【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題は、請求項1に記載のエアバッグ装置、及び請求項7に記載のエアバッグクッションによって解決される。本発明の更なる有利な形態は、従属請求項の主題である。
【0018】
本発明に係る車両用エアバッグ装置は、シートフレームに配置及び固定することができ、側面衝突又は車両の横転の際に、乗員の頭部及び胸部を保護するように構成されている。エアバッグ装置は、ガス発生器と、エアバッグクッションと、固定機構と、引張部材とを備える。固定機構は、エアバッグ装置をシートフレームに固定するために、ガス発生器及びエアバッグクッションを互いに接続する。引張部材は、第1の端部をエアバッグクッションの所定の部分に取り付けるとともに、第2の端部を固定機構に取り付けることができる。本発明によると、有利には、引張部材の第1の端部は、エアバッグクッションの下縁部に取り付けられる。
【0019】
この本発明に係る有利な形態により、エアバッグクッションに対する更なる固定点が提供され、これにより、エアバッグクッションの安定性及び位置決めの正確性が大幅に高まる。特に、これにより、エアバッグクッションの頭部領域が、シートのヘッドレストの隣の意図された展開領域に確実に位置決めされることが達成され、したがって、本発明に係るエアバッグ装置の機能性が保証される。これにより、前席に座っている搭乗者同士が頭部を打ち付けることを確実に回避することができるため、側面衝突又は車両の横転の際にも、乗員が確実に保護されるようになる。
【0020】
ここでは、引張部材をエアバッグクッションの下縁部に取り付けることによって、エアバッグクッションの膨張時に、下向きの力が発生し、これにより、エアバッグクッションは下方に引っ張られ、したがって、エアバッグクッションの後方への捻れが阻止されることが、特に有利であるとみなされる。これにより、シートのヘッドレストの隣の意図された展開領域における、エアバッグクッションの頭部領域の正確かつ確実に機能する位置決めが保証される。
【0021】
下向きの力の即時の介入又は発生を達成するために、また、それにより、エアバッグクッションの後方への捻れのいかなる発生も回避するために、引張部材は、有利には、本発明によると、短く構成される。これにより、エアバッグの下端部は、エアバッグの膨張時にもガス発生器の近くに留まる。
【0022】
好ましい一実施形態によれば、固定機構は、固定ボルトを含み、この固定ボルトを用いて、エアバッグ装置をシートフレームに配置及び固定することができる。したがって、本発明によると、有利には、エアバッグ装置は、このためにシートフレームに設けられた凹部に、確実に機能するように導入及び固定し、これにより、迅速で、ひいてはコスト効果的な取付けに寄与することが簡単に可能である。
【0023】
また、更なる好ましい一実施形態によれば、固定ボルトは、ガス発生器に直接配置することができる。これにより、エアバッグ装置の構成、ひいては製造が、更に簡略化され、コスト効果的になる。
【0024】
固定ボルトは、固定スリーブに配置することもでき、この場合、ガス発生器は、エアバッグ装置を形成するために、固定スリーブの内部に配置される。当業者には、固定ボルトを用いてエアバッグ装置をシートフレームに固定する更なる可能性が既知であり、これらは、本開示及び本発明の範囲に包含される。
【0025】
エアバッグ装置をシートフレームに固定する、当業者に既知の更なる可能性として、接着又は張力バンドがある。
【0026】
更なる好ましい一実施形態によれば、引張部材は、ストラップとして形成され、第2の端部に第1の固定凹部を有し、第1の固定凹部は、固定ボルトに取り付けられるように形成されている。
【0027】
ストラップとしての引張部材の本発明に係る有利な形態により、引張部材は、エアバッグクッションとともに簡単に折り畳むことができるため、エアバッグ装置の体積全体が更に低減される。一方、これにより、シートの側面領域においてエアバッグクッションに必要な設置空間も低減され、そのため、クッション材、ひいてはシートの快適性を向上することができる。
【0028】
更なる有利な一実施形態によれば、第1の固定凹部は固定穴として形成され、固定穴の直径は、固定ボルトの直径と一致するため、ストラップを固定ボルトに取り付けて固定するために、固定ボルトに押し込むことができる。これにより、ストラップを固定ボルトに迅速かつ簡単に取り付けることが可能になり、これにより、エアバッグ装置の取付けが全体として容易になる。
【0029】
本発明の更なる有利な一実施形態は、ガス発生器がエアバッグクッション内に配置され、エアバッグクッションは、第2の固定凹部を有し、第2の固定凹部は、固定ボルトに取り付けられるように形成されることを意図している。
【0030】
これにより、エアバッグ装置の取付けが、本質的に、特に、更なる有利な一実施形態により、固定ボルトがガス発生器に直接配置される場合に、容易になるとともに簡略化される。この場合、エアバッグクッションは、有利には、ガス発生器が導入される一体的なバッグを備え、ガス発生器が作動すると、このバッグから外へとエアバッグクッションが膨張する。この一体的なバッグは、第2の固定凹部を有し、第2の固定凹部は、本発明によると、有利には、それぞれ固定穴として形成され、固定穴の直径は、固定ボルトの直径と一致するため、好ましくは固定ボルトに密接して押し込むことができる。
【0031】
ここでは、エアバッグ装置は、僅かな部材しか備えず、それらの部材を互いに簡単に接続することができ、また、エアバッグ装置をシートフレームに迅速かつ簡単に取り付けるとともに、シートフレームに堅く接続することができることが、特に有利であるとみなされる。これにより、エアバッグ装置の組立て及び設置が簡略化されるとともに容易になり、さらに、コストも低減される。
【0032】
更なる好ましい一実施形態によれば、エアバッグ装置は、シートフレームの隣接するシートの方を向く側に配置される。これにより、車両の中央に配置され、側面衝突又は車両の横転の際に、FCAの作用領域において、シートの乗員を効果的に保護する、FCAを備える簡単かつ確実に機能するエアバッグ装置が提供される。
【0033】
更なる好ましい一実施形態によれば、エアバッグクッションの大部分は、エアバッグの作動後、エアバッグ装置の上方に配置される。したがって、有利には、側面衝突又は車両の横転の際に、乗員の頭部及び胸部の双方を確実に保護する、車両用エアバッグ装置が提供される。
【0034】
本発明に係る車両用エアバッグ装置のエアバッグクッションは、シートフレームに配置及び固定することができ、側面衝突又は車両の横転の際に、乗員の頭部及び胸部を保護するように構成されている。エアバッグ装置は、エアバッグクッションの他に、ガス発生器と、固定機構と、引張部材とを備え、固定機構は、エアバッグ装置をシートフレームに固定するために、ガス発生器及びエアバッグクッションを互いに接続する。引張部材は、第1の端部をエアバッグクッションの所定の部分に取り付けるとともに、第2の端部を固定機構に取り付けることができる。本発明によると、有利には、引張部材の第1の端部は、エアバッグクッションの下縁部に取り付けられる。
【0035】
この本発明に係る有利な形態により、エアバッグクッションに対する更なる固定点が提供され、これにより、エアバッグクッションの安定性及び位置決めの正確性が大幅に向上する。特に、これにより、エアバッグクッションの頭部領域が、シートのヘッドレストの隣の意図された展開領域に確実に位置決めされることが達成され、したがって、本発明に係るエアバッグ装置の機能性が保証される。これにより、前席に座っている搭乗者同士が頭部を打ち付けることを確実に回避することができるため、側面衝突又は車両の横転の際にも、乗員が確実に保護されるようになる。
【0036】
ここでは、引張部材をエアバッグクッションの下縁部に取り付けることにより、エアバッグクッションの膨張時に、下向きの力が発生し、これにより、エアバッグクッションが下方に引っ張られ、したがって、エアバッグクッションの後方への捻れが阻止されることが、特に有利であるとみなされる。これにより、シートのヘッドレストの隣の意図された展開領域における、エアバッグクッションの頭部領域の正確かつ確実に機能する位置決めが保証される。
【0037】
下向きの力の即時の介入又は発生を達成するために、また、それにより、エアバッグクッションの後方への捻れのいかなる発生も回避するために、引張部材は、有利には、本発明によると、短く構成される。これにより、エアバッグの下端部は、エアバッグの膨張時にもガス発生器の近くに留まる。
【0038】
更なる好ましい一実施形態によれば、引張部材は、ストラップとして形成され、第2の端部に第1の固定凹部を有し、第1の固定凹部は、固定機構に取り付けられるように形成されている。
【0039】
ストラップとしての引張部材の本発明に係る有利な形態により、引張部材は、エアバッグクッションとともに簡単に折り畳むことができ、それにより、エアバッグ装置の体積全体が更に低減される。一方、これにより、シートの側面領域においてエアバッグクッションに必要な設置空間も低減され、それにより、クッション材、ひいてはシートの快適性を向上することができる。
【0040】
本発明の更なる有利な一実施形態は、ガス発生器がエアバッグクッションの内部に配置され、エアバッグクッションは、第2の固定凹部を有し、第2の固定凹部は、固定機構に取り付けられるように形成されることを意図している。
【0041】
これにより、エアバッグ装置におけるエアバッグクッションの取付けが、本質的に、特に、更なる有利な一実施形態により、固定機構が、ガス発生器に直接配置された固定ボルトを含む場合に、容易になるとともに簡略化される。この場合、エアバッグクッションは、有利には、ガス発生器が導入される一体的なバッグを備え、ガス発生器が作動すると、このバッグから外へとエアバッグクッションが膨張する。この一体的なバッグは、第2の固定凹部を有し、第2の固定凹部は、本発明によると、有利には、それぞれ固定穴として形成され、固定穴の直径は、固定ボルトの直径に一致するため、好ましくは固定ボルトに密接して押し込むことができる。
【0042】
固定機構は、更なる有利な一実施形態によれば、固定スリーブも備えることができ、その場合、固定ボルトは、固定スリーブに配置することができ、エアバッグクッションは、エアバッグ装置を形成するために、その一体的なバッグ内に配置されたガス発生器とともに、固定スリーブの内部に配置される。当業者には、固定ボルトを用いてエアバッグクッションをシートフレームに固定する更なる可能性が既知であり、これらは、本開示及び本発明の範囲に包含される。
【0043】
本発明の更なる好ましい一実施形態によれば、ストラップの第2の端部における第1の固定凹部と、ストラップの第1の端部における取付け点との間の距離は、エアバッグクッションにおける第2の固定凹部と、ストラップの第1の端部における取付け点との間の距離よりも小さい。
【0044】
この本発明に係る有利な形態により、エアバッグクッションに対する更なる固定点が提供され、これにより、エアバッグクッションの安定性及び位置決めの正確性が大幅に向上する。特に、これにより、エアバッグクッションの頭部領域が、シートのヘッドレストの隣の意図された展開領域に確実に位置決めされることが達成され、したがって、本発明に係るエアバッグ装置の機能性が保証される。
【0045】
ここでは、エアバッグクッションのこの本発明に係る有利な形態により、エアバッグクッションの膨張時に下向きの力が発生し、これにより、エアバッグクッションは下方に引っ張られ、したがって、エアバッグクッションの後方への捻れが阻止されることが、特に有利であるとみなされる。これにより、シートのヘッドレストの隣の意図された展開領域における、エアバッグクッションの頭部領域の正確かつ確実に機能する位置決めが保証される。
【0046】
エアバッグクッションのこの本発明に係る有利な形態の更なる利点は、これにより、下向きの力の即時の介入又は発生が達成されることである。これにより、エアバッグクッションの後方への捻れのいかなる発生も回避される。さらに、引張部材は、有利には、本発明によると、エアバッグの下端部が、エアバッグの膨張時にもガス発生器の近くに留まるように短く構成される。
【0047】
ストラップは、更なる好ましい一実施形態によれば、エアバッグクッションと一体に形成することができる。これにより、エアバッグの製造時に必要とされる作業ステップが少なくなり、したがって、エアバッグの製造がより簡単、迅速かつコスト効果的になる。
【0048】
一方、別の好ましい実施形態によれば、ストラップは別個の部材であり、取付け点によって、エアバッグクッションの下縁部における第1の端部に取り付けられることを意図することもできる。ここで、有利には、ストラップは、取付け点によって、エアバッグクッションの下縁部に縫い付けられる。
【0049】
本発明の更なる利点及び特徴は、図面と併せて、以下の記載から明らかとなる。