(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記デコーダ回路が、前記第1の対の信号の双方が既定の範囲内にあるかどうかに基づいて、前記第2の対の前記ノードを選択するように構成される、請求項1に記載のシステム。
前記磁気抵抗トラックが、螺旋形状に敷設され、前記デコーダ回路が、前記螺旋の中心を通って延在するラインの反対側のノードに結合される、請求項1に記載のシステム。
逐次近似を使用してマルチターン磁気センサの状態を復号化するためのデコーダ回路であって、前記マルチターン磁気センサのノードに結合し、逐次近似読み出し技術を使用して選択される前記ノードのうちの少なくともいくつかから複数対の信号を測定し、かつ前記測定された複数対の信号の少なくとも一部に基づいて、ターンカウントを判定するように構成される、回路を備える、デコーダ回路。
前記第1の対の信号が、前記マルチターン磁気センサのハーフブリッジ回路からの電圧であり、前記ターンカウントが、ハーフターンカウントである、請求項15に記載の方法。
前記マルチターン磁気センサが、螺旋形状に敷設された磁気抵抗トラックを含み、前記一対の場所が、前記螺旋の中心を通って延在するラインの反対側にある、請求項15に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次の特定実施形態についての詳細な説明は、特定実施形態についての多様な説明を提示している。しかしながら、本明細書において説明される本イノベーションは、例えば、特許請求の範囲によって定義され、包含される多数の様々な方法において具体化され得る。本明細書では、図面が参照され、図面では、類似の参照番号は、同一または機能的に同様の素子を指すことがある。図に示す素子は必ずしも縮尺一定に描かれていないことが理解されるであろう。その上、特定の実施形態は、図面に示すよりも多くの素子および/または図面に示す素子の下位集合を含み得ることが理解されるであろう。さらに、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の好適な組み合わせを組み込み得る。ここに記載された見出しは、便宜上のためだけのものであり、請求項の範囲または意味に必ずしも影響するものではない。
【0014】
本開示の態様は、マルチターン磁気センサのターンカウントを効率的に復号化することに関する。ターンカウントはハーフターンカウント(HTC)によって表現され得る。逐次近似技術を使用して、マルチターン磁気センサのターンカウントを復号化できる。かかる逐次近似技術は、ターンカウントを復号化するために読み取るマルチターンセンサにおけるポイントを効率的に判定することができる。マルチターン磁気センサからの出力は、復号化され、ターンカウント情報を判定できるようになる。これはハーフターン分解能で実施され得る。かかる出力は、マルチターン磁気センサから出力するブリッジ電圧となり得る。その出力した電圧は、低、中、および高と3つの状態を表現する。各ハーフブリッジが存在する状態は、磁気角によって判定され得る。これらの状態の閾値はマルチターン磁気センサの巨大磁気抵抗(GMR)効果によって判定され得る。
【0015】
センサ初期化の種類に基づいて、ターンカウント情報は、マルチターン磁気センサの螺旋から連続するハーフブリッジをペアリングし、2つのハーフブリッジが低位である状態から、その2つのいずれかが低位にならない状態までの変移を判定することにより、計算され得る。逐次近似ルーチンにより、有用なハーフブリッジを判定し、ターンカウント情報を計算することができる。これにより、比較的低い電力消費で、比較的高速なターンカウントの復号化をもたらすことができる。
【0016】
網羅的な連続読み出し技術を使用していくつかのマルチターン磁気センサのターンカウントを復号化するために、マルチターン磁気センサからの全てのハーフブリッジ電圧が測定され、磁気シーケンスの順序、すなわち、磁気螺旋のマルチターン磁気センサのハーフブリッジの位置で、再順序付けされる。これは、双方のブリッジが低位からいずれかが低位にならないという変移を判定するために、各ハーフブリッジ状態と連続したハーフブリッジ状態とを比較する双方向ルーティングを伴い得る。かかる方法はN変換および比較を伴い、Nは、マルチターン磁気センサのハーフブリッジの数である。実施例として、40ターン磁気センサでは、連続読み出し技術は、本明細書で論じられる逐次近似の復号化技術と比較すると、5倍超の遅さで、またより多くの電力を消費する。
【0017】
磁気センサの概要
磁気センサは移動シャフトの角度位置および/または回転速度を監視するために使用され得る。そのような磁気感知は、多様な異なる用途、例えば、自動車用途、医療用途、および産業制御用途等に適用され得る。磁気センサを作製するためのいくつかの技術が存在する。例えば、ホール効果センサがある。ホール効果センサは、印加される磁場強度に基づいて直流出力電圧を生成する。回転磁場は、次いで、コンピュータによって処理され、角度を計算するホール効果センサ内に、正弦波波形を作り出す。巨大磁気抵抗(GMR)センサもある。GMRセンサのGMR抵抗器は、磁気抵抗トラックとして敷設された強磁性および非磁性材料の層を使用して形成される。GMR抵抗器は、回転磁場の変化を検知するためにホイートストンブリッジで使用することができる。
【0018】
磁気センサは、4分の1のターンごとに変化し得る状態で、ハーフターンの増分でターン数を検知し記録するか、または回転磁場の角度を検知するために、チップ上に集積化される。増分するターン数を検知および記録するための磁気センサは、マルチターンセンサまたはマルチターンカウントと同義に参照され得る。マルチターンセンサは全ターン、ハーフターン、4分の1ターン等といったように様々な分解能でカウントすることができ、当該ターン分解能とは異なり得る、様々な増分で、特性を変化させることができる。360度の範囲で回転角度を検知する磁気センサは、角度センサまたは単ターン(360度)角度センサとして称される。
【0019】
マルチターンセンサおよび角度センサの両方を一緒に使用して、360度を超える回転角度位置を判定することができる。マルチターンセンサと角度センサのこの組み合わせは、マルチターン角度センサとしても称される。例えば、自動車用途では、マルチターン角度センサをドライブバイワイヤシステムに使用できる。角度センサは、ハンドル角度を検出することができ、マルチターンセンサはハンドルが何ターンしたかを追跡することができる。これにより、車両制御システムが、ハンドルが45度または405度である場合に、ハンドルが両方の角度で同じ位置にも関わらず、区別することを可能にする。
【0020】
追加の回路を使用して、マルチターンセンサおよび角度センサからの信号を位置情報に処理および/または変換することができる。例えば、アナログデジタル変換器(ADC)を使用して、センサからの電圧を、全体的な回転角度位置および/または角度速度を判定するのに処理され得るデジタルデータに変換することができる。これらの変換の精度は、少し例を挙げれば、センサ配置、温度といった環境要因、磁場強度等の多くの要因に依存し得る。
【0021】
位置情報は、磁場の回転を表現する。磁場は、1つ以上の磁石を含み得る磁性ターゲットによって生成される。そのような磁性ターゲットは、シャフト、ギア、リニアまたはロータリーアクチュエータ、モジュラークラッチアクチュエータ(MCA)、ハンドル等の任意の好適な対象物の一部となり得るか、または結合され得る。位置情報は、角度または回転を表現し、360度超の回転ですら表現することができる。よって、位置情報は、磁性ターゲットを含んでいるか、結合している対象物の、全体的な回転の角度を表現することができる。
【0022】
マルチターンセンサは磁気抵抗感知素子を含んでもよい。例えば、マルチターンセンサはGMRセンサでもよい。角度センサは、任意の好適な角度センサでよく、例えば、ホール効果センサ、異方性磁気抵抗(AMR)センサ、他の磁気抵抗感知素子等といったものが挙げられる。角度センサは0度〜360度の範囲内の角度を示す出力を提供し得る。
【0023】
図1は、実施形態による、マルチターンセンサ100および角度センサ166を含むマルチターン角度センサシステム160の概略ブロック図である。マルチターン角度センサシステム160はまた、処理回路168と、マルチターンセンサ100、角度センサ166、処理回路168が配設される、プリント回路基板(PCB)163とを含み得る。処理回路168は、マルチターンセンサ100からの信号(複数可)S
Mと、角度センサ166からの信号(複数可)S
Aを受信することができ、次いで、これらの受信信号を処理し、回転角度位置Positionを供給する。処理回路168はハーフターンデコーダ169を含み得る。このハーフターンデコーダ169は、マルチターンセンサ100からの信号(複数可)S
Mを受信し、ハーフターンカウントを出力することができる。ハーフターンデコーダ169は、逐次近似復号化および/または、マルチターンセンサのターンカウントの復号化に関する本明細書中で議論される任意の原理および利点を実装できる。マルチターンセンサ100からの信号(複数可)S
Mおよび角度センサ166からの信号(複数可)S
Aは、アナログ信号であり得る。例えば、マルチターンセンサ100からの信号(複数可)S
Mは、GMR抵抗器を含むホイートストンブリッジ等の抵抗器ネットワークから派生する電圧信号となり得る。
【0024】
図2は、対応する回路の図式表現150と共に、マルチターンセンサ100の磁気ストリップレイアウトを表す一実施例を示す。
図2の実施形態において、磁気ストリップは、螺旋形状で物理的に配置される巨大磁気抵抗トラック101としてチップ上にパターニングされている。磁気抵抗トラック101は、コーナー105と、互いに直列で配設される磁気抵抗素子R1〜R14を形成するセグメント103a〜107nと、磁壁生成器107とを有する。磁気抵抗素子は、磁気整列状態に応じて抵抗を変える、可変抵抗器として役割を果たすことができる。図示されたマルチターンセンサ100の磁気抵抗トラック101は、少なくとも3ターンをカウントすることのできるマルチターンカウンタにおいて実装され得る。磁気抵抗トラック101は、磁気抵抗トラック101の材料および断面寸法により、高異方性などの磁気異方性を有し得る。磁気抵抗トラック101は磁気エネルギーを保存することができる。
【0025】
磁壁生成器(DWG)107は磁気抵抗トラック101の一端に結合される。DWG107は低異方性などの磁気異方性を有し得る。DWG107は磁場の影響を受ける。外部磁場が変化するにつれて、DWG107により磁気抵抗トラック101を介して磁壁は注入され得る。磁壁はセグメントを通って伝播し、それによりセグメントの磁区の方向性に変更をもたらすことができる。磁場の各ハーフターン(最大数のハーフターンまで)により、磁気抵抗トラック101のセグメント103a〜103nの抵抗が固有の配列になるように、磁壁は配置される。
【0026】
図2の例では、磁気抵抗トラック101のセグメント103a〜103nは、磁気抵抗トラック101の真っすぐな側面として示される。セグメント103a〜103nは各セグメントの磁区に基づいた可変抵抗を有することができる。セグメントの磁区の方向が変わるのに従って、そのセグメントの抵抗が変わり得る。したがって、セグメント103a〜103nは、本明細書では可変抵抗器R1〜R14とも呼ばれ、磁気抵抗素子として動作することができる。磁気抵抗素子R1〜R14は、磁気的に書き込まれ、電気的に読み取ることができる、不揮発性の磁気メモリとしても機能し得る。磁気抵抗素子R1〜R14は、螺旋形状の磁気抵抗トラック101に敷設される際、互いに直列に結合される。対応する回路図表現150は、それぞれに直列に接続された対応する磁気抵抗素子R1〜R14として示されたセグメント103a〜103nを示す。
【0027】
マルチターンセンサは、ハーフターンカウントに独自に復号化され得る様々な出力を提供することができる。例えば、マルチターンセンサ100は、電圧であってもよい多様なハーフブリッジ出力信号を提供し得る。電圧は、マルチターンセンサの異なるコーナー105などの異なる位置で測定され得る。測定された電圧は、
図1のハーフターンデコーダ169によって格納することができる。次いで、ハーフターンデコーダ169は、どのコーナーがどの電圧を有するかによって(および/またはV=I
*Rによる電圧に対応する一連の電流または抵抗によって)、一連の抵抗を出現させる磁場のハーフターンの数を判定することができる。いくつかの実施形態では、ハーフターンの数は、ルーチンに従って判定され得るか、またはメモリに格納された事前設定されたルックアップテーブルを参照することによって判定され得る。
【0028】
マルチターンセンサの復号化
図1および
図2に関して、マルチターンセンサ100は螺旋形状であってもよく、信号S
Mは、ハーフターンデコーダ169にマルチターンセンサ100のセグメントまたはコーナー全体を読み取る電圧を提供することができる。
【0029】
ハーフターンデコーダは、
図2に示されるようなマルチターンセンサの一端から他端までで、セグメントの終了時(例えば、コーナーまたは反対のコーナーにおいて)に電圧測定結果を順次受信することができる。次いで、各セグメントについての電圧読み取りに基づき、ハーフターンデコーダは、ハーフターンの数を復号化することができる。本開示における実施例はハーフターンに関し得るが、本明細書中に論じられている任意の好適な原理および利点を、全ターン、ハーフターン、4分の1ターン等の特定の用途の任意の好適な分解能で、ターンカウントを復号化するために適用することができる。さらに、本開示における実施例は電圧測定を伴うが、電流測定を使用するターンカウントを復号化することができるある用途のための電流信号といった特定の用途のために、任意の他の好適な信号を、測定してもよい。
【0030】
各電圧読み取りには時間が必要であり電力を消費する。比較的長い一連の電圧が読み取られる場合、マルチターンセンサを復号化するために使用される時間および電力の量は、比較的大きくなり得る。比較的大きなマルチターンセンサの中には、比較的多数のターンをカウントするため、長いトラックを有するものもある。比較的大きなマルチターンセンサについては、大きなマルチターンセンサの一端から他方の端部への電圧の連続読み取りには、多量の電力が消費され、多くの時間を必要とする。並行する読み取り出力には、著しくより多くのチップ面積を使用する代わりに、より速い速度を提供することができる。これは必ずしも電力節約を提供するというものではない。
【0031】
より迅速でエネルギー効率的な方法を使用して、逐次近似読み出し(SAR)技術により、マルチターンセンサ100を復号化することができる。
図1のハーフターンデコーダ169はSAR技術を実装し得る。DWGの移動によって生成される磁壁の列が異なるハーフターンの独自の下位集合を含むことを認知することにより、これらの独自の下位集合を特定することができ、ハーフターンの数は、磁壁の全ての方向を判定することなく、復号化することができる(例えば、全てのセグメントの抵抗を判定することなく、またはGMRの螺旋の全てのコーナーの電圧を判定することもない)。
【0032】
図1の信号S
Mは、マルチターンセンサ100の異なる部分から取られた複数対の電圧を含み得る。例えば、ハーフターンデコーダ169は、マルチターンセンサ100の第1の対のコーナーから第1の対の電圧を受信し、次いで、ハーフターンデコーダ169が一連の複数の電圧を反復受信するように、ハーフターンデコーダ169は、マルチターンセンサ100の異なる対のコーナー等から対の電圧を受信することができる。各反復において、ハーフターンデコーダ169は、次の反復でマルチターンセンサのどのコーナーを読み取るかを判定するために、電圧を読み取り、かつその読み取りを使用するように構成することができる。式 により、ハーフターンカウントを、実質的に少ない反復で判定することができる。
HTC
max≦2
i 方程式1
【0033】
式1において、HTC
maxは、マルチターンセンサ100が検出するよう構成されるハーフターンの最大数を示し、iは、iが当該式を満たす最小の正の整数である場合の、反復の数を示す。各反復中、ハーフターンの数の2進数表現のビットの値を復号化することができる。例えば、0〜127のハーフターン(または64のターンまたは128のハーフターン)を検出する磁気センサは、7回の反復(2
7=128)で復号化され得る。特に、0〜127の整数は、7ビット2進数として表現され得る。いくつかの実施形態では、2
iまでの電圧読み取りが実行されハーフターンカウントを復号化するように、各反復中に、電圧は、2つまでの異なるノードから読み取られ得る。反復技術により、対応する128ハーフターンセンサの各コーナーから電圧を読み取るよりも実質的に速く実施され得、少電力の消費で実施され得る。8以上のハーフターンカウントを測定するマルチターンセンサを復号化する場合に、著しい利点を実現することができる。
【0034】
例示的な読み出し構造
図3は、例示的な読み出し構造を有するマルチターン磁気センサ300を示す。マルチターン磁気センサ300は、複数の磁気抵抗素子(
図2のR1〜R13に類似しているが、明示的に
図3では再度記載されていない)と、ハーフホイートストンブリッジの出力として測定され、検出され、および/または読み取られ得る電圧の複数のノードN
0〜N
15とを含む。ハーフホイートストンブリッジは、代替的にハーフブリッジと称され得る。第1の電圧を有する電圧レールVccは、螺旋の各ループの左上コーナーに結合される。螺旋の各ループの右下コーナーはグランド(GND)のような第2の電圧に結合される。
【0035】
マルチターン磁気センサ300は、リングのループを含む。例えば、第1のループは、最内周側Vccノードでスタートし、次のVccノードに到達するまで、時計回りに続いていく。各ループにおける磁気抵抗セグメントは、ホイートストンブリッジの可変抵抗器と考えられ得る。他の実施形態としては、第1の電圧レール上のVccおよび第2の電圧レール上の異なる電圧といった、異なる電圧レールを含み得る。
【0036】
ノードN
0〜N
15の電圧は対で測定することができる。ノードの電圧が測定され、測定された電圧が電圧の範囲内かどうか判定され得る。例えば、第1の「低」電圧は、電圧が第1の範囲内(例えば、−50mV未満)か判定され、第2の「中」電圧は電圧が第2の範囲内(例えば、−50mV〜50mV)か判定され、および第3の「高」電圧は第3の範囲(例えば、50mV以上)か判定され得る。いくつかの実施形態では、SAR技術は、電圧が電圧範囲内(例えば「高い」)かそうでないかを検出することも含むことができる。かかる実施形態は、他の電圧間の判別(例えば、「中」および「低」)は含まない場合もある。
【0037】
様々な実施形態において、電圧範囲は、電力レール(複数可)および/またはGMR螺旋のセグメントの抵抗の値に基づいて変化し得る。いくつかの実施形態では、「低」、「中」、および「高」の範囲が、螺旋の異なるループではノードごとにより異なり得る。様々な実施形態において、螺旋は、より多くのループを含み、より多くの数のハーフターンを検出するよう構成され得る。様々な実施形態において、DWGはマルチターン磁気センサ300のいずれかの端部にあってよい。
【0038】
逐次近似読み出し技術を使用して、対の電圧を順次読み取り、ハーフターンカウントを示す2進数を復号化する。第1の反復において、磁気抵抗トラックの第1の対のノードからの第1の測定電圧の読み出しが実施され得る。第1の対のノードは、螺旋の中央のループに向かうノード、または、ハーフターンカウントを示すのに使用されるビット数に対応するノードであり得る。ハーフターンカウントの第1の最上位ビットは、第1の測定電圧に基づいて(例えば、電圧が、両方とも高、または両方とも低、または高および低のように異なる値であるかどうか)、復号化され得る。次の反復中に読み取られるノードの次の対は、第1の対のノードからの測定電圧に基づいて選択され得る(例えば、電圧が、両方とも高、または両方とも低、または異なる値であるかどうか)。次いで、次の反復の間、次の対のノードを読み取ることができ、ハーフターンカウントの次のビットを復号化することができる(例えば、電圧が、両方とも高、または両方とも低、または高および低のように異なる値であるかどうか)。反復は、十分な数のノードが読み取られ、ハーフターンカウントを独自に復号化するまで、継続し得る。
【0039】
様々な実施形態において、連続的な読み取りは、GMR螺旋のどの端部(内側端部または外側端部)上にDWGが位置しているのか、時計回りまたは反時計回りのターンがカウントされているかどうか、VccおよびGNDのような電力レールの値等に基づいて、変更され得る。逐次近似読み出し技術の一例を示すフローチャートが、
図5に示される。逐次近似読み出し技術の特定の例を示すフローチャートが、
図5に示される。GMR螺旋のノードにおける信号レベルを示す実施例が、
図7で論じられている。
【0040】
図4は、
図4のマルチターンセンサ300からの複数対の電圧を読み取り、マルチターンセンサ300のターンカウントを復号化するためのデコーダ回路400の実施例を示す。デコーダ回路400は、マルチターンセンサ300からの読み取りに基づいて、ハーフターンカウントHTCを出力する。図示されるデコーダ回路400は、マルチプレクサ(MUX)401と、増幅器403と、アナログデジタル変換器(ADC)405と、バイアス制御器407と、デコーダ論理回路およびインターフェース409と、不揮発性メモリ(NVM)411とを含む。
【0041】
マルチターンセンサ300から、各ノード(
図3に示されるノードN
0〜N
15等)がマルチプレクサ401の異なる入力に電気的に結合される。マルチプレクサ401は、増幅器403へのマルチプレクサ401の出力を通して、電気的に連結されるマルチターンセンサ300のノードから1つを選択するように構成されている。いくつかの実施形態では、増幅器403はプログラマブルゲイン増幅器(PGA)であり得る。したがって、マルチターンセンサ300のノードの1つからの電圧は、選択され、増幅器403の入力に供給される。
【0042】
増幅器403は、増幅器入力で受領される電圧を増幅するように、かつ増幅器403出力で増幅信号を生成するように構成される。増幅信号はADC405の入力に供給される。増幅器403はバイアスネットワーク407を使用して付勢することができる。いくつかの実施形態では、ADC405は比較器などの1ビットADCであり、バイアスネットワーク407は比較される基準電圧を供給することができる。
【0043】
ADC405の出力は、ADC405の入力で受信された電圧の測定または範囲を示すデジタル出力信号であり得る。ADC405は、受信する低、中、または高の電圧間を区別するデジタル出力信号のための異なる値を出力することができる。例えば、ADCは、低電圧(例えば、−50mV未満または他の閾値内)の検出に応答して、b’01(b’01はビット01を示す)を出力することができ、中電圧(例えば、−50mV〜50mVまたは他の閾値内)の検出に応答してb’10を出力することができ、高電圧(例えば、50mV以上または他の閾値内)の検出に応答してb’11を出力することができる。ADC405のための比較器を含むいくつかの実施形態では、ADC405の入力の電圧が、バイアス回路407によって供給される基準電圧よりも大きくなるか、また低くなるかどうかを、ADC405の入力は示すことができる。したがって、ADC405は、マルチターンセンサ300の選択されたノードから電圧を検出または測定するように、かつマルチターンセンサ300の選択されたノードの電圧に少なくとも一部に基づいてデジタル出力信号を生成するように構成されている。いくつかの実施形態では異なる電圧閾値は、マルチターンセンサ300の異なる抵抗セグメントに使用され得る。異なる電圧閾値は抵抗セグメントの異なる長さを説明できる。例えば、
図2に示すように、抵抗器R13はR1よりも長い。さらにまたは代替的に、異なるゲインは、異なるセグメントの抵抗の変化について測定するための増幅器403に適用され得る。
【0044】
デコーダ論理回路およびインターフェース409はデジタル出力信号を受信および復号化することができる。例えば、これは
図5および
図6それぞれに示されるフローチャートを参照して論じられる、任意の好適な特徴に基づいて、復号化するのに関係する。いくつかの実施形態では、デコーダ論理回路およびインターフェース409は、
図5および/または
図6のフローチャートを参照して論じられる特徴を実施する記述機械、および/または、
図5および/または
図6のフローチャートを参照して論じられる特徴を実施するようにプログラムされたデジタルプロセッサを含み得る。デコーダ論理回路およびインターフェース409は、シリアル周辺機器インターフェース(SPI)のような通信用インターフェースまたは他の好適なインターフェースを含み、ハーフターンカウント(HTC)のような検出されたターンカウントを出力することができる。
【0045】
デコーダ論理回路はまた、マルチプレクサ401に供給される制御信号の値を設定するための論理を含み得る。制御信号は、逐次近似読み出し技術に従って、電圧検出用のマルチターンセンサ300のノードを順次選択するように設定することができる。例えば、制御信号は、
図5のブロック505および/または
図6のブロック609に示されるように、ノードを選択するように構成され得る。したがって、一連のノードは、マルチターンセンサ300のターンカウントを迅速かつ効率的に復号化するように選択され得る。
【0046】
不揮発性メモリ(NVM)411を使用して、増幅器403のゲインのようなデコーダ回路400の他の構成素子の較正値、および/または、マルチターンセンサ300の様々なノードからの各ハーフブリッジ出力電力の、オフセットを較正するための係数とを格納することができる。較正係数は、増幅器403に適用するゲイン、および/または、異なる抵抗セグメントに使用される異なる閾値電圧を含み得る。いくつかの実施形態では、NVM411は、測定された電圧に従ってハーフターンカウントを復号化するために参照する、ルックアップテーブルを格納することができる。いくつかの実施形態では、NVM411は、異なるノードから電圧が読み取られる際に、電圧値の表示を記憶することができる。同じデコードプロセス中に読み取られ、かつNVM411に格納されるノードの電圧値に、逐次近似読み出しが依存する場合、その格納された電圧は、マルチターンセンサ300上のノードから電圧を再読み取りする代わりに、NVM411から読み取られ得る。
【0047】
デコーダ回路400の様々な実施形態は、より多いまたはより少ない要素を含むことができる。例えば、一度にマルチターンセンサ300の2つ以上のノードから電圧を選択しかつ読み取るために、並行パスを加えることができる。これは、第1マルチプレクサおよび奇数ノードを読み取る処理通路と、第2マルチプレクサおよび偶数ノードを読み取る並行の処理通路とを含み得る。いくつかの実施形態では、増幅器またはADCが省略され得る。
【0048】
逐次近似読み出し技術
図5は、逐次近似読み出し技術を使用して、マルチターンセンサの出力からハーフターンを復号化するための例示的なプロセス500のフローチャートを示す。プロセス500は、
図3に示されるマルチターンセンサ300のようなマルチターンセンサからの、ハーフターン(HTC)を判定するように構成された任意の好適な電子回路に実装され得る。HTCは、2進数に復号化され得る。逐次近似読み出し技術は多様なマルチターンセンサのための様々な異なる方法で実装され得る。例えば、DWGが位置するのは螺旋のどの端部なのかに基づいて、時計回りまたは反時計回りのターンが「正」ターンとみなすかどうかに基づいて、磁気抵抗素子の初期化された状態に基づいて、どのようにノードは数えられるということに基づいて、かつ他の要素に基づいて、電圧は、高いまたは低いとして検出され得る、数字が加算若しくは減算され得る、数字が異なるように初期化され得る等が挙げられる。例示的なプロセス500の実装に関する具体的な例は、
図6に関連して論じられる。
【0049】
ブロック503で、初期反復子(i)を設定し、マルチターンセンサのノード番号「n」(例えば、Nn)が選択されてもよい。初期反復子は、逐次近似読み出し技術を使用するHTCを判定するのに十分な反復回数に設定することができる。反復子は、2進数で最大HTCを表現するのに十分なビット数を示す整数に設定してもよい。例えば、デコーダが、ビット[5:0]を使用する2進数として0〜63のハーフターンをカウントするように構成された場合、次いで、反復子は、フルターンカウントを表現することができるビット数、または同じように、ハーフターンカウントを表現することができるビット数未満のビット数に、設定することができる。例えば、反復子は5または6に設定してもよい様々な実施形態において、反復子はカウントアップまたはカウントダウンし得る。例えば、反復子は、0で開始しカウントアップしていく。反復子は、反復回数の追跡に有用な任意の数に初期化され得る。
【0050】
ノード番号nは、測定されたおよび/または検出された電圧を有するように選択される。例えば、
図3および
図4に関して、ノードN
8(n=8)は、マルチプレクサ401に供給される制御信号の適切な値を設定することによって選択され得る。nの初期値は、ノードのいずれかとして選択されてもよい。ある特定の実施形態では、nは、MSB+/−1の値のように、およそHTCの最上位ビット値の数でとして選択され得る。例えば、最大HTCが十進法で30である場合、次いで、HTCは、2
5=32で30を超えるため、5つのビット2進数[4:0]で表現することができる。2
MSB=2
4=16なので、ノードn
16(n=16)は初期ノードとして選択され得る。いくつかの他の実施形態では、ノードは、
図3に示される付番方式に従って、最大可能HTCの約半分であるように選択され得る。
【0051】
ブロック505では、ノード番号nからの出力が読み取られ得る。出力は、ハーフブリッジ電圧出力またはホイートストンブリッジ電力出力としてもよい。電圧測定は、電圧計、アナログデジタル変換器、比較器、または他の電圧インジケータを使用して読み取ることができる。
【0052】
ブロック506では、
図3に示される付番方式に従って、ノードn±1からの出力を読み取ることができる。例えば、
図3のノードN
8からの出力がブロック505で読み取られた場合、次いで、
図3のノードN
7からの出力はブロック506でも読み取られ得る。1がnに加算されるか、またはnから減算されるかどうかは、最初に選択されたノード(例えば、N
7がブロック505で選択される場合)と、ノードがどのように付番されるかと、他の類似の検討要素とに依存してもよい。出力はまた、電圧計、アナログデジタル変換器、比較器、または他の電圧インジケータを使用して読み取られる、電圧測定値であり得る。
【0053】
ブロック507では、HTCの連続ビットが、ブロック505およびブロック506で読み取られたノードnおよびノードn±1の出力に基づいて判定され得る。第1の反復「i」にとって、連続ビットは、HTCの最上位ビットであり得る。連続的な反復では、連続ビットが、HTCの次の最上位ビットであり得る。いくつかの実施形態において、ノードnとノードn±1の電圧出力の両方が低い場合、連続ビットを1と設定することができ、そうでなければ、連続ビットを0に設定することができる。HTCの連続ビットは、ノードnおよびn±1の両方が低いまたは高いであるか否かで、1または0に設定することができる。特定の実装は、電力レールの接続および/または他の要因などの設定に依存し得る。いくつかの事例において、全てのハーフターンの全てのノードの全ての電圧の完全な読み出しは測定されることができ、ブロック507における判定は、特定のノード対のどの電圧読み出しが、どの特定のHTCがカウントにとって特有なのかに基づくことができる。
【0054】
ブロック509では、反復が完了したかどうかを判定できる。HTCの全てのビットを復号化するのに十分な反復数が完了した場合、次いでブロック509はブロック511に進むことができる。ブロック511で、マルチターンセンサの復号化されたターンカウントは、出力となり得る。そうでなければ、ブロック509はブロック513に進むことができる。
【0055】
ブロック513では、反復子が増加できる。例えば、反復子がカウントアップまたはカウントダウンするかどうかによって、反復子を加算または減算することができる。
【0056】
ブロック515では、次のノード番号「n」を選択する。「n」の数は,直近の反復のブロック507からのノードnの出力の少なくとも一部、およびノードn±1の出力に基づいて、選択することができる。ノードnおよびn±1がブロック507で使用され、HTCの現在近似値を設定することができるため、次のノード番号「n」はまた、HTCの現在近似に基づいて選択され得る。いくつかの実施形態では、次のノード番号nが、次の最上位ビット値を加算または減算することによって変更され得る。例えば、nが現在16に等しい場合、次いで、N+8(24である)またはN−8(8である)は、ブロック505および506で検出されたN
nおよびN
n±1の電圧出力の値に応じて、ノード番号として選択され得る。いくつかの実施形態において、ブロック505および506で検出されたN
nおよびN
n±1の電圧出力の値に応じて、次のノード番号Nは、Nの現在値と最大HTCとの間の約中間にあるか、またはNの現在値と最小HTCとの間の約中間にあるかで選択され得る。nの数が増加するか減少するかどうかは設定による。nの次の値が、ノードの有効範囲外にある場合、次いで、HTCへの変化は、次の反復に対して無視され得る。ノード番号nがブロック515で選択された後に、ブロック505の次の反復が処理され得る。
【0057】
逐次近似読み出し実施例
図6は、逐次近似読み出し技術を使用してマルチターンセンサのハーフターンを復号化するための例示的なプロセス600のフローチャートを示す。プロセス600は、例示的なマルチターンセンサの出力からハーフターンカウント(HTC)を判定するよう構成されている、任意の好適な電子回路によって実装され得る。プロセス600は、40のフルターンをカウントすることができ、0〜79のHTCを判定するよう構成された例示的なマルチターンセンサについて、論じられている。HTCはビット[6:0]で2進数に復号化することができる。例示的なマルチターンセンサは、螺旋の外側に配置されたDWGを含むことができ、マルチターンセンサは、磁性ターゲットの「正」ターンを時計回りターンをカウントするように構成することができる。ノードは0〜79で付番され、螺旋の外側ループでノード0から開始する。
【0058】
ブロック603では、初期反復子(i)は、6に設定され、HTCは、ゼロに初期化され得る。最大HTCは79であり、本実施例では、7ビット数(1001111)と表現されている。ビット[6:0]を含むHTCのビット6が最上位ビットであり、HTCのビット0が最下位ビットである。反復子iは、6に初期化され得、これは、最上位ビットの位置である。
【0059】
ブロック605で、HTCは、HTCの以前の値に2
iを加算することによって変更される。第1の反復では、0の初期HTCは、2
6〜0を加算することで変更され、64と等しくなり、それにより、HTCが64に設定される。
【0060】
ブロック607で、nはHTCの値に設定される。第1の反復では、
図3に示される付番方式に従って、より多くのターンを有する螺旋に適用されるノードN
64が選択されるように、Nは、ブロック605で判定されたHTCの値に設定される。後続の反復では(例えば、第1の反復以外で)、nは、ブロック611または613で判定されるようなHTCの更新値の値に設定することができる。したがって、後続の反復では(例えば、第1の反復以外で)、ブロック607に設定されたnの値は、ブロック609で測定されたマルチターンセンサの以前の測定に少なくとも一部依存する。
【0061】
ブロック609では、
図3に示される付番方式に従って、より多くのターンを有する螺旋に適用される、ノードnとノードn−1からのハーフブリッジ電圧出力は、読み取られ得る。ノードnおよびノードn−1からのハーフブリッジ電圧出力が両方とも低い場合、次いでブロック609はブロック611に進み、そうでなければブロック609はブロック613に進む。プロセス600では、ブロック609での判定およびブロック611またはブロック613いずれかにおける後続の演算により、HTCの各ビットを判定することができる。
【0062】
ブロック611において、HTCは、HTCの以前の値から2
iを減算して変更され、ブロック605の変化を効果的に元に戻す。第1の反復では、ブロック611が実施される場合、HTCの値が64−2
6に設定されれば、0と等しくなり、その結果、HTCの最上位ビットが0に設定される。
【0063】
ブロック613では、HTCは変化しない。第1の反復では、ブロック613が実施される場合、HTCの最上位ビットは1として設定される。いくつかの実施形態では、ブロック609が「HTC=HTC+2
i」に変更され、ブロック611が「HTC=HTC」に変更され、ブロック607が、NがHTC+2
iに設定されることを示す場合に、ブロック605がなくても、数学的な等化処理を実施することができるということが認識されている。
【0064】
ブロック615では、HTCが完全に復号化され、それが、反復子がプロセス600で0に等しいときに生じるということを、反復子が示すかどうかを、判定することができる。そうである場合、ブロック615は、ブロック617で復号化されたハーフターンを出力するよう処理することができるそうでなければ、ブロック615は、ブロック619に進むことができる。
【0065】
ブロック619では、反復子が、1を減分され得るため、結果、次の反復を始めることができる。次いで、ブロック619は、ブロック605〜615がHTCの次の連続ビットを判定するよう再度実施されるようにブロック605に進む。
【0066】
図7は、マルチターンセンサの様々なノードからの例示的な電圧出力を示す。
図7は、
図3に示されるセンサ300のような、0〜15のハーフターンをカウントするための例示的なマルチターンセンサに基づいている。ハーフブリッジ電圧出力は、
図3の各ノードN
0〜N
15で示されている。ノードN
0〜N
7は第1の列で示され、ノードN
9〜N
15が第2の列で示される。各列の底部では、軸が2250度〜2520度のターン角度を示している。参考として、2340°/180°=13ハーフターンを挙げる。ノードN
0〜N
15の電圧出力の各々が、軸によって示されるターン角度の対応する範囲を通して、低、中、または高電圧として示される。ノードN
0〜N
15が、ターン角度の例示される範囲外の他の電圧出力を有し得るということは、理解されるであろう。2進数として示されない限りは、全ての数字は10進数である。さらに明確にするために、いくつかの10進数は、接尾語に「dec」を用いて具体的に示してもよく、2進数は接頭語に「b’」を持ってきてもよい。
【0067】
第1の実施例として、
図6に示されるプロセスは、磁性ターゲットが2300度までターンした場合に、4つの反復でハーフターンカウントを判定するために、電圧出力を復号化するよう使用され得る。したがって、各ノードにとって、低、中、または高の電圧値は、2250〜2340の間の軸部に沿って読み取られ得る。HTCは、ビット[3:0]によって表現される4ビット数に復号化され得る。したがって、ブロック603では、iは3に初期化することができ、HTCは、b’0000=0decと設定される。
【0068】
第1の反復(i=3)では、ブロック605で、HTCは、HTC=b’1000=8decとなるように0+2
3で設定される。ブロック607では、ノード番号n=HTCは、n=8になるように選択される。ブロック609では、
図3のマルチターンセンサ300のノードN
8およびN
7のハーフブリッジ電圧出力が読み取られる。出力グラフによると、ノードN
8の電圧出力が低く、ノードN
7の電圧出力が高い。したがって、ブロック609における判定は、偽であり、ブロック609はブロック613に進み、HTCは変化しない。ブロック615では、反復子は完了せず、ブロック619では、i=2になるように、反復子iは1を減分する。
【0069】
第2の反復(i=2)において、ブロック605では、HTCは、HTC=b’1100=12decになるように、8+2
2に設定される。ブロック607では、ノード番号n=HTCは、n=12になるように選択される。ブロック609では、
図3のマルチターンセンサ300のノードN12およびN11のハーフブリッジ電圧出力は読み取られる。出力グラフによると、ノードN
12の電圧出力が低く、ノードN
11の電圧出力が高い。したがって、ブロック609での判定は偽であり、ブロック609はブロック613に進み、HTCは変化しない。ブロック615では、反復は完了せず、ブロック619では、反復子iはi=1になるよう1を減分する。
【0070】
第3の反復(i=1)において、ブロック605では、HTCは、HTC=b’1110=14decになるように、12+2
1に設定される。ブロック607では、ノード番号n=HTCは、n=14になるように選択される。ブロック609では、
図3のマルチターンセンサ300のノードN
14およびN
13のハーフブリッジ電圧出力は、読み取られる。出力グラフによると、N
14の電圧出力ノードが低く、N
13の電圧出力ノードが低い。したがって、ブロック609での判定は真であり、ブロック609はブロック611に進み、HTCは、HTC=b’1100=12decになるように、14−2
1に設定される。ブロック615では、反復は完了せず、ブロック619では、反復子iはi=0になるよう1を減分する。
【0071】
第4の反復(i=0)において、ブロック605では、HTCは、HTC=b’1101=13decになるように、12+2
0に設定される。ブロック607では、ノード番号n=HTCは、n=13になるように、選択される。ブロック609では、
図3のマルチターンセンサ300のノードN
13およびN
12のハーフブリッジ電圧出力は読み取られる。出力グラフによると、ノードN
13の電圧出力は低く、ノードN
12の電圧出力は低い。したがって、ブロック609での判定は真であり、ブロック609はブロック611に進み、HTCは、HTC=b’1100=12decになるように、13−2
0に設定される。ブロック615では、反復は完了し、HTCは、2300°が12ハーフターン(2160°)超で、かつ13ハーフターン未満(2340°)となるので、2300°に該当する、12ハーフターンとして復号化される。ハーフターンカウントはブロック617での出力である。
【0072】
いくつかの実施形態では、N
13の電圧は、第3の反復中に、メモリ(
図4のNVM411)に格納され得る。第4の反復の一部として、N
13の電圧は、マルチターンセンサ上のノードから電圧を再測定する代わりに、メモリから読み取ることができる。これにより、ある特定の事例で、ハーフターンカウントを復号化する電力消費の低減および/または時間の低減を実現できる。
【0073】
第2の実施例として、
図6に示すプロセスは、13のハーフカウントに該当する、磁気ターゲットが2400度までターンした場合、4回の反復の中でハーフターンカウントを判定するように、電圧出力を復号化するために使用され得る。したがって、各ノードにごとに、低、中、または高の電圧値は、2340〜2430の間の軸部に沿って読み取られ得る。HTCは、ビット[3:0]で表現される4ビット数に復号化され得る。したがって、ブロック603では、iは3に初期化され得、HTCはb’0000=0decに設定される。
【0074】
第1の反復(i=3)において、ブロック605では、HTC=b’1000=8decになるように、HTCは0+2
3に設定される。ブロック607では、n=8になるように、ノード番号n=HTCは選択される。ブロック609では、
図3のマルチターンセンサ300のノードN
8およびN
7のハーフブリッジ電圧出力は読み取られる。出力グラフによると、ノードN
8の電圧出力は低く、ノードN
7の電圧出力は高い。したがって、ブロック609での判定は偽であり、ブロック609はブロック613に進み、HTCは変化しない。ブロック615では、反復は完了せずに、ブロック619では、i=2になるように、反復子iは1を減分する。
【0075】
第2の反復(i=2)において、ブロック605では、HTCは、HTC=b’1100=12decになるように、8+2
2に設定される。ブロック607では、n=12になるように、ノード番号n=HTCは選択される。ブロック609では、
図3のマルチターンセンサ300のノードN
12およびN
11のハーフブリッジ電圧出力は読み取られる。出力グラフによると、N
12の電圧出力ノードは低く、N
11の電圧出力ノードは高い。したがって、ブロック609での判定は偽であり、ブロック609はブロック613に進み、HTCは変化しない。ブロック615では、反復は完了せずに、ブロック619では、i=1になるように、反復子iは1を減分する。
【0076】
第3の反復(i=1)において、ブロック605では、HTCは、HTC=b’1110=14decになるように、12+2
1に設定される。ブロック607では、n=14になるように、ノード番号n=HTCは選択される。ブロック609では、
図3のマルチターンセンサ300のノードN
14およびN
13のハーフブリッジ電圧出力は読み取られる。出力グラフによると、ノードN
14の電圧出力は低く、ノードN
13の電圧出力は低い。したがって、ブロック609での判定は真であり、ブロック609はブロック611に進み、HTC=b’1100=12decになるように、HTCは14−2
1に設定される。ブロック615では、反復は完了せずに、ブロック619では、i=0になるように、反復子iは1を減分する。
【0077】
第4の反復(i=0)において、ブロック605では、HTC=b’1101=13decになるように、HTCは12+2
0に設定される。ブロック607では、n=13になるように、ノード番号n=HTCは選択される。ブロック609では、
図3のマルチターンセンサ300のノードN
13およびN
12のハーフブリッジ電圧出力は読み取られる。出力グラフによると、N
13の電圧出力ノードは低く、ノードN
12の電圧出力は中である。したがって、ブロック609での判定は偽であり、ブロック609はブロック613に進み、HTCは変化しないままである。ブロック615では、反復は完了せずに、HTCは、13ハーフターンとして復号化される。このハーフターンカウントは、出力ブロック617では出力である。
【0078】
図7を参照して上述の2つの実施例によって図示されるように、HTCは、16の異なるノードを有するマルチターンセンサに関わらず、7つの異なるノードからの電圧出力の読み取り後に、HTCは復号化され得る。したがって、読み出しは、全てのノードからの出力電圧の読み取りと比較して、2倍速かつ半分未満の電力消費であり得る。
【0079】
磁気角度センサシステムの実施例
図8Aは、一実施形態による、マルチターンセンサ100と、角度センサ166と、プロセッサ168aとを含む、磁気角度センサシステム800の概略ブロック図である。図示されるように、プロセッサ168aは、アナログデジタル変換器(ADC)802と、ADC804と、マイクロコントローラ806と、マイクロプロセッサ808とを含む。
図8Aの実施形態では、プロセッサ168aは、マルチターンセンサ100からの信号S
Mと、角度センサ166からの信号S
Aを受信する。信号S
MおよびS
Aは、ホイートストンブリッジからの電圧信号のようなアナログ信号である。マルチターンセンサ100からの信号S
Mは、ADC802によってデジタル信号S
1に変換され得、角度センサ166からの信号S
Aは、ADC804によってデジタル信号S
2に変換され得る。ADC804は、デジタル信号S
2をマイクロコントローラ806に提供し、これは次に、この情報を変換および処理することができる。マイクロプロセッサ808は、ADC804の角度出力データS
2とADC802からデジタル信号S
1からの両方を組み合わせることができ、全回転角度位置データPositionを算出する。マイクロコントローラ806は、マルチターンセンサ100の出力を復号化して、ハーフターンカウントを判定することができる。マイクロコントローラ806は、本明細書で論じられる任意の好適な原理および利点に従い、マルチターンセンサのターンカウントを復号化するように配設されたデコーダを含み得る。例えば、マイクロコントローラ806は、本明細書で開示されるように、マルチターンセンサ100からの信号S
Mの対を読み取り、復号化するように構成されたハーフターンデコーダを含み得る。いくつかの実施形態では、ADC802は、SAR技術に従って、電圧が「低」または「高」であるかどうかを検出するように構成することができる。したがって、いくつかの実施形態において、ADC802は、1ビット電圧閾値検出器または比較器として、実装され得る。
【0080】
別の実施形態によると、
図8Bは、マルチターンセンサ100と、角度センサ166と、プロセッサ1168bとを含む、磁気角度センサシステム840の概略ブロック図である。プロセッサ1168bは、マイクロコントローラ814を含むことを除いて、
図8Aのプロセッサ168aと同様である。マイクロコントローラ814は、
図1の処理回路168の任意の好適な原理および利点を実装することができる。
【0081】
図8Cは、一実施形態によると、マルチターンセンサ100と、角度センサ166と、プロセッサ168cとを含む磁気角度センサシステム850の概略ブロック図である。プロセッサ168cは、プロセス168cが、マルチターンセンサ100および角度センサ166の出力を処理するためにASIC820を含むことを除いては、プロセッサ168aおよび168bと同様である。ASIC820は、
図1の処理回路168の任意の好適な原理および利点を実装することができる。ASIC820は、全回転角度位置データPositionを計算することができる。
図8Cの実施形態では、ASIC820は、本明細書に開示されるように、マルチターンセンサ100から信号S
Mの対を読み取り、復号化するように構成することができる。例えば、ASIC820は、
図5または
図6のプロセスについての、状態機械の実装であるか、デジタル論理の実装になり得る。全ての構成要素が再描写されているわけではないが、
図8A、
図8B、および
図8Cのシステムは、
図4のシステム400の様々な実装を含み得ることが理解されるだろう。
【0082】
本明細書で論じられる原理および利点のうちのいずれもが、上述のシステムでだけではなく、他のシステムにも適用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の特徴および/または利点の下位集合を含み得る。上述の様々な実施形態の要素および操作は、さらなる実施形態を提供するために組み合わせることができる。本明細書で論じられる方法の実行は、必要に応じて任意の順序で実施することができる。さらに、本明細書で論じられる方法の実行は、必要に応じて、連続的または並行して実施することができる。回路は特定の配設において例示されているが、他の等価的な配設が可能である。
【0083】
本明細書で論じられる原理および利点のいずれも、本明細書の教示のいずれかから、利益を得ることができる任意の他のシステム、装置、または方法に関連して実装することができる。例えば、本明細書で論じられる原理および利点のいずれも、マルチターン磁気センサのターンカウントの復号化を必要とする任意のデバイスと関連して実施することができる。
【0084】
本開示の態様は、マルチターンセンシングに関する、様々な電子装置、部品および/またはシステムにおいて実施され得る。例えば、本明細書で論じられる原理および利点のうちのいずれかに従って実装される、復号化方法およびデコーダ回路は、様々な電子システム、装置、および/または電子部品に含めることができる。例えば、本開示の態様は、本明細書に開示される技術から利益を得る、任意の電子システム、電子装置、および/または電子部品で実装され得る。電子装置の例としては、消費者電子製品、消費者電子製品の部品、電子試験装置、車両用電子システム等が挙げられ得るが、これらに限定されない。電子装置の例としては、計算装置、通信装置、家電器具、自動車電子用システム、他の車両用電子システム、工業用制御電子システム、医療用システムまたは装置等が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0085】
文脈が明確に別途必要としない限り、明細書および特許請求の範囲を通して、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」などの語は、排他的または網羅的な意味ではなく、包括的な意味で解釈されるべきであり、言い換えれば、「含んでいるが、これに限定されない」という意味である。本明細書で一般的に使用される「結合された(coupled)」または「接続された(connected)」という語は、直接接続されるか、または1つ以上の中間要素によって接続され得る2つ以上の要素を指す。したがって、図面に示された様々な概略図は、要素および構成要素の例示的な配設を示しているが、実際の実施形態では、追加の介在要素、装置、特徴、または構成要素が存在することがある(図示の回路の機能に悪影響がないものと仮定する)。本明細書で使用される「に基づく(based on)」という語は、一般的に、「にだけに基づく(based solely on)」と「少なくとも一部に基づく(based at least partly on)」を包含することが意図されているさらに、本出願で使用される場合、「本明細書(herein)」、「上(above)」、「下(below)」という語、および類似の意味の語は、本出願の特定部分ではなく、本出願全体を指すものとする。文脈が許す限り、単数または複数の数字を使用する特定の実施形態の詳細な説明内の語は、それぞれ複数または単数を含むこともできる。2つ以上の項目のリストを参照する際の「または(or)」という語は、以下の語の解釈、リスト内のいずれかの項目、リスト内の全ての項目、およびリスト内の項目のいずれかの組み合わせを包含することを意図される。本明細書で提供される全ての数値または距離は、測定誤差内に同様の値を含むことが意図される。
【0086】
特定の実施形態について説明してきたが、これらの実施形態は単なる例示として提示されたものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に記載された新規な装置、システム、および方法は、様々な他の形態で具体化されてもよい。さらに、本開示の趣旨から逸脱することなく、本明細書に記載の方法およびシステムの形態における様々な省略、置換、および変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物は、本開示の範囲および趣旨に含まれるような形態または改変を包含するように意図される。