【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、英国特許第2472972号で述べられた、スパチュラの概念、およびスパチュラが治療のためのRFおよび/またはマイクロ波エネルギーを提供する発生器と接続する方法をさらに進展させる。
【0011】
第1の態様では、本発明は、生体組織の制御された切除のための電子外科用具の遠位端部のさらに最適化された構成を提供する。
【0012】
第2の態様では、本発明は、(i)流体送達部、(ii)針移動メカニズム、および(iii)エネルギー送達部(例えば、RFおよび/またはマイクロ波エネルギーを供給するケーブル)の全てをシングルケーブルアセンブリに一体化するインタフェース接合部を提供する。ケーブルアセンブリは、従来の内視鏡の器具チャネルを通るのに適合するサイズであってもよい。
【0013】
第3の態様では、本発明は、内視鏡の器具チャネル内でケーブルアセンブリの制御された回転を可能にするトルク伝達装置を提供する。インタフェース接合部およびトルク伝達装置を、単一の構成要素として一体化してもよい。
【0014】
本発明の第1の態様によると、その第1の面上の第1の導電性構成要素をその第2の面上の第2の導電性構成要素から分離し、第2の面は第1の面の反対側に面した、第1の誘電体材料で製造された平面本体を備える器具先端部と、内側導線、内側導線と同軸の外側導線、および内側導線と外側導線を分離する第2の誘電体材料を備え、RF信号および/またはマイクロ波信号を伝送する同軸送達ケーブルと、平面本体の下側を覆うよう据え付けられた第3の誘電体材料片を備える保護カバーとを備え、器具先端部がRF信号および/またはマイクロ波信号を受信するのを可能にするよう、内側導線が第1の導電性構成要素に電気的に接続され、外側導線が第2の導電性構成要素に電気的に接続され、保護カバーが平面本体から外方に向く滑らかな輪郭の凸状の下面を有し、平面本体が先細りの遠位縁部を有し、平面本体の下側が先細りの遠位縁部において保護カバーを越えて延びる、生体組織に高周波(RF)電磁(EM)エネルギーおよび/またはマイクロ波周波数EMエネルギーを印加する電気外科器具が提供される。この機能の組み合わせは、遠位先端部における治療の正確性(保護カバーを越える平面本体の延長により強化される)と、器具の安全な操作の容易性(保護カバー自体による)とのバランスを取る最適な構成を示す。
【0015】
先細りの遠位縁部において保護カバーを越えて延びる平面本体の下側の部分を、延長ゾーンと呼んでもよい。延長ゾーンは、先細りの遠位縁部の境界周辺で均一であってもよい。代替的には、延長ゾーン自体が平面本体の遠位先端部に向かって幅において先細りであってもよい。先細りは、遠位先端部における最小値と先細りの遠位縁部の近位端部における最大値との間であってもよい。遠位先端部において延長ゼロであってもよく、すなわち、保護カバーがその地点で平面本体と連続(すなわち、同一平面)していてもよい。延長ゾーンは装置により放出されたエネルギーフィールドに有益な影響を与えるが、保護カバーの機能に悪影響を及ぼすことがないサイズであってもよい。
【0016】
延長ゾーンの大きさは、遠位先端部の幾何学構造に関連してもよく、例えば、比例してもよい。平面本体は、特定の処置での使用に適切なあらゆる寸法を有してもよい。例えば、内視鏡的処置のため、器具は2.3mm以下、好ましくは1.2mm以下の全体の外径を有してもよい。従って、平面本体の幅は、2mm以下であってもよい。しかし、他の処置はより制限が少なくてもよく、平面本体の幅は最大9mmであってもよい。延長ゾーンの幅、すなわち、先細りの遠位縁部が保護カバーを越えて保護カバーの縁部の垂直方向に延びる距離は、0.2w以下、好ましくは0.1w以下であってもよく、wは平面本体の最大幅(すなわち、ルーメンまたは使用中にルーメンを通して挿入されるカテーテルの直径方向の平面本体の最大寸法)である。従って、2mmの幅を有する平面本体に対し、延長ゾーンは0.2mmの最大幅を有してもよい。
【0017】
使用中、第1および第2の導電性構成要素を、RFエネルギーの局所的なリターンパス、すなわち、第1および第2の導電性構成要素間で移送されるRFエネルギーの低インピーダンスルートを提供するよう構成してもよい。第1および第2の導電性構成要素は、第1の誘電体材料の反対面に形成された金属化層であってもよい。第1および第2の導電性構成要素を、器具先端部が生体組織と接触する接触領域で局所的な電界を設定するよう構成してもよい。局所的な電界は非常に高い場合があり、マイクロプラズマ(すなわち、高温の熱プラズマ)が平面本体の遠位側面部分、例えば、生体組織と接触する箇所で形成されるのを引き起こしうる。マイクロプラズマは、効率的な切断を達成する観点から望ましいことがある。
【0018】
一方で、マイクロ波信号については、器具先端部は、2つの導電性プレートを分離する誘電体材料を示す平面本体と平行なプレート伝送線路として具現化してもよい。この場合では、マイクロ波周波数EMエネルギーの放射パターンは、平面本体全体の形状およびマイクロ波送達構造に依存する。この特定の例では、同軸送達線(中央導線)および上部の導電層との間の間隙は、ソースからのマイクロ波エネルギーが、インピーダンスと組織により示される負荷インピーダンスがマッチすることを確実にするのに、重要な役割を果たす。プレーナ伝送線路配置の全体長さもまた、同軸の伝送線路の(または同軸の伝送線路からの)インピーダンス(またはエネルギー送達)と生体組織(または生体組織に)マッチングさせることに関して重要であり、すなわち、構造は、4分の1波長インピーダンス変圧器または半波長共振器を形成してもよい。既知のシミュレーションツールを用いて、これは、どの縁部からマイクロ波周波数EMエネルギーを放射されるかを制御するように具現化してもよい。例えば、器具先端部は、平面本体の遠位縁部からマイクロ波EM放射の放射を阻止するよう構成してもよい。
【0019】
先細りの遠位縁部は、例えば、特定の使用構成において装置を計算モデリングすることにより得られる、あらゆる適切な特性を有してもよい。先細りの遠位縁部は湾曲してもよく、または直線であってもよく、または2つの組み合わせであってもよい。例えば、先細りの遠位縁部は、湾曲した遠位先端部、例えば、1つの半径で湾曲した遠位先端部で終了した直線の先細り部を備えてもよい。先細りの遠位縁部は、遠位第3の平面本体の周辺で延びてもよい。一実施形態では、湾曲した遠位縁部は複数の連続した半径区域から形成される湾曲を有してもよく、半径区域のそれぞれはその近位の隣接のもの未満の曲率半径を有する。3つ以上の異なる半径区域があってもよい。湾曲した遠位縁部に準放物線形状の形状を与えるよう、複数の連続した半径区域を構成してもよい。
【0020】
前述のように、平面本体の幅を、器具の使用目的により決定してもよい。内視鏡的処置において幅は2mm以下であってもよく、一方で他の制限が少ない処置については、幅は最大9mmであってもよく、例えば、8mm以下、7mm以下、6mm以下、5mm以下、4mm以下または3mm以下のいずれかであってもよい。
【0021】
RFおよび/またはマイクロ波周波数エネルギーを最も効率的に供給するため、平面本体の長さ(先細り遠位端部を含む)はその幅に関連してもよく、例えば、その幅に比例してもよい。従って、平面本体の長さは約5w、例えば、5wと6wとの間の長さを有し、好ましくは5.3wであり、wは平面本体の最大幅である。
【0022】
一実施形態では、平面本体は2mmの最大幅および10.6mmの最大の長さを有する。この実施形態では、先細りの遠位端部は、1.6mmの長さおよび12.4mmの曲率半径を有する第1の半径区域、1.0mmの長さおよび10.2mmの曲率半径を有する第2の半径区域、0.7mmの長さおよび3.2mmの曲率半径を有する第3の半径区域、0.2mmの長さおよび0.85mmの曲率半径を有する第4の半径区域、および0.1mmの長さおよび0.35mmの曲率半径を有する第5の半径区域からなる複数の連続した半径区域を備えてもよい。
【0023】
第1の導電性構成要素および第2の導電性構成要素のそれぞれが、第1の誘電体材料の反対側の面に形成された金属化層を有してもよい。金属化層は、平面本体の近位領域の第1の誘電体材料の側縁部から(例えば、0.2mm)後退し、この領域のフィールド強度を減少してもよい。近位領域は、湾曲した遠位端部の近位の平面本体の領域を備えてもよい。これは、遠位端部におけるエネルギー送達の集中に役立ちうる。内側導線および外側導線は同軸で第1および第2の導電性構成要素と接触してもよく、すなわち、第1および第2の導電性構成要素は同軸送達ケーブルから平面本体に沿って走る軸の周辺で対称の形状であってもよい。
【0024】
保護カバーの下面は、その外周において平面本体の下側と交わるよう滑らかに先細りになってもよい。保護カバーの厚さも、器具先端部の遠位端部に向けて減少してもよい。従って、保護カバーの外側部分は凸状の外形を有してもよい。下面は、内部に形成された長手方向に延びる凹状チャネルを有してもよい。先細りの縁部外形および凹状チャネルは、保護カバーの下面が一対の隆起を有するようにしてもよい。カバーの先細りの共形の流れの形態は、器具が側副組織内へ刺さり、器具が滑る可能性を高めるリスクを低下しうる。例えば、この形状は、器具が腸壁内に刺さり腸穿孔を引き起こすリスクを低下させうるか、または門脈または膵管を損傷から保護しうる。カバーの特定の寸法(例えば、長さ、幅、厚さなど)は、使用目的および手術される身体の対象領域に適するように適応してもよい。
【0025】
保護カバーは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、セラミック(例えば、アルミナ、ジルコニアまたはジルコニア強化アルミナ(ZTA))、または腸(または他の生体組織)の壁に刺さらない生体適合性プラスチックなどのような生体適合性非導電性材料から形成してもよい。代替的には、カバーは、例えば、チタン、鋼鉄といった金属材料から形成してもよく、または複数層の構造であってもよい。第1または第2の導電性構成要素のどちらが第1の誘電体材料の下側にあるとしても、カバーをどちらかに取り付け(例えば、付着)してもよい。しかし、一実施形態では、保護カバーを第1の誘電体材料として同一の材料で形成してもよい。保護カバーおよび第1の誘電体材料は、一体型の本体として1つの部品に形成してもよい。この構成では、一体型の本体内に1つまたは複数の平面スロットを形成(例えば、カット)し、導電性材料を挿入して第1および/または第2の導電性材料を形成してもよい。導電性材料を、スロットの1つまたは複数の内表面のコーティングにより挿入してもよい。代替的には、または加えて、第1の導電性構成要素または第2の導電性構成要素の一部を形成するよう、保護カバーを部分的に金属化してもよい。
【0026】
器具は、流体(例えば、生理食塩水)を器具先端部へ供給する流体送達導管を有してもよい。流体送達導管は、治療部位へ流体を供給する保護カバーを通る通路を備えてもよい。通路は、保護カバーの凹状チャネル内に設けられた放出口を有してもよい。同軸送達ケーブルは、RFおよび/またはマイクロ波周波数エネルギーおよび流体(液体またはガス)を器具へ供給する、マルチルーメン導管アセンブリの部分を形成してもよい。流体(保護カバー)は、マルチルーメン導管アセンブリ内に形成された対応する通路を通して伝送してもよい。流体送達導管はまた、他の物質、例えば、ガスまたは固体(例えば、紛体)を治療部位に供給するために使用してもよい。一実施形態では、治療部位において生体組織を膨らませるのに流体(生理食塩水など)の注入が使用される。これは、器具が腸壁または食道壁を治療するか、または腫瘍または他の異常が近傍に位置するときに、これらを保護して、流体のクッションを形成するために門脈または膵管の構造を保護するために使用される場合に、特に有益でありうる。この方法で組織を膨らませることは、腸穿孔、食道壁の損傷もしくは膵管からの漏出、または門脈への損傷などのリスクの低下に役立つかもしれない。本発明のこの態様は、異常(腫瘍、肥大、腫れなど)が繊細な生体構造に近接する場合に他の症状を治療可能にしうる。
【0027】
流体を供給するのにRFおよび/またはマイクロ波エネルギーを供給するのと同一の器具を使用可能であることは有益であり、これは個別の器具が領域内へまたは治療中に導入されると、(例えば、流体漏出または通気空気の損失により)収縮が起こりうるからである。同一の治療構造を用いて流体を導入する能力は、収縮が起こるとすぐにレベルを最上位に上げることを可能にする。さらに、流体の導入と同様に脱水または切開を実行するために単一の器具を使用することにより、処置全体を実行するのにかかる時間を削減し、患者への危害を引き起こすリスクを低下し、また感染症のリスクを低下する。より一般的には、治療時の可視性をよくするため、治療領域の洗浄、例えば、老廃物または取り除かれる組織を除去するのに流体の注入を使用してもよい。前述のように、これは内視鏡的処置で特に有益でありうる。
【0028】
保護カバーの下面は、保護カバーの中に形成された長手方向に延びる凹状チャネルを有してもよく、流体送達メカニズムは、凹状チャネル内に据え付けられ、凹状チャネルから近位に延びる絶縁針誘導チューブ、および針誘導チューブ内に摺動可能に据え付けられた格納可能な針(例えば、皮下注射針)を有してもよい。針は0.6mm未満、例えば、0.4mmの外径を有してもよい。針は、針が器具先端部の遠位端部を越えて突出する配備位置と、針が器具先端部の遠位端部から例えば平面本体の下方に後退されるか、平面本体の近位に位置する後退位置との間を長手方向に移動可能であってもよい。
【0029】
代替的には、流体送達導管は、保護カバー内、例えば、保護カバーの下面に一体的に形成されたチューブ状(例えば、円錐)の突起を備えてもよい。突起の先端部は流体通路の放出口を有し、従って、組織内へ流体を注入する固定された針のような先端部として動作してもよい。円錐の先端部は、平面本体の遠位先端部をわずかに越えて突き出してもよい。
【0030】
本発明の第2の態様によると、電気外科発生器から高周波(RF)電磁(EM)エネルギーおよび/またはマイクロ波周波数EMエネルギーを受信する第1の吸込口と、流体を受け入れる第2の吸込口と、放出口とを備える電気絶縁材料で製造された筐体と、第2の吸込口と流体連通する流体流路を区画し、第1の吸込口に接続された同軸ケーブルを伝送する可撓性スリーブを備える、放出口を電気外科器具に接続するシングルケーブルアセンブリとを備える、電気外科発生器と電気外科器具(本発明の第1の態様による器具であってもよい)を相互接続するインタフェース接合部が提供される。
【0031】
電子外科発生器は、生体組織の治療のためRF EMエネルギーまたはマイクロ波周波数EMエネルギーを供給可能なあらゆる装置であってもよい。例えば、国際公開第2012/076844号に記載された発生器を使用してもよい。
【0032】
電子外科器具は、使用中に生体組織の治療のためRF EMエネルギーまたはマイクロ波周波数EMエネルギーを使用するよう構成されたあらゆる装置であってもよい。電子外科器具は、切除、凝固および剥離のいずれかまたは全てにRF EMエネルギーまたはマイクロ波周波数EMエネルギーを使用してもよい。例えば、器具は本明細書中に開示される切除装置であってもよいが、代替的に一対のマイクロ波鉗子、マイクロ波エネルギーを放射および/またはRFエネルギーを結合するスネア、およびアルゴンビーム凝固器のうちのいずれかであってもよい。
【0033】
筐体は操作者のための2重の絶縁障壁を提供してもよく、すなわち、筐体は分岐通路(第2の絶縁レベル)を封入する外覆(第1の絶縁レベル)を備え、その中で種々の入力がシングルケーブルアセンブリへ一体化される。分岐通路は、第2の吸込口と放出口との間の流体流路を区画し、同軸ケーブルを収容する第1の吸込口に隣接した第1のポートを有する水密体積を提供してもよい。
【0034】
使用中、インタフェース接合部は、器具において治療のための流体が導入される位置にあってもよい。インタフェース接合部の操作者は、シリンジまたは第2の吸込口に取り付けられた他の流体導入メカニズムにより、流体の導入を制御してもよい。インタフェース接合部は、電気外科器具における流体送達を指示または制御するよう作用する流体送達配備メカニズムをさらに有してもよい。例えば、インタフェース接合部は、筐体上に摺動可能なトリガを有してもよく、摺動可能なトリガは放出口を通って筐体外に延びるプッシュロッドに取り付けられる。プッシュロッドは可撓性シャフトを通って電気外科器具へ延びてもよく、そこでそれは流体送達構造を制御可能である。例えば、電子外科器具は、プッシュロッドを前後に摺動することにより、可撓性シャフト内の流体流路との流体連通の有無を切り替え可能な格納可能な針を有してもよい。
【0035】
この構成で、分岐通路はプッシュロッドを収容する摺動可能なトリガに隣接した第2のポートを有してもよい。
【0036】
第1のポートおよび第2のポートの両方は、同軸ケーブルおよびプッシュロッドのそれぞれに対し水密の通路を区画する密閉栓を備えてもよい。密閉栓は例えば、シリコンゴムといった弾性的に変形可能な材料から形成してもよく、それによって同軸ケーブルおよびプッシュロッドが密閉栓を通るとき、材料内に封入される。この方法での第1および第2のポートの密閉は、流体がインタフェース接合部を出る唯一の経路は、可撓性スリーブ内の流体流路に沿って放出口を通ることであることを意味する。
【0037】
分岐通路は、任意の適切な構成を有してもよい。一実施形態では、分岐通路は一対のY字形の導管から形成され、それぞれは上部に接続されて、放出口に沿う第1の長さ、第1の長さの側部から第1の長さに対し斜めの角度で延びる第2の長さ、および第2の長さの側部から延びる第3の長さを区画する。第1の長さは第1の長さを通って延びるプッシュロッドを有してもよく、密閉栓内の近位端部で終了してもよい。第2の長さは第2の長さを通って走る同軸ケーブルを有してもよく、密閉栓内のその近位端部で終了してもよい。第3の長さは、流体を受け入れる第2のポートで終了してもよい。この構成で、筐体はピストル状の形状を有してもよい。しかし、別の実施形態では、分岐通路はよりコンパクトな構成を有してもよく、そこでは異なる長さの通路が互いに実質的に平行に走る。この構成で、筐体は操作者の手に適合するサイズの細長いカプセルであってもよい。
【0038】
インタフェース接合部は、内視鏡の器具チャネルを通して挿入される前に、複数の入力をシングルケーブルアセンブリ(すなわち、前述のマルチルーメンケーブルアセンブリ)に集めるのに特に適切であってもよい。これを達成するため、可撓性ビデオ結腸内視鏡のケーブルアセンブリは、例えば、
1.2mm〜2.8mm
の範囲等、1.2mm〜9mm
の範囲の外径を有してもよい。
【0039】
内視鏡の器具チャネルの遠位端部において器具の操作を容易にするため、可撓性スリーブはトルク伝達、すなわち、ケーブルアセンブリの近位端部のねじり運動をケーブルアセンブリの遠位端部に伝達するのを補助する長手方向の編組を内部に設けてもよく、器具はケーブルアセンブリに取り付けられているので、そこでそれが器具の双方向の回転を引き起こすことがある。可撓性スリーブは内側チューブおよび外側チューブを備えてもよく、それらはその間の金属化編組のチューブで付着され、またはそうでなければ取り付けられる。編組のピッチは、ケーブルアセンブリの長さに沿って変化してもよい。例えば、可撓性が重要であるケーブルの遠位部分の領域ではピッチがより広いことが有益でありうる。金属化編組が器具におけるRFフィールドまたはマイクロ波フィールドに干渉するのを避けるため、可撓性スリーブの遠位部分を編組なしで提供してもよい。遠位部分を個別に製造し、編組部分に取り付け(例えば、付着または溶接)してもよい。
【0040】
筐体はさらに、放出口に据え付けられ、可撓性スリーブを囲む張力緩和構成要素を備えてもよい。張力緩和構成要素の機能は、内部構成要素を損傷しかねない過屈曲を防ぐため、この位置でのスリーブの移動を限定することである。
【0041】
可撓性スリーブは、マルチルーメンチューブを備えてもよい。ルーメンは、シングルルーメンチューブの内部に押出セパレータ構成要素を挿入することにより形成してもよい。押出セパレータ構成要素は複数(例えば、2、3またはそれ以上)の通過チャネルを含んでもよい。通過チャネルのうちの1つが、プッシュロッド(存在する場合)を保有してもよい。他のチャネルは空であってもよく、他のチャネルが同軸ケーブルを誘導する器具とインタフェース接合部との間の開かれた流体流路、および流体送達導管および制御ワイヤを保有する1つまたは複数の貫通穴が常に存在することを確実にできる。流体流路は可撓性スリーブにより形成された内部空洞を溢れさせてもよく、同軸ケーブルが流体に浸ってもよい。
【0042】
プッシュロッドの遠位端部は針フェルールの近位端部に接続されてもよく、針フェルールはその遠位端部に固定された針を有する。フェルールは中空で、その内部が可撓性スリーブを通る流体流路と流体連通するのを引き起こす、外壁内の複数の穴を有してもよい。遠位端部に据え付けられた針が流体流路と流体連通するように、フェルールの遠位端部を開いてもよい。フェルールの近位端部を、プッシュロッドにより密閉してもよい。
【0043】
本発明の第3の態様によると、内視鏡の外側に存在する可撓性スリーブの長さに沿って把持力を付与するよう構成された細長いクランプを備え、細長いクランプは、上部の細長い筐体部材と、上部の細長い筐体部材に枢動可能に接続され、可撓性スリーブの通路を形成する下部の細長い筐体部材とを備え、上部の細長い筐体部材および下部の細長い筐体部材が、トルク伝達ユニットが可撓性シャフトを上下に摺動可能である解放位置と、可撓性スリーブが上部の細長い筐体部材および下部の細長い筐体部材との間に担持される締付位置との間で枢動可能である、ユーザの回転力を電気外科器具に接続された可撓性スリーブに伝達することにより内視鏡の遠位端部において電気外科器具を回転するトルク伝達ユニットが提供される。
【0044】
従って、トルク伝達ユニットは可撓性スリーブの長さに沿って、使用に好都合な位置へ自由に摺動するよう設計してもよい。適切な位置にあると、トルク伝達ユニットは上部の細長い筐体部材および下部の細長い筐体部材をともに枢動することによりスリーブを把持可能である。トルク伝達ユニットは、上部の細長い筐体部材および下部の細長い筐体部材をあらゆる地点で所定の位置にロックすることを可能にする解放可能なクリップを有してもよい。クリップは、上部の細長い筐体部材および下部の細長い筐体部材のうちの1つの上の弾性を有するラッチ構成要素であってもよく、それが他方の対応するものを掴む。
【0045】
上部の細長い筐体部材および下部の細長い筐体部材は、それぞれU字形の締付部材を支えてもよく、U字形の締付部材は、上部の細長い筐体部材および下部の細長い筐体部材が締付位置にあるとき、互いに向かい合い、実質的に均一な把持圧力を可撓性スリーブに付与するよう構成される。好適な実施形態では、中間の変形可能な把持チューブが可撓性スリーブとU字形の締付部材との間の可撓性スリーブ周辺の位置にある。中間把持チューブはシリコンまたはあらゆる他の適切な適合材料で製造してもよい。使用中、中間の変形可能な把持チューブは、可撓性スリーブを圧縮して把持し、トルク伝達ユニットの位置を固定する。中間把持チューブは可撓性スリーブ上の負荷を分散するよう働き、それがスリーブの壁への局所的損傷を防ぐことができる。
【0046】
使用中、電子外科器具の遠位先端部が、内視鏡のビデオモニタ上の視野内の可撓性内視鏡の遠位端部に対して正しく位置決められているとき、内視鏡医は、内視鏡作業チャネルからの可撓性シャフトの出口地点で内視鏡のX−Y制御に密接したところにトルク伝達ユニットを固定およびロックするものとする。この位置に固定されるとき、トルク伝達ユニットは指と親指の回転、および器具の遠位先端部の長手方向の位置制御を提供する。トルク伝達ユニットの変更可能な位置決めおよび固定により、器具は異なる長さの内視鏡(例えば、60〜170cmの間の長さの任意の位置にある作業チャネルを伴う可撓性内視鏡)に使用可能になる。
【0047】
本明細書で、高周波(RF)は10kHz〜300MHzの範囲の安定した固定周波数を意味することがあり、マイクロ波周波数は300MHz〜100GHzの範囲の安定した固定周波数を意味することがある。RFエネルギーは、エネルギーが神経刺激を引き起こすのを防ぐのに十分高く、エネルギーが組織の白色化または不必要な熱マージンまたは組織構造への損傷を引き起こすのを防ぐのに十分低い周波数を有するべきである。RFエネルギーについての好ましいスポット周波数は、100kHz、250kHz、400kHz、500kHz、1MHz、5MHzのうちいずれか1つまたは複数を含む。マイクロ波エネルギーについての好ましいスポット周波数は、915MHz、2.45GHz、5.8GHz、14.5GHz、24GHzを含む。
【0048】
本発明を実施する例を、以下の添付の図を参照して詳細に後述する。