特許第6803841号(P6803841)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6803841
(24)【登録日】2020年12月3日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】eリキッド折り畳み可能なカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20200101AFI20201214BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20201214BHJP
【FI】
   A24F47/00
   A24F40/42
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-530660(P2017-530660)
(86)(22)【出願日】2015年12月14日
(65)【公表番号】特表2017-537635(P2017-537635A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(86)【国際出願番号】EP2015079650
(87)【国際公開番号】WO2016096762
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2018年12月14日
(31)【優先権主張番号】14198015.1
(32)【優先日】2014年12月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
【審査官】 岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】 特表平08−511966(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/139609(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0069424(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/083635(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
A24F 40/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システム用のカートリッジであって、前記カートリッジが、
−液体貯蔵部分であって、前記液体貯蔵部分が、
−エアロゾル形成基体を分配するための開口部を画定するノズルを有する剛直な支持部分と、
−前記剛直な支持部分に取り付けられた折り畳み可能な部分と、
−前記支持部のノズル内に提供された芯とを含むものを備え、
前記芯が前記開口部の全断面にわたり延びる、カートリッジ。
【請求項2】
前記芯が任意の多孔性材料、例えば繊維質材料、好ましくはアラミド繊維、ガラス繊維、Kevlar繊維、または金属繊維から作製される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記剛直な支持部分が、固体ポリマー材料、好ましくはデュロプラスチック材料、熱硬化性材料、耐熱性材料、またはセラミック材料から作製される、請求項1〜2のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記剛直な支持部分が、エアロゾル発生システムのエアロゾル形成チャンバー内に前記カートリッジを取り付けるための取付部分を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記ノズルの前記開口部を閉じて、前記エアロゾル発生システム外での前記カートリッジに保管中の前記エアロゾル発生液体の蒸発を防止する再封可能キャップを備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記折り畳み可能な部分が箔材料、好ましくは、薄層形成箔材料で形成され、さらに好ましくは密封シールのために少なくとも一つのアルミニウム層を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記折り畳み可能な部分が、前記折り畳み可能な部分を囲む剛直なハウジングによって保護される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
ヒーター要素をさらに備え、前記ヒーター要素が好ましくは前記剛直な支持部分に提供される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記ヒーター要素がコイルワイヤーであり、前記コイルワイヤーが前記ノズルから延びる前記芯の一部分の周りに巻かれる、請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記剛直な支持部分が前記発熱体と接触するための2つの電極を備え、前記電極が好ましくは前記ノズルの反対側に提供されている、請求項8または9のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のカートリッジを備える、エアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記カートリッジの前記取付手段との取付け時の連携のための受入手段をさらに備えた、請求項11に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
電源と制御回路をさらに備え、前記カートリッジが前記エアロゾル発生システム内に配置される時、前記電源がヒーター要素と電気的に接触するように、前記受入手段が前記カートリッジの前記剛直な支持部分に提供された前記電子接点と接触するための電子接点を備える、請求項11または12のいずれか1項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
カートリッジを形成するための方法であって、
−開口部を画定するノズルを備えた剛直な支持部分を提供する工程と、
−折り畳み可能な部分を前記剛直な支持部分に取り付けて液体貯蔵部分を形成する工程と、
−前記剛直な支持部分の前記ノズル内に芯を提供する工程とを含み、
前記芯が前記開口部の全断面にわたり延びる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生システム用のカートリッジに関連し、カートリッジは剛直な支持部分および開口部を画定するノズルを有する液体貯蔵部分を含む。芯はノズル内に提供され、液体エアロゾル発生基体の分配を促進する。本発明はまた、こうしたカートリッジを備えたエアロゾル発生装置、およびその製造方法にも関連する。
【背景技術】
【0002】
これまでに製造されたeシガレットには、エアロゾル発生液体が芯の毛細管作用によりタンクから引き出されるeリキッドタンクが含まれる。液体は、熱が適用されることでエアロゾルを発生する発熱体に供給される。次に、エアロゾルはe−シガレットのユーザーによって吸入される。eリキッドの安全な取り扱いのために、従来的に使用される貯蔵部は一定の形状と容積を有する剛直な容器を備える。
【0003】
こうした剛直な容器の欠点は、タンク内のeリキッドの減少をタンク内に入り込む空気によってバランスをとる必要がある点である。そうしない場合は、容器の外側と内側の間の圧力差によって、芯によるeリキッドの引き出しが阻止される。
【0004】
芯を経由したタンク内への空気の流れはeリキッドを気化させ、かつ芯の毛細管活性を妨げる。特に、芯および発熱体の湿潤性が低減し、e−シガレットの風味、エアロゾル密度および全体的な喫煙の体験にマイナスの影響を及ぼす。
【0005】
第US 2014 0190496 A1号は、毛細管を介してヒーター要素と流体連通する貯蔵部を備えたエアロゾル発生システムを対象とする。システムを初めて使用すると、液体が毛細管内に入ることができるように毛細管が貯蔵部を貫通する。貯蔵部は、当技術で周知のプラスチック、箔、またはその他任意の折り畳み可能な材料で作製された折り畳み可能な袋または容器としうる。
【0006】
第EP 1 618 803 B1号は、電熱式気化ノズルと、測定用くぼみと接続された電子弁と、折り畳み可能な液体貯蔵容器を備えたエアロゾル発生装置を開示している。高圧窒素で充填されたガス容器が液体貯蔵容器の周辺付近に配置され、それに対して圧力が作用し、かつ液体の透過を促進する。制御信号が電子弁に適用されると、電子弁は活性化し、ニコチンを含む溶液が圧力下で液体貯蔵容器から測定用くぼみ内に入り、ピストンの他方にある一定量の液体が電子弁を経由して気化ノズルに入り、気化し凝縮してエアロゾルを形成するようにピストンを押す。弁に提供されている測定用くぼみは、液体入口と液体出口とを有するシリンダーである。シリンダーは、微細孔のあるピストンと、ピストンに接続されたリセットバネとを含む。測定用くぼみ内のピストンの微細孔の浸潤は遅いため、またリセットバネの力によって、ピストンは、毎回のアトマイゼーションプロセス後5〜8秒以内にその元の位置に戻る。
【0007】
折り畳み可能な液体貯蔵部を備えた周知のエアロゾル発生装置にはいくつかの欠点がある。それらは漏れやすい。貯蔵部は交換可能ではない。毛細管によって貫通されると、貯蔵部は液体が消費されるまで使用される必要がある。エアロゾル発生装置の品質は使用される芯およびヒーター要素の品質に決定的に依存することが、これまでに分かっている。持続的な高品質のエアロゾル発生を確保するには、芯およびヒーターはそれぞれ定期的に保守および交換される必要がある。
【発明の概要】
【0008】
上述した問題の1つ以上は、剛直な支持部分と剛直な支持部分に取り付けられた折り畳み可能な部分とを備えた液体貯蔵部分を提供することによりエアロゾル発生システム用のカートリッジを提供することによって軽減されうる。剛直な支持部分は、液体エアロゾル形成基体を分配するための開口部を画定するノズルを備える。芯は剛直な支持部分のノズル内に提供される。
【0009】
本発明によるカートリッジでは、エアロゾル発生液体は、芯の毛細管作用により液体貯蔵部分から引き出される。カートリッジは折り畳み可能な部分を備えることから、エアロゾル発生液体が引き出されると液体貯蔵部分の内容積は減少する。本発明によるカートリッジでは、芯の毛細管作用を妨げるカートリッジ内への空気の流れが回避されるように、かつ芯および発熱体の湿潤性が増大するように、カートリッジの内側と外側の間に生まれる圧力差は比較的小さい。
【0010】
芯は、適切な任意の多孔性材料から、好ましくは最高300℃の温度に耐える繊維質材料から作製される。芯は、アラミド繊維、ガラス繊維、炭素繊維、Kevlar繊維、金属繊維、またはそれらの組み合わせといった繊維で作製されることが好ましい。
【0011】
芯は、カートリッジの剛直な支持部分のノズルによって画定される開口部の全断面にわたって延びる。芯はノズルによってしっかりと保持されうる。追加的に、芯は液体がカートリッジから垂れ落ちることを効果的に防止しうる。
【0012】
カートリッジの剛直な支持部分は、適切な任意の剛直な材料から作製される。剛直な支持部分の材料は、固体ポリマー材料、デュロプラスチック材料、熱硬化性材料、耐熱性材料、およびセラミック材料の群から選択されることが好ましい。剛直な支持部分の材料は、アクリロニトリル/メチルアクリレートコポリマー(例えば、barexのブランド名で商業的に入手可能)またはフッ化エチレンプロピレン(FEP)など、ニコチンに対して化学的耐性を持つポリマーであることが好ましい。剛直な材料のヤング率は、0.5 GPaを超えることが好ましく、かつ1 GPa〜5 GPaまたは1.2 GPa〜3 GPaの範囲が好ましい。
【0013】
剛直な支持部分は、エアロゾル発生システムのエアロゾル形成チャンバー内にカートリッジを取り付けるための取付部分を備えることが好ましい。取付部分は、ノズルに、側面に、または剛直な支持部分のその他の適切な任意の位置に提供されうる。取付部分によって、カートリッジは、エアロゾル発生液体が消費された時にカートリッジを簡単に交換できるように、エアロゾル発生装置内に取り外し可能なように取り付けることができる。
【0014】
カートリッジは、ノズルの開口部を閉じるための再封可能なキャップを備えることが好ましい。本実施形態は、内容物がまだ完全には消費されていなくてもカートリッジの交換が可能であるという利点を提供する。完全には空になっていないカートリッジがエアロゾル発生装置から取り外されると、カートリッジは再封可能なキャップによって閉じられ、カートリッジの残りの液体内容物が乾燥しないようにされる。このように、ユーザーは様々な異なるeリキッド製品から簡単に選択でき、随意にカートリッジを交換できる。開封されたカートリッジは後の段階で再使用ができ、別の製品を楽しむ前に所定の製品を完全に消費する必要はない。
【0015】
折り畳み可能な部分は当業者にとって周知の適切な任意の柔軟性の材料から形成される。柔軟性の材料は、薄層形成箔材料などの箔材料が好ましい。薄層形成箔材料は、アルミニウム層などの少なくとも一つの金属層を含むことがさらに好ましい。薄層形成金属箔材料によってカートリッジの密封シールがなされ、よってエアロゾル発生液体の優れた保護が提供される。
【0016】
柔軟性の材料は、0.01〜4 GPaの曲げ係数、好ましくは0.02〜2 GPa、例えば0.05〜1 GPaを持つことが好ましい。
【0017】
ヤング率および曲げ係数はそれぞれASTM方法D790およびD6272に従い決定される。
【0018】
さらに好ましい実施形態では、カートリッジの折り畳み可能な部分は剛直なハウジングにより保護される。剛直なハウジングは剛直な支持部分に取り付け可能としてもよく、また部分的にまたは完全に折り畳み可能な部分を囲んでもよい。例えば、ハウジングはプラスチック材料または金属材料の剛直なメッシュでもよい。ハウジングが折り畳み可能な部分を完全に囲む時、カートリッジの使用時の折り畳み可能な部分とハウジングの間のスペースの加圧を許容するために、穴または空気弁を提供できる。さらなる実施形態では、折り畳み可能な部分に対して調整できる方法でわずかな過圧を加えるために、またそれによってカートリッジを出る液体の流れを改善するために、ハウジングと折り畳み可能な部分との間の空気圧を能動的に調節するための手段が提供されてもよい。
【0019】
剛直な支持部分およびハウジングは、折り畳み可能な部分をシールするように囲んでもよい。ハウジングは、加圧の目的で一方向弁が提供されてもよい。折り畳み可能な部分は弾性のバルーン様膜から作製されてもよい。こうしたバルーン様膜の利点は、収縮してその元の形状に戻ろうとするその傾向性によって、折り畳み可能な部分にかかる圧力を創り出すために追加的な能動的手段を必要とせずに、液体がカートリッジから押し出されることでありうる。一方向弁を調整することによりバルーン様膜の収縮を制御できる。
【0020】
カートリッジはヒーター要素を備えうる。ヒーター要素は剛直な支持部分に取り付けられることが好ましい。ヒーター要素はコイルワイヤーであることが好ましい。コイルワイヤーは剛直な支持部分のノズル付近に提供されることが好ましい。芯の少なくとも一部分はノズルから延び、かつコイルワイヤーはノズルから延びる芯の部分の周りにしっかりと巻かれることが好ましい。このように、発熱体とエアロゾル発生液体を運ぶ芯との間の密着が確立され、最適な気化状態が提供される。ヒーター要素は、剛直な支持部分に提供された2つの電極に電気的に接触した状態であることが好ましい。電極は剛直な支持部分の前面に、ノズルのどちらかの側に提供されうる。別の方法として、電極は剛直な支持部分の両側に提供されてもよい。
【0021】
折り畳み可能な部分は、熱シール、溶接、超音波溶接、糊付け、またはボンド付けにより、剛直な支持部分に取り付けられることが好ましい。取付方法の選択は、折り畳み可能な部分および剛直な支持部分に選択される材料にも依存する。
【0022】
支持部分は、複数の隆起したストライプを備え、それによって隆起したストライプと折り畳み可能な部分との間にシーリングが提供されることが好ましい。それぞれのシール用ストライプは、折り畳み可能な部分と剛直な支持部分との間に理論的に完全なシールが提供されるように設計されうる。ところが、複数のシール用ストライプを提供することで、折り畳み可能な部分と剛直な支持部分との間の接続の安全性が高められる。
【0023】
本発明は、本明細書で開示したカートリッジを含むエアロゾル発生システムをも対象としている。エアロゾル発生システムは、電気的な喫煙システムまたはe−シガレットであることが好ましい。エアロゾル発生システムは、カートリッジの取付手段との取付け時の連携のための受入手段を備えることが好ましい。受入手段により、エアロゾル発生システムのハウジング内でのカートリッジの取付けおよび取外しが容易になる。
【0024】
エアロゾル発生システムは、電源および制御回路をさらに備えることが好ましい。受入手段は、カートリッジがエアロゾル発生システム内に配置されている時、電源がヒーター要素と電気的に接触するように、カートリッジの剛直な支持部分に提供されている電子接点と電気的に接触するための電子接点を備えることが好ましい。
【0025】
本発明は、エアロゾル発生システムでの使用に適したカートリッジを製造する方法をも対象とする。方法は、開口部を画定するノズルを備えた剛直な支持部分を提供する工程と、折り畳み可能な部分を剛直な支持部分に取り付けて液体貯蔵部分を形成する工程と、剛直な支持部分のノズル内に芯を提供する工程とを含む。
【0026】
本発明は以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は本発明によるカートリッジを示す。
図2図2は剛直な支持部分とカートリッジの折り畳み可能な部分との間のシール領域の詳細図である。
図3図3はカートリッジのシール領域の断面図である。
図4図4はヒーター要素を備えた本発明によるカートリッジを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明のカートリッジの実施形態を図1に示す。カートリッジは、剛直な支持部分2とシールするように接続されているアルミニウムおよびPVCで薄層形成されたFEP箔で作製された折り畳み可能な部分1を備える。剛直な支持部分2は、BarexまたはFEPで作製され、またそれを通して液体エアロゾル発生基体が放出される開口部を画定するノズル3を示す。アラミド繊維で作製された芯は、ノズルの開口部内に提供される。折り畳み可能な部分を保護するために、使用温度での剛性を保証する機械的属性を有する、PP、PEP、またはPVCなどのポリマー化合物で作製されたハウジング5が提供され、これが折り畳み可能な部分1を囲み、剛直な支持部分2に固定される。
【0029】
剛直な支持部分2と折り畳み可能な部分1との間の接続は、熱シールによって促進される。この目的で、折り畳み可能な部分1の開放端は、剛直な支持部分2の周囲の上に滑り込む。図2に図示した通り、複数のシール用ストライプ11が折り畳み可能な部分1と剛直な支持部分2との間に形成される。それぞれのシール用ストライプ11が適切なシールを提供する。複数のシール用ストライプ11を確立することで、シール用ストライプ11のうち1つが偶発的に損傷したり製造上の欠陥があったりした場合でも確実なシールを守ることができる。
【0030】
図3はシール領域の断面を示す。剛直な支持部分2は、その上で折り畳み可能な部分1への熱シールが確立される隆起領域10を含む。折り畳み可能な部分1は、2つのポリマー層6、8の間に位置するアルミニウム層7を含む層状構造である。ポリマー層6、8はアルミニウム層7を保護し、折り畳み可能な部分1の熱シールが許容される。アルミニウム層はカートリッジの密封シールを確保し、よって有害な環境的影響からエアロゾル発生液体を保護する。外側層9は、印刷やブランド化の目的で、またカートリッジの内容物を表示する目的で使用される追加的ポリマー層である。
【0031】
カートリッジは、eシガレットなどのエアロゾル発生システム内で使用されうる。図4には、e−シガレットのハウジング15内に取り付けられたカートリッジのさらなる実施形態を図示する。この場合も、カートリッジは剛直な支持部分2および折り畳み可能な部分1を備える。剛直な支持部分は開口部を画定するノズルを備える。芯4はノズルの開口部内に提供される。剛直な支持部分2は、ノズルのいずれかの側に提供された電気接点12をさらに備える。電気接点12はヒーター要素13に接続されている。ヒーター要素13は、カートリッジの剛直な支持部分2のノズルから延びる芯4の部分の周りに巻かれるワイヤーコイルである。カートリッジがe−シガレットのハウジング15内に取り付けられている時、剛直な支持部分2の電気接点12は、e−シガレットの内部に提供される対応する電気接点14に接続される。電気接点14によって、発熱体は制御回路(図示せず)およびe−シガレットの内部に提供された電源(図示せず)に接続される。ワイヤーコイルは芯の周りに密接に巻かれ、よって芯内に含まれるエアロゾル発生液体がうまく気化される。
【0032】
図5は、折り畳み可能な部分がハウジングによって保護され、ハウジングが剛直な支持部分にシールするように接続される発明の実施形態を示す。折り畳み可能な部分は弾性バルーン様部材である。その初期の形態、すなわち折り畳み可能な部分が空である時は、図5の参照番号20で表記されている。エアロゾル発生液体をカートリッジに充填すると、折り畳み可能な部分がカートリッジの内容積を充填するまで拡張する。拡張した折り畳み可能な部分は図5の参照番号22で図示されている。拡張した折り畳み可能な部分がその初期の形態にすぐに戻ることを避けるために、またエアロゾル発生液体の制御されない流出を避けるために、ハウジングは一方向弁24を備える。一方向弁24は電気回路(図示せず)によって電子的に制御され、一方向弁24を活性化することにより折り畳み可能な部分の折り畳みが制御されうる。折り畳み可能な部分の折り畳みを防止することにより、芯の毛細管作用が妨げられる。折り畳み可能な部分の折り畳みを許容することで、芯の毛細管作用が向上する。
図1
図2
図3
図4
図5