によって示される方向に移動するように円形断面を有するフィラメント404を受ける。加熱素子228は、単に描写するために図に示されていないが、以前にチャネルの両側に示されるように存在している。チャネル232の上側壁408は、フィラメント400の上面と平行であるが、チャネルはまた、上述したようにフィラメントの幅を増加させて始まるように構成されている。すなわち、チャネルは、ヒータ208に入ったときのフィラメントの高さよりも低い高さ及びヒータ208に入ったときのフィラメントの幅よりも大きい幅を有するように押出材料のフィラメントを変化させるためにその位置に構成されている。さらに、チャネル232の下側壁412は、チャネルの上面に向けてフィラメントの下面を付勢するようにフィラメントの上面に対して所定角度で傾斜している。この壁408に向かうフィラメント404の剛性中央部の付勢は、加熱された壁408に対して中央部を曝露し、そのため加圧下で曲がる。したがって、フィラメントの最も冷たい部分であるフィラメント404の中央部は、チャネル432の上側壁408に向かって移動し続け、フィラメントを熱可塑性材料へと遷移するのに必要とされる時間を削減する。
【0028】
ヒータにおけるチャネル構成の他の代替実施形態が
図5に示されている。同様に、チャネル232は、フィラメントが図における矢印によって示される方向に移動するように円形断面を有するフィラメント404を受ける。加熱素子228は、単に描写するために図に示されていないが、以前にチャネルの両側に示されるように存在している。チャネル232の上側壁408は、フィラメント400の上面と平行であるが、チャネルはまた、上述したようにフィラメントの幅を増加させて始まるように構成されている。すなわち、チャネルは、ヒータ208に入ったときのフィラメントの高さよりも低い高さ及びヒータ208に入ったときのフィラメントの幅よりも大きい幅を有するように押出材料のフィラメントを変化させるためにその位置に構成されている。さらに、チャネル232の構造は、平坦化されているフィラメント404の領域に対して垂直な方向において内側及び外側にシフトする。チャネルの壁におけるシフトは、フィラメントの異なる部分をチャネルの壁に向かって移動させる。異なる部分の移動は、フィラメントを熱可塑性材料へとより効率的に変換するために、チャネル内の熱可塑性材料の混合を誘導するようにフィラメントにおける供給力及び低温部の剛性を使用する。具体的には、下向き傾斜壁408は、フィラメント404のより低温の中央部が直線状に継続するとともに、チャネル232の側方に熱可塑性材料を押し出すのに役立つ。このチャネルの側方への熱可塑性材料の変位は、下側壁412が同様に下向きに傾斜し始めるまで継続する。熱可塑性材料がフィラメントのより低温の中央部から離れて落下するのにともない、中央部は、少なくとも上側壁408からの熱にさらされる。この曝露は、フィラメントの中央部の熱可塑性材料への変換を促進する。